JP3136671B2 - 画像読取り装置 - Google Patents

画像読取り装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、解像度を上げて画質を
向上させることが可能な画像読取り装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ装置やスキャナ−等の画像
読取り装置においては、原稿を読み取る場合、品質のよ
い画像を読み取ることが必要である。画像の評価は客観
評価と主観評価とに分けられる。このうち、客観評価
は、画像について物理的な方法で評価する方法(物理評
価法)であり、送信原画にテストチャ−トを用いる方法
が行われている。また、ファクシミリの物理評価法とし
ては、線密度や最高画周波数等の基本定数が受信側で再
現されているか否かを調べる。これらは波形観測によっ
ても可能であるが、原画にテストチャ−トを用いて、受
信画上の細線の再現性から判断することも多く用いられ
ている。また、系の周波数特性を表わす方法として、M
TF(modulation transferfunction)が用いられる。
ファクシミリでは、テストチャ−トの5本組パタ−ン部
分の受信画をミクロフォトメ−タで測定し、その各空間
周波数における最大値E(u)maxと最小値E(u)min
を求め、これよりMTFR(u)を次式で求める。 R(u)=(E(u)max−E(u)min)/(E(u)max+E(u)min) このR(u)の値を縦軸に、空間周波数を横軸にプロット
すると、その系の解像度の性能、すなわちMTF特性が
示される。
【0003】図4は、チャ−トの各空間周波数とCCD
等の光電変換素子からの出力でのMTFとの関係グラフ
であり、図5は、チャ−ト読取り時の出力波形の図であ
る。この場合、読み取り密度は、8本/mm(41p/
mm)である。図5に示すように、チャ−トの白地部分
を100%、暗出力を0%としたときに、チャ−ト読取
り時の出力波形は、白パタ−ン出力VWと黒パタ−ン出
力VBで示すように、max値とmin値は数%ずつ少
ない値の波形で読み取り出力される。図4に示すよう
に、黒白パタ−ンを読み取ったときの白出力(VW)の
最大値は空間周波数が上がるに伴って下がる傾向にあ
り、また黒出力(VB)の最小値の相対出力は空間周波
数が上がるに伴って同じように上がる傾向にある。この
時、白出力(VW)と黒出力(VB)のセンタ−値(V
W+VB)/2)は、図4の点線で示すように、空間周
波数が上がるに伴って50%よりも下がる傾向にある。
すなわち、空間周波数が上がるに伴って、黒パタ−ンの
min値の上昇する比率よりも、白パタ−ンのmax値
が下がる比率の方が大きいということになる。通常、後
続の回路におけるスレッシュホ−ルド値は50%程度に
設定されているため、この場合には41p/mmの解像
度は悪くなり、黒くつぶれがちになることが想像でき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、ファクシミリ装
置においては、解像度が悪くなり、黒くつぶれるような
不具合を解消するために、MTF補正等の画像処理方法
によりMTFを向上させ解像度を上げているが、センタ
−値自体は変わらないので、光電変換素子からの出力
で、MTFが小さい場合には、この補正によっては解消
できなかった。本発明の目的は、このような従来の課題
を解消し、どの空間周波数においても解像度が劣化しな
いようにして、画質を向上できる画像読取り装置を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の画像読取り装置は、(イ)光電変換素の感
度のばらつきを補正するシェーディング補正回路(図2
の1)と、光電変換素子のアナログ出力信号をディジタ
ル信号に量子化するA/D変換回路(同1)と、A/D
変換回路(同1)の出力から注目画素を抽出するための
シフトレジスタ(同2)と、注目画素近辺の画情報より
空間周波数を検知し、判定する空間周波数判定回路(同
3)と、判定回路(同3)により判定された結果より注
目画素に対して適正な底上げデータを発生させる回路
(同6)と、注目画素に底上げデータを加算した値を、
予め定めたスレッシュ値(同7)により2値化するコン
パレータ(同5)とを具備することを特徴としている。
また、(ロ)シェーディング補正回路とA/D変換回路
(図3の1)の後段に、これらの回路の出力データに対
してMTF補正を行う回路(同8)を接続することも特
徴としている。
【0006】
【作用】本発明においては、画像読取り装置の読取り出
力に対して、どの空間周波数でも解像度が劣化しないよ
うにして、画質を向上させるものである。画像読取り装
置でチャ−トを読み取った場合、チャ−トの白地部分を
100%、暗出力を0%としたときには白黒パタ−ンを
読み取ったときの白出力の最大値は空間周波数が上がる
に伴って下がる傾向にあり、黒出力の最小値の相対出力
は空間周波数が上がるに伴って上がる傾向にある。この
時には、白出力と黒出力のセンタ−値((白出力+黒出
力)/2)は、空間周波数が上がるに伴って50%より
下がる傾向にあり、後続回路でスレッシュ値は50%程
度に設定されているため、解像度は悪くなり、黒くつぶ
れた画像となる。本発明では、シェ−ディング補正回路
で光電変換素子の感度のばらつきを補正した後、空間周
波数判定回路で空間周波数を判定し、この結果より注目
画素に適正なスレッシュ値を決定し、このスレッシュ値
と注目画素をコンパレ−タで2値化する。また、スレッ
シュ値を決定する代りに、注目画素に底上げデ−タを加
算した後、固定のスレッシュ値によりコンパレ−タで2
値化することも可能である。さらに、シェ−ディング補
正の後に、MTF補正を行う回路を付加してもよい。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面により詳細に
説明する。図1は、本発明の第1の実施例を示す画像読
取り装置の要部ブロック図であり、図6は、図7におけ
る各空間周波数に対するパタ−ン検知方法の説明図であ
り、図7は、図1における空間周波数判定回路のブロッ
ク図である。本実施例においては、図1に示すように、
スキャナ−部のCCD等の光電変換素子からの出力に、
シェ−ディング補正・A/D変換部1を接続し、変換部
1の出力にはシフトレジスタX2および空間周波数判定
回路3を並列に接続し、空間周波数判定回路3の出力に
は適正スレッシュ回路4を介して、シフトレジスタX2
の出力とともに、コンパレ−タ5に入力して2値化を行
い、2値デ−タを取り出す。スキャナ−部の光電変換素
子からのビデオ信号は、先ずシェ−ディング補正回路1
において、光電変換素子の感度のばらつきが補正され、
かつA/D変換部1でアナログ信号がディジタル信号に
変換され、量子化される。この後、画情報はシフトレジ
スタX2および空間周波数判定回路3に転送される。量
子化された画情報は、空間周波数判定回路3において、
図7に示すように、予め設定された各空間周波数のセン
タ−値9によりコンパレ−タ10で2値化され、それぞ
れシフトレジスタ(A,B,C)11に転送される。こ
れらのシフトレジスタ11からのデ−タをもとにして、
各空間周波数のパタ−ンを次段の1lp/mm,2lp
/mm,4lp/mmパタ−ン検知回路12により検知
する。
【0008】このパタ−ン検知回路12のパタ−ン検知
方法は、図6に示すように、シフトレジスタ(13ビッ
ト)の中央のビットを注目画素として、その左右のビッ
トパタ−ン検知する。図6(a)は1lp/mmパタ−
ン検知の時のシフトレジスタAの内容であり、図6
(b)は2lp/mmパタ−ン検知の時のシフトレジス
タBの内容であり、図6(c)は4lp/mmパタ−ン
検知の時のシフトレジスタCの内容である。ここで、0
の画素は、センタ−値に対して多値デ−タが低いときで
あり、1の画素は、センタ−値より多値デ−タが高いと
きである。例えば、シフトレジスタCの画情報の注目画
素近辺に、0,1,0,1,0,1と交互に0,1が発
生していると、41p/mmパタ−ンであると検知す
る。同じようにして、各空間周波数検知回路12におい
て、パタ−ンを検知していく。これらのデ−タをもと
に、空間周波数決定回路13により空間周波数を決定す
る。図1に戻って、空間周波数判定回路3において空間
周波数が決定されたならば、この結果に基づいき、適正
スレッシュ回路4において適正スレッシュ値THAを決
定する。この場合、空間周波数が検出されなかったとき
には、通常のスレッシュ値をコンパレ−タ5に転送す
る。また、同時に、シフトレジスタX2から注目画素E
Aもコンパレ−タ5に転送され、2値化を行う。
【0009】図2は、本発明の第2の実施例を示す画像
読取り装置の要部ブロック図である。本実施例では、図
1の構成とほぼ同じであるが、異なる点は適正スレッシ
ュ回路4の代りに底上げデ−タ回路6を設けている点
と、底上げデ−タ出力dAとシフトレジスタX2の注目
画素EAとを加算回路で加算してからコンパレ−タ5に
入力し、コンパレ−タ5の他入力端子には固定スレッシ
ュ回路7の出力を入力している点である。動作も、空間
周波数判定回路3までは図1の動作と同じである。空間
周波数判定回路3の判定結果に基づき、底上げデ−タd
Aを回路6で決定する。例えば、41p/mmが検出さ
れた場合、センタ−値をもとの特性の35%から50%
にしたいときには、注目画素に対して15%分の底上げ
デ−タを加算する。空間周波数が検出されなかったとき
には、何も加算されない。加算された注目画素デ−タ
は、コンパレ−タ5で所定の固定スレッシュ回路7の出
力により2値化される。固定スレッシュとしては、通常
のスレッシュ値でよく、この値をコンパレ−タ5に転送
する。
【0010】図3は、本発明の第3の実施例を示す画像
読取り装置の要部ブロック図である。本実施例では、図
1の構成とほぼ同じであるが、異なる点は、シェーディ
ング補正・A/D変換部1の次段にMTF補正回路8を
接続し、この補正回路8を介して空間周波数判定回路3
とシフトレジスタX2に接続している点である。これに
より、後段の空間周波数判定回路3において、より検出
率が高くなるようにしている。この場合、シフトレジス
タX2からコンパレータ5に入力される値は、注目画素
EAの代りに補正された注目画素MAである。また、空
間周波数判定回路3で判定された空間周波数の結果から
適正スレッシュ値が決定され、その値THAがコンパレ
ータ5に転送される点は、図1の実施例と同じである。
【0011】このように、本実施例においては、(イ)
シェ−ディング補正回路およびA/D変換部からの量子
化されたディジタル値より空間周波数のパタ−ンを検出
し、判定する回路を備えるとともに、さらにこのデ−タ
を基に注目画素に対する適正なスレッシュ値を発生させ
て2値化させているので、どの空間周波数においても解
像度が劣化しないようにでき、画質を向上させることが
できる(第1実施例)。また、(ロ)シェ−ディング補
正回路およびA/D変換部からの量子化されたディジタ
ル値より空間周波数のパタ−ンを検出し、判定する回路
を備えるとともに、さらにこのデ−タをもとに注目画素
に対して適正な底上げデ−タを発生させて加算し、固定
スレッシュ値で2値化させているので、どの空間周波数
においても解像度が劣化しないようにでき、画質を向上
させることができる(第2実施例)。さらに(ハ)、前
述の(イ)(ロ)のシェ−ディング補正回路およびA/
D変換部の出力デ−タに対して、MTF補正を行う回路
を付加しているので、後段の空間周波数判定回路でより
検出率が高くなり、さらに画質を向上させることができ
る。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画像読取り装置の白出力と黒出力のセンタ−値が空間周
波数の上昇に伴って下がることで、解像度が悪化して黒
くつぶれるということがなくなり、その結果、解像度の
劣化は防止されて、画質を向上させることができる。
【0013】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す画像読取り装置の
要部ブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す画像読取り装置の
要部ブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す画像読取り装置の
要部ブロック図である。
【図4】従来における各空間周波数とMTFとの関係を
示す図である。
【図5】従来における画像読取り装置のチャ−ト読取り
時の出力波形図である。
【図6】本発明における空間周波数判定のための各空間
周波数に対するパタ−ン検知方法を示す図である。
【図7】本発明における空間周波数判定回路の詳細ブロ
ック図である。
【符号の説明】 1 シェ−ディング補正・A/D変換部 2 シフトレジスタX 3 空間周波数判定回路 4 適正スレッシュ回路 5 コンパレ−タ 6 底上げデ−タ回路 7 固定スレッシュ回路 8 MTF補正回路 9 センタ−値抽出回路 10 コンパレ−タ 11 シフトレジスタA,B,C 12 1,2,4lp/mmのパタ−ン検知回路 13 空間周波数決定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/403 G06T 1/00 460 H04N 1/409

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像読取り装置において、光電変換素子
    の感度のばらつきを補正するシェーディング補正回路
    と、該光電変換素子のアナログ出力信号をディジタル信
    号に量子化するA/D変換回路と、該A/D変換回路の
    出力から注目画素を抽出するためのシフトレジスタと、
    該注目画素近辺の画情報より空間周波数を検知し、判定
    する空間周波数判定回路と、該判定回路により判定され
    た結果より注目画素に対して適正な底上げデータを発生
    させる回路と、該注目画素に該底上げデータを加算した
    値を、予め定めたスレッシュ値により2値化するコンパ
    レータとを具備することを特徴とする画像読取り装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像読取り装置におい
    て、 上記シェーディング補正回路とA/D変換回路の後段
    に、該回路の出力データに対してMTF補正を行う回路
    を接続すること を特徴とする画像読取り装置。
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