JP3133912B2 - トルクコンバータ装置の制御方法 - Google Patents

トルクコンバータ装置の制御方法

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JP3133912B2 JP27978194A JP27978194A JP3133912B2 JP 3133912 B2 JP3133912 B2 JP 3133912B2 JP 27978194 A JP27978194 A JP 27978194A JP 27978194 A JP27978194 A JP 27978194A JP 3133912 B2 JP3133912 B2 JP 3133912B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用等のトルクコン
バータ装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ターボチャージャ付エンジンは、仕様に
よっては低速回転域でのエンジントルクが、ターボチャ
ージャの付いていないエンジンよりも小さくなる傾向に
あり、このため重量の大きい車両の発進時に発進性能の
低下する場合がある。こうした低速域でのトルク低下を
補うものとして、トルクコンバータのトルク増幅作用を
活用したロックアップクラッチ及び変速用クラッチの付
いたトルクコンバータ(例えば、特開平1−20615
7号公報参照)が知られている。従来公知のロックアッ
プクラッチ及び変速用クラッチの付いた前記トルクコン
バータを用いた場合には、エンジンの出力はトルクコン
バータ(発進時にトルクを増幅する)又はロックアップ
クラッチ(燃費向上のため、発進後のトルクコンバータ
の滑りをなくすように直結状態とする)、変速用クラッ
チ(走行中の変速機の変速に使用)を介して変速機(通
常の機械式変速機で前記変速用クラッチを遮断して手動
でセレクトシフトする)に伝動される。このトルクコン
バータによると、ロックアップクラッチが接続(係合)
した状態では、エンジンの出力はロックアップクラッ
チ、変速用クラッチ、変速機の順に伝動され、ロックア
ップクラッチが遮断(係合解除)された状態ではエンジ
ンの出力はトルクコンバータ、変速用クラッチ、変速機
(T/M)の順に伝動される。走行中に変速操作を行う
場合には、通常のマニュアル変速機と同様に、クラッチ
ペダルを踏むとクラッチスイッチが接続(オン)され、
変速用クラッチが遮断される。この状態で変速機のシフ
トレバーを機械的にセレクトシフトし、その後にクラッ
チペダルを戻すと変速用クラッチが接続され、変速が完
了する。なお、クラッチスイッチは、クラッチペダルの
他に変速機のシフトレバーに設けることができる。
【0003】図3は、ロックアップクラッチ及び変速用
クラッチの付いた前記トルクコンバータに変速機を連結
したもの(トルクコンバータ装置)を制御するために、
従来考えられた方法を示すフローチャートである。エン
ジンを始動させ制御装置をスタートさせると、ステップ
S1でイニシャルチェックが行われ、ステップS2に進
む。ステップS2では変速用のクラッチスイッチがオン
かどうかが判別され、オンであることが確認されるとス
テップS3に進み、ステップS3で変速用クラッチが遮
断状態にされかつロックアップクラッチも遮断状態にさ
れ、点Aを通ってステップS2に再び進む。ステップS
2では変速用のクラッチスイッチがオフであることが確
認されるとステップS4に進む。
【0004】ステップS4において変速用クラッチが接
続され、ステップS5に進んで変速機の入力回転数が設
定値よりも大きいかどうかが判別される。ステップS5
で変速機の入力回転数が設定値よりも大きいと確認され
ると、ステップS6に進んでロックアップクラッチが接
続され、ステップS8に進む。ステップS5で変速機の
入力回転数が設定値よりも小さいと確認されると、ステ
ップS7に進んでロックアップクラッチが遮断され、ス
テップS8に進む。
【0005】ステップS8において、トルクコンバータ
の油温が設定値よりも大きいかどうかが判別される。油
温が設定値よりも大きいことが確認されると、ステップ
S10に進んで油温ランプが点灯され、から点Aを通っ
てステップS2に戻る。油温が設定値よりも小さいこと
が確認されると、ステップS9に進んで油温ランプが消
灯され、から点Aを通ってステップS2に戻る。従来
のトルクコンバータ装置の制御方法では、ステップS5
で変速機の入力回転数が設定値よりも大きいと確認され
ると、ステップS6に進んでロックアップクラッチが接
続される。ところが、変速機が低速ギヤ(第1速〜第4
速)のときにロックアップクラッチが接続されると、低
速ギヤでトルクコンバータを滑らせながら加速している
間にロックアップクラッチを接続することになり、接続
時にショックが発生し、低速ギヤではロックアップでき
ない場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、トルクコン
バータ装置の制御方法において、ロックアップクラッチ
を接続するときのショックを軽減することを課題とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロックアップ
クラッチ・変速用クラッチ付のトルクコンバータ装置の
入出力軸を機械的に結合させるロックアップクラッチの
制御方法において、変速クラッチのスイッチがオンとな
って変速クラッチ遮断命令が出力された場合は、変速ク
ラッチ遮断の応答時間が第4設定値より大きいとき、車
速が第5設定値以下ならばロックアップクラッチを遮断
し、車速が第5設定値よりも大きく変速機の入力回転/
出力回転の比が第6設定値以下ならばロックアップクラ
ッチを接続し、車速が第5設定値よりも大きく変速機の
入力回転/出力回転の比が第6設定値よりも大きければ
ロックアップクラッチを遮断し、変速クラッチ遮断の応
答時間が第4設定値以下のときロックアップクラッチの
状態が現状維持となることを技術的手段とする。本発明
において、車速が第1設定値以下のときロックアップク
ラッチを遮断し、車速が第1設定値よりも大きいとき第
1条件を満たすとロックアップクラッチの状態が現状維
持となり、車速が第5設定値よりも大きいとき第1条件
を満たさないとロックアップクラッチを遮断することを
も技術的手段とすることができる。そして、変速機の入
力回転/出力回転の比が第2設定値以下でありかつ変速
機の入力軸の毎分回転数が第3設定値以上のとき第1条
件を満たし、変速機の入力回転/出力回転の比が第2設
定値よりも大きいとき及び変速機の入力軸の毎分回転数
が第3設定値よりも小さいとき第1条件を満たさないと
することができる。また、本発明において、第1設定値
を10km/hとし、第2設定値を3.0 とし、第3設定値を70
0rpmとし、第4設定値を0.5 秒とし、第5設定値を10km
/h とし、第6設定値を3.0 とすることができる。
【0008】
【作用】変速クラッチのスイッチがオンとなって変速ク
ラッチ遮断命令が出力された場合は、変速クラッチ遮断
の応答時間が第4設定値以上のとき、車速が第5設定値
以下ならばロックアップクラッチを遮断する。車速が第
5設定値よりも大きく変速機の入力回転/出力回転の比
が第6設定値以下ならばロックアップクラッチを接続
し、車速が第5設定値よりも大きく変速機の入力回転/
出力回転の比が第6設定値よりも大きければロックアッ
プクラッチを遮断し、変速クラッチ遮断の応答時間が第
4設定値以下のときロックアップクラッチの状態が現状
維持となる。
【0009】
【実施例】図1、図2に基づいて本発明の実施例の説明
をする。図1のブロック図に示すように、エンジン1、
ロックアップクラッチ・変速用クラッチ付のトルクコン
バータ2及び変速機3が順次に連結され、変速機のシフ
トレバー4がメカニカルリンクを介して変速機3に連結
される。トルクコンバータ2にはロックアップソレノイ
ド5、変速用クラッチソレノイド6及びトルクコンバー
タ油温センサー7が配設され、変速機3の出力回転を検
出する車速センサー8及び入力回転を検出するトルコン
タービン回転センサー9がそれぞれ変速機3に配設され
る。制御装置のコンピュータ11には、トルクコンバータ
油温センサー7、車速センサー8、トルコンタービン回
転センサー9、変速用のクラッチスイッチ12、アクセル
センサー13及びダイアグスイッチ14が信号線25〜30を介
してそれぞれ接続され、それぞれの信号線25〜30を通し
てそれぞれの信号が入力される。そして、コンピュータ
11には、ロックアップソレノイド5、変速用クラッチソ
レノイド6、油温警報ランプ15及びダイアグランプ16が
信号線31〜34を介してそれぞれ接続され、コンピュータ
11からの出力信号が信号線31〜34を通ってそれぞれ出力
される。
【0010】図2は、ロックアップクラッチ・変速用ク
ラッチ付のトルクコンバータ2及び変速機3からなるト
ルクコンバータ装置の制御方法を示すフローチャートで
ある。エンジンを始動させ制御装置をスタートさせる
と、イニシャルチェックが行われ、ステップaに進む。
ステップaでは変速用のクラッチスイッチ12がオンかど
うかが判別され、オン(接続状態)にあることが確認さ
れるとステップbに進み、ステップbで変速用クラッチ
の遮断命令が出力され、ステップhに進む。ステップa
で変速用のクラッチスイッチがオフ(遮断状態)にある
ことが確認されるとステップcに進む。
【0011】ステップhにおいて、変速用クラッチの遮
断命令の出力から変速用クラッチ遮断までの応答時間を
検出し、応答時間が第4設定値(0.5 秒)以下かどうか
を判別する。従って、ロックアップクラッチが接続動作
を行うのは、変速用クラッチの遮断命令の出力後0.5 秒
してからとなる。ステップhで応答時間が0.5 秒以下で
あると確認されたときは、ステップgに進み、ロックア
ップクラッチの状態をチェックする。ステップgでロッ
クアップクラッチがオン(接続状態)であることが確認
されると、ステップlに進みロックアップクラッチ接続
の状態が継続され、点を通ってステップaへ戻る。ス
テップgでロックアップクラッチがオフ(遮断状態)で
あることが確認されると、ステップkに進みロックアッ
プクラッチ遮断の状態が継続され、点を通ってステッ
プaへ戻る。このようにステップhで応答時間が0.5 秒
以下であると確認されたときは、ロックアップの状態は
現状維持となる。
【0012】ステップhで応答時間が0.5 秒より大きい
と確認されたときは、ロックアップのショックの発生す
る可能性があるので、ステップiに進み、車速が第5設
定値(10km/h )以下かどうかが判別される。ステップ
iにおいて、車速が10km/h以下であると確認されたと
きは、エンスト防止のためステップkに進みロックアッ
プクラッチは遮断される。ステップiで車速が10km/h
より大きいと確認されたときは、ステップjへ進み、変
速機3の入力回転数/出力回転数の比が第6設定値(3.
0 )以下かどうかが判別される。ステップjにおいて、
変速機3の入力回転数/出力回転数の比が3.0 より大き
い(第2速である)ことが確認されると、この場合第2
速のみがトルクコンバータ使用状態であり、ロックアッ
プクラッチを接続するとショック発生の可能性があるの
で、それを避けるためステップkへ進みロックアップク
ラッチ遮断とされる。ステップjにおいて、変速機3の
入力回転数/出力回転数の比が3.0 以下(第3速以上)
であることが確認されると、この場合はトルクコンバー
タを使用しない状態でありロックアップクラッチ接続に
よるショック発生の可能性がないので、ステップlへ進
み、変速用クラッチが遮断状態(駆動力がゼロの状態)
でロックアップクラッチを接続させる。ロックアップク
ラッチを接続させた後に、ステップa、ステップcへ進
み、変速用クラッチが接続される。このように、ロック
アップクラッチの接続操作は、第3速のような低速ギヤ
の場合にも行うことができ、燃費も向上する。
【0013】ステップcにおいて変速用クラッチが接続
され、ステップdに進んで車速(変速機3の出力回転)
が第1設定値(10km/h )以下かどうかが判別される。
ステップdで車速が10km/h 以下であることが確認され
ると、エンスト防止のためステップkに進んでロックア
ップクラッチが遮断され、ステップaへ戻る。ステップ
dで車速が10km/h より大きいことが確認されると、ス
テップeに進んで変速機3の入力回転数/出力回転数の
比が第2設定値(3.0 )以下かどうかが判別される。ス
テップeで変速機3の入力回転数/出力回転数の比が3.
0 以下である(第3速以上である)ことが確認される
と、ステップfに進む。これに対して、ステップeで変
速機3の入力回転数/出力回転数の比が3.0 より大きい
(この場合第2速である)と確認されると、前記のとお
り第2速がトルクコンバータ使用状態でありロックアッ
プクラッチを接続するとショック発生の可能性があるの
で、ステップkに進みロックアップクラッチが遮断され
る。
【0014】ステップfにおいて、変速機3の毎分入力
回転数が第3設定値(700rpm)以上かどうかが判別され
る。ステップfで変速機3の毎分入力回転数が700rpmよ
り小さいことが確認されるとステップkに進みロックア
ップクラッチが遮断される。ステップfで変速機3の毎
分入力回転数が700rpm以上であることが確認されるとス
テップgに進み、ロックアップクラッチの状態が判別さ
れる。ステップgでロックアップクラッチが接続状態で
あることが確認されると、ステップlに進み、ロックア
ップクラッチ接続の状態が継続される。これに対して、
ステップgでロックアップクラッチが遮断状態であるこ
とが確認されると、ステップkに進み、ロックアップク
ラッチ遮断の状態が継続される。
【0015】
【発明の効果】本発明では、変速クラッチのスイッチが
オンとなって変速クラッチ遮断命令が出力され、変速ク
ラッチ遮断の応答時間が第4設定値(0.5 秒)を越え、
車速が第5設定値(10km/h )よりも大きく、変速機の
入力回転/出力回転の比が第6設定値(3.0 )以下のと
き(第3速以上でトルクコンバータを使用しないとき)
にのみ、ロックアップクラッチを接続する。このよう
に、変速クラッチが遮断状態(駆動力がゼロの状態)
で、トルクコンバータを使用しないとき、クラッチ遮断
命令の0.5 秒経過後にロックアップクラッチの接続動作
が行われるので、ロックアップクラッチ接続時のショッ
クが軽減される。また、変速機の入力回転/出力回転の
比が第6設定値(3.0 )以下のとき(第3速以上のと
き)にロックアップクラッチを接続できるので、ロック
アップクラッチ接続時間の割合が大きく、車両の燃費が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のブロック図である。
【図2】本発明の実施例の制御方法を示すフローチャー
トである。
【図3】従来例の制御方法を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トルクコンバータ 3 変速機 8 車速センサー 9 トルクコンバータのタービン回転センサー

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロックアップクラッチ・変速用クラッチ
    付のトルクコンバータの入出力軸を機械的に結合させる
    ロックアップクラッチの制御方法において、変速クラッ
    チのスイッチがオンとなって変速クラッチ遮断命令が出
    力された場合は、変速クラッチ遮断の応答時間が第4設
    定値(秒)より大きいとき、車速が第5設定値(km/
    h)以下ならばロックアップクラッチを遮断し、車速が
    第5設定値よりも大きく変速機の入力回転/出力回転の
    比が第6設定値以下ならばロックアップクラッチを接続
    し、車速が第5設定値よりも大きく変速機の入力回転/
    出力回転の比が第6設定値よりも大きければロックアッ
    プクラッチを遮断し、変速クラッチ遮断の応答時間が第
    4設定値以下のときロックアップクラッチの状態が現状
    維持となることを特徴とするトルクコンバータ装置の制
    御方法。
  2. 【請求項2】 ロックアップクラッチ・変速用クラッチ
    付のトルクコンバータの入出力軸を機械的に結合させる
    ロックアップクラッチの制御方法において、変速クラッ
    チのスイッチがオンとなって変速クラッチ遮断命令が出
    力された場合は、変速クラッチ遮断の応答時間が第4設
    定値(秒)より大きいとき、車速が第5設定値(km/
    h)以下ならばロックアップクラッチを遮断し、車速が
    第5設定値よりも大きく変速機の入力回転/出力回転の
    比が第6設定値以下ならばロックアップクラッチを接続
    し、車速が第5設定値よりも大きく変速機の入力回転/
    出力回転の比が第6設定値よりも大きければロックアッ
    プクラッチを遮断し、変速クラッチ遮断の応答時間が第
    4設定値以下のときはロックアップクラッチの状態が現
    状維持となり、また変速クラッチのスイッチがオフとな
    って変速クラッチが接続された場合は、車速が第1設定
    (km/h)以下のときロックアップクラッチを遮断
    し、車速が第1設定値よりも大きいとき第1条件を満た
    すとロックアップクラッチの状態が現状維持となり、車
    速が第5設定値よりも大きいとき第1条件を満たさない
    とロックアップクラッチを遮断することを特徴とするト
    ルクコンバータ装置の制御方法。
  3. 【請求項3】 変速機の入力回転/出力回転の比が第2
    設定値以下でありかつ変速機の入力軸の毎分回転数が第
    3設定値(rpm)以上のとき第1条件を満たし、変速
    機の入力回転/出力回転の比が第2設定値よりも大きい
    とき及び変速機の入力軸の毎分回転数が第3設定値より
    も小さいとき第1条件を満たさない請求項2記載のトル
    クコンバータ装置の制御方法。
  4. 【請求項4】 第4設定値(秒)を0.5 秒とし、第5設
    定値(km/h)を10km/h とし、第6設定値を3.0 と
    する請求項1記載のトルクコンバータ装置の制御方法。
  5. 【請求項5】 第1設定値(km/h)を10km/hとし、
    第2設定値を3.0 とし、第3設定値(rpm)を700rpm
    とし、第4設定値(秒)を0.5 秒とし、第5設定値(k
    m/h)を10km/h とし、第6設定値を3.0 とする請求
    項2又は3記載のトルクコンバータ装置の制御方法。
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