JP3134109U - ハブユニット軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外輪部10は、ボール転動体20と接触する円筒部分である外輪部圧入体12と、それ以外の部分である外輪部本体11から成るものとし、外輪部圧入体12のみを高炭素クロム軸受鋼製として外輪部本体11に嵌合圧入して構成する。内輪部30は、ボール転動体20と接触する円筒部分である内輪部圧入体32と、それ以外の部分である内輪部本体31から成るものとし、内輪部圧入体32のみを高炭素クロム軸受鋼製として内輪部本体31に嵌合圧入して構成する。
【選択図】図1
Description
図4は、従来のハブユニット軸受を示す図である。図4において、1は回転軸、2はジョイント部、3,4は支持アーム、5はタイヤ、6はディスクホイール、7はディスクロータ、8はハブユニット軸受、10は外輪部、20はボール転動体、30は内輪部、30Aは内輪部主体、30Bは内輪部補助体、37はフランジ、40はハブ軸体、41は取付ねじである。
外輪部10には支持アーム3,4が接続され、これらを介し、ハブユニット軸受8は車体(図示せず)に取り付けられている。
一方、内輪部30は、内輪部主体30Aと内輪部補助体30Bとから成り、内輪部補助体30Bは内輪部主体30Aの円筒部の先端に嵌合圧入される。内輪部主体30Aのフランジ37には、取付ねじ41によりディスクホイール6およびディスクロータ7が取り付けられている。更に、内輪部30にはハブ軸体40が一体に取り付けられ、ハブ軸体40はジョイント部2を介して回転軸1と接続されている。
例えば、ボール転動体20から見て外方にある部分は、一体に形成された外輪部10で構成されているし、内方にある部分も、ハブ軸体40や内輪部補助体30Bは一体にされていないが、他の部分は内輪部主体30Aとして一体に構成されている。
しかし、高炭素クロム軸受鋼には次のような欠点があった。
(1)硬度大であるため金型の磨耗が激しい。
(2)外輪部10や内輪部30を所定の形状に加工するために鍛造加工をする必要があるが、カーボン含有量が大であるので割れ易く、鍛造加工がしにくい。
(3)高炭素クロム軸受鋼を作るには面倒な熱処理等をしなければならず、単価が高い。 そこで、硬度が劣る高炭素軸受鋼(例えばS55C)を用いて、外輪部10,内輪部30が作られていた。しかし、程度は少し軽減されているとは言え、カーボン量が相当量含有されていて鍛造加工がしにくいとか、やはり熱処理等を経て作られるので単価が高いとかといった欠点は依然として残っていた。
本考案は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
また、ボール転動体を介して対向配設される内輪部と外輪部とを具える自動車車輪用のハブユニット軸受において、前記内輪部は、高炭素クロム軸受鋼のような高炭素鋼でなく冷間鍛造が容易な車両用鉄材で作られ円筒部とフランジとから成る内輪部本体の該円筒部の外周に、高炭素クロム軸受鋼で円筒状に作られ内面に軸方向のセレーションキーが施された2つの内輪部圧入体が隣接して嵌合圧入され、それら2つの内輪部圧入体の外周に転動体溝が設けられた構成とする。そして、前記外輪部は、高炭素クロム軸受鋼のような高炭素鋼でなく冷間鍛造が容易な車両用鉄材で作られた円筒状の外輪部本体の円筒孔内に、高炭素クロム軸受鋼で円筒状に作られ外面に軸方向のセレーションキーが施された外輪部圧入体が嵌合圧入され、かつ前記外輪部本体の軸方向両端の内周側を加締て軸方向の固定がなされ、該外輪部圧入体の内周に転動体溝が設けられた構成とする。
(1)外輪部および内輪部の内、ボール転動体と接触する円筒部分のみに高炭素クロム軸受鋼を用いる構成としたので、単価の高い高炭素クロム軸受鋼の使用量を少なくすることが出来る。
(2)前記円筒部分以外の部分には高炭素クロム軸受鋼より硬度小の金属(従って、カーボン含有量が少ない金属)を用いることが出来るので、割れにくく、鍛造加工がし易くなり、加工経費の大幅なコストダウンを図ることが出来る。
(3)ボールが転走する部分にベアリング性能の保証に最適な高炭素クロム軸受鋼を使用するので、寿命も長く信頼性の高いハブユニット軸受を得ることが出来る(従来は、加工性に配慮して硬度が劣る高炭素軸受鋼を用いていたので、寿命もそう長くはなく、信頼性も劣っていた。)。
図1は、本考案にかかわるハブユニット軸受を示す図である。図1において、符号は図4のものに対応し、11は外輪部本体、12は外輪部圧入体、31は内輪部本体、32A,32Bは内輪部圧入体である。図4と同じ符号のものは図4と同様のものであるので、それらについての説明は省略する。
第2の相違点は、内輪部30を、ボール転動体20と接触する円筒部分を構成する2つの内輪部圧入体32A,32Bと、それ以外の部分である内輪部本体31とに分け、両者を合体して内輪部30を構成したという点である。合体は、内輪部本体31に、内輪部圧入体32B,32Aを順次嵌合圧入することにより行う。
第3の相違点は、硬度大の高炭素クロム軸受鋼で作るのは外輪部圧入体12と内輪部圧入体32A,32Bのみにしたという点である(他の部分は、それより硬度小で冷間鍛造が容易な車両用鉄材で作る)。
外輪部圧入体12は、高炭素クロム軸受鋼で円筒状に作られ、熱処理が施されている。その円筒の長さは、外輪部本体11の円筒の長さより少し短くされる。嵌合圧入後に外輪部本体11の両端の内周側を加締るので、その余地を残すためである。外輪部圧入体12の厚さは、ボール転動体20との接触力に充分耐え得る厚さとされる。
外輪部圧入体12の円筒外面には、円筒の軸方向(長さ方向)にセレーションキー13を施しておく。また円筒内面には、周方向に転動体溝17を粗加工しておく。転動体溝17の数および形成位置は、後述する内輪部30の転動体溝(図3の38A,38B)の数および形成位置に対応したものとしておく。
このような外輪部本体11の円筒孔15に、前記のような外輪部圧入体12を矢印Aのように嵌合圧入する。外輪部圧入体12は硬度大の高炭素クロム軸受鋼で出来ており、外輪部本体11は硬度小の車両用鉄材で出来ているので、嵌合圧入の際、外輪部圧入体12の円筒外面上のセレーションキー13は、外輪部本体11の円筒孔15の内面に僅かに食い込む形となる。そのため、外輪部本体11と外輪部圧入体12とが強固に一体化される共に、外輪部圧入体12が外輪部本体11の中で周方向に回転することが確実に阻止される。
なお、先にも述べたが、外輪部本体11の軸長方向の長さは外輪部圧入体12より少し長くされており、前記の嵌合圧入後にその両端の内周側を加締て、外輪部圧入体12が軸長方向へ移動することがないよう固定する。
内輪部圧入体32A,32Bは、高炭素クロム軸受鋼でそれぞれ円筒状に作られる。両者の円筒の長さの合計は、前記した外輪部圧入体12の長さと略同じにされ、厚さはボール転動体20との接触力に充分耐え得る厚さとされる。
内輪部圧入体32A,32Bの円筒内面には、円筒の軸方向にそれぞれセレーションキー33A,33Bを施しておく。円筒外面には、周方向にそれぞれ転動体溝38A,38Bを、粗加工により形成しておく。
内輪部本体31の円筒部36の外周面に対し、前記のような2つの内輪部圧入体32A,32Bを、32B,32Aの順に矢印Bのように嵌合圧入する。内輪部圧入体32A,32Bは硬度大の高炭素クロム軸受鋼で出来ており、内輪部本体31は硬度小の車両用鉄材で出来ているので、嵌合圧入の際、内輪部圧入体32の円筒内面上のセレーションキー33A,33Bは、内輪部本体31の円筒外面に僅かに食い込む形となる。そのため、内輪部本体31と内輪部圧入体32A,32Bとが強固に一体化される共に、内輪部圧入体32A,32Bが内輪部本体31の外周上で周方向に回転することが確実に阻止される。
なお付言すれば、ボール転動体20も含めて組立を完了した場合、図1に示すように、外輪部圧入体12は、ボール転動体20をハブユニット軸受8の内→外へ押すように斜め方向に接触し、内輪部圧入体32A,32Bは、それと対向するよう斜め方向に接触するようセットされる。
また、外輪部および内輪部の内、前記円筒部分以外の部分には高炭素クロム軸受鋼のような高炭素鋼でなく冷間鍛造が容易な車両用鉄材(高炭素クロム軸受鋼より硬度小、従ってカーボン含有量が少ない金属)を用いることが出来るので、割れにくく、鍛造加工がし易くなる。
Claims (2)
- ボール転動体を介して対向配設される内輪部と外輪部とを具える自動車車輪用のハブユニット軸受において、
該内輪部と外輪部の内、ボール転動体と接触する各円筒状部分のみを硬度大の高炭素クロム軸受鋼製とした
ことを特徴とするハブユニット軸受。
- ボール転動体を介して対向配設される内輪部と外輪部とを具える自動車車輪用のハブユニット軸受において、
前記内輪部は、
高炭素クロム軸受鋼のような高炭素鋼でなく冷間鍛造が容易な車両用鉄材で作られ円筒部とフランジとから成る内輪部本体の該円筒部の外周に、高炭素クロム軸受鋼で円筒状に作られ内面に軸方向のセレーションキーが施された2つの内輪部圧入体が隣接して嵌合圧入され、それら2つの内輪部圧入体の外周に転動体溝が設けられた構成とされ、
前記外輪部は、
高炭素クロム軸受鋼のような高炭素鋼でなく冷間鍛造が容易な車両用鉄材で作られた円筒状の外輪部本体の円筒孔内に、高炭素クロム軸受鋼で円筒状に作られ外面に軸方向のセレーションキーが施された外輪部圧入体が嵌合圧入され、かつ前記外輪部本体の軸方向両端の内周側を加締て軸方向の固定がなされ、該外輪部圧入体の内周に転動体溝が設けられた構成とされ
たことを特徴とするハブユニット軸受。
Priority Applications (1)
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JP2007003813U JP3134109U (ja) | 2007-05-24 | 2007-05-24 | ハブユニット軸受 |
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JP2007003813U JP3134109U (ja) | 2007-05-24 | 2007-05-24 | ハブユニット軸受 |
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JP3134109U true JP3134109U (ja) | 2007-08-02 |
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JP2009162298A (ja) * | 2008-01-07 | 2009-07-23 | Jtekt Corp | 転がり軸受及びこれを備えた軸受構造 |
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2007
- 2007-05-24 JP JP2007003813U patent/JP3134109U/ja not_active Expired - Fee Related
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