JP3137636U - 組み立て自在式家具調度品 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮コルク材が有する剛性の低い性質を克服する一方で、圧縮コルク材の優れた外観体裁、質感等の特性を最大限に生かした組み立て自在式家具調度品を提供する。
【解決手段】柱状の圧縮コルク材2〜5の表面および外周端面に、板状部材6〜10の端縁が抜脱自在に差し込まれて固定される所定深さの幅方向凹溝および長手方向凹溝を刻設するとともに、任意の凹溝に差し込まれた板状部材6〜10を介して圧縮コルク材2〜5同士が互いに対向配置して連結されることにより家具調度品を自在に組み立てる。好ましくは、凹溝の溝幅寸法は、板状部材周縁の板厚とほぼ同じ寸法に形成する。
【選択図】図2

Description

本考案は、インテリアとしてもマッチする圧縮コルク材を使用した組み立て自在式家具調度品に関する。
コルク樫の樹皮から採取したコルクを原料として製造される圧縮コルク材は、軽くて弾力性、質感、感触などに優れるため、近年、家屋のフローリング材としても多用されている。圧縮コルク材は、その表面の外観体裁および色合いや色調が柔らかく、室内に設置される他の調度品、インテリアとも調和するデザイン性に優れているので、インテリアを構成する素材として活用することが考えられるが、圧縮コルク材は曲げ剛性が小さいため、大きな外力に対しては折損し易い性質があり、剛性を要求される用途には利用されていない。
一方、特許文献1には、角柱木材に表面から垂直に切り込み溝を刻設し、これにエポキシ系合成樹脂液などを流し込むことで、該角柱木材の曲げ力および剪断力を高める技術が開示されている。
他方、特許文献2には、組み立て自在式家具調度品の一例として、ディスプレイケースの前面に、透明カバー板を着脱自在に設けることで、棚板の陳列物を外部から容易に出し入れできるようにするとともに、陳列物の大きさに応じて棚板を簡単に差し替えることができる技術が開示されている。
特開平8−281203号公報 特開2003−135227号公報
しかしながら、上記の特許文献1の技術にあっては、木材に刻設した切り込みにエポキシ系合成樹脂液を流し込んで、木材の強度を高める技術ではあるが、インテリア等の素材として利用するには、美観面において適していない。また、この木材をインテリア等の調度品に利用するには、加工等に手間がかかり、かえって製作コストが増大してしまうという問題があった。
また、特許文献2に記載の技術は、陳列物のサイズに応じて棚板だけを容易に差し替えることができるようにした技術であり、ディスプレイ全体が変幻自在にその形状、大きさを変化させて組み立てることができるようにしたものではない。
本考案は、上記圧縮コルク材が有する剛性の低い性質を克服する一方で、圧縮コルク材の優れた外観体裁や質感等の特性を最大限に生かし、更に使用時の自由度を高めた組み立て自在式家具調度品を提供することを目的とする。
本出願人は、永年の研究の末、圧縮コルク材が家具調度品の構成素材として優れていることに着目し、小物入れ、テーブル、机等種々の家具調度品を、圧縮コルク材を用いて組み立てと分解とを自在に行なうことができ、サイズ、形状の異なる家具調度品を変幻自在に容易に組み立てて製作できる技術を考案した。従って、上記目的は、以下の考案によって達成される。
(1)上記の目的を達成するために、本考案に係る組み立て自在式家具調度品は、柱状の圧縮コルク材に、板状部材の端縁が抜脱自在に差し込まれて固定される所定深さの幅方向凹溝および長手方向凹溝を刻設するとともに、前記凹溝のうち任意の凹溝に差し込まれた前記板状部材を介して前記圧縮コルク材同士が互いに対向配置して連結されることにより家具調度品を自在に組み立てられることを特徴とする。
この考案によれば、圧縮コルク材の幅方向凹溝および長手方向凹溝のうち任意の凹溝に、板状部材が差し込み自在に形成されているので、或る一対の圧縮コルク材を対向配置し、両圧縮コルク材の凹溝に板状部材を差し込んでいくことにより、該両圧縮コルク材を自在に連結して立体構造体を製作できる。このため、圧縮コルク材同士は板状部材を介して好みの家具調度品に容易に組み立てていくことができるとともに、組み立てられた立体構造体は圧縮コルク材が有するコルクの呈する模様、色合いや色調により、室内に設置された周囲の家具等と調和し、デザイン性に優れたインテリアを実現できる。
また、この凹溝に板状部材が挿入されることで、圧縮コルク材自体の強度・剛性が高められるので、調度品としての耐久性を両立させることも可能となっている。
(2)また、前記凹溝の溝幅寸法は、前記板状部材周縁の板厚とほぼ同じ寸法に形成するのがよい。より好ましくは、凹溝の溝幅寸法は板状部材周縁の板厚と同じか、板厚よりも若干小さい寸法にするとよい。
これにより、幅方向凹溝あるいは長手方向凹溝に差し込まれた板状部材は、弾性を有すると共に、表面の微細凹凸によって摩擦係数の高い性質を備えた圧縮コルク材に圧入された状態で嵌り込んでいるので、通常使用状態において板状部材は凹溝から抜け出ることはない。一方、板状部材を取り外して別の立体構造体に組み立て直す場合には、少しの力で板状部材を凹溝から取り外すことができる。つまり、圧縮コルク材と板状部材を、ほぼ同じ寸法の凹溝で組み合わせていくことで、完成時の安定性を、組み立て・分解時の容易性を両立させることが可能となる。
(3)また、前記板状部材は、前記一対の圧縮コルク材の表面に対向配置される前記幅方向凹溝に差し込まれる棚部材として形成される。
これにより、一対の対向配置された圧縮コルク材の幅方向凹溝の間に、棚部材として形成された板状部材の周縁を差し込んでいくことで、一対の圧縮コルク材同士が連結され、圧縮コルク材と棚部材とで立体的な構造体が組み立てられるので、好みの組み立て自在式家具調度品を製作することができるようになる。また、棚部材が幅方向凹溝に差し込まれることで、圧縮コルク材自体の強度が増し、圧縮コルク材の折損を防止できるようになる。
(4)また、前記板状部材は、対向する一対の前記圧縮コルク材における複数の高さ位置に形成される前記幅方向凹溝に差し込まれる短冊状の引き出し支持部材であり、該引き出し支持部材により引き出しが移動自在に収納されるように構成してもよい。
かかる構成とすることで、板状部材は、圧縮コルク材の幅方向凹溝に挿入される短冊状の引き出し支持部材として形成されるので、板状部材を好みの高さ位置の幅方向凹溝に差し込むことができ、適した高さに引き出しを備えた組み立て自在式家具調度品を得ることができる。また、引き出し支持部材として形成された板状部材は、幅方向凹溝に差し込まれることで、圧縮コルク材そのものの強度を増大させることができ、圧縮コルク材の折損を回避できるようになる。
さらに、板状部材を差し込む幅方向凹溝を圧縮コルク材の上下方向に沿って等間隔で刻設してもよく、引き出し支持部材を各幅方向凹溝に差し込むことで、同じ深さを備えた引き出しを複数段設置することができる。また、引き出し支持部材を不等間隔に差し込むようにしてもよく、深さの異なる引き出しを設置したりもでき、バリエーションに富んだ引き出し付き家具調度品を組み立てて製作できる。
(5)また、前記板状部材は、その両側縁にほぼ直角に折曲げられた屈曲部を有する位置決め固定部材であり、該屈曲部が、前記圧縮コルク材の背面に上下方向に形成された前記長手方向凹溝に差し込まれることで、一対の前記圧縮コルク材同士を連結するようにしてもよい。
このように構成することで、位置決め固定部材として形成した板状部材を、立体構造体である組み立て自在式家具調度品の背面側に差し込んで一対の対向する圧縮コルク材を連結する。これにより、柱状の圧縮コルク材の長手方向に沿って屈曲部が挿入されるので、組み立て自在式家具調度品の強度が一層高められ、完成度の高い組み立て自在式家具調度品を得ることができるようになる。また、位置決め固定部材として形成される板状部材は、圧縮コルク材背面の背面側に形成した長手方向凹溝に差し込まれるので、美観や利便性を損なうことなく、圧縮コルク材自体の強度を高めることができるようになる。
(6)また、前記板状部材が、その両縁が隣り合う前記圧縮コルク材の対向する前記長手方向凹溝に差し込まれて前記圧縮コルク材同士を連結する連結部材であってもよい。
これによれば、連結部材として形成した板状部材を介して圧縮コルク材の端面同士を次々に繋いで連結することで、圧縮コルク材を増設していくことができる。また、連結部材として形成された板状部材は圧縮コルク材の長手方向凹溝に差し込まれるので、圧縮コルク材の強度を高めることができるようになる。
(7)また、前記圧縮コルク材の一対の両表面に前記幅方向凹溝が形成されており、前記両表面の前記幅方向凹溝に差し込まれる前記板状部材を介して、前記圧縮コルク部材を自在に増設できるように構成してもよい。
これによれば、圧縮コルク材の両表面に幅方向凹溝を形成し、これに少なくとも板状部材を差し込んでいくことで、板状部材を棚部材や引き出し支持部材として機能させながら、圧縮コルク材を継ぎ足して増設することができ、種々の立体構造体を成す組み立て自在式家具調度品に展開していくことができる。
(8)また、前記圧縮コルク材における前記幅方向溝及び前記長手方向溝の双方に、前記板状部材が差し込まれていることが好ましい。
これによれば、圧縮コルク材の利用価値を高めながら、その剛性を高めることが可能になる。
(9)また、一対の前記圧縮コルク材の上端に、天板を載置することにより、少なくとも棚付きまたは引き出し付きのテーブルとして構成してもよい。
係る構成により、組み立て自在式家具調度品は棚付きまたは引き出し付きのテーブルとして形成することができ、圧縮コルク材表面の色合い、色調、柔和な木質の落ち着いた質感など、種々の特性を最大限に生かしたデザイン性に富む室内インテリアとしての組み立て自在式家具調度品を得ることができる。
本考案によれば、美観、自在性、剛性を兼ね備えた組み立て自在式家具調度品を得るという優れた効果を奏し得る。
以下、本考案を実施するための最良の形態を、図を参照して詳述する。図1は実施例に係る組み立て自在式家具調度品である引き出し付き家具の外観斜視図、図2はその一部分解図、図3は第1圧縮コルク材単体を説明する図、図4は第2圧縮コルク材単体を説明する図、図5は圧縮コルク材を連結部材により連結する状態を説明する組み立て図、図6は圧縮コルク材を位置決め固定部材により連結する状態を説明する組み立て図である。
引き出し付き家具1の一例に係る概要構成を説明すると、該家具1は、図1、図2に示すように立体構造体を成し、側壁を形成する手前の一対の第1圧縮コルク材2、3と、その後ろにある一対の第2圧縮コルク材4,5と、第1圧縮コルク材2,3と第2圧縮コルク材4,5の間に配置されてそれらを連結する連結部材6,7を備える。
更に家具1は、上板を形成する上棚部材8と,底板を形成する下棚部材9と、第2圧縮コルク材4,5の背面側を連結して位置決め固定する位置決め固定部材10と、引き出し11(図2では一個だけを図示)と,第1、第2両圧縮コルク材2〜5に刻設した凹溝に差し込まれた短冊状の引き出し支持部材12と、圧縮コルク材2〜5の上端に載置される天板13を備えて構成される。引き出し支持部材12は、引き出し11の両脇を下から支える構造となっている。
なお本実施形態では、上記の連結部材4,5、上棚部材8、下棚部材9、位置決め固定部材10、および引き出し支持部材12である板状部材の板厚は同じ寸法を有するが、勿論、使用する部位に応じて適宜の板厚のものを使用してもよい。この場合には、後述する幅方向凹溝2a,3aおよび長手方向凹溝2c、3cの溝幅はそれら板厚に応じた溝幅に形成されるのは言うまでもない。
第1圧縮コルク材2,3および第2圧縮コルク材4,5以外の上記各部材は加工性に優れた合成樹脂製の素材を用いて形成されるが、勿論、アルミやステンレス等の各種金属素材やガラス材、木材等の各種材料を用いることも可能である。本実施例では連結部材6,7、上棚部材8,下棚部材、位置決め固定部材10,引き出し支持部材11は透明のアクリル樹脂材を、また、天板13は表面を曇り処理したアクリル樹脂材を用いている。勿論、上記アクリル樹脂材および引き出し11の合成樹脂材は好みに合った適宜の色を有するものを選択して使用することが可能である。
左右一対の第1圧縮コルク材2,3は、図3に示すように、同一の方形形状を有する柱状部材であり、その長手方向の一表面には8本の水平な方向に伸びる所定深さを有する断面矩形の幅方向凹溝2a,3aが3本形成される。また、上記一表面と反対側に位置する他表面にも、水平な方向に伸びる所定深さを有する断面矩形の幅方向凹溝2b,3bが3本形成される。これらの幅方向凹溝2a,3a,2b,3bは、互いに平行かつ等間隔に刻設され、上記棚部材8,9や引き出し支持部材12が差し込まれるようになっている。
第1圧縮コルク材2,3の長手方向の端面(ここでの「端面」は上記表面を除いた長手方向に沿う2面を意味する)には、上記連結部材6、7を抜脱自在に差し込むことができる断面矩形の長手方向凹溝2c、3cが、長手方向に沿って刻設される。長手方向凹溝2c、3cの溝深さは幅方向凹溝2a,3aのそれよりも若干大きな寸法に形成される。また、幅方向凹溝2a,3aおよび長手方向凹溝2c、3cの溝幅寸法は、板状部材6,8,9,10,12が差し込まれる部分(周縁)の板厚と同じ寸法か、あるいは該板厚よりも若干小さめの寸法が好ましい。
左右一対の第2圧縮コルク材4,5は、図4に示されるように、第1圧縮コルク材2,3と同じ高さ(長さ)、厚みを備えるが、第1圧縮コルク材2,3よりは幅が大きな方形に形成される。その一表面には上記幅方向凹溝2a,3aに連続可能な8本の幅方向凹溝4a,5aが、また、その他表面には第1圧縮コルク材2,3の幅方向凹溝2b、3bに連続可能な3本の幅方向凹溝4b、5bがそれぞれ等間隔に刻設される。なお、幅方向凹溝2a,3a、4b、5bの個数は、これらに限定されないのは勿論であり、後述する第2圧縮コルク材4,5においても同様である。
また、第2圧縮コルク材4,5の端面のうち、一の端面のほぼ中央には、その長手方向に沿って長手方向凹溝4c、5cが、他の端面には、同様に長手方向凹溝4d、5dがそれぞれ刻設される。長手方向凹溝4c、5dには、上記連結部材6、7を抜脱自在に差し込むことができ、また、背面側の端面4d、5cには、後述する位置決め固定部材10の屈曲部10a,10bが差し込み自在となる。各長手方向凹溝4c、5c、4d、5dの溝深さは幅方向凹溝2a,3aのそれよりも若干大きな深さの寸法に形成される。また、幅方向凹溝4a,5a、4b、5b、および長手方向凹溝4c、5c、4d、5dの各溝幅寸法は、板状部材6,8,9,10,12が差し込まれる部分(周縁)の板厚と同じ寸法か、あるいは該板厚よりも若干小さめの寸法が好ましい。
このように、板状部材6,8,9,10の板厚と凹溝4a,5a,5b,5b,4c、5c、4d、5dの溝幅を略一致させることで、両者を係合させた際に、板状部材が、圧縮コルク材2〜5の凹溝の摩擦抵抗と相まって解脱しにくいように保持される。なお、他表面には幅方向凹溝4b、5bを直交して交差する上下方向の長手方向凹溝4e、5eが刻設されるが、これには適宜他の板状部材が差し込まれる凹溝として使用されるものである。
位置決め固定部材10は、図2,図6に示されるように、その両端縁にほぼ直角に折曲げた屈曲部10a、10bが形成され、第2圧縮コルク材4,5の長手方向凹溝4d、5cに差し込むことができるようになっている。
引き出し支持部材12は、本実施例の場合、幅方向凹溝4b、5bに差し込まれ、該支持部材12間に引き出し11が引き出し自在に収納されるようになっている。また、引き出し部材12の奥行き寸法は、第1、第2両圧縮コルク材2〜5が連結部材6を介して結合されたときの寸法とほぼ同じ寸法に形成される。
天板13は図1に示すように、左右両端を下方に直角に折曲げた屈曲部13a,13bが形成され、組み立て後において、対向する第1、第2圧縮コルク材2〜5の両外側表面に接触可能な寸法形状に形成される。
次に、図1に示す組み立て自在式家具調度品1の組み立て手順の一例を説明する。なお、これ以外の手順に限定されないことは言うまでもよい。
図5において、第1圧縮コルク材2,3の長手方向凹溝2c、3cと、第2圧縮コルク材4,5の長手方向凹溝4c、5dとを互いに立てて対向させ、連結部材6を長手方向凹溝2c、3cと長手方向凹溝4c、5dとに差し込む。これにより、第1両圧縮コルク材2,3と第2両圧縮コルク材4,5とを、図5に示すように連結して合体させる。この結果、第1圧縮コルク材2,3、連結部材6,7、および第2圧縮コルク材4,5により側壁部A,Bが形成される。
また、図6に示すように、位置決め固定部材10の屈曲部10a,10bを第2圧縮コルク材4,5の長手方向凹溝4d、5cに差し込んで合体させると、図2に示すように、上記背面壁としての位置決め固定部材10により、一対の側壁部A,Bが位置決め固定される。
最上部にある幅方向凹溝2a,3aと幅方向凹溝4a,5aとの間と、最下部の幅方向凹溝2a,3aと幅方向凹溝4a,5aとの間にそれぞれ上棚部材8と下棚部材9とを差し込む。そして、図2に示すように、残りの各幅方向凹溝2a,3aおよび幅方向凹溝4a,5aに短冊状の引き出し支持部材12を差し込んでいく。その後、引き出し支持部材12によって両端を支持されるようにして、引き出し11を収納し、上方から天板13を被せる。こうして、組み立て自在式家具調度品1の組み立ての一例が完成し、図1に示すように、棚部材8,9、天板10、および引き出し11を備えた組み立て自在式家具調度品1が得られる。また、上記の組み立ての手順を逆にすることで、この組み立て自在式家具調度品1を構成部材ごとに分解することができる。特に、コルクの摩擦力を利用して各種部材をくみ上げているので、組み立て後の剛性と、分解の容易性を両立させることが可能となっている。このように、組み立てと分解とを自在に行なうことがで、サイズ、形状の異なる家具調度品を変幻自在に製作できる。
上記組み立て自在式家具調度品1において、図8に示すように、さらに圧縮コルク材や板状部材などを増設して別の立体構造体を成す組み立て自在式家具調度品17を製作することが可能となる。すなわち、上記では一対の側壁部A,Bにより組み立て自在式家具調度品1を形成したが、上記側壁部A,Bと同様に、第1圧縮コルク材17と第2圧縮コルク材18とで組み立てて形成した第3の側壁部Cを横方向に配置し、側壁部Bの幅方向凹溝2b、3b(図4,図5参照)と、側壁部Cの図示されない幅方向凹溝との間に上棚部材14や、図示されない下棚部材(図示しない)を差し込み、また、引き出し支持部材(図示されない)を差し込んで引き出し15を設ける。また、背面には、側壁部A,C間に亘って、上記位置決め固定部材10よりも長めの位置決め固定部材(図示されない)を長手方向凹溝に差し込む。上部には上記天板13よりも長めの天板16を載せることで、引き出し部を横に2連装に増設した形態の組み立て自在式家具調度品19を組み立てることができる。
同様にして、さらなる第2圧縮コルク材4,5を連結部材6,7で連結して後方(奥方向)へも増設していくことができる。これにより、奥行きの深い組み立て自在式家具調度品を組み立てる組み立て形態にすることも可能である。また、上方向へも圧縮コルク材を上積みしていくことで、組み立て自在式家具調度品の構造を上方へも拡大展開していくことができる。
また、図8に示すように、上下の長さを長く形成した側壁部D,Eを用い、天板13の代わりに、長方形状のテーブル20を載せる形態、すなわち、引き出し付きのテーブルとしての組み立て自在式家具調度品21を製作することもできる。この場合、引き出し11の数個を引き抜いたその後に、棚部材を差し込めば、引き出し11と棚付きのテーブルを実現できる。なお、テーブル16の形状は任意で、円形、楕円など適宜の形状のものでよい。
また、図7、図8に示すように、側壁部C,Eの外側の幅方向凹溝に板状部材である種々の形状を備えた棚部材22を差し込んでもよく、これにより多目的な使用が可能となる。
本実施例によれば、圧縮コルク材2,3,4,5と板状部材6〜10を適宜に組み合わせていくことで、好みの家具調度品に組み立てていくことができる、換言すると、バリエーションに富んだ趣向に合った、小型から大型の組み立て自在式家具調度品を自在に組み立てることができる。また、組み立てられた立体構造体には、圧縮コルク材が多用されているため、コルク素材自体の呈する模様、色合い、木質調の質感、色調などにより、室内に設置された周囲の家具等と調和し、デザイン性に優れたインテリアを実現できる。また、天板10の板厚は他の板状部材と異なる厚みのある板材を使用することができ、これにより天板10上に重量を有する物を載置することができる。なお、場合によっては、天板10を使用しなくてもよい。
また、本実施例によれば、組み立て自在式家具調度品には各種の板状部材6〜10が上記各幅方向凹溝、上記各長手方向凹溝に差し込まれるので、圧縮コルク材2〜5,17,18の強度を高めることができ、圧縮コルク材の折損、ひいては組み立て自在式家具調度品1,16,19の破壊を防止でき、全体として軽量で堅牢な組み立て自在式家具調度品を得ることができる。また、種々の規格サイズの圧縮コルク材や、板状部材を備えておくことで、数多くのバリエーションに富んだ組み立て自在式家具調度品を製作できる。
以上、本考案を一実施の形態により詳述してきたが、具体的な構成はこの一実施の形態に限られるものでなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本考案の範囲に含まれるものである。
例えば、上記実施例では、連結部材6,7を用いて第1圧縮コルク材と第2圧縮コルク材を連結した場合について説明したが、連結部材6,7を用いないで、第2圧縮コルク材4,5単体で構成するような態様にしてもよい。
また上記実施例では、第1圧縮コルク材と第2圧縮コルク材が断面方形の柱状部材である場合に限って示したが、本考案の断面形状はそれに限定されず、例えば方形4隅が丸まった断面形状を有する柱状部材であったり、断面が円形や他の形状の柱状部材であったりしても良い。また、第1圧縮コルク材と第2圧縮コルク材が直線状の柱である場合に限られず、柱が湾曲又は屈曲していても良い。
更に本実施例では、圧縮コルク材の凹部に各種部材を挿入して、両者の摩擦力によって固定する場合を示したが、勿論、接着剤やねじ、ピン、釘等を利用して固定するようにしても良い。
また、上記の第2圧縮コルク材4,5の長手方向の上端面と下端面には凹溝を刻設しなかったが、図9に示す圧縮コルク材30のように、ここに各種方向の凹溝31を形成した形態にしてもよい。これにより、連結部材をこの凹溝31にも差し込むことが可能となり、圧縮コルク材を横、奥、上の各方向へ増設することができる。
また、図9に点線で示すように、圧縮コルク材30に斜めの幅方向凹溝32を刻設するようにしてもよい。
尚、本考案は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本考案は、机、棚、ディスプレイ、パーティションなどのように、家庭用のみならず、業務用を含む様々な家具調度品に利用することが可能である。
本考案の実施例に係る組み立て自在式家具調度品の外観斜視図である。 図1の一部を分解して内部構造を示した外観斜視図である。 上記組み立て自在式家具調度品に用いられる第1圧縮コルク材単体を説明する図で、(a)はその外観斜視図、(b)は(a)の反対側を示す外観斜視図、(c)は(b)の平面図、(d)は(d)の側面図である。 同様に第2圧縮コルク材単体を説明する図で、(a)は外観斜視図、(b)は(a)の反対側を示す外観斜視図である。 第1圧縮コルク材と第2圧縮コルク材とが連結部材により連結される状態を説明する組み立て図である。 圧縮コルク材が位置決め固定部材により連結される状態を説明する組み立て図である。 上記実施例の組み立てのバリエーションを示す組み立て自在式家具調度品の外観斜視図である。 上記実施例の組み立てのバリエーションを示す組み立て自在式家具調度品の外観斜視図である。 上記実施例の変形例に係る圧縮コルク材を説明する図で、(a)はその外観斜視図、(b)は(a)の矢印ロ方向からみた側面図である。
符号の説明
1 組み立て自在式家具調度品
2、3 第1圧縮コルク材
2a,3a、2b、3b 幅方向凹溝
2c、3c 長手方向凹溝
4,5 第2圧縮コルク材
4a,5a,4b,5b 幅方向凹溝
4c、5c、4d、5d 長手方向凹溝
6,7 連結部材
8 上棚部材
9 下棚部材
10 位置決め固定部材
11 引き出し
12 引き出し支持部材
13 天板
14 上棚部材
15 引き出し
16 天板
17 第1圧縮コルク材
18 第2圧縮コルク材
19 組み立て自在式家具調度品
20 天板
21 組み立て自在式家具調度品
22 棚部材
A,B,C 側壁部

Claims (9)

  1. 柱状の圧縮コルク材に、板状部材の端縁が抜脱自在に差し込まれて固定される所定深さの幅方向凹溝および長手方向凹溝を刻設するとともに、前記凹溝のうち任意の凹溝に差し込まれた前記板状部材を介して前記圧縮コルク材同士が互いに対向配置して連結されることにより家具調度品を自在に組み立てられることを特徴とする組み立て自在式家具調度品。
  2. 前記凹溝の溝幅寸法は、前記板状部材周縁の板厚とほぼ同じ寸法に形成されたことを特徴とする請求項1記載の組み立て自在式家具調度品。
  3. 前記板状部材は、前記一対の圧縮コルク材の表面に対向配置される前記幅方向凹溝に差し込まれる棚部材であることを特徴とする請求項1または2記載の組み立て自在式家具調度品。
  4. 前記板状部材は、対向する一対の前記圧縮コルク材における複数の高さ位置に形成される前記幅方向凹溝に差し込まれる短冊状の引き出し支持部材であり、該引き出し支持部材により引き出しが移動自在に収納されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組み立て自在式家具調度品。
  5. 前記板状部材は、その両側縁にほぼ直角に折曲げられた屈曲部を有する位置決め固定部材であり、該屈曲部が、前記圧縮コルク材の背面に上下方向に形成された前記長手方向凹溝に差し込まれることで、一対の前記圧縮コルク材同士を連結することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組み立て自在式家具調度品。
  6. 前記板状部材が、その両縁が隣り合う前記圧縮コルク材の対向する前記長手方向凹溝に差し込まれて前記圧縮コルク材同士を連結する連結部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の組み立て自在式家具調度品。
  7. 前記圧縮コルク材の一対の両表面に前記幅方向凹溝が形成されており、前記両表面の前記幅方向凹溝に差し込まれる前記板状部材を介して、前記圧縮コルク部材を自在に増設できるように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の組み立て自在式家具調度品。
  8. 前記圧縮コルク材における前記幅方向溝及び前記長手方向溝の双方に、前記板状部材が差し込まれていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の組み立て式自在家具調度品。
  9. 一対の前記圧縮コルク材の上端に、天板を載置することにより、少なくとも棚付きまたは引き出し付きのテーブルとして構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の組み立て自在式家具調度品。
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JP7390766B1 (ja) * 2023-07-21 2023-12-04 河淳株式会社 組立棚

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