JP3132007U - 微高温湿り空気の暴露装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 湿り空気を用いた対象物の処理に際し、湿り空気を対象物の表面全体に均一的に暴露することができ、湿り空気により迅速かつ確実に処理することができる微高温湿り空気の暴露装置を提供する。
【解決手段】 対象物4を35℃以上100℃以下の湿り空気で暴露するための暴露空間2を形成する装置本体1と、当該装置本体1に備わり、前記対象物4を前記暴露空間2内に搬入又は搬出するための開口部15と、前記暴露空間2内に配設される複数個の湿り空気発生器3とを有し、前記暴露空間2内には前記対象物4を前記暴露空間2内で移動させるための移動手段6が備わり、前記湿り空気発生器3には、水槽と、当該水槽内の水分を温めるためのヒーターと、前記水槽内の水分を粒子化するための粒子化手段が備わる。
【選択図】 図1
【解決手段】 対象物4を35℃以上100℃以下の湿り空気で暴露するための暴露空間2を形成する装置本体1と、当該装置本体1に備わり、前記対象物4を前記暴露空間2内に搬入又は搬出するための開口部15と、前記暴露空間2内に配設される複数個の湿り空気発生器3とを有し、前記暴露空間2内には前記対象物4を前記暴露空間2内で移動させるための移動手段6が備わり、前記湿り空気発生器3には、水槽と、当該水槽内の水分を温めるためのヒーターと、前記水槽内の水分を粒子化するための粒子化手段が備わる。
【選択図】 図1
Description
この考案は、蔬菜類等の対象物を35℃以上100℃以下の微高温湿り空気に暴露するための微高温湿り空気の暴露装置に関するものである。
湿り空気は、対象物に暴露することにより、殺菌や調理、乾燥等の処理に用いられている。この湿り空気は、一般的に常圧下では移動エネルギーを持たない。湿り空気の移動は、その高い水蒸気分圧による移動拡散のみであり、このときに蒸発を起こしやすく、蒸発潜熱による温度低下が発生している。したがって、このような事態が生じると、湿り空気による対象物への処理効果が減少することになる。一方、湿り空気にファン等を用いることにより、人為的に移動エネルギーを持たせて、対象物に対して湿り空気の発生源から移動させても、同様に蒸発潜熱による温度低下が発生する。よって、従来湿り空気による対象物への処理は、処理容器や処理室内を湿り空気雰囲気とし、ここに対象物を導入して処理していた。
このような処理装置たる製麹装置が特許文献1に開示されている。この製麹装置は、麹原料の表面に付着させた菌糸の成長を図り、麹に加工するためのものである。このために、製麹室に湿り空気を供給する。湿り空気は、ヒーターにより加熱した貯留水の中にエアーを導入して発生させて加温湿り空気として、菌糸の成長を図るとともに、麹原料の保温を図るようにもしている。
しかしながら、特許文献1に記載の製麹装置は、湿り空気が暴露される対象物たる麹原料が、湿り空気発生装置の上部に載置されて処理され、対象物の移動手段を備えていない。このため、湿り空気雰囲気中でゆっくりとした処理しか行えず、また、対象物の表面全体に均一的に湿り空気による処理を行うことができない。また、エアレーションにて発生させた湿り空気は、水に空気を含ませるものであり、安定性に欠けるものである。また、湿り空気雰囲気形成中に、湿り空気が対象物まで到達する際に、湿り空気は必然的に温度が低下する。特許文献1に記載の製麹装置では、この温度変化に対応することができない。
この考案は上記従来技術を考慮したものであって、安定性の高い湿り空気を発生させるとともに、湿り空気を用いた対象物の処理に際し、湿り空気を対象物の表面全体に均一的に暴露することができ、湿り空気により迅速かつ確実に処理することができる微高温湿り空気の暴露装置の提供を目的とするものである。
前記目的を達成するため、請求項1の考案では、対象物を35℃以上100℃以下の湿り空気で暴露するための暴露空間を形成する装置本体と、当該装置本体に備わり、前記対象物を前記暴露空間内に搬入又は搬出するための開口部と、前記暴露空間内に配設される複数個の湿り空気発生器とを有し、前記暴露空間内には前記対象物を前記暴露空間内で移動させるための移動手段が備わり、前記湿り空気発生器には、水槽と、当該水槽内の水分を温めるためのヒーターと、前記水槽内の水分を粒子化するための粒子化手段が備わることを特徴とする微高温湿り空気の暴露装置を提供する。
また、請求項2の考案では、請求項1の考案において、前記移動手段は、前記暴露空間内に配設された回転軸と、当該回転軸周りに回転し、前記対象物を載置する受け台からなることを特徴としている。
また、請求項3の考案では、請求項1の考案において、前記移動手段は、前記暴露空間内で、前記対象物を載置する受け台を移動させるコンベヤ装置であることを特徴としている。
また、請求項4の考案では、請求項1〜3のいずれかの考案において、前記粒子化手段は、超音波振動子であることを特徴としている。
請求項1の考案によれば、暴露空間内で対象物を移動させるための移動手段が備わるため、対象物は湿り空気雰囲気で満たされた暴露空間内を移動して、その表面全体に均一的に湿り空気で暴露される。この場合、湿り空気ではなく対象物を移動させるので、湿り空気が移動したときに生じる蒸発潜熱による温度低下を発生させずに、効率のよい処理を行うことができる。また、暴露空間内には、複数個の湿り空気発生器が配設されるので、暴露空間を迅速に湿り空気雰囲気とすることができ、さらに対象物への処理も迅速かつ確実に行うことができる。また、湿り空気は粒子化手段により水槽内の水分を粒子化させて発生される、すなわち水分の沸騰前に湿り空気を発生させるので、水槽内の水分を蒸発させて湿り空気を発生するのに比べ、エネルギー消費を少なくでき、コスト的にも効率がよい。
請求項2の考案によれば、対象物の移動手段を、空間内に配設された回転軸と、当該回転軸周りに回転し、対象物を載置する受け台で構成するので、簡単かつ安価な構成で対象物を暴露空間内において容易に移動させることができる。
請求項3の考案によれば、対象物の移動手段として、コンベヤ装置を用いるため、暴露空間内において対象物を容易に移動させることができる。特に、コンベヤ装置を螺旋式のコンベヤとすれば、暴露空間を有効に利用して対象物への湿り空気の暴露を行うことができる。
請求項4の考案によれば、超音波振動子を用いて水分を粒子化するので、簡単な構造で水分の沸騰前に湿り空気を発生させることができ、水槽内の水分を蒸発させて湿り空気を発生するのに比べ、エネルギー消費を少なくでき、コスト的にも効率がよい。さらに、エアレーションのように水に空気を含ませて湿り空気を発生させるのではなく、空気に対して水分の粒子を供給して湿り空気を発生させるので、安定性の高い湿り空気を得ることができる。
この考案は、対象物を35℃以上100℃以下の湿り空気で暴露するための暴露空間を形成する装置本体と、当該装置本体に備わり、前記対象物を前記暴露空間内に搬入又は搬出するための開口部と、前記暴露空間内に配設される複数個の湿り空気発生器とを有し、前記暴露空間内には前記対象物を前記暴露空間内で移動させるための移動手段が備わり、前記湿り空気発生器には、水槽と、当該水槽内の水分を温めるためのヒーターと、前記水槽内の水分を粒子化するための粒子化手段が備え、対象物を湿り空気雰囲気で満たされた暴露空間内を移動させて、その表面全体に均一的に湿り空気で暴露することができる微高温湿り空気の暴露装置である。
図1はこの考案に係る微高温湿り空気の暴露装置の概略図である。
図示したように、暴露装置Wは、装置本体1と、この内部に形成される暴露空間2と、暴露空間2内に配設される複数個の湿り空気発生器3と、暴露の対象物4を載置するための受け台5と、この受け台5を暴露空間2内で移動させるための回転軸6で構成される。14は装置本体1を支持する脚部材である。
回転軸6は、モータ7と接続される。受け台5は、回転軸6に対して取り付け部材(図示省略)等を介して固定される。図では、7枚の受け台5が回転軸6周りに螺旋状に固定されている。装置本体1の頂部には、小孔8が形成される。
対象物4を湿り空気で暴露する場合、装置本体1の扉9を開けて対象物4を開口部15から暴露空間2内に入れ、受け台5に載置する。この後、扉9を閉めて複数個の湿り空気発生器3により湿り空気を発生させる。これにより、暴露空間2は迅速に湿り空気で充満される。このとき、小孔8により、暴露空間2にはわずかな一様流の空気流れが発生し、湿り空気発生による暴露空間2内の圧力増加の調整が図られる。暴露空間2に湿り空気の一様流の空気流れを発生させるために、ファン(図示省略)を設置して、暴露空間2内に対流を起こさせてもよい。このようにファンを設置すれば、暴露空間2内に湿り空気を効率よく充満させることができるとともに、対象物への暴露も効率よく行うことができる。
対象物4は、湿り空気で満たされた暴露空間2内を回転軸6とともに回転する。これにより、簡単かつ安価な構成で対象物4を暴露空間2内において移動させることができ、対象物4の表面全体に均一的に湿り空気で暴露することができる。このように、湿り空気を移動させるのではなく、対象物4を移動させることにより、湿り空気が移動したときに生じる蒸発潜熱による温度低下を発生させずに、対象物4を暴露して処理できる。したがって、効率のよい処理を行うことができる。また、暴露中も複数個の湿り空気発生器3からは湿り空気が発生されるため、対象物4への処理を迅速かつ確実に行うことができる。対象物4の処理終了後、扉9を開け、開口部15から対象物4を取り出す。
湿り空気発生器3から発生する湿り空気は、35℃以上100℃以下の微高温湿り空気である。このような微高温の湿り空気に暴露する対象物4として、植物や野菜等の蔬菜類を用いると、蒸し器で蒸した場合に比べ、しゃきしゃきとした食感、すなわちキレのよい食感を得ることができる。また、対象物4として冷凍食品を用いると、冷凍食品をべたつかせずに調理することができる。また、対象物4としてぬか漬けを用いると、通常漬けるよりも早く漬けることができる。
図2は湿り空気発生器の概略図である。
図示したように、湿り空気発生器3は、水槽10と、超音波振動子11と、ヒーター12で構成される。水槽10には水が溜められる。ヒーター12は、ガスや電気等を用いて水槽10内の水分を昇温させるものである。水槽10内の水温が35℃以上になると、超音波振動子11が振動し、水分を粒子化する。これにより、暴露空間2が粒子化した水分で満たされ、微高温湿り空気雰囲気を形成する。水分の粒子化に際しては、水分を高圧噴出させて霧状とする霧吹き装置を用いてもよい。このように、水分の沸騰前に湿り空気を発生させるので、水槽内の水分を蒸発させて湿り空気を発生するのに比べ、エネルギー消費を少なくでき、コスト的にも効率がよい。
図3はこの考案に係る別の微高温湿り空気の暴露装置の概略断面図である。
図示したように、受け台5に載置された対象物4は、コンベヤ13上に搭載されて暴露空間2内を移動する。このような構成によっても、対象物4を暴露空間2内において容易に移動させることができる。コンベヤ13としては、ベルトコンベヤやローラコンベヤ等、どのようなコンベヤ装置を用いてもよい。螺旋式のコンベヤ装置を用いれば、暴露空間2を有効に利用して対象物4への湿り空気の暴露を行うことができる。すなわち、直進するコンベヤに比べて同じ大きさの暴露空間2において暴露時間を長くすることができる。その他の構成、作用、効果は実施例1と同様である。
1:装置本体、2:暴露空間、3:湿り空気発生器、4:対象物、5:受け台、6:回転軸、7:モータ、8:小孔、9:扉、10:水槽、11:超音波振動子、12:ヒーター、13:コンベヤ、14:脚部材、15:開口部、W:微高温湿り空気の暴露装置
Claims (4)
- 対象物を35℃以上100℃以下の微高温湿り空気で暴露するための暴露空間を形成する装置本体と、
当該装置本体に備わり、前記対象物を前記暴露空間内に搬入又は搬出するための開口部と、
前記暴露空間内に配設される複数個の湿り空気発生器とを有し、
前記暴露空間内には前記対象物を前記暴露空間内で移動させるための移動手段が備わり、
前記湿り空気発生器には、水槽と、当該水槽内の水分を温めるためのヒーターと、前記水槽内の水分を粒子化するための粒子化手段が備わることを特徴とする微高温湿り空気の暴露装置。 - 前記移動手段は、前記暴露空間内に配設された回転軸と、当該回転軸周りに回転し、前記対象物を載置する受け台からなることを特徴とする請求項1に記載の微高温湿り空気の暴露装置。
- 前記移動手段は、前記暴露空間内で、前記対象物を載置する受け台を移動させるコンベヤ装置であることを特徴とする請求項1に記載の微高温湿り空気の暴露装置。
- 前記粒子化手段は、超音波振動子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微高温湿り空気の暴露装置。
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JP2007001542U JP3132007U (ja) | 2007-03-09 | 2007-03-09 | 微高温湿り空気の暴露装置 |
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JP (1) | JP3132007U (ja) |
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