JP3134114B2 - 橋脚基部の補強工法 - Google Patents
橋脚基部の補強工法Info
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Description
工法に関するものである。
リートで構成されている。コンクリートは、圧縮力には
強いが、引張力に対する強度が極端に低く、容易にひび
割れ等の損傷が発生する。
力を生ずる部分に引張力に強い補強用鋼材をおき、構造
物を補強することが行われている。
リート構造物に引張応力が作用した場合、コンクリート
にひび割れが発生し、補強量が少ないと変形能力が十分
でなく、脆弱的に破壊しやすくなるため、大型の地震等
には対応できない。従って、新たに強力な補強手段が望
まれるところである。
は、設計荷重が作用した場合、ひび割れが引張部に発生
する。そのため、ひび割れ部から水や空気が侵入して、
内部の鉄筋等を腐食させたり、コンクリートを中性化さ
せたり、コンクリート構造物の劣化の原因となってい
る。
る高速道路の橋脚においても同様であり、橋脚の基部
は、地震等の振動による引張応力に対して対応できず、
橋脚の脚柱のフーチング付近、即ち,橋脚基部に概して
損傷が発生している。
基部から折損されたものが多く、その補強手段として数
々の方法が発明され、かつ、実施されている。
行車両はもとより通行人の邪魔にならないよう、簡易・
迅速に行う必要がある。
設の橋脚基部である、橋脚の脚柱のフーチング部付近の
補強を、簡易・迅速に行う橋脚基部の補強工法を提供す
ることを目的としている。
めに本発明は、既設橋脚の鋼板巻立てが終了した後に、
橋脚基部のフーチング部付近に複数に分割された鋼板、
あるいはFRPからなるリング体を、脚柱を取り巻いて
設置・固定し、内部に高膨張コンクリートを打設するこ
とによりリングから構成された複数に分割された鋼板、
あるいはFRPからなるリング体と橋脚とを一体化させ
ることにより補強を簡易・迅速に行う橋脚基部の補強工
法を提供するものである。ここにいう高膨張コンクリー
トは、通常の膨張コンクリートに比較し、より高い膨張
能力を有し、橋脚基部を締め付けるのに必要なケミカル
プレストレスを発生できるものである。
リングを用いた橋脚基部の補強工法の好適な実施の形態
について詳述に説明する。この工法は、既存橋脚の脚柱
に鋼板巻立てをしていない脚柱にも実施できるが、大抵
は、既存橋脚の脚柱を鋼板巻立て工程が終了した後、
行うものであり、先ず、鋼板巻立て用に組み立てられ
た足場を解体する工程と、フーチングの上面処理工程
と、さらに、複数の鋼板からなるリング体を組み立て
る工程と、高膨張コンクリートを打設する工程からな
るものである。
鋼板巻立てのため、フーチング(1c)までの土被りが
浅い場合にはオープンカットで行い、深い場合には、橋
脚(1)の地下部周囲をライナープレート(A)にて囲
み土留めし、その内部を掘削機等でフーチング(1c)
まで掘削し、橋脚(1)のフーチング(1c)から梁
(1b)までの露出した脚柱(1a)の外周面に、一定
の間隔を保って足場(B)を設置し、その足場を利用し
て脚柱(1a)に橋脚部巻立て用の鋼板(C)の設置作
業を行い、これら鋼板(C)の接合部を溶接あるいはボ
ルト締め等の固定を行い、脚柱を囲む複数に分割された
鋼板からなるリング体に形成し、この鋼板からなるリン
グ体と脚柱(1a)との隙間部に充填材を充填して筒体
と脚柱とを一体化するものを鋼板巻立て作業というもの
である。そして、これらの鋼板巻立て作業に設けた足場
は撤去する。ただし、地表より下の部分の足場について
は、作業上必要な場合、作業架台として残しても良い。
で掘削された,地表より下の部分であって、橋脚の周囲
を利用して、リング状に組み立てた,複数に分割された
鋼板からなるリング体(5)あるいはリング成型用の木
枠構造からなる分割型枠(7a)またはコンクリートブ
ロック構造からなる分割型枠(7b)を設置する。
たFRPから構成されたものであってもよい。
洗浄で洗浄し、脚柱(1a)の周囲に打ち込みアンカー
用穴(2)を、既設鉄筋を切断しないように十分配慮し
て穿ち、該穴にアンカー(3)をエポキシ系樹脂を注入
して植設し、フーチング(1c)に定着させ、該アンカ
ー(3)に断面がL字状のL形鋼(4a)を、縦片(4
b)が内側に向くように、かつ、橋脚(1)を取り囲む
ようリング状に点溶接して設け、リング支持台(4)と
し、フーチング(1c)表面に無収縮モルタル(F)を
打設してフーチング(1c)表面の不陸を平坦に調整す
る。しかし、フーチングの上面処理手段において、鋼板
巻立て作業をする場合には膨張コンクリートを用いるの
で、高膨張コンクリート打設前に不陸を補正する必要が
ある。
とは、L形鋼(4a)の縦片(4b)との角部が、リン
グ体(5)の内壁に当接し、リング鋼板の下端周面は、
リング支持台(4)上に載置されるものであり、リング
体(5)が的確な位置に納まったか、否かの確認が可能
となる。
あたっては、フーチング上面の打設面に予め、樹脂エマ
ルジョンなどによるプライマー処理、または十分な散水
により、高膨張コンクリートからの吸水を防ぐことが望
ましい。高膨張コンクリート打設後、厳しい乾燥を受け
る条件においては、高膨張コンクリートの乾燥収縮によ
り膨張圧が低下する場合も予想されるため、高膨張コン
クリート表面は防水処理されることが望ましい。
合には、予め、工場で製造された断面が半円状のFRP
を現場にて接合一体化することも考えられるが、接合部
分の強度面を配慮して、脚柱(1a)を取り囲むように
設置されたリング状の分割型枠(7a又は7b)を用い
て、現場にてFRPリングを成形するのが好ましい。
形する場合は、地上の作業架台(D)上、もしくは脚柱
(1a)を囲むフーチング(1c)表面上に組み立てら
れたリング支持台(4)上にて、所定の外径を有するリ
ング状の取り外し容易なる分割型枠(7a又は7b)を
脚柱(1a)を取り囲むよう設置した後、シート状のF
RP(9)を型枠上に沿って周回させ、母材樹脂でFR
P同士を接着固定させリング状に成形した後、更にシー
ト状のFRP(9)の少なくとも2層以上の所定層数を
母材樹脂を用いてリング状に積層接着し、固化成形した
後、リング状の分割型枠(7a又は7b)を取り外し、
FRP製のリング体(5)を得ることができる。
り外し容易なる分割型枠(7a又は7b)は、FRPリ
ングの成形に際してリング形状を決めるための型枠とし
て、周囲に薄い合板あるいは鋼板(8)を配した、所定
の外径を有するリング状のものであり、FRPリングの
成形後は取り外し容易ならしむため、木枠構造もしくは
紙管あるいは分割可能なるコンクリートブロック構造か
らなっており、脚柱(1a)を取り囲むように設置され
るべきものである。
を周回させ母材樹脂でFRP同士を接着固定させリング
状に成形した後、更にシート状のFRP(9)の少なく
とも2層以上の所定層数をリング状に積層するに際し
て、シート状のFRP(9)に替えて、母材樹脂を含ま
ないシート状に引き揃えられた補強繊維シートの少なく
とも2層以上の所定層数を母材樹脂を含浸させながら積
層した後、固化しFRPリングを成形することができ
る。いずれの場合においても、リング体の周方向および
リング体の軸方向に補強繊維を配向せしめることが重要
である。
すことにより、該リング体(5)は脚柱(1a)周囲の
フーチング表面上に組み立てられたリング支持台(4)
上に固定される。分割型枠(7a又は7b)を取り外す
ことを容易ならしむため、分割型枠(7a又は7b)周
囲に配置された薄い合板あるいは鋼板(8)と周回され
た第一層目のシート状のFRP(9)との界面には母材
樹脂を含まずアンボンド状態になっていることが望まし
く、非接着性フィルムを界面に介在させて第一層目のシ
ート状のFRP(9)を周回させるのがより望ましい。
繊維としてガラス繊維、炭素繊維および高強度有機繊維
のうち少なくとも一種からなり、母材樹脂としてエポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニ
ルエステル樹脂、ナイロン樹脂、ポリオレフィン樹脂の
うち少なくとも一種からなる。
類および補強繊維シートの積層枚数は、打設される高膨
張コンクリートの膨張倍率に依って決められるべきもの
であり、さらに、リングを、脚柱部を取り囲むよう、リ
ング体に組立てるに際して、あらかじめ母材樹脂の含浸
成形されたシート状のFRPもしくは母材樹脂を含まな
いシート状に引き揃えられた補強繊維シートを用いて少
なくとも2層以上積層し母材樹脂にて接着成形しリング
体に組み立てるものである。
う、リング体に組立てるに際して、リング体の周方向お
よびリング体の軸方向に補強繊維を配向せしめるよう構
成してもよい。
いるので、以下記述のような効果を奏するものである。
鋼板巻立てを終えた既設橋脚の脚柱のフーチング部に支
柱を取り囲むリング体を設け、内部に高膨張コンクリー
トを充填し、ケミカルプレストレスを発生させることに
より、リング体と橋脚とを一体化し、橋脚を締め付ける
ことにより、設計荷重が作用した際、ひび割れが引張部
に発生せず、しかも集中的に被害を受ける橋脚基部を堅
牢に保ち、その施工工事を簡易・迅速に行うことができ
る等極めて有益なる効果を奏するものである。
した状態の拡大正面図である。
る。
る。
面図である。
る一実施例を示す一部欠截平面図である。
枠を用いてFRPリングを作製した状態の拡大平面図で
ある。
ック構造からなる分割型枠を用いてFRPリングを作製
した状態の拡大平面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 橋脚において、橋脚の基部周囲をフーチ
ングの表面が露出するまで堀り、該橋脚の基部を拘束す
るための複数に分割された鋼板、あるいはFRPからな
るリング体を、フーチング上において脚柱部を取り囲む
よう、リング体を組み立て、フーチング上に設置し、基
部とリング体との間に高膨張コンクリートを充填し、そ
のケミカルプレストレスによって、橋脚基部を締め付
け、橋脚基部コンクリートを多軸拘束することを特徴と
する橋脚基部の補強工法。 - 【請求項2】 鋼板巻き立てがされた橋脚において、該
橋脚基部を拘束するための複数に分割された鋼板、ある
いはFRPからなるリング体を、フーチング上において
脚柱部を取り囲むよう、リング体に組み立て、フーチン
グ上に設置し、基部とリング体との間に高膨張コンクリ
ートを充填し、そのそのケミカルプレストレスによっ
て、橋脚基部を締め付け、橋脚基部コンクリートを多軸
拘束することを特徴とする橋脚基部の補強工法。 - 【請求項3】 橋脚において、該橋脚の基部周囲をフー
チングの表面が露出するまで掘り、その後、フーチング
上面処理手段を施し、不陸を修正し、複数に分割された
鋼板、あるいはFRPからなるリング体を、脚柱部を取
り囲むよう、リング体に組み立て、該リング体を、前記
フーチング上面に設けたリング支持台上に設置し、内部
に高膨張コンクリートを打設することを特徴とする橋脚
基部の補強工法。 - 【請求項4】 橋脚において、該橋脚の基部周囲をフー
チングの表面が露出するまで掘り、その後、フーチング
上面処理手段を施し、不陸を修正し、複数に分割された
鋼板、あるいはFRPからなるリング体を、橋脚部を取
り囲むよう、前記フーチング上面に設けられ、リング状
の複数のL形鋼からなるリング支持台上に設置し、基部
とリング体との間に高膨張コンクリートを充填し、その
ケミカルプレストレスによって、橋脚基部を締め付け、
橋脚基部コンクリートを多軸拘束することを特徴とする
橋脚基部の補強工法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP26249596A JP3134114B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 橋脚基部の補強工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26249596A JP3134114B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 橋脚基部の補強工法 |
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JPH1088524A JPH1088524A (ja) | 1998-04-07 |
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Family
ID=17376597
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26249596A Expired - Fee Related JP3134114B2 (ja) | 1996-09-10 | 1996-09-10 | 橋脚基部の補強工法 |
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JP (1) | JP3134114B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102660927A (zh) * | 2012-03-23 | 2012-09-12 | 陈兴冲 | 一种碳纤维抗震加固桥墩的方法 |
KR101792647B1 (ko) * | 2015-11-03 | 2017-11-20 | 대양롤랜트(주) | 컨베이어용 롤러 |
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KR100804554B1 (ko) | 2007-03-30 | 2008-02-20 | 한성산업(주) | 교각 구조물을 건축하기 위한 철근조립대 |
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CN108505433B (zh) * | 2018-04-27 | 2023-11-21 | 福建工程学院 | 一种桥墩结构及其施工方法 |
CN108442237B (zh) * | 2018-04-27 | 2023-06-02 | 福建工程学院 | 一种预制桥墩和预制承台快速拼接的构造及其施工方法 |
-
1996
- 1996-09-10 JP JP26249596A patent/JP3134114B2/ja not_active Expired - Fee Related
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