JP3136499U - 頁捲り機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム片による紙葉捲り具を対象紙葉に当接して捲り先へ横送り駆動し、紙葉を彎曲しつつ行う紙葉捲り動作の過程に連係して、適時に、頁抑え具による紙葉の押止・開放操作を行い、紙葉捲り動作を補完可能とする頁捲り機を提供する。
【解決手段】見開き状図書を載置した書見台の天側に、見開き幅より広幅のビ−ムの中央部を支承して傾斜状に保持可能とし、ビ−ムの両端間に軸架した送りネジに、モーターの出力側を連結すると共にネジブロックを螺合して横送り駆動可能とし、ネジブロック上に振動体を載設し、振動体に紙葉捲り具としてのゴム片を持設した支持腕の基部を立設し、ゴム片を捲り対象紙葉へ当接し、ネジブロックにより駆動して行う紙葉捲り行程との連係手段として、書見台両側に一対の頁抑え具を配設し、同捲り動作の過程に連係して、適時に紙葉の押止・開放の操作を制御可能とし、紙葉捲り動作を補完可能としている。
【選択図】図1
【解決手段】見開き状図書を載置した書見台の天側に、見開き幅より広幅のビ−ムの中央部を支承して傾斜状に保持可能とし、ビ−ムの両端間に軸架した送りネジに、モーターの出力側を連結すると共にネジブロックを螺合して横送り駆動可能とし、ネジブロック上に振動体を載設し、振動体に紙葉捲り具としてのゴム片を持設した支持腕の基部を立設し、ゴム片を捲り対象紙葉へ当接し、ネジブロックにより駆動して行う紙葉捲り行程との連係手段として、書見台両側に一対の頁抑え具を配設し、同捲り動作の過程に連係して、適時に紙葉の押止・開放の操作を制御可能とし、紙葉捲り動作を補完可能としている。
【選択図】図1
Description
本考案は、図書の頁捲りを自動的に行う頁捲り機に関する。
従来提示されている図書の頁捲り手段として、書見台上の、図書の見開き面天余白より地余白に亘る小径のゴムロ−ラーを駆動しつつ捲り先へ横送りし、捲り対象の紙葉とロ−ラーとの摩擦による紙葉繰出方向と、ロ−ラーの横送り方向とを、同一方向として、ロ−ラーにより、対象紙葉の小口余白部より捲り先頁の小口側へ紙葉を隆起状に彎曲しつつ紙葉端まで捌き送り、捲り先頁の中途において、紙葉の彎曲応力による復元力により、紙片めくり、即ち、紙葉捲りを行うこととしている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
また、スライドアーム先端部のラバーの摩擦力により紙葉を分離する機構と、捲り対象の紙葉を反転して移動する移動用ロッドとを補完的に併用する自動形の捲り機もある(特許文献3参照。)。その他、吸盤や静電気により紙葉を吸着する頁捲り手段が提示されている。
また、スライドアーム先端部のラバーの摩擦力により紙葉を分離する機構と、捲り対象の紙葉を反転して移動する移動用ロッドとを補完的に併用する自動形の捲り機もある(特許文献3参照。)。その他、吸盤や静電気により紙葉を吸着する頁捲り手段が提示されている。
特許文献1の頁捲り手段は、書見台上の、図書の見開き面中央の綴目に沿って天余白より地余白に亘り小径のゴムロ−ラーを駆動機構に片持ち横架状に軸支し、ゴムロ−ラーをローラー駆動モーターに直結して駆動しつつ横送り可能となし、ロ−ラーの横送り方向と、見開き面の紙葉に接触して回転するロ−ラーの摩擦による紙葉繰出し方向とを、同一方向として、ロ−ラーにより、捲り対象紙葉の一方の小口余白部より捲り先の小口側へ紙葉の彎屈を拡大しつつ扱き送り、紙葉の彎曲による復元応力により、紙葉自体の反転動作を行うこととしており、見開き特性の良好な図書に対して適用できるが、捲り動作におけるロ−ラーの横送り起点及び終点を何れも見開き中央の綴目位としており、捲り動作が複雑になり、また、見開き特性の劣る図書に対しては、見開き面を抑えて保持する頁抑え手段を併用する必要がある。
特許文献2の頁捲り手段は、捲りロ−ラーにより、対象紙葉を彎屈しつつ扱き送り、綴じ目上位の空中で反転して捲り先の抑えロールにより捲り動作を補完しており、動作相応の複雑な機成としている。
特許文献3の頁捲り手段は、スライドアーム先端部のラバーの摩擦力により紙葉を分離する機構と、捲り対象の紙葉を反転して移動する移動用ロッドとを補完的に併用する自動形の捲り器であるが、頁捲り操作には、対象紙葉を分離する機構、反転して移動する移動用ロッド機構及び見開き紙葉面両側に紙葉を抑える押圧機構類を配設しており、頁捲り動作において、各機構を連係しつつ自動的に運転を行うためには、各機構それぞれの調節・制御並びに各機構の連係制御が必要である。
本考案は、従来の頁捲り手段における、複雑な紙葉捲り機構と、見開き頁の保持手段との連係作用に関する上記の諸問題を解決するため、紙片めくり、即ち、紙葉捲り(以下、紙片めくりの代わりに紙葉捲りと呼称する)の用具としてのゴム片を対象紙葉に当接して捲り先へ摺動状に横送り駆動し、紙葉を彎曲しつつ行う紙葉捲り行程に連係して、適時に、頁抑え具による紙葉の押止・開放操作を行い、紙葉捲り動作を補完可能とする頁捲り機を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本考案における頁捲り機は、見開き状図書を載置した書見台の天側に、見開き幅より広幅のビ−ムの中央部を支承して傾斜状に保持可能とし、該ビ−ムの両端間に軸架した送りネジに、モーターの出力側を連結すると共にネジブロックを螺合して横送り駆動可能とし、ネジブロック上に振動体を載設し、該振動体に紙葉捲り具としてのゴム片を持設した支持腕の基部を立設し、ゴム片を捲り対象紙葉へ当接し、ネジブロックにより駆動して行う紙葉捲り行程との連係手段として、書見台両側に一対の頁抑え具を配設し、同捲り行程に連係して、適時に紙葉の押止・開放の操作を制御可能とし、同紙葉捲り動作を補完可能としている。
上記構成のものにおいて、ゴム片は、両側の先端部を山型の叉状に分岐する小片であって、中央の凸状部を支持腕の先端部に持着してもよい。。
上記手段による作用は次の通りである。 ネジブロック及びゴム片の横送り駆動起点及び終点として、捲り対象頁の天側の小口余白付近に、右頁起点、左頁起点、右頁終点及び左頁終点を設定し、右頁起点より左頁終点への右頁捲り行程又は左頁起点より右頁終点への左頁捲り行程において、前記のビームの起点側をを、見開き面に対して低位に、終点側を高位へ傾斜するよう傾動すると、ゴム片は起点において、捲り対象紙葉へ当接し、次いでモーターにより送りネジを駆動し、ゴム片をネジブロックと共に、捲り先頁の終点側へ横送り駆動すると同時に、振動体を駆動して振動をゴム片と紙葉とへ伝搬し、振動状態におけるゴム片と対象紙葉との当接摩擦力と、対象紙葉の裏面と下層の紙葉面との摩擦力との差を平準化し、ゴム片の横送りと共に、対象紙葉を、下位の紙葉面より摺動状にに分離して隆起状に彎曲しつつ、同彎曲部の応力の分布を平準化して紙葉の局部的座屈即ち折れ曲がりを避け、ゴム片が紙葉の彎曲部位と共に綴じ目を越えて捲り先頁の終点側の傾斜高位に接近すると共に、変形する紙葉の彎曲状態を阻害しないよう、予め、連係手段の捲り先頁側頁抑え具の抑え腕を電磁的に開放位へ操作しておき、ゴム片は、さらに傾斜高位の終点へ接近して紙葉との当接力を逓減し、紙葉は、彎曲応力を逓減して弾性限界内において復元力を維持し、該復元力により、紙葉の彎曲端縁部をゴム片との接触より反撥状に開放して反転状態へ進行するとき、適時に、再び抑え腕を押止位へ復帰操作し、反転状態の紙葉を押止して反転動作、即ち、紙葉捲り動作を補完し、捲り先頁の終点においてモーターを逆転駆動に切り替え、ゴム片を初期の起点位へ復帰して確実に頁捲り行程を遂行し、新たな見開き頁を繙読に供すると共に、次の頁捲り行程に備えることとしている。
また、ゴム片は振動体より振動を受けて表面に付着する塵埃を払い落とし、常に、清浄な表面を維持して対象紙葉へ当接し、確実に紙葉捲り動作を行い、頁捲り動作の信頼度向上に寄与している。
なお、ゴム片が、両側の先端部を山型の叉状に分岐する小片であって、中央の凸部を支持腕の先端部に持着するものにおいては、ゴム片を捲り対象紙葉に当接して摺動状に横送りを行うとき、先行側のゴム片と紙葉との当接摩擦力の支持腕に関する曲げモーメントにより、紙葉押圧側への分力を生じて同当接摩擦力を増幅し、対象紙葉と下層の紙葉とを確実に分離して円滑に横送り動作を行い、ゴム片が捲り先頁の小口側に接近して反転状態に移行するとき、先行側のゴム片に接触する湾曲状の紙葉端部を、山型の凹部へ反撥状に開放して後行側のゴム片へ引き継ぎ、反転動作、即ち、紙片捲り動作を促すこととしている。
横送り装置により紙葉捲り具としてのゴム片を横送り駆動して行う頁捲り行程において、捲り元の起点側を低位に、送り先の終点側を高位に傾斜して設定しており、ゴム片を、捲り対象紙葉に当接して摺動状に横送りするとき、振動体の振動をゴム片より紙葉へ伝搬し、ゴム片と対象紙葉との当接摩擦力と、対象紙葉と下層紙葉との摩擦力との差を、それぞれ、振動状態において平凖化し、ゴム片は対象紙葉を下層紙葉より確実に分離して円滑に摺動して捌き、捲り先頁側へ振動状態の紙葉を隆起状に彎曲し、彎曲応力分布を平準化して紙葉の局部的座屈、即ち、折れ曲がりを防ぎ、弾性限限界内において復元力を保持し、ゴム片が終点側傾斜の高位へ移行し、ゴム片の紙葉当接力と共に彎曲応力を逓減して弾性限限界内において復元力を維持し、さらに、ゴム片が終点側高位へ移行し紙葉当接力を逓減し、紙葉が復元力により、彎曲状端縁部をゴム片下位より反撥状に復元して反転状態へ移行するとき、予め、連係手段の頁抑え具の抑え腕を、電磁力により開放して反転動作への阻害を避け、次いで反転動作終了直前に、適時、抑え腕を押止位へ操作して反転状態の紙葉を押止し、反転動作、即ち、紙葉捲り動作を補完することができる。
また、ゴム片は振動体より振動を受けて表面に付着する塵埃を払い落とし、常に、清浄な表面を維持して対象紙葉へ当接し、確実に紙葉捲り動作を行い、頁捲り行程遂行の信頼度を向上することができる。
紙葉捲り動作を完了して、横送り装置及びゴム片を初期位置の起点へ復帰し、新たな見開きを頁抑え具の抑え腕により押止して保持して頁捲り行程を終了し、書見可能な状態において、次の頁捲り行程に備えることができる。
なお、ゴム片が、両側の先端部を山型の叉状に分岐する小片であって、中央の凸部を支持腕の先端部に持着するものにおいては、ゴム片を捲り対象紙葉に当接して横送りを行うとき、先行側のゴム片と紙葉との当接摩擦力の、支持腕に関する曲げモーメントにより、紙葉押圧側への分力を生じて当接摩擦力を増幅し、対象紙葉と下層の紙葉とを確実に分離して円滑に横送り摺動を行い、ゴム片が捲り先頁の終点側へ接近して反転状態に移行すると、先行側のゴム片に接触する湾曲状の紙葉端部を、山型の凹部へ反撥状に開放して後行側のゴム片へ引き継ぎ、反転動作、即ち、紙葉捲り動作を促すことができる。
ゴム片による紙葉捲り動作ないし頁捲り行程において、ゴム片の起点及び終点位の検知、ビームの傾斜位の設定、作動位置の検知による頁捲り方向の切り替え操作ならびに、連係手段としての頁抑え具の操作設定時点おける押止位・開放位の電磁操作など一連の過程を逐次遂行するための操作手段及び制御手段には、半自動の簡単なシーケンス制御を適用することができる。
また、上記の操作及び制御を全自動化して遠方操作手段のリモート・コントロールとを併用するとき、通常の読書のほか、参考文献の検索、講義、学習用及び介護用書見台並びに譜面台などに広く適用することができる。
以下、本考案を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図6及び図8において、書見台(1)の天板(1a)に見開き状図書(2)を載置し、該書見台の天側の底板(1b)に立設した支持板(3c)に、見開き幅より広幅のビ−ム(3a)の中央部を支軸(3b)により支承して傾動可能とし、同ビ−ムの中央側部と支軸(3b)下位の支持板(3c)との間に張架した傾斜切替えバネ(4)により、ビ−ムの傾斜を、左傾位(θL)又は右傾位(θR)に択一的に設定して保持可能とし、該ビ−ムの両側の端板(3d,3d)間に軸架した送りネジ(3e)の一端に、モーター(5)の出力側を連結すると共に、送りネジにネジブロック(3f)を螺合して横送り駆動可能としてなる横送り装置(3)の、同ネジブロック上に、比較的高い周波数の振動体(6b)を載設して支持腕(6a)の基部を立設し、同腕の先端部に紙葉捲り具としてのゴム片(6)を着設して見開き頁上へ垂下状に当接可能とし、振動体の振動をゴム片及び見開きの紙葉へ伝搬可能とすると共に、横送り装置(3)ないしゴム片(6)による横送り駆動の行程との連係手段として、書見台(1)両側に配設した一対の頁抑え具(7)の電磁力出力側に、見開き頁を押止・開放可能とする抑え腕(6a)を具有してなり、稼働に際し、振動体によりゴム片及び紙葉へ振動を伝搬しつつ、傾斜状に保持したビ−ムに沿い、ゴム片を捲り対象頁へ当接して摺動状に横送り駆動し、紙葉を捌きつつ隆起状に彎曲して反転する紙葉捲り動作に連係して、適時に、頁抑え具の抑え腕による紙葉の押止・開放操作を制御して紙葉捲り動作を補完することにより、頁捲りを遂行することとしている。
頁抑え具(7)の抑え腕(7a)は、図8に示すように先端部に転子を付設し、押止位において押止状態において紙葉押止状態においても、紙葉の横送りを可能としているが、転子を省き、箆状の抑え腕としても、同様の作用が可能である。
図中、横送り装置(3)の重錘(3g)は、ビ−ム(3a)のモーター(5)の対向側の端板(3d)に付設しており、ビ−ム(3a)の傾角を傾斜切替えバネ(4)により保持可能とするため、モーター重量と、ほぼ平衡を保つものである。
なお、横送り装置(3)は、送りネジ(3e)とネジブロック(3f)による横送り機構を適用しているが、ピニオン・ラック機構、コンベヤ機構やリンクによる直線運動機構などによる横送り駆動手段を適用してもよい。
そして、図中のゴム片(6)は、両側の先端部を山型の叉状に分岐する小片であって、中央の凸状部を支持腕(6a)の先端部に持着してもよい。
つぎに、上述の形態における作用を説明する。横送り装置(3)のビーム(3a)、送りネジ(3e)、ネジブロック(4c)ないしゴム片(6)の駆動起点として、見開き頁の両側小口余白付近に、右頁起点(sR)及び左頁起点(sL)を設定し、また、駆動終点として、両側頁の小口外側に右頁終点(fR)及び左頁終点(fL)を設定し、右頁起点(sR)より左頁終点(fL)への右頁捲り行程(tR)又は左頁起点(sL)より右頁終点(fR)への左頁捲り行程(tL)において、ビーム(3a)の起点(sR又はsL)側を見開き面に対して低位へ、送り先頁の終点(fR又はfL)側を見開き面に対して高位へ傾斜するよう操作するとき、ビ−ム(3a)と支軸(3b)下位の支持板(3c)との間に張架した傾斜切替バネ(4)の張架位が支軸芯位より偏倚するとき、同バネは、所謂、クリック動作により、同偏倚を拡大する側へ傾動し、横送り装置のビームは傾斜を増幅し、天板(1a)に図書を載置しないときは、図3及び図4に示すように、ビーム(3a)が、底板(1b)上位両側のストッパー(3h)に当接して、択一的に、右傾角(θR)又は左傾角(θL)の傾斜位に支持されるが、見開き状図書(2)を天板(1a)載置するときは、図2に示すように、ゴム片が起点の捲り対象紙葉上へ傾斜して当接し、次いで、モーター(5)により送りネジ(3e)を駆動してネジブロック(3f)及びゴム片(6)を捲り先頁側への横送り駆動を開始し、同時に、振動体(6b)により比較的高い周波数の振動を発振してゴム片(6)及び対象紙葉へ伝搬し、ゴム片と対象紙葉との当接摩擦力と、対象紙葉の下層の紙葉との摩擦力との差を、振動状態において平準化し、対象紙葉を下層の紙葉面より確実に分離し、振動状態の対象紙葉は、円滑な摺動状の横送り駆動により隆起状彎曲を伴い、彎曲応力の分布を平準化して紙葉の局部的座屈、即ち、折れ曲がりを回避し、ビーム(3a)は上記傾角(θR,θL)への傾斜傾向を維持しており、ゴム片が捲り先終点側の傾斜高位に接近すると、ゴム片と紙葉との当接力と共に紙葉の彎曲応力を逓減し、紙葉は弾性限界内において復元力を維持し、ゴム片が捲り先の終点付近に接近して紙葉の彎曲状端縁部が、復元力により、ゴム片(6)との接触より反撥状に開放されて反転状態へ移行するとき、予め、連係手段の捲り先頁側頁抑え具(7)の抑え腕(7a)を、電磁的に開放位へ操作しておき、紙葉の反転動作への阻害を避け、次いで、紙葉の反転動作を進行するとき、適時に、再び抑え腕を押止位へ復帰操作し、紙葉を押止して反転動作、即ち、紙葉捲り動作を補完し、頁捲り行程の終点においてモーター(5)を逆転駆動に切り替え、ゴム片(6)を初期の起点位へ復帰して頁捲り行程を終了し、新たな見開き頁の繙読に供して、次の頁捲り行程に備えることとしている。
上記、振動体(6b)の一実施例としては、発振周波数は150〜300Hz級の音波域の振動と、160万Hz級の超音波域の振動とを併用するものが推奨されるが、音波又は超音波域の振動体の何れかを単独に適用してもよい。
そして、振動体(6b)は、ゴム片(6)による頁捲り行程においてのみ振動を伝搬可能とし、その他の復帰行程及び見開きを維持して繙読に供するときは、伝搬を停止することが望ましい。 なお、ゴム片は振動を受けて、表面に付着する塵埃を払い落とし、常に、清浄な表面を維持して対象紙葉へ当接し、ゴム片による紙葉上の横送り及び紙片捲り動作を円滑に行い、頁捲り行程の信頼性向上に寄与している。
また、上記、ゴム片(6)は、図6及び図7に示すように、山型ないしA字型の叉状に先端部を分岐する小片であって、中央の凸部を支持腕(6a)の先端部に持着しており、分岐状の両端部は、起点位(sR又はsL)の捲り対象紙葉の天側余白部に当接し、横送り装置(3)によりゴム片(6)を終点(fR又はfL)側へ摺動状に横送り駆動するとき、ゴム片の先行側の先端部と紙葉との当接による摩擦力の、支持腕に関する曲げモーメントにより、紙葉面への当接分力を生じて紙葉との摩擦力を増幅し、下層の紙葉との分離作用を確実にして横送り動作を促し、図7に示すように、ゴム片(6)は捲り先頁の中間位(mL又はmR)より終点(fL又はfR)側へ移行し、捲り先頁の小口(2c)へ接近し、紙葉を反転状態に達するまで彎曲し、紙葉の湾曲応力により、ゴム片先行側に接触する紙葉の湾曲状端部を、紙葉に生じる復元応力により、山型ないしA字型の凹部へ反撥状に開放して後行側のゴム片へ引き継ぎ当接し、反転動作を促すこととしている。
図9及び図10は、上述の頁捲り行程の流れを示す模式図であって、図9の▲1▼〜▲5▼は見開きの右頁より左頁への右頁捲り行程(tR)における処理事項(process)を示し、過程▲1▼において、左右の頁抑え具(PL,PR)により、見開き状図書の小口余白部を押止して保持し、捲り対象紙葉上の右頁起点(sR)へゴム片(6)を当接しており、書見可能な状態を維持し、▲2▼において右頁捲り行程(tR)の横送り駆動を開始し、ゴム片(6)は対象紙葉に当接し、右頁中間位(mR)を経て紙葉を隆起状に彎曲しつつ、綴目(2d)を越えて行程(tR)を続け、▲3▼において、右頁抑え具(PR)により右頁を押止し、ゴム片(6)が、捲り先の左頁中間位(mL)を経て左頁終点(fL)直前に達するとき、予め、紙葉の反転動作を妨げないように左頁抑え具(PL)を開放しており、ゴム片下位の紙葉の彎曲状端縁部は横移動を終了し、紙葉に保持する復元応力により、ゴム片下位より反撥状に開放されて反転状態を進行し、▲4▼において、適時に、反転動作進行状態の紙葉を左頁抑え具(PL)により押止して反転動作、即ち、紙葉捲り動作を補完し、ゴム片が左頁終点(fL)へ達すると、ゴム片の横送り駆動を停止してモーター(5)を逆向き駆動に切り替え、▲5▼において、ゴム片を右頁起点(sR)へ復帰して停止し、頁捲り行程を完了して過程1の状態へ復帰し、再び書見可能な状態において、次の行程に備えることとしている。 このように▲1▼〜▲5▼の頁捲り行程において、ゴム片(6)による紙葉捲りの行程を遂行するとき、連係手段としての頁抑え具(PR,PL)による紙葉押止・開放操作により同紙葉捲りの行程を補完して確実に頁捲り行程を遂行している。
図10の▲11▼〜▲15▼は見開きの左頁より右頁への左頁捲り行程(tL)の処理過程であって、それぞれの処理事項は、上記の過程▲1▼〜▲5▼の処理事項において、左・右を入れ替えた、所謂、左右逆勝手の作用となるため説明を省略する。
図11は、図9及び図10における頁捲り行程▲1▼〜▲5▼及び▲11▼〜▲15▼それぞれの処理事項のフローチャートであって、▲1▼の処理事項として、横送り装置を右傾角(θR)に設定し、ゴム片は右頁起点(sR)上に在り、右・左頁抑え具(PR,PL)を押圧位へ電磁操作し、右頁・左頁捲り行程(tR,tL)共に停止し、書見可能な状態において待機しており、▲2▼の処理事項としては、右傾角(θR)を保持し、右頁抑え具(PR)を開放位へ操作し、右頁捲り行程(tR)を開始してゴム片は紙葉を彎曲しつつ右頁中間(mR)側へ横送り駆動を続け、▲3▼の処理事項としては、右傾角(θR)を保持したまま、右頁抑え具(PR)を押止位へ、また、紙葉反転動作を阻害しないように、左頁抑え具(PL)を開放位へ操作して右頁捲り行程(tR)を続行し、左頁中間位(mL)付近より紙葉の反転状態を開始し、▲4▼の処理事項は、右傾角(θR)を維持し、さらに、反転状態を進行するとき、適時に、連係手段の頁抑え具(PR,PL)を押止位へ操作して、反転動作、即ち、紙葉捲りを補完し、ゴム片が左頁終点(fL)に達して、右頁捲り行程(tR)を停止し、左頁捲り行程(tL)へ切り替え、▲5▼の処理事項としては、右傾角(θR)を維持し、右・左頁抑え具(PR,PL)を押止位に保持し見開き頁を保持し、ゴム片を右頁起点(sR)へ復帰し、右・左頁捲り行程(tR,tL)を停止して頁捲り行程を完了し、新たな見開き頁の繙読に供し、次ぎに、頁捲り行程継続又は終了の判断を行い、継続の場合は、継続行程の方向判断を経て初期の処理過程▲1▼へ移行して待機し、次行程へ備えることとしている。 また、▲11▼〜▲15▼は見開きの左頁より右頁への頁捲り過程を示し、上記過程▲1▼〜▲5▼の処理事項及び機能部分の左・右を入れ替えた左右逆勝手の過程であるため説明を省略する。
1 書見台
1a 天板
1b 底板
2 図書(見開き状)
2a 天余白
2b 地余白
2c 小口
2d 綴目
3 横送り装置
3a ビ−ム
3b 支軸
3c 支持板
3d 端板
3e 送りネジ
3f ネジブロック
3g 重錘
4 傾斜切替バネ
5 モーター
6 ゴム片
6a 支持腕
6b 振動子
7 頁抑え具
PR 右頁抑え具
PL 左頁抑え具
7a 抑腕
θR 右傾角(ビ−ムの)
θL 左傾角(ビ−ムの)
sR 右頁起点
sL 左頁起点
mR 右頁中間位
mL 左頁中間位
fR 右頁終点
fL 左頁終点
tR 右頁捲り行程(右頁より左頁へ捲る行程)
tL 左頁捲り行程(左頁より右頁へ捲る行程)
▲1▼〜▲5▼ 右頁捲り行程の処理過程
▲11▼〜▲15▼ 左頁捲り行程の処理過程
1a 天板
1b 底板
2 図書(見開き状)
2a 天余白
2b 地余白
2c 小口
2d 綴目
3 横送り装置
3a ビ−ム
3b 支軸
3c 支持板
3d 端板
3e 送りネジ
3f ネジブロック
3g 重錘
4 傾斜切替バネ
5 モーター
6 ゴム片
6a 支持腕
6b 振動子
7 頁抑え具
PR 右頁抑え具
PL 左頁抑え具
7a 抑腕
θR 右傾角(ビ−ムの)
θL 左傾角(ビ−ムの)
sR 右頁起点
sL 左頁起点
mR 右頁中間位
mL 左頁中間位
fR 右頁終点
fL 左頁終点
tR 右頁捲り行程(右頁より左頁へ捲る行程)
tL 左頁捲り行程(左頁より右頁へ捲る行程)
▲1▼〜▲5▼ 右頁捲り行程の処理過程
▲11▼〜▲15▼ 左頁捲り行程の処理過程
Claims (2)
- 見開き状図書を載置した書見台の天側に、見開き幅より広幅のビ−ムの中央部を支承して傾斜状に保持可能とし、該ビ−ムの両端間に軸架した送りネジに、モーターの出力側を連結すると共にネジブロックを螺合して横送り駆動可能とし、ネジブロック上に振動体を載設し、該振動体に紙葉捲り具としてのゴム片を持設した支持腕の基部を立設し、ゴム片を捲り対象紙葉へ当接し、ネジブロックにより駆動して行う紙葉捲り行程との連係手段として、書見台両側に一対の頁抑え具を配設し、同捲り動作の過程に連係して、適時に紙葉の押止・開放の操作を制御可能とし、同紙葉捲り動作を補完可能としてなる頁捲り機。
- ゴム片が、両側の先端部を山型の叉状に分岐する小片であって、中央の凸状部を支持腕の先端部に持着してなる請求項1記載の頁捲り機。
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JP2007005894U JP3136499U (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | 頁捲り機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110486438A (zh) * | 2018-11-15 | 2019-11-22 | 段沧桑 | 一类实现压页和无障碍翻页的设备 |
CN115228747A (zh) * | 2022-07-22 | 2022-10-25 | 上海环境工程设计研究院有限公司 | 一种用于蔬菜垃圾处置的简易除杂装置 |
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2007
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