JP3138323B2 - 耐熱性菌増殖抑制剤及びそれを配合した飲食品及び餌飼料 - Google Patents
耐熱性菌増殖抑制剤及びそれを配合した飲食品及び餌飼料Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲食品及び餌飼料(以
下、飲食品等という)の原料に由来したり、あるいはそ
の製造工程または製品の保存中に混入する耐熱性菌の増
殖を抑制し、あるいは耐熱性菌を殺菌する効果を有する
耐熱性菌増殖抑制剤に関する。また本発明は、このよう
な耐熱性菌増殖抑制剤を配合した飲食品等に関する。
下、飲食品等という)の原料に由来したり、あるいはそ
の製造工程または製品の保存中に混入する耐熱性菌の増
殖を抑制し、あるいは耐熱性菌を殺菌する効果を有する
耐熱性菌増殖抑制剤に関する。また本発明は、このよう
な耐熱性菌増殖抑制剤を配合した飲食品等に関する。
【0002】
【従来の技術】飲食品等の製造或いは保存中において、
微生物を含む異物の混入はヒトを始めとする動物の健
康、ひいては生命活動の維持をおびやかす結果を招くこ
とがあった。またヒトあるいは動物に必要不可欠である
飲食品等を製造或いは販売する個人又は企業の社会的責
任を果たす上でも多大なる支障をきたしていた。特に異
物が微生物である場合、その混入後において飲食品等の
中で増殖し、風味或いは組織劣化、飲食品等の成分の変
化或いは破壊、毒素の産生等を引き起こし、或いは食中
毒の病原菌として飲食品等に生存することにより、それ
を食するヒトを始めとする動物に極めて不快感を与える
と同時に健康の維持にとっても極めて有害であった。
微生物を含む異物の混入はヒトを始めとする動物の健
康、ひいては生命活動の維持をおびやかす結果を招くこ
とがあった。またヒトあるいは動物に必要不可欠である
飲食品等を製造或いは販売する個人又は企業の社会的責
任を果たす上でも多大なる支障をきたしていた。特に異
物が微生物である場合、その混入後において飲食品等の
中で増殖し、風味或いは組織劣化、飲食品等の成分の変
化或いは破壊、毒素の産生等を引き起こし、或いは食中
毒の病原菌として飲食品等に生存することにより、それ
を食するヒトを始めとする動物に極めて不快感を与える
と同時に健康の維持にとっても極めて有害であった。
【0003】このため、飲食品等の製造技術における殺
菌或いは滅菌技術の意義は極めて大であり、現在では低
温殺菌(LTLT)、高温短時間殺菌(HTST)、超
高温瞬間殺菌(UHT)、超高温滅菌(UHT)或いは
レトルト滅菌等の技術を駆使して食品の安全性を維持し
ている。しかしながら、最終製品の細菌数が所定の規格
の範囲内で一部残存している場合、乾燥食品では微生物
の増殖が抑制されるものの、使用時に加水して用いる場
合では加水後、これを摂取するまでの間の微生物の増殖
が問題となる。また、特に液状食品及び中間水分食品に
おいては微生物の増殖を抑制するために低温流通が必須
であり、より厳重な品質管理が要求されるために経費増
大を余儀無くされる。更に、製造工程において中温或い
は高温で保持工程を行う場合、微生物、特に耐熱性菌が
混入したりすると、顕著な増殖或いは芽胞形成を生じ、
食品の安全性を確保するために洗浄等の非定常的な工程
内での対応を余儀無くされている。耐熱性菌の芽胞は乾
燥、熱及び消毒剤に対し、極めて抵抗性が強い事から、
特に飲食品等の製造においてこれらの増殖抑制或いは殺
菌は必須であり、一方では、それを完全に実施するため
の対応に苦慮していた。
菌或いは滅菌技術の意義は極めて大であり、現在では低
温殺菌(LTLT)、高温短時間殺菌(HTST)、超
高温瞬間殺菌(UHT)、超高温滅菌(UHT)或いは
レトルト滅菌等の技術を駆使して食品の安全性を維持し
ている。しかしながら、最終製品の細菌数が所定の規格
の範囲内で一部残存している場合、乾燥食品では微生物
の増殖が抑制されるものの、使用時に加水して用いる場
合では加水後、これを摂取するまでの間の微生物の増殖
が問題となる。また、特に液状食品及び中間水分食品に
おいては微生物の増殖を抑制するために低温流通が必須
であり、より厳重な品質管理が要求されるために経費増
大を余儀無くされる。更に、製造工程において中温或い
は高温で保持工程を行う場合、微生物、特に耐熱性菌が
混入したりすると、顕著な増殖或いは芽胞形成を生じ、
食品の安全性を確保するために洗浄等の非定常的な工程
内での対応を余儀無くされている。耐熱性菌の芽胞は乾
燥、熱及び消毒剤に対し、極めて抵抗性が強い事から、
特に飲食品等の製造においてこれらの増殖抑制或いは殺
菌は必須であり、一方では、それを完全に実施するため
の対応に苦慮していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、飲食品
等の製造乃至保存上におけるこのような事情に鑑み、飲
食品等の原料あるいは製造工程において混入する耐熱性
細菌の増殖抑制あるいはこれらの細菌を殺菌する技術に
ついて特に検討を重ねた。
等の製造乃至保存上におけるこのような事情に鑑み、飲
食品等の原料あるいは製造工程において混入する耐熱性
細菌の増殖抑制あるいはこれらの細菌を殺菌する技術に
ついて特に検討を重ねた。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、特
定の微生物の産生する蛋白分解酵素を有効成分とする耐
熱性菌増殖抑制剤に関する。また、本発明は、このよう
な耐熱性増殖抑制剤を配合した飲食品等に関する。
定の微生物の産生する蛋白分解酵素を有効成分とする耐
熱性菌増殖抑制剤に関する。また、本発明は、このよう
な耐熱性増殖抑制剤を配合した飲食品等に関する。
【0006】蛋白分解酵素としては、カビ類に属するリ
ゾプス ハンショウ(Rhizopus hangchow)、特にリゾプ
ス ハンショウNo.3545 菌株の産生する蛋白分解酵素が
用いられる。この蛋白分解酵素は、特開平3-123484号公
報に記載されているように公知の酵素である。この蛋白
分解酵素は、エキソ型蛋白分解酵素、エンド型蛋白分解
酵素あるいはその両者を含んでおり、本発明においては
これらのいずれをも使用することができる。特にエキソ
型蛋白分解酵素とエンド型蛋白分解酵素とを活性比率
1:1〜100:1 として調製した酵素を用いると、添加した
飲食品等に苦味や特異臭等を発生せしめることなく耐熱
性菌の増殖を抑制することができる。
ゾプス ハンショウ(Rhizopus hangchow)、特にリゾプ
ス ハンショウNo.3545 菌株の産生する蛋白分解酵素が
用いられる。この蛋白分解酵素は、特開平3-123484号公
報に記載されているように公知の酵素である。この蛋白
分解酵素は、エキソ型蛋白分解酵素、エンド型蛋白分解
酵素あるいはその両者を含んでおり、本発明においては
これらのいずれをも使用することができる。特にエキソ
型蛋白分解酵素とエンド型蛋白分解酵素とを活性比率
1:1〜100:1 として調製した酵素を用いると、添加した
飲食品等に苦味や特異臭等を発生せしめることなく耐熱
性菌の増殖を抑制することができる。
【0007】本発明における耐熱性菌増殖抑制剤は、こ
のような酵素を単独でそのままの形で粉末状あるいは溶
液の状態で使用することができるし、また、殺菌装置等
を必要とせず簡単な手段で耐熱性細菌を殺滅あるいはそ
の増殖を抑制する手段について検討した。その結果、特
定の微生物の産生する蛋白分解酵素を有効成分とする耐
熱性菌の増殖抑制剤を見出し、この増殖抑制剤を添加す
ることにより、原材料及び製造工程に由来する耐熱性菌
の増殖抑制或いは殺菌効果が付与された飲食品等を得る
ことができることを見出し、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明の目的は、このような新規な耐熱性菌の増殖
抑制剤を提供することにある。さらに、本発明の目的
は、このような増殖抑制剤を配合した飲食品等を提供す
ることにある。
のような酵素を単独でそのままの形で粉末状あるいは溶
液の状態で使用することができるし、また、殺菌装置等
を必要とせず簡単な手段で耐熱性細菌を殺滅あるいはそ
の増殖を抑制する手段について検討した。その結果、特
定の微生物の産生する蛋白分解酵素を有効成分とする耐
熱性菌の増殖抑制剤を見出し、この増殖抑制剤を添加す
ることにより、原材料及び製造工程に由来する耐熱性菌
の増殖抑制或いは殺菌効果が付与された飲食品等を得る
ことができることを見出し、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明の目的は、このような新規な耐熱性菌の増殖
抑制剤を提供することにある。さらに、本発明の目的
は、このような増殖抑制剤を配合した飲食品等を提供す
ることにある。
【0008】これを担体、活性化剤等と混合して粉剤、
顆粒剤等に製型した製剤とすることもできる。本発明に
おいて抑制の目的となる耐熱性菌には、バチルス サブ
チリス(Bacillus subtilis) 、バチルス コアギュラン
ス(Bacillus coagulans)、バチルス メガテリウム(Bac
illus megaterium) 、バチルス ステアロサーモフィラ
ス(Bacillus stearothermophilus) 等がある。
顆粒剤等に製型した製剤とすることもできる。本発明に
おいて抑制の目的となる耐熱性菌には、バチルス サブ
チリス(Bacillus subtilis) 、バチルス コアギュラン
ス(Bacillus coagulans)、バチルス メガテリウム(Bac
illus megaterium) 、バチルス ステアロサーモフィラ
ス(Bacillus stearothermophilus) 等がある。
【0009】このような耐熱性菌増殖抑制剤を配合して
その耐熱性菌の増殖を抑制する飲食品等としては、乳飲
料、清涼飲料水、スープ、ピュレ、ゼリー、プリン、粉
末乾燥食品、養魚用餌料、家畜用飼料、ペットフード等
を例示することができる。配合の時期としては、原料か
ら最終製品製造までのいずれの時期でもよく、また、最
終製品に添加してもよい。
その耐熱性菌の増殖を抑制する飲食品等としては、乳飲
料、清涼飲料水、スープ、ピュレ、ゼリー、プリン、粉
末乾燥食品、養魚用餌料、家畜用飼料、ペットフード等
を例示することができる。配合の時期としては、原料か
ら最終製品製造までのいずれの時期でもよく、また、最
終製品に添加してもよい。
【0010】特に、好ましい配合方法は、最終製品の全
固形分に対し、0.01〜0.5 %の前記特定の微生物の産生
する蛋白分解酵素(以下、蛋白分解酵素ということにす
る)を55℃以下の温湯にて5%以下の濃度で撹拌溶解
し、これを製造工程における殺菌工程前での中温(40〜
55℃)保持工程或いは殺菌工程後に添加するものであ
る。また、粉末乾燥食品では、製造工程中で上記の添加
率にて用いるとよい。上記の添加率が0.01%以下の場合
は耐熱性菌の増殖抑制或いは殺菌効果が減少し、 0.5%
以上の場合は対象となる食品の風味に支障をきたすので
好ましくない。また、本発明の耐熱性菌増殖抑制剤を自
動販売機の加温部に保存する飲食品に使用すると耐熱性
菌の増殖をおさえ、特に有利である。
固形分に対し、0.01〜0.5 %の前記特定の微生物の産生
する蛋白分解酵素(以下、蛋白分解酵素ということにす
る)を55℃以下の温湯にて5%以下の濃度で撹拌溶解
し、これを製造工程における殺菌工程前での中温(40〜
55℃)保持工程或いは殺菌工程後に添加するものであ
る。また、粉末乾燥食品では、製造工程中で上記の添加
率にて用いるとよい。上記の添加率が0.01%以下の場合
は耐熱性菌の増殖抑制或いは殺菌効果が減少し、 0.5%
以上の場合は対象となる食品の風味に支障をきたすので
好ましくない。また、本発明の耐熱性菌増殖抑制剤を自
動販売機の加温部に保存する飲食品に使用すると耐熱性
菌の増殖をおさえ、特に有利である。
【0011】
【発明の効果】本発明は、飲食品等の製造或いは製造後
の保存において、蛋白分解酵素を有効成分とする耐熱性
菌の増殖抑制剤を添加することにより、原料及び製造工
程に由来する耐熱性菌の増殖が抑制され或いは殺菌効果
が付与される。そして、このようにして得られる飲食品
等は、その風味や品質を損うことなく、長期間保存する
ことができる。
の保存において、蛋白分解酵素を有効成分とする耐熱性
菌の増殖抑制剤を添加することにより、原料及び製造工
程に由来する耐熱性菌の増殖が抑制され或いは殺菌効果
が付与される。そして、このようにして得られる飲食品
等は、その風味や品質を損うことなく、長期間保存する
ことができる。
【0012】次に本発明の実施例を示して本発明につい
て具体的に説明する。
て具体的に説明する。
【0013】
【実施例1】蛋白分解酵素製剤の調製 特開平3-123484号公報記載の方法によって調製した。す
なわち、米麹1300gに水1300mlを添加してこれを 120℃
で15分殺菌し室温に冷却した。これを培地とし、リゾプ
ス ハンショウNo.3545 株を接種し、30℃で3日間培養
した。得られた麹を20mM、pH 7のリン酸緩衝液10リット
ルを加え、低温下で一夜抽出を行って7350mlの粗酵素溶
液を得た。この粗酵素溶液を遠心分離し、上澄液をホロ
ーファイバー(旭化成(株)AIL-1010)を用いて濃縮
し、凍結乾燥を行って酵素粉末15.5gを得た。この粉末
酵素の酵素活性はエキソ型蛋白分解酵素(ペプチダー
ゼ)93500u/g 及びエンド型蛋白分解酵素(プロテアー
ゼ)2100 u/g であった。また、エキソ型蛋白分解酵素
を単独で使用するときは、この酵素粉末を精製水に溶解
し透析を行い、リン酸緩衝液(pH 8.0)で緩衝化したDE
AEセファロースカラムに吸着させ、洗浄後食塩で濃度
勾配法で溶離を行なった。活性画分を分散し、pH 9.0で
50℃30分間加熱処理を行ってエンド型蛋白分解酵素を失
活させ、透析後エバポレーターで濃縮し精製を行ってこ
れを用い、エンド型蛋白分解酵素を単独で使用するとき
は、酵素粉末を酢酸緩衝液(pH 4.0)に溶解後、エキソ型
蛋白分解酵素を失活させるために50℃で30分間加温を行
ない、その後透析を行ない、リン酸緩衝液(pH 7.0)で緩
衝化したDEAEセファロースに吸着させ、洗浄後食塩
濃度勾配法で溶出し、活性画分を分散して分子量10,000
分画の限外濾過膜で濃縮し精製を行なってこれを用い
た。
なわち、米麹1300gに水1300mlを添加してこれを 120℃
で15分殺菌し室温に冷却した。これを培地とし、リゾプ
ス ハンショウNo.3545 株を接種し、30℃で3日間培養
した。得られた麹を20mM、pH 7のリン酸緩衝液10リット
ルを加え、低温下で一夜抽出を行って7350mlの粗酵素溶
液を得た。この粗酵素溶液を遠心分離し、上澄液をホロ
ーファイバー(旭化成(株)AIL-1010)を用いて濃縮
し、凍結乾燥を行って酵素粉末15.5gを得た。この粉末
酵素の酵素活性はエキソ型蛋白分解酵素(ペプチダー
ゼ)93500u/g 及びエンド型蛋白分解酵素(プロテアー
ゼ)2100 u/g であった。また、エキソ型蛋白分解酵素
を単独で使用するときは、この酵素粉末を精製水に溶解
し透析を行い、リン酸緩衝液(pH 8.0)で緩衝化したDE
AEセファロースカラムに吸着させ、洗浄後食塩で濃度
勾配法で溶離を行なった。活性画分を分散し、pH 9.0で
50℃30分間加熱処理を行ってエンド型蛋白分解酵素を失
活させ、透析後エバポレーターで濃縮し精製を行ってこ
れを用い、エンド型蛋白分解酵素を単独で使用するとき
は、酵素粉末を酢酸緩衝液(pH 4.0)に溶解後、エキソ型
蛋白分解酵素を失活させるために50℃で30分間加温を行
ない、その後透析を行ない、リン酸緩衝液(pH 7.0)で緩
衝化したDEAEセファロースに吸着させ、洗浄後食塩
濃度勾配法で溶出し、活性画分を分散して分子量10,000
分画の限外濾過膜で濃縮し精製を行なってこれを用い
た。
【0014】
【実施例2】L.L.コーヒー飲料の製造 ショ糖混合異性化糖11kg及びカラメル 0.2kgを73kgの水
で加温溶解し、これに、還元脱脂乳、還元クリーム及び
乳化剤からなる乳化組成物 9.4kgを添加して、55℃で30
分間保持した。この保持工程中に、実施例1で得られた
エキソ型蛋白分解酵素とエンド型蛋白分解酵素との活性
比率が約50:1とした調製酵素からなる加水分解酵素を有
効成分とする耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全固形
分に対し、0.05%添加した。その後、インスタントコー
ヒー 0.3kg及びコーヒーエキス6kgを調合し、この調合
物及びコーヒーフレーバーを0.16kg添加した。得られた
溶液を常法により滅菌、均質、冷却してL.L.コーヒー飲
料 100kgを得た。55℃、30分の保持工程で 250個/mlだ
った耐熱性菌は50個/mlとなり、耐熱性菌に対する増殖
抑制効果が認められた。また、製品出荷後に自動販売機
の加温部(50〜55℃)に納入し、3日間経過すると、耐
熱性菌はゼロとなり、耐熱性菌に対する殺菌効果が充分
認められた。
で加温溶解し、これに、還元脱脂乳、還元クリーム及び
乳化剤からなる乳化組成物 9.4kgを添加して、55℃で30
分間保持した。この保持工程中に、実施例1で得られた
エキソ型蛋白分解酵素とエンド型蛋白分解酵素との活性
比率が約50:1とした調製酵素からなる加水分解酵素を有
効成分とする耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全固形
分に対し、0.05%添加した。その後、インスタントコー
ヒー 0.3kg及びコーヒーエキス6kgを調合し、この調合
物及びコーヒーフレーバーを0.16kg添加した。得られた
溶液を常法により滅菌、均質、冷却してL.L.コーヒー飲
料 100kgを得た。55℃、30分の保持工程で 250個/mlだ
った耐熱性菌は50個/mlとなり、耐熱性菌に対する増殖
抑制効果が認められた。また、製品出荷後に自動販売機
の加温部(50〜55℃)に納入し、3日間経過すると、耐
熱性菌はゼロとなり、耐熱性菌に対する殺菌効果が充分
認められた。
【0015】
【実施例3】果汁入りゼリーの製造 ショ糖混合異性化糖 9.7kg、安定剤1kg及びクエン酸ソ
ーダ0.15kgを69kgの水で加温溶解後、果汁20kg、クエン
酸0.05kg及び香料を 0.2kg添加した。常法により殺菌後
55℃で 120分間保持し、冷却して果汁入りゼリー 100kg
を得た。この保持工程にてエキソ型蛋白分解酵素からな
る耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全固形分に対し、
0.4%添加した。この間に 100個/mlだった耐熱菌はゼ
ロとなり、耐熱性菌に対する殺菌効果が認められた。
ーダ0.15kgを69kgの水で加温溶解後、果汁20kg、クエン
酸0.05kg及び香料を 0.2kg添加した。常法により殺菌後
55℃で 120分間保持し、冷却して果汁入りゼリー 100kg
を得た。この保持工程にてエキソ型蛋白分解酵素からな
る耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全固形分に対し、
0.4%添加した。この間に 100個/mlだった耐熱菌はゼ
ロとなり、耐熱性菌に対する殺菌効果が認められた。
【0016】
【実施例4】フィッシュソリューブルの製造 魚体及び加工残渣の内臓等 100kgを50℃に加温して自己
消化で分解させた後、液化させて50℃で1時間保持し
た。この保持工程にて、エンド型蛋白分解酵素から成る
耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全固形分に対し、
0.1%添加した。その後、魚油と固形物を除去し、固形
率50%まで濃縮して家畜用液状飼料(フィッシュソリュ
ーブル)50kgを得た。50℃、1時間の保持工程で2500個
/mlだった耐熱性菌は 500個/mlに抑制された。以下、
同様にして次の飲食品等を製造した。
消化で分解させた後、液化させて50℃で1時間保持し
た。この保持工程にて、エンド型蛋白分解酵素から成る
耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全固形分に対し、
0.1%添加した。その後、魚油と固形物を除去し、固形
率50%まで濃縮して家畜用液状飼料(フィッシュソリュ
ーブル)50kgを得た。50℃、1時間の保持工程で2500個
/mlだった耐熱性菌は 500個/mlに抑制された。以下、
同様にして次の飲食品等を製造した。
【0017】
【実施例5】乳飲料の製造 乳飲料の製造の原材料の溶解保持工程でエキソ型蛋白分
解酵素からなる加水分解酵素を有効成分とした耐熱性菌
の増殖抑制剤を最終製品の全固形分に対し、0.02%添加
した。溶解保持条件は45℃、60分であり、この間での原
材料或いは製造工程由来の耐熱性菌数は1000個/mlから
50個/mlに低減された。
解酵素からなる加水分解酵素を有効成分とした耐熱性菌
の増殖抑制剤を最終製品の全固形分に対し、0.02%添加
した。溶解保持条件は45℃、60分であり、この間での原
材料或いは製造工程由来の耐熱性菌数は1000個/mlから
50個/mlに低減された。
【0018】
【実施例6】缶入りコーンスープの製造 缶入りコーンスープの製造において、殺菌工程後にエキ
ソ型蛋白分解酵素とエンド型蛋白分解酵素の活性比率を
5:1とする調製酵素から成る加水分解酵素を有効成分と
する耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全固形分に対
し、 0.2%添加した。製品出荷後に自動販売機の加温部
(55℃)に納入し、2日間経過後において、殺菌直後で
300個/mlだった耐熱性菌はゼロとなり、耐熱性菌に対
する殺菌効果が認められた。
ソ型蛋白分解酵素とエンド型蛋白分解酵素の活性比率を
5:1とする調製酵素から成る加水分解酵素を有効成分と
する耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全固形分に対
し、 0.2%添加した。製品出荷後に自動販売機の加温部
(55℃)に納入し、2日間経過後において、殺菌直後で
300個/mlだった耐熱性菌はゼロとなり、耐熱性菌に対
する殺菌効果が認められた。
【0019】
【実施例7】プリンの製造 プリンの製造において、殺菌工程後の中温保持工程でエ
キソ型蛋白分解酵素とエンド型蛋白分解酵素の活性比率
を50:1とする調製酵素から成る加水分解酵素を有効成分
とする耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全固形分に対
し、0.15%添加した。保持工程条件は55℃、 120分であ
り、この間での原材料或いは製造工程由来の耐熱性菌数
は 350個/mlから50個/mlに抑制された。
キソ型蛋白分解酵素とエンド型蛋白分解酵素の活性比率
を50:1とする調製酵素から成る加水分解酵素を有効成分
とする耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全固形分に対
し、0.15%添加した。保持工程条件は55℃、 120分であ
り、この間での原材料或いは製造工程由来の耐熱性菌数
は 350個/mlから50個/mlに抑制された。
【0020】
【実施例8】粉末コーヒー用クリームの製造 粉末コーヒー用クリームの製造において、噴霧乾燥前の
濃縮保持工程でエキソ型蛋白分解酵素から成る加水分解
酵素を有効成分とする耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品
の全固形分に対し、 0.1%添加した。濃縮保持工程条件
は45℃、20分であり、この間での原材料或いは製造工程
由来の耐熱性菌数は 150個/mlからゼロとなり、耐熱性
菌に対する殺菌効果が認められた。
濃縮保持工程でエキソ型蛋白分解酵素から成る加水分解
酵素を有効成分とする耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品
の全固形分に対し、 0.1%添加した。濃縮保持工程条件
は45℃、20分であり、この間での原材料或いは製造工程
由来の耐熱性菌数は 150個/mlからゼロとなり、耐熱性
菌に対する殺菌効果が認められた。
【0021】
【実施例9】ドッグフードの製造 ドッグフードの製造において、原材料の溶解保持工程に
おいて、エキソ型蛋白分解酵素とエンド型蛋白分解酵素
の活性比率を90:1とする調製酵素から成る加水分解酵素
を有効成分とする耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全
固形分に対し、0.45%添加した。保持工程条件は55℃、
60分であり、この間での原材料或いは製造工程由来の耐
熱性菌数は1500個/mlから90個/mlに抑制された。
おいて、エキソ型蛋白分解酵素とエンド型蛋白分解酵素
の活性比率を90:1とする調製酵素から成る加水分解酵素
を有効成分とする耐熱性菌の増殖抑制剤を最終製品の全
固形分に対し、0.45%添加した。保持工程条件は55℃、
60分であり、この間での原材料或いは製造工程由来の耐
熱性菌数は1500個/mlから90個/mlに抑制された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 雄二 埼玉県所沢市西狭山ケ丘1丁目3110−28 (56)参考文献 特開 昭57−47466(JP,A) 特開 昭52−25046(JP,A) 特開 昭57−74076(JP,A) 特開 昭49−31838(JP,A) 特表 平2−502280(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 63/00 A23L 3/3571
Claims (3)
- 【請求項1】 リゾプス ハンショウ(Rhizopus hangc
how)の産生する次の蛋白分解酵素のいずれかを有効成分
とする耐熱性菌増殖抑制剤。 エキソ型蛋白分解酵素、 エンド型蛋白分解酵素、 エキソ型蛋白分解酵素とエンド型蛋白分解酵素との
活性比率が 1:1〜100:1である調製酵素。 - 【請求項2】 請求項1記載の耐熱性菌増殖抑制剤をそ
の有効成分が全固形分に対し0.01〜0.5 W/W%配合さ
れた飲食品又は餌飼料。 - 【請求項3】 飲食品が自動販売機の加温部に充填する
ものである請求項2記載の飲食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04102149A JP3138323B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 耐熱性菌増殖抑制剤及びそれを配合した飲食品及び餌飼料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04102149A JP3138323B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 耐熱性菌増殖抑制剤及びそれを配合した飲食品及び餌飼料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05271030A JPH05271030A (ja) | 1993-10-19 |
JP3138323B2 true JP3138323B2 (ja) | 2001-02-26 |
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ID=14319688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04102149A Expired - Fee Related JP3138323B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 耐熱性菌増殖抑制剤及びそれを配合した飲食品及び餌飼料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3138323B2 (ja) |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP04102149A patent/JP3138323B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH05271030A (ja) | 1993-10-19 |
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