JP3137005B2 - 内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給制御装置

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JP3137005B2
JP3137005B2 JP08256158A JP25615896A JP3137005B2 JP 3137005 B2 JP3137005 B2 JP 3137005B2 JP 08256158 A JP08256158 A JP 08256158A JP 25615896 A JP25615896 A JP 25615896A JP 3137005 B2 JP3137005 B2 JP 3137005B2
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fuel ratio
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関に供給
する燃料の圧力を同機関の運転状態に応じて調整するよ
うにした内燃機関の燃料供給制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の燃料供給制御装置として
は、例えば特開昭57−108427号公報に記載され
た装置が知られている。
【0003】図11に示すように、この装置は基本的
に、燃料タンク71と、エンジン72に設けられたイン
ジェクタ74と、電動式のポンプ75と、このポンプ7
5を制御するためのコンピュータ73とを備えて構成さ
れる。この装置において、このコンピュータ73はタン
ク71に貯められた燃料をエンジン72へ所要量だけ供
給するために、インジェクタ74の開弁時間をエンジン
72の運転状態に応じて制御する。また、併せてコンピ
ュータ73は、燃料ポンプ75から吐出される燃料量
を、エンジン72の運転状態、特にエンジン72の吸入
空気量Q及び回転速度NEに応じて制御する。即ち、こ
のときコンピュータ73は、インジェクタ74に供給さ
れる実際の燃料圧力を燃圧センサ76にて検出しつつ、
これがエンジン72の運転状態(Q,NE)に応じた目
標の燃料圧力となるように燃料ポンプ75の駆動力をフ
ィードバック制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報記
載の装置では、コンピュータ73が燃圧センサ76から
の信号に応じて燃料ポンプ75の駆動力を制御すること
から、燃圧センサ76が故障(フェイル)したときに
は、該燃料ポンプ75の駆動制御自体がおぼつかないも
のとなる。即ち、このような場合には、エンジン72に
供給される正確な燃料圧力を検出することができなくな
るために、これが目標値となるように制御することもで
きず、その結果、吸入空気量Qに対してエンジン72に
供給される燃料量に過不足が生じるようになる。そし
て、このように供給燃料量に過不足が生じる場合、エン
ジン72は所望の空燃比特性を得ることができず、ひい
ては出力の低下やエミッションの悪化を招くことともな
る。
【0005】この発明はこうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、出力の低下やエミッション
の悪化を招かない、より信頼性の高いポンプ制御を行う
ことのできる内燃機関の燃料供給制御装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、図1に示すように、タ
ンクM1の中の燃料を吸引及び吐出するポンプM2の駆
動を制御することにより内燃機関M3に供給される燃料
圧力を調整する内燃機関M3の燃料供給制御装置であっ
て、内燃機関M3の運転状態を検出する運転状態検出手
段M4と、内燃機関M3の空燃比を検出する空燃比検出
手段M5と、内燃機関M3に供給される燃料圧力が同機
関M3の運転状態に応じた目標燃料圧力となるようにポ
ンプM2の駆動力を制御する制御手段M6と、運転状態
検出手段M4及び空燃比検出手段M5の検出信号に基づ
き、機関運転状態に応じた空燃比のずれを学習する学習
手段M7と、学習値が基準値よりも大きいか否かを判断
する判断手段M8と、判断手段M8により学習値が基準
値よりも大きいと判断された時に、同学習値の大きさに
応じて補正量を算出し、その補正量に基づき制御される
ポンプM2の駆動力を補正する補正手段M9とを備える
ことを趣旨とする。
【0007】上記の構成によれば、ポンプM2が作動す
ることにより、タンクM1の中の燃料は内燃機関M3へ
供給され、制御手段M6がポンプM2の駆動力を制御す
ることによりその供給される燃料圧力が調整される。空
燃比検出手段M5は、例えば内燃機関M3の排気管に設
けられた酸素センサ等を通じて同機関M3に供給される
混合気の空燃比を検出し、その検出結果に基づき内燃機
関M3の空燃比がリッチであるかリーンであるかを判断
する。この空燃比及び内燃機関M3の運転状態に応じ
て、学習手段M7は最適な空燃比が得られるように空燃
比に係る学習値を設定する。この学習値は、時間的に変
化するとともに、内燃機関M3の負荷に応じて設定され
るものである。
【0008】通常、燃料圧力を検出するセンサを備えた
装置では、センサにより検出される信号と目標の燃料圧
力とが一致するように、制御手段M6はポンプM2を制
御する。ところが、前述のようにこのセンサが故障(フ
ェイル)した場合には、制御手段M6は実際の燃料圧力
を参照することができない。そして、このような場合に
は、機関M3に供給される燃料量に過不足が生じ、設定
される学習値の値は増大もしくは減少し過ぎる傾向にあ
る。
【0009】ここで、判断手段M8により学習値の値が
基準値よりも大きいと判断された時には、補正手段M9
はこの学習値の値が大きさに応じてポンプM2の吐出量
に係る補正量を算出し、この補正量に基づきポンプM2
の補正制御を行う。即ち、検出される空燃比がリーンで
ある場合には、内燃機関M3に供給される燃料量が吸入
される空気量に対して不足していることから、補正手段
M9はポンプM2の吐出量を増大させる。これに対し
て、検出される空燃比がリッチである場合には、内燃機
関M3に供給される燃料量が吸入される空気量に対して
過剰であることから、補正手段M9はポンプM2の吐出
量を減少させる。このようにポンプM2の吐出量が増減
されることにより、内燃機関M3に供給される燃料圧力
が調整される。
【0010】請求項2に記載の発明では、図1に示すよ
うに、請求項1の発明と共通する各手段M1〜M9に加
え、鎖線にて示す圧力検出手段M10を備える。この発
明の特徴は、学習値に基づき圧力検出手段M10が故障
しているか否かを判断する判断手段M8と、判断手段M
8により圧力検出手段M10が故障していると判断され
た時に、学習値の大きさに応じて補正量を算出し、その
補正量に基づき制御されるポンプM2の駆動力を補正す
る補正手段M9とを備えたことを趣旨とする。
【0011】この構成によれば、学習値の大きさが所定
値よりも大きくなった場合、圧力検出手段M10が故障
していることが判断される。この場合には、圧力検出手
段M10の検出値を参照することなく、学習値の大きさ
に応じて燃料圧力が目標値とほぼ一致するようにポンプ
M2は補正制御される。このため、圧力検出手段M10
が故障した場合であっても、ポンプM2を補正制御して
燃料圧力を調整可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下、本発明に係る内燃機関の燃料
供給制御装置を具体化した第1の実施形態を図面を参照
して詳細に説明する。
【0013】図2は、この実施形態の燃料供給制御装置
を示す概略構成図である。同図に示すように、この装置
は燃料をその内部に貯めた燃料タンク11と、そのタン
ク11の中に納められた電動式の燃料ポンプ12とを備
える。
【0014】ポンプ12はブラケット(図示しない)を
介してタンク11に装着されている。ポンプ12は直流
モータ(図示しない)と、そのモータにより駆動される
羽根車(インペラ:図示しない)とを内蔵する。通電に
よりモータが駆動され、インペラが回転されることによ
り、ポンプ12が作動してタンク11の中の燃料がポン
プ12に吸い上げられ、その吐出ポート12aから吐出
される。ポンプ12から吐出される燃料量は、モータに
供給される電圧値、つまりはモータにより駆動されるイ
ンペラの回転速度に基づいて決定される。ポンプ12か
ら吐出される燃料量により燃料ライン17における燃料
圧力PFが決定される。
【0015】ポンプ12の吐出ポート12aから延びる
燃料ライン17は、タンク11の上蓋18を貫通してタ
ンク11の外へ延びる。この燃料ライン17の途中には
燃料フィルタ19が設けられ、その先がデリバリパイプ
20に接続される。デリバリパイプ20に設けられた複
数のインジェクタ21は、内燃機関(ガソリンエンジ
ン)22の各気筒に対応して配置される。各インジェク
タ21は電磁弁付きのノズルであり、通電により開弁
し、通電の遮断により閉弁する。エンジン22に接続さ
れた吸気通路23は、エンジン22の各気筒へ空気を導
く。吸気通路23に設けられたスロットルバルブ24
は、例えばアクセルペダル(図示しない)の操作に連動
して作動することにより、同通路23を開閉する。この
バルブ24の開度(スロットル開度)TAが調整される
ことにより、吸気通路23を通じてエンジン22の各気
筒へ吸入される空気量(吸気量)Qが調整される。
【0016】ポンプ12から吐出された燃料はフィルタ
19で異物が除去された後、燃料ライン17を通じてデ
リバリパイプ20へ圧送され、更にデリバリパイプ20
において各インジェクタ21へ分配される。このとき、
ポンプ12から吐出される燃料の量に応じてデリバリパ
イプ20における燃料圧力PFが調整される。分配され
た燃料は、各インジェクタ21から噴射されることによ
り、対応する各気筒において供給される。各気筒へ供給
された燃料と空気との混合気が燃焼されることにより、
エンジン22のクランクシャフト(図示しない)が回転
され、エンジン22に動力が得られる。燃焼による排気
ガスは排気通路13を通じて排出される。
【0017】ポンプ12を駆動する駆動回路40は、バ
ッテリ41に充電された電気をポンプ12のモータに供
給する。駆動回路40はポンプ12に供給される電圧値
を調整する。
【0018】スロットルバルブ24の近傍に設けられた
スロットルセンサ45は、同バルブ24の開度TAを検
出し、その大きさに応じた信号を出力する。このセンサ
45は周知のアイドルスイッチ(図示しない)を内蔵す
る。このスイッチは、バルブ24が全閉となったときに
「オン」され、全閉であることを示すアイドル信号ID
Lを出力する。デリバリパイプ20に設けられた燃圧セ
ンサ46は、各インジェクタ21へ圧送される燃料の圧
力、即ちデリバリパイプ20の中の燃料圧力PFを検出
し、その大きさに応じた信号を出力する。エンジン22
に設けられた回転速度センサ47はクランクシャフト
(図示しない)の回転速度、即ちエンジン回転速度NE
に相当する値を検出し、その値の大きさに応じた信号を
出力する。このセンサ47は、クランクシャフトの回転
位相に同期したかたちで所定角度毎にクランクシャフト
の回転を断続的に検出し、その検出結果をパルス信号と
して連続的に出力する。エンジン22に設けられた水温
センサ48は、エンジン22の内部を流れる冷却水の温
度(冷却水温度)THWを検出し、その大きさに応じた
信号を出力する。吸気通路23に設けられた吸気圧セン
サ49は、同通路23における吸気圧力PMを検出し、
その大きさに応じた信号を出力する。これら各センサ4
5〜49によりエンジン22の運転状態が検出される。
空燃比を検出する酸素センサ44は排気通路13に設け
られ、同通路13を流れる排気ガスの酸素濃度OXを検
出し、その大きさに応じた信号を出力する。この酸素セ
ンサ44からの信号に基づき、エンジン22の燃焼状態
を知ることが可能である。即ち、エンジン22に供給さ
れる燃料量がリッチであるか、リーンであるかを知るこ
とができる。
【0019】電子制御装置(ECU)50は入力信号処
理回路、メモリ、演算回路及び出力信号処理回路等を有
する。ECU50には前述した各種センサ44〜49、
インジェクタ21、駆動回路40及びバッテリ41がそ
れぞれ接続されている。ECU50は前述した各種セン
サ44〜49から出力される信号を入力する。ECU5
0はこれら入力信号に基づき、燃料噴射制御及び燃料供
給制御を実行するために、ポンプ12、各インジェクタ
21及び駆動回路40を制御する。
【0020】燃料噴射制御とは、エンジン22の運転状
態に応じて各インジェクタ21の開弁時間を制御するこ
とにより、各インジェクタ21から各気筒へ噴射される
燃料量を制御することである。燃料供給制御とは、エン
ジン22の運転状態に応じて駆動回路40を制御し、ポ
ンプ12を制御することにより、ポンプ12から吐出さ
れる燃料量を制御することである。これによって、各イ
ンジェクタ21へ供給される燃料圧力PFを調整する。
【0021】図3は燃料噴射制御の処理内容に関する
「燃料噴射制御ルーチン」を示すフローチャートであ
る。ECU50は、エンジン22の運転時に本ルーチン
を所定期間毎に周期的に実行する。
【0022】ステップ100において、ECU50は各
種センサ45,47〜49により検出され、エンジン2
2の運転状態を反映した各種パラメータTA,IDL,
NE,THW,PMに係る値を入力値として読み込む。
また、後述する「FAF算出ルーチン」及び「学習ルー
チン」にて算出された空燃比補正係数FAFと、噴射量
のずれを補う学習値KGとを入力値として読み込む。
【0023】ステップ110において、ECU50はエ
ンジン22が減速運転状態にあるか否かを判断する。E
CU50は、この判断をアイドル信号IDLに基づき行
う。ここで、スロットルバルブ24が全閉状態となり、
エンジン22が減速運転状態にある場合、ECU50は
処理をステップ120へ移行する。スロットルバルブ2
4が開かれ、エンジン22が減速運転状態にない場合、
ECU50は処理をステップ140へ移行する。
【0024】エンジン22の減速運転時には、ステップ
120において、ECU50はエンジン22の各気筒に
対する燃料噴射を強制的に中止するために、即ち燃料カ
ットを行うために、各インジェクタ21を強制的に閉弁
する。
【0025】ステップ130において、ECU50は、
燃料カットが実行されていることを示すために燃料カッ
トフラグXFCを「1」に設定し、その後の処理を一旦
終了する。即ち、ステップ130は、エンジン22が減
速運転状態にあることを示すフラグを設定するための処
理に相当する。
【0026】エンジン22が減速運転状態にない場合、
ステップ140において、ECU50は、燃料カットが
実行されていないことを示すために燃料カットフラグX
FCを「0」に設定する。即ち、ステップ140は、エ
ンジン22が減速運転状態にないことを示すフラグを設
定するための処理に相当する。
【0027】ステップ150において、ECU50はエ
ンジン回転速度NE及び吸気圧力PMの値に基づいて基
本噴射量TAUbの値を算出する。この基本噴射量TA
Ubは、時間を単位とする値である。ECU50はこの
基本噴射量TAUbの値を、同基本噴射量TAUb、エ
ンジン回転速度NE及び吸気圧力PMをパラメータとし
て予め定められた関数データを参照して算出する。即
ち、ステップ150の処理は、エンジン22の運転状態
に応じて基本的に設定されるべき基本噴射量TAUbを
算出するための処理に相当する。
【0028】ステップ160において、ECU50は冷
却水温度THWの値に基づいて温度補正係数KTHの値
を算出する。ECU50はこの温度補正係数KTHの値
を、同温度補正係数KTH及び冷却水温度THWをパラ
メータとして予め定められた関数データを参照して算出
する。即ち、ステップ160は、エンジン22の温度状
態に応じて基本噴射量TAUbを補正する温度補正係数
KTHを算出するための処理に相当する。
【0029】ステップ170において、ECU50は基
本噴射量TAUbの値に温度補正係数KTH、空燃比補
正係数FAF、学習値KGを乗算することにより、最終
的な燃料噴射量TAUの値を算出する。この燃料噴射量
TAUは、時間を単位とする値であり、インジェクタ2
1の開弁時間を決定する値である。即ち、ステップ17
0は、基本噴射量TAUbを補正することによって、最
終的な燃料噴射量TAUを算出するための処理に相当す
る。
【0030】ステップ180において、ECU50は、
各気筒毎に燃料を噴射すべきタイミングが到来したか否
かを判断する。ECU50は、この噴射タイミングの到
来を、エンジン回転速度NEに係るパルス信号に基づい
て判断する。
【0031】噴射タイミングが到来したとき、ステップ
190において、ECU50は算出された燃料噴射量T
AUの値に基づき各インジェクタ21を所要時間だけ開
弁することにより、燃料噴射を実行する。この処理を終
了した後、ECU50はその後の処理を一旦終了する。
ステップ180,190は、所定の噴射タイミングにお
いて燃料噴射を実行するための処理に相当する。更に、
上記「燃料噴射制御ルーチン」は、インジェクタ21の
開弁時間を制御するための処理に相当する。
【0032】図4及び図5は燃料供給制御の処理内容に
関する「燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャート
である。ECU50は、エンジン22の運転時に本ルー
チンを所定期間毎に周期的に実行する。
【0033】ステップ200において、ECU50は各
種センサ45〜47,49により検出される各種パラメ
ータTA,PF,NE,PMに係る値を入力値として読
み込む。併せて、ECU50は、前述した「燃料噴射制
御ルーチン」において設定された燃料カットフラグXF
Cの値を読み出す。また、ECU50は別途「学習ルー
チン」にて算出された学習値KGと、学習実行中におけ
るエンジン22の最大消費燃料量QFKGMXとを読み
込む。この最大消費燃料量QFKGMXは対象となるエ
ンジン毎の定数であり、当該エンジン22に対応した同
最大消費燃料量QFKGMXの値が予めECU50内の
ROMに記憶されている。
【0034】ステップ210において、ECU50は上
記読み込んだ各種パラメータのうち、パラメータTA,
NE,PMに基づき、エンジン22に要求される燃料の
要求量QFを算出する。即ち、ステップ210は、その
ときの運転状態に基づきエンジン22に要求される燃料
量を算出するための処理に相当する。
【0035】ステップ230において、ECU50は燃
料カットフラグXFCが「1」であるか否かを判断す
る。このフラグXFCが「1」である場合、燃料噴射制
御において燃料カットが行われエンジン22が減速運転
状態にあることから、ECU50は処理をステップ23
2へ移行する。これに対して、フラグXFCが「0」で
ある場合、燃料噴射制御において燃料噴射が行われてい
ることから、ECU50は処理をステップ240へ移行
する。
【0036】ステップ230から移行してステップ23
2において、ECU50はポンプ12を停止し、ポンプ
12による燃料の吸引及び吐出を停止させる。一方、ス
テップ230から移行してステップ240において、E
CU50はエンジン回転速度NE及び吸気圧力PMの値
に基づき、燃料噴射時の目標燃料圧力TPFを算出す
る。ECU50はこの目標燃料圧力TPFを、同目標燃
料圧力TPF、エンジン回転速度NE及び吸気圧力PM
をパラメータとして予め定められた関数データを参照し
て算出する。即ち、ステップ240は、燃料噴射時にお
ける目標燃料圧力TPFを算出するための処理に相当す
る。
【0037】ステップ250において、ECU50は、
上記ステップ210,240にて算出された要求流量Q
Fと目標燃料圧力TPFとに基づきポンプ12に供給さ
れるべき印加電圧VFPを算出する。ECU50はこの
印加電圧VFPを、同印加電圧VFP、要求流量QF及
び目標燃料圧力TPFをパラメータとして定められた関
数データを参照して算出する。この印加電圧VFPが燃
料ポンプ12に印加されることにより、燃料ポンプ12
は要求流量QFにほぼ一致した燃料量を吐出する。即
ち、ステップ250は、エンジン要求流量QFと目標燃
料圧力TPFとに応じてポンプ12の駆動力を算出する
ための処理に相当する。
【0038】ステップ260において、ECU50は学
習値KGの値に基づき、学習値KGの差の累積値DFS
KGを算出する。学習値KGはKG0 〜KGn までの
(n+1)個あり、この累積値DFSKGの値は(n+
1)個の学習値KGの値から式(1)に基づき算出され
る。
【0039】 DFSKG=Σ(KGi −KGi-1 ) …… (1) 尚、学習値KGは各エンジン負荷領域での空燃比の目標
値に対するずれを表し、iは各負荷領域毎の学習値KG
の番号を表す。
【0040】ここで、図6に基づきエンジン27の負荷
に応じた各学習値KGの推移について説明する。図6は
燃料圧力PFの値を一定としてポンプ12の駆動力をフ
ィードバック制御したときのエンジン要求流量QFに対
する各学習値KGの推移の一例を示し、横軸にエンジン
要求流量QF及びそれら負荷状態に対応した学習値KG
の番号、縦軸に空燃比に基づくポンプ駆動力の補正量D
FPKG及び学習値KGの値を示す。
【0041】この補正量DFPKGが「正」である場合
には、前記ポンプ12の駆動力が高められ、結果的に空
燃比がリッチとなるように燃料量が増量補正される。こ
れに対して、補正量DFPKGが「負」である場合に
は、前記ポンプ12の駆動力が低減され、結果的に空燃
比がリーンとなるように燃料量が減量補正される。ポン
プ12の特性から、同図に示すように、学習値KGの番
号が大きくなるに従い学習値KGの値が大きくなる傾向
となっており、その傾向は、同図に一点鎖線にて近似す
る一次関数となっている。ポンプ12による空燃比のず
れは、この一次関数グラフのようにエンジン要求流量Q
Fに比例した形で、ある傾きをもって生じる。そして、
式(1)により算出される累積値DFSKGの値は、同
図6に示されるようにある番号の学習値KGiの値から
各々前の番号の学習値KGi-1の値を差し引いた値の和
に相当する。
【0042】図4の「燃料供給制御ルーチン」に戻り、
ステップ270において、ECU50はステップ260
にて算出された累積値DFSKGの値が基準値α(図6
参照)よりも大きいか否かを判断する。累積値DFSK
Gの値が大きい程、燃料量を増減するための補正量が大
きいことを表す。この補正量が過大である場合、即ち累
積値DFSKGの値が基準値αよりも大きい場合には、
エンジン22に何らかの異常が生じていることが推測さ
れる。例えば、燃圧センサ46が故障(フェイル)した
時等、エンジン22に供給される燃料圧力PFが正常に
検出されないときには、空燃比のずれが補えなくなるた
めに学習値KGの値が過大となる。このように、累積値
DFSKGの値が基準値αよりも大きい場合には、ステ
ップ280へ移行する。この累積値DFSKGの値が基
準値α以下である場合には、ステップ320(図5)へ
移行する。このステップ270は、学習値の累積値DF
SKGの値が基準値αよりも大きいか否かを判断する処
理に相当する。また、ステップ270は、燃圧センサ4
6が故障したか否かを判断するための処理に相当する。
【0043】ステップ270から移行してステップ32
0(図5)において、即ち上記累積値DFSKGが基準
値α以下であった場合、ECU50はステップ250に
て算出された印加電圧VFPをポンプ12に供給するこ
とにより、同ポンプ12を駆動する。
【0044】そして、ステップ330において、ECU
50は、検出される実際の燃料圧力PFの値が算出され
る目標燃料圧力TPFと同じであるか否かを判断し、両
者PF,TPFが同じ場合、ECU50はその後の処理
を一旦終了する。両者PF,TPFが異なる場合、EC
U50は処理をステップ340へ移行する。
【0045】ステップ340において、ECU50は実
際の燃料圧力PFの値が目標燃料圧力TPFよりも大き
いか否かを判断する。燃料圧力PFが目標燃料圧力TP
Fよりも小さい場合、ステップ350において、ECU
50は駆動回路40を制御してポンプ12に供給される
電圧を増大させることにより、ポンプ12から吐出され
る燃料量を増大させる。その後、ECU50は処理をス
テップ320へ戻る。
【0046】ステップ340において、燃料圧力PFが
目標燃料圧力TPFよりも大きい場合、ステップ360
において、ECU50は駆動回路40を制御してポンプ
12へ供給される電圧を低下させることにより、ポンプ
12から吐出される燃料量を低減させる。その後、EC
U50は処理をステップ320へ戻る。即ち、ステップ
320〜360において、ECU50は実際の燃料圧力
PFの値が算出された目標燃料圧力TPFと一致するよ
うにポンプ12から吐出される燃料量を制御する。即
ち、ステップ232,320〜360は、ポンプ12の
駆動力を制御するための処理に相当する。
【0047】一方、ステップ270から移行してステッ
プ280において、即ち上記累積値DFSKGの値が基
準値αよりも大きい場合、ECU50はエンジン22に
何らかの異常が生じている旨判断する。そしてこのと
き、ECU50はそれまでのj個の各学習値KGの値に
基づき式(2)からその平均値KGAVEを算出する。
【0048】KGAVE=ΣKGj /j …… (2) そして、ステップ290において、ECU50はこの求
められた平均値KGAVE及び前記各パラメータDFS
KG,QFKGMX,QFの値に基づき式(3)から補
正値DFPKGを算出する。
【0049】 DFPKG=β(KGAVE-DFSKG/2+DFSKG・QF/QFKGMX) …… (3) 式(3)において、係数βは空燃比のずれ(補正量)を
ポンプ12に供給する電圧の単位に換算するための係数
である。この式(3)により、先の図6に例示した態様
で学習値KGに基づくポンプ12による空燃比のずれが
一次関数として近似され、そのときのエンジン要求流量
QF、例えば所定値QF1に応じ前記補正量DFPKG
がDFPKG1として算出される。
【0050】その後、ステップ300において、ECU
50は印加電圧VFPにこの算出した補正値DFPKG
を加算し、補正印加電圧VFPCを算出する。これによ
り、印加電圧VFPは補正値DFPKGの値に応じてそ
の値が増減される。
【0051】そして、ステップ310において、ECU
50は算出された補正印加電圧VFPCをポンプ12に
供給することにより、同ポンプ12を駆動し、その後の
処理を一旦終了する。ここに、ステップ260〜310
は、印加電圧VFPを補正するための処理に相当する。
【0052】次に、空燃比補正係数FAFを算出するた
めの「FAF算出ルーチン」の処理について、図7及び
図8のフローチャートに基づき説明する。ECU50
は、エンジン22の運転時に本ルーチンを所定期間毎に
周期的に実行する。
【0053】ステップ401において、ECU50はフ
ィードバック(F/B)制御の条件が成立しているか否
かを判断する。ここでは例えば、水温センサ48及び回
転速度センサ47の検出信号に基づき、冷却水温THW
が充分に高く、かつエンジン回転速度NEが必要以上の
高回転でない等の条件が成立したか否かが判断される。
【0054】ここで、フィードバック制御の条件が成立
した場合には、ステップ402において、ECU50は
酸素センサ44の検出信号に基づき空燃比がリッチであ
るか否かを判断する。そして、空燃比がリッチである場
合には、ECU50は次のステップ403〜408の処
理を実行する。
【0055】即ち、ステップ403において、ECU5
0は前回の制御周期でこの「FAF算出ルーチン」の処
理が実行されたときに、空燃比がリーンであったか否か
を空燃比フラグYOXによって判断する。ここで、空燃
比フラグYOXが「0」の場合には、ECU50はステ
ップ402,403における判断により、空燃比がリー
ンからリッチへ変わったものとしてステップ404へ処
理を移行する。
【0056】ステップ404において、ECU50は空
燃比フィードバック制御中における平均空燃比補正係数
FAFAVを算出する。この平均空燃比補正係数FAF
AVの算出は、現在の空燃比補正係数FAFと、前回の
リッチからリーンへ変わったときの旧空燃比補正係数F
AF0との相加平均を求めることにより行われる。
【0057】ステップ405において、空燃比補正係数
FAFを前回の旧空燃比補正係数FAF0として設定す
る。ステップ406において、空燃比補正係数FAFか
ら所定のスキップ量aを減算した結果を新たな空燃比補
正係数FAFとして設定する。
【0058】ステップ407において、ECU50は現
在の空燃比がリッチであることから、学習タイミングフ
ラグYKGを「1」に設定する。この学習タイミングフ
ラグYKGは、学習値KGを学習すべきタイミングであ
るか否かを判断するために使用されるものであり、これ
については後述する。
【0059】ステップ408において、ECU50は空
燃比がリッチであることから空燃比フラグYOKを
「1」に設定し、その後の処理を一旦終了する。一方、
ステップ403において、空燃比フラグYOXが「1」
である場合には、ECU50はステップ409〜411
の処理を実行する。ここで、ステップ402,403の
判断によりステップ409へ移行した場合には、空燃比
がリッチの状態を維持していることを表している。
【0060】即ち、ステップ409においては、ECU
50はタイマカウンタCNT1が定数cを上回るか否か
を判断する。ここで、タイマカウンタCNT1が定数c
を上回る場合には、ステップ410において、ECU5
0は空燃比補正係数FAFOから定数bを減算した結果
を新たな空燃比補正係数FAFとして設定する。
【0061】ステップ411において、ECU50はこ
のタイマカウンタCNT1を「0」にクリアした後、そ
の後の処理を一旦終了する。又、ステップ409におい
て、ECU50はタイマカウンタCNT1が定数c以下
の場合には、そのままステップ412へ移行する。つま
り、ステップ409〜411の処理では、ECU50は
所定時間毎に空燃比補正係数FAFの値を定数bだけ減
算することになる。
【0062】前述したステップ403〜411における
処理は、空燃比がリッチの場合の処理であって、空燃比
補正係数FAFを減少させるための処理である。この処
理に対して、図8のフローチャートに示すステップ42
1〜429における処理は、空燃比がリーンの場合の処
理であって、空燃比補正係数FAFを増加させるための
処理である。
【0063】即ち、ステップ402において、ECU5
0は空燃比がリーンである場合にはステップ421へ処
理を移行する。ステップ421においては、ECU50
は空燃比フラグYOXが「1」であるか否かを判断す
る。ECU50は空燃比フラグYOXが「1」の場合に
は、空燃比がリッチからリーンに切り替わったものとし
てステップ422へ処理を移行し、同ステップ422に
おいて、前述したステップ404における処理と同様に
空燃比フィードバック制御中の平均空燃比補正係数FA
FAVを算出する。
【0064】続いて、ステップ423において、ECU
50は空燃比補正係数FAFの値を旧空燃比補正係数F
AFOとして設定する。又、ステップ424において、
ECU50は空燃比補正係数FAFにスキップ量aを加
算した結果を新たな空燃比補正係数FAFとして設定す
る。
【0065】更に、ステップ425においては、ECU
50は学習タイミングフラグYKGを「1」に設定す
る。そして、ステップ426において、ECU50は空
燃比がリーンであるものとして空燃比フラグYOXを
「0」にリセットし、その後の処理を一旦終了する。
【0066】又、ステップ421において、ECU50
は空燃比フラグYOXが「0」の場合には、ステップ4
27〜429における処理を実行する。ここで、ステッ
プ421からステップ427へ処理を移行した場合に
は、空燃比がリーンの状態を維持していることを示して
いる。
【0067】ステップ427において、ECU50は前
述したタイマカウンタCNT1が定数cを上回るか否か
を判断する。ここで、タイマカウンタCNT1が定数c
を上回る場合には、ステップ428において、ECU5
0は空燃比補正係数FAFOに定数bを加算した結果を
新たな空燃比補正係数FAFとして設定する。
【0068】そして、ステップ429において、ECU
50はこのタイマカウンタCNT1を「0」にクリアし
た後、その処理を一旦終了する。又、ステップ427に
おいて、ECU50はタイマカウンタCNT1が定数c
以下の場合には、その後の処理を一旦終了する。つま
り、ステップ427〜429における処理は、前述した
ステップ409〜441と反対の処理であって、所定時
間毎に空燃比補正係数FAFの値を定数bだけ増加させ
る処理である。
【0069】尚、図7に示すように、ステップ401に
おいて、ECU50はフィードバック制御の条件が成立
していない場合には、ステップ430へ処理を移行す
る。そして、同ステップ430において、ECU50は
空燃比補正係数FAF及び旧空燃比補正係数FAFOの
値を各々「1」に設定し、その後の処理を一旦終了す
る。
【0070】次に、学習値KGを設定するための「学習
ルーチン」の処理について図9のフローチャートに従っ
て説明する。ステップ510において、ECU50は学
習タイミングフラグYKGが「1」であるか否かを判断
する。ここで、ECU50は学習タイミングフラグYK
Gが「1」でない場合には、そのままステップ520へ
処理を移行し、同ステップ520において、学習タイミ
ングフラグYKGを「0」に設定して、その後の処理を
一旦終了する。即ち、ECU50は学習タイミングフラ
グYKGが「1」の場合のみ、つまりは空燃比がリッチ
からリーンに、或いはリーンからリッチに切り替わった
時のみ、以下の処理を実行する。
【0071】そして、ステップ510において、学習タ
イミングフラグYKGが「1」の場合には、ステップ5
40において、ECU50は「FAF算出ルーチン」の
処理において求められた平均空燃比補正係数FAFVの
値の大きさを判断する。同ステップ540では、ECU
50は平均空燃比補正係数FAFVが「1」の場合に
は、実際の空燃比が理論空燃比になっているものとし
て、そのままステップ520において学習タイミングフ
ラグYKGを「0」にリセットし、その後の処理を一旦
終了する。
【0072】又、ステップ540において、ECU50
は平均空燃比補正係数FAFVが「1」よりも大きい場
合には、ステップ550において、その時の吸気圧力P
Mに対応する学習値KGの値を定数kだけ加算する。そ
して、ステップ520において、ECU50は学習タイ
ミングフラグYKGを「0」にリセットし、その後の処
理を一旦終了する。
【0073】更に、ステップ540において、ECU5
0は平均空燃比補正係数FAFVが「1」よりも小さい
場合には、ステップ550において、その時の吸気圧力
PMに対応する学習値KGの値を定数kだけ減算する。
そして、ステップ520において、ECU50は学習タ
イミングフラグYKGを「0」にリセットし、その後の
処理を一旦終了する。
【0074】このように、前述したステップ520〜5
60における一連の処理を、空燃比がリーン、リッチに
切り替わる度に実行することにより、学習値KGの値が
定数kだけ増減され、やがてその時の吸気圧力PMに最
適な値となる。
【0075】以上説明したように、上記の構成によれ
ば、ポンプ12が作動することにより、タンク11の中
の燃料はエンジン22へ供給される。ここでは、燃圧セ
ンサ46により検出される実際の燃料圧力PFが目標燃
料圧力TPFと一致するようにポンプ12が制御され
る。酸素センサ44は排気ガスの酸素濃度OXからエン
ジン22に供給される混合気の空燃比を検出し、ECU
50ではその検出結果に基づき該空燃比がリッチである
かリーンであるかを判断する。そして、ECU50では
この空燃比及びエンジン22の運転状態に応じて、最適
な空燃比が得られるように、空燃比補正係数FAFを求
め、且つその推移のずれを学習する。この学習値KG
は、時間的に変化するとともに、エンジン22の負荷に
応じて設定される。
【0076】ところが、燃圧センサ46が故障(フェイ
ル)した場合には、その検出値、即ち実際の燃料圧力を
参照することができないため、実際の燃料圧力PFを目
標燃料TPFに一致させることが困難となる。この結
果、エンジン22の空燃比が大幅に乱れることになる。
そして、このような場合には、上記学習される学習値K
Gの値は増大あるいは減少し過ぎる傾向となる。
【0077】例えば、燃圧センサ46が一定の信号を出
力した状態で故障した場合には、図6に示したように、
エンジン22の負荷が大きくなる程、学習値KGの値は
一次関数的に大きくなる傾向となる。学習値KGの差の
累積値DFSKGが基準値αよりも大きくなった時点
で、燃圧センサ46からの検出信号を参照することな
く、エンジン22の空燃比の推移に基づき学習した学習
値KGの値の大きさに応じて前記式(3)に基づく印加
電圧VFPの補正を行い、ポンプ12の吐出量、即ち燃
料圧力PFの補正制御を実行する。
【0078】詳しくは、学習値KGの差の累積値DFS
KGが基準値αよりも大きいと判断された時には、その
時のエンジン要求流量QFに対応する学習値KGの値の
大きさに応じてポンプ12の吐出量に係る補正量を算出
し、この補正量に基づきポンプ12の駆動力を補正制御
する。即ち、検出される空燃比がリーンである場合に
は、エンジン22に供給される燃料量が吸入される空気
量に対して不足していることから、ポンプ12の吐出量
が増量されることとなる。これに対して、検出される空
燃比がリッチである場合には、エンジン22に供給され
る燃料量が吸入される空気量に対して過剰であることか
ら、ポンプ12の吐出量が減量されることとなる。この
ように、エンジン22の空燃比が最適となるようにポン
プ12の吐出量が増減されることにより、エンジン22
に供給される燃料圧力PFが適正に調整される。
【0079】一方、燃圧センサ46が正常に作動し、エ
ンジン22の空燃比が理論空燃比で常に保たれるような
運転状態では、この学習値KGの値は学習補正量がゼロ
の状態が保たれる。このように、この実施形態では、燃
圧センサ46の故障時、実際の燃料圧力PFを参照する
ことなく、エンジン22の空燃比に応じてポンプ12の
吐出量を補正制御している。このため、燃圧センサ46
が故障した場合であっても、エンジン22に供給される
燃料圧力PFを目標値TPFとほぼ一致するように調整
することができる。これにより、適切な量の燃料がエン
ジン27に供給され、エミッションも改善される。
【0080】また、この実施形態では、上記のように空
燃比(正確にはそのずれの学習値)に基づいてポンプ1
2の吐出量を補正制御しているため、ポンプ12の性能
のばらつきを補うこともできる。従って、ポンプ12に
若干の個体差があっても、使用するポンプ12の特性を
予め調べその特性に応じた補正を行うためのマップ等を
用いることなく、所望の特性を得ることができる。更
に、燃料ライン17の圧損により生じる燃料圧力PFの
誤差も補うことができる。
【0081】また、この実施形態では、従来から用いら
れている学習値KGの値の大きさに基づき、ポンプ12
の補正制御を行うか否かが判断される。このため、補正
制御の実行を判断するために、別途のパラメータを設定
する必要もない。(第2の実施形態)次に、図10に基
づき本発明を具体化した第2の実施形態について説明す
る。この実施形態においては、前記第1の実施形態と特
に異なった点を中心に説明する。
【0082】第2の実施形態に係る燃料供給制御装置
は、図2に示す第1の実施形態から燃圧センサ46を省
略した構成を有する。また、「燃料噴射制御ルーチ
ン」、「FAF算出ルーチン」及び「学習ルーチン」は
第1の実施形態と同様の処理が行われる。
【0083】一方、図10に示すこの実施形態の「燃料
供給制御ルーチン」については、図4に示す第1の実施
形態と同様の処理を行うステップには同一の番号を付し
ている。この実施形態では、図5に示すステップ320
〜360の処理が省略されるとともに、図4に示すステ
ップ200の処理が変更され、ステップ272の処理が
追加されている。
【0084】即ち、ステップ200において、第1の実
施形態ではECU50は各パラメータKG,PM,N
E,PM,TA,QFKGMX,XFCの値を読み込ん
でいたが、この実施形態ではECU50は燃料圧力PF
以外の各パラメータKG,NE,PM,TA,QFKG
MX,XFCを読み込む。
【0085】また、ステップ270において、ECU5
0は学習値KGの差の累積値DFSKGが基準値α以下
である旨場合には、その処理をステップ272へ移行す
る。ステップ272において、ECU50はステップ2
50で算出された印加電圧VFPを補正印加電圧VFP
Cとし、その後の処理をステップ310へ移行する。
【0086】以上のように、「燃料供給制御ルーチン」
を変更することにより、実際の燃料圧力PFを全く参照
することなく、空燃比に基づく学習値KGの値に応じて
ポンプ12の印加電圧VFPを補正制御することができ
るようになる。そして、この印加電圧VFPの補正制御
により、ポンプ12の吐出量、即ち燃料圧力PFが目標
値TPFと一致するように調整されるようになる。
【0087】従って、この実施形態によれば、第1の実
施形態における燃圧センサ46を省略することができ、
燃料供給制御装置の構成を簡略化することができる。
尚、この発明は次のような更に別の実施形態に具体化す
ることもできる。以下の各実施形態でも、前記実施形態
と同等の作用及び効果を得ることができる。
【0088】(1)上記各実施形態では、ポンプ12に
供給される印加電圧VFPの大きさに基づきポンプ12
を制御し、その印加電圧VFPを学習値KGに応じて補
正制御するようにした。これに対して、電圧のデューテ
ィー比にて動作するポンプを用い、印加電圧VFPのデ
ューティー比(0〜100%)に基づきポンプ12を制
御し、そのデューティー比を学習値KGに応じて補正制
御してもよい。詳しくは、空燃比がリーンである場合に
は、学習値KGの値に応じてデューティー比を増大し、
空燃比がリッチである場合には、学習値KGの値に応じ
てデューティー比を減少するように補正制御する。
【0089】(2)上記第1の実施形態では、学習値K
Gの差の累積値DFSKGが基準値αよりも大きい場合
に、燃圧センサ46により検出される信号を参照するこ
となく、ポンプ12の吐出量を調整している。しかし、
学習値KGの値そのものが過大となるような状態でも、
燃圧センサ46が故障していることが考えられるため、
この学習値KGの値を利用して燃圧センサ46の異常を
検出してもよい。尚、これらの場合、燃圧センサ46の
異常を表示するための表示装置を車輌内に設け、燃圧セ
ンサ46の異常時に同表示装置を点灯させてその旨運転
者に知らせるような構成とすることもできる。
【0090】(3)また、上記第2の実施形態にあって
も、「燃料供給制御ルーチン」のステップ270での分
岐をこの学習値KGの値そのものに基づき行う制御構造
とすることができる。
【0091】上記(2),(3)いずれの場合であって
も、ポンプ12の補正制御を行うか否かを判断するに当
たり、学習値KGの値そのものに基づいても、学習値K
Gを処理した値に基づいてもよい。
【0092】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、実際の
燃料圧力を参照することなく、空燃比の学習値に応じて
ポンプの吐出量をフィードバック制御することができ
る。このため、燃料圧力を検出するためのセンサを別途
設ける必要がなくなり、より信頼性の高いポンプ制御が
実現されるとともに、装置構成も簡略化される。
【0093】請求項2に記載の発明によれば、学習値の
大きさに応じて燃圧センサ等の圧力検出手段が故障して
いるか否かが判断される。そして、圧力検出手段が故障
していることが判断される場合には、圧力検出手段の検
出値を参照することなく、学習値の大きさに応じて燃料
圧力が目標値とほぼ一致するようにポンプの駆動力が制
御されるため、この場合もより信頼性の高いポンプ制御
が実現されるようになる。このため、圧力検出手段が故
障する場合であっても、ポンプを補正制御して燃料圧力
を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を概念的に示す概念構成図。
【図2】燃料供給制御装置の構成を示す構成図。
【図3】「燃料噴射制御ルーチン」を示すフローチャー
ト。
【図4】「燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャー
ト。
【図5】「燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャー
ト。
【図6】エンジン要求流量、空燃比補正量等を示すグラ
フ。
【図7】「FAF算出ルーチン」を示すフローチャー
ト。
【図8】「FAF算出ルーチン」を示すフローチャー
ト。
【図9】「学習ルーチン」を示すフローチャート。
【図10】別の「燃料供給制御ルーチン」を示すフロー
チャート。
【図11】従来の燃料供給制御装置の一例を示す構成
図。
【符号の説明】
11…燃料タンク、12…燃料ポンプ、44…酸素セン
サ、45…スロットルセンサ、46…燃圧センサ、47
…回転速度センサ、48…水温センサ、49…吸気圧セ
ンサ、22…内燃機関としてのガソリンエンジン、50
…電子制御装置(ECU)。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 37/08 F02D 41/02 345 F02D 41/22 345

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンクの中の燃料を吸引及び吐出するポ
    ンプの駆動力を制御することにより内燃機関に供給され
    る燃料圧力を調整する内燃機関の燃料供給制御装置であ
    って、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、 前記内燃機関に供給される燃料圧力が同機関の運転状態
    に応じた目標燃料圧力となるように前記ポンプの駆動力
    を制御する制御手段と、 前記運転状態検出手段及び前記空燃比検出手段の検出信
    号に基づき、機関運転状態に応じた空燃比のずれを学習
    する学習手段と、 前記学習値が基準値よりも大きいか否かを判断する判断
    手段と、 前記判断手段により学習値が基準値よりも大きいと判断
    された時に、同学習値の大きさに応じて補正量を算出
    し、その補正量に基づき前記制御されるポンプの駆動力
    を補正する補正手段とを備えることを特徴する内燃機関
    の燃料供給制御装置。
  2. 【請求項2】 タンクの中の燃料を吸引及び吐出するポ
    ンプの駆動力を制御することにより内燃機関に供給され
    る燃料圧力を調整する内燃機関の燃料供給制御装置であ
    って、 前記燃料圧力を検出する圧力検出手段と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、 前記検出される燃料圧力が前記内燃機関の運転状態に応
    じた目標燃料圧力となるように前記ポンプの駆動力を制
    御する制御手段と、 前記運転状態検出手段及び前記空燃比検出手段の検出信
    号に基づき、機関運転状態に応じた空燃比のずれを学習
    する学習手段と、 前記学習値に基づき前記圧力検出手段が故障しているか
    否かを判断する判断手段と、 前記判断手段により圧力検出手段が故障していると判断
    された時に、前記学習値の大きさに応じて補正量を算出
    し、その補正量に基づき前記制御されるポンプの駆動力
    を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする内燃機
    関の燃料供給制御装置。
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