JP3137870B2 - 光沢皮革シートおよびその製造方法 - Google Patents

光沢皮革シートおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光沢差に因る表面外観
効果を呈する皮革シート、特に銀付調皮革シートおよび
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天然皮革の表面外観の改良方法と
して、皮革表面をポリッシングすることにより皮革表面
のツヤを上げる方法が知られている。
【0003】一方、人工皮革の場合、天然皮革と同様な
方法でポリッシングしたのみでは、皮革表面のツヤは上
がらず、皮革表面に更にセルロース系樹脂等の仕上げ剤
を塗付した上でポリッシング処理する方法が提案されて
いる。
【0004】しかしながら、この方法においては、光沢
差模様が不自然な流れ様模となり、深みのある色相とな
らない等の欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、このような欠点を解決することを目的に鋭意検討し
た結果、本発明に到達したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は繊維
を構成成分とする基体上に、顔料と樹脂との混合物から
なる塗装層が形成された着色皮革シートにおいて、前記
顔料として粒径0.5〜1.0μmの顆粒状顔料が配さ
れ、かつ該顔料の少なくとも一部のものは、シート表面
で局所的に面平滑変形され、これにより非面平滑変形部
との間に光沢差を誘発させてなる光沢皮革シートおよび
繊維を構成成分とする基体上に、顆粒状顔料と樹脂との
混合物からなる塗装層を形成した原反状皮革シートの裏
面に型付材を敷設した状態で、該皮革表面を部分的に圧
搾加工し、該顔料の少なくとも一部のものをシート表面
で局所的に面平滑変形することを特徴とする自然な光沢
斑を呈する皮革シートの製造方法である。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する本発
明において用いられる皮革シートは、繊維を構成成分と
する基体上に、顔料と樹脂との混合物からなる塗装層が
形成された着色皮革シートである。
【0008】基体を構成する繊維としては、例えば、
綿、麻等からなる天然繊維、ポリエステル、ナイロン、
ポリプロピレン、レーヨン等からなる合成繊維、または
これらを混合して用いることができる。この中で合成繊
維を用いることが好ましく、ポリエステル繊維を用いる
ことが特に好ましい。
【0009】ポリエステル繊維を用いる場合、具体的に
は0.01〜5デニール、繊維長20〜70mmのもの
が好ましく用いられる。
【0010】そして、これらの繊維は織物、編物、不織
布等様々な形態で用いられる。
【0011】基体に含浸するポリマーとしては、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリア
クリル酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリエステ
ル樹脂等が挙げられる。その中でも、ポリウレタンを用
いることにより、耐疲労性の優れた微細な多孔質構造を
持ったシート状物が得られることから含浸するポリマー
としてはポリウレタンを用いることが好ましい。
【0012】これらポリマーは溶剤に溶かしてポリマー
溶液あるいは、エマルジョンの溶液状態として前記基体
に含浸させる。ポリマー材料の含浸量は特に限定されな
いが通常50〜500g/m2 程度で、厚み0.5〜
2.9mm程度である。
【0013】前記ポリマーを含浸された基体上には、更
に顔料と樹脂との混合物からなる塗装層が形成される。
【0014】本発明において用いられる顔料としては、
粒径0.5〜0.1μmの顆粒状を呈するものであれば
特に限定されない。ここで顆粒状とは、少なくとも粒子
表面が凹凸になっているものをいい、粒子内部が多孔化
しているもの、あるいは無孔化しているものであっても
よい。
【0015】粒子内部が多孔化している顔料を用いるこ
とにより、得られた皮革シートが染色性のあるものとな
るので好ましい。粒子内部が多孔化しているものとして
具体的には、アニリンブラックが挙げられる。また、本
発明の効果を損わない範囲で他の顔料を併用することが
できる。
【0016】塗装層を形成する樹脂としては、ポリウレ
タン系樹脂等が挙げられ、耐加水分解性、耐摩耗性、耐
候性等が要求される用途分野に応じてポリエステル系、
ポリエーテル系、ポリカーボネート系あるいはこれらの
両成分を持つ系が適宜挙げられる。
【0017】塗装層を形成する顔料と樹脂との混合割合
は、50:50〜90:10であり、好ましくは60:
40〜80:20である。ここで用いられる溶剤の種類
としては、テトラヒドロフラン、イソプロピルアルコー
ル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド等が挙
げられ好ましくはジメチルホルムアミド、メチルエチル
ケトンが挙げられる。溶液の濃度としては5〜25%、
好ましくは10〜20%であるポリマーを含浸された基
体への塗装方法としては従来公知の方法が用いられる。
溶剤除去後の塗装層の厚さとしては、4〜20μm、好
ましくは8〜12μmである。
【0018】また、塗装層は一層であっても、何層かに
分けて塗布されてもかまわない。何層かに分けて塗布し
た場合には、顆粒状顔料は、少なくとも最表層の一層に
含まれていればよい。
【0019】本発明の光沢皮革シートは上記方法によっ
て得られた着色皮革シートの塗装層中の少なくとも一部
の顔料をシート表面で局所面に面平滑変形されてなるも
のである。
【0020】ここで、「着色皮革シートの塗装層中の少
なくとも一部の顔料を、シート表面で局所面に面平滑変
形されてなる」とは着色皮革シートの塗装層中に含まれ
る顔料のうち、シート表面に含まれる顔料の一部が面平
滑変形されていることをいいシート表面に含まれる顔料
の面平滑変形の程度をコントロールすることにより、得
られる皮革シートの光沢差をコントロールすることがで
きる。
【0021】本発明において得られる光沢皮革シートは
光沢差(ΔL)が0.4以上であることが好ましい。
【0022】ここで顆粒状顔料の一部を面平滑変形させ
る方法としては、物理的に擦る方法であれば特に限定さ
れないが、具体的には綿布、金属棒、ガラス棒を用いて
擦る方法等が挙げられ、特に綿布を用いて擦る方法が好
ましい。
【0023】ポリッシング方法としては例えばシートを
その長さ方向に流しながら着色皮革シートの表面を円運
動でポリッシングし、更に左右の移動運動を組み合わせ
ることが好ましい。具体的には、シートの移動速度が
7.0m/minである場合、ポリッシャーの運転条件
としては、回転数1700rpm、押圧1.5kg/c
2 、トラバースストローク50m/m、トラバース周
期40rpmで行われる。
【0024】ホリッシングに際しては、着色皮革シート
の下に表面が凹凸模様の下敷材を配することが特に好ま
しい。下敷材としては、その表面が均一なものであって
も不均一なものであってもかまわないが不均一なものを
用いることにより、種々の光沢を得ることができ好まし
い。下敷材の材質としては、特に限定はなく、金属材料
であっても、繊維材料であってもかまわない。具体的に
は凹凸のあるカーペット材、凹凸模様を付した金属板ロ
ール、凹凸を付したゴムロールゴム板等が挙げられる、
好ましくは、凹凸のあるカーペットが用いられる。
【0025】
【発明の作用】本発明の光沢皮革シートは、着色皮革シ
ートの表面層に配された顆粒状顔料の少なくとも一部の
ものが、シート表面において局所的に面平滑平形される
ことにより、非面平滑変形部との間に光沢差を誘発され
るものである。
【0026】これはシート表面に配合された顆粒状顔料
を部分的にポリッシング等することによって着色皮革シ
ートの表面状態を変化させ、該着色皮革シートにあたる
光の反射係数を任意に変化させることに達成されるもの
である。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。実施例中「部」は重量部を示す。また、実施例に
おいて得られた光沢皮革シートの光沢差は以下の方法で
測定を行った。
【0028】光沢差の測定方法 日本電子工業色差計SZ―Σ80 COLOR MEA
SURING SYSTEMを用いて、ツヤ出し部のL
値と非ツヤ出し部のL値との差を測定した。
【0029】[実施例1]カット長が51mmのポリエ
ステル短繊維からなる不織布(目付:340g/c
2 )に、溶剤ジメチルホルムアミドに溶かした濃度1
2%のポリウレタン溶液を塗布し、ポリウレタン樹脂固
形分として不織布重量の5倍量を約40g/cm2 の割
合でコーティングし、多孔質層を形成せしめた。
【0030】この上にポリウレタン樹脂25部黒色顔料
25部およびテトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン、ジメチルホルムアミド(混合比2:7:1)からな
る溶剤50部からなる塗液を作成し、85メッシュのロ
ールで2回塗布した。
【0031】更に、粒径0.8μmの顆粒状顔料である
アニリングブラック(大日精化製、USM―16、ブラ
ック(U)―1)50部、ポリウレタン樹脂15部、上
記溶剤50部からなる塗料を作成し、上記と同様に塗布
し、着色皮革シートを得た。
【0032】得られた巾1500mmの着色皮革シート
を図1に示す連続式ポリシャーの回転ロール(1)上に
取り付けた。ここで下敷材として凹凸のあるカーペット
を上記着色皮革シートと回転ロール(1)との間に入れ
た。回転ロールを6.5m/minの速度で回転させな
がら着色皮革シートの表面を綿バフでポリシングした。
用いるポリッシャー(2)は直径が120mm、回転数
1700rpm、押圧1.5kg/cm、トラバースス
トローク50mm、トラバース周期40rpmであり、
ラインスピードは6.5m/minであった。
【0033】得られた着色皮革シートの光沢差を測定
し、結果を表1に示す。
【0034】[実施例2]実施例1において、ポリッシ
ャーのかわりに鉄棒を用いる以外は実施例1と同様に行
った。鉄棒は直径90mm、長さ1500cmの円柱状
であり、表面に2〜3mmの厚さに綿付を巻付けたもの
である。該鉄棒の運転条件は押圧2kg/cm2 、トラ
バースストローク50mm、ピッチ20であった。
【0035】得られた着色皮革シートの光沢差を測定
し、結果を表1に示す。
【0036】[実施例3]実施例1において、下敷材を
用いない以外は実施例1と同様に行った。得られた着色
皮革シートの光沢差を測定し、結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の光沢皮革シートは、人工皮革表
面の光沢差を任意にコントロールすることにより、従来
にない優れた人工皮革外観を有するものである。
【0039】また、本発明の光沢皮革シートの製造方法
によれば、簡便な方法により人工皮革表面の外観を自由
に設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3で用いられた連続式ポリッシャー
である。
【符号の説明】
1 回転ロール 2 ポリッシャー 3 シート状物 4 下敷材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−76977(JP,A) 特開 昭62−243881(JP,A) 特開 昭63−42980(JP,A) 特開 平6−330472(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06N 3/00 - 3/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維を構成成分とする基体上に、顔料と
    樹脂との混合物からなる塗装層が形成された着色皮革シ
    ートにおいて、前記顔料として粒径0.5〜1.0μm
    の顆粒状顔料が配され、かつ該顔料の少なくとも一部の
    ものは、シート表面で局所的に面平滑変形され、これに
    より非面平滑変形部との間に光沢差を誘発させてなる光
    沢皮革シート。
  2. 【請求項2】 光沢差ΔLが0.4以上である請求項1
    記載の光沢皮革シート。
  3. 【請求項3】 顆粒状顔料が、アニリンブラックを主た
    る成分とする顔料である請求項1記載の光沢皮革シー
    ト。
  4. 【請求項4】 繊維を構成成分とする基体上に、顆粒状
    顔料と樹脂との混合物からなる塗装層を形成した原反状
    皮革シートの裏面に型付材を敷設した状態で、該皮革表
    面を部分的に圧搾加工し、該顔料の少なくとも一部のも
    のをシート表面で局所的に面平滑変形することを特徴と
    する自然な光沢斑を呈する皮革シートの製造方法。
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