JP3134188B2 - 粉体加圧成形装置 - Google Patents

粉体加圧成形装置

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JP3134188B2
JP3134188B2 JP09204484A JP20448497A JP3134188B2 JP 3134188 B2 JP3134188 B2 JP 3134188B2 JP 09204484 A JP09204484 A JP 09204484A JP 20448497 A JP20448497 A JP 20448497A JP 3134188 B2 JP3134188 B2 JP 3134188B2
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ring
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功 松下
博良 麻川
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    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B11/00Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses
    • B30B11/001Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses using a flexible element, e.g. diaphragm, urged by fluid pressure; Isostatic presses

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体を板状に加圧
形成する粉体加圧成形装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体加圧成形装置には、特公平7
−102562号公報に記載のものがある。この粉体加
圧成形装置1は、図14(A)(B)に示す如く、保持
盤5に可撓性の加圧盤6を取付けた一方型2と、加圧盤
6との間で平面的に広がる粉体充填空間Sを形成する他
方型3と、両型2,3の間に配置されて粉体充填空間S
の外周を形成する可撓性のデスタントリング4と、デス
タントリング4の外側で一方型2又は他方型3に接合し
た剛体のデスタント8と、一方型2の保持盤5と加圧盤
6との間の加圧盤中央寄りに加圧液体Lを供給する加圧
液体給排口7とを備えている。加圧盤6は、その周縁に
起立した環状壁部6bを設け、保持盤5の環状段部5b
付きの環状縦凹溝5aに挿着してある。加圧盤6は、環
状壁部6bの内周面側の環状横凹溝6cにシールリング
9を内嵌してある。
【0003】粉体加圧成形装置1は、分離可能な一方型
2と他方型3とを合わせ、保持盤5と加圧盤6との間に
加圧液体給排口7から加圧液体Lを供給することで、加
圧盤6の膨張をその中央寄りから周縁に向かつて拡大さ
せ(拡大の途中を示す同図(A)中の二点鎖線参照)、
粉体充填空間Sに予め充填されている粉体Pを空間中央
寄りから空間周縁に向かつて順次加圧形成して、粉体P
中の空気を空間周縁から外部へ追い出すようにしてあ
る。粉体加圧成形装置1は、粉体P中の空気を追い出し
たならば、加圧液体Lを所定圧力まで昇圧し、加圧盤6
で粉体Pを加圧成形する。
【0004】デスタントリング4は、ネオプレンゴム、
ウレタン樹脂等の可撓性で弾性の素材から成形され、一
方型2の加圧盤6と他方型3とで挟まれるように配置さ
れ、図15(A)に示すように、加圧盤6の加圧により
内側4aが縮径するように変形すると共に、同図(B)
に示す如く、加圧盤6の加圧が解除されると弾性復帰力
により内側4aが元の状態となり、成形品Dの脱型を容
易にする。
【0005】ところで、可撓性のデスタントリング4
は、加圧盤6の加圧により内側4aが縮径するように変
形するとき、他方型3及び剛体のデスタント8と接触す
る部分の変形が拘束されるため、可撓性の加圧盤6との
接触面部分4bが粉体充填空間Sに向かつて下り傾斜す
るように変形する。すると、加圧盤6は、粉体充填空間
Sの周縁部を形成する加圧面6aが、可撓性のデスタン
トリング4との接触部分から粉体充填空間Sの中央部に
向かつて下り傾斜するように変形する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、粉体充填空間
Sの周縁部を形成する加圧面6aが下り傾斜するように
変形することは、得られる成形品Dの周縁部の肉厚が所
定厚みより厚くすることになる。そのため、従来の粉体
加圧成形装置1では、得られた成形品Dの肉厚の厚い周
縁部を除去し、均一な厚みの成形品Dに修正加工する必
要があり、修正加工による手間及び歩留りの低下により
成形コストの高騰を招く問題がある。殊に、焼成して陶
磁器製品の対象となる成形品Dにおいて、肉厚の相違に
基づく焼成時の割れ等の欠陥発生を阻止するために、修
正加工を焼成前の柔らかな生地の段階の成形品Dで行う
ときには、歩留りが著しく低下する。
【0007】前記粉体加圧成形装置1は、保持盤5に対
する加圧盤6の取付けが、保持盤5の環状段部5b付き
の環状縦凹溝5aに加圧盤6の環状壁部6bを挿着する
嵌合構造である。そのため、粉体加圧成形装置1は、高
精度の嵌合が要請され、環状縦凹溝5aの切削加工並び
に環状壁部6b及び環状横凹溝6cの成形加工に多くの
作業工数を必要とすると共に、組立時や保守点検時にお
ける挿着に多くの作業工数を必要とし、製造コスト及び
保守点検コストの高騰を招く問題がある。
【0008】そこで、本発明は、上記問題を解決するた
めに、肉厚みが周縁部近くまで均一な成形品を得ること
ができる粉体加圧成形装置の提供を目的とすると共に、
保持盤に対する加圧盤の取付け構造を簡単にして組立や
保守点検が容易にできる粉体加圧成形装置の提供を目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】肉厚みが周縁部近くまで
均一な成形品を得ることができるようにするために請求
項1記載の本発明が採用した手段は、剛性の大きな保持
盤に可撓性の加圧盤を取付けた一方型と、該加圧盤との
間で平面的に広がる粉体充填空間を形成するための剛性
の大きな他方型と、両型の間に配置されて粉体充填空間
の外周を形成する可撓性のデスタントリングとを備え、
一方型の保持盤と加圧盤との間に加圧液体を供給するこ
とで加圧成形する粉体加圧成形装置において、前記一方
型の保持盤及び前記他方型は、両者が分離した状態から
加圧成形のために接合するときに、前記デスタントリン
グを両者で挟圧してデスタントリングの内周面を縮径さ
せるようにしたことである。
【0010】請求項1記載の本発明にあつては、一方型
の加圧盤で加圧成形する前に、デスタントリングの挟圧
を剛性の大きな保持盤び他方型で行い、デスタントリン
グの内周面を縮径させることができるので、加圧盤とデ
スタントリングとの接触が無い状態又は非常に少ない状
態での加圧成形が可能となり、粉体充填空間の全域を均
等に加圧して肉厚みが周縁部の近くまで均一な成形品を
得ることができる。
【0011】肉厚みが周縁部近くまで均一な環状の成形
品を得ることができるようにするために請求項2記載の
本発明が採用した手段は、剛性の大きな保持盤に可撓性
で環状の加圧盤を取付けた一方型と、該加圧盤との間で
平面的に広がる環状の粉体充填空間を形成するための剛
性の大きな他方型と、両型の間に配置されて粉体充填空
間の内外周を形成する可撓性の内側デスタントリング及
び外側デスタントリングを備え、一方型の保持盤と加圧
盤との間に加圧液体を供給することで加圧成形する粉体
加圧成形装置において、前記一方型の保持盤及び前記他
方型は、両者が分離した状態から加圧成形のために接合
するときに、前記内側デスタントリング及び前記外側デ
スタントリングを両者で挟圧して内側デスタントリング
の外周面を拡径させると共に外側デスタントリングの内
周面を縮径させるようにしたことである。
【0012】請求項2記載の本発明にあつては、一方型
の加圧盤で加圧成形する前に、内側デスタントリング及
び外側デスタントリングの挟圧を剛性の大きな保持盤び
他方型で行い、内側デスタントリングの外周面を拡径さ
せると共に外側デスタントリングの内周面を縮径させる
ことができるので、加圧盤と両デスタントリングとの接
触が無い状態又は非常に少ない状態での加圧成形が可能
となり、粉体充填空間の全域を均等に加圧して肉厚みが
内周縁部及び外周縁部の近くまで均一な環状の成形品を
得ることができる。
【0013】肉厚みが周縁部近くまで均一な成形品を得
ることができるようにするために請求項3記載の本発明
が採用した手段は、剛性の大きな保持盤に可撓性の加圧
盤を取付けた一方型と、該加圧盤との間で平面的に広が
る粉体充填空間を形成するための他方型と、両型の間に
配置されて粉体充填空間の外周を形成する可撓性のデス
タントリングとを備え、一方型の保持盤と加圧盤との間
に加圧液体を供給することで加圧成形する粉体加圧成形
装置において、前記他方型は、粉体充填空間へ向かつて
進退自在で且つ剛性の大きな押圧ピストンと、押圧ピス
トンを内嵌するシリンダとを備え、前記一方型の保持盤
と前進する前記押圧ピストンとで前記デスタントリング
を挟圧するときに、デスタントリングの内周面を縮径さ
せるようにしたことである。
【0014】請求項3記載の本発明にあつては、一方型
の加圧盤で加圧成形する前に、デスタントリングの挟圧
を剛性の大きな保持盤と前進した押圧ピストンで行い、
デスタントリングの内周面を縮径させることができるの
で、加圧盤とデスタントリングとの接触が無い状態又は
非常に少ない状態での加圧成形が可能となり、粉体充填
空間の全域を均等に加圧して肉厚みが周縁部の近くまで
均一な成形品を得ることができる。
【0015】肉厚みが周縁部近くまで均一な環状の成形
品を得ることができるようにするために請求項4記載の
本発明が採用した手段は、剛性の大きな保持盤に可撓性
で環状の加圧盤を取付けた一方型と、該加圧盤との間で
平面的に広がる環状の粉体充填空間を形成するための他
方型と、両型の間に配置されて粉体充填空間の内外周を
形成する可撓性の内側デスタントリング及び外側デスタ
ントリングを備え、一方型の保持盤と加圧盤との間に加
圧液体を供給することで加圧成形する粉体加圧成形装置
において、前記他方型は、粉体充填空間へ向かつて進退
自在で且つ剛性の大きな円筒状の押圧ピストンと、押圧
ピストンを内嵌するシリンダとを備え、前記一方型の保
持盤と前進する前記押圧ピストンとで前記デスタントリ
ングを挟圧するときに、内側デスタントリングの外周面
を拡径させると共に外側デスタントリングの内周面を縮
径させるようにしたことである。
【0016】請求項4記載の本発明にあつては、一方型
の加圧盤で加圧成形する前に、内側デスタントリング及
び外側デスタントリングの挟圧を剛性の大きな保持盤と
前進した押圧ピストンで行い、内側デスタントリングの
外周面を拡径させると共に外側デスタントリングの内周
面を縮径させることができるので、加圧盤と両デスタン
トリングとの接触が無い状態又は非常に少ない状態での
加圧成形が可能となり、環状の粉体充填空間の全域を均
等に加圧盤で加圧することにより肉厚みが内周縁部及び
外周縁部の近くまで均一な環状の成形品を得ることがで
きる。
【0017】粉体中の空気の確実な追い出しを得るため
に請求項5記載の本発明が採用した手段は、請求項3又
は4記載の粉体加圧成形装置において、前記他方型のシ
リンダ内へ加圧液体を適宜量づつ段階的に供給すると共
に前記一方型の保持盤と加圧盤との間に加圧液体を適宜
量づつ段階的に供給する加圧液体給排装置を備え、加圧
液体給排装置はこれら加圧液体の供給を1段階づつ交互
に繰り返すように液路構成したことである。
【0018】請求項5記載の本発明にあつては、デスタ
ントリングを挟圧するための加圧と、粉体中の空気を追
い出すための加圧とを交互に適宜段階行うことが可能と
なり、デスタントリングの挟圧を進行させつつ粉体中の
空気の確実な追い出しができる。
【0019】粉体中の空気の確実な追い出しを得るため
に請求項6記載の本発明が採用した手段は、請求項1又
は3記載の粉体加圧成形装置において、前記一方型の保
持盤と加圧盤とを密着させ、両者の間の加圧盤中央寄り
に加圧液体を供給できるようにし、加圧液体の供給に伴
う加圧盤の膨張を、その中央寄りから周縁に向かつて拡
大させるようにしたことである。
【0020】請求項6記載の本発明にあつては、加圧液
体の供給に伴う加圧盤の膨張を、その中央寄りから周縁
に向かつて拡大させることにより、粉体中の空気を粉体
充填空間の中央寄りから周縁に向かつて追い出すことが
できる。
【0021】粉体中の空気の確実な追い出しを得るため
に請求項7記載の本発明が採用した手段は、請求項2又
は4記載の粉体加圧成形装置において、前記一方型の保
持盤と加圧盤とを密着させ、両者の間であつて、前記環
状の粉体充填空間の適宜半径箇所の幅の狭い環状域と対
向する初期導入環状領域に加圧液体を供給できるように
し、加圧液体の供給に伴う環状の加圧盤の膨張を、その
初期導入環状領域から内外周縁に向かつて拡大させて加
圧成形するようにしたことである。
【0022】請求項7記載の本発明にあつては、加圧液
体の供給に伴う加圧盤の膨張を、初期導入環状領域から
内外周縁に向かつて拡大させることにより、粉体中の空
気を環状の粉体充填空間の内外周縁に向かつて追い出す
ことができる。
【0023】保持盤に対する加圧盤の取付け構造を簡単
にして組立や保守点検が容易にできるようにするために
請求項8記載の本発明が採用した手段は、剛性の大きな
保持盤に可撓性で円盤状の加圧盤を取付けた一方型と、
該加圧盤との間で平面的に広がる粉体充填空間を形成す
るための剛性の大きな他方型とを備え、一方型の保持盤
と加圧盤との間に加圧液体を供給することで加圧成形す
る粉体加圧成形装置において、前記保持盤は、内側に環
状段部を形成した筒状部と、該環状段部に向かつてねじ
込むように筒状部に螺合する雄螺子部とを備え、加圧盤
の加圧液体接触面側の外周縁部と雄螺子部の加圧液体接
触面側との間に、外側のバツクアツプリングと内側のシ
ールリングとを隣接するように配置し、筒状部の環状段
部と雄螺子部とで、加圧盤の外周縁部及びシールリング
を液密状態に挟圧したことである。本発明は、請求項1
又は3記載の粉体加圧成形装置に適用することも可能で
ある。
【0024】請求項8記載の本発明にあつては、保持盤
の筒状部の内側に加圧盤を挿入すると共に、加圧盤の外
周縁部に外側のバツクアツプリングと内側のシールリン
グとを隣接するように配置した後に、筒状部に雄螺子部
をねじ込むことにより、環状段部と雄螺子部とで加圧盤
の外周縁部及びシールリングを液密状態に挟圧して組み
立てることも、この手順と逆の手順で分解することもで
きる。
【0025】保持盤に対する加圧盤の取付け構造を簡単
にして組立や保守点検が容易にできるようにするために
請求項9記載の本発明が採用した手段は、剛性の大きな
保持盤に可撓性で環状の加圧盤を取付けた一方型と、該
加圧盤との間で平面的に広がる環状の粉体充填空間を形
成するための剛性の大きな他方型とを備え、一方型の保
持盤と加圧盤との間に加圧液体を供給することで加圧成
形する粉体加圧成形装置において、前記保持盤は、内側
に環状段部を形成した筒状部と、該環状段部に向かつて
ねじ込むように筒状部に螺合する雄螺子部と、雄螺子部
に連結する段付き押圧具とを備え、加圧盤の加圧液体接
触面側の外周縁部と雄螺子部の加圧液体接触面側との間
に、外側のバツクアツプリングと内側のシールリングと
を隣接するように配置すると共に、加圧盤の外周縁部及
びシールリングを筒状部の環状段部と雄螺子部とで液密
状態に挟圧し、加圧盤の加圧液体接触面側の内周縁部と
雄螺子部の加圧液体接触面側との間に、内側のバツクア
ツプリングと外側のシールリングとを隣接するように配
置すると共に、加圧盤の内周縁部及びシールリングを段
付き押圧具の環状段部と雄螺子部とで液密状態に挟圧し
たことである。本発明は、請求項2又は4記載の粉体加
圧成形装置に適用することも可能である。
【0026】請求項9記載の本発明にあつては、保持盤
の筒状部の内側に加圧盤を挿入すると共に、加圧盤の外
周縁部に外側のバツクアツプリングと内側のシールリン
グとを隣接するように配置し、加圧盤の内周縁部に内側
のバツクアツプリングと外側のシールリングとを隣接す
るように配置した後に、筒状部に雄螺子部をねじ込むこ
とにより、環状段部と雄螺子部とで加圧盤の外周縁部及
び外側シールリングを液密状態に挟圧すると共に、雄螺
子部に段付き押圧具を連結することにより、段付き押圧
具をと雄螺子部とで加圧盤の内周縁部及び内側シールリ
ングを液密状態に挟圧して組み立てることも、この手順
と逆の手順で分解することもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る粉体加圧成形
装置を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0028】(第1の実施の形態)図1及び図2は本発
明に係る粉体加圧成形装置の第1の実施の形態を示すも
のであり、図1は加圧成形状態を示す縦断面図、図2は
要部を拡大したものであつて、(A)は一方型及び他方
型を分離すると共に粉体充填空間に粉体を充填した状態
を示す断面図、(B)は接合した一方型及び他方型でデ
スタントリングを挟圧した後で粉体を加圧成形する前の
状態を実線で示すと共に加圧成形状態を二点鎖線で示す
断面図である。
【0029】粉体加圧成形装置11の改良点は、上方の
一方型12の保持盤15及び下方の他方型3が分離した
状態(図2(A)参照)から加圧成形のために接合する
とき(同図(B)参照)に、弾性で可撓性のデスタント
リング4を両者15,3で挟圧してデスタントリング4
の内周面4aを縮径させるように構成したことである。
粉体加圧成形装置11におけるこの改良点以外の構造
は、従来の粉体加圧成形装置1と実質的に同一である。
【0030】上方の一方型12の保持盤15は、鋼等の
素材から剛性の大きなものに成形され、デスタントリン
グ4を押圧する箇所を、加圧前の加圧盤6の加圧面6a
より寸法Eだけ突出する環状突出部15aとしてある。
一方型12は、デイスタント8に当接する箇所15b
を、加圧前の加圧盤6の加圧面6aと同一高さとなるよ
うにしてある。環状のデイスタント8は、鋼等の素材か
ら剛性の大きなもに成形され、他方型3の加圧成形面3
a上に固定配置されるか、他方型3と一体に形成され
る。環状のデイスタント8は、デスタントリング4を外
嵌するように設けられ、デスタントリング4の外周面の
拡径を阻止するものである。挟圧前のデスタントリング
4及びデイスタント8は、これら表面が同一平面となる
ように同一厚み寸法に形成され、デスタントリング4の
内側に形成された粉体充填空間Sへ粉体Pを充填して粉
体層Fを形成するとき、粉升(図示略)を用いた充填作
業が円滑にできるようにしてある。
【0031】前記デスタントリング4は、弾性で且つ可
撓性の素材(例えば、ネオプレンゴム,ウレタン樹脂
等)より成形されたものであつて、その硬度がJISゴ
ム硬度40〜90度の範囲で適宜選択される。粉体層F
の厚み寸法の変更は、所望厚みのデスタントリング4及
びデイスタント8に交換することで行うことができる。
粉体加圧成形装置11は、上方の一方型12の保持盤1
5及び下方の他方型3を接合して、デイスタント8に一
方型12の保持盤15を当接させたとき、充填済の粉体
層Fの表面Faに加圧前の加圧盤6の加圧面6aが近接
または接するようにしてある(図2(B)参照)。加圧
盤6は、弾性で且つ可撓性の素材(例えば、ネオプレン
ゴム,ウレタン樹脂等)より成形されたものであつて、
その硬度がJISゴム硬度40〜90度の範囲で適宜選
択される。
【0032】次に、粉体加圧成形装置11の動作を加圧
成形の手順に従つて説明する。先ず、粉体加圧成形装置
11は、図2(A)に示す如く、一方型12と他方型3
とが分離され、他方型3の粉体充填空間Sに粉体Pが充
填されて粉体層Fを形成する。次に、粉体加圧成形装置
11は、同図(B)に示す如く、一方型12と他方型3
とが接合され、弾性で可撓性のデスタントリング4を保
持盤15の環状突出部15aと他方型3で挟圧してデス
タントリング4の内周面4aを縮径させる。このとき、
充填済の粉体層Fの表面Fa(同図(B)参照)と加圧
盤6の加圧面6aとの間に存在する空気は、デイスタン
トリング4と保持盤15の環状突出部15aの微細な隙
間(図示略)から外部へ排出される。
【0033】続けて、粉体加圧成形装置11は、加圧液
体給排口7から保持盤15と加圧盤6との間に適宜圧力
(例えば、50〜200Kg/cm2 )の加圧液体L
(例えば、油,グリセリン,ほう酸水)が供給される
と、加圧盤6の膨張をその中央寄りから周縁に向かつて
拡大させ、充填済の粉体層Fを空間中央寄りから空間周
縁に向かつて漸次的に初期加圧して、粉体P中の空気を
空間周縁からデイスタントリング4及びデイスタント8
と保持盤15との隙間を介して外部へ追い出す。粉体加
圧成形装置1は、粉体P中の空気を追い出したならば、
図1に示す如く、加圧液体Lを所定の最終圧力(例え
ば、2000Kg/cm2 )まで昇圧し、図2(B)中
に二点鎖線で示すように加圧盤6で粉体層Fを加圧成形
する。このとき、粉体加圧成形装置11は、加圧盤6と
縮径したデスタントリング8との干渉を無くし又は干渉
を少なくした状態で加圧形成を行うことが可能となり、
粉体充填空間Sの全域を均等に加圧盤6で加圧すること
により、肉厚みが周縁部近くまで均一となるように加圧
成形できる。
【0034】最後に、粉体加圧成形装置11は、加圧液
体給排口7を介して加圧液体Lを排出して加圧盤6を収
縮させると共に、一方型12と他方型3とを分離して成
形品(図示略)を得る。このとき、デスタントリング4
は、保持盤15の環状突出部15aと他方型3とによる
挟圧が解除されることにより、自己の弾性復帰力で内周
面4aを拡径し、成形品と分離する。
【0035】得られる成形品の平面形状は、粉体充填空
間S及び加圧盤6の加圧面6aの形状により決定される
ものであり、例えば、円形、楕円、多角形等を選択する
ことができる。
【0036】(第2の実施の形態)図3及び図4は本発
明に係る粉体加圧成形装置の第2の実施の形態を示すも
のであり、図3は加圧成形を開始した直後の状態を示す
縦断面図、図4は要部を拡大したものであつて、(A)
は一方型及び他方型を分離すると共に粉体充填空間に粉
体を充填した状態を示す断面図、(B)は接合した一方
型及び他方型でデスタントリングを挟圧した後に粉体を
加圧成形している状態を示す断面図である。
【0037】粉体加圧成形装置21の改良は、二点あ
る。第1の改良点は、前記第1の実施形態と同様に、一
方型22の保持盤25及び他方型3が分離した状態(図
4(A)参照)から加圧成形のために接合するとき(同
図(B)参照)に、弾性で可撓性のデスタントリング4
を両者25,3で挟圧してデスタントリング4の内周面
4aを縮径させるように構成したことである。一方型2
2の剛性の大きな保持盤25は、デスタントリング4を
押圧する箇所を、加圧前の加圧盤26の加圧面26aよ
り寸法Eだけ突出するように環状突出部25aを形成し
てある。一方型22は、デイスタント8に当接する箇所
25bを、加圧前の加圧盤26の加圧面26aと同一高
さとなるようにしてある。
【0038】第2の改良点は、保持盤25と加圧盤26
との間のシール構造である。このシール構造を形成する
保持盤25は、内側に環状段部27aを形成した筒状部
27と、環状段部27aに向かつてねじ込むように筒状
部27に螺合する雄螺子部28とを備えている。保持盤
25は、加圧盤26の加圧液体接触面26b側の外周縁
部と雄螺子部28の加圧液体接触面28b側との間に、
外側のバツクアツプリング29と内側のシールリング3
0とを隣接するように配置し、筒状部27の環状段部2
7aと雄螺子部28の周縁部28aとで、加圧盤26の
外周縁部26c及びシールリング30を液密状態に挟圧
して組立られている。加圧盤26は、弾性で且つ可撓性
の素材(例えば、ネオプレンゴム,ウレタン樹脂等)よ
り成形されたものであつて、その硬度がJISゴム硬度
40〜90度の範囲で適宜選択され、加圧液体Lと接触
する液体側26−1と粉体Pと接触する粉体側26−2
との二層を重ね合わせたものや、一層で形成したもの
(図示略)がある。雄螺子部28は、加圧液体接触面2
8bの中央に加圧液体給排口7を開設してある。
【0039】上記外側のバツクアツプリング29は、最
外側の硬質テフロン等の素材から成形した角状のリング
29−1と、内側の硬質ゴム等の素材から成形した角状
のリング29−2とを同芯上に複数環状に並べたもの
や、硬質ゴム等の素材から一つの環状に成形したもの
(図示略)がある。バツクアツプリング29は、加圧盤
26の外周縁部26cと雄螺子部28の周縁部28aと
で挟圧されている。挟圧されたバツクアツプリング29
は、シールリング30が加圧液体Lで外側に押圧されて
変形(図4(B)参照)するときに、保持盤25の筒状
部27と雄螺子部28との間に形成された隙間へ変形し
た部分が逃げださないようにするためのものである。シ
ールリング30は、雄螺子部28の周縁部28aと加圧
盤26の外周縁部26cとで液密状態に挟圧され、加圧
盤26の加圧液体接触面26bと雄螺子部28の加圧液
体接触面28bとの間に圧入した加圧液体Lが、外部へ
漏洩しないようにするためのものである。シールリング
30は、その硬度がJISゴム硬度40〜90度の範囲
で適宜選択される。シールリング30は、断面O状に限
定するものではなく、断面V状又は断面X状等の適宜形
状が選択される。
【0040】前記保持盤25の組み立ては、保持盤25
の筒状部27の内側に加圧盤26を挿入すると共に、加
圧盤26の加圧液体接触面26b側の外周縁部に、外側
のバツクアツプリング29と内側のシールリング30と
を隣接するように配置し、筒状部27の環状段部27a
と螺合した雄螺子部28の周縁部28aとで、加圧盤2
6の外周縁部26c及びシールリング30を液密状態に
挟圧して行われる。保守点検のための保持盤25の分解
は、この組み立て手順と逆の手順で行われる。
【0041】なお、粉体加圧成形装置21を用いて行う
粉体の加圧形成については、前記第1の実施の形態と実
質的に同一である、説明を省略する。
【0042】(第3の実施の形態)図5は本発明に係る
粉体加圧成形装置の第3の実施の形態を示すものであ
り、粉体の加圧成形の開始直前の状態を示す縦断面図で
ある。
【0043】粉体加圧成形装置31が前記第2の実施の
形態(図3及び図4参照)と異なる所は、膨張させてい
ない状態の加圧盤26の液体側26−1と雄螺子部28
の加圧液体接触面28bとの間に、液体溜の空間Hを形
成し、粉体充填空間Sに充填済の粉体の全体を同時に加
圧するようにした点である。この相違点以外の構造は、
前記第2の実施の形態と実質的に同一であり、同一符号
は同一部材を示している。
【0044】(第4の実施の形態)図6及び図7は本発
明に係る粉体加圧成形装置の第4の実施の形態を示すも
のであり、図6は加圧成形を開始した直後の状態を示す
縦断面図、図7は要部を拡大したものであつて、(A)
は一方型及び他方型を分離すると共に粉体充填空間に粉
体を充填した状態を示す断面図、(B)は接合した一方
型及び他方型でデスタントリングを挟圧した後に粉体を
加圧成形している状態を示す断面図である。
【0045】粉体加圧成形装置41は、肉厚みが内外周
縁部近くまで均一な環状(例えば、ドーナツ板状)の成
形品を成形するためのものであり、環状の加圧盤46と
他方型43との間に、平面的に広がる環状の粉体充填空
間Sを形成するようにしてある。
【0046】粉体加圧成形装置41の第1の改良点は、
上方の一方型42の保持盤45及び下方の他方型43が
分離した状態(図7(A)参照)から加圧成形のために
接合するとき(図6参照)、環状の粉体充填空間Sの内
外周を形成する弾性で可撓性の内側デスタントリング5
4及び外側デスタントリング55を両者45,43で挟
圧したときに、内側デスタントリング54の外周面54
aを拡径させると共に外側デスタントリング55の内周
面55aを縮径させるようにしたことである。
【0047】上方の一方型42の保持盤45は、図7
(A)に示す如く、鋼等の素材から剛性の大きなもに成
形され、内側デスタントリング54及び外側デスタント
リング55を押圧する箇所を、加圧前の加圧盤46の加
圧面46aより寸法Eだけ突出する内側環状突出部45
b及び外側環状突出部45aとしてある。一方型42
は、後述する内側デイスタント56に当接する箇所45
c及び外側デイスタント57に当接する箇所45dを、
加圧前の加圧盤46の加圧面46aと同一高さとなるよ
うにしてある。内側デイスタント56及び外側デイスタ
ント57は、鋼等の素材から剛性の大きなもに成形さ
れ、他方型43の加圧成形面43a側上に固定配置され
るか、他方型43と一体に形成される。内側デイスタン
ト56は、内側デスタントリング54を外嵌させるよう
に設けられ、内側デスタントリング54の内周面の縮径
を阻止するものである。また、外側デイスタント57
は、外側デスタントリング55を外嵌するように設けら
れ、外側デスタントリング55の外周面の拡径を阻止す
るものである。
【0048】挟圧前の内側デスタントリング54及び外
側デスタントリング55並びに内側デイスタント56及
び外側デイスタント57は、これら表面が同一平面を形
成するよになつており、内側デスタントリング54と外
側デスタントリング55との間に形成された環状の粉体
充填空間Sへ粉体Pを充填して粉体層Fを形成すると
き、粉升(図示略)を用いた充填作業が円滑にできるよ
うにしてある。
【0049】前記内側デスタントリング54及び外側デ
スタントリング55は、弾性で且つ可撓性の素材(例え
ば、ネオプレンゴム,ウレタン樹脂等)より成形された
ものであつて、その硬度がJISゴム硬度40〜90度
の範囲で適宜選択される。粉体層Fの厚み寸法の変更
は、所望厚みのデスタントリング54,55及びデイス
タント56,57に交換することで行うことができる。
粉体加圧成形装置41は、上方の一方型42の保持盤4
5及び下方の他方型43を接合して、デイスタント5
6,57に一方型42の保持盤45を当接させたとき、
充填済の粉体層Fの表面Faに加圧前の加圧盤46の加
圧面46aが近接または接するようにしてある。
【0050】この第1の改良により、粉体加圧成形装置
41は、一方型42の加圧盤46で加圧成形する前に、
剛性の大きな保持盤45及び他方型43で内側デスタン
トリング54及び外側デスタントリング55を挟圧し、
図7(B)に示す如く、内側デスタントリング54の外
周面54aを拡径させると共に外側デスタントリング5
5の内周面55aを縮径させるので、加圧盤46と両デ
スタントリング54,55との接触が無い状態又は非常
に少ない状態での加圧成形が可能となり、粉体充填空間
Sの全域を均等に加圧して肉厚みが内周縁部及び外周縁
部の近くまで均一な環状の成形品を得ることができる。
【0051】粉体加圧成形装置41の第2の改良点は、
図6に示す如く、保持盤45と環状の加圧盤46との間
に設けた内側及び外側のシール構造である。このシール
構造を形成する保持盤45は、内側に環状段部47aを
形成した筒状部47と、環状段部47aに向かつてねじ
込むように筒状部47に螺合する雄螺子部48と、雄螺
子部48の中央部にボルト連結58する着脱自在な段付
き押圧具53とを備えている。
【0052】内側のシール構造を形成するために、保持
盤45は、図7(A)に示す如く、加圧盤46の加圧液
体接触面46b側の内周縁部46dと雄螺子部48の加
圧液体接触面48b側との間に、内側のバツクアツプリ
ング49とシールリング50とを隣接するように配置
し、段付き押圧具53の環状段部53aと雄螺子部48
の中央寄り周縁部48cとで、加圧盤46の内周縁部4
6d及びシールリング50を液密状態に挟圧してある。
【0053】上記バツクアツプリング49は、最内側の
硬質テフロン等の素材から成形した角状のリング49−
1と、外側の硬質ゴム等の素材から成形した角状のリン
グ49−2とを同芯上に複数環状に並べたものや、硬質
ゴム等の素材から一つの環状に成形したのもの(図示
略)がある。バツクアツプリング49は、加圧盤46の
内周縁部46dと雄螺子部48の周縁部48cとで挟圧
されている。挟圧されたバツクアツプリング49は、シ
ールリング50が加圧液体Lで外側に押圧されて変形
(図7(B)参照)するときに、保持盤53と雄螺子部
48との間の隙間へ変形した部分が逃げださないように
するためのものである。シールリング50は、雄螺子部
48の周縁部48cと加圧盤46の内周縁部46dとで
液密状態に挟圧され、加圧盤46の加圧液体接触面46
bと雄螺子部48の加圧液体接触面48bとの間に圧入
した加圧液体Lが、外部へ漏洩しないようにするための
ものである。シールリング50は、その硬度がJISゴ
ム硬度40〜90度の範囲で適宜選択される。シールリ
ング50は、断面O状に限定するものではなく、断面V
状又は断面X状等の適宜形状が選択される。
【0054】前記外側のシール構造は、前記第2の実施
の形態(図3及び図4参照)と実質的に同一である。こ
の外側のシール構造を形成する保持盤45は、加圧盤4
6の加圧液体接触面46b側の外周縁部と雄螺子部48
の加圧液体接触面48b側との間に、外側のバツクアツ
プリング29と内側のシールリング30とを隣接するよ
うに配置し、筒状部47の環状段部47aと雄螺子部4
8の外側周縁部48aとで、加圧盤46の外周縁部46
c及びシールリング30を液密状態に挟圧してある。
【0055】この第2の改良により、粉体加圧成形装置
41は、加圧盤46の内周縁部46dに内側のバツクア
ツプリング49及びシールリング50とを隣接するよう
に配置すると共に、加圧盤46の外周縁部46cに外側
のバツクアツプリング29及びシールリング30を隣接
するように配置し、この状態の加圧盤46を保持盤45
の筒状部47の内側へ挿入し、筒状部47に雄螺子部4
8をねじ込むことにより、環状段部47aと雄螺子部4
8とで加圧盤46の外周縁部46c及びシールリング3
0を液密状態に挟圧し、雄螺子部48に段付き押圧具5
3をボルト連結58することにより、段付き押圧具53
と雄螺子部48とで加圧盤46の内周縁部46d及びシ
ールリング50を液密状態に挟圧して組み立てること
も、この手順と逆の手順で分解することもできる。な
お、保持盤45の筒状部47の内側へ加圧盤46を挿入
する前に、雄螺子部48に段付き押圧具53をボルト連
結58して、段付き押圧具53と雄螺子部48とで加圧
盤46の内周縁部46d及びシールリング50を液密状
態に挟圧し、その後に、保持盤45の筒状部47の内側
へ加圧盤46を挿入し、筒状部47に雄螺子部48をね
じ込むことにより、環状段部47aと雄螺子部48とで
加圧盤46の外周縁部46c及びシールリング30を液
密状態に挟圧して組み立てることも、この手順と逆の手
順で分解することもできる。
【0056】粉体加圧成形装置41の第3の改良点は、
加圧液体の供給に伴う加圧盤46の膨張を漸次的に拡大
させるようにしたことである。加圧盤46及び雄螺子部
48は、両方加圧液体接触面46b,48bを密着さ
せ、両者の間であつて、粉体充填空間Sの任意半径箇所
(例えば、粉体充填空間Sの内外周面の中間に位置する
箇所)における幅の狭い環状域と対向する初期導入環状
領域に、加圧液体を最初に供給できるようにしてある。
雄螺子部48は、加圧液体接触面48b側に、加圧盤4
6の初期導入環状領域と対面する環状の凹溝48dを設
けると共に、凹溝48dに連通する加圧液体給排口7を
開設してある。加圧盤46は、図6に示す如く、加圧液
体Lの供給に伴う膨張を、環状の凹溝48dの箇所から
内外周縁に向かつて拡大させることにより、粉体中の空
気を環状の粉体充填空間Sの内外周縁に向かつて追い出
すことができる。段付き押圧具53には、粉体中の空気
を逃がすための、空気逃がし路59を設けてある。空気
逃がし路59は、デイスタント56及び他方型43に設
けることも可能である。
【0057】加圧盤46は、弾性で且つ可撓性の素材
(例えば、ネオプレンゴム,ウレタン樹脂等)より成形
されたものであつて、その硬度がJISゴム硬度40〜
90度の範囲で適宜選択され、加圧液体Lと接触する液
体側46−1と粉体Pと接触する粉体側46−2との二
層を重ね合わせたものや、一層で形成したもの(図示
略)がある。
【0058】この第3の改良により、粉体加圧成形装置
41は、加圧液体Lの供給に伴う加圧盤46の膨張を、
環状の凹溝48d(粉体充填空間Sの任意箇所における
幅の狭い環状域と対向する環状領域)から内外周縁46
d,46cに向かつて拡大させることにより、粉体P中
の空気を環状の粉体充填空間Sの内外周縁に向かつて確
実に追い出すことができ、成形品に悪影響を及ぼす残留
空気を無くすことができる。
【0059】(第5の実施の形態)図8は本発明に係る
粉体加圧成形装置の第5の実施の形態を示すものであ
り、粉体の加圧成形の開始直前の状態を示す縦断面図で
ある。
【0060】粉体加圧成形装置61が前記第4の実施の
形態(図6及び図7参照)と異なる所は、膨張させてい
ない状態の加圧盤46の液体側46−1と雄螺子部48
の加圧液体接触面48bとの間に、液体溜の空間Hを形
成し、粉体充填空間Sに充填済の粉体の全体を同時に加
圧するようにした点である。この相違点以外の構造は、
前記第4の実施の形態と実質的に同一であり、同一符号
は同一部材を示している。
【0061】(第6の実施の形態)図9乃至図11は本
発明に係る粉体加圧成形装置の第6の実施の形態を示す
ものであり、図9は加圧盤を膨張させる直前の状態を示
す縦断面図、図10は要部を拡大したものであつて、
(A)は加圧盤を膨張させた加圧成形中の状態を示す断
面図、(B)は加圧盤を収縮させた加圧成形後の状態を
示す断面図、図11は内周径が大径のデイスタントリン
グを用いたときの要部を拡大したものであつて、(A)
は加圧盤を膨張させた加圧成形中の状態を示す断面図、
(B)は加圧盤を収縮させた加圧成形後の状態を示す断
面図である。
【0062】粉体加圧成形装置71の一つの改良点は、
図9に示す如く、下方の他方型73に、粉体充填空間S
へ向かつて進退自在で且つ剛性の大きな押圧ピストン7
4と、押圧ピストン74を内嵌するシリンダ75とを備
え、押圧ピストン74と上方の一方型2の剛性の大きな
保持盤5とでデスタントリング4を挟圧してデスタント
リング4の内周面4aを縮径させるように構成したこと
である。粉体加圧成形装置71の他の改良点は、他方型
73のシリンダ75内へ加圧液体Lを適宜量づつ段階的
に供給すると共に一方型2の保持盤5と加圧盤6の間に
加圧液体Lを適宜量づつ段階的に供給する加圧液体給排
装置77を備え、加圧液体給排装置77の液路(図示
略)を、これら加圧液体L,Lの供給を1段階づつ交互
に繰り返すように構成したことである。粉体加圧成形装
置71におけるこれら改良点以外の構造は、従来の粉体
加圧成形装置1と実質的に同一である。
【0063】下方の他方型73は、シリンダ75に加圧
液体給排口76を設けてあり、シリンダ75と押圧ピス
トン74との間に加圧液体Lを給排することで、押圧ピ
ストン74を進退させるようにしてある。押圧ピストン
74は、シールリング78及びダストリング79を嵌着
してある。弾性で可撓性のデスタントリング4は、図1
0(B)に示す如く、その内径が加圧盤6の加圧面6a
の外径と同一のものを用いるか、図11(B)に示す如
く、その内径が加圧盤6の加圧面6aの外径より若干大
径のものを用いる。シールリング4は、押圧ピストン7
4の押圧面74a上に分離可能に載置され、押圧ピスト
ン74と共に昇降するようにしてある。
【0064】次に、粉体加圧成形装置71の動作を加圧
成形の手順に従つて説明する。先ず、粉体加圧成形装置
71は、上方の一方型2と下方の他方型73とが分離さ
れ(図示略)、他方型73の押圧ピストン74を、デイ
スタントリング4の表面とデイスタント8の表面とを面
一となる位置で停止させ、この状態で、粉体充填空間S
に粉体Pが充填されて粉体層Fを形成する。なお、押圧
ピストン74は、この停止位置を、降下したときの下限
位置に設定しておくことが好ましい。次に、粉体加圧成
形装置71は、図9に示す如く、一方型2と他方型73
とが接合される。
【0065】続けて、加圧液体給排装置77は、他方型
73のシリンダ75内へ加圧液体給排口76を介して加
圧液体Lを適宜量づつ段階的に供給すると共に、一方型
2の保持盤5と加圧盤6の間に加圧液体給排口7を介し
て加圧液体Lを適宜量づつ段階的に供給する。このと
き、加圧液体給排装置77は、これら加圧液体L,Lの
供給を1段階づつ交互に繰り返し、押圧ピストン74の
段階的な上昇と加圧盤6の段階的な膨張とを交互に行
う。例えば、第1段階では、加圧液体給排口76に50
Kg/cm2 の加圧液体Lを供給して押圧ピストン74
を前進させた後に、加圧液体給排口7に25Kg/cm
2 の加圧液体Lを供給して加圧盤6を膨張させる。第2
段階では、加圧液体給排口76に(50+δa2)Kg/
cm2 の加圧液体Lを供給して押圧ピストン74を更に
前進させた後に、加圧液体給排口7に(25+δb2)K
g/cm2 の加圧液体Lを供給して加圧盤6を更に膨張
させる。第n段階目では、加圧液体給排口76に(50
+(δa2+δa3+…+δan))Kg/cm2 の加圧液体
Lを供給して押圧ピストン74を更に前進させた後に、
加圧液体給排口7に(25+(δb2+δb3+…+δb
n))Kg/cm2 の加圧液体Lを供給して加圧盤6を
更に膨張させる。
【0066】弾性で可撓性のデスタントリング4は、押
圧ピストン74の段階的な上昇に伴い、一方型2の保持
盤5と押圧ピストン74とで挟圧され、その内周面4a
を縮径させて行く。また、粉体充填空間Sに粉体Pが充
填されて粉体層Fは、加圧盤6の段階的な膨張により、
粉体充填空間Sの中央寄りから空間周縁に向かつて漸次
的に初期加圧され、粉体P中の空気を空間周縁からデイ
スタントリング4と保持盤5の隙間を介して外部へ追い
出す。なお、加圧液体給排口76及び加圧液体給排口7
へ加圧液体L,Lを交互に供給する場合において、前進
した押圧ピストン74が加圧盤6の膨張で押し戻されな
いように、各段階における加圧液体L,Lは、その圧力
が設定される。
【0067】更に続けて、粉体加圧成形装置71は、前
記第n段階までの初期加圧が終了して粉体P中の空気を
追い出したならば、両加圧液体給排口76,7に対する
加圧液体L,Lを所定の最終圧力(例えば、2000K
g/cm2 )まで昇圧し、図10(A)又は図11
(A)に示すように加圧盤6で粉体層Fを加圧成形す
る。このとき、粉体加圧成形装置71は、加圧盤6と縮
径したデスタントリング8との干渉を無くした状態(図
11(A)参照)又は干渉を少なくした状態(図10
(A)参照)で加圧形成を行うことが可能となり、粉体
充填空間Sの全域を均等に加圧盤6で加圧することによ
り、肉厚みが周縁部近くまで均一となるように加圧成形
できる。
【0068】最後に、粉体加圧成形装置71は、図10
(B)又は図11(B)に示す如く、加圧液体給排口7
6,7を介して加圧液体L,Lを排出して加圧盤6を収
縮させると共に押圧ピストン74を後退させ、その後
に、一方型2と他方型73とを分離して成形品Gを得
る。このとき、デスタントリング4は、保持盤5と他方
型73の押圧ピストン74とによる挟圧が解除されるこ
とにより、自己の弾性復帰力で内周面4aを拡径し、成
形品と分離する。なお、押圧ピストン74から成形品G
を分離するときには、押圧ピストン74を上昇させて行
うと楽に分離でき、作業性が向上する。
【0069】なお、加圧液体給排口76及び加圧液体給
排口7に対する加圧液体L,Lの供給は、前記の如く交
互に繰り返すことに限定するものではなく、加圧液体L
の最終圧力が低圧の場合(例えば、200Kg/cm2
程度)には、次の如く行うことも可能である。先ず、加
圧液体給排装置77は、加圧液体給排口76に最終圧力
の加圧液体Lを供給して、デスタントリング4の内周面
4aを縮径させる。次に、加圧液体給排装置77は、加
圧液体給排口7に供給する加圧液体Lの圧力を、最初の
初期加圧用圧力から最終圧力まで徐々に上昇させること
により、加圧盤6を膨張させて加圧成形を行う。最後
に、粉体加圧成形装置71は、加圧液体給排口76,7
を介して加圧液体L,Lを排出して加圧盤6を収縮させ
ると共に押圧ピストン74を後退させ、その後に、一方
型2と他方型73とを分離して成形品Gを得る。
【0070】(第7の実施の形態)図12及び図13は
本発明に係る粉体加圧成形装置の第7の実施の形態を示
すものであり、図12は加圧成形を開始した直後の状態
を示す縦断面図、図13は要部を拡大したものであつ
て、(A)は一方型及び他方型を分離すると共に粉体充
填空間に粉体を充填した状態を示す断面図、(B)は接
合した一方型及び他方型でデスタントリングを挟圧した
後に粉体を加圧成形している状態を示す断面図である。
【0071】粉体加圧成形装置81は、肉厚みが内外周
縁部近くまで均一な環状(例えば、ドーナツ板状)の成
形品を成形するためのものであり、上方の一方型82と
下方の他方型83との間に、平面的に広がる環状の粉体
充填空間Sを形成するようにしてある。
【0072】粉体加圧成形装置81の第1の改良点は、
下方の他方型83に、環状の粉体充填空間Sへ向かつて
進退自在で且つ剛性の大きな環状の押圧ピストン84
と、押圧ピストン84を内嵌するシリンダ85とを備
え、押圧ピストン84と一方型82の剛性の大きな筒状
部97とで、環状の粉体充填空間Sの内外周を形成する
弾性で可撓性の内側デスタントリング54及び外側デス
タントリング55を挟圧したときに、内側デスタントリ
ング54の外周面54aを拡径させると共に外側デスタ
ントリング55の内周面55aを縮径させるようにした
ことである。
【0073】上記シリンダ85は、内側の中心に軸部8
5aを立設し、軸部85aに押圧ピストン84の貫通孔
部84bを摺動自在に外嵌してある。押圧ピストン84
は、外周面84cに凹設した二箇所の横凹溝に、ダスト
リング89とシールリング88を嵌着すると共に、貫通
孔部84bの内周面に凹設した二箇所の横凹溝に、ダス
トリング91とシールリング90を嵌着してある。他方
型83は、シリンダ85に加圧液体給排口76を設けて
あり、シリンダ85と押圧ピストン84との間に加圧液
体Lを給排することで、押圧ピストン84を進退させる
ようにしてある。
【0074】環状の粉体充填空間Sの内外周を形成する
内側デスタントリング54及び外側デスタントリング5
5は、弾性で且つ可撓性の素材(例えば、ネオプレンゴ
ム,ウレタン樹脂等)より成形されたものであつて、そ
の硬度がJISゴム硬度40〜90度の範囲で適宜選択
される。両デスタントリング54,55は、押圧ピスト
ン84の加圧表面84aに載置され、押圧ピストン84
と共に昇降するようにしてある。内側デスタントリング
54は、上昇する押圧ピストン84と上方の一方型82
の保持盤95とで挟圧されると、内周面の縮径が軸部8
5aで阻止されると共に外周面54aが拡径する。外側
デスタントリング55は、上昇する押圧ピストン84と
上方の一方型82の保持盤95とで挟圧されると、外周
面の拡径がデイスタント57で阻止されると共に、内周
面55aが縮径する。環状の粉体充填空間Sに充填され
る粉体層Fの厚み寸法の変更は、所望厚みのデスタント
リング54及び55に交換することで行うことができ
る。
【0075】挟圧前の内側デスタントリング54及び外
側デスタントリング55並びにシリンダ85の軸部85
aの先端面及びデイスタント57は、これら表面が同一
平面を形成するよに調整され、内側デスタントリング5
4と外側デスタントリング55との間に形成された環状
の粉体充填空間Sへ粉体Pを充填して粉体層Fを形成す
るとき、粉升(図示略)を用いた充填作業が円滑にでき
るようにしてある。
【0076】粉体加圧成形装置81の第2の改良点は、
下方の他方型83のシリンダ85内へ加圧液体Lを適宜
量づつ段階的に供給すると共に上方の一方型82の保持
盤95と加圧盤46の間に加圧液体Lを適宜量づつ段階
的に供給する加圧液体給排装置77を備え、加圧液体給
排装置77の液路(図示略)を、これら加圧液体L,L
の供給を1段階づつ交互に繰り返すように構成したこと
である。
【0077】粉体加圧成形装置81の第3の改良点は、
保持盤95と加圧盤46との間のシール構造である。こ
のシール構造については、前記第4の実施の形態(図6
及び図7参照)における、保持盤45と加圧盤46との
間のシール構造と実質的に同一であるため、ここでの説
明を省略する。
【0078】次に、粉体加圧成形装置81の動作を加圧
成形の手順に従つて説明する。先ず、粉体加圧成形装置
81は、上方の一方型82と下方の他方型83とが分離
され(図13(A)参照)、内側デスタントリング54
及び外側デスタントリング55並びにシリンダ85の軸
部85a及びデイスタント57の各表面が面一となる位
置で、他方型83の押圧ピストン84を停止させ、この
状態で、環状の粉体充填空間Sに粉体Pが充填されて粉
体層Fを形成する。なお、押圧ピストン84は、この停
止位置を、降下したときの下限位置に設定しておくこと
が好ましい。次に、粉体加圧成形装置71は、図12に
示す如く、一方型82と他方型83とが接合される。
【0079】続けて、加圧液体給排装置77は、他方型
83のシリンダ85内へ加圧液体給排口76を介して加
圧液体Lを適宜量づつ段階的に供給すると共に、一方型
82の保持盤95と加圧盤46の間に加圧液体給排口7
を介して加圧液体Lを適宜量づつ段階的に供給する。こ
のとき、加圧液体給排装置77は、これら加圧液体L,
Lの供給を1段階づつ交互に繰り返し、前記第6の実施
の形態と同様に、押圧ピストン84の段階的な上昇と加
圧盤46の段階的な膨張とを交互に行う。
【0080】弾性で可撓性の内側デスタントリング54
及び外側デスタントリング55は、押圧ピストン84の
段階的な上昇に伴い、一方型82の保持盤95と押圧ピ
ストン84とで挟圧され、内側デスタントリング54の
外周面54aを拡径させて行くと共に、外側デスタント
リング55の内周面54aを縮径させて行く。また、粉
体充填空間Sに粉体Pが充填されて粉体層Fは、加圧盤
46の段階的な膨張により、凹溝48dと対向する粉体
充填空間Sの中間環状域から内外周縁に向かつて漸次的
に初期加圧され、粉体P中の空気を空間周縁からデイス
タントリング54及び55と保持盤95の隙間を介して
外部へ追い出す。なお、加圧液体給排口76及び加圧液
体給排口7へ加圧液体L,Lを交互に供給する場合にお
いて、前進した押圧ピストン84が加圧盤46の膨張で
押し戻されないように、各段階における加圧液体L,L
は、その圧力が設定される。
【0081】更に続けて、粉体加圧成形装置81は、加
圧液体Lを適宜量づつn段階目まで供給して初期加圧を
終了させ、粉体P中の空気を追い出したならば、両加圧
液体給排口76,7に対する加圧液体L,Lを所定の最
終圧力(例えば、2000Kg/cm2 )まで昇圧し、
図13(B)に示すように加圧盤46で粉体層Fを加圧
成形する。このとき、粉体加圧成形装置81は、加圧盤
46と縮径したデスタントリング54,55との干渉を
無くした状態又は干渉を少なくした状態で加圧形成を行
うことが可能となり、粉体充填空間Sの全域を均等に加
圧盤46で加圧することにより、肉厚みが周縁部近くま
で均一となるように加圧成形できる。
【0082】最後に、粉体加圧成形装置81は、図示は
省略したが、加圧液体給排口76,7を介して加圧液体
L,Lを排出して加圧盤46を収縮させると共に押圧ピ
ストン84を後退させ、その後に、一方型82と他方型
83とを分離して成形品を得る。このとき、デスタント
リング54,55は、保持盤95と他方型83の押圧ピ
ストン84とによる挟圧が解除されることにより、自己
の弾性復帰力で外周面54aを縮径すると共に内周面5
4aを拡径し、成形品と円滑に分離する。なお、押圧ピ
ストン84から成形品Gを分離するときには、押圧ピス
トン74を上昇させて行うと楽に分離でき、作業性が向
上する。
【0083】なお、加圧液体給排口76及び加圧液体給
排口7に対する加圧液体L,Lの供給は、前記の如く交
互に繰り返すことに限定するものではなく、加圧液体L
の最終圧力が低圧の場合(例えば、200Kg/cm2
程度)には、次の如く行うことも可能である。先ず、加
圧液体給排装置77は、加圧液体給排口76に最終圧力
の加圧液体Lを供給して、内側デスタントリング54の
外周面54aを拡径させると共に外側デスタントリング
55の内周面55aを縮径させる。次に、加圧液体給排
装置77は、加圧液体給排口7に供給する加圧液体Lの
圧力を、最初の初期加圧用圧力から最終圧力まで徐々に
上昇させることにより、加圧盤46を膨張させて加圧成
形を行う。最後に、粉体加圧成形装置81は、加圧液体
給排口76,7を介して加圧液体L,Lを排出して加圧
盤46を収縮させると共に押圧ピストン84を後退さ
せ、その後に、一方型82と他方型83とを分離して成
形品を得る。
【0084】(その他の実施の形態)前記第7の実施の
形態(図12及び図13参照)において、一方型82
は、加圧液体Lを供給しない状態のとき、雄螺子部48
の加圧液体接触面48bと加圧盤46の加圧液体接触面
46bとを接触させるようにして、加圧盤46の膨張を
漸次的に拡大させるようにしてある。しかし、加圧盤4
6の膨張を漸次的に拡大させる必要がないときには、粉
体加圧成形装置81は、第5の実施の形態(図8参照)
と同様に、雄螺子部48の加圧液体接触面48と加圧盤
46の加圧液体接触面46bとの間に、液体溜の空間を
形成し、粉体充填空間Sに充填済の粉体の全体を同時に
加圧するように構成することも可能である。
【0085】
【発明の効果】請求項1乃至4記載の本発明に係る粉体
加圧成形装置は、粉体充填空間の全域を均等に加圧盤で
加圧することにより肉厚みが周縁部近くまで均一な成形
品を得ることができるため、従来必要としていた修正加
工を省略又は軽減し、成形コストを飛躍的に低減できる
優れた効果を有する。
【0086】請求項2及び4記載の本発明に係る粉体加
圧成形装置は、粉体充填空間の全域を均等に加圧して肉
厚みが内周縁部及び外周縁部の近くまで均一な環状の成
形品を得ることができるため、成形コストを飛躍的に低
減できる優れた効果を有する。
【0087】請求項5記載の本発明に係る粉体加圧成形
装置は、粉体中の空気の確実な追い出しを確保して、品
質の安定した成形品を得ることができる優れた効果を有
する。
【0088】請求項6及び7記載の本発明に係る粉体加
圧成形装置は、加圧液体の供給に伴う加圧盤の膨張を、
周縁に向かつて拡大させることにより、粉体中の空気の
確実な追い出しを確保して、品質の安定した成形品を得
ることができる優れた効果を有する。
【0089】請求項8及び9記載の本発明に係る粉体加
圧成形装置は、保持盤に対する加圧盤の取付け構造を簡
単にし、組立や保守点検が容易にできる優れた効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粉体加圧成形装置の第1の実施の
形態を示すものであり、加圧成形状態を示す縦断面図で
ある。
【図2】第1の実施の形態における要部を拡大したもの
であつて、(A)は一方型及び他方型を分離すると共に
粉体充填空間に粉体を充填した状態を示す断面図、
(B)は接合した一方型及び他方型でデスタントリング
を挟圧した後に粉体を加圧成形する前の状態を実線で示
すと共に加圧成形状態を二点鎖線で示す断面図である。
【図3】本発明に係る粉体加圧成形装置の第2の実施の
形態を示すものであり、加圧成形を開始した直後の状態
を示すと共に加圧成形状態を二点鎖線で示す縦断面図で
ある。
【図4】第2の実施の形態における要部を拡大したもの
であつて、(A)は一方型及び他方型を分離すると共に
粉体充填空間に粉体を充填した状態を示す断面図、
(B)は接合した一方型及び他方型でデスタントリング
を挟圧した後に粉体を加圧成形している状態を示す断面
図である。
【図5】本発明に係る粉体加圧成形装置の第3の実施の
形態を示すものであり、粉体の加圧成形の開始直前の状
態を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る粉体加圧成形装置の第4の実施の
形態を示すものであり、粉体の加圧成形の開始直前の状
態を示す縦断面図である。
【図7】第4の実施の形態における要部を拡大したもの
であつて、(A)は一方型及び他方型を分離すると共に
粉体充填空間に粉体を充填した状態を示す断面図、
(B)は接合した一方型及び他方型でデスタントリング
を挟圧した後に粉体を加圧成形している状態を示す断面
図である。
【図8】本発明に係る粉体加圧成形装置の第5の実施の
形態を示すものであり、粉体の加圧成形の開始直前の状
態を示す縦断面図である。
【図9】本発明に係る粉体加圧成形装置の第6の実施の
形態を示すものであり、加圧盤を膨張させる直前の状態
を示す縦断面図である。
【図10】第6の実施の形態における要部を拡大したも
のであつて、(A)は加圧盤を膨張させた加圧成形中の
状態を示す断面図、(B)は加圧盤を収縮させた加圧成
形後の状態を示す断面図である。
【図11】第6の実施の形態において、内周径が大径の
デイスタントリングを用いたときの要部を拡大したもの
であつて、(A)は加圧盤を膨張させた加圧成形中の状
態を示す断面図、(B)は加圧盤を収縮させた加圧成形
後の状態を示す断面図である。
【図12】本発明に係る粉体加圧成形装置の第7の実施
の形態を示すものであり、加圧成形を開始した直後の状
態を示すと共に加圧成形状態を二点鎖線で示す縦断面図
である。
【図13】第7の実施の形態における要部を拡大したも
のであつて、(A)は一方型及び他方型を分離すると共
に粉体充填空間に粉体を充填した状態を示す断面図、
(B)は接合した一方型及び他方型でデスタントリング
を挟圧した後に粉体を加圧成形している状態を示す断面
図である。
【図14】従来の粉体加圧成形装置を示すものであり、
(A)は加圧直前の状態を示す縦断面図、(B)は
(A)のB−B線で断面した断面図である。
【図15】従来の粉体加圧成形装置による加圧成形の要
部を拡大してものであつて、(A)は加圧盤を膨張させ
た加圧成形中の状態を示す断面図、(B)は加圧盤を収
縮させた加圧成形後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2,12,22,42,82…一方型、3,43,7
3,83…他方型、4…デイタントリング、4a…内周
面、5,15,25,45,95…保持盤、6,26,
46,96…加圧盤、8,56,57…デイスタント、
74,84…押圧ピストン、75,85…シリンダ、2
7,47,97…筒状部、27a,47a,97a…環
状段部、28,48…雄螺子部、29,49,51…バ
ツクアツプリング、30,50,52…シールリング、
53,93…段付き押圧具、54…内側デイスタントリ
ング、55…外側デイスタントリング、77…加圧液体
給排装置、S…粉体充填空間、L…加圧液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−201202(JP,A) 特開 昭63−278699(JP,A) 特公 平8−2517(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B30B 11/00 B30B 5/02 B28B 3/00 102 B22F 3/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性の大きな保持盤に可撓性の加圧盤を
    取付けた一方型と、該加圧盤との間で平面的に広がる粉
    体充填空間を形成するための剛性の大きな他方型と、両
    型の間に配置されて粉体充填空間の外周を形成する可撓
    性のデスタントリングとを備え、一方型の保持盤と加圧
    盤との間に加圧液体を供給することで加圧成形する粉体
    加圧成形装置において、前記一方型の保持盤及び前記他
    方型は、両者が分離した状態から加圧成形のために接合
    するときに、前記デスタントリングを両者で挟圧してデ
    スタントリングの内周面を縮径させるようにしたことを
    特徴とする粉体加圧成形装置。
  2. 【請求項2】 剛性の大きな保持盤に可撓性で環状の加
    圧盤を取付けた一方型と、該加圧盤との間で平面的に広
    がる環状の粉体充填空間を形成するための剛性の大きな
    他方型と、両型の間に配置されて粉体充填空間の内外周
    を形成する可撓性の内側デスタントリング及び外側デス
    タントリングを備え、一方型の保持盤と加圧盤との間に
    加圧液体を供給することで加圧成形する粉体加圧成形装
    置において、前記一方型の保持盤及び前記他方型は、両
    者が分離した状態から加圧成形のために接合するとき
    に、前記内側デスタントリング及び前記外側デスタント
    リングを両者で挟圧して内側デスタントリングの外周面
    を拡径させると共に外側デスタントリングの内周面を縮
    径させるようにしたことを特徴とする粉体加圧成形装
    置。
  3. 【請求項3】 剛性の大きな保持盤に可撓性の加圧盤を
    取付けた一方型と、該加圧盤との間で平面的に広がる粉
    体充填空間を形成するための他方型と、両型の間に配置
    されて粉体充填空間の外周を形成する可撓性のデスタン
    トリングとを備え、一方型の保持盤と加圧盤との間に加
    圧液体を供給することで加圧成形する粉体加圧成形装置
    において、前記他方型は、粉体充填空間へ向かつて進退
    自在で且つ剛性の大きな押圧ピストンと、押圧ピストン
    を内嵌するシリンダとを備え、前記一方型の保持盤と前
    進する前記押圧ピストンとで前記デスタントリングを挟
    圧するときに、デスタントリングの内周面を縮径させる
    ようにしたことを特徴とする粉体加圧成形装置。
  4. 【請求項4】 剛性の大きな保持盤に可撓性で環状の加
    圧盤を取付けた一方型と、該加圧盤との間で平面的に広
    がる環状の粉体充填空間を形成するための他方型と、両
    型の間に配置されて粉体充填空間の内外周を形成する可
    撓性の内側デスタントリング及び外側デスタントリング
    を備え、一方型の保持盤と加圧盤との間に加圧液体を供
    給することで加圧成形する粉体加圧成形装置において、
    前記他方型は、粉体充填空間へ向かつて進退自在で且つ
    剛性の大きな円筒状の押圧ピストンと、押圧ピストンを
    内嵌するシリンダとを備え、前記一方型の保持盤と前進
    する前記押圧ピストンとで前記デスタントリングを挟圧
    するときに、内側デスタントリングの外周面を拡径させ
    ると共に外側デスタントリングの内周面を縮径させるよ
    うにしたことを特徴とする粉体加圧成形装置。
  5. 【請求項5】 前記他方型のシリンダ内へ加圧液体を適
    宜量づつ段階的に供給すると共に前記一方型の保持盤と
    加圧盤との間に加圧液体を適宜量づつ段階的に供給する
    加圧液体給排装置を備え、加圧液体給排装置はこれら加
    圧液体の供給を1段階づつ交互に繰り返すように液路構
    成した請求項3又は4記載の粉体加圧成形装置。
  6. 【請求項6】 前記一方型の保持盤と加圧盤とを密着さ
    せ、両者の間の加圧盤中央寄りに加圧液体を供給できる
    ようにし、加圧液体の供給に伴う加圧盤の膨張を、その
    中央寄りから周縁に向かつて拡大させるようにした請求
    項1又は3記載の粉体加圧成形装置。
  7. 【請求項7】 前記一方型の保持盤と加圧盤とを密着さ
    せ、両者の間であつて、前記環状の粉体充填空間の適宜
    半径箇所の幅の狭い環状域と対向する初期導入環状領域
    に加圧液体を供給できるようにし、加圧液体の供給に伴
    う環状の加圧盤の膨張を、その初期導入領域から内外周
    縁に向かつて拡大させて加圧成形するようにした請求項
    2又は4記載の粉体加圧成形装置。
  8. 【請求項8】 剛性の大きな保持盤に可撓性で円盤状の
    加圧盤を取付けた一方型と、該加圧盤との間で平面的に
    広がる粉体充填空間を形成するための剛性の大きな他方
    型とを備え、一方型の保持盤と加圧盤との間に加圧液体
    を供給することで加圧成形する粉体加圧成形装置におい
    て、前記保持盤は、内側に環状段部を形成した筒状部
    と、該環状段部に向かつてねじ込むように筒状部に螺合
    する雄螺子部とを備え、加圧盤の加圧液体接触面側の外
    周縁部と雄螺子部の加圧液体接触面側との間に、外側の
    バツクアツプリングと内側のシールリングとを隣接する
    ように配置し、筒状部の環状段部と雄螺子部とで、加圧
    盤の外周縁部及びシールリングを液密状態に挟圧したこ
    とを特徴とする粉体加圧成形装置。
  9. 【請求項9】 剛性の大きな保持盤に可撓性で環状の加
    圧盤を取付けた一方型と、該加圧盤との間で平面的に広
    がる環状の粉体充填空間を形成するための剛性の大きな
    他方型とを備え、一方型の保持盤と加圧盤との間に加圧
    液体を供給することで加圧成形する粉体加圧成形装置に
    おいて、前記保持盤は、内側に環状段部を形成した筒状
    部と、該環状段部に向かつてねじ込むように筒状部に螺
    合する雄螺子部と、雄螺子部に連結する段付き押圧具と
    を備え、加圧盤の加圧液体接触面側の外周縁部と雄螺子
    部の加圧液体接触面側との間に、外側のバツクアツプリ
    ングと内側のシールリングとを隣接するように配置する
    と共に、加圧盤の外周縁部及びシールリングを筒状部の
    環状段部と雄螺子部とで液密状態に挟圧し、加圧盤の加
    圧液体接触面側の内周縁部と雄螺子部の加圧液体接触面
    側との間に、内側のバツクアツプリングと外側のシール
    リングとを隣接するように配置すると共に、加圧盤の内
    周縁部及びシールリングを段付き押圧具の環状段部と雄
    螺子部とで液密状態に挟圧したことを特徴とする粉体加
    圧成形装置。
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