JP3138393U - 墨出し装置用整準機構 - Google Patents

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小田部由典
上野康男
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上野 康男
株式会社アイ電子工業
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Abstract

【課題】
傾斜検出センサーと傾斜修正用のモーター駆動機構を有するレーザー墨出し装置において、装置の転倒によって揺動機構に加わる衝撃によって、ジンバル支持部及び傾斜修正用のモーター駆動機構の損傷、光学性能の変化等の故障が発生する。 現在これを防止する有効な手段が無いが、傾斜修正機構部に球面部材を使用して有効な改善手段を提供するものである。
【解決手段】
ジンバル機構部に支持された揺動部の下部に植設されたアームと、該アーム下端部を挟むフォーク部材が傾斜修正用のモーター駆動機構で回転するネジ部材によってネジ部材の長手方向に移動可能に設けられている整準機構を有し、該フォーク部材が挟む該アーム下端部が球面形状をなしているごとき墨出し装置用整準機構を提供するものである。
【選択図】 図1

Description

本考案は、土木、建築、機械装置の設置時に使用するライン状のレーザー光線を射出する方式の墨出し装置に関するものであり、特に傾斜角度を検出する傾斜センサーの信号と傾斜修正用のモーター駆動機構を用いた整準機構を有する方式の墨出し装置用整準機構に関するものである。
現在、上記目的で使用するレーザー墨出し装置のうちジンバル機構部に支持された揺動部の下部に植設されたアームと、該アーム下端部を挟むフォーク部材が傾斜修正用のモーター駆動機構で回転するネジ部材によってネジ部材の長手方向に移動可能に設けられている整準機構を有しているものにおいて、該フォーク部材が挟む該アーム下端部平面又は円筒状を形成していると前後左右に傾斜した場合、その揺動傾斜角によってフォーク部材とアーム下端部との係合部に干渉が生じ、これを避けるためいフォーク部材の溝を広げると揺動角が小さいときに隙間が生じる。 この状態で外部から衝撃力が加わるとレーザー光学系やジンバル支持部及び傾斜修正用のモーター駆動機構などに過大な力が加わり故障の原因となることが多い。
上記課題を解決する為に、提供されている対策案としては、重力を利用して振り子の原理によりレーザー光学系の傾斜を防止する方式のものについては、ジンバル支持部をケースに対して緩衝材を介して取り付けるものがある。
特開 2007‐139696 しかし、本考案のごとき傾斜修正用のモーター駆動機構を用いる方式のレーザー墨出し装置について、外部から衝撃力に対抗する構造の案は見当らない。
本考案が解決しようとする課題は、傾斜角度を検出する傾斜センサーの信号と傾斜修正用のモーター駆動機構を用いた整準機構を有する方式の墨出し装置の整準機構において、外部から衝撃力によってレーザー光学系やジンバル支持部及び傾斜修正用のモーター駆動機構などに過大な力が加わり故障の原因となることを防止することが出来る墨出し装置用整準機構を提供することにある。
本考案は、上記背景の下に成立するものであり、本考案の第1の手段は、ジンバル機構部と傾斜検出センサーと傾斜修正用のモーター駆動機構とレーザー光源によるライン照射部と制御部を有し、該ジンバル機構部に支持された揺動部の下部に植設されたアームと、該アーム下端部を挟むフォーク部材が傾斜修正用のモーター駆動機構で回転するネジ部材によってネジ部材の長手方向に移動可能に設けられている整準機構を有し、該フォーク部材が挟む該アーム下端部が球面形状をなしているごとき墨出し装置用整準機構を提供するものである。
本考案の第2の手段は、アーム下端部の球面部とアームとを緩衝材を介して結合したごとき墨出し装置用整準機構を提供するものである。
本考案は、上記手段により、外部から衝撃力によってレーザー光学系やジンバル支持部及び傾斜修正用のモーター駆動機構などに過大な力が加わり故障の原因となることを防止することが出来るものである。
本考案の構成は、ジンバル機構部と傾斜検出センサーと傾斜修正用のモーター駆動機構とレーザー光源によるライン照射部と制御部を有し、該ジンバル機構部に支持された揺動部の下部に植設されたアームと、該アーム下端部を挟むフォーク部材が傾斜修正用のモーター駆動機構で回転するネジ部材によってネジ部材の長手方向に移動可能に設けられている整準機構を有し、該フォーク部材が挟む該アーム下端部が球面形状をなしているごとき墨出し装置の整準機構を提供するものである。 又、アーム下端部の球面部とアームとを緩衝材を介して結合したごとき墨出し装置の整準機構である。
以下図について本考案の実施形態について説明する。
図1は、本考案の墨出し装置の一実施形態の構造を示す側面図であり、図2はその部分詳細側断面図である。 図1においては、カバーなど本考案に関与しない部分は省略し、傾斜検出センサー及びライン照射部など公知の部分は鎖線で表示している。 又、実用状態における鉛直な一面としてのX面(紙面と平行な面)に沿った側面図を示しているが、これに直行する鉛直なY面(紙面と直角な面)に沿った側面図もほぼ同様の構造となっている。 以下添字X及びYは上記説明の側面に関するものとする。
図1において、ベース部材1には複数の支柱2が植設され、該支柱2に取り付けられたジンバル機構部3によって紙面に平行なX方向と紙面に直角なY方向に揺動自在に支持された揺動部4の下部にはアーム5が植設され、該アーム5の下端部6を挟むフォーク部材7がX方向の傾斜修正用のモーター駆動機構8で回転するネジ部材9によって左右方向に移動可能に設けられている。 XY両方向の揺動機構を干渉せずに配置するためにはアーム5、下端部6を挟むフォーク部材7、傾斜修正用のモーター駆動機構8及びネジ部材9は揺動部4の中心から紙面上で手前にシフトされた状態で配置されている必要がある。
揺動部4の上部にはレーザー光源によるライン照射部10と傾斜検出センサー11を有している。 該フォーク部材7が挟む該アーム5の下端部6は球面形状をなしている。 また、支柱2の側面には電池による電源部12と制御部13が設けられている。 制御部13は一般にCPU、ドライブ回路、メモリーなどを含むものである。 制御部13は該傾斜検出センサー11の信号によってモーター駆動機構8を介してフォーク部材7を左右に移動させて揺動部4が常に水平になるよう制御している。 14はネジ部材9とフォーク部材7及びアーム5との係合状態の遊び(バックラッシュ)を防止するためのスプリングである。
尚、紙面に直角なY平面における構造も上記X平面状の構造とほぼ同様のものである。
又、支柱2、電源部12及び制御部13は揺動部4から上方に大きく突出しない事が望ましい。
また、図2においてアーム5の下端には、図示しないネジなどによって固着された補助アーム15が設けられ、アーム5及び補助アーム15によって両端が細く形成された穴16には先端が球面16に形成された球面下端部17が緩く嵌合され、段部18によって抜け落ちを防止している。 また、2個の球面下端部17の凹部19の間にはゴムなどによる弾性を有する材料を用いた弾性部材20が挿入されている。 この状態でアーム部材5に右方向から過大な力が加わった場合は左側の球面下端部17が弾性部材20を圧縮しながらこの力を吸収し、左方向から過大な力が加わった場合は右側の球面下端部17が弾性部材20を圧縮しながらこの力を吸収する。
図1及び図2に示す本考案の作用について説明する。
図1において、紙面に平行なX方向の揺動運動に関しては問題は無いが、今鎖線で示すごとくアーム部材5が右に傾いた状態で揺動部4がY方向に揺動する場合、下端部6が球面形状をしていればフォーク部材7との干渉は生じないが、仮にY方向に直線的な円筒形状であった場合にはフォーク部材7との干渉が生じる。 従ってこれを避けるためにはフォーク部材7の溝幅を広げる必要があり、そうすると揺動部4の揺動角が小さい場合に下端部6との間に隙間が生じる。 フォーク部材7の溝の形状を曲線状にしても完全な解決にはならない。 スプリング14は通常の動作におけるネジ部材9とフォーク部材7及びアーム5との係合状態の遊び(バックラッシュ)を防止することは出来るが、この隙間は装置の転倒などによる外部からの衝撃によって下端部6と該溝面との衝突現象による各部の破損の原因となる可能性が高い。 このような欠点を廃止するために下端部6が球面形状をしていることが極めて有効である。
更に図2において、2個の球面下端部17の凹部19の間にはゴムなどによる弾性を有する材料を用いた弾性部材19が挿入されているので、アーム部材5に右方向から過大な力が加わった場合は左側の球面下端部17が弾性部材20を圧縮しながらこの力を吸収し、左方向から過大な力が加わった場合は右側の球面下端部17が弾性部材20を圧縮しながらこの力を吸収する。 従って、従来有効な対策が無かった傾斜角度を検出する傾斜センサーの信号と傾斜修正用のモーター駆動機構を用いた整準機構を有する方式の墨出し装置の整準機構において、外部から衝撃力によってレーザー光学系やジンバル支持部及び傾斜修正用のモーター駆動機構などに過大な力が加わり故障の原因となることを防止することが出来る。
以上の説明で明らかなごとく本考案の墨出し装置用整準機構は、傾斜検出センサーと傾斜修正用のモーター駆動機構を有するレーザー墨出し装置において、装置の転倒によって揺動機構に加わる衝撃を有効に緩和し、ジンバル支持部及び傾斜修正用のモーター駆動機構の損傷、光学性能の変化等の故障を防止することができるものであり、その実用上の効果は極めて著しい。
本考案の一実施形態の構造を示す側面図。 本考案の他の実施形態の構造を示す部分詳細側断面図。
符号の説明
1:ベース部材
2:支柱
3:ジンバル機構部
4:揺動部
5:アーム
6:下端部
7:フォーク部材
8:モーター駆動機構
9:ネジ部材
10:ライン照射部
11:傾斜検出センサー
12:電源部
13:制御部
14:スプリング
15:補助アーム
16:穴
17:球面下端部
18:段部
19:凹部
20:弾性部材

Claims (2)

  1. ジンバル機構部と傾斜検出センサーと傾斜修正用のモーター駆動機構とレーザー光源によるライン照射部と制御部を有し、該ジンバル機構部に支持された揺動部の下部に植設されたアームと、該アーム下端部を挟むフォーク部材が傾斜修正用のモーター駆動機構で回転するネジ部材によってネジ部材の長手方向に移動可能に設けられている整準機構を有し、該フォーク部材が挟む該アーム下端部が球面形状をなしていることを特徴とする墨出し装置用整準機構。
  2. アーム下端部の球面部とアームとを緩衝材を介して結合したことを特徴とする請求項1記載の墨出し装置用整準機構。
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