JP3133941B2 - 化成処理性に優れるZn−Niめっき鋼板の製造方法 - Google Patents

化成処理性に優れるZn−Niめっき鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化成処理性に優れ
るZn−Niめっき鋼板の製造方法に関し、特に、Zn−Niめ
っき鋼板の化成処理後に模様などのムラが発生しない、
Zn−Niめっき処理後の後処理技術についての提案であ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用鋼板は、プレス加工性や耐食
性、塗装性、密着性など多くの性能が要求されている。
特に、耐食性については、いわゆる10−5−2−1(孔
あき錆なし10年、表面錆なし5年、エンジンルーム錆な
し2年、床裏部品錆なし1年)に代表される非常に厳し
い防錆基準があり、高耐食性の鋼板が求められている。
それ故に、犠牲防食性を有し、Znめっき鋼板の5〜10倍
の耐食性を示すZn−Niめっき鋼板は、高耐食性が必要な
自動車用鋼板として広く使用されている。
【0003】従来、このZn−Niめっき鋼板は、自動車用
鋼板として有利に使用するために、化成処理性、耐食
性、プレス加工性、塗装性、密着性といった各種性能に
ついて多くの改善提案がなされている。そのなかでも、
Zn−Niめっき鋼板の化成処理性や塗装後の密着性につい
ては、Zn−Niめっき処理後の皮膜の表面状態に影響され
ることが知られており、この点に関し、めっき処理後の
後処理による改善が行われている。
【0004】例えば、 .特公平1−21234 号公報では、めっき処理後に、リ
ン酸化合物浴によるカソード処理やアノード処理、浸漬
処理を行うことにより、Zn−Niめっき鋼板のめっき皮膜
表面に存在している酸化物を除去し、塗装後の耐食性お
よび耐水2次密着性を改善する方法が提案されている。 .特公平2−56437 号公報では、めっき処理の最終セ
ルにおいて、Zn−Niめっき液または硫酸によるカソード
処理やアノード処理を行うことにより、Zn−Niめっき鋼
板のめっき皮膜表面のZnを優先的に溶解し、耐水2次密
着性やカチオン電着塗装時のクレータリング性を改善す
る方法が提案されている。 .特公平4−2674号公報では、Zn−Niめっき処理後
に、Zn−Niめっき液または希硫酸、希塩酸による0.01〜
1g/m2のエッチング処理を行うことにより、Zn−Niめっ
き鋼板の化成処理性を向上させ、塗膜密着性を改善する
方法が提案されている。 .特開平6−293973号公報では、Ni,Co,Feの1種以上
の重金属イオン 1.5〜40g/l 、リン酸イオン 0.5〜10g/
l 、硫酸イオン1〜250g/lおよび有機酸1〜20g/l を含
有し、2〜4.5 のpHを有する酸性置換めっき液でZn系
めっき鋼板を処理することにより、スラッジが発生する
ことなく、Niなどの重金属を効率良く析出させ、塗膜密
着性不良の解消や無塗装板の耐黒錆性向上を図る方法が
開示されている。 .特開平7−166366号公報では、Zn−Niめっき処理後
に、 H2PO4 - イオンおよびHPO4 2-イオンを含み、さらに
クエン酸イオンを含有するpH3〜4の溶液に、Zn−Niめ
っき鋼板を接触させることにより、プレス成形性と化成
処理性を改善する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術に
かかる提案で述べられているように、Zn−Niめっき鋼板
の化成処理の不良は、めっき皮膜表面にZnまたはZnの酸
化物や水酸化物が多く存在していることによって発生す
る。即ち、めっき皮膜表面の過剰なZnは、その状態が不
均一であることが多く、そのため、化成処理ムラを引き
起こしやすい。また、めっき皮膜表面の酸化物や水酸化
物は、化成処理そのものを阻害するので化成処理ムラが
生じやすい。さらに、自動車メーカー等の加工業者で
は、Zn−Niめっき鋼板は、所定の形状にプレス加工した
後に、油が付いた状態でラック等に置かれて一時保管さ
れ、日時が経ってから化成処理される場合がある。この
場合、Zn−Niめっき鋼板のめっき面とラックとの接触部
では、過剰なZnや酸化物、水酸化物と油が強固に結合
し、これらが、化成処理不良を引き起こし外観上模様と
なって見える。この模様は塗装後も跡となって残ること
が多く不良品となる。
【0006】この点に関し、上記特公平2−56437 号
公報や特公平4−2674号公報に記載の技術によれば、
Zn−Niめっき処理後に、Zn−Niめっき液または希硫酸や
希塩酸によってめっき皮膜表面のZnを溶解することがで
きる。しかしながら、Zn−Niめっき液でZnを溶解する
と、Znの溶解によってめっき皮膜表面のpHが高くな
り、めっき液中のZnイオンが水酸化Znになって、めっき
鋼板表面に付着する。この水酸化Znは、付着量がライン
速度やめっき液のpH、液温などの操業条件により異な
り、付着量が少ない場合には、通常の水洗やフラッシン
グにより除去できるが、付着量が多い場合には、残存し
てめっき皮膜の色調ムラや化成処理後の化成ムラの原因
となるという問題があった。さらに、このZn−Niめっき
液のpHは2.5 以下と低く、Znのエッチング速度が速い
ため、ライン速度を遅くすると、過エッチングとなって
めっき皮膜が変色するという問題があった。一方、希硫
酸や希塩酸でZnを溶解すると、経時でめっき皮膜表面か
ら溶解したZnを含む液組成となる。その結果、液組成の
変化により、酸によるZnの溶解速度が変わるため、種々
のライン速度において、一定性能を有するZn−Niめっき
鋼板を安定して製造する操業ができないという問題があ
った。さらに、Znの溶解によって酸中のZn濃度が高くな
ると、めっき皮膜表面でのpHが上昇して水酸化Znが生
成するようになり、残留水酸化Znにより色調ムラが発生
する場合があった。また、酸を使い捨てにするとコスト
高となる。
【0007】また、上記特公平1−21234 号公報に記
載の提案は、リン酸系の液を用いてめっき皮膜表面に存
在する酸化物や水酸化物を溶解除去する方法であり、上
記特開平7−166366号公報に記載の提案は、同じくリ
ン酸系の液を用いる方法である。これらの方法によれ
ば、溶解したZnはリン酸イオンと反応しリン酸Zn化合物
となって沈殿するため、希硫酸や希塩酸の場合のような
Znイオンによる液組成の変化はなく、しかも、反応した
リン酸イオンを補給することにより、同じエッチング性
能を維持できる。しかしながら、上記リン酸Zn化合物の
沈殿により、ライン配管が詰まって操業に支障をきたし
たり、あるいは、沈殿物がロールに付着してめっき鋼板
に転写されることにより、色調ムラが生じるという問題
があった。さらに、浸漬処理など無電解で処理すると、
Znの溶解量が処理時間(つまりライン速度)に大きく影
響し、高ライン速度において、一定の良好な性能が安定
して得られなかった。
【0008】上記リン酸Zn化合物の沈殿を防止する方法
として、上記特開平6−293973号公報に記載の提案が
ある。しかしながら、この提案は、Zn含有めっき鋼板の
塗料密着性の改善や無塗装板の黒変防止を目的とした、
クロメート処理の前処理液に関するものであり、該提案
の鋼板は、全く後処理(化成処理)がなされていないも
のである。しかも、この前処理液は、P濃度が低い(PO
4 10g/l以下=P濃度 3.3g/l以下)のでZnエッチ
ング能力が少ない。それ故に、この提案の技術では、化
成処理後の模様などのムラの発生を防ぐ効果はない。
【0009】本発明の目的は、上記従来技術が抱える各
種問題を解消することにあり、その主たる目的は、化成
処理性に優れるZn−Niめっき鋼板をライン速度に影響さ
れることなく安定して製造する方法を提案することにあ
る。本発明の他の目的は、化成処理ムラ、特にZn−Niめ
っき鋼板の化成処理後に模様が発生しないZn−Niめっき
処理後の後処理技術を確立することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的の
実現に向け、従来技術における各種問題を考慮しつつ鋭
意検討を行った。その結果、発明者らはまず、上記従来
技術において、後処理による処理能力の経時劣化がない
処理液として、溶解したZnが系外に排出され得る処理液
か、あるいは後処理液中のZn濃度の変動が小さい、Znめ
っき液、Zn−Niめっき液、リン酸系の液に着目した。さ
らに、Znめっき液やZn−Niめっき液は、pH変動により
Znの水酸化物が生成してめっき鋼板表面に付着すること
から、めっき皮膜表面でのpH変動の小さい処理液とし
て好適でない。この点、リン酸系の液は、pH変動を防
止するpH緩衝能があり、安定したZnエッチング効果も
期待できることを知見した。
【0011】一方で、発明者らは、めっき皮膜表面のZn
リッチ状態を解消する後処理方法として、めっきの皮膜
表面にNiを析出させることを考えた。この点に関し、硫
酸Niや塩化Niの水溶液による浸漬処理を検討したが、十
分な性能が得られないばかりか、めっき鋼板に外観ムラ
が発生した。また、めっき処理後の電解処理によるNiフ
ラッシュめっきを検討したが、Ni電析のための新たな設
備が必要であり不経済である。さらに、無電解Niめっき
を検討したが、例えば無電解Ni−PめっきにおいてNiの
還元剤である次亜リン酸が消費されると、それを頻繁に
添加するかあるいは液交換を行う必要性が生じ、操業が
煩雑になるばかりか不経済である。
【0012】そこで、発明者らは、上記従来技術からの
知見と上記Ni析出の検討結果に基づいて、さらに鋭意検
討を続けた。その結果、リン酸系の液にNiを添加した処
理液を用いてZn−Niめっき鋼板を後処理すると、リン酸
系の液による安定したエッチング効果とめっき皮膜表面
へのNiの置換析出効果により、めっき皮膜表面でのZnリ
ッチ状態を短時間で解消できることを新たに知見した。
そしてさらに、発明者らは、この知見に基づいて、後処
理条件と処理後のZn−Niめっき皮膜の化成処理性の関係
について検討した。その結果、処理液中のリン濃度やNi
含有量、pH、液温などの処理条件によって、化成処理
後の模様発生防止効果が大きく異なり、リン酸塩の析出
物やNiとリン酸塩からなる析出物が発生して外観ムラが
発生したり操業上好ましくない条件が存在することが分
かった。特に、塩化物浴でめっきしたZn−Niめっき鋼板
に関して適正な後処理条件にすると、従来技術における
各種問題を招くことなく、化成処理性を大幅に改善する
ことができることを見出し、本発明を想到するに至った
のである。
【0013】すなわち、本発明は、化成処理性に優れる
Zn−Niめっき処理鋼板の製造方法であり、その要旨構成
は、鋼板の少なくとも片面に、塩化物浴を用いてZn−Ni
合金めっき処理を施し、被成したそのZn−Niめっき皮膜
に対し、 H2PO4 - 、HPO4 2-およびH3PO4 のなかから選ば
れるいずれか1種以上をP濃度として4g/l以上70g
/l未満含みかつ 0.1〜5g/lのNiを含有する、pH
2.0〜5.0 に調整した後処理液を接触させる、ことを特
徴とする。
【0014】
【発明の実施の態様】本発明にかかるZn−Niめっき処理
鋼板の製造方法は、塩化物浴を用いたZn−Ni合金めっき
処理の後処理として、Niイオンを含有するリン酸系の処
理液を用いる点に特徴がある。このような本発明の方法
によれば、短時間での後処理が可能となり、処理時間が
長くなった場合においても、Znの溶解速度が遅いため、
過エッチングもなく、処理効果のライン速度依存性が低
くなる。つまり、本発明によれば、従来技術が抱える問
題を招くことなく、化成処理で模様などのムラが発生し
ないZn−Niめっき鋼板をライン速度に影響されずに安定
して製造することができる。
【0015】以下に本発明の方法について具体的に説明
する。本発明のZn−Niめっき処理鋼板の製造方法は、特
に、塩化物浴を用いたZn−Ni合金めっき処理の後処理技
術に関するものである。本発明において、Zn−Ni合金め
っき処理の処理浴を塩化物浴に限定した理由は、他の処
理浴、例えば硫酸浴を用いると、Zn−Niめっき皮膜表面
のZn量が過剰になり、本願の処理条件では良好な化成処
理性が得られないからである。
【0016】本発明方法において、処理鋼板として用い
るZn−Niめっき鋼板のNi含有率は、7〜15%、より好ま
しくは10〜14%とする。この理由は、Ni含有率が7%未
満では、Zn−Niめっきに求められる耐食性が得られない
ばかりか、本発明の処理液を用いても化成処理ムラが発
生する場合がある。一方、Ni含有率が15%を超えると、
加工に対するめっき密着性が不安定となり、プレス加工
などのめっき鋼板加工時にパウダリングなどの問題が発
生し、処理鋼板としての致命的な欠点があるからであ
る。
【0017】本発明方法において、後処理液は、 H2PO4
- 、HPO4 2-およびH3PO4 のなかから選ばれるいずれか1
種以上を主成分とするリン酸系の液を用いる。この時の
塩は、Na+ や K+ 、Mg2+、 NH4 + 、Al3+などの陽イオン
の種類には関係ない。
【0018】本発明方法において、後処理液中の H2PO4
- 、HPO4 2-またはH3PO4 の濃度は、P濃度換算で4g/
l以上70g/l未満、好ましくは5〜50g/l、より好
ましくは10〜40g/lの範囲とする。この理由は、処理
液中のP濃度が4g/l未満では、処理液によるZnのエ
ッチング効果が小さく、化成処理模様の防止効果が小さ
い。一方、処理液中のP濃度が70g/l以上であると、
Znのエッチング量が大きくなり過ぎて外観ムラを引き起
こすからである。
【0019】なお、処理液中の成分としては、操業にお
いて不可避的に入る元素、および工業用の薬剤から不可
避的に混入する元素を含むが、その量は特に限定されな
い。また、後述するpH調整やNiを添加含有させる際に
混入する硫酸イオンや塩素イオン、酢酸イオンなどの量
も特に限定されない。
【0020】本発明方法において、後処理液中のNi含有
量は、 0.1〜5g/l、好ましくは0.2〜4g/lとす
る。この理由は、Ni含有量が 0.1g/l未満では、後処
理による化成処理模様の防止効果が小さく、一方、Ni含
有量が5g/lを超えると、Ni添加の効果が飽和してし
まい、Niの置換析出量が過剰となって色調が悪くなるだ
けでなく、添加による後処理液コストが高くなるからで
ある。なお、Ni源としては、処理液中でNiをNiイオンと
して解離するものであればよく、例えば、硫酸Niや塩酸
Ni、炭酸Ni、酢酸Niなどを用いることができる。
【0021】本発明方法において、後処理液の液温は、
30〜70℃、より好ましくは40〜60℃とすることが望まし
い。この理由は、後処理液の液温が30℃未満では、後処
理による化成処理模様の防止効果が小さく、十分な性能
を得るのに長時間を要し、生産性が悪い。つまり、後処
理液の温度は、高い方が化成処理模様の防止効果が大き
くなる。しかしながら、後処理液の温度が70℃を超える
と、Znのエッチング量が激しくなるので外観ムラが生じ
る。そこで、本発明では、後処理液の液温は30〜70℃の
範囲にすることが望ましい。
【0022】本発明方法において、後処理液のpHは、
2.0〜5.0 、好ましくは 2.5〜4.0とする。この理由
は、後処理液のpHが 2.0未満では、後処理によるZnの
エッチング量が大きくなりすぎる。そのため、ライン速
度が遅くなると処理時間が長くなって過エッチングとな
り、めっき鋼板の変色や外観ムラが発生する場合があ
る。一方、後処理液のpHが 5.0を超えると、添加した
Niのほとんどが処理液中で沈殿物となり、配管等の詰ま
りの原因となる。そこで、安定操業の観点よりpHは
2.0〜5.0 の範囲にすることが望ましい。
【0023】なお、本発明方法において、後処理の時間
は、0.5 秒以上であればよい。また、Zn−Niめっき鋼板
に後処理液を接触させる方法としては、浸漬処理やスプ
レー処理、それらの混合処理のいずれを用いてもよい。
スプレー処理はノズル詰まりなどの予期せぬトラブルが
生じやすいので、安定操業の観点からは浸漬処理、特に
カウンターフロー等の液攪拌を併用する浸漬処理が最も
適している。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する。
本実施例では、まず、塩化物浴のZn−Niめっき液を用い
る電気めっき法によって、Ni含有率:5〜17%、めっき
付着量15〜35g/m2に調整した各種Zn−Niめっき鋼板を製
造し、次いで、これらのZn−Niめっき鋼板に対して、表
1に示すような各種条件に調整した後処理液を用いて、
スプレー方式または浸漬方式にて後処理を行った。な
お、後処理液は、Na2HPO4 、NaH2PO4 、Na3PO4、K2HP
O4、KH2PO4、K3PO4 等を用いて建浴し、P濃度で3〜72
g/lの範囲に調整した。後処理液のpHは、リン酸、
硫酸および水酸化ナトリウムを用いて、pH 1.8〜5.2
の範囲に調整した。Ni含有量は、硫酸Ni、塩化Niまたは
炭酸Niの形で添加し、Ni換算で0.05〜5.20g/lの範囲
に調整した。後処理液の温度は、25〜75℃の範囲に変化
させた。
【0025】このようにして後処理を行った各種Zn−Ni
めっき鋼板について、化成処理性を以下に述べる方法に
て評価した。 〔化成処理性〕Zn−Niめっき鋼板に、プレス後の洗浄油
を塗布し、ウレタン樹脂製のスポンジ状クッション材を
押し当てた状態で、37℃、相対湿度90%の湿潤条件下に
10日間放置した。次に、Zn−Niめっき鋼板に対して短時
間のアルカリ脱脂を行い、日本ペイント製の化成処理液
(商品名:PB3020)による化成処理を施した後、化成処
理模様の有無を目視観察により判定した。また、クッシ
ョン跡の模様の他に、全体的な化成処理ムラや外観ムラ
の有無についても同様に評価した。さらに、後処理液中
の沈殿物発生の有無については、後処理液を建浴した後
に目視観察を行って評価した。
【0026】これらの結果を表1に示す。この表1に示
す結果から明らかなように、本発明の後処理技術によれ
ば、化成処理で模様などのムラが発生しないZn−Niめっ
き鋼板を安定して製造することができることが判った。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、Zn−Niめっき鋼板
の化成処理で模様などのムラが発生しない、Zn−Niめっ
き処理後の後処理技術を確立した本発明によれば、化成
処理性に優れるZn−Niめっき鋼板をライン速度に影響さ
れることなく安定して製造することができ、その工業的
価値は大変大きいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C25D 3/56 C25D 3/56 D (72)発明者 片桐 知克 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 菊地 利裕 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平6−293973(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86 C23C 28/00 C25D 5/26 C25D 5/48 C25D 3/56

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の少なくとも片面に、塩化物浴を用
    いてZn−Ni合金めっき処理を施し、被成したそのZn−Ni
    めっき皮膜に対し、 H2PO4 - 、HPO4 2-およびH3PO4 のな
    かから選ばれるいずれか1種以上をP濃度として4g/
    l以上70g/l未満含みかつ 0.1〜5g/lのNiを含有
    する、pH 2.0〜5.0 に調整した後処理液を接触させ
    る、ことを特徴とする化成処理性に優れるZn−Niめっき
    処理鋼板の製造方法。
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