JP3134978B2 - 磁性トナー用磁性粒子粉末及びその製造法 - Google Patents
磁性トナー用磁性粒子粉末及びその製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、より流動性が高いと共
に吸油量が小さく、帯電安定性に優れており、しかも、
優れた初期分散性を有する磁性トナー用磁性粒子粉末及
びその製造法に関するものである。
に吸油量が小さく、帯電安定性に優れており、しかも、
優れた初期分散性を有する磁性トナー用磁性粒子粉末及
びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、静電潜像現像法の一つとして、キ
ヤリアを使用せずに樹脂中にマグネタイト粒子粉末等の
磁性粒子粉末を混合分散させた複合体粒子を現像剤とし
て用いる所謂一成分系磁性トナーによる現像法が広く知
られ、汎用されている。
ヤリアを使用せずに樹脂中にマグネタイト粒子粉末等の
磁性粒子粉末を混合分散させた複合体粒子を現像剤とし
て用いる所謂一成分系磁性トナーによる現像法が広く知
られ、汎用されている。
【0003】近時、画像濃度や階調性等複写機の高画質
化や高速化に伴って、現像剤である磁性トナーの特性向
上が強く要求されている。即ち、磁性トナーは、画像濃
度に濃淡がなく濃度が均一に複写できる、所謂、現像の
安定性、複写の繰り返しによって画像濃度が鮮明で均一
に複写できる、所謂、耐久性並びに低温低湿下や高温高
湿下においても画像濃度が鮮明に複写できる、所謂、環
境安定性が優れているとともに流動性や帯電安定性が優
れていることが強く要求されている。
化や高速化に伴って、現像剤である磁性トナーの特性向
上が強く要求されている。即ち、磁性トナーは、画像濃
度に濃淡がなく濃度が均一に複写できる、所謂、現像の
安定性、複写の繰り返しによって画像濃度が鮮明で均一
に複写できる、所謂、耐久性並びに低温低湿下や高温高
湿下においても画像濃度が鮮明に複写できる、所謂、環
境安定性が優れているとともに流動性や帯電安定性が優
れていることが強く要求されている。
【0004】磁性トナーの現像安定性、流動性について
は、特開昭53−94932号公報の「このような高抵
抗磁性トナーは高抵抗であるが故に流動性が悪く、現像
ムラを起し易い欠点を有していた。つまりPPC用の高
抵抗磁性トナーは転写するのに必要な帯電を保持できる
反面、トナーボトル中あるいは磁気ロール表面等、転写
工程以外の帯電している必要のない工程に於いても摩擦
帯電もしくは製造工程におけるメカノエレクトレット等
により若干の帯電をしていることによる帯電凝集を起し
易く、これが為に流動性の低下を招いている。」、「本
発明の他の目的は流動性の改善されたPPC用高抵抗磁
性トナーを提供することにより、現像ムラの無い、従っ
て解像度、階調性の優れた良質の間接式複写を得んとす
るものである。」なる記載の通りである。
は、特開昭53−94932号公報の「このような高抵
抗磁性トナーは高抵抗であるが故に流動性が悪く、現像
ムラを起し易い欠点を有していた。つまりPPC用の高
抵抗磁性トナーは転写するのに必要な帯電を保持できる
反面、トナーボトル中あるいは磁気ロール表面等、転写
工程以外の帯電している必要のない工程に於いても摩擦
帯電もしくは製造工程におけるメカノエレクトレット等
により若干の帯電をしていることによる帯電凝集を起し
易く、これが為に流動性の低下を招いている。」、「本
発明の他の目的は流動性の改善されたPPC用高抵抗磁
性トナーを提供することにより、現像ムラの無い、従っ
て解像度、階調性の優れた良質の間接式複写を得んとす
るものである。」なる記載の通りである。
【0005】また、磁性トナーの環境安定性、流動性及
び帯電安定性については、特開昭63−139367号
公報の「この様な乾式現像剤を使用する方法において、
良好な画質の可視画像を形成するためには、現像剤が高
い流動性を有し、かつ均一な帯電性を有することが必要
であり、そのために従来よりケイ酸微粉体をトナー粉末
に添加混合することが行われている。然るにシリカ微粉
体はそのままでは親水性であるためにこれが添加された
現像剤は空気中の湿気により凝集を生じて流動性が低下
したり、甚だしい場合にはシリカの吸湿により現像剤の
帯電性能を低下させてしまう。‥‥長時間の高湿条件下
放置において良好なコピー品質を保つ必要があり、この
点でも従来の疎水化ケイ酸微粉体では性能的に不満足な
ものであった。」、「本発明の目的は高温高湿や低温低
湿などの環境変化に対しても安定であり、常に良好な特
性を発揮することのできる静電荷像現像剤を提供するこ
とにある。」なる記載の通りである。
び帯電安定性については、特開昭63−139367号
公報の「この様な乾式現像剤を使用する方法において、
良好な画質の可視画像を形成するためには、現像剤が高
い流動性を有し、かつ均一な帯電性を有することが必要
であり、そのために従来よりケイ酸微粉体をトナー粉末
に添加混合することが行われている。然るにシリカ微粉
体はそのままでは親水性であるためにこれが添加された
現像剤は空気中の湿気により凝集を生じて流動性が低下
したり、甚だしい場合にはシリカの吸湿により現像剤の
帯電性能を低下させてしまう。‥‥長時間の高湿条件下
放置において良好なコピー品質を保つ必要があり、この
点でも従来の疎水化ケイ酸微粉体では性能的に不満足な
ものであった。」、「本発明の目的は高温高湿や低温低
湿などの環境変化に対しても安定であり、常に良好な特
性を発揮することのできる静電荷像現像剤を提供するこ
とにある。」なる記載の通りである。
【0006】磁性トナーの諸特性と磁性トナー中に混合
分散されている磁性粒子粉末の諸特性とは密接な関係が
あり、磁性トナーの現像安定性、耐久性及び環境安定性
を改良するためには、特開昭55−65406号公報の
「一般に、このような一成分方式における磁性トナー用
の磁性粉には次のような諸特性が要求される。‥‥VI
I)樹脂との混合性がよいこと。通常トナーの粒径は数
10μm以下であり、トナー中の微視的混合度がトナー
の特性にとって重要となる。‥‥」なる記載の通り、樹
脂との混合性が良好である磁性粒子粉末であることが要
求され、このような磁性粒子粉末としては、周知の通
り、吸油量ができるだけ小さいことが要求される。
分散されている磁性粒子粉末の諸特性とは密接な関係が
あり、磁性トナーの現像安定性、耐久性及び環境安定性
を改良するためには、特開昭55−65406号公報の
「一般に、このような一成分方式における磁性トナー用
の磁性粉には次のような諸特性が要求される。‥‥VI
I)樹脂との混合性がよいこと。通常トナーの粒径は数
10μm以下であり、トナー中の微視的混合度がトナー
の特性にとって重要となる。‥‥」なる記載の通り、樹
脂との混合性が良好である磁性粒子粉末であることが要
求され、このような磁性粒子粉末としては、周知の通
り、吸油量ができるだけ小さいことが要求される。
【0007】磁性トナーの流動性は、磁性トナー表面に
露出している磁性粒子の表面状態に大きく依存すること
から、磁性粒子粉末自身の流動性が優れていることが強
く要求されている。
露出している磁性粒子の表面状態に大きく依存すること
から、磁性粒子粉末自身の流動性が優れていることが強
く要求されている。
【0008】磁性トナーの帯電安定性は、同様に磁性ト
ナー表面に露出している磁性粒子の帯電性のバラツキの
程度に大きく依存することから、磁性粒子粉末自身の帯
電量のバラツキができるだけ小さいことが強く要求され
る。
ナー表面に露出している磁性粒子の帯電性のバラツキの
程度に大きく依存することから、磁性粒子粉末自身の帯
電量のバラツキができるだけ小さいことが強く要求され
る。
【0009】更に、磁性トナーの流動性や帯電安定性
は、上述した通り、磁性粒子自身の表面状態や帯電安定
性に大きく依存しているから、磁性トナーの製造工程中
において磁性粒子の表面状態や帯電安定性を改良された
状態に維持することが必要であり、その為には、磁性粒
子粉末と樹脂との混練にあたって、初期分散が優れてい
ることが強く要求されている。
は、上述した通り、磁性粒子自身の表面状態や帯電安定
性に大きく依存しているから、磁性トナーの製造工程中
において磁性粒子の表面状態や帯電安定性を改良された
状態に維持することが必要であり、その為には、磁性粒
子粉末と樹脂との混練にあたって、初期分散が優れてい
ることが強く要求されている。
【0010】従来、磁性トナーの諸特性を改良する為に
樹脂中に含有される磁性粒子の諸特性を改良することが
種々試みられており、第一鉄塩水溶液とアルカリ性水
溶液とを反応して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む
懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行う、所
謂、湿式法により各種形状のマグネタイト粒子を生成さ
せる反応において、マグネタイト粒子の生成反応中に水
可溶性硅酸塩を添加する方法(特公平3−9045号公
報、特開平3−131863号公報、特開平5−728
01号公報)、球状マグネタイト粒子の粒子内部に珪
素成分を含有させ、且つ表面に珪素成分を露出させる方
法(特開平5−213620号公報)、湿式法により
生成した各種形状のマグネタイト粒子の粒子表面にAl
の水酸化物又は酸化物若しくは当該両化合物を付着、被
覆する方法(特開昭54−139544号公報、特開昭
61−53660号公報、特開平2−73367号公
報、特開平4−162651号公報)、磁性粒子の粒
子表面にジルコニア微粒子を存在させ、更に、その表面
にAlまたはSi若しくはAlおよびSiのいずれかを
含む酸化物層を存在させる方法(特開平1─29803
0)、湿式法により生成した各種形状のマグネタイト
粒子粉末をホイール形混練機等を用いて圧縮処理する方
法(特開平3−131863号公報、特開平3−131
865号公報)が知られている。
樹脂中に含有される磁性粒子の諸特性を改良することが
種々試みられており、第一鉄塩水溶液とアルカリ性水
溶液とを反応して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む
懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行う、所
謂、湿式法により各種形状のマグネタイト粒子を生成さ
せる反応において、マグネタイト粒子の生成反応中に水
可溶性硅酸塩を添加する方法(特公平3−9045号公
報、特開平3−131863号公報、特開平5−728
01号公報)、球状マグネタイト粒子の粒子内部に珪
素成分を含有させ、且つ表面に珪素成分を露出させる方
法(特開平5−213620号公報)、湿式法により
生成した各種形状のマグネタイト粒子の粒子表面にAl
の水酸化物又は酸化物若しくは当該両化合物を付着、被
覆する方法(特開昭54−139544号公報、特開昭
61−53660号公報、特開平2−73367号公
報、特開平4−162651号公報)、磁性粒子の粒
子表面にジルコニア微粒子を存在させ、更に、その表面
にAlまたはSi若しくはAlおよびSiのいずれかを
含む酸化物層を存在させる方法(特開平1─29803
0)、湿式法により生成した各種形状のマグネタイト
粒子粉末をホイール形混練機等を用いて圧縮処理する方
法(特開平3−131863号公報、特開平3−131
865号公報)が知られている。
【0011】更に、磁性トナー自体の諸特性を改良する
ものとしては、疎水化処理したマグネタイトと針状の
非磁性金属酸化物あるいは含水酸化鉄粒子との混合物を
樹脂中に分散させる方法(特開平2─97968)、
マグネタイト粒子とα─ヘマタイトおよびγ─ヘマタイ
トとの混合物を樹脂中に分散させる方法(特開昭63─
178256)等が知られている。
ものとしては、疎水化処理したマグネタイトと針状の
非磁性金属酸化物あるいは含水酸化鉄粒子との混合物を
樹脂中に分散させる方法(特開平2─97968)、
マグネタイト粒子とα─ヘマタイトおよびγ─ヘマタイ
トとの混合物を樹脂中に分散させる方法(特開昭63─
178256)等が知られている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】より流動性が高いと共
に吸油量が小さく、帯電安定性に優れており、しかも、
優れた初期分散性を有する磁性粒子粉末は、現在最も要
求されているところであるが、このような磁性粒子粉末
は、未だ得られていない。
に吸油量が小さく、帯電安定性に優れており、しかも、
優れた初期分散性を有する磁性粒子粉末は、現在最も要
求されているところであるが、このような磁性粒子粉末
は、未だ得られていない。
【0013】即ち、前出公知の及びの方法により得
られる磁性粒子粉末は、樹脂との混合分散性は十分では
あるが、流動性や帯電安定性を改良するものではない。
られる磁性粒子粉末は、樹脂との混合分散性は十分では
あるが、流動性や帯電安定性を改良するものではない。
【0014】前出公知のの方法により得られる磁性粒
子は、流動性を改良するものではあるが、吸油量が22
cc/100g以上と大きく樹脂との混合分散性が悪い
ものである。
子は、流動性を改良するものではあるが、吸油量が22
cc/100g以上と大きく樹脂との混合分散性が悪い
ものである。
【0015】前出公知のの方法は、初期分散性を十分
改良するものでは無い。
改良するものでは無い。
【0016】前出公知のの方法は、混合分散性を向上
させるものではあるが、流動性や帯電安定性を改良する
ものではない。
させるものではあるが、流動性や帯電安定性を改良する
ものではない。
【0017】前出公知のの方法は、疎水化したマグネ
タイトを用いた場合のトナーの帯電量を安定させるため
のものであり、流動性を改良するものではなく、非磁性
粉は単に樹脂中に混合されているにすぎない。
タイトを用いた場合のトナーの帯電量を安定させるため
のものであり、流動性を改良するものではなく、非磁性
粉は単に樹脂中に混合されているにすぎない。
【0018】前出公知のの方法では流動性は改良され
ない。
ない。
【0019】そこで、本発明は、より流動性が高いと共
に吸油量が小さく、帯電安定性に優れており、しかも、
優れた初期分散性を有する磁性粒子粉末を得ることを技
術的課題とする。
に吸油量が小さく、帯電安定性に優れており、しかも、
優れた初期分散性を有する磁性粒子粉末を得ることを技
術的課題とする。
【0020】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明により達成できる。
りの本発明により達成できる。
【0021】即ち、本発明は、球状粒子内部に0.10
〜1.00wt%の珪素元素を含有し、且つ、球状粒子
表面にシリカとアルミナの共沈物が存在しており、更に
該共沈物上にFe,Ti,Zr,Si,Alから選ばれ
た元素の非磁性酸化物微粒子粉末又は非磁性含水酸化物
微粒子粉末の少なくとも1種が0.1〜10重量%固着
されている面積平均径が0.05〜0.5μmの球状マ
グネタイト粒子からなる磁性トナー用磁性粒子粉末、及
び、球状粒子内部に0.10〜1.00wt%の珪素元
素を含有し、且つ、球状粒子表面にシリカとアルミナの
共沈物が存在している面積平均径が0.05〜0.5μ
mの球状マグネタイト粒子粉末100重量部に対して、
Fe,Ti,Zr,Si,Alから選ばれた元素の非磁
性酸化物微粒子粉末又は非磁性含水酸化物微粒子粉末の
少なくとも1種を0.1〜25重量部存在させて、ホイ
ール形混練機又はらいかい機を用いて圧縮、せん断及び
へらなですることにより、前記シリカとアルミナの共沈
物上に前記非磁性酸化物微粒子粉末又は非磁性含水酸化
物微粒子粉末を固着させることをからなる磁性トナー用
磁性粒子粉末の製造法である。
〜1.00wt%の珪素元素を含有し、且つ、球状粒子
表面にシリカとアルミナの共沈物が存在しており、更に
該共沈物上にFe,Ti,Zr,Si,Alから選ばれ
た元素の非磁性酸化物微粒子粉末又は非磁性含水酸化物
微粒子粉末の少なくとも1種が0.1〜10重量%固着
されている面積平均径が0.05〜0.5μmの球状マ
グネタイト粒子からなる磁性トナー用磁性粒子粉末、及
び、球状粒子内部に0.10〜1.00wt%の珪素元
素を含有し、且つ、球状粒子表面にシリカとアルミナの
共沈物が存在している面積平均径が0.05〜0.5μ
mの球状マグネタイト粒子粉末100重量部に対して、
Fe,Ti,Zr,Si,Alから選ばれた元素の非磁
性酸化物微粒子粉末又は非磁性含水酸化物微粒子粉末の
少なくとも1種を0.1〜25重量部存在させて、ホイ
ール形混練機又はらいかい機を用いて圧縮、せん断及び
へらなですることにより、前記シリカとアルミナの共沈
物上に前記非磁性酸化物微粒子粉末又は非磁性含水酸化
物微粒子粉末を固着させることをからなる磁性トナー用
磁性粒子粉末の製造法である。
【0022】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。先ず、本発明に係る磁性粒子粉末について
述べる。
いて述べる。先ず、本発明に係る磁性粒子粉末について
述べる。
【0023】本発明に係る磁性粒子のサイズは、面積平
均径が0.05〜0.5μmである。0.05μm未満
の場合には、マグネタイト粒子の樹脂への混合分散が困
難となり、0.5μmを越える場合には、樹脂への混合
分散は容易になるが、磁性トナー表面からマグネタイト
粒子が離脱しやすくなる。より好ましくは0.07〜
0.4μmである。
均径が0.05〜0.5μmである。0.05μm未満
の場合には、マグネタイト粒子の樹脂への混合分散が困
難となり、0.5μmを越える場合には、樹脂への混合
分散は容易になるが、磁性トナー表面からマグネタイト
粒子が離脱しやすくなる。より好ましくは0.07〜
0.4μmである。
【0024】本発明に係る磁性粒子の粒子内部に含有さ
れる珪素元素はSi換算で0.10〜1.00wt%で
ある。0.10wt%未満の場合には、シリカとアルミ
ナの共沈物の球状マグネタイト粒子表面への付着力が低
減する。1.00wt% を超える場合には、球状マグ
ネタイト粒子粉末の磁気的安定性が低下し、保磁力や残
留磁化値のバラツキが生じやすい。より好ましくは0.
20〜0.90wt%である。
れる珪素元素はSi換算で0.10〜1.00wt%で
ある。0.10wt%未満の場合には、シリカとアルミ
ナの共沈物の球状マグネタイト粒子表面への付着力が低
減する。1.00wt% を超える場合には、球状マグ
ネタイト粒子粉末の磁気的安定性が低下し、保磁力や残
留磁化値のバラツキが生じやすい。より好ましくは0.
20〜0.90wt%である。
【0025】本発明に係る磁性粒子の粒子表面に存在し
ているシリカとアルミナの共沈物は、最終生成物に対
し、Si換算で0.01〜0.5wt%、Al換算で
0.01〜2.0wt%、Si及びAlの総和で0.0
2〜2.5wt%の範囲が好ましい。Si換算で0.0
1wt%未満の場合には、流動性をより改善することが
困難であるとともに帯電安定性が悪くなる。0.5wt
%を超える場合にも流動性をより改善することができる
が、帯電安定性や環境安定性が低下する。Al換算で
0.01wt%未満の場合には、帯電安定性を向上させ
ることができず、2.0wt%を超える場合には、環境
安定性が低下する。より好ましくはSi換算で0.01
〜0.3wt%、Al換算で0.02〜1.5wt%、
Si及びAlの総和で0.03〜1.8wt%である。
ているシリカとアルミナの共沈物は、最終生成物に対
し、Si換算で0.01〜0.5wt%、Al換算で
0.01〜2.0wt%、Si及びAlの総和で0.0
2〜2.5wt%の範囲が好ましい。Si換算で0.0
1wt%未満の場合には、流動性をより改善することが
困難であるとともに帯電安定性が悪くなる。0.5wt
%を超える場合にも流動性をより改善することができる
が、帯電安定性や環境安定性が低下する。Al換算で
0.01wt%未満の場合には、帯電安定性を向上させ
ることができず、2.0wt%を超える場合には、環境
安定性が低下する。より好ましくはSi換算で0.01
〜0.3wt%、Al換算で0.02〜1.5wt%、
Si及びAlの総和で0.03〜1.8wt%である。
【0026】シリカとアルミナの共沈物中のシリカとア
ルミナの割合は、流動性、吸油量及び帯電安定性を考慮
すれば、SiとAlのモル比で10:1〜1:100の
範囲が好ましい。より好ましくは2:1〜1:70であ
る。
ルミナの割合は、流動性、吸油量及び帯電安定性を考慮
すれば、SiとAlのモル比で10:1〜1:100の
範囲が好ましい。より好ましくは2:1〜1:70であ
る。
【0027】本発明に係る磁性粒子表面のシリカとアル
ミナの共沈物上に固着されているFe,Ti,Zr,S
i,Alから選ばれた元素の非磁性酸化物微粒子粉末又
は非磁性含水酸化物微粒子粉末(以下、特定元素の非磁
性酸化物微粒子粉末又は非磁性含水酸化物微粒子粉末と
いう。)としては、粒状・針状・紡錘状・板状等のヘマ
タイト(α─Fe2 O3 )微粒子、粒状や柱状のTiO
2 微粒子、粒状のZrO2 微粒子、粒状のSiO2 微粒
子、粒状や針状のAl2 O3 微粒子等の非磁性酸化物微
粒子や、粒状、針状,紡錘状、板状等各種形状のゲータ
イト、レピッドクロサイト、アカゲナイト等の含水酸化
第二鉄微粒子、AlOOH等の含水アルミウム酸化物微
粒子、TiOOH2 等の含水チタン酸化物微粒子等の非
磁性含水酸化物微粒子がある。
ミナの共沈物上に固着されているFe,Ti,Zr,S
i,Alから選ばれた元素の非磁性酸化物微粒子粉末又
は非磁性含水酸化物微粒子粉末(以下、特定元素の非磁
性酸化物微粒子粉末又は非磁性含水酸化物微粒子粉末と
いう。)としては、粒状・針状・紡錘状・板状等のヘマ
タイト(α─Fe2 O3 )微粒子、粒状や柱状のTiO
2 微粒子、粒状のZrO2 微粒子、粒状のSiO2 微粒
子、粒状や針状のAl2 O3 微粒子等の非磁性酸化物微
粒子や、粒状、針状,紡錘状、板状等各種形状のゲータ
イト、レピッドクロサイト、アカゲナイト等の含水酸化
第二鉄微粒子、AlOOH等の含水アルミウム酸化物微
粒子、TiOOH2 等の含水チタン酸化物微粒子等の非
磁性含水酸化物微粒子がある。
【0028】非磁性酸化物微粒子又は非磁性含水酸化物
微粒子のサイズは、0.01〜0.1μmである。0.
01μm未満の場合、0.1μmを越える場合のいずれ
の場合にも初期分散が悪くなりやすい。初期分散を考慮
すれば0.02〜0.06μmが好ましい。
微粒子のサイズは、0.01〜0.1μmである。0.
01μm未満の場合、0.1μmを越える場合のいずれ
の場合にも初期分散が悪くなりやすい。初期分散を考慮
すれば0.02〜0.06μmが好ましい。
【0029】本発明に係る磁性粒子表面のシリカとアル
ミナの共沈物上に固着されている特定元素の非磁性酸化
物微粒子又は含水酸化物微粒子のサイズは、球状マグネ
タイト粒子の粒子径を(a)とし、非磁性酸化物微粒子
又は非磁性含水酸化物微粒子粉末の粒状の場合の粒子径
を(b)、針状(柱状)、紡錘状、板状等の場合の長軸
径又は板面径を(C)、短軸径又は厚みを(d)とした
場合、 1/100≦(b)/(a)≦1/3 1/100≦(c)/(a)≦1 1/100≦(d)/(a)≦1/3 1/100≦(d)/(c)<1 の関係を満足するものが好ましい。
ミナの共沈物上に固着されている特定元素の非磁性酸化
物微粒子又は含水酸化物微粒子のサイズは、球状マグネ
タイト粒子の粒子径を(a)とし、非磁性酸化物微粒子
又は非磁性含水酸化物微粒子粉末の粒状の場合の粒子径
を(b)、針状(柱状)、紡錘状、板状等の場合の長軸
径又は板面径を(C)、短軸径又は厚みを(d)とした
場合、 1/100≦(b)/(a)≦1/3 1/100≦(c)/(a)≦1 1/100≦(d)/(a)≦1/3 1/100≦(d)/(c)<1 の関係を満足するものが好ましい。
【0030】より好ましくは、 1/50≦(b)/(a)≦1/5 1/50≦(c)/(a)≦1/2 1/50≦(d)/(a)≦1/5 1/10≦(d)/(c)<1 の範囲である。
【0031】(b)/(a)<1/100の場合は、マ
グネタイト粒子の分散性を改良することが難しく、1/
3<(b)/(a)の場合は、非磁性酸化物微粒子粉末
あるいは非磁性含水酸化物微粒子粉末をマグネタイト粒
子粉末に固着させることが困難となる。
グネタイト粒子の分散性を改良することが難しく、1/
3<(b)/(a)の場合は、非磁性酸化物微粒子粉末
あるいは非磁性含水酸化物微粒子粉末をマグネタイト粒
子粉末に固着させることが困難となる。
【0032】(c)/(a)<1/100の場合は、マ
グネタイト粒子の分散性を改良することが難しく、1<
(c)/(a)の場合は、非磁性酸化物微粒子粉末又は
非磁性含水酸化物微粒子粉末をマグネタイト粒子粉末に
固着させることが困難となる。
グネタイト粒子の分散性を改良することが難しく、1<
(c)/(a)の場合は、非磁性酸化物微粒子粉末又は
非磁性含水酸化物微粒子粉末をマグネタイト粒子粉末に
固着させることが困難となる。
【0033】(d)/(a)<1/100の場合は、マ
グネタイト粒子の分散性を改良することが難しく、1/
3<(b)/(a)の場合は、非磁性酸化物微粒子粉末
あるいは非磁性含水酸化物微粒子粉末をマグネタイト粒
子粉末に固着させることが困難となる。
グネタイト粒子の分散性を改良することが難しく、1/
3<(b)/(a)の場合は、非磁性酸化物微粒子粉末
あるいは非磁性含水酸化物微粒子粉末をマグネタイト粒
子粉末に固着させることが困難となる。
【0034】(d)/(c)<1/100の場合は、非
磁性酸化物あるいは非磁性含水酸化物微粒子粉末が固着
処理中に折れやすく、微粉となり分散性を阻害する原因
となるので好ましくない。
磁性酸化物あるいは非磁性含水酸化物微粒子粉末が固着
処理中に折れやすく、微粉となり分散性を阻害する原因
となるので好ましくない。
【0035】本発明に係る磁性粒子表面のシリカとアル
ミナの共沈物上に固着されている特定元素の非磁性酸化
物微粒子粉末又は非磁性含水酸化物微粒子粉末の量は粒
子あたり、0.1〜10重量%である。0.1wt%未
満の場合、10wt%を越える場合のいずれの場合も初
期分散が悪くなる。更に、10wt%を越える場合には
磁化値が低下し、画像性が悪くなる。初期分散を考慮す
れば、好ましくは0.5〜10wt%である。
ミナの共沈物上に固着されている特定元素の非磁性酸化
物微粒子粉末又は非磁性含水酸化物微粒子粉末の量は粒
子あたり、0.1〜10重量%である。0.1wt%未
満の場合、10wt%を越える場合のいずれの場合も初
期分散が悪くなる。更に、10wt%を越える場合には
磁化値が低下し、画像性が悪くなる。初期分散を考慮す
れば、好ましくは0.5〜10wt%である。
【0036】次に、本発明に係る磁性粒子粉末の製造法
について述べる。
について述べる。
【0037】本発明における球状マグネタイト粒子粉末
は、粒子内部に珪素元素を含有している一般式FeO X
・Fe2 O3 (但し、0<X≦1)で示される黒色を呈
する粒子であり、珪素元素以外に磁性トナー用磁性粒子
粉末として諸特性向上の為に通常添加されているAl,
Zn,Mn,Mg等を0.01〜1.0wt%程度含有
していても良い。
は、粒子内部に珪素元素を含有している一般式FeO X
・Fe2 O3 (但し、0<X≦1)で示される黒色を呈
する粒子であり、珪素元素以外に磁性トナー用磁性粒子
粉末として諸特性向上の為に通常添加されているAl,
Zn,Mn,Mg等を0.01〜1.0wt%程度含有
していても良い。
【0038】ここで、球状粒子とは、透過型電子顕微鏡
写真に示されているマグネタイト粒子の最大径及び最小
径のそれぞれを200個以上の粒子について実測した値
から、平均最小径及び平均最大径をそれぞれ算出し、次
いで、平均最小径を平均最大径で除した時の値が0.7
5以上の粒子である。
写真に示されているマグネタイト粒子の最大径及び最小
径のそれぞれを200個以上の粒子について実測した値
から、平均最小径及び平均最大径をそれぞれ算出し、次
いで、平均最小径を平均最大径で除した時の値が0.7
5以上の粒子である。
【0039】本発明における球状粒子内部に珪素元素を
含有し、且つ、球状粒子表面にシリカとアルミナの共沈
物が存在している球状マグネタイト粒子は、第一鉄塩水
溶液と該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し0.90〜
0.99当量の水酸化アルカリ水溶液とを反応させて得
られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液
に、酸素含有ガスを通気することによりマグネタイト粒
子を生成させるにあたり、前記水酸化アルカリ水溶液又
は前記水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液
のいずれかにあらかじめ水可溶性珪酸塩をFeに対して
Si換算で0.4〜4.0mol%添加し、85〜10
0℃の温度範囲で加熱しながら酸素含有ガスを通気して
酸化反応をすることにより、前記水酸化第一鉄コロイド
から珪素元素を含有するマグネタイト粒子を生成させた
後、酸化反応終了後の懸濁液中に残存するFe2+に対し
1.00当量以上の水酸化アルカリ水溶液を添加して、
85〜100℃の温度範囲で加熱しながら引き続き酸化
反応をして珪素元素を含有する球状を呈したマグネタイ
ト粒子を生成させ、次いで、該珪素元素を含有する球状
を呈したマグネタイト粒子が生成している残存Siを含
むアルカリ性懸濁液中に水可溶性アルミニウム塩を生成
粒子に対してAl換算で0.01〜2.0wt%になる
ように添加した後、pHを5〜9の範囲に調整して前記
残存Siと添加した前記Alとを珪素元素を含有する前
記球状マグネタイト粒子表面にシリカとアルミナの共沈
物として析出沈着させ、次いで、濾別、水洗、乾燥する
ことにより得ることができる。
含有し、且つ、球状粒子表面にシリカとアルミナの共沈
物が存在している球状マグネタイト粒子は、第一鉄塩水
溶液と該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し0.90〜
0.99当量の水酸化アルカリ水溶液とを反応させて得
られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液
に、酸素含有ガスを通気することによりマグネタイト粒
子を生成させるにあたり、前記水酸化アルカリ水溶液又
は前記水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液
のいずれかにあらかじめ水可溶性珪酸塩をFeに対して
Si換算で0.4〜4.0mol%添加し、85〜10
0℃の温度範囲で加熱しながら酸素含有ガスを通気して
酸化反応をすることにより、前記水酸化第一鉄コロイド
から珪素元素を含有するマグネタイト粒子を生成させた
後、酸化反応終了後の懸濁液中に残存するFe2+に対し
1.00当量以上の水酸化アルカリ水溶液を添加して、
85〜100℃の温度範囲で加熱しながら引き続き酸化
反応をして珪素元素を含有する球状を呈したマグネタイ
ト粒子を生成させ、次いで、該珪素元素を含有する球状
を呈したマグネタイト粒子が生成している残存Siを含
むアルカリ性懸濁液中に水可溶性アルミニウム塩を生成
粒子に対してAl換算で0.01〜2.0wt%になる
ように添加した後、pHを5〜9の範囲に調整して前記
残存Siと添加した前記Alとを珪素元素を含有する前
記球状マグネタイト粒子表面にシリカとアルミナの共沈
物として析出沈着させ、次いで、濾別、水洗、乾燥する
ことにより得ることができる。
【0040】本発明における第一鉄塩水溶液としては、
硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等を使用すること
ができる。
硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等を使用すること
ができる。
【0041】本発明における水酸化アルカリ水溶液は、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の
水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の
アルカリ土類金属の水酸化物等の各水溶液を使用するこ
とができる。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の
水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の
アルカリ土類金属の水酸化物等の各水溶液を使用するこ
とができる。
【0042】本発明において水酸化第一鉄コロイドを沈
澱させる時に使用する水酸化アルカリ水溶液の量は、第
一鉄塩水溶液中のFe2+に対し0.90〜0.99当量
である。0.90当量未満の場合には、球状マグネタイ
ト粒子以外の針状含水酸化鉄粒子が副生しやすくなり、
0.99当量を越える場合には、球状を呈したマグネタ
イト粒子を生成することが困難である。
澱させる時に使用する水酸化アルカリ水溶液の量は、第
一鉄塩水溶液中のFe2+に対し0.90〜0.99当量
である。0.90当量未満の場合には、球状マグネタイ
ト粒子以外の針状含水酸化鉄粒子が副生しやすくなり、
0.99当量を越える場合には、球状を呈したマグネタ
イト粒子を生成することが困難である。
【0043】本発明における酸化反応温度は、85〜1
00℃である。85℃未満である場合には、球状マグネ
タイト粒子以外の針状含水酸化鉄粒子が副生しやすくな
り、100℃を越える場合も球状マグネタイト粒子は生
成するが工業的ではない。
00℃である。85℃未満である場合には、球状マグネ
タイト粒子以外の針状含水酸化鉄粒子が副生しやすくな
り、100℃を越える場合も球状マグネタイト粒子は生
成するが工業的ではない。
【0044】酸化手段は酸素含有ガス(例えば、空気)
を液中に通気することにより行う。
を液中に通気することにより行う。
【0045】本発明において使用される水可溶性珪酸塩
としては、ナトリウム、カリウムの珪酸塩等を使用する
ことができる。
としては、ナトリウム、カリウムの珪酸塩等を使用する
ことができる。
【0046】水可溶性珪酸塩の添加量は、Feに対しS
i換算で0.4〜4.0mol%である。0.4mol
%未満の場合には、珪素元素を含有する球状マグネタイ
ト粒子粉末を生成させた後のアルカリ性懸濁液中に残存
するSi量が十分ではないため、表面にシリカとアルミ
ナの共沈物を析出させることが困難であり、4.0mo
l%を越える場合には、得られた球状マグネタイト粒子
粉末の環境安定性が悪くなる。
i換算で0.4〜4.0mol%である。0.4mol
%未満の場合には、珪素元素を含有する球状マグネタイ
ト粒子粉末を生成させた後のアルカリ性懸濁液中に残存
するSi量が十分ではないため、表面にシリカとアルミ
ナの共沈物を析出させることが困難であり、4.0mo
l%を越える場合には、得られた球状マグネタイト粒子
粉末の環境安定性が悪くなる。
【0047】本発明におけるアルカリ性懸濁液中に残存
するSi量は少なくとも最終生成物に対してSi換算で
0.01wt%以上である。
するSi量は少なくとも最終生成物に対してSi換算で
0.01wt%以上である。
【0048】本発明における水可溶性珪酸塩は、球状マ
グネタイト粒子の粒子内部に珪素元素を含有させる必要
があるとともに、生成粒子の形状、即ち、粒子の球形性
の向上に関与するものであり、したがって、水可溶性珪
酸塩の添加時期は、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄
塩反応溶液中に酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒
子を生成する前であることが必要であり、水酸化アルカ
リ水溶液又は水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応
溶液のいずれかに添加することができる。
グネタイト粒子の粒子内部に珪素元素を含有させる必要
があるとともに、生成粒子の形状、即ち、粒子の球形性
の向上に関与するものであり、したがって、水可溶性珪
酸塩の添加時期は、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄
塩反応溶液中に酸素含有ガスを通気してマグネタイト粒
子を生成する前であることが必要であり、水酸化アルカ
リ水溶液又は水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応
溶液のいずれかに添加することができる。
【0049】第一鉄塩水溶液中に水可溶性珪酸塩を添加
する場合には、水可溶性珪酸塩を添加すると同時にSi
O2 として析出する為、球状マグネタイト粒子の粒子内
部に均一に含有させることが困難となり本発明の目的を
達成することができない。
する場合には、水可溶性珪酸塩を添加すると同時にSi
O2 として析出する為、球状マグネタイト粒子の粒子内
部に均一に含有させることが困難となり本発明の目的を
達成することができない。
【0050】本発明において残存Fe2+に対して使用す
る水酸化アルカリ水溶液の量は、残存Fe2+に対して
1.00当量以上である。1.00当量未満ではFe2+
が全量沈澱しない。1.00当量以上の工業性を勘案し
た量が好ましい量である。
る水酸化アルカリ水溶液の量は、残存Fe2+に対して
1.00当量以上である。1.00当量未満ではFe2+
が全量沈澱しない。1.00当量以上の工業性を勘案し
た量が好ましい量である。
【0051】本発明における水可溶性アルミニウム塩を
添加する時のアルカリ性懸濁液の温度は、50〜100
℃である。50℃未満の場合には、マグネタイト粒子粉
末の懸濁液中における分散が悪くなって、シリカとアル
ミナの共沈物が均一に析出しにくい。100℃を越える
場合には、球状マグネタイト粒子粉末の分散を保つこと
は可能であるが、工業的ではない。
添加する時のアルカリ性懸濁液の温度は、50〜100
℃である。50℃未満の場合には、マグネタイト粒子粉
末の懸濁液中における分散が悪くなって、シリカとアル
ミナの共沈物が均一に析出しにくい。100℃を越える
場合には、球状マグネタイト粒子粉末の分散を保つこと
は可能であるが、工業的ではない。
【0052】酸化手段は、酸素含有ガス(例えば、空
気)を液中に通気することにより行う。
気)を液中に通気することにより行う。
【0053】本発明において使用される水可溶性アルミ
ニウム塩としては、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム等がある。
ニウム塩としては、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム等がある。
【0054】水可溶性アルミニウム塩の添加量は、生成
粒子に対してAl換算で0.01〜2.0wt%であ
る。0.01wt%未満の場合には、帯電安定性を向上
させるだけのAlを沈着させることはできず、2.0w
t%を越える場合には、多量のAlが付着して、マグネ
タイト粒子粉末の環境安定性が低下する。環境安定性を
考慮すれば1.5wt%以下であることが好ましい。
粒子に対してAl換算で0.01〜2.0wt%であ
る。0.01wt%未満の場合には、帯電安定性を向上
させるだけのAlを沈着させることはできず、2.0w
t%を越える場合には、多量のAlが付着して、マグネ
タイト粒子粉末の環境安定性が低下する。環境安定性を
考慮すれば1.5wt%以下であることが好ましい。
【0055】本発明における水可溶性アルミニウム塩の
添加後のアルカリ性懸濁液のpHは、5〜9の範囲に調
整する。pH値が5未満の場合及びpH値が9を越える
場合には、シリカとアルミナの共沈物がマグネタイト粒
子表面に付着しにくい。
添加後のアルカリ性懸濁液のpHは、5〜9の範囲に調
整する。pH値が5未満の場合及びpH値が9を越える
場合には、シリカとアルミナの共沈物がマグネタイト粒
子表面に付着しにくい。
【0056】本発明における特定元素の非磁性酸化物微
粒子又は非磁性含水酸化物微粒子の存在は、球状マグネ
タイト粒子の粒子表面にシリカとアルミナの共沈物を析
出沈着させた後の懸濁液中に添加混合した後、濾別、水
洗、乾燥することにより、又は、濾別、水洗、乾燥して
得られた球状粒子内部に珪素元素を含有し、且つ、球状
粒子表面にシリカとアルミナの共沈物が存在している球
状マグネタイト粒子粉末に添加して乾式混合することに
より行うことができる。
粒子又は非磁性含水酸化物微粒子の存在は、球状マグネ
タイト粒子の粒子表面にシリカとアルミナの共沈物を析
出沈着させた後の懸濁液中に添加混合した後、濾別、水
洗、乾燥することにより、又は、濾別、水洗、乾燥して
得られた球状粒子内部に珪素元素を含有し、且つ、球状
粒子表面にシリカとアルミナの共沈物が存在している球
状マグネタイト粒子粉末に添加して乾式混合することに
より行うことができる。
【0057】特定元素の非磁性酸化物微粒子又は非磁性
含水酸化物微粒子の添加量は、被処理粒子100重量部
に対して0.1〜12重量部である。0.1重量部未満
では、得られた粒子粉末の流動性向上が認められず、1
2重量部以上では、磁化が低下し画像性が低下するので
好ましくない。
含水酸化物微粒子の添加量は、被処理粒子100重量部
に対して0.1〜12重量部である。0.1重量部未満
では、得られた粒子粉末の流動性向上が認められず、1
2重量部以上では、磁化が低下し画像性が低下するので
好ましくない。
【0058】本発明におけるシリカとアルミナの共沈物
上への特定元素の非磁性酸化物微粒子又は非磁性含水酸
化物微粒子の固着処理は、球状粒子内部に珪素を含有
し、且つ、粒子表面にシリカとアルミナの共沈物が存在
している球状マグネタイト粒子粉末と特定元素の非磁性
酸化物微粒子又は非磁性含水酸化物微粒子とをホイール
形混練機又はらいかい機を用いて圧縮、せん断及びへら
なですればよい。
上への特定元素の非磁性酸化物微粒子又は非磁性含水酸
化物微粒子の固着処理は、球状粒子内部に珪素を含有
し、且つ、粒子表面にシリカとアルミナの共沈物が存在
している球状マグネタイト粒子粉末と特定元素の非磁性
酸化物微粒子又は非磁性含水酸化物微粒子とをホイール
形混練機又はらいかい機を用いて圧縮、せん断及びへら
なですればよい。
【0059】ホイール型混練機としては、、シンプソン
ミックスマーラー、マルチミル、逆流混練機、アイリッ
ヒミル等が適用できるが、ウェットパンミル、メランジ
ャ、ワールミックス及び速練機は、いずれも圧縮および
へらなで作用のみでせん断作用を有していないので適用
できない。
ミックスマーラー、マルチミル、逆流混練機、アイリッ
ヒミル等が適用できるが、ウェットパンミル、メランジ
ャ、ワールミックス及び速練機は、いずれも圧縮および
へらなで作用のみでせん断作用を有していないので適用
できない。
【0060】ホイール型混練機で処理する場合の線荷重
は、10〜200kg/cmの範囲が好ましい。線荷重
が10kg/cm未満の場合には、非磁性酸化物微粒子
又は非磁性含水酸化物微粒子を磁性粒子へ固着させるこ
とが困難となり、200kg/cmを越える場合には、
粒子が破壊されるので好ましくない。より好ましくは2
0〜150kg/cmの範囲である。
は、10〜200kg/cmの範囲が好ましい。線荷重
が10kg/cm未満の場合には、非磁性酸化物微粒子
又は非磁性含水酸化物微粒子を磁性粒子へ固着させるこ
とが困難となり、200kg/cmを越える場合には、
粒子が破壊されるので好ましくない。より好ましくは2
0〜150kg/cmの範囲である。
【0061】ホイール型混練機で処理する場合の時間
は、10〜120分の範囲が好ましい。10分未満の場
合には、非磁性酸化物微粒子又は非磁性含水酸化物微粒
子を磁性粒子へ固着させることが困難となり、120分
を越えても固着処理は可能であるが工業的ではない。よ
り好ましくは20〜90分の範囲である。
は、10〜120分の範囲が好ましい。10分未満の場
合には、非磁性酸化物微粒子又は非磁性含水酸化物微粒
子を磁性粒子へ固着させることが困難となり、120分
を越えても固着処理は可能であるが工業的ではない。よ
り好ましくは20〜90分の範囲である。
【0062】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、珪素元
素を含有する球状マグネタイト粒子が生成している残存
Siを含むアルカリ性懸濁液中に水可溶性アルミニウム
塩を添加した後、pHを5〜9の範囲に調整した場合に
は、球状マグネタイト粒子内部に珪素元素をSi換算で
0.10〜1.00wt%含有しており、且つ、マグネ
タイト粒子表面にシリカとアルミナの共沈物が付着して
いる面積平均径が0.05〜0.5μmの球状マグネタ
イト粒子を得ることができ、この球状マグネタイト粒子
粉末は、より流動性が高いと共に吸油量が小さく、帯電
安定性に優れているという事実であり、更に、前記シリ
カとアルミナの共沈物上に特定元素の非磁性酸化物微粒
子又は非磁性含水酸化物微粒子を固着させた場合には、
より流動性が高いと共に吸油量が小さく、帯電安定性に
優れているという前記諸特性を維持しながら、更に、優
れた初期分散性をも有するという事実である。
素を含有する球状マグネタイト粒子が生成している残存
Siを含むアルカリ性懸濁液中に水可溶性アルミニウム
塩を添加した後、pHを5〜9の範囲に調整した場合に
は、球状マグネタイト粒子内部に珪素元素をSi換算で
0.10〜1.00wt%含有しており、且つ、マグネ
タイト粒子表面にシリカとアルミナの共沈物が付着して
いる面積平均径が0.05〜0.5μmの球状マグネタ
イト粒子を得ることができ、この球状マグネタイト粒子
粉末は、より流動性が高いと共に吸油量が小さく、帯電
安定性に優れているという事実であり、更に、前記シリ
カとアルミナの共沈物上に特定元素の非磁性酸化物微粒
子又は非磁性含水酸化物微粒子を固着させた場合には、
より流動性が高いと共に吸油量が小さく、帯電安定性に
優れているという前記諸特性を維持しながら、更に、優
れた初期分散性をも有するという事実である。
【0063】これらの事実について本発明者は、次のよ
うに考えている。
うに考えている。
【0064】本発明に係る球状マグネタイト粒子粉末
は、後出の実施例及び比較例に示す通り、吸油量が小さ
いことから、マグネタイト粒子粉末の凝集が小さく、そ
の為少ないアマニ油量で十分にマグネタイト粒子の粒子
表面をぬらすことができ、分散性に優れているものと認
められる。
は、後出の実施例及び比較例に示す通り、吸油量が小さ
いことから、マグネタイト粒子粉末の凝集が小さく、そ
の為少ないアマニ油量で十分にマグネタイト粒子の粒子
表面をぬらすことができ、分散性に優れているものと認
められる。
【0065】本発明に係るマグネタイト粒子粉末の凝集
が小さい理由について、本発明者は、シリカとアルミナ
の共沈物が溶液中で生成されるため、微細且つ均斉な析
出物となると共に、該共沈物は球状マグネタイト粒子の
粒子内部に珪素元素が含有されていることにより、マグ
ネタイト粒子となじみやすく、しかも、珪素元素よりも
Feとよりなじみやすいアルミニウム元素を含有してい
ることによってマグネタイト粒子表面により沈着、付着
しやすいものであり、その結果、微細且つ均斉なシリカ
とアルミナの共沈物が溶液中で独立して存在している個
々のマグネタイト粒子表面に多数の析出物となって均一
に分布して存在することとなるため、濾別、水洗、乾燥
後も凝集塊となることが少ないものと考えている。
が小さい理由について、本発明者は、シリカとアルミナ
の共沈物が溶液中で生成されるため、微細且つ均斉な析
出物となると共に、該共沈物は球状マグネタイト粒子の
粒子内部に珪素元素が含有されていることにより、マグ
ネタイト粒子となじみやすく、しかも、珪素元素よりも
Feとよりなじみやすいアルミニウム元素を含有してい
ることによってマグネタイト粒子表面により沈着、付着
しやすいものであり、その結果、微細且つ均斉なシリカ
とアルミナの共沈物が溶液中で独立して存在している個
々のマグネタイト粒子表面に多数の析出物となって均一
に分布して存在することとなるため、濾別、水洗、乾燥
後も凝集塊となることが少ないものと考えている。
【0066】本発明に係る球状マグネタイト粒子が、よ
り流動性が優れている理由について、本発明者は、上述
した通り、マグネタイト粒子表面に微細且つ均斉なシリ
カとアルミナの共沈物が多数均一に分布して存在してい
ることにより、表面の凹凸度が十分増加して、マグネタ
イト粒子相互間の距離が懸隔して粒子相互の磁気的な凝
集が弱められることによるものと考えている。
り流動性が優れている理由について、本発明者は、上述
した通り、マグネタイト粒子表面に微細且つ均斉なシリ
カとアルミナの共沈物が多数均一に分布して存在してい
ることにより、表面の凹凸度が十分増加して、マグネタ
イト粒子相互間の距離が懸隔して粒子相互の磁気的な凝
集が弱められることによるものと考えている。
【0067】本発明に係る球状マグネタイト粒子の帯電
安定性が優れている理由について、本発明者は、上述し
た通り、マグネタイト粒子の粒子表面に微細且つ均斉な
シリカとアルミナの共沈物が多数均一に分布しているこ
とによって珪素元素の有する負電荷と珪素元素の間に均
一に介在しているアルミニウム元素の正電荷とが互いに
打ち消しあって電荷を平均化することによるものと考え
ている。
安定性が優れている理由について、本発明者は、上述し
た通り、マグネタイト粒子の粒子表面に微細且つ均斉な
シリカとアルミナの共沈物が多数均一に分布しているこ
とによって珪素元素の有する負電荷と珪素元素の間に均
一に介在しているアルミニウム元素の正電荷とが互いに
打ち消しあって電荷を平均化することによるものと考え
ている。
【0068】本発明に係る球状マグネタイト粒子が上記
諸特性を維持しながら初期分散が優れている理由につい
て、走査型電子顕微鏡観察の結果、特定元素の非磁性酸
化物微粒子又は非磁性含水酸化物微粒子がシリカとアル
ミナの共沈物により形成されている凹凸部の凸部の高さ
よりも粒子の最小径が大きい粒子であって、共沈物とな
じみやすい粒子であると共に、被処理粒子である球状マ
グネタイト粒子の粒子表面を被覆する量よりも少ない量
が固着処理されることにより、特定元素の非磁性酸化物
微粒子又は非磁性含水酸化物微粒子1個1個が適当な間
隔をおきながら、共沈物により形成されている凹凸部分
の凸部分を押し潰して微粒子の厚み方向の下部が埋まっ
た状態で強固に固着されており、その結果、球状マグネ
タイト粒子表面上の共沈物による凹凸が保持されている
部分は、流動性、吸油量、帯電安定性等を改良する作用
効果を発揮し、一方、非磁性酸化物微粒子又は非磁性含
水酸化物微粒子が固着されている部分は、共沈物の凹凸
部の凸部よりも高さが高くなっているため、球状マグネ
タイト粒子相互の距離をより懸隔させることができると
共に、磁気凝集がさらに弱まり、ファンデル・ワールス
力が低下することによるものと考えている。
諸特性を維持しながら初期分散が優れている理由につい
て、走査型電子顕微鏡観察の結果、特定元素の非磁性酸
化物微粒子又は非磁性含水酸化物微粒子がシリカとアル
ミナの共沈物により形成されている凹凸部の凸部の高さ
よりも粒子の最小径が大きい粒子であって、共沈物とな
じみやすい粒子であると共に、被処理粒子である球状マ
グネタイト粒子の粒子表面を被覆する量よりも少ない量
が固着処理されることにより、特定元素の非磁性酸化物
微粒子又は非磁性含水酸化物微粒子1個1個が適当な間
隔をおきながら、共沈物により形成されている凹凸部分
の凸部分を押し潰して微粒子の厚み方向の下部が埋まっ
た状態で強固に固着されており、その結果、球状マグネ
タイト粒子表面上の共沈物による凹凸が保持されている
部分は、流動性、吸油量、帯電安定性等を改良する作用
効果を発揮し、一方、非磁性酸化物微粒子又は非磁性含
水酸化物微粒子が固着されている部分は、共沈物の凹凸
部の凸部よりも高さが高くなっているため、球状マグネ
タイト粒子相互の距離をより懸隔させることができると
共に、磁気凝集がさらに弱まり、ファンデル・ワールス
力が低下することによるものと考えている。
【0069】球状粒子表面に特定元素の非磁性酸化物微
粒子又は非磁性含水酸化物微粒子を固着することなくシ
リカとアルミナの共沈物のみが固着処理されている球状
マグネ粒子粉末は、圧縮度が40%以下、吸油量が18
ml/100gであって、帯電安定性が0.8μc/g
以下であり、初期分散が1.4未満であるのに対し、シ
リカとアルミナとの共沈物上に特定元素の非磁性酸化物
微粒子又は非磁性含水酸化物微粒子を固着した本発明に
係る球状マグネタイト粒子粉末は、圧縮度が40%以
下、吸油量が18ml/100gであって、帯電安定性
が0.8μc/g以下であり、初期分散が1.4以上で
ある。
粒子又は非磁性含水酸化物微粒子を固着することなくシ
リカとアルミナの共沈物のみが固着処理されている球状
マグネ粒子粉末は、圧縮度が40%以下、吸油量が18
ml/100gであって、帯電安定性が0.8μc/g
以下であり、初期分散が1.4未満であるのに対し、シ
リカとアルミナとの共沈物上に特定元素の非磁性酸化物
微粒子又は非磁性含水酸化物微粒子を固着した本発明に
係る球状マグネタイト粒子粉末は、圧縮度が40%以
下、吸油量が18ml/100gであって、帯電安定性
が0.8μc/g以下であり、初期分散が1.4以上で
ある。
【0070】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を説明
する。
する。
【0071】尚、以下の実施例及び比較例におけるマグ
ネタイト粒子の形状は、透過型電子顕微鏡及び走査型電
子顕微鏡により観察したものである。
ネタイト粒子の形状は、透過型電子顕微鏡及び走査型電
子顕微鏡により観察したものである。
【0072】マグネタイト粒子の粒子径は、投影径の中
のMartin径(定方向に投影面積を2等分する線分
の長さ)を用い面積平均径で表した。
のMartin径(定方向に投影面積を2等分する線分
の長さ)を用い面積平均径で表した。
【0073】マグネタイト粒子の粒子表面に存在又は固
着しているSi量は、下記〜の手順に従って、全S
i量と粒子内部に含有されるSi量のそれぞれを蛍光X
線分析装置3063M型(理学電機工業製)を用いてJ
IS−K−0119の「けい光X線分析通則」に従って
蛍光X線分析を行うことによって測定し、全Si量から
粒子内部に含有されるSi量を減ずることにより求め
た。
着しているSi量は、下記〜の手順に従って、全S
i量と粒子内部に含有されるSi量のそれぞれを蛍光X
線分析装置3063M型(理学電機工業製)を用いてJ
IS−K−0119の「けい光X線分析通則」に従って
蛍光X線分析を行うことによって測定し、全Si量から
粒子内部に含有されるSi量を減ずることにより求め
た。
【0074】マグネタイト粒子の粒子表面に存在してい
るAl量も上記Si量と同様にして求めた。
るAl量も上記Si量と同様にして求めた。
【0075】先ず、生成して得られたマグネタイト粒
子粉末の全Si量(又はAl量)を、蛍光X線分析装置
により定量する。 マグネタイト粒子粉末15gに1−NのNaOH水溶
液300mlを加え、10分間超音波分散させる。 分散液を50℃で30分間、更に攪拌する。 この攪拌液を回転数10000rpmで10分間遠心
分離機にかけた後、上澄み液を分離する。 上澄み液分離後の残存固形分に1−NのNaOH水溶
液を加え、5分間超音波分散させ、次いで、遠心分離機
に10分間かけた後上澄み液を分離する。 上澄み液分離後の残存固形物にイオン交換水を加え、
5分間超音波分散させた後、遠心分離機にかける。 上澄み液を切り、固形分を乾燥させる。 蛍光X線分析装置により、上記で得られた乾燥物の
Si量(又はAl量)を定量し、マグネタイト粒子の粒
子内部に含有されるSi量(又はAl量)とする。
子粉末の全Si量(又はAl量)を、蛍光X線分析装置
により定量する。 マグネタイト粒子粉末15gに1−NのNaOH水溶
液300mlを加え、10分間超音波分散させる。 分散液を50℃で30分間、更に攪拌する。 この攪拌液を回転数10000rpmで10分間遠心
分離機にかけた後、上澄み液を分離する。 上澄み液分離後の残存固形分に1−NのNaOH水溶
液を加え、5分間超音波分散させ、次いで、遠心分離機
に10分間かけた後上澄み液を分離する。 上澄み液分離後の残存固形物にイオン交換水を加え、
5分間超音波分散させた後、遠心分離機にかける。 上澄み液を切り、固形分を乾燥させる。 蛍光X線分析装置により、上記で得られた乾燥物の
Si量(又はAl量)を定量し、マグネタイト粒子の粒
子内部に含有されるSi量(又はAl量)とする。
【0076】マグネタイト粒子の全Fe、Ti、Zr量
も前記Si量と同様にして、蛍光X線分析装置3063
M型(理学電機工業製)を用いてJIS−K−0119
の「けい光X線分析通則」に従って蛍光X線分析を行う
ことにより測定した。
も前記Si量と同様にして、蛍光X線分析装置3063
M型(理学電機工業製)を用いてJIS−K−0119
の「けい光X線分析通則」に従って蛍光X線分析を行う
ことにより測定した。
【0077】マグネタイト粒子の粒子表面に固着してい
るFe量は、下記〜の手順に従って、全Fe量と粒
子内部に含有されているFe量のそれぞれを測定し、全
Fe量から粒子内部に含有されているFe量を減ずるこ
とにより求めた。
るFe量は、下記〜の手順に従って、全Fe量と粒
子内部に含有されているFe量のそれぞれを測定し、全
Fe量から粒子内部に含有されているFe量を減ずるこ
とにより求めた。
【0078】マグネタイト粒子表面に固着しているTi
量及びZr量も上記Fe量と同様にして求めた。
量及びZr量も上記Fe量と同様にして求めた。
【0079】先ず、生成して得られるマグネタイト粒
子粉末の全Fe量(Ti量又はZr量)を、蛍光X線分
析装置により定量する。この値をIbとする。 サンプル50gをイオン交換水中1lに懸濁させ、超
音波洗浄器にて60分処理する。 磁石を用いてスピネル型酸化鉄粒子と非磁性酸化鉄微
粒子又は含水酸化鉄微粒子粉末を磁気分離する。 上澄み液を捨てた後、新たにイオン交換水1lを加
え、超音波洗浄器にて60分処理する。 この走査を3回繰り返した後、上澄み液を捨て、残差
を乾燥させた粉体を取り出す。この時のサンプルの重量
を秤り、この値をX(g)とする。 超音波洗浄後のサンプルの全Fe量(Ti量又はZr
量)を、蛍光X線分析装置により定量する。この値をI
aとする。 表面における非磁性酸化物微粒子又は非磁性含水酸化
物微粒子の量は、Is=Ib−Ia×(X/50)とし
て求めた。
子粉末の全Fe量(Ti量又はZr量)を、蛍光X線分
析装置により定量する。この値をIbとする。 サンプル50gをイオン交換水中1lに懸濁させ、超
音波洗浄器にて60分処理する。 磁石を用いてスピネル型酸化鉄粒子と非磁性酸化鉄微
粒子又は含水酸化鉄微粒子粉末を磁気分離する。 上澄み液を捨てた後、新たにイオン交換水1lを加
え、超音波洗浄器にて60分処理する。 この走査を3回繰り返した後、上澄み液を捨て、残差
を乾燥させた粉体を取り出す。この時のサンプルの重量
を秤り、この値をX(g)とする。 超音波洗浄後のサンプルの全Fe量(Ti量又はZr
量)を、蛍光X線分析装置により定量する。この値をI
aとする。 表面における非磁性酸化物微粒子又は非磁性含水酸化
物微粒子の量は、Is=Ib−Ia×(X/50)とし
て求めた。
【0080】マグネタイト粒子粉末の帯電安定性は、東
芝ケミカル社製ブローオフ帯電量測定装置を用いて、日
本鉄粉社製TEFV−200/300の鉄粉キヤリアと
30分間摩擦帯電させて帯電量を測定する操作を5回繰
り返し、この5回の測定値の最大値と最小値の差をΔQ
として示した。このΔQが小さい程帯電安定性が良いも
のである。
芝ケミカル社製ブローオフ帯電量測定装置を用いて、日
本鉄粉社製TEFV−200/300の鉄粉キヤリアと
30分間摩擦帯電させて帯電量を測定する操作を5回繰
り返し、この5回の測定値の最大値と最小値の差をΔQ
として示した。このΔQが小さい程帯電安定性が良いも
のである。
【0081】マグネタイト粒子粉末の流動性は、周知の
通り、流動性と圧縮度が密接な関係があることから、タ
ップ密度(ρt)とカサ密度(ρa)とをそれぞれ測定
し、これらの値を下記式に挿入して算出した値で示し
た。 圧縮度=〔(ρt−ρa)/(ρt)〕×100 尚、圧縮度が小さくなる程流動性がより優れたものとな
る。
通り、流動性と圧縮度が密接な関係があることから、タ
ップ密度(ρt)とカサ密度(ρa)とをそれぞれ測定
し、これらの値を下記式に挿入して算出した値で示し
た。 圧縮度=〔(ρt−ρa)/(ρt)〕×100 尚、圧縮度が小さくなる程流動性がより優れたものとな
る。
【0082】尚、カサ密度はJIS−K−5101の顔
料試験法により測定し、タップ密度は、カサ密度測定後
のマグネタイト粒子粉末10gを20ccのメスシリン
ダー中にロートを用いて静かに充填させ、次いで、25
mmの高さから自然落下させる操作を600回繰り返し
た後、充填しているマグネタイト粒子粉末の量(cc)
をメスシリンダーの目盛りから読取り、この値を下記式
に挿入して算出した値で示した。 タップ密度(g/cc)=10(g)/容量(cc)
料試験法により測定し、タップ密度は、カサ密度測定後
のマグネタイト粒子粉末10gを20ccのメスシリン
ダー中にロートを用いて静かに充填させ、次いで、25
mmの高さから自然落下させる操作を600回繰り返し
た後、充填しているマグネタイト粒子粉末の量(cc)
をメスシリンダーの目盛りから読取り、この値を下記式
に挿入して算出した値で示した。 タップ密度(g/cc)=10(g)/容量(cc)
【0083】マグネタイト粒子粉末の吸油量は、JIS
−K−5101の顔料試験法により測定した。
−K−5101の顔料試験法により測定した。
【0084】マグネタイト粒子粉末の初期分散性とは、
試料0.5gにひまし油0.5mlを加え、フーバーマ
ーラーにて1回転混練させる。この時の粒の大きさをグ
ラインドゲージで測定する。この時の値をφ1 とする。
次に、試料0.5gに、ひまし油0.5mlを加え、フ
ーバーマーラーにて5回転混練する操作を2回繰り返し
た後、グラインドゲージにて粒の大きさを測定する。こ
の時の値をφ10とするφ1 /φ10を初期分散性と定義す
る。
試料0.5gにひまし油0.5mlを加え、フーバーマ
ーラーにて1回転混練させる。この時の粒の大きさをグ
ラインドゲージで測定する。この時の値をφ1 とする。
次に、試料0.5gに、ひまし油0.5mlを加え、フ
ーバーマーラーにて5回転混練する操作を2回繰り返し
た後、グラインドゲージにて粒の大きさを測定する。こ
の時の値をφ10とするφ1 /φ10を初期分散性と定義す
る。
【0085】吸湿性は、日本ベル(株)製BERSOR
P18を用いて、マグネタイト粒子粉末を120℃にて
2時間脱気処理し、25℃の吸着温度にて水蒸気吸着等
温線を測定し、相対圧0.6の時の値を示す。この値が
大きい程吸湿性が高く、環境安定性が悪くなる。
P18を用いて、マグネタイト粒子粉末を120℃にて
2時間脱気処理し、25℃の吸着温度にて水蒸気吸着等
温線を測定し、相対圧0.6の時の値を示す。この値が
大きい程吸湿性が高く、環境安定性が悪くなる。
【0086】マグネタイト粒子の粒子表面に固着してい
る特定元素の非磁性酸化物微粒子又は非磁性含水酸化物
微粒子の付着強度は、下記の方法により算出した値で示
した。
る特定元素の非磁性酸化物微粒子又は非磁性含水酸化物
微粒子の付着強度は、下記の方法により算出した値で示
した。
【0087】マグネタイト粒子粉末50gをビーカーに
入れ、1lのイオン交換水に懸濁させ、超音波洗浄器中
で1分間処理した後、マグネタイト粒子粉末を沈降さ
せ、次いで、上澄み液を除き、マグネタイト粒子粉末を
濾別して固形分を得る。固形分をイオン交換水で洗浄
後、乾燥する。乾燥後の重量をY(g)とする。超音波
洗浄前のFe量、Ti量、Zr量、Si量又はAl量を
IBSと洗浄後のFe量、Ti量、Zr量、Si量又はA
l量をIASを蛍光X線分析装置で測定して得られた値を
それぞれ下記式に挿入して算出した。 IR =IS −{IBS−IAS×(Y/10)} 付着強度=(IR /IS )×100
入れ、1lのイオン交換水に懸濁させ、超音波洗浄器中
で1分間処理した後、マグネタイト粒子粉末を沈降さ
せ、次いで、上澄み液を除き、マグネタイト粒子粉末を
濾別して固形分を得る。固形分をイオン交換水で洗浄
後、乾燥する。乾燥後の重量をY(g)とする。超音波
洗浄前のFe量、Ti量、Zr量、Si量又はAl量を
IBSと洗浄後のFe量、Ti量、Zr量、Si量又はA
l量をIASを蛍光X線分析装置で測定して得られた値を
それぞれ下記式に挿入して算出した。 IR =IS −{IBS−IAS×(Y/10)} 付着強度=(IR /IS )×100
【0088】<マグネタイト粒子粉末の製造> 実施例1〜8、比較例1〜5
【0089】実施例1 珪酸ソーダ(3号)(SiO2 29wt%)2770g
を含む1.83mol/lのNaOH水溶液31.21
に、1.6Nの硫酸第一鉄水溶液18.8lを添加して
Fe(OH)2 を含む硫酸第一鉄水溶液を得た。この時
の鉄に対するアルカリの添加量2OH/Feは0.95
であり、Fe(OH)2 の濃度は0.6mol/lであ
った。Fe(OH)2 を含む硫酸第一鉄水溶液に90℃
の温度で毎分100lの空気を120分間通気してマグ
ネタイト粒子を含む水溶液の生成反応を行った。
を含む1.83mol/lのNaOH水溶液31.21
に、1.6Nの硫酸第一鉄水溶液18.8lを添加して
Fe(OH)2 を含む硫酸第一鉄水溶液を得た。この時
の鉄に対するアルカリの添加量2OH/Feは0.95
であり、Fe(OH)2 の濃度は0.6mol/lであ
った。Fe(OH)2 を含む硫酸第一鉄水溶液に90℃
の温度で毎分100lの空気を120分間通気してマグ
ネタイト粒子を含む水溶液の生成反応を行った。
【0090】引き続き、6NのNaOH水溶液1.58
l(Fe2+に対して1.10当量に該当する。)、pH
11.9、温度90℃において毎分100lの空気を6
0分間通気してマグネタイト粒子の生成反応を行った。
マグネタイト粒子を含むアルカリ性懸濁液の一部を採取
し、プラズマ発光分析装置を用いてSiが存在している
ことを確認した。
l(Fe2+に対して1.10当量に該当する。)、pH
11.9、温度90℃において毎分100lの空気を6
0分間通気してマグネタイト粒子の生成反応を行った。
マグネタイト粒子を含むアルカリ性懸濁液の一部を採取
し、プラズマ発光分析装置を用いてSiが存在している
ことを確認した。
【0091】このマグネタイト粒子を含むアルカリ性懸
濁液中に硫酸アルミニウム10%水溶液1.56l(マ
グネタイトに対して0.1wt%に該当する。)を加え
30分間攪拌した後、3Nの希硫酸を添加してpH7に
調整した。得られた黒色沈澱物を常法により、濾過、水
洗、乾燥して黒色粒子粉末を得た。
濁液中に硫酸アルミニウム10%水溶液1.56l(マ
グネタイトに対して0.1wt%に該当する。)を加え
30分間攪拌した後、3Nの希硫酸を添加してpH7に
調整した。得られた黒色沈澱物を常法により、濾過、水
洗、乾燥して黒色粒子粉末を得た。
【0092】この黒色粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結
果、球状を呈していた。得られた黒色粒子粉末の諸特性
を表2に示す。
果、球状を呈していた。得られた黒色粒子粉末の諸特性
を表2に示す。
【0093】尚、本発明に係るマグネタイト粒子粉末
は、水可溶性珪酸塩とアルミニウム化合物とを溶液中に
同時に存在させていることと、シリカ微粒子とアルミナ
微粒子が混合物の形態で粒子表面に付着している後出比
較例5で得られたマグネタイト粒子粉末に比べ、帯電安
定性が極めて優れており、シリカとアルミナとがより均
一に分布して電荷が平均化されていることから、シリカ
とアルミナの共沈物が付着しているものと認められる。
は、水可溶性珪酸塩とアルミニウム化合物とを溶液中に
同時に存在させていることと、シリカ微粒子とアルミナ
微粒子が混合物の形態で粒子表面に付着している後出比
較例5で得られたマグネタイト粒子粉末に比べ、帯電安
定性が極めて優れており、シリカとアルミナとがより均
一に分布して電荷が平均化されていることから、シリカ
とアルミナの共沈物が付着しているものと認められる。
【0094】実施例2〜8、比較例1〜5 Fe(OH)2 の濃度、珪酸塩の種類及び添加量、アル
カリの添加当量比、反応温度並びにAl化合物の種類及
び添加量を種々変化させた以外は、実施例1と同様にし
てマグネタイト粒子粉末を得た。
カリの添加当量比、反応温度並びにAl化合物の種類及
び添加量を種々変化させた以外は、実施例1と同様にし
てマグネタイト粒子粉末を得た。
【0095】この時の主要製造条件を表1に、マグネタ
イト粒子粉末の諸特性を表2に示す。
イト粒子粉末の諸特性を表2に示す。
【0096】尚、実施例2〜8、比較例1〜5で得られ
たマグネタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、い
ずれも球状を呈していた。
たマグネタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、い
ずれも球状を呈していた。
【0097】表2に示す通り、比較例1で得られるマグ
ネタイト粒子粉末は粒子表面に珪素のみが析出して付着
しているものであり、流動性が不十分であるとともに吸
油量が大きく、しかも、帯電安定性が劣っているもので
あった。
ネタイト粒子粉末は粒子表面に珪素のみが析出して付着
しているものであり、流動性が不十分であるとともに吸
油量が大きく、しかも、帯電安定性が劣っているもので
あった。
【0098】比較例2で得られるマグネタイト粒子粉末
は、粒子表面のシリカとアルミナの共沈物中のAl量が
多いため、吸湿性が2.0%と高く環境安定性が悪いも
のであった。
は、粒子表面のシリカとアルミナの共沈物中のAl量が
多いため、吸湿性が2.0%と高く環境安定性が悪いも
のであった。
【0099】比較例3で得られるマグネタイト粒子粉末
は、粒子表面にアルミニウムのみが析出して付着してい
るものであり、流動性が悪いものであった。
は、粒子表面にアルミニウムのみが析出して付着してい
るものであり、流動性が悪いものであった。
【0100】比較例4で得られるマグネタイト粒子粉末
は、粒子表面のシリカとアルミナの共沈物中のSi量が
多いため、吸湿性が2.3%と高く環境安定性の悪いも
のであった。
は、粒子表面のシリカとアルミナの共沈物中のSi量が
多いため、吸湿性が2.3%と高く環境安定性の悪いも
のであった。
【0101】比較例5 実施例5と同様にして得られたシリカ含有球状マグネタ
イトが生成されているアルカリ性懸濁液中に3−Nの硫
酸を添加してpHを7に調整して、溶液中に存在するシ
リカの全量をマグネタイト粒子の粒子表面に付着させ
た。次いで、このアルカリ性懸濁液中に実施例3と同量
の硫酸アルミニウム溶液をpHを7に維持しながら添加
し、粒子表面にシリカ微粒子とアルミナ微粒子とが混合
状態で付着しているマグネタイトを生成させた。
イトが生成されているアルカリ性懸濁液中に3−Nの硫
酸を添加してpHを7に調整して、溶液中に存在するシ
リカの全量をマグネタイト粒子の粒子表面に付着させ
た。次いで、このアルカリ性懸濁液中に実施例3と同量
の硫酸アルミニウム溶液をpHを7に維持しながら添加
し、粒子表面にシリカ微粒子とアルミナ微粒子とが混合
状態で付着しているマグネタイトを生成させた。
【0102】このマグネタイト粒子粉末の諸特性を表2
に示す。
に示す。
【0103】表2に示す通り、本発明に係るマグネタイ
ト粒子粉末に比べ、流動性が悪く、しかも、帯電安定性
が劣っている。
ト粒子粉末に比べ、流動性が悪く、しかも、帯電安定性
が劣っている。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】<固着処理> 実施例9〜17、比較例6〜12、参考例1〜11;
【0107】実施例9 実施例1で得られたマグネタイト粒子粉末10kgと粒
子径が0.04μmの粒状TiO2 微粉末300gを混
合し、この混合物をシンプソン・ミックスマーラーに投
入し、線荷重50kgで30分処理してTiO2 微粉末
をマグネタイト粒子粉末に固着させた。
子径が0.04μmの粒状TiO2 微粉末300gを混
合し、この混合物をシンプソン・ミックスマーラーに投
入し、線荷重50kgで30分処理してTiO2 微粉末
をマグネタイト粒子粉末に固着させた。
【0108】得られた粒子粉末は、走査型電子顕微鏡観
察の結果、球状マグネタイト粒子の粒子表面に粒状Ti
O2 微粉末が適当な間隔をおきながら付着されているこ
とが観察された。得られた粒子粉末の諸特性を表4に示
す。
察の結果、球状マグネタイト粒子の粒子表面に粒状Ti
O2 微粉末が適当な間隔をおきながら付着されているこ
とが観察された。得られた粒子粉末の諸特性を表4に示
す。
【0109】実施例10〜17 被処理マグネタイト粒子粉末、非磁性酸化物微粒子又は
非磁性含水酸化物微粒子の種類、量、固着条件を種々変
えた以外は、実施例9と同様して処理粉末を得た。
非磁性含水酸化物微粒子の種類、量、固着条件を種々変
えた以外は、実施例9と同様して処理粉末を得た。
【0110】実施例10〜17で得られた粒子粉末は、
いずれも走査型電子顕微鏡観察の結果、球状マグネタイ
ト粒子の粒子表面に微粒子が適当な間隔をおきながら付
着されていることが観察された。得られた粒子粉末の諸
特性を表4に示す。
いずれも走査型電子顕微鏡観察の結果、球状マグネタイ
ト粒子の粒子表面に微粒子が適当な間隔をおきながら付
着されていることが観察された。得られた粒子粉末の諸
特性を表4に示す。
【0111】比較例6〜12 比較例6 TiO2 を2kgとした以外は、実施例9と同様にし
て、処理粉末を得た。得られた粉末は、付着強度が低
く、帯電安定性が悪く、吸油量が高く、初期分散性も劣
るものであった。さらに、磁性トナー用磁性粒子として
は好ましくない灰色味を帯びた色を示した。
て、処理粉末を得た。得られた粉末は、付着強度が低
く、帯電安定性が悪く、吸油量が高く、初期分散性も劣
るものであった。さらに、磁性トナー用磁性粒子として
は好ましくない灰色味を帯びた色を示した。
【0112】比較例7 ZrO2 の量を2gとした以外は、実施例11と同様に
して、処理粉末を得た。得られた粉末は、分散性が悪
く、初期分散性に劣るものであった。
して、処理粉末を得た。得られた粉末は、分散性が悪
く、初期分散性に劣るものであった。
【0113】比較例8 α−Fe2 O3 の大きさを0.3μmとした以外は実施
例12と同様にして、処理粉末を得た。得られた粉末
は、付着強度が低く、初期分散性に劣るものであった。
例12と同様にして、処理粉末を得た。得られた粉末
は、付着強度が低く、初期分散性に劣るものであった。
【0114】比較例9 非磁性酸化物の量を1gとした以外は、実施例12と同
様して処理粉末を得た。得られた粉体は、初期分散性が
悪いものであった。
様して処理粉末を得た。得られた粉体は、初期分散性が
悪いものであった。
【0115】比較例10 非磁性酸化物の量を2gとした以外は、実施例14と同
様して処理粉末を得た。得られた粉体は、初期分散性が
悪いものであった。
様して処理粉末を得た。得られた粉体は、初期分散性が
悪いものであった。
【0116】比較例11 被処理粉体15kgをアルカリ性水溶液200l中に懸
濁させ、3号水ガラス259gを添加して、pH8、温
度60℃にて1時間加熱攪拌した。処理後、水洗、乾燥
して乾燥粉末を得た。得られた粉末を電子顕微鏡で観察
すると、粒子表面には粒子状シリカが存在しないことか
ら、シリカは層状構造を形成していることが認められ
た。この粉体10kgを用い、SiO2 微粒子粉末を投
入しなかった以外は、実施例15と同様にして、処理粉
末を得た。得られた粉体は、圧縮度が大きく、初期分散
性に劣るものであった。
濁させ、3号水ガラス259gを添加して、pH8、温
度60℃にて1時間加熱攪拌した。処理後、水洗、乾燥
して乾燥粉末を得た。得られた粉末を電子顕微鏡で観察
すると、粒子表面には粒子状シリカが存在しないことか
ら、シリカは層状構造を形成していることが認められ
た。この粉体10kgを用い、SiO2 微粒子粉末を投
入しなかった以外は、実施例15と同様にして、処理粉
末を得た。得られた粉体は、圧縮度が大きく、初期分散
性に劣るものであった。
【0117】比較例12 混練機器をヘンシェルミキサーとした以外は、実施例1
3と同様にして、処理粉体を得た。得られた粉体は、被
処理マグネタイト粒子表面への付着強度が弱いことに起
因して、圧縮度が大きく、吸油量が高く、更に、初期分
散性に劣るものであった。
3と同様にして、処理粉体を得た。得られた粉体は、被
処理マグネタイト粒子表面への付着強度が弱いことに起
因して、圧縮度が大きく、吸油量が高く、更に、初期分
散性に劣るものであった。
【0118】実施例9〜17及び比較例6〜12で得ら
れた処理済マグネタイト粒子粉末の処理条件を表3に、
諸特性を表4に示す。
れた処理済マグネタイト粒子粉末の処理条件を表3に、
諸特性を表4に示す。
【0119】参考例1〜11 実施例1〜8及び比較例1〜3の被処理粒子粉末を用
い、非磁性金属酸化物微粒子又は非磁性含水酸化物微粒
子粉末を添加することなく、シンプソン・ミックスマー
ラーにより処理して処理済粒子粉末を得た。得られた処
理済粒子粉末の処理条件及び諸特性を表5に示す。
い、非磁性金属酸化物微粒子又は非磁性含水酸化物微粒
子粉末を添加することなく、シンプソン・ミックスマー
ラーにより処理して処理済粒子粉末を得た。得られた処
理済粒子粉末の処理条件及び諸特性を表5に示す。
【0120】
【表3】
【0121】
【表4】
【0122】
【表5】
【0123】
【発明の効果】本発明に係る磁性トナー用磁性粒子粉末
は、前出実施例に示した通り、より流動性が高いと共に
吸油量が小さく、帯電安定性に優れており、しかも、優
れた初期分散性を有するので、磁性トナー用磁性粒子粉
末として好適である。
は、前出実施例に示した通り、より流動性が高いと共に
吸油量が小さく、帯電安定性に優れており、しかも、優
れた初期分散性を有するので、磁性トナー用磁性粒子粉
末として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 直樹 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 藤岡 和夫 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 審査官 平塚 義三 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/11 C01G 49/08 G03G 9/083 G03G 9/087
Claims (2)
- 【請求項1】 球状粒子内部に0.10〜1.00wt
%の珪素元素を含有し、且つ、球状粒子表面にシリカと
アルミナの共沈物が存在しており、更に該共沈物上にF
e,Ti,Zr,Si,Alから選ばれた元素の非磁性
酸化物微粒子粉末又は非磁性含水酸化物微粒子粉末の少
なくとも1種が0.1〜10重量%固着されている面積
平均径が0.05〜0.5μmの球状マグネタイト粒子
からなることを特徴とする磁性トナー用磁性粒子粉末。 - 【請求項2】 球状粒子内部に0.10〜1.00wt
%の珪素元素を含有し、且つ、球状粒子表面にシリカと
アルミナの共沈物が存在している面積平均径が0.05
〜0.5μmの球状マグネタイト粒子粉末100重量部
に対して、Fe,Ti,Zr,Si,Alから選ばれた
元素の非磁性酸化物微粒子粉末又は非磁性含水酸化物微
粒子粉末の少なくとも1種を0.1〜25重量部存在さ
せて、ホイール形混練機又はらいかい機を用いて圧縮、
せん断及びへらなですることにより、前記シリカとアル
ミナの共沈物上に前記非磁性酸化物微粒子粉末又は非磁
性含水酸化物微粒子粉末を固着させることを特徴とする
請求項1記載の球状マグネタイト粒子からなる磁性トナ
ー用磁性粒子粉末の製造法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06052995A JP3134978B2 (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 磁性トナー用磁性粒子粉末及びその製造法 |
US08/318,493 US5599627A (en) | 1993-10-08 | 1994-10-04 | Magnetic particles comprising magnetite core and process for producing the same |
DE69433766T DE69433766T2 (de) | 1993-10-08 | 1994-10-06 | Magnetische Teilchen und Verfahren zu ihrer Herstellung |
DE69425409T DE69425409T2 (de) | 1993-10-08 | 1994-10-06 | Magnetische Teilchen und Verfahren zu ihrer Herstellung |
EP94307364A EP0652490B1 (en) | 1993-10-08 | 1994-10-06 | Magnetic particles and process for producing the same |
EP00101094A EP0997499B1 (en) | 1993-10-08 | 1994-10-06 | Magnetic particles and process for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06052995A JP3134978B2 (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 磁性トナー用磁性粒子粉末及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07240306A JPH07240306A (ja) | 1995-09-12 |
JP3134978B2 true JP3134978B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=12930516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06052995A Expired - Fee Related JP3134978B2 (ja) | 1993-10-08 | 1994-02-25 | 磁性トナー用磁性粒子粉末及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3134978B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10043492A1 (de) * | 2000-09-01 | 2002-03-14 | Bayer Ag | Verwendung von Magnetteilchen und Verfahren zu deren Herstellung |
EP1645913B1 (en) | 2004-10-08 | 2011-03-16 | Canon Kabushiki Kaisha | Magnetic toner |
US7678524B2 (en) | 2005-05-19 | 2010-03-16 | Canon Kabushiki Kaisha | Magnetic toner |
JP5164715B2 (ja) | 2008-07-25 | 2013-03-21 | キヤノン株式会社 | トナー |
JP5930576B2 (ja) * | 2010-09-30 | 2016-06-08 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | キャリア芯材並びにそれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 |
-
1994
- 1994-02-25 JP JP06052995A patent/JP3134978B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07240306A (ja) | 1995-09-12 |
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