JP3137919B2 - 圧電振動子保持構造 - Google Patents

圧電振動子保持構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状の圧電振動子
をケースに組み付ける際の圧電振動子保持構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】板状の圧電素子を使用した加速度センサ
の一例として、図2に示すような構造からなるものがあ
る。この加速度センサにおいては、円板状の金属板10
0の上面に円板状の圧電素子101を固着して構成した
圧電振動子102が、ケース103の内壁面に形成した
段部104に接着剤によって固定されている。また、圧
電振動子102からは圧電素子101の出力電圧を取り
出すためのリード線(図示せず)が引き出されている。
なお、105はケース103内部に設けた圧電振動子1
02などの部材を保護すると共に、ケース103内部を
密閉するための蓋部材である。
【0003】この加速度センサにおいて、ケース103
に加速度が作用すると、この加速度に応じて質量体を兼
ねた圧電素子101に力が発生し、この力によって金属
板100が撓むと共に、圧電素子101自身も撓む。こ
の撓み量に応じて圧電素子101の上面と下面との間に
電圧が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような加速度セン
サにおいては、圧電振動子102をケース103に固定
した後に、圧電振動子102に異常が発見されたとき
等、圧電振動子102をケース103から取り外す必要
が生じる場合がある。しかし、圧電振動子102が接着
剤によりケース103に固定されているため、圧電振動
子102をケース103から取り外すのが困難である。
しかも、取り外しの仕方によっては、段部104が損傷
する場合もあって、圧電振動子102に異常が発見され
た場合には、結局ケース103ごと廃棄することにな
り、コストの増大を招いていた。
【0005】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、ケースへの圧電振動子の組み付けおよびケース
からの圧電振動子の取り外しが容易な振動子保持構造を
提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
発明は、板状の圧電振動子をケース部材に形成した段部
に固定する圧電振動子保持構造において、前記圧電振動
子が磁気的吸引力によって前記段部に押圧されて前記ケ
ース部材に保持されるように磁石と磁性部材を配設した
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る
圧電振動子保持構造を適用した圧電式加速度センサの断
面図である。
【0008】図1に示すように、本発明に係る圧電振動
子保持構造を適用した圧電式加速度センサ1は、底部2
aを有する筒状のケース部材2と蓋部材3からなるケー
ス4と、ケース部材2の内壁面に形成した段部2bに載
置した圧電振動子5と、圧電振動子5に対向する上下方
向に着磁して底部2aに固定された磁石6などから構成
されている。
【0009】圧電振動子5は、円板状の金属振動板7と
円板状の圧電素子8を同軸上に重ね合わせて形成され、
更に、圧電素子8の上面には、円板状の磁性部材9が圧
電素子8と同軸になるように固定されている。なお、圧
電素子8の出力電圧を引き出すリード線については記載
を省略している。
【0010】圧電式加速度センサ1の組立は、底部2a
中央に磁石6を埋め込んだケース部材2の段部2bに金
属振動板7、圧電素子8および磁性部材9を積層状態に
して形成した圧電振動子5を載置する。すると、磁石6
と磁性部材9との間に磁気的吸引力が作用し、金属振動
板7が、ケース部材2の段部2bに押し付けられる。従
って、磁気的吸引力より強い力を磁気的吸引力と反対方
向に加えない限り、圧電振動子5は安定にケース部材2
に固定される。
【0011】このように、ケース部材2の段部2bに、
金属振動板7、圧電素子8および磁性部材9を積層状態
にして形成した圧電振動子5を載置するだけの簡単な作
業で、ケース部材2に対する圧電振動子5の組み付けが
終了するので、接着剤による接着作業につきものの、ポ
ットライフや塗布量の加減などの煩雑な問題が生じな
い。
【0012】また、何らかの理由で、金属振動板7、圧
電素子8および磁性部材9を積層状態にして形成した圧
電振動子5を段部2bから取り外すときには、別途用意
したマグネット(図示せず)を用いて、磁石6と磁性部
材9との間に作用する磁気的吸引力より強い磁気的吸引
力を磁石6から引き離す方向に磁性部材9に作用させ
る。すると、ケース部材2に損傷を与えることなく、ケ
ース部材2から圧電振動子5を容易に取り外すことが可
能となる。
【0013】なお、圧電形加速度センサ1では、圧電振
動子5をケース部材2の段部2bに押し付けるため、圧
電振動子5の上部に磁性部材9を配設し、ケース部材2
の底部2aに磁石6を配設したが、圧電振動子5が磁気
的吸引力によって段部2bに押圧されるのであれば、そ
の他の形態でも良い。
【0014】また、上述の実施の形態においては、圧電
振動子5として、金属振動板7に圧電素子8を固着した
ものを用いたが、圧電振動子5としては、上下に電極面
を備えた圧電素子単体でも良い。
【0015】更に、本発明に係る振動子保持構造は、圧
電式加速度センサ1に適用するのみならず、板状の圧電
振動子を、周端固定又は両持梁状にケース部材に固定す
る必要がある構造であるならば、その他のもの、例え
ば、圧電振動子を用いて電気音響変換を行なう圧電サウ
ンダ等にも適用できる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、圧
電振動子を磁気的吸引力によってケース部材に保持する
ので、接着剤を使用して圧電振動子をケース部材に固定
するのに比べ、ケース部材に対する圧電振動子の取り付
け取り外しが容易になる。しかも、ケース部材を損傷す
ることなく、圧電振動子をケース部材から取り外すこと
ができるので、圧電振動子に不具合が発生してもケース
部材ごと廃棄することなく、圧電振動子のみを交換する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電振動子保持構造を適用した圧
電式加速度センサの断面図
【図2】従来の圧電式加速度センサの断面図
【符号の説明】
1…圧電式加速度センサ、2…ケース部材、2a…ケー
ス部材の底部、2b…ケース部材の段部、3…蓋部材、
4…ケース、5…圧電振動子、6…磁石、7…金属振動
板、8…圧電素子、9…磁性部材。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状の圧電振動子をケース部材に形成し
    た段部に固定する圧電振動子保持構造において、前記圧
    電振動子が磁気的吸引力によって前記段部に押圧されて
    前記ケース部材に保持されるように磁石と磁性部材を配
    設したことを特徴とする圧電振動子保持構造。
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JP5036013B1 (ja) * 2011-08-29 2012-09-26 Necトーキン株式会社 圧電デバイス

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