JP3135761B2 - 自動車シートの隙間隠し構造 - Google Patents

自動車シートの隙間隠し構造

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JP3135761B2 JP05267467A JP26746793A JP3135761B2 JP 3135761 B2 JP3135761 B2 JP 3135761B2 JP 05267467 A JP05267467 A JP 05267467A JP 26746793 A JP26746793 A JP 26746793A JP 3135761 B2 JP3135761 B2 JP 3135761B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乗用車等の車両用シー
ト、特にリヤバーチカル機構を備えた自動車シートに好
適な隙間隠し構造に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用車等の車両用シートにおいて、所
謂、リヤバーチカル機構を備えたフロントシートでは、
そのシートクッションの後部が一定ストロークだけ上下
動し得るように構成されている。例えば、図5及び図6
に示されるように、シートクッション1の後部1aは、
図示しないリンク機構を介して上昇し又は下降し、それ
ぞれの位置(アッパモースト及びロアモースト並びにそ
の中間の任意の高さ)に保持されるようになっている。
【0003】シートクッション1のアッパモースト時に
は、該シートクッション1は、図5に示されるようにシ
ートバック2の下端部2aと密着し、またロアモースト
時には、図6に示されるように後部1aが下降するた
め、それらの間に隙間Sが形成される。この隙間Sは、
ほぼ30mm程度である。
【0004】従来のリヤバーチカル機構を備えた自動車
シートでは、ロアモースト時に形成される隙間Sを隠し
て見栄えの向上を図り、またその隙間Sから小物等が落
下するのを防止するために、隙間Sの対応部分に隙間隠
しカバーを設ける等の対策が講じられていた。例えば、
シートバック2の下端部2aから所定のカバーを垂架
し、或いはシートクッション1の後部1aからカバーを
立ち上げる等の方法がとられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自動車シートにおいて、上述のようにシートバック2の
下端部2aから垂架されたカバーでは、小物等の落下を
完全には防ぎ切れず、またシートクッション1の後部1
aから立ち上げられたカバーの場合は、特にシートクッ
ション1のアッパモースト時にそのカバーに弛みが生じ
得る。
【0006】更に、従来のリヤバーチカル機構を備えた
自動車シートにおいて、例えば図7に示したように、シ
ートバック2の下端部2aからシートクッション1の底
部にかけて表皮材3を張架すると共に、その表皮材3に
ゴム等の弾性部材4を縫い付け、表皮材3を引っ張って
おくようにしたものが知られている。ところが、この場
合においても、シートクッション1のアッパモースト時
に表皮材3が弛み易くなることもあった。
【0007】本発明は上記の点に鑑み、特にリヤバーチ
カル機構を備えた自動車シートにおいて、比較的簡単な
構成により、常に的確に隙間を隠し得る自動車シートの
隙間隠し構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による自動車シー
トの隙間隠し構造は、シートクッションとこのシートク
ッションにリクライニング式に取り付けられたシートバ
ックとを備え、上記シートクッションの後部がリンク機
構を介して上下動し得るようになっているが、特に上記
シートバックの下端部より上記シートクッションの底部
にかけて回り込むように、隙間隠し用表皮材を設け、こ
の隙間隠し用表皮材を、リクライニングアジャスタのコ
ネクティングロッドにて張架すると共に、該隙間隠し用
表皮材の上記シートクッション側の端部を、上記コネク
ティングロッドからの距離が一定となるように、上記シ
ートクッションの適所に係着したものである。ここで、
シートクッションは、その後部の上下動を通じて上記コ
ネクティングロッドと上記隙間隠し用表皮材の上記シー
トクッション側の端部との距離が一定になるように、リ
ンク機構を介して上記リクライニングアジャスタに結合
・支持されている。
【0009】
【作用】本発明によれば、シートクッションは、リンク
機構を介してリクライニングアジャスタと結合・支持さ
れており、所定のリヤバーチカル作動、即ちその後部は
一定ストロークで上下動する。またリクライニングアジ
ャスタには、コネクティングロッドが固定されており、
このコネクティングロッドを介して張架された隙間隠し
用表皮材の先端部は、コネクティングロッドからの距離
が一定となるように、シートクッションの適所に係着さ
れている。シートクッション,コネクティングロッド及
び隙間隠し用表皮材の先端部等の位置関係等を最適に設
定することにより、シートクッションがリヤバーチカル
作動しても、弛みを生じることなく常に適正に張架され
る。
【0010】
【実施例】以下、図1乃至図4に基づき、本発明による
自動車シートの隙間隠し構造の好適な実施例を説明す
る。
【0011】図1及び図2は本発明に係る自動車シー
ト、即ちフロントシート10の要部構成を示している。
このフロントシート10はシートクッション11とシー
トクッション11にリクライニング式に取り付けられた
シートバックとを備えている。またフロントシート10
はリヤバーチカル機構を備えており、後述のようにシー
トクッション11の後部11aが一定ストロークだけ上
下動し得るようになっている。図1は、このリヤバーチ
カル作動におけるロアモースト時の状態を示したもので
ある。一方、シートバック12は、リクライニングアジ
ャスタ13のコネクティングロッド14等を介して、又
はそれらにより所定のリクライニングを行い得るように
なっている。
【0012】シートクッション11は、リクライニング
アジャスタ13のロアアーム15上に4リンク機構16
を介して支持されており、上述のリヤバーチカル機構を
構成するこの4リンク機構16によってリヤバーチカル
作動を行うことができる。4リンク機構16を構成する
リンク部材16a,16bは、リヤバーチカル作動を行
うべく、実線の位置(ロアモースト)と二点鎖線の位置
(アッパモースト)の間で往復動するようになってい
る。なお図において、シートバック12は、ヒンジピン
17を介してロアアーム15に結合・支持されている。
【0013】そのシートバック12の下端部12aから
シートクッション11の底部にかけて回り込むように、
隙間隠し用表皮材18が設けられている。この隙間隠し
用表皮材18は、リクライニングアジャスタ13のコネ
クティングロッド14にて張架されると共に、該隙間隠
し用表皮材18のシートクッション11側の先端部18
aは、コネクティングロッド14からの距離Lが一定と
なるように、シートクッション11のフレーム側の支持
点19に係着されている。なお、リヤバーチカル作動時
に上記距離Lが一定になるように、シートクッション1
1は、4リンク機構16を用いてリクライニングアジャ
スタ13に取り付けられている。
【0014】ここで、図3は隙間隠し用表皮材18まわ
りの詳細構成例を示しており、シートバック12の下端
部12aにおいて、隙間隠し用表皮材18の一端部18
bは、シートバック12のパッド20を覆うカバー21
に設けた樹脂フック22に対して縫製されている。また
隙間隠し用表皮材18の先端部18aは、袋状に縫製さ
れると共に、その中をワイヤ23が挿通し、そして上記
支持点19にて、Cリング24を介してシートクッショ
ン11のフレーム25に固定されている。なお図3にお
いて、26はシートクッション11のパッド、27はパ
ッド26を覆うカバーである。
【0015】本発明による自動車シートの隙間隠し構造
では、シートバック12にて適宜リクライニングを行い
得るが、シートクッション11は、そのロアモースト時
には図1に示されるように所定位置に下降している。そ
して、シートクッション11の後部11aとシートバッ
ク12の下端部12aの間に隙間Sが形成される。この
隙間Sの対応部分には、図示のように隙間隠し用表皮材
18が弛みなく張架されており、これによりその隙間S
が隠蔽されて見栄えを向上する。また隙間Sを介して小
物等が落下するのを防止することができる。
【0016】シートクッション11は、4リンク機構1
6を介してリヤバーチカル作動を行うことができるが、
そのリンク部材16a,16bが、図4において実線に
より示される位置に回動すると、シートクッション11
は上昇してそのアッパモーストで保持される。
【0017】このアッパモースト時には隙間Sはなくな
るが、このようにロアモーストからアッパモーストへ移
行する際、隙間隠し用表皮材18の先端部18a(支持
点19)とコネクティングロッド14の距離Lは一定
に保持されており、従ってシートクッション11がリヤ
バーチカル作動しても、隙間隠し用表皮材18は、弛み
を生じることなく常に適正に張架される。なお、シート
クッション11がリヤバーチカル作動すると、シートク
ッション11のフレーム25も上動し、それにともなっ
て、隙間隠し用表皮材18の先端部18aも上動する。
ここで、リンク機構16により、隙間隠し用表皮材18
の先端部18aは、コネクティングロッド14との距離
を一定にしつつ上動する。また、アッパモーストとロア
モーストとの中間においても同様に適正に張架される。
これにより、リアバーチカルの何れの高さにおいても良
好な見栄えが得られる。なお、シートクッション11が
アッパモーストからロアモーストへ移行する場合にも、
上記とは逆の動作によって隙間Sを適正に隠すことがで
きる。
【0018】このようにシートクッション11のリヤバ
ーチカル作動、コネクティングロッド14及び隙間隠し
用表皮材18の支持点19の位置関係等を最適に設定す
ることにより、シートクッション11が如何なる高さ位
置にある場合でも、支持点19及びコネクティングロッ
ド14間の距離Lを一定に保持し、常に隙間隠し用表皮
材18を適正に張架することが可能になる。
【0019】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、この種
のリヤバーチカル機構を備えた自動車シートにおいて、
比較的簡単な構成により的確に隙間を隠して、常に良好
な見栄えを確保することができる。その場合、構成を簡
単化したことにより極めて安価であり、見栄え向上と低
コストの双方を有効に実現することができる等の利点を
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車シートの隙間隠し構造の一
実施例に係る自動車シートのロアモースト時における要
部構成を示す断面図である。
【図2】上記ロアモースト時における自動車シートの斜
視図である。
【図3】本発明に係る隙間隠し用表皮材まわりの詳細構
成を示す部分断面図である。
【図4】本発明に係る自動車シートのアッパモースト時
における要部構成を示す断面図である。
【図5】従来の自動車シートのロアモースト時における
部分側面図である。
【図6】従来の自動車シートのアッパモースト時におけ
る部分側面図である。
【図7】従来の表皮材を設けた自動車シートのロアモー
スト時における部分側面図である。
【図8】従来の自動車シートの図7に示す表皮材の構成
例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 フロントシート 11 シートクッション 12 シートバック 13 リクライニングアジャスタ 14 コネクティングロッド 15 ロアアーム 16 4リンク機構 16a,16b リンク部材 17 ヒンジピン 18 隙間隠し用表皮材 19 支持点 20,26 パッド 21,27 カバー 22 樹脂フック 23 ワイヤ 24 Cリング 25 フレーム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクッションとこのシートクッショ
    ンにリクライニング式に取り付けられたシートバックと
    を備え、上記シートクッションの後部がリンク機構を介
    して上下動し得るようにした自動車シートにおいて、 上記シートバックの下端部から上記シートクッションの
    底部にかけて回り込むように、隙間隠し用表皮材を設
    け、 上記隙間隠し用表皮材を、リクライニングアジャスタの
    コネクティングロッドにて張架すると共に、該隙間隠し
    用表皮材の上記シートクッション側の端部を上記シート
    クッションに係着し、 上記シートクッションを、その後部の上下動を通じて上
    記コネクティングロッドと上記隙間隠し用表皮材の上記
    シートクッション側の端部との距離が一定になるよう
    に、リンク機構を介して上記リクライニングアジャスタ
    に結合・支持した ことを特徴とする自動車シートの隙間
    隠し構造。
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