JP3134937B2 - 銅箔の製造方法 - Google Patents

銅箔の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は銅箔の製造方法に関する。さらに詳しくは、
本発明は銅を有する(copper−bearing)材料から銅を
抽出するために抽出剤(extractant)を使用し、そして
そのような銅から銅箔を製造する方法に関する。
発明の背景 鉱石から金属銅を回収する方法および溶媒抽出−電解
採取(以下「SX−EW」)により液体を加工処理する方法
は周知である。簡潔には、その方法は、(一般的には鉱
石からの)銅を浸出水溶液に溶解することにより得られ
る銅を有する水溶液を使用して、あるいはプロセス排液
のような銅を有する溶液を使用することにより実施され
る。その結果得られる銅の溶液は、銅に対し選択的親和
性を有する水に不溶なイオン交換組成物を含有する水に
非混和性の有機溶媒(例えば、灯油)と混合される。そ
のイオン交換組成物が、水溶液から選択的に銅を抽出す
る。水相と有機相が分離される。銅を奪われた水溶液
は、通常「抽残液(raffinate)」と呼ばれる。その抽
残液は、(浸出プロセスにおいては)浸出液体として再
利用され得、あるいは(プロセス排液からの銅の回収の
ようなプロセスにおいては)廃棄され得る。有機相(こ
れはイオン交換組成物および抽出された銅を含んでい
る)は、通常「ロードされた有機相(loaded organi
c)」と呼ばれる。目的の銅は、硫酸、リン酸、あるい
は過塩素酸のような強酸を含み、そして上記の銅を有す
る水溶液より低いpH値を有する逆抽出水溶液と混合する
ことにより、ロードされた有機相から取り出される。そ
の逆抽出水溶液が、ロードされた有機相から目的の銅を
抽出する。有機相と水相の分離後、目的の銅は逆抽出水
溶液中に存在する。得られた銅を豊富に含む逆抽出水溶
液は、通常「電解質」あるいは「富化電解質(rich ele
ctrolyte)」と呼ばれる。銅を奪われた有機相は、通常
「不毛な有機相(barren organic)」と呼ばれる。この
不毛な有機相は再利用され得る。
銅は、「電解採取」(以下時に「EW」と呼ぶ)として
既知である手法により電解質から精製された形態で回収
される。その電解採取プロセスは、典型的には銅開始シ
ート(starting sheet)またはステンレススチールのカ
ソードマザーブランク(mother blank)に銅をめっきす
ることを包含する。マザーブランクの各々の面から100
ポンドのカソードを得るには、めっきサイクルは通常約
7日を要する。そのカソードは、マザーブランクの各々
の面から機械的にはがし取られ、そしてそれから延伸、
圧伸などを包含し得る後続の加工処理に利用される。こ
れらのカソードは、しばしばロッドプラント(rod plan
t)に運ばれ、そこで連続的な鋳造を受ける。目的の銅
の回収後、銅を奪われた電解質は、時に「希薄電解質」
と呼ばれるが、それは銅の新たなロードのために逆抽出
水溶液として再利用され得る。
電着による銅箔の製造は、アノード、カソード、銅イ
オンおよび硫酸イオンを含有する電解質溶液、ならびに
電源を含む電鋳槽の使用を包含する。アノードとカソー
ドとの間への電圧印加を通じて、銅の析出がカソード表
面でもたらされる。この工程は、電解質溶液を生成する
ために硫酸に溶解される銅供給原料を用いて始まる。供
給原料は、銅ショット、銅線、銅酸化物、あるいは再生
銅のような電解質に精製された形態の銅である。次いで
得られた硫酸銅溶液は、箔製造に必要とされる高純度硫
酸銅が確実に発生するように精製される。動物性膠(an
imal glue)およびチオ尿素のような様々なタイプの箔
の性質を制御するための薬物が電解質溶液に添加され得
る。その電解質溶液は電鋳槽に汲み上げられ、そしてア
ノードとカソードとの間へ電圧を印加することで銅の電
着が起こる。典型的には、その方法は、様々な直径およ
び幅を有し得る円筒状カソードの使用を包含する。アノ
ードは、アノードとカソードとの間の一定の離隔距離あ
るいは間隔を維持するように、カソードの湾曲と同様に
湾曲している。
先行技術の電着プロセスにおいて使用される電解的に
精製された銅供給原料は、しばしば上述のタイプのSX−
EW技術を使用して生産される。それらは伝統的な製錬お
よび精錬技術を用いても生産される。先行技術の電着プ
ロセスは、まず最初に銅供給原料をダイジェスタにおい
て溶解して銅イオンを生成することを包含するが、その
プロセスは緩慢であり、コントロールが難しく、そして
ダイジェスタに仕込まれる高価な純粋銅を大量に必要と
する。仮に、銅箔が、銅鉱石あるいは銅を含有する廃棄
物のような比較的不純な銅供給源から、最初の電解法を
使用した純粋銅の回収工程およびその後の電解質溶液用
の銅イオンを得るための純粋銅金属の溶解工程という追
加の工程を経ることなく直接製造できれば、有益であ
る。本発明はこのような利点を提供するものである。
本発明の方法によれば、銅箔は、先行技術に比べると
より少ない操作工程を使用して製造される。本発明の方
法はその製造において、電解採取、延伸などの先行技術
において使用される電解的に精製された銅供給源(例え
ば、銅ショット、銅線、銅酸化物、再生銅など)の製造
において使用される追加工程を必要としない銅供給源を
利用する。また、本発明の方法は、先行技術の電着プロ
セスの開始時に使用される溶解工程の使用も必要としな
い。本発明の方法において使用される抽出工程から本方
法の電解質溶液へ運ばれる不純物は、銅箔の性能特性を
低下させない。本発明の方法により製造される銅箔は、
先行技術に比べると簡素化され、そしてより低い費用の
方式で製造される。
発明の要旨 本発明は、銅を有する材料から銅箔を製造する方法で
あって、以下の工程: (A) 該銅を有する材料を少なくとも一種の有効量の
浸出水溶液と接触させ、銅イオンを該浸出溶液に溶解
し、そして銅を豊富に含む浸出水溶液を生成する工程; (B) 該銅を豊富に含む浸出水溶液を少なくとも一種
の有効量の水不溶性抽出剤と接触させ、銅イオンを該銅
を豊富に含む浸出水溶液から該抽出剤に移動させ、銅を
豊富に含む抽出剤および銅を奪われた浸出水溶液を生成
する工程; (C) 該銅を豊富に含む抽出剤を該銅を奪われた浸出
水溶液から分離する工程; (D) 該銅を豊富に含む抽出剤を少なくとも一種の有
効量の逆抽出水溶液と接触させ、銅イオンを該抽出剤か
ら該逆抽出溶液に移動させ、銅を豊富に含む逆抽出液お
よび銅を奪われた抽出剤を生成する工程; (E) 該銅を豊富に含む逆抽出液を該銅を奪われた抽
出剤から分離する工程; (F) 該銅を豊富に含む逆抽出液をアノードと回転式
カソードとの間に流し、そして有効量の電圧を該アノー
ドと該カソード間に印加して銅を該カソード上に析出さ
せる工程;および (G) 銅箔を該カソードから連続的に取り外す工程、 を包含する方法である。
図面の簡単な説明 図1は好ましい実施態様における本発明の方法を説明
するフローシートである。
好ましい実施態様の説明 銅を有する材料は、銅が抽出され得るあらゆる銅供給
源であり得る。これらの供給源は、銅鉱石、製錬所の排
気筒の塵、銅セメント、硫酸銅、および銅を含む廃棄物
を包含する。「銅を含む廃棄物」という用語は、銅を含
むあらゆる固状あるいは液状の廃棄材(例えば、ごみ、
スラッジ、廃液など)のことをいう。これらの廃棄材は
有害廃棄物を包含する。使用し得る廃棄物の特定の例
は、使い古された塩化銅(cupric chloride)エッチン
グ液を処理して得られる銅酸化物である。また、先行技
術で使用される銅供給源、例えば銅ショット、銅線、再
生銅なども使用され得るが、しかしそのような先行技術
の供給源が使用される場合は、本発明の方法を使用する
経済的な利点が減ずる。
一つの実施態様において、露天掘り鉱山からの銅鉱石
が、銅を有する材料として使用される。その鉱石は、厚
手の高密度ポリエチレンライナーのような裏当てが下に
敷かれ、浸出液が周囲の分水界中に失われるのを防いで
いる領域に典型的に建設される堆積(heap)浸出ダンプ
に運搬される。典型的な堆積浸出ダンプは、ある表面
積、例えば125,000平方フィートの表面積を有し、そし
ておよそ110,000トンの鉱石を収容する。浸出が進むに
つれ、そして新たなダンプが古いダンプの頂上に積み上
げられるにつれ、ダンプはますます高くなり、そして結
局、例えば約250フィートかそれ以上の高さに達する。
パイプのネットワークおよびウォブラー(wobbler)ス
プリンクラーが、新たに完成したダンプの表面に据え付
けられ、そして希薄な硫酸溶液が、連続的にある流量
で、例えば100平方フィートの表面積あたり1分間に約
0.8ガロンの流量で噴霧される。浸出溶液は、ダンプに
浸透し、鉱石中の銅を溶解し、ダンプベースから銅を豊
富に含む浸出水溶液として流れ、収集池に排出され、そ
して本発明の方法を使用する後続の処理のための供給池
に汲み上げられる。
いくつかの採掘作業とともに、原位置(in−situ)浸
出が、銅鉱石から銅を抽出するために使用される。この
プロセスにより得られる銅を豊富に含む浸出溶液は、本
発明の方法において銅を有する材料として使用され得
る。原位置浸出は、酸に可溶な酸化物の鉱石の埋蔵が露
天掘り領域の真下、そして地下鉱山の採掘部分より上部
にある場合に有用である。注入坑井はある深さ、例えば
約1000フィートの深さでこの領域に掘られる。その坑井
は、ポリ塩化ビニルのパイプで覆われ、その底部は溶液
が鉱石の中に入れるように溝穴があけられる。希硫酸の
浸出溶液は、各々の坑井の中にその坑井が掘られている
領域の浸透性に依存する流量で注入される。溶液は、鉱
石領域に浸透し、銅鉱物を溶解し、そして用意された収
集域に流れ出す。その収集域は、例えば地下鉱山の運搬
坑道であり得る。生成された銅を有する浸出水溶液は、
地表に耐腐食性のポンプシステムにより汲み上げられ、
これは本発明の方法のための銅を有する材料としての使
用に役立つ。
浸出ダンプと原位置浸出との両方が用いられる採掘作
業において、各々からの銅を有する浸出溶液(時にプレ
グナント(pregnant)浸出溶液と呼ぶ)は、一つにまと
められ、そして本発明の方法における銅を有する材料と
して使用され得る。
本発明の方法の工程(A)において使用される浸出水
溶液は、好ましくは硫酸溶液あるいはアンモニア溶液で
ある。硫酸溶液は、好ましくは1リットルあたり約5か
ら約50グラム、さらに好ましくは1リットルあたり約5
から約40グラム、さらに好ましくは1リットルあたり約
10から約30グラムの範囲の遊離硫酸濃度を有する。
アンモニア溶液は、好ましくは1リットルあたり約20
から約140グラム、さらに好ましくは1リットルあたり
約30から約90グラムの範囲のアンモニア濃度を有する。
この溶液のpH値は、好ましくは約7から約11、さらに好
ましくは約8から約9までの範囲にある。
工程(A)の間に生成される銅を豊富に含む浸出水溶
液すなわちプレグナント浸出溶液は、好ましくは1リッ
トルあたり約0.8から約5グラム、さらに好ましくは1
リットルあたり約1から約3グラムの範囲の銅イオン濃
度を有する。工程(A)において使用される浸出溶液が
硫酸溶液である場合、銅を豊富に含む浸出水溶液中の遊
離硫酸濃度は、好ましくは1リットルあたり約5から約
30グラム、さらに好ましくは1リットルあたり約10から
約20グラムまである。工程(A)において使用される浸
出溶液がアンモニア溶液である場合、銅を豊富に含む浸
出水溶液中の遊離アンモニア濃度は、好ましくは1リッ
トルあたり約10から約130グラム、さらに好ましくは1
リットルあたり約30から約90グラムまでである。
本発明の方法の工程(B)において使用される水に不
溶な抽出剤は、銅イオンを水性媒体から抽出する能力を
有するあらゆる水不溶性の抽出剤であり得る。一つの実
施態様において、抽出剤は、水に非混和性の有機溶媒に
溶解される。(「水に非混和性」および「水に不溶性」
という用語は、25℃で1リットルあたり約1グラムのレ
ベルを越えて水に溶けない組成物のことをいう。)その
溶媒は、抽出剤のためのあらゆる水に非混和性の溶媒で
あり得、灯油、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタ
レン、燃料油、ヂーゼル燃料などが有用であり、そして
灯油が好ましい。有用な灯油の例は、SX−7およびSX−
12の商品名でPhillips Petroleumより入手可能なものを
含む。抽出剤は、好ましくは炭化水素連鎖の異なる炭素
原子に結びついた少なくとも二つの官能基を含む有機化
合物であって、その官能基の一つが−OHであり、そして
その官能基の他方が=NOHである有機化合物である。こ
れらの化合物はオキシムと呼ばれ得る。
一つの実施態様において、抽出剤は下式で表されるオ
キシムである ここでR1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は独立して水素
あるいはヒドロカルビル基である。好ましい実施態様に
おいて、R1およびR4はそれぞれブチルであり;R2、R3
よびR6はそれぞれ水素であり;そしてR5およびR7はそれ
ぞれエチルである。この好ましい実施態様の構造をもつ
化合物は、LIX 63の商品名のもとHenkel Corporationよ
り入手可能である。
一つの実施態様において、抽出剤は下式で示されるオ
キシムである ここでR1およびR2は独立して水素あるいはヒドロカルビ
ル基である。有用な実施態様は、R1が約6から約20個の
炭素原子を、好ましくは約9から約12個の炭素原子を有
するアルキル(alkyl)基であり;そしてR2は水素、1
から約4個の炭素原子、好ましくは1または2個の炭素
原子を有するアルキル基、あるいはR2はフェニルであ
る。フェニル基は置換し得、または置換され得ないが、
後者が好ましい。以下の化合物は、上記の式に基づく化
合物であって、下記の商品名でHenkel Corporationより
入手可能であり、本発明の方法にとって有用である:商品名 R1 R2 LIX 65 ノニル フェニル LIX 84 ノニル メチル LIX 860 ドデシル 水素 他の有用な材料で市販されておりHenkel Corporationよ
り入手可能な材料は:LIX 64N(LIX 65とLIX 63の混合物
と同一);ならびにLIX 864およびLIX 984(LIX 860とL
IX 84の混合物と同一)を含む。
一つの実施態様において、抽出剤は下式で示されるβ
−ジケトンである ここでR1およびR2は独立してアルキル基あるいはアリー
ル基である。アルキル基は、好ましくは1から約10個の
炭素原子を含む。アリール基は好ましくはフェニルであ
る。上記の式に対応し、Henkel Corporationより入手可
能な市販の抽出剤の例の一つは、LIX 54である。これら
β−ジケトンは、本発明の方法の工程(A)において使
用される浸出溶液がアンモニア溶液である場合に特に有
用である。
有機溶液中の抽出剤の濃度は、好ましくは約2から約
40重量%の範囲にある。一つの実施態様において、有機
溶液は、約5から約10重量%、好ましくは約6から約8
重量%、さらに好ましくは約7重量%のLIX 984を含
み、残りはSX−7である。
一つの実施態様において、抽出剤はイオン交換樹脂で
ある。これらの樹脂は典型的には2つの基本部分:構造
部分として供される樹脂基質と機能部分として供される
イオン活性基とからなる小さな顆粒状あるいはビーズ様
の材料である。官能基は、好ましくは銅イオンと反応性
の官能基群から選択される。そのような官能基の例は、
−SO3 -、−COO- を包含する。好ましい樹脂マトリックスは、スチレンと
ジビニルベンゼンとの共重合体を包含する。使用し得る
市販の樹脂の例は、RC−718(3級のアミンが置換され
たスチレンとジビニルベンゼンとの共重合体であるRohm
& Haasの製品)、IR−200(スルホン化されたスチレ
ンとジビニルベンゼンとの共重合体であるRohm & Haas
の製品、IR−120(スルホン化スされたチレンとジビニ
ルベンゼンとの共重合体であるRohm & Haasの製品)、
XFS 4196(N−(2−ヒドロキシエチル)−ピコリルア
ミン(N−(2−hydroxyethyl)−picolylamine)が付
与されている大孔性のポリスチレン/ジビニルベンゼン
共重合体であるDowの製品)、およびXFS 43084(N−
(2−ヒドロキシプロピル)−ピコリルアミン(N−
(2−hydroxypropyl)−picolylamine)が付加されて
いる大孔性のポリスチレン/ジビニルベンゼン共重合体
であるDowの製品)を包含する。これらの樹脂は、好ま
しくは本発明の方法において固定ベッドあるいは移動ベ
ッドとして使用される。本発明の方法の工程(B)の
間、樹脂な工程(A)からの銅を豊富に含む浸出水溶液
と接触され、その接触は銅イオンが浸出溶液から樹脂に
移動するのに充分である。次いで、銅を豊富に含む樹脂
は工程(D)の間に逆抽出され、工程(B)の間に使用
され得る銅を逆抽出されたまたは銅を奪われた樹脂を供
給する。
本発明の方法の工程(C)の間に分離される銅を豊富
に含む抽出剤は、好ましくは抽出剤1リットルあたり約
1から約6グラム、さらに好ましくは抽出剤1リットル
あたり約2から約4グラムの範囲の銅濃度を有する。工
程(C)の間に分離される銅を奪われた浸出水溶液は、
好ましくは1リットルあたり約0.01から約0.8グラム、
さらに好ましくは1リットルあたり約0.04から約0.2グ
ラムの範囲の銅イオンの濃度を有する。工程(A)にお
いて使用される浸出溶液が硫酸溶液である場合、工程
(C)の間に分離される銅を奪われた浸出水溶液中の遊
離硫酸濃度は、好ましくは1リットルあたり約5から約
50グラム、さらに好ましくは1リットルあたり約5から
約40グラム、さらに好ましくは1リットルあたり約10か
ら約30である。工程(A)において使用される浸出溶液
がアンモニア溶液である場合、工程(C)の間に分離さ
れる銅を奪われた浸出水溶液中の遊離アンモニア濃度
は、好ましくは1リットルあたり約10から約130グラ
ム、さらに好ましくは1リットルあたり約30から約90グ
ラムである。
一つの実施態様において、本発明の方法の接触および
分離工程(B)および(C)は、二段階で行われる。こ
の実施態様において、工程(B−1)および(B−2)
は接触工程であり、(C−1)および(C−2)は分離
工程である.このように、この実施態様においては、本
発明の方法は、以下の一連の工程(A)、(B−1)、
(C−1)、(B−2)、(C−2)、(D)、
(E)、(F)および(G)を包含し、これら内の数個
の工程からのプロセスの流れが本方法の他の工程に再循
環させられる方法である。工程(B−1)は、工程
(A)の間に生成される銅を豊富に含む浸出水溶液を工
程(C−2)からの少なくとも一種の銅を有する(copp
er−bearing)水不溶性抽出剤の有効量と接触させ、銅
イオンを前記銅を豊富に含む浸出水溶液から前記銅を有
する抽出剤に移動させ、銅を豊富に含む抽出剤および第
一の銅を奪われた浸出水溶液を生成することを包含す
る。工程(C−1)は、工程(B−1)の間に生成され
る銅を豊富に含む抽出剤を、工程(B−1)の間に生成
される第一の銅を奪われた浸出水溶液から分離すること
を包含する。工程(C−1)の間に分離される銅を豊富
に含む抽出剤は、好ましくは抽出剤1リットルあたり約
1から約6グラム、さらに好ましくは抽出剤1リットル
あたり約2から約4グラムの範囲の銅濃度を有する。工
程(C−1)の間に分離される第一の銅を奪われた浸出
水溶液は、好ましくは1リットルあたり約0.4から約4
グラム、さらに好ましくは1リットルあたり約0.5から
約2.4グラムの範囲の銅イオン濃度を有する。工程
(A)において使用される浸出溶液が硫酸溶液である場
合、工程(C−1)の間に分離される第一の銅を奪われ
た浸出水溶液中の遊離硫酸濃度は、好ましくは1リット
ルあたり約5から約50グラム、さらに好ましくは1リッ
トルあたり約5から約30グラム、さらに好ましくは1リ
ットルあたり約10から約20グラムである。工程(A)に
おいて使用される浸出溶液がアンモニア溶液である場
合、工程(C−1)の間に分離される第一の銅を奪われ
た浸出水溶液中の遊離アンモニア濃度は、好ましくは1
リットルあたり約10から約130グラム、さらに好ましく
は1リットルあたり約30から約90グラムである。
工程(B−2)は、工程(C−1)の間に分離される
第一の銅を奪われた浸出水溶液を、工程(E)からの少
なくとも一種の有効量の銅を奪われた抽出剤と接触さ
せ、銅イオンを前記第一の銅を奪われた浸出水溶液から
前記銅を奪われた抽出剤に移動させて、銅を有する抽出
剤および第二の銅を奪われた浸出水溶液を生成すること
を包含する。工程(C−2)は、工程(B−2)の間に
生成される銅を有する抽出剤を、工程(B−2)の間に
生成される第二の銅を奪われた浸出水溶液から分離する
ことを包含する。工程(C−2)の間に分離される銅を
有する抽出剤は、好ましくは抽出剤1リットルあたり約
0.5から約4グラム、さらに好ましくは抽出剤1リット
ルあたり約1から約2.4グラムの範囲の銅濃度を有す
る。工程(C−2)の間に分離される第二の銅を奪われ
た浸出水溶液は、好ましくは1リットルあたり約0.01か
ら約0.8グラム、さらに好ましくは1リットルあたり約
0.04から約0.2グラムの範囲の銅イオン濃度を有する。
工程(A)において使用される浸出溶液が硫酸溶液であ
る場合、工程(C−2)の間に分離される第二の銅を奪
われた浸出水溶液中の遊離硫酸濃度は、好ましくは1リ
ットルあたり約5から約50グラム、さらに好ましくは1
リットルあたり約5から約40グラム、さらに好ましくは
1リットルあたり約10から約30グラムである。工程
(A)において使用される浸出溶液がアンモニア溶液で
ある場合、工程(C−2)の間に分離される第二の銅を
奪われた浸出水溶液中の遊離アンモニアの濃度は、好ま
しくは1リットルあたり約10から約130グラム、さらに
好ましくは1リットルあたり約30から約90グラムであ
る。
本発明の方法の工程(D)において使用される逆抽出
溶液は、好ましくは1リットルあたり約80から約170グ
ラム、さらに好ましくは1リットルあたり約90から約12
0グラムの範囲の遊離硫酸濃度を有する硫酸溶液であ
る。工程(D)の間に生成される銅を豊富に含む逆抽出
液は、好ましくは1リットルあたり約50から約150グラ
ム、さらに好ましくは1リットルあたり約90から約110
グラムの範囲の銅イオン濃度;および好ましくは約70か
ら約140、さらに好ましくは1リットルあたり約80から
約110グラムの範囲の遊離硫酸濃度を有する。
本発明の方法の電着工程(F)および(G)は、工程
(E)からの銅を豊富に含む逆抽出液を電鋳槽に送るこ
とを包含する。電鋳槽において処理される銅を豊富に含
む逆抽出液は、銅を豊富に含む逆抽出液または電解質溶
液のいずれかで呼ばれ得る。好ましくは、それは、電着
される箔が、破断および/または不連続を含まないこと
を確実にするために、電鋳槽に入る前に精製あるいは濾
過プロセスに供される。電圧がアノードとカソードとの
間に印加されると、銅の電着がカソードで生じる。電流
は好ましくは直流あるいは直流バイアスを有する交流で
ある。電着された箔は、カソードの回転に伴い連続する
ウェッブとしてカソードから取り外される。それはロー
ル状に巻き取られ得る。回転式カソードは、好ましくは
円筒状マンドレルの形状である。しかし、あるいは、カ
ソードは移動式ベルトの形状であり得る。これら両方の
デザインとも当該分野において既知である。アノード
は、アノードとカソードとの間の一定の隔絶を提供する
ために、カソードの湾曲形状と同様の湾曲形状を有す
る。この隔絶は好ましくは長さ約0.3から約2センチメ
ートルまでである。
アノードとカソードとの間の隔絶を通って流れる電解
質溶液の流速は、好ましくは毎秒約0.2から約5メート
ル、さらに好ましくは毎秒約1から約3メートルの範囲
である。電解質溶液は、好ましくは1リットルあたり約
70から約170グラム、さらに好ましくは1リットルあた
り約80から約120グラムの範囲の遊離硫酸濃度を有す
る。電鋳槽における電解質溶液の温度は、好ましくは約
25℃から約100℃、さらに好ましくは約40℃から約70℃
の範囲である。銅イオン濃度(CuSO4に含まれる)は、
好ましくは1リットルあたり約40から約150グラム、さ
らに好ましくは1リットルあたり約70から約130グラ
ム、さらに好ましくは1リットルあたり約90から約110
グラムの範囲である。遊離塩素イオン濃度は、好ましく
は約300ppmまで、さらに好ましくは約150ppmまで、さら
に好ましくは約100ppmまでである。一つの実施態様にお
いて、遊離塩素イオン濃度は約40から約100ppmまで、あ
るいは約50から約80ppmまでである。不純物のレベル
は、好ましくは1リットルあたり約20グラムを越えない
レベルであり、そして典型的には1リットルあたり約0.
5から約10グラムの範囲である。電流密度は、好ましく
は1平方フィートあたり約100から約3000アンペア、さ
らに好ましくは1平方フィートあたり約400から約1800
アンペアの範囲である。
電着の間、電解質溶液は随意に一あるいはそれ以上の
活性硫黄含有物質を含有し得る。「活性硫黄含有物質」
という用語は、2価の硫黄原子の両方のボンドが一つの
炭素原子に直接結合し、同時に一つあるいはそれ以上の
窒素原子もまたその炭素原子に結合している硫黄原子を
含むことを一般的に特徴とする物質をいう。この化合物
群においては、硫黄原子または窒素原子と炭素原子との
間で二重結合が、いくつかの場合には存在し得るか、あ
るいは交替し得る。チオ尿素は有用な活性硫黄含有物質
である。以下の核を有するチオ尿素 およびS=C=N−の原子配置を有するイソチオシアネ
ート(iso−thiocyanate)は有用である。チオシナミン
(thiosinamine)(アリルチオ尿素)およびチオセミカ
ルバジドもまた有用である。活性硫黄含有物質は、電解
質溶液に可溶であり、そして他の成分と相溶性があるべ
きである。電着の間の電解質溶液中の活性硫黄含有物質
の濃度は、好ましくは約20ppmまで、さらに好ましくは
約0.1から約15ppmの範囲である。
電解質溶液はまた、随意に一種あるいはそれ以上のゼ
ラチンを含有し得る。ここで有用なゼラチンは、コラー
ゲンから誘導される水溶性タンパクの異種混合体であ
る。動物性膠は比較的高価でなく、市販されており、そ
して取り扱いに便利なことから好ましいゼラチンであ
る。電解質溶液中のゼラチン濃度は、好ましくは約20pp
mまでであり、さらに好ましくは約10ppmまで、そして好
ましくは約0.2から約10ppmの範囲である。
電解質溶液は、当該分野において既知である。電着さ
れる箔の性質をコントロールするための他の添加剤をも
また随意に含有し得る。例としては、糖蜜(molasse
s)、グアーガム(guar gum)、ポリアルキレングリコ
ール類(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリイソプロピレングリコールな
ど)、ジチオスレイトール、アミノ酸類(例えば、プロ
リン、ヒドロキシプロリン、システインなど)、アクリ
ルアミド、スルホプロピルジスルフィド、テトラエチル
チウラムジスルフィド(tetraethylthiuram disulfid
e)、塩化ベンジル、エピクロルヒドリン、クロルヒド
ロキシプロピルスルホネート(chlorohydroxylpropyl s
ulfonate)、アルキレンオキシド類(例えば、エチレン
オキシド、プロピレンオキシドなど)、スルホニウムア
ルカンスルホネート(sulfonium alkane sulfonate
s)、チオカルバモイルジスルフィド(thiocarbamoyldi
sulfide)、セレン酸(selenic acid)、あるいはそれ
ら二種あるいはそれ以上の混合物が挙げられる。これら
添加剤は、好ましくは約20ppmまで、さらに好ましくは
約1から約10ppmまでの濃度で使用される。
電着工程(F)の間、拡散制限電流密度(IL)に対す
る印加される電流密度(I)の比率を、約0.4あるいそ
れ以下のレベルに、さらに好ましくは約0.3あるいはそ
れ以下のレベルに維持するのが好ましい。すなわち、I/
ILは、好ましくは約0.4あるいはより低い値であり、さ
らに好ましくは約0.3あるいはより低い値である。加え
られる電流密度(I)は、電極表面の単位面積あたりに
加えられるアンペア数である。拡散制限電流密度(IL
は、銅が析出され得る最大の割合である。最大析出率
は、銅イオンが先の析出により奪われた銅イオンに置き
代わるためにどれだけ速くカソード表面に拡散し得るか
により制限される。それは式 により計算され得る。前述の式中で使用される用語およ
びそれらの単位は以下に定義される:記号 説明 単位 I 電流密度 アンペア/cm2 IL 拡散制限電流密度 アンペア/cm2 n 当量電荷 当量/モル F ファラデー定数 96487(アンペア)(秒)/当量 C 全2価銅イオン濃度 モル/cm3 D 拡散係数 cm2/秒 δ 濃度境界層の厚さ cm t 銅移動数 無次元 境界層の厚さδは粘性率、拡散係数、および流速の関数
である。一つの実施態様において、以下のパラメータ値
が銅粉末の電着において有用である:パラメータ I(A/cm2) 1.0 n(eq/モル) 2 D(cm2/s) 3.5x10-5(モル/cm3,Cu+2(CuSO4として)) 1.49x10-3 温度(℃) 60 遊離硫酸温度(g/) 90 動粘性率(cm2/s) 0.0159 流速(cm/s) 200 本発明の方法の好ましい実施態様を説明するフローシ
ートである図1にここで言及すると、銅浸出ダンプ10は
銅箔12を製造するための本発明の方法に従って処理され
る。その方法は、沈澱槽14、15および16、集積池17、ミ
キサー18、20および22、回転式の円筒状カソード26およ
びアノード28を含む電鋳槽24、ならびにフィルター30お
よび32の使用を包含する。この実施態様において、本発
明の方法の工程(A)は浸出ダンプ10で行われる。工程
(B)および(C)は、ミキサー18および20ならびに沈
澱槽14および15を使用して二段階で行われる。工程
(D)および(E)は、ミキサー22および沈澱槽16を使
用して行われる。工程(F)および(G)は、電鋳槽24
を使用して行われる。
ライン40からの浸出水溶液は、浸出ダンプ10の表面に
噴霧される。その浸出溶液は、約5から約50、さらに好
ましくは約5から約40、さらに好ましくは1リットルあ
たり約10から約30グラムの範囲の遊離硫酸濃度を有する
硫酸溶液である。その浸出溶液は、ダンプに浸透し、鉱
石中の銅を溶解し、銅を豊富に含む浸出水溶液(時には
プレグナント浸出溶液と呼ぶ)としてダンプペース11を
通って流れ、ライン13を通って集積池17に流れ込み、そ
してそこからライン41を通ってミキサー20に汲み上げら
れる。ミキサー20に汲み上げられる銅を豊富に含む浸出
水溶液は、好ましくは約0.8から約5、さらに好ましく
は1リットルあたり約1から約3グラムの範囲の銅イオ
ン濃度;および好ましくは約5から約30、さらに好まし
くは1リットルあたり約10から約20グラムの範囲の遊離
硫酸濃度を有する。ミキサー20において、銅を豊富に含
む浸出水溶液は、沈澱槽15のせき78からライン79、80お
よび42を通ってミキサー20に汲み上げられる銅を有する
有機溶液と混合される。ミキサー20に加えられる銅を有
する有機溶液中の銅濃度は、好ましくは有機溶液中の抽
出剤1リットルあたり約0.4から約4グラムまで、さら
に好ましくは有機溶液中の抽出剤1リットルあたり約1
から約2.4グラムまでである。ミキサー20における混合
の間に、有機相および水相が形成し、そして混ざり合
う。銅イオンは水相から有機相に移動する。その混合液
は、ミキサー20からライン43を通って沈澱槽14に汲み上
げられる。沈澱槽14において、水相および有機相が分離
し、有機相が上層に形成され、そして水相が下層に形成
される。その有機相が、せき48に集められ、そしてライ
ン49、50および51を通ってミキサー22に汲み上げられ
る。この有機相が、銅を豊富に含む有機溶液(ロードさ
れた有機溶液と呼ばれ得る)である。この銅を豊富に含
む有機溶液は、好ましくは有機溶液中の抽出剤1リット
ルあたり約1から約6グラム、さらに好ましくは有機溶
液中の抽出剤1リットルあたり約2から約4グラムの範
囲の銅濃度を有する。
銅を豊富に含む有機溶液は、ミキサー22において銅を
奪われた逆抽出溶液と混合される。その銅を奪われた逆
抽出溶液(希薄電解質と呼ばれ得る)は、電鋳槽24にお
いて生成され、そしてライン52、54、56、58および60を
通りミキサー22に汲み上げられる。この銅を奪われた逆
抽出溶液は、好ましくは約80から約170、さらに好まし
くは1リットルあたり約90から約120グラムの範囲の遊
離硫酸濃度;および好ましくは約40から約120、さらに
好ましくは約80から約100、さらに好ましくは1リット
ルあたり約90から約95グラムの範囲の銅イオン濃度を有
する。新鮮な逆抽出溶液の補充は、ライン62を通ってラ
イン60に加えられ得る。銅を豊富に含む有機溶液および
銅を奪われた逆抽出溶液は、ミキサー22において混合さ
れ、その結果、水相と混合した有機相を生成する。銅イ
オンは有機相から水相に移動する。その混合液は、ミキ
サー22からライン63を通り沈澱槽16に汲み上げられる。
沈澱槽16において、有機相が水相から分離され、その有
機相がせき64に集められる。この有機相が、銅を奪われ
た有機溶液である(時には不毛な有機溶液と呼ばれ
る)。この銅を奪われた有機溶液は、好ましくは有機溶
媒中の抽出剤1リットルあたり約0.5から約2グラム、
さらに好ましくは有機溶液中の抽出剤1リットルあたり
約0.9から約1.5グラムの範囲の銅濃度を有する。その銅
を奪われた有機溶液は、沈澱槽16からライン65、66、68
および70を通りミキサー18に汲み上げられる。新鮮な有
機溶液の補充が、ライン72を通りライン68に加えられ得
る。
銅を含む浸出水溶液は、沈澱槽14からライン73、74、
75および76を通りミキサー18に汲み上げられる。この銅
を含む浸出水溶液は、好ましくは約0.4から約4、さら
に好ましくは1リットルあたり約0.5から約2.4グラムの
範囲の銅イオン濃度;および約5から約50、さらに好ま
しくは約5から約30、さらに好ましくは1リットルあた
り約10から約20グラムの範囲の遊離硫酸濃度を有する。
ミキサー189において、有機相および水相が形成し、混
合し、そして銅イオンが水相から有機相に移動する。そ
の混合液がライン77を通り沈澱槽15に汲み上げられる。
沈澱槽15において、有機相が水相から分離され、その有
機相がせき78に集められる。この有機相が、銅を含む有
機溶液であって、沈澱槽15からライン79、80および42を
通りミキサー20に汲み上げられる。この銅を含む有機溶
液は、好ましくは有機溶液中の抽出剤1リットルあたり
約0.5から約4グラム、さらに好ましくは有機溶液中の
抽出剤1リットルあたり約1から約2.4グラムの範囲の
銅濃度を有する。沈澱槽15における水相は、銅を奪われ
た浸出水溶液であり、ライン81および82を通りライン40
に汲み上げられ、そこで浸出ダンプ10上に噴霧される。
新鮮な浸出溶液の補充が、ライン83を通りライン81に加
えられ得る。
沈澱槽16において分離された水槽が、銅を豊富に含む
逆抽出液である。それは、沈澱槽16からライン85および
86を通りフィルター30に汲み上げられ、そしてフィルタ
ー30からライン87および88を通って電鋳槽24に汲み上げ
られる。この銅を豊富に含む逆抽出液は、好ましくは約
50から約150、さらに好ましくは1リットルあたり約90
から約110グラムの範囲の銅イオン濃度;および好まし
くは約70から約140、さらに好ましくは1リットルあた
り約80から約110グラムの範囲の遊離硫酸濃度を有す
る。電鋳槽24に入ってくる銅を豊富に含む逆抽出液もま
た、電解質溶液25と呼ばれ得る。電解質溶液25は、回転
式カソード26とアノード28との間の間隙27の中を流れ
る。電圧がアノード28とカソード26との間に印加される
と、銅の電着がカソード表面26aで起こる。電着された
箔は、カソードの回転に従い、カソードから連続するウ
ェブ12として取り外され、箔ロール12aとして集められ
る。
電解質溶液25は、電鋳槽24において銅を奪われた電解
質溶液に転化され、そして槽24からライン52を通って引
き抜かれる。ライン52における銅を奪われた電解質溶液
は、好ましくは約40から約120、さらに好ましくは約80
から約100、さらに好ましくは1リットルあたり約90か
ら約95グラムの範囲の銅イオン濃度;および好ましくは
約80から約170、さらに好ましくは1リットルあたり約9
0から約120グラムの範囲の遊離硫酸濃度を有する。この
銅を奪われた電解質は:(1)ライン52、54および89を
通りフィルター32へ、そしてフィルター32を通りライン
90、91および88へ、さらに槽24に再循環して戻るか;あ
るいは(2)銅を奪われた逆抽出溶液としてライン52、
54、56、58および60を通りミキサー22に汲み上げられる
かのいずれかである。随意に、活性硫黄含有物質、ゼラ
チンおよび/または他の所望の上記で議論されたタイプ
の添加剤が、ライン92を通じてライン89において、ある
いはライン93を通じライン88において再循環溶液に加え
られ得る。
電鋳槽24で、当該分野において周知の電気的手段が、
アノード28とカソード26との間に電流を与えるために供
される。電流は好ましくは直流あるいは直流バイアスを
有する交流である。電解質溶液25中の銅イオンは、カソ
ード26の周縁表面26aで電子を得て、それにより金属性
銅が箔層の形でメッキされる。カソード26は、その軸26
bのまわりを連続的に回転し、そして箔層は、連続する
ウェッブ12としてカソード表面26aから連続的に引き取
られ、ロール12aとして集められる。
電鋳槽24における電着プロセスは、電解質溶液25から
銅イオン、および、使用した場合、ゼラチンと活性硫黄
含有物質を奪う。これらの成分は補充される。電解質
は、ライン88を通じて補充され、ゼラチンおよび活性硫
黄含有物質はライン92あるいは93を通じて補充される。
図1に描かれた実施態様は、ミキサー18および20なら
びに沈澱槽14および15を使用する2段階の溶媒抽出工程
を用いているが、当業者は、追加の抽出段階が本発明の
本質から逸れることなく、その方法に付加され得ること
を理解する。このように、例えば、図1は特に2段階抽
出工程を開示し、そして前述の考察は1段階および2段
階抽出に言及しているが、本発明の方法は3段階、4段
階、5段階、6段階などの抽出工程を使用して行い得
る。同様に、図1に描かれた実施様態は、ミキサー22と
沈澱槽16とを使用する1段階の逆抽出工程を用いている
が、当業者は、追加の逆抽出段階が本発明の本質から逸
れることなく、その方法に付加され得ることを理解す
る。このように、例えば、本発明の方法は2段階、3段
階、4段階、5段階、6段階などの逆抽出工程を使用し
て行い得る。
「未処理の」という用語は、本明細書中では、箔の性
質をリファインあるいは高める目的の後続の処理を受け
ていない、未加工のあるいは基本の箔を呼ぶために使わ
れる。「処理された」という用語は、ここではそのよう
な処理を受けている、未加工のあるいは基本の箔を呼ぶ
ために使われる。この処理は完全に通常のものであり、
そして典型的には様々な処理溶液および洗浄溶液の使用
を包含する。例えば、一つの実施態様において、箔の少
なくとも一方の面が、少なくとも一層の銅あるいは銅酸
化物の粗層で処理される。他の一つの実施態様におい
て、箔の少なくとも一方の面が、少なくとも一層の金属
の層で処理され、この金属層の金属はインジウム、亜
鉛、スズ、ニッケル、コバルト、銅−亜鉛合金および銅
−スズ合金から成る群から選択される。他の一つの実施
態様において、箔の少なくとも一方の面が、少なくとも
一層の金属の層で処理され、この金属層の金属はスズ、
クロム、およびクロム−亜鉛合金から成る群から選択さ
れる。他の一つの実施態様において、箔の少なくとも一
方の面が、少なくとも一層の銅または銅酸化物の粗層で
処理され、それから少なくとも一層の金属層がその粗層
上に付着させられる。この金属層の金属はインジウム、
亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、銅−亜鉛合金および
銅−スズ合金から成る群から選択される。他の一つの実
施態様において、箔の少なくとも一方の面が、少なくと
も一層の銅または銅酸化物の粗層で処理され、それから
少なくとも一層の金属層がその粗層上に付着させられ
る。この金属層の金属はスズ、クロム、およびクロム−
亜鉛合金から成る群から選択される。他の一つの実施態
様において、箔の少なくとも一方の面が、少なくとも一
層の銅または銅酸化物の粗層で処理され、それから後少
なくとも一層の第一の金属層がその粗層上に付着させら
れ、この第一の金属層の金属は、インジウム、亜鉛、ス
ズ、ニッケル、コバルト、銅−亜鉛合金および銅−スズ
合金から成る群から選択される。さらに少なくとも一層
の第二の金属層がその第一の金属層上に付着させられ、
この第二の金属層の金属は、スズ、クロム、およびクロ
ム−亜鉛合金から成る群から選択される。このような処
理手法は当該分野において周知である。
本発明の銅箔は、滑らかなまたは光沢のある(ドラ
ム)面および粗くまたはつや消しの(銅析出成長端)面
を有する。これらの箔は、寸法的および構造的安定性を
供するために誘電性基材に接着され得、そしてこのこと
に関して、箔の光沢面がラミネートから外側に向くよう
に、電着された箔のつや消し面にその基材を接着するこ
とが好ましい。有用な誘電性基材は、部分的に硬化した
樹脂、通常エポキシ樹脂を織ガラス強化材に湿潤させる
ことにより調製され得る。これらの誘電性基材は時にプ
リプレグと呼ばれる。
ラミネートの調製において、プリプレグ材と電着され
た銅箔との両方が、ロールに巻き取られた長いウェブ材
の形態で供給されるのが有用である。巻かれた材料は、
ロールから引き出され、そして方形シートに切られる。
その方形シートはそれから張り合わされるか、あるいは
組合せ資材のスタックに組立てられる。それぞれの組合
せ資材は、いずれかの面に箔のシートを有するプリプレ
グシートを包含し得、そしてそれぞれの例において、そ
の箔シートの光沢面が組合せ資材のそれぞれの面で外側
に面するように、銅箔シートのつや消し面がその各々の
面上でプリプレグに隣接して位置する。
組合せ資材は、ラミネート圧搾機のプレート間で通常
のラミネート温度および圧力にさらされ、銅箔シートの
間にプリプレグシートがサンドイッチされたものを含む
ラミネートが調製され得る。
プリプレグは、部分的に硬化した2ステージ樹脂を湿
潤させた織ガラス強化ファブリック(fabric)から成り
得る。加熱および加圧により、銅箔のつや消し面はプリ
プレグに対ししっかりと圧着され、そして組合せ資材が
さらされる温度は、樹脂を活性化して硬化させる。すな
わち、樹脂が架橋し、そしてそのことにより箔がプリプ
レグ誘電性基材に固く接着する。一般的にいうと、ラミ
ネート作業は、約250から約750psiの範囲の圧力、約175
℃から235℃の範囲の温度および約40分から約2時間の
ラミネートサイクルを含む。完成したラミネートは、そ
の後プリント回路基板(PCB)の調製に使用され得る。
多くの製造方法が、ラミネートからPCBを調製するの
に有用である。加えて、PCBにはラジオ、テレビ、コン
ピュータなどを含む無数の可能な最終用途の応用があ
る。これら方法および最終用途は当該分野において既知
である。
以下の実施例は本発明を説明する目的に供される。他
に指示がなければ、以下の例においても明細書や請求項
を通してと同様にすべての割合およびパーセンテージは
重量で、すべての温度は摂氏温度であり、そしてすべて
の圧力が気圧である。
実施例 1 銅箔は、図1に示された電鋳槽24より、むしろ平行な
プレート電極を有する研究室規模の電鋳槽が使用される
点を除いては、図1に示された方法を使用して生成され
る。アノードはイリジウム被覆チタンである。カソード
はチタンである。カソードは、銅箔がそれから剥離され
得るよう取り外し可能である。フィルターを取り付けら
れた貯蔵槽が、電解質溶液を貯めておくために使用さ
れ、そして電解質溶液を電鋳槽へおよびから汲み上げる
ための手段が供される。浸出ダンプ10に向けライン40か
ら噴霧される浸出水溶液は、1リットルあるいは20グラ
ムの硫酸濃度を有する硫酸水溶液である。ミキサー20に
ライン41を通り汲み上げられる銅を豊富に含む浸出水溶
液は、1リットルあたり1.8グラムの銅イオン濃度およ
び1リットルあたり12グラムの遊離硫酸濃度を有する。
有機溶液はSX−7中の7重量%LIX 984を有する溶液で
ある。ミキサー20に沈澱槽15から加えられる銅を有する
有機溶液中の銅濃度は、1リットルあたり1.95グラムの
銅濃度を有する。ミキサー22に沈澱槽14から汲み上げら
れる銅を豊富に含む有機溶液は、LIX 984 1リットルあ
たり3グラムの銅濃度を有する。ミキサー22にライン60
から加えられる銅を奪われた逆抽出溶液は、1リットル
あたり170グラムの遊離硫酸濃度および1リットルあた
り40グラムの銅イオン濃度を有する。(この銅を奪われ
た逆抽出溶液は、ライン60を通りミキサー22へ本発明の
方法の一部ではないEW設備から汲み上げられる。)沈澱
槽16からミキサー18へ汲み上げられる銅を奪われた有機
溶液は、LIX 984 1リットルあたり1.25グラムの銅濃度
を有する。沈澱槽14からミキサー18に汲み上げられる銅
を含む浸出水溶液は、1リットルあたり0.8グラムの銅
イオン濃度および1リットルあたり12グラムの遊離硫酸
濃度を有する。沈澱槽15からライン81を通じて汲み上げ
られる銅を奪われた浸出水溶液は、1リットルあたり0.
15グラムの銅濃度および1リットルあたり12グラムの遊
離硫酸濃度を有する。沈澱槽16から取り出される銅を豊
富に含む逆抽出液浮は、1リットルあたり50グラムの銅
イオン濃度および1リットルあたり160グラムの遊離硫
酸濃度を有する。銅を豊富に含む逆抽出液140ガロンは
ミキサー/沈澱槽を通り毎分2ガロン(gpm)の流量で
再循環させられる。有機溶液中のLIX 984 1リットルあ
たり3グラムの銅濃度を有する、銅を豊富に含む有機溶
液の新鮮な流れもまた、ミキサーに2gpmの流量で加えら
れる。硫酸は、条件を満たす逆抽出動態を確実にする必
要があれば加えられる。銅を豊富に含む逆抽出液の温度
は、硫酸銅の結晶化を防ぐために37.8℃以上に維持され
る。この手順から生成される最終の電解質溶液は、1リ
ットルあたり92グラムの銅イオン濃度および1リットル
あたり83グラムの遊離硫酸濃度を有する。電鋳槽におい
てこの電解質溶液を使用して製造される箔のサンプル
は、1平方フィートあたり1オンスの公称重量を有す
る。電鋳槽において使用される操作条件および製造され
る箔サンプルの性質は以下の通りである: 本発明は好ましい実施態様に関して説明されているが、
明細書を読むことにより本発明の様々な変形が当業者に
明らかになることを理解されるべきである。それ故、本
明細書に開示された発明が添付の請求の範囲内にある変
形を包含することおよび意図することが理解されるべき
である。
フロントページの続き (72)発明者 ジョーダン,トーマス エル. アメリカ合衆国 アリゾナ 85623,オ ラクル,イースト アワウェイ 1795, ピー.オー.ボックス 697 (72)発明者 コヒュート,スティーブン ジェイ. アメリカ合衆国 アリゾナ 85224,チ ャンドラー,ウエスト ゲイル ドライ ブ 649 (56)参考文献 米国特許4957714(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 1/00 - 7/12 B01D 11/02 C25D 21/14 C08J 5/20

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅を有する材料から銅箔を製造する方法で
    あって、以下の工程: (A) 該銅を有する材料を少なくとも一種の有効量の
    浸出水溶液と接触させ、銅イオンを該浸出溶液に溶解
    し、そして銅を豊富に含む浸出水溶液を生成する工程; (B) 該銅を豊富に含む浸出水溶液を少なくとも一種
    の有効量の水不溶性抽出剤と接触させ、銅イオンを該銅
    を豊富に含む浸出水溶液から該抽出剤に移動させ、銅を
    豊富に含む抽出剤および銅を奪われた浸出水溶液を生成
    する工程; (C) 該銅を豊富に含む抽出剤を該銅を奪われた浸出
    水溶液から分離する工程; (D) 該銅を豊富に含む抽出剤を少なくとも一種の有
    効量の逆抽出水溶液と接触させ、銅イオンを該抽出剤か
    ら該逆抽出溶液に移動させ、銅を豊富に含む逆抽出液お
    よび銅を奪われた抽出剤を生成する工程; (E) 該銅を豊富に含む逆抽出液を該銅を奪われた抽
    出剤から分離する工程; (F) 該銅を豊富に含む逆抽出液をアノードと回転式
    カソードとの間に流し、そして有効量の電圧を該アノー
    ドと該カソードとの間に印加して銅を該カソード上に析
    出させる工程;および (G) 銅箔を該カソードから連続的に取り外す工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法であって、前記工程
    (A)において生成される前記銅を豊富に含む水溶液を
    前記銅を有する材料から分離する工程を包含する、請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法であって、前記銅を
    有する材料が銅鉱石、製錬所の排気筒の塵、銅セメン
    ト、硫酸銅、あるいは銅を含む廃棄物である、請求項1
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記浸出水溶液が硫酸あるいはアンモニア
    を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の方法であって、前記工程
    (B)における前記抽出剤が、灯油、ベンゼン、ナフタ
    レン、燃料油およびヂーゼル燃料から成る群より選択さ
    れる有機溶媒に溶解している、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記工程(B)における前記抽出剤が、灯
    油に溶解している、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記工程(B)における前記抽出剤が下式
    で表される化合物を少なくとも一種含む、請求項1に記
    載の方法: ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は独立して水
    素またはヒドロカルビル基である。
  8. 【請求項8】前記工程(B)における前記抽出剤が下式
    で表される化合物を少なくとも一種含む、請求項1に記
    載の方法: ここで、R1およびR2は独立して水素またはヒドロカルビ
    ル基である。
  9. 【請求項9】前記工程(B)における前記抽出剤が下式
    で表される化合物を少なくとも一種含む、請求項1に記
    載の方法: ここで、R1およびR2は独立してアルキル基またはアリー
    ル基である。
  10. 【請求項10】前記逆抽出溶液が硫酸を含む、請求項1
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】請求項1に記載の方法であって、前記工
    程(F)の前あるいは間に前記逆抽出液が1リットルあ
    たり約40から約150グラムの範囲の銅イオン濃度および
    1リットルあたり約70から約170グラムの範囲の遊離硫
    酸濃度を有する、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】請求項1に記載の方法であって、前記工
    程(F)の前あるいは間に前記逆抽出液に少なくとも一
    種の活性硫黄含有材料および/あるいは少なくとも一種
    のゼラチンを添加する工程をさらに包含する、請求項1
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記工程(F)の間のI/ILが約0.4また
    はそれ以下である、請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】銅を有する材料から銅箔を製造する方法
    であって、以下の工程: (A) 該銅を有する材料を少なくとも一種の有効量の
    浸出硫酸溶液と接触させ、銅イオンを該浸出溶液に溶解
    し、そして銅を豊富に含む浸出溶液を生成する工程; (B) 該銅を豊富に含む浸出溶液を有効量の水不溶性
    抽出剤と接触させ、銅イオンを該銅を豊富に含む浸出溶
    液から該抽出剤に移動させて銅を豊富に含む抽出剤およ
    び銅を奪われた浸出溶液を生成する工程であって、該抽
    出剤が炭化水素連鎖上の異なる炭素原子に結びついてい
    る少なくとも一つの−OH基および少なくとも一つの=NO
    H基を有する炭化水素連鎖を特徴とする少なくとも一種
    の水不溶性有機化合物を含む、工程; (C) 該銅を豊富に含む抽出剤を該銅を奪われた浸出
    溶液から分離する工程; (D) 該銅を豊富に含む抽出剤を少なくとも一種の有
    効量の逆抽出硫酸溶液と接触させ、銅イオンを該銅を豊
    富の含む抽出剤から該逆抽出溶液に移動させて銅を豊富
    に含む逆抽出液および銅を奪われた抽出剤を生成する工
    程; (E) 該銅を豊富に含む逆抽出液を該銅を奪われた抽
    出剤から分離する工程; (F) 該銅を豊富に含む逆抽出液をアノードと回転式
    カソードとの間に流し、そして有効量の電圧を該アノー
    ドと該カソードとの間に印加して銅を該カソード上に析
    出させる工程;および (G) 銅箔を該カソードから連続的に取り外す工程、 を包含する、方法。
  15. 【請求項15】銅を有する材料から銅箔を製造する方法
    であって、以下の工程: (A) 該銅を有する材料を少なくとも一種の有効量の
    浸出水溶液と接触させ、銅イオンを該浸出溶液に溶解
    し、そして銅を豊富に含む浸出水溶液を生成する工程; (B−1) 該銅を豊富に含む浸出水溶液を工程(C−
    2)からの少なくとも一種の有効量の銅を有する水不溶
    性抽出剤と接触させ、銅イオンを該銅を豊富に含む浸出
    水溶液から該銅を有する抽出剤に移動させて銅を豊富に
    含む抽出剤および第一の銅を奪われた浸出水溶液を生成
    する工程; (C−1) 該銅を豊富に含む抽出剤を該第一の銅を奪
    われた浸出水溶液から分離し、該銅を豊富に含む抽出剤
    を工程(D)に送る工程; (B−2) 工程(C−1)からの該第一の銅を奪われ
    た浸出水溶液を工程(E)からの少なくとも一種の有効
    量の銅を奪われた抽出剤と接触させ、銅イオンを該第一
    の銅を奪われた浸出水溶液から該銅を奪われた抽出剤に
    移動させて銅を有する抽出剤および第二の銅を奪われた
    浸出水溶液を生成する工程; (C−2) 該銅を有する抽出剤を該第二の銅を奪われ
    た浸出水溶液から分離し、該銅を有する抽出剤を工程
    (B−1)に再循環させる工程; (D) 工程(C−1)からの該銅を豊富に含む抽出剤
    を少なくとも一種の有効量の逆抽出水溶液と接触させ、
    銅イオンを該銅を豊富に含む抽出剤から該逆抽出溶液に
    移動させて銅を豊富に含む逆抽出液および銅を奪われた
    抽出剤を生成する工程; (E) 該銅を豊富に含む逆抽出液を該銅を奪われた抽
    出剤から分離し、該銅を奪われた抽出剤を工程(B−
    2)に再循環させる工程; (F) 該銅を豊富に含む逆抽出液をアノードと回転式
    カソードとの間に流し、そして有効量の電圧を該アノー
    ドと該カソードとの間に印加し、銅を該カソード上に析
    出させる工程;および (G) 銅箔を該カソードから連続的に取り外す工程、 を包含する、方法。
  16. 【請求項16】銅を有する材料から銅箔を製造する方法
    であって、以下の工程: (A) 該銅を有する材料を少なくとも一種の有効量の
    浸出水溶液と接触させ、銅イオンを該浸出溶液に溶解
    し、そして銅を豊富に含む浸出水溶液を生成する工程; (B) 該銅を豊富に含む浸出水溶液を少なくとも一種
    の有効量の水不溶性抽出剤と接触させ、銅イオンを該銅
    を豊富に含む浸出水溶液から該抽出剤に移動させて銅を
    豊富に含む抽出剤および銅を奪われた浸出水溶液を生成
    する工程であって、そして該抽出剤が少なくとも一種の
    イオン交換樹脂を含む、工程; (C) 該銅を豊富に含む抽出剤を該銅を奪われた浸出
    水溶液から分離する工程; (D) 該銅を豊富に含む抽出剤を少なくとも一種の有
    効量の逆抽出水溶液と接触させ、銅イオンを該抽出剤か
    ら該逆抽出溶液に移動させて銅を豊富に含む逆抽出液お
    よび銅を奪われた抽出剤を生成する工程; (E) 該銅を豊富に含む逆抽出液を該銅を奪われた抽
    出剤から分離する工程; (F) 該銅を豊富に含む逆抽出液をアノードと回転式
    カソードとの間に流し、そして有効量の電圧を該アノー
    ドと該カソードとの間に印加して銅を該カソード上に析
    出させる工程;および (G) 銅箔を該カソードから連続的に取り外す工程、 を包含する、方法。
  17. 【請求項17】請求項16に記載の方法であって、前記イ
    オン交換樹脂が、−SO3 -、−COO- から選択される少なくとも一つの官能基の存在を特徴と
    する、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】前記イオン交換樹脂がスチレンとジビニ
    ルベンゼンとの共重合体である、請求項16に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】銅を有する材料から銅箔を製造する方法
    であって、以下の工程: (A) 該銅を有する材料を少なくとも一種の有効量の
    浸出水溶液と接触させ、銅イオンを該浸出溶液に溶解
    し、そして銅を豊富に含む浸出水溶液を生成する工程; (B) 該銅を豊富に含む浸出水溶液を少なくとも一種
    の有効量の水不溶性抽出剤と接触させ、銅イオンを該銅
    を豊富に含む浸出水溶液から該抽出剤に移動させて銅を
    豊富に含む抽出剤および銅を奪われた浸出水溶液を生成
    する工程; (C) 該銅を豊富に含む抽出剤を該銅を奪われた浸出
    水溶液から分離する工程; (D) 該銅を豊富に含む抽出剤を少なくとも一種の有
    効量の逆抽出水溶液と接触させ、銅イオンを該抽出剤か
    ら該逆抽出溶液に移動させて銅を豊富に含む逆抽出液お
    よび銅を奪われた抽出剤を生成する工程; (E) 該銅を豊富に含む逆抽出液を該銅を奪われた抽
    出剤から分離する工程; (F) 少なくとも一種の添加剤を該銅を豊富に含む逆
    抽出液に加え、そして該銅を豊富に含む逆抽出液をアナ
    ードと回転式カソードとの間に流す工程であって;該添
    加剤が糖密グアーガム、ポリエチレングリコール、ポリ
    プロピレングリコール、ポリイソプロピレングリコー
    ル、ジチオスレイトール、プロリン、ヒドロキシプロリ
    ン、システイン、アクリルアミド、スルホプロピルジス
    ルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、塩化ベ
    ンジル、エピクロルヒドリ、クロルヒドロキシルプロピ
    ルスルホネート、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
    ド、スルホニウムアルカンスルホネート、チオカルバモ
    イルジスルフィドおよびセレン酸から成る群より選択さ
    れる、工程;および有効量の電圧を該アノードと該カソ
    ードとの間に印加して銅を該カソード上に析出させる工
    程;および (G) 銅箔を該カソードから連続的に取り外す工程、 を包含する、方法。
  20. 【請求項20】銅を有する材料から銅箔を製造する方法
    であって、以下の工程: (A) 該銅を有する材料を少なくとも一種の有効量の
    浸出水溶液と接触させ、銅イオンを該浸出溶液に溶解
    し、そして銅を豊富に含む浸出水溶液を生成する工程; (B) 該銅を豊富に含む浸出水溶液を少なくとも一種
    の有効量の水不溶性抽出剤と接触させ、銅イオンを該銅
    を豊富に含む浸出水溶液から該抽出剤に移動させて銅を
    豊富に含む抽出剤および銅を奪われた浸出水溶液を生成
    する工程; (C) 該銅を豊富に含む抽出剤を該銅を奪われた浸出
    水溶液から分離する工程; (D) 該銅を豊富に含む抽出剤を少なくとも一種の有
    効量の逆抽出水溶液と接触させ、銅イオンを該抽出剤か
    ら該逆抽出溶液に移動させて銅を豊富に含む逆抽出液お
    よび銅を奪われた抽出剤を生成する工程; (E) 該銅を豊富に含む逆抽出液を該銅を奪われた抽
    出剤から分離する工程; (F) 該銅を豊富に含む逆抽出液をアノードと回転式
    カソードとの間に流し、そして有効量の電圧を該アノー
    ドと該カソードとの間に印加して銅を該カソード上に析
    出させる工程;および (G) 銅箔を該カソードから連続的に取り外し、該箔
    の少なくとも一方の面に少なくとも一層の銅または銅酸
    化物の粗層を付着させる工程、 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】銅を有する材料から銅箔を製造する方法
    であって、以下の工程: (A) 該銅を有する材料を少なくとも一種の有効量の
    浸出水溶液と接触させ、銅イオンを該浸出溶液に溶解
    し、そして銅を豊富に含む浸出水溶液を生成する工程; (B) 該銅を豊富に含む浸出水溶液を少なくとも一種
    の有効量の水不溶性抽出剤と接触させ、銅イオンを該銅
    を豊富に含む浸出水溶液から該抽出剤に移動させて銅を
    豊富に含む抽出剤および銅を奪われた浸出水溶液を生成
    する工程; (C) 該銅を豊富に含む抽出剤を該銅を奪われた浸出
    水溶液から分離する工程; (D) 該銅を豊富に含む抽出剤を少なくとも一種の有
    効量の逆抽出水溶液と接触させ、銅イオンを該抽出剤か
    ら該逆抽出溶液に移動させて銅を豊富に含む逆抽出液お
    よび銅を奪われた抽出剤を生成する工程; (E) 該銅を豊富に含む逆抽出液を該銅を奪われた抽
    出剤から分離する工程; (F) 該銅を豊富に含む逆抽出液をアノードと回転式
    カソードとの間に流し、そして有効量の電圧を該アノー
    ドと該カソードとの間に印加して銅を該カソード上に析
    出させる工程;および (G) 銅箔を該カソードから連続的に取り外し、そし
    て該箔の少なくとも一方の面に少なくとも一層の金属層
    を付着させる工程であって、該金属層における金属がイ
    ンジウム、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、銅−亜鉛
    合金および銅−スズ合金から成る群より選択される工
    程、 を包含する、方法。
  22. 【請求項22】銅を有する材料から銅箔を製造する方法
    であって、以下の工程: (A) 該銅を有する材料を少なくとも一種の有効量の
    浸出水溶液と接触させ、銅イオンを該浸出溶液に溶解
    し、そして銅を豊富に含む浸出水溶液を生成する工程; (B) 該銅を豊富に含む浸出水溶液を少なくとも一種
    の有効量の水不溶性抽出剤と接触させ、銅イオンを該銅
    を豊富に含む浸出水溶液から該抽出剤に移動させて銅を
    豊富に含む抽出剤および銅を奪われた浸出水溶液を生成
    する工程; (C) 該銅を豊富に含む抽出剤を該銅を奪われた浸出
    水溶液から分離する工程; (D) 該銅を豊富に含む抽出剤を少なくとも一種の有
    効量の逆抽出水溶液と接触させ、銅イオンを該抽出剤か
    ら該逆抽出溶液に移動させて銅を豊富に含む逆抽出液お
    よび銅を奪われた抽出剤を生成する工程; (E) 該銅を豊富に含む逆抽出液を該銅を奪われた抽
    出剤から分離する工程; (F) 該銅を豊富に含む逆抽出液をアノードと回転式
    カソードとの間に流し、そして有効量の電圧を該アノー
    ドと該カソードとの間に印加して銅を該カソード上に析
    出させる工程;および (G) 銅箔を該カソードから連続的に取り外し、そし
    て該箔の少なくとも一方の面に少なくとも一層の金属層
    を付着させる工程であって、該金属層における金属がス
    ズ、クロム、およびクロム−亜鉛合金から成る群より選
    択される工程、 を包含する、方法。
  23. 【請求項23】銅を有する材料から銅箔を製造する方法
    であって、以下の工程: (A) 該銅を有する材料を少なくとも一種の有効量の
    浸出水溶液と接触させ、銅イオンを該浸出溶液に溶解
    し、そして銅を豊富に含む浸出水溶液を生成する工程; (B) 該銅を豊富に含む浸出水溶液を少なくとも一種
    の有効量の水不溶性抽出剤と接触させ、銅イオンを該銅
    を豊富に含む浸出水溶液から該抽出剤に移動させて銅を
    豊富に含む抽出剤および銅を奪われた浸出水溶液を生成
    する工程; (C) 該銅を豊富に含む抽出剤を該銅を奪われた浸出
    水溶液から分離する工程; (D) 該銅を豊富に含む抽出剤を少なくとも一種の有
    効量の逆抽出水溶液と接触させ、銅イオンを該抽出剤か
    ら該逆抽出溶液に移動させて銅を豊富に含む逆抽出液お
    よび銅を奪われた抽出剤を生成する工程; (E) 該銅を豊富に含む逆抽出液を該銅を奪われた抽
    出剤から分離する工程; (F) 該銅を豊富に含む逆抽出液をアノードと回転式
    カソードとの間に流し、そして有効量の電圧を該アノー
    ドと該カソードとの間に印加して銅を該カソード上に析
    出させる工程;および (G) 銅箔を該カソードから連続的に取り外し、そし
    て該箔の少なくとも一方の面に少なくとも一層の銅また
    は銅酸化物の粗層を付着させ、次いで該粗層上に少なく
    とも一層の第一の金属層を付着させ、続いて該第一の金
    属層上に少なくとも一層の第二の金属層を付着させる工
    程であって、該第一の金属層における金属がインジウ
    ム、亜鉛、スズ、ニッケル、コバルト、銅−亜鉛合金お
    よび銅−スズ合金から成る群より選択され、該第二の金
    属層における金属がスズ、クロムおよびクロム−亜鉛合
    金から成る群より選択される工程、 を包含する、方法。
  24. 【請求項24】請求項1〜23のいずれかに記載の方法に
    より製造された、銅箔。
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