JP2001180210A - 車輪軸受装置 - Google Patents
車輪軸受装置Info
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- B60B—VEHICLE WHEELS; CASTORS; AXLES FOR WHEELS OR CASTORS; INCREASING WHEEL ADHESION
- B60B27/00—Hubs
- B60B27/0078—Hubs characterised by the fixation of bearings
- B60B27/0084—Hubs characterised by the fixation of bearings caulking to fix inner race
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- Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract
確実に抑制することのできる軽量・コンパクトな車輪軸
受装置を提供する。 【解決手段】 内方部材20に設けられる複列の軌道面2
1、22のうち、インボード側の軌道面21をハブ輪30の外
周に嵌合した内輪40に形成する。また、ハブ輪30のイン
ボード側端部を加締めて内輪40とハブ輪30とを塑性変形
により非分離に結合すると共に、ハブ輪30に設けた車輪
取付けフランジ31のブレーキロータ取付け面33の面振れ
幅を所定の規格値内に規制する。
Description
車輪を車体に対して回転自在に支持する車輪軸受装置
(ハブベアリング)に関するもので、より詳しくはブレ
ーキロータの取付けを前提とした車輪軸受装置に関する
ものである。
ものと、非駆動輪用のものとがあり、それぞれの用途に
応じて種々の形式のものが提案されている。図12は駆動
輪用の車輪軸受装置の一例を示すもので、内周に複列の
軌道面1aを有する外方部材1と、そのそれぞれの軌道面
1aに対向する軌道面2a、2bを有する内方部材2と、外方
部材1と内方部材2との間に介在する複列の転動体5と
を主要構成要素とする。内方部材2は、ハブ輪3と、そ
の外周に圧入した内輪4とからなり、複列の軌道面2a、
2bのうちの一方2aが内輪4の外周に、他方2bがハブ輪3
の外周にそれぞれ形成されている。ハブ輪3には車輪取
付けフランジ3aが設けられ、この車輪取付けフランジ3a
に車輪ホイール固定用のハブボルト6を用いて図示しな
い車輪が取付けられる。車輪取付けフランジ3aと車輪と
の間にはブレーキロータ7が介在していて、このブレー
キロータ7はボルト7aを用いて車輪取付けフランジ3aに
取付けられている。
輪3が等速自在継手8の外側継手部材8aに結合される。
外側継手部材8aは、椀状のマウス部8a1と中実のステム
部8a2とからなり、ステム部8a2 にてハブ輪3とセレー
ション嵌合されている。ステム部8a2の軸端に形成した
ねじ部8a3にナット9を螺合させて締付けることによ
り、内輪4の端面が外側継手部材8aの肩部8a4端面に押
付けられ、ハブ輪3および内輪4が軸方向で位置決めさ
れると共に、転動体5に予圧が付与される。複列の転動
体5はそれぞれ接触角を有しており、前述の予圧によっ
て軸受剛性を高めると共に、モーメント荷重を受けられ
る構造になっている。
造工程においては、ブレーキロータ7を介して車輪を車
輪取付けフランジ3aに取付ける際に、ハブボルト6の締
付けによりブレーキロータ7の締結部分が変形する場合
がある。この変形は、ブレーキロータ7単体に存在する
加工精度・誤差と相俟って、組付け後のブレーキロータ
の制動面(ブレーキパッドと摺接する面)に面振れを生
じる要因となる。かかる面振れは、ブレーキング時の振
動(ブレーキジャダー)や、ブレーキロータの偏摩耗等
の発生原因となるので、その解消が要望されている。
組立工場において、車輪軸受メーカから納入された車輪
軸受装置の車輪取付けフランジ3aに、別部品として納入
されたブレーキロータ7を組付ける際に、車輪取付けフ
ランジ3aの面振れとブレーキロータ7の面振れとを位相
合わせする等の調整作業を行っているが、この方法は甚
だ面倒で作業性が悪い。
も、小型車への搭載、補機部品の取付けスペースの確
保、燃費改善等を目的として、寸法の小型化(特にアキ
シャル方向寸法の小型化)や軽量化が望まれており、こ
の要請に応える必要がある。
として、ブレーキロータそのものの誤差の他に、車輪の
組付けや車輪軸受装置の組立に伴う累積精度の低下も挙
げられており、この面からも面振れ対策を講じるのが望
ましい。
とする一方で、ブレーキング時の振動やブレーキの偏摩
耗を確実に抑制することのできる軽量・コンパクトな車
輪軸受装置の提供を目的とする。
め、本発明では、内周に複列の軌道面を有する外方部材
と、外方部材のそれぞれの軌道面に対向する軌道面を有
する内方部材と、外方部材と内方部材との間に介在する
複列の転動体とを有し、外方部材及び内方部材のうち、
回転側の部材に車輪取付けフランジを設け、この車輪取
付けフランジの側面をブレーキロータ取付け面とした車
輪軸受装置において、内方部材を、第一内側部材と、複
列の軌道面のうちの少なくとも一方の軌道面を形成した
第二内側部材とで構成し、塑性変形により第一内側部材
と第二内側部材とを非分離に一体結合すると共に、ブレ
ーキロータ取付け面の面振れ幅を規格値内に規制したも
のである。第一内側部材と第二内側部材との結合は、塑
性変形を、第一内側部材、第二内側部材、あるいは内方
部材に含まれる他部材の何れかに生じさせることによっ
て行われる。
れ幅を規格値内に規制することにより、この取付け面に
取付けられるブレーキロータの振れを所望の範囲内に抑
え、ブレーキロータ組付け後の面倒な振れ調整を不要と
することができる。また、塑性変形により第一内側部材
と第二内側部材とを非分離に一体結合することで、従来
のナットが省略可能となり、アキシャル方向寸法の小型
化や部品点数の削減による低コスト化・軽量化も図られ
る。この場合、ナットの誤差分だけ軸方向の組立精度が
改善されるので、ブレーキロータの面振れ抑制効果も得
られる。
方部材および内方部材のうち、固定側の部材を基準に回
転駆動させた状態で最大振れ幅が50μm以下となるよ
う規制するのが望ましい。
に形成することができる。この場合、内方部材が回転側
の部材に、外方部材が固定側の部材となる。
側部材の外周に直接形成することができる。
孔を形成した場合、駆動軸を取付け孔に取付けることに
よって駆動車輪用の車輪軸受装置が構成される。駆動軸
としては、例えば等速自在継手を構成する外側継手部材
のステム部が挙げられる。
材で構成することもできる。これにより、第二内側部材
と外側継手部材とを別体で構成する場合に比べ、アキシ
ャル寸法の小型化や、部品点数の削減による低コスト化
および軽量化を図ることができる。
一体に形成することもできる。この場合、外方部材が回
転側の部材となり、内方部材が固定側の部材となる。
成することができ、この場合、別部材に軌道面を形成す
る場合に比べて、アキシャル寸法の小型化や、部品点数
の削減による低コスト化および軽量化を図ることができ
る。
受装置にも適用することができる。すなわち、内周に複
列の軌道面を有する外方部材と、外方部材のそれぞれの
軌道面に対向する軌道面を有する内方部材と、外方部材
と内方部材との間に介在する複列の転動体とを有し、外
方部材及び内方部材のうち、回転側の部材に車輪取付け
フランジを設け、この車輪取付けフランジの側面にブレ
ーキロータを取付けた車輪軸受装置において、 内方部
材を、第一内側部材と、複列の軌道面のうちの少なくと
も一方の軌道面を形成した第二内側部材とで構成し、塑
性変形により第一内側部材と第二内側部材とを非分離に
一体結合すると共に、ブレーキロータの制動面の面振れ
幅を規格値内に規制するのである。
振れ幅は、外方部材及び内方部材のうち、固定側の部材
を基準に回転駆動させた状態で最大振れ幅が50μm以
下となるよう規制するのが望ましい。
図11に基づいて説明する。なお、以下の説明において
は、車両に組付けた状態で車両の外側寄りとなる側をア
ウトボード側といい、車両の中央寄りとなる側をインボ
ード側という。図2を除く上記各図においては、左側が
アウトボード側となり、右側がインボード側となる。
動輪用の軸受装置で、外方部材10と内方部材20との間に
複列の転動体50を組込んで内方部材20を回転自在に支持
する構造である。複列の転動体50は保持器60(図5等参
照)で円周方向等間隔に保持され、複列の外側軌道面11
と内側軌道面21、22との間に介在して各軌道面上を転動
する。ここでは転動体50としてボールを使用する場合を
例示してあるが、円すいころを使用することもできる。
を備え、外周に車体側の取付け部材、例えば懸架装置か
ら延びるナックルに取付けるための車体取付けフランジ
12を一体に備える。外方部材10の両端開口部にシール1
3、14が装着され、内部に充填したグリースの漏洩なら
びに外部からの水や異物の侵入を防止するようになって
いる。
合した第二内側部材40とで構成される。本実施形態は、
第一内側部材としてのハブ輪30の外周に第二内側部材と
してのリング状の内輪40を嵌合することにより、内側部
材20とした場合を例示している。ハブ輪30のアウトボー
ド側の外周には車輪を取付けるための車輪取付けフラン
ジ31が一体に形成され、一方、インボード側の外周には
小径円筒部32があって、この小径円筒部32に内輪40が圧
入されている。内側軌道面21、22のうち、インボード側
軌道面21は内輪40の外周に形成され、アウトボード側軌
道面22は、ハブ輪30の外周に直接形成されている。内方
部材20の軸芯部(本実施形態ではハブ輪30の軸芯部)に
は、図示しない駆動軸を取付けるための取付け孔23が貫
通して形成される。取付け孔23のアウトボード側には、
駆動軸とセレーション嵌合するためのセレーション部39
が形成されている。
側面33は、ブレーキロータ70を取付けるための取付け面
となる。ブレーキロータ70はボルト34によって車輪取付
けフランジ31の取付け面33に取付けられる。さらにハブ
ボルト35によって図示しない車輪が車輪取付けフランジ
31の取付け面33にブレーキロータ70を介して締付け固定
される。車輪取付けフランジ31の基端部付近からアウト
ボード側内側軌道面22に至る部分は、シール14のシール
リップが摺接するシール面36となる。
40から突出したハブ輪30の小径円筒部32の軸端を加締め
て外径側に塑性変形させることにより、非分離に一体化
される。この加締め部37により、内輪40がハブ輪30に対
して軸方向で位置決めされ、かつ転動体50に所定の予圧
が付与される。このように第一内側部材としてのハブ輪
30と第二内側部材としての内輪40との結合を塑性変形で
行うことにより、従来のナット9(図12参照)が不要と
なるので、軸受装置のアキシャル方向寸法の小型化、軽
量化、部品点数の削減(ナットが不要)による軽量化、
低コスト化が達成される。さらには、後述するようにブ
レーキロータ70の面振れ抑制効果をも得ることができ
る。
ハッチングを省略し、代わりに焼入れ硬化層を散点模様
で表わしてある。ハブ輪30は、炭素含有量が0.45〜
1.10重量%の炭素鋼等を使用して鍛造加工により成
形され、そのうちのハッチングで表わされた部分、すな
わち、車輪取付けフランジ31の基端部付近から始まっ
て、シール面36、アウトボード側の内側軌道面22、内輪
40との突合せ面である肩面38、内輪40との嵌合部(小径
円筒部32)である外周面にかけての領域には、焼入れ処
理によりHv510〜900程度の硬化層(散点模様で
染め得。図4〜図6についても同じ)が形成される。
けフランジ31の基端部分は、車輪を固定した車輪取付け
フランジ31から受けるモーメント荷重に拘らず、基端部
分の変形やフランジ31の面振れを防止するために硬化さ
せる。シール面36は、上記基端部と重複する部分もある
が、シール14のシールリップが摺接する部分であるた
め、摩擦抵抗を少なくするとともに所期のシール効果を
発揮させ、かつ、耐摩耗性を付与するために硬化させ
る。アウトボード側の内側軌道面22は、転動体50と接触
することにより大きな面圧が発生するため、転がり疲れ
寿命を確保するために硬化させる。肩面38は内輪40との
突合せ面であり、しかも、内側軌道面21、22間の距離を
左右する部分であることから、寸法精度の維持、フレッ
ティング摩耗の防止のために硬化させる。小径円筒部32
は、内輪40との間の圧入締め代に耐えられるよう、さら
には、耐クリープ性、耐フレッティング性を付与するた
めに硬化させる。焼入れ硬化層深さは、アウトボード側
の内側軌道面22において最深部で0.7〜4mm程度と
し、その他の部分、例えばシール面36においてこれより
も浅く、最深部で0.3〜2mm程度とする。特に図示
していないが内輪40の表面にも焼入れ硬化処理が施され
る。
37は、加締めを可能ならしめる程度の延性が必要とされ
るため、焼入れ処理を施さない未焼入れ部分として残し
てある。具体的には硬度をHv200〜300の範囲と
することにより、加締め加工が可能な延性を保持させる
ことができる。
れ、レーザ焼入れ等の周知の技術から選択することがで
きるが、上述のような焼入れパターンで熱処理を施す場
合には高周波焼入れが適している。表面硬化処理として
の高周波熱処理は、誘導加熱の特色を有効に生かして硬
化層を自由に選定し、耐摩耗性を与えたり疲労強度を改
善することができる。誘導加熱は、電磁誘導現象を利用
して金属内で電気エネルギを直接熱エネルギに変えて発
熱させる方法で、これを利用した高周波熱処理には多く
の特徴がある。特に局部加熱ができ、硬化層深さの選定
が自由であり、また、硬化層以外には著しい熱影響を与
えないよう制御できるので、母材の性能を保持でき、従
って、上記加締め部37のように母材中に部分的な未焼入
れ部分を残す際には有利である。
振れ幅を規格値内に規制するものである。規格値は、固
定側の部材(本実施形態では外方部材10)を基準として
回転駆動させた際のブレーキロータ取付け面33の最大振
れ幅で規定され、その値は50μm以下、望ましくは3
0μm以下とする。
れ幅の測定方法を例示しており、外方部材10を測定台80
に固定し、この固定された外方部材10を基準に内方部材
20を一回転させ、その際のブレーキロータ取付け面33の
振れ幅をダイヤルゲージ等の測定器81で測定するもので
ある。ブレーキロータ取付け面33の面振れは、車輪取付
けフランジ31の外径側ほど大きいので、面振れ幅の管理
を厳しく行えるように、測定器81の当接位置は、ハブボ
ルト35の圧入用ボルト孔31aの外接円と、車輪取付けフ
ランジ31の外周との中間位置としている。
れ対策として、本発明では上述のようにハブ輪30を加締
め等で塑性変形させて内輪40と非分離に一体化した。こ
の場合、従来のナットを省略できるので、ナットを使用
することにより生じる誤差(例えばハブ輪30と接触する
ナット端面の誤差、あるいはねじ部の誤差等)分だけア
キシャル方向の累積精度を改善することができる。これ
より軸受装置のアキシャル振れが抑制され、ブレーキロ
ータ70の面振れ低減が可能となる。
が考えられる。
られていたが、これを二回切削とし、当該取付け面33
を、表面粗さRa(中心線平均粗さ:JISB060
1)3μm以下に仕上げることとする。この二次切削
は、一次切削済みのハブ輪30に上記焼入れ等の熱処理を
施した上で行う。なお、車輪取付けフランジ31の反対側
の側面33’については、一回切削でRa=3〜6μm程
度に仕上げる。
面33に切削等の仕上げ加工を行う。この仕上げ加工によ
り、組立誤差(ミスアライメント)に起因するブレーキ
ロータ取付け面33の面振れを抑制することができる。
付け後に、ブレーキロータ70の両側面、特に図示しない
ブレーキパッドと摺接する制動面71、73に切削等の仕上
げ加工を施すことにより、取付け誤差によるブレーキロ
ータ70の面振れを解消することもできる。
フランジ31での焼入れ硬化処理は上記のように基端部に
止め、ハブボルト35のボルト孔31a周辺は未焼入れ部分
(生の部分)として残すこととする。ボルト孔31a周辺
にも焼入れ硬化層を形成した場合、ハブボルト35の圧入
によって車輪取付けフランジ31に歪みが加わり、この歪
みによってブレーキロータ取付け面33が変形する懸念が
あるが、ボルト孔31a周辺を未焼入れ部分とすれば、こ
の部分に、ボルト圧入に伴う歪みを吸収できる程度の延
性が確保されるため、ブレーキロータ取付け面33の変形
が防止され、ブレーキロータ70の面振れが防止される。
aにボルト圧入による余肉の盛上りを吸収できる程度の
面取り加工を施すことにより、ブレーキロータ70の取付
け精度を確保することができる。
ルト35の外周にセレーション部35aを設け、このセレー
ション部35aをボルト孔31aに圧入し、セレーション歯
先でボルト孔31a内周面に塑性流動を生じさせてボルト
抜け力とボルトスリップトルクを確保しているが、この
塑性流動によってブレーキロータ取付け面33が変形し、
面振れ幅の悪化につながる場合があった。これに対し、
図3に示すように、ハブボルト35外周をセレーションを
省略した円筒面とすれば(ボルト孔は従来と同様の円筒
面である)、ハブボルト35の圧入時にもボルト孔31aの
内周での塑性流動が生じず、ブレーキロータ取付け面33
の変形を防止できる。この場合、スリップトルクは、ボ
ルト頭部35bを、フランジ31に設けた被係合部31bとボ
ルト頭部35bの円周方向で係合させることによって確保
される。なお、ボルト頭部35bと被係合部31bのガタ詰
めのため、被係合部31bを加締め等でボルト側に塑性変
形させるのが望ましい。ボルト頭部35b、および被係合
部31bの形状は、図示例のものに限定されず、その他に
も例えば双方を六角形としたり楕円形とすることも考え
られる。
塑性加工を、軸受隙間が負となり、かつ軸受の予圧量が
981〜9810N(100〜1000kgf)となる
ように行う。これにより内輪40とハブ輪30の結合力が高
まるので、自動車が旋回する際のモーメント荷重などに
より、軸力と反対方向の荷重が発生しても両者の結合部
にガタを生じることはなく、結果としてブレーキロータ
70の面振れを抑制することができる。予圧量が981N
(100kgf)より小さいと軸受剛性を高めることが
困難となり、軸受隙間がブレーキロータ70の面振れとな
って影響する。逆に、予圧量が9810N(100kg
f)より大きいと、軸受剛性を高めることができるが、
それだけ軸受の負荷が増大するため、軸受寿命の低下を
招く。
制動面71、73や車輪取付けフランジ31への取付け面72を
切削等で高精度に仕上げ、面振れの軽減に努めておくの
が望ましい。
必要は必ずしもなく、使用条件、用途等に応じて何れか
一つを選択し、あるいはこれらを適宜組合わせて採用す
ることができる。
動輪用の軸受装置である。なお、以下の各実施形態の説
明においては、図1と共通の部材、あるいは対応する部
材には同じ参照番号を付して重複説明を省略する。
上半分は断面を表わすハッチングを省略して焼入れ硬化
層を散点模様で表わしている。材料、焼入れ方法等は図
1と同様である。
つの内輪40a、40bを嵌合したもので、インボード側の
内側軌道面21およびアウトボード側の内側軌道面22の双
方が内輪40a、40bの外周に設けられる点で図1と異な
る。この場合、ハブ輪30およびアウトボード側の内輪40
bが上記第一内側部材に相当し、インボード側の内輪40
aが上記第二内側部材に相当する。ハブ輪30には車輪取
付けフランジ31が形成され、このブレーキロータ取付け
面33にブレーキロータ70がボルト34を介して取付けられ
る。
動車輪用の軸受装置で、特に等速自在継手と一体にユニ
ット化したものである。図5の中心線より下半分は断面
を表わすハッチングを省略し、代わりに焼入れ硬化層を
散点模様で表わしている。
と、内側継手部材120 と、外側継手部材110 と内側継手
部材120 との間に組込まれたトルク伝達ボール130 と、
トルク伝達ボール130 を保持する保持器140 とからな
る。外側継手部材110 はマウス部111 とステム部112 と
からなり、駆動軸としてのステム部112 がハブ輪30の取
付け孔23内周にセレーション39等を介して嵌合される。
この外側継手部材110 は、ステム部112 の軸端を塑性変
形(加締め)させることでハブ輪30と非分離に一体化さ
れる。マウス部111 の側端部から半径方向に立ち上がっ
た肩面113 がハブ輪30の端面との突合せ面となる。アウ
トボード側の内側軌道面22は図1と同様にハブ輪30の外
周に直接形成され、一方、インボード側の内側軌道面21
は外側継手部材110 の外周に直接形成されている。な
お、この実施形態においては、ハブ輪30が上記第一内側
部材に相当し、外側継手部材110 が上記第二内側部材に
相当する。
は、炭素含有量が0.45〜1.10重量%、好ましく
は0.45〜0.75重量%の炭素鋼とし、少なくとも
加締め部37となる端部の硬度をHv200〜300とす
る。これにより、インボード側の内側軌道面21やマウス
部111 のトラック溝150 部分に要求される硬度(Hv5
10〜900)を確保し、しかも、かしめ作業を十分に
行えるようになる。外側継手部材110 の外周面には焼入
れ硬化層が形成される。マウス部111 については、トル
ク伝達ボール130 が転動する部分であるトラック溝150
は、耐寿命性を付与するため硬化させてある。シール面
36はシール14のシールリップが摺動する部分であるた
め、摩擦抵抗を少なくするとともに所期のシール効果を
発揮させ、かつ、耐摩耗性を付与するために硬化させ
る。アウトボード側の内側軌道面22は、転動体50が転動
する軌道であるため、転動体50から受けるラジアル荷
重、スラスト荷重に耐える寿命を保持させるために硬化
させる。肩面113 はハブ輪30との突合せ面であり、しか
も、内側軌道面21、22間の距離を左右する部分であるこ
とから、寸法精度の維持、フレッティング摩耗の防止の
ために硬化させる。ステム部112 の外周面のうち、はめ
あい部114 およびセレーション部39は、耐クリープ性、
耐フレッティング性などを付与するために硬化させる。
一方、加締め部37となるステム部112 の軸端は、加締め
を行なう部分であるため延性が必要であり、従って焼入
れ処理を施さず未焼入れ部分として残してある。焼入れ
方法については、図1と同様である。
外方部材10を回転させて用いる従動輪用の車輪軸受装置
である。外方部材10の外周面に車輪取付けフランジ31が
形成され、このフランジ31に図示しないボルトを用いて
ブレーキロータ70が固定される。内方部材20は、車体側
に固定された軸部材23と軸部材23の外周に圧入した内輪
40とで構成され、軸部材23のインボード側に車体取付け
フランジ12が一体に形成されている。軸部材23のアウト
ボード側に内輪40が圧入され、この内輪40は軸部材23に
加締め部37を介して塑性結合されている。内側軌道面2
1、22のうち、アウトボード側軌道面22は内輪40の外周
に、インボード側軌道面21は軸部材23の外周にそれぞれ
形成されている。この実施形態においては、軸部材23が
上記第一内側部材に相当し、内輪40が上記第二内側部材
に相当する。なお、図中の散点模様部分は焼入れ硬化層
を表わしている。その他の材料、焼入れ方法は図1に示
す実施形態と同様である。
輪軸受装置である。この車輪軸受装置では、ハブ輪30の
嵌合部32(小径円筒部)の外周面と内輪40の内周面のう
ち、何れか一方または双方に凹凸部41を形成し、この嵌
合部32を拡径または縮径させることにより塑性変形させ
て両者を塑性結合しており、図1に示すような曲げ加締
めに比べて結合強度が高まるため、ハブ輪30と内輪40と
の緩みを解消することができ、予圧抜け防止が図られる
という利点を有する。図面では、ハブ輪30の小径円筒部
32の凹凸部41を形成した部分を内径側から外径側に拡径
させて加締めることにより、凹凸部41を内輪40の内周面
に食い込ませ、両者を塑性結合させた場合を例示してい
る。本実施形態においては、ハブ輪30が上記第一内側部
材に、内輪40が上記第二内側部材に相当する。
例えば図8に示すように、バックアップ治具83によりハ
ブ輪30のアウトボード側端部を支持した状態で、ハブ輪
30内周の取付け孔23の内径よりも大きな外径を備えた加
締め治具84を矢印方向に移動させて取付け孔23内に圧入
することにより、小径円筒部32の凹凸部41を形成した部
分を内径側から外径側に拡径させる。小径円筒部32のう
ち、拡径により加締められた部分、すなわちかしめ部を
符号37で示してある。
図5に示す駆動輪用の軸受装置に、図7および図8と同
様の塑性結合を適用したもので、図面では、軸端部外周
面に凹凸部41を形成した外側継手部材110 の中空ステム
部112 をハブ輪30の取付け孔23に嵌合させるようにした
場合を例示している。ステム部112 の凹凸部41を形成し
た部分を符号37で示すように内径側から外径側に拡径さ
せて加締めることにより、凹凸部41をハブ輪30の貫通孔
の内周面に食い込ませ、ハブ輪30と外側継手部材110 と
を塑性結合させてある。本実施形態においては、ハブ輪
30が上記第一内側部材に、外側継手部材110 が上記第二
内側部材にそれぞれ相当する。
例えば図10に示すように、外側継手部材110 のステム部
112 をハブ輪30の取付け孔23に圧入した後、バックアッ
プ治具83により外側継手部材110 のマウス部111 底を支
持した状態で、外側継手部材110 のステム部112 をその
貫通孔112aの内径よりも大きな外径を備えた加締め治具
84を矢印方向に移動させて貫通孔112a内に圧入すること
により、ステム部112が内径側から外径側に拡径され
る。
す車輪軸受装置にブレーキロータ70を取付けた状態を示
すものである。この場合、ブレーキロータ70の制動面7
1、73の面振れ幅が規格値内に規制される。規格値は、
固定側の部材(本実施形態では外方部材10)を基準とし
て回転駆動させた際のブレーキロータ70の制動面71、73
の最大振れ幅で規定され、その値は50μm以下、望ま
しくは30μm以下とする。上記第二〜第六の実施形態
の車輪軸受装置においても同様に制動面71、73の面振れ
幅が上記規格値に規制される。
よび図11に示す車輪軸受装置を駆動輪用として説明した
が、これらは従動輪用として使用することもできる。
キロータ取付け面やブレーキロータの制動面の面振れ幅
を規格値内に規制したので、ブレーキング時の振動(ブ
レーキジャダー)や、ブレーキロータの偏摩耗等の発生
を確実に回避することができる。また、ブレーキロータ
を組付ける時、またはその後に面倒なブレーキロータの
振れ調整を行う必要がない。さらに、内方部材の塑性変
形により第一内側部材と第二内側部材とを非分離に一体
結合しているので、アキシャル方向寸法の小型化や部品
点数の削減による低コスト化・軽量化も図られる。この
場合、従来のようにナットを使用して両者を結合する場
合に比べ、ナットの誤差分だけ軸方向の組立精度が改善
されるので、ブレーキロータの面振れ抑制効果も得られ
る。
縦断面図である。
断面図である。
ボルトの斜視図、(B)図はボルト頭部側から見た正面
図である
縦断面図である。
縦断面図である。
縦断面図である。
縦断面図である。
縦断面図である。
る。
装置の縦断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 内周に複列の軌道面を有する外方部材
と、外方部材のそれぞれの軌道面に対向する軌道面を有
する内方部材と、外方部材と内方部材との間に介在する
複列の転動体とを有し、外方部材及び内方部材のうち、
回転側の部材に車輪取付けフランジを設け、この車輪取
付けフランジの側面をブレーキロータ取付け面とした車
輪軸受装置において、 内方部材を、第一内側部材と、複列の軌道面のうちの少
なくとも一方の軌道面を形成した第二内側部材とで構成
し、塑性変形により第一内側部材と第二内側部材とを非
分離に一体結合すると共に、ブレーキロータ取付け面の
面振れ幅を規格値内に規制したことを特徴とする車輪軸
受装置。 - 【請求項2】 上記ブレーキロータ取付け面の面振れ幅
を、外方部材および内方部材のうち、固定側の部材を基
準に回転駆動させた状態で最大振れ幅が50μm以下と
なるよう規制した請求項1記載の車輪軸受装置。 - 【請求項3】 車輪取付けフランジを、内方部材に一体
形成した請求項1または2記載の車輪軸受装置。 - 【請求項4】 上記内方部材の他方の軌道面を、第一内
側部材の外周に直接形成した請求項1〜3何れか記載の
車輪軸受装置。 - 【請求項5】 上記内方部材に、駆動軸を取付けるため
の取付け孔を設けた請求項1〜4何れか記載の車輪軸受
装置。 - 【請求項6】 第二内側部材が等速自在継手の外側継手
部材である請求項1〜4何れか記載の車輪軸受装置。 - 【請求項7】 上記外方部材に、車輪取付けフランジを
一体に形成した請求項1または2記載の車輪軸受装置。 - 【請求項8】 上記外方部材の内周に、軌道面を直接形
成した請求項1〜7何れか記載の車輪軸受装置。 - 【請求項9】 内周に複列の軌道面を有する外方部材
と、外方部材のそれぞれの軌道面に対向する軌道面を有
する内方部材と、外方部材と内方部材との間に介在する
複列の転動体とを有し、外方部材及び内方部材のうち、
回転側の部材に車輪取付けフランジを設け、この車輪取
付けフランジの側面にブレーキロータを取付けた車輪軸
受装置において、 内方部材を、第一内側部材と、複列の軌道面のうちの少
なくとも一方の軌道面を形成した第二内側部材とで構成
し、塑性変形により第一内側部材と第二内側部材とを非
分離に一体結合すると共に、ブレーキロータの制動面の
面振れ幅を規格値内に規制したことを特徴とするブレー
キロータ付き車輪軸受装置。 - 【請求項10】 上記ブレーキロータの制動面の面振れ
幅を、外方部材及び内方部材のうち、固定側の部材を基
準に回転駆動させた状態で最大振れ幅が50μm以下と
なるよう規制した請求項9記載のブレーキロータ付き車
輪軸受装置。
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