JP3131979B2 - 爪極型界磁鉄心及びその製造方法 - Google Patents
爪極型界磁鉄心及びその製造方法Info
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- JP3131979B2 JP3131979B2 JP02160095A JP16009590A JP3131979B2 JP 3131979 B2 JP3131979 B2 JP 3131979B2 JP 02160095 A JP02160095 A JP 02160095A JP 16009590 A JP16009590 A JP 16009590A JP 3131979 B2 JP3131979 B2 JP 3131979B2
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Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、オルタネ−タやステップモ−タなどの回転
子に用いられる爪極型界磁鉄心に関し、特に、爪形磁極
部間に樹脂磁石が充填される爪極型界磁鉄心及びその製
造方法に関する。
子に用いられる爪極型界磁鉄心に関し、特に、爪形磁極
部間に樹脂磁石が充填される爪極型界磁鉄心及びその製
造方法に関する。
［従来の技術］ 特開昭54−116610号公報は、隣接する二個の爪形磁極
部間の間隙（以下、磁極間隙という）、及び、爪形磁極
部と界磁コイル間の間隙（以下、内部空間という）に樹
脂磁石を充填成型して、漏れ磁束を低減する爪極型界磁
鉄心を開示している。
部間の間隙（以下、磁極間隙という）、及び、爪形磁極
部と界磁コイル間の間隙（以下、内部空間という）に樹
脂磁石を充填成型して、漏れ磁束を低減する爪極型界磁
鉄心を開示している。
更に特開昭61−85045号公報は、上記磁極間隙にのみ
樹脂磁石を充填成型するとともに、爪形磁極部の外周部
において周方向に鍔部を張出して、遠心力による樹脂磁
石の脱出を防止している。
樹脂磁石を充填成型するとともに、爪形磁極部の外周部
において周方向に鍔部を張出して、遠心力による樹脂磁
石の脱出を防止している。
［発明が解決しようとする課題］ 先述した従来の爪極型界磁鉄心は、ア−マチャコイル
と鎖交しない漏れ界磁磁束を低減して高出力化を図り得
るものの、樹脂磁石が界磁コイルの全外周面に密着して
いるので界磁コイルの放熱性が極めて悪く、界磁コイル
の抵抗損失及び発熱の増加、樹脂磁石の磁気特性の劣化
を招く欠点があった。
と鎖交しない漏れ界磁磁束を低減して高出力化を図り得
るものの、樹脂磁石が界磁コイルの全外周面に密着して
いるので界磁コイルの放熱性が極めて悪く、界磁コイル
の抵抗損失及び発熱の増加、樹脂磁石の磁気特性の劣化
を招く欠点があった。
一方、後述した従来の爪極型界磁鉄心は上記磁極間隙
にのみ樹脂磁石を充填成型しているので、上記内部空間
を通風路として界磁コイル及び樹脂磁石の冷却が可能と
なるが、各樹脂磁石が断片化編されているために経時的
な熱ストレス及び機械ストレスや相互の熱膨脹率差など
により樹脂磁石と爪形磁極との間に細隙が生じて樹脂磁
石がガタつく可能性がある。また、樹脂磁石の遠心脱出
防止は、爪形磁極部の上記鍔部に係合する部位（すなわ
ち外周両端部）に集中するので、樹脂磁石のこの係合部
に強大な遠心力が集中し、上記熱及び機械ストレスの存
在下（高温雰囲気条件）においてこの係合部の加速度的
な劣化が生じる可能性がある。
にのみ樹脂磁石を充填成型しているので、上記内部空間
を通風路として界磁コイル及び樹脂磁石の冷却が可能と
なるが、各樹脂磁石が断片化編されているために経時的
な熱ストレス及び機械ストレスや相互の熱膨脹率差など
により樹脂磁石と爪形磁極との間に細隙が生じて樹脂磁
石がガタつく可能性がある。また、樹脂磁石の遠心脱出
防止は、爪形磁極部の上記鍔部に係合する部位（すなわ
ち外周両端部）に集中するので、樹脂磁石のこの係合部
に強大な遠心力が集中し、上記熱及び機械ストレスの存
在下（高温雰囲気条件）においてこの係合部の加速度的
な劣化が生じる可能性がある。
本発明は、爪形磁極部の間に磁石を介装した構成にあ
っても良好な通風性を確保することができる爪極型界磁
鉄心及びその製造方法を提供することを、その解決すべ
き課題としている。
っても良好な通風性を確保することができる爪極型界磁
鉄心及びその製造方法を提供することを、その解決すべ
き課題としている。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、界
磁コイル及び樹脂磁石の冷却を良好に維持しつつ樹脂磁
石と爪形磁極部との接合性を改良した爪極型界磁鉄心及
びその製造方法を提供することを、その解決すべき課題
としている。
磁コイル及び樹脂磁石の冷却を良好に維持しつつ樹脂磁
石と爪形磁極部との接合性を改良した爪極型界磁鉄心及
びその製造方法を提供することを、その解決すべき課題
としている。
［課題を解決するための手段］ 請求項１の発明の爪極型界磁鉄心は、回転軸に嵌着さ
れ界磁コイルが巻装されるボス部と、該ボス部の両端に
設けられる第１及び第２のディスク部と、該各ディスク
部の先端から軸方向に互い違いに延設され前記界磁コイ
ルを所定の内部空間を隔てて囲包する複数の爪形磁極部
と、前記各爪形磁極部の間隙に配置される樹脂磁石とを
備える爪極型界磁鉄心において、 前記樹脂磁石及び爪形磁極部は、前記界磁コイルの外
周面との間に軸方向通風路を隔てて配置される形状をも
つ一体成形品からなることを特徴と している。
れ界磁コイルが巻装されるボス部と、該ボス部の両端に
設けられる第１及び第２のディスク部と、該各ディスク
部の先端から軸方向に互い違いに延設され前記界磁コイ
ルを所定の内部空間を隔てて囲包する複数の爪形磁極部
と、前記各爪形磁極部の間隙に配置される樹脂磁石とを
備える爪極型界磁鉄心において、 前記樹脂磁石及び爪形磁極部は、前記界磁コイルの外
周面との間に軸方向通風路を隔てて配置される形状をも
つ一体成形品からなることを特徴と している。
請求項２の発明では、前記樹脂磁石は、各前記爪形磁
極部の間隙に配置される間隙配置部と、筒形に形成され
て前記間隙配置部を連結する底鍔部とを有することを特
徴としている。
極部の間隙に配置される間隙配置部と、筒形に形成され
て前記間隙配置部を連結する底鍔部とを有することを特
徴としている。
請求項３の発明では、前記軸方向通風路に空気流を生
起させるファンを有していることを特徴としている。
起させるファンを有していることを特徴としている。
請求項４の発明では、前記樹脂磁石は前記爪形磁極部
の先端を被覆する先端被覆部を備え、該被覆部は前記底
鍔部と一体的に成型してなることを特徴としている。
の先端を被覆する先端被覆部を備え、該被覆部は前記底
鍔部と一体的に成型してなることを特徴としている。
請求項５の発明では、前記樹脂磁石は、前記複数の爪
形磁極部に沿って形成された通風路に向けて突出し、前
記回転軸の回転により前記通風路に沿って通風する突出
部を備えることを特徴としている。
形磁極部に沿って形成された通風路に向けて突出し、前
記回転軸の回転により前記通風路に沿って通風する突出
部を備えることを特徴としている。
請求項６の発明では、前記樹脂磁石の前記突出部は、
複数の旋状溝を有していることを特徴としている。
複数の旋状溝を有していることを特徴としている。
請求項７の発明では、回転軸に嵌着され界磁コイルが
巻装されるボス部、該ボス部の両端に設けられる第１及
び第２のディスク部、及び、該第１及び第２のディスク
部の先端から前記回転軸の軸方向に互いに延設され前記
界磁コイルを所定の内部空間を隔てて囲包する複数の爪
形磁極部をそれぞれ有する第１及び第２の鉄心と、前記
界磁コイルの外周面に対して所定の内部空間を隔てつつ
前記複数の爪形磁極部の間隙に配置される樹脂磁石とを
備える爪極型界磁鉄心の製造方法において、 前記両鉄心の一方の前記爪形磁極部を収容する爪形磁
極部収容用スペース、及び、組立後に前記界磁コイルの
外周面との間に軸方向通風路を形成する軸方向通風路形
成用スペースを確保しつつ前記両鉄心の他方の前記爪状
磁極部間に前記樹脂磁石を充填して前記両鉄心の他方の
前記爪形磁極部と前記樹脂磁石とを一体成形する工程
と、 前記両鉄心を嵌合させて、前記両鉄心の他方が有する
前記爪形磁極部収容用スペースに前記両鉄心の一方の前
記爪形磁極部を収容する工程と、 を備えることを特徴としている。
巻装されるボス部、該ボス部の両端に設けられる第１及
び第２のディスク部、及び、該第１及び第２のディスク
部の先端から前記回転軸の軸方向に互いに延設され前記
界磁コイルを所定の内部空間を隔てて囲包する複数の爪
形磁極部をそれぞれ有する第１及び第２の鉄心と、前記
界磁コイルの外周面に対して所定の内部空間を隔てつつ
前記複数の爪形磁極部の間隙に配置される樹脂磁石とを
備える爪極型界磁鉄心の製造方法において、 前記両鉄心の一方の前記爪形磁極部を収容する爪形磁
極部収容用スペース、及び、組立後に前記界磁コイルの
外周面との間に軸方向通風路を形成する軸方向通風路形
成用スペースを確保しつつ前記両鉄心の他方の前記爪状
磁極部間に前記樹脂磁石を充填して前記両鉄心の他方の
前記爪形磁極部と前記樹脂磁石とを一体成形する工程
と、 前記両鉄心を嵌合させて、前記両鉄心の他方が有する
前記爪形磁極部収容用スペースに前記両鉄心の一方の前
記爪形磁極部を収容する工程と、 を備えることを特徴としている。
［作用及び発明の効果］ 上述したように本発明の爪極型界磁鉄心では、爪形磁
極部間に充填成型される樹脂磁石は、その内周部（底
部）に周方向に伸びる底鍔部を備えており、更にこの底
鍔部が、爪形磁極部の最内周面に接合し、かつ、界磁コ
イルの外周面から離隔して伸びている。
極部間に充填成型される樹脂磁石は、その内周部（底
部）に周方向に伸びる底鍔部を備えており、更にこの底
鍔部が、爪形磁極部の最内周面に接合し、かつ、界磁コ
イルの外周面から離隔して伸びている。
したがって、底鍔部と界磁コイルとの間に軸方向への
通風路が確保されているので、軸方向に空気流を流通さ
せて界磁コイル、爪形磁極部及び樹脂磁石を冷却するこ
とができる。この冷却により、界磁コイルの抵抗損失及
び発熱の増加を防止し、更に樹脂磁石の磁気特性の劣化
を防止することができる。
通風路が確保されているので、軸方向に空気流を流通さ
せて界磁コイル、爪形磁極部及び樹脂磁石を冷却するこ
とができる。この冷却により、界磁コイルの抵抗損失及
び発熱の増加を防止し、更に樹脂磁石の磁気特性の劣化
を防止することができる。
一方、底鍔部が爪形磁極部の最内周面に接合して周方
向に延設されているので、機械的ストレス（例えば遠心
力）や熱ストレスの繰返しにかかわらず底鍔部のガタつ
きを防止することができる。更に、強大な遠心力に対し
て例えば爪形磁極部の外周部に設けられた鍔部だけでな
くこの底鍔部でも遠心応力を分担できるので、爪形磁極
部の外周部の鍔部を小形化あるいは省略する設計が可能
となり、あるいはより高速回転が可能となる。また更
に、冷却空気流と直接接触する樹脂磁石の有効冷却表面
積がこの底鍔部の分だけ増加するので、樹脂磁石の放熱
性の更なる向上が可能となる。
向に延設されているので、機械的ストレス（例えば遠心
力）や熱ストレスの繰返しにかかわらず底鍔部のガタつ
きを防止することができる。更に、強大な遠心力に対し
て例えば爪形磁極部の外周部に設けられた鍔部だけでな
くこの底鍔部でも遠心応力を分担できるので、爪形磁極
部の外周部の鍔部を小形化あるいは省略する設計が可能
となり、あるいはより高速回転が可能となる。また更
に、冷却空気流と直接接触する樹脂磁石の有効冷却表面
積がこの底鍔部の分だけ増加するので、樹脂磁石の放熱
性の更なる向上が可能となる。
さらに本発明の爪極型界磁鉄心では、複数の爪形磁極
部の間に磁石を配置するとともに、複数の爪形磁極部に
沿って形成された通風路に向けて磁石から突出部を突出
させ、回転軸の回転により通風路に沿って通風するよう
にしたから、複数の爪形磁極部の間に磁石を配置した構
成にあっても複数の爪形磁極部に沿って形成された通風
路において突出部による通風を得ることができ、良好な
冷却性が得られる。
部の間に磁石を配置するとともに、複数の爪形磁極部に
沿って形成された通風路に向けて磁石から突出部を突出
させ、回転軸の回転により通風路に沿って通風するよう
にしたから、複数の爪形磁極部の間に磁石を配置した構
成にあっても複数の爪形磁極部に沿って形成された通風
路において突出部による通風を得ることができ、良好な
冷却性が得られる。
またさらに、本発明の製造方法では、一方の鉄心の爪
形磁極部と樹脂磁石とを、他方の鉄心の爪形磁極部の収
容スペースを確保しつつ両者を一体成形し、この収容ス
ペースに他方の鉄心の爪形磁極部を押し込む製造方法を
採用しているので、軸方向通風路を界磁コイルに対して
確保しつつ、樹脂磁石と爪形磁極部との間のがたを減ら
すことができる。
形磁極部と樹脂磁石とを、他方の鉄心の爪形磁極部の収
容スペースを確保しつつ両者を一体成形し、この収容ス
ペースに他方の鉄心の爪形磁極部を押し込む製造方法を
採用しているので、軸方向通風路を界磁コイルに対して
確保しつつ、樹脂磁石と爪形磁極部との間のがたを減ら
すことができる。
［実施例］ 本発明の爪極型界磁鉄心の一実施例を第１〜第４図を
参照して説明する。
参照して説明する。
この爪極型界磁鉄心は車両用交流発電機に用いられる
ものであり、回転軸１に嵌着され界磁コイル２が巻装さ
れるボス部3a、3bと、ボス部3a、3bの両端から互いに所
定間隙を隔てて径外方向に延設される複数の柱部4a、4b
と、このディスク部としての柱部4a、4bの各先端から軸
方向に互い違いに延設され界磁コイル２を所定の軸方向
通風路S1を隔てて囲包する複数の爪形磁極部5a、5bと、
各爪形磁極部の間の各磁極間隙S2に充填、成型される樹
脂磁石６とを備えている。
ものであり、回転軸１に嵌着され界磁コイル２が巻装さ
れるボス部3a、3bと、ボス部3a、3bの両端から互いに所
定間隙を隔てて径外方向に延設される複数の柱部4a、4b
と、このディスク部としての柱部4a、4bの各先端から軸
方向に互い違いに延設され界磁コイル２を所定の軸方向
通風路S1を隔てて囲包する複数の爪形磁極部5a、5bと、
各爪形磁極部の間の各磁極間隙S2に充填、成型される樹
脂磁石６とを備えている。
なお、ボス部3a、柱部4a、爪形磁極部5aは軟鉄で互い
に一体形成されて左側鉄心を構成しており、同様に、ボ
ス部3b、柱部4b、爪形磁極部5bも軟鉄で互いに一体形成
されて右側鉄心を構成している。第１図において、ボス
部3aの右端面とボス部3bの左端面は密接して回転軸１に
回転不能に嵌着されている。
に一体形成されて左側鉄心を構成しており、同様に、ボ
ス部3b、柱部4b、爪形磁極部5bも軟鉄で互いに一体形成
されて右側鉄心を構成している。第１図において、ボス
部3aの右端面とボス部3bの左端面は密接して回転軸１に
回転不能に嵌着されている。
更に、樹脂磁石６は、爪形磁極部5a、5bの最内周面50
に密接してこの最内周面50を完全に被覆する略円筒状の
底鍔部60を有する（第４図参照）。底鍔部60の内周面は
界磁コイル２の外周面から所定間隔だけ離隔しており、
底鍔部60の内周面と界磁コイル２の外周面との間の軸方
向通風路S1は、空気流Ｆ（第１図参照）を軸方向に通風
させる。なお、この軸方向通風路S1の径方向幅は約5mm
に設定されている。周知の如く、空気流Ｆは回転軸１の
端部に設けられたファン（図示せず）により生起され
る。
に密接してこの最内周面50を完全に被覆する略円筒状の
底鍔部60を有する（第４図参照）。底鍔部60の内周面は
界磁コイル２の外周面から所定間隔だけ離隔しており、
底鍔部60の内周面と界磁コイル２の外周面との間の軸方
向通風路S1は、空気流Ｆ（第１図参照）を軸方向に通風
させる。なお、この軸方向通風路S1の径方向幅は約5mm
に設定されている。周知の如く、空気流Ｆは回転軸１の
端部に設けられたファン（図示せず）により生起され
る。
また更に樹脂磁石６は、爪形磁極部5a、5bの先端面51
に密接してこの先端面51を完全に被覆する先端被覆部52
を有し、その全体形状は、第２図に図示するように、外
周面に爪形磁極部5a、5bを収容する凹部69が適数個形成
された略円筒形となっている。
に密接してこの先端面51を完全に被覆する先端被覆部52
を有し、その全体形状は、第２図に図示するように、外
周面に爪形磁極部5a、5bを収容する凹部69が適数個形成
された略円筒形となっている。
爪状磁極5a、5bの外周部の周方向両端には鍔部53が突
設されており、また、爪状磁極5a、5bの外周部の軸方向
先端には鍔部53が形成されており、鍔部53は遠心力によ
る樹脂磁石６の脱出を防止している。
設されており、また、爪状磁極5a、5bの外周部の軸方向
先端には鍔部53が形成されており、鍔部53は遠心力によ
る樹脂磁石６の脱出を防止している。
この樹脂磁石６の成型に当たっては、まず第３図に示
すように、各分割金型７、８を組合せて形成した内部成
型空間に上述した左側（又は右側）鉄心Ｍの一方を配設
し、鉄粉含有の樹脂液を注入し冷却して成型する。な
お、９は両金型７、８の位置合せピンである。この実施
例では、樹脂としてエポキシ樹脂を用い、鉄粉として残
留磁束密度及び抗磁力が大きい希土類系の永久磁石粉末
を用いる。このようにして成型された樹脂磁石６と一体
化した左側（又は右側）鉄心Ｍに他方側の鉄心を組合
せ、界磁コイル２を収容して回転軸１に嵌着させて、こ
の回転子が組立てられる。回転子は組立後にエポキシ系
含浸接着剤で含浸固着処理されて爪形磁極部5a、5bと樹
脂磁石６の間に生じた微小間隙がこのエポキシ系含浸接
着剤により充填される。
すように、各分割金型７、８を組合せて形成した内部成
型空間に上述した左側（又は右側）鉄心Ｍの一方を配設
し、鉄粉含有の樹脂液を注入し冷却して成型する。な
お、９は両金型７、８の位置合せピンである。この実施
例では、樹脂としてエポキシ樹脂を用い、鉄粉として残
留磁束密度及び抗磁力が大きい希土類系の永久磁石粉末
を用いる。このようにして成型された樹脂磁石６と一体
化した左側（又は右側）鉄心Ｍに他方側の鉄心を組合
せ、界磁コイル２を収容して回転軸１に嵌着させて、こ
の回転子が組立てられる。回転子は組立後にエポキシ系
含浸接着剤で含浸固着処理されて爪形磁極部5a、5bと樹
脂磁石６の間に生じた微小間隙がこのエポキシ系含浸接
着剤により充填される。
なお樹脂磁石６は、成形直後又は組付完了後、爪形磁
極部5a、5bが作動時と同極性となる向きに着磁され、エ
−ジングされる。
極部5a、5bが作動時と同極性となる向きに着磁され、エ
−ジングされる。
以下、この爪極型界磁鉄心の作用を説明する。界磁コ
イル２に界磁電流が流れると、爪形磁極部5a、5bにＮ、
Ｓ（又はＳ、Ｎ）の磁極々性があらわれる。界磁電流に
より爪形磁極部5a、5b間に生じた磁束（以下、励磁磁束
という）の一部は、磁極空間S1及び軸方向通風路S2に漏
洩するが、樹脂磁石６が予め爪形磁極部5a、5bの外周面
を除く全表面に被着されているので、励磁磁束は樹脂磁
石６の残留磁束により減殺され、その分だけ爪形磁極部
5a、5bの外周面から出てア−マチャコイル（図示せず）
と鎖交する有効磁束が増加し、出力トルクが増加する。
イル２に界磁電流が流れると、爪形磁極部5a、5bにＮ、
Ｓ（又はＳ、Ｎ）の磁極々性があらわれる。界磁電流に
より爪形磁極部5a、5b間に生じた磁束（以下、励磁磁束
という）の一部は、磁極空間S1及び軸方向通風路S2に漏
洩するが、樹脂磁石６が予め爪形磁極部5a、5bの外周面
を除く全表面に被着されているので、励磁磁束は樹脂磁
石６の残留磁束により減殺され、その分だけ爪形磁極部
5a、5bの外周面から出てア−マチャコイル（図示せず）
と鎖交する有効磁束が増加し、出力トルクが増加する。
一方、界磁コイル２と樹脂磁石６の間の軸方向通風路
S1を空気流は通過するので、樹脂磁石６及び界磁コイル
２の放熱性が大幅に向上する。また軸方向通風路S1が存
在するために界磁コイル２の熱が直接、樹脂磁石６に伝
熱することがなく、それにより樹脂磁石６の磁気特性が
悪化することがない。
S1を空気流は通過するので、樹脂磁石６及び界磁コイル
２の放熱性が大幅に向上する。また軸方向通風路S1が存
在するために界磁コイル２の熱が直接、樹脂磁石６に伝
熱することがなく、それにより樹脂磁石６の磁気特性が
悪化することがない。
更に、樹脂磁石６の底鍔部60は、爪形磁極部5a、5bの
最内周面に密接して円筒状に一体形成されているので、
樹脂磁石６と爪形磁極部5a、5bとの接合性が向上して、
ガタつきの発生を防止でき、更に、樹脂磁石６に掛かる
遠心力をこの底鍔部60により分担できるので、爪極型界
磁鉄心の耐遠心力がより一層向上する。
最内周面に密接して円筒状に一体形成されているので、
樹脂磁石６と爪形磁極部5a、5bとの接合性が向上して、
ガタつきの発生を防止でき、更に、樹脂磁石６に掛かる
遠心力をこの底鍔部60により分担できるので、爪極型界
磁鉄心の耐遠心力がより一層向上する。
またこの実施例では、樹脂磁石の成型後に合浸処理し
ているので、爪形磁極部5a、5bと樹脂磁石６との間に細
隙が生じてもそれを確実に接着させることができる。
ているので、爪形磁極部5a、5bと樹脂磁石６との間に細
隙が生じてもそれを確実に接着させることができる。
なお、樹脂磁石６と爪形磁極5a、5bとの接合性を強化
し、耐遠心力性能を向上するために、隣接する爪形磁極
5a、5b間の樹脂磁石６は径外方向に末広のテ−パ断面形
状をもつこともできる。
し、耐遠心力性能を向上するために、隣接する爪形磁極
5a、5b間の樹脂磁石６は径外方向に末広のテ−パ断面形
状をもつこともできる。
（その他の実施例） 発明の爪極型界磁鉄心の他の実例例を第５図に示す。
この爪極型界磁鉄心は、実施例１の爪極型界磁鉄心に
おいて、樹脂磁石６の内周面に複数の旋条溝100を設け
ることを特徴としている。
おいて、樹脂磁石６の内周面に複数の旋条溝100を設け
ることを特徴としている。
このようにすると、この旋条溝100の回転により軸方
向への通風が強化され、界磁コイル２及び樹脂磁石６の
冷却性が更に向上する。
向への通風が強化され、界磁コイル２及び樹脂磁石６の
冷却性が更に向上する。
第１図は本発明の一実施例を示す軸心と平行な断面図、
第２図は第１図の爪極型界磁鉄心の一部斜視図、第３図
は樹脂磁石の成型例を示す断面図、第４図は第１図の爪
極型界磁鉄心の軸心と直角な断面図、第５図は他の実施
例の爪極型界磁鉄心の軸心と直角な断面図である。 １……回転軸 ２……界磁コイル ３……ボス部 ４……ディスク部 5a、5b……爪形磁極部 ６……樹脂磁石 S1……軸方向通風路 60……底鍔部
第２図は第１図の爪極型界磁鉄心の一部斜視図、第３図
は樹脂磁石の成型例を示す断面図、第４図は第１図の爪
極型界磁鉄心の軸心と直角な断面図、第５図は他の実施
例の爪極型界磁鉄心の軸心と直角な断面図である。 １……回転軸 ２……界磁コイル ３……ボス部 ４……ディスク部 5a、5b……爪形磁極部 ６……樹脂磁石 S1……軸方向通風路 60……底鍔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−116610（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−85045（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H02K 19/22
Claims (7)
- 【請求項１】回転軸に嵌着され界磁コイルが巻装される
ボス部と、該ボス部の両端に設けられる第１及び第２の
ディスク部と、該各ディスク部の先端から軸方向に互い
違いに延設され前記界磁コイルを所定の内部空間を隔て
て囲包する複数の爪形磁極部と、前記各爪形磁極部の間
隙に配置される樹脂磁石とを備える爪極型界磁鉄心にお
いて、 前記樹脂磁石及び爪形磁極部は、前記界磁コイルの外周
面との間に軸方向通風路を隔てて配置される形状をもつ
一体成形品からなることを特徴とする爪極型界磁鉄心。 - 【請求項２】前記樹脂磁石は、各前記爪形磁極部の間隙
に配置される間隙配置部と、筒形に形成されて前記間隙
配置部を連結する底鍔部とを有することを特徴とする請
求項１記載の爪極型界磁鉄心。 - 【請求項３】前記軸方向通風路に空気流を生起させるフ
ァンを有していることを特徴とする請求項１記載の爪極
型界磁鉄心。 - 【請求項４】前記樹脂磁石は前記爪形磁極部の先端を被
覆する先端被覆部を備え、該被覆部は前記底鍔部と一体
的に成型してなることを特徴とする請求項１記載の爪極
型界磁鉄心。 - 【請求項５】前記樹脂磁石は、前記複数の爪形磁極部に
沿って形成された通風路に向けて突出し、前記回転軸の
回転により前記通風路に沿って通風する突出部を備える
ことを特徴とする請求項１記載の爪極型界磁鉄心。 - 【請求項６】前記樹脂磁石の前記突出部は、複数の旋状
溝を有していることを特徴とする請求項５記載の爪極型
界磁鉄心。 - 【請求項７】回転軸に嵌着され界磁コイルが巻装される
ボス部、該ボス部の両端に設けられる第１及び第２のデ
ィスク部、及び、該第１及び第２のディスク部の先端か
ら前記回転軸の軸方向に互いに延設され前記界磁コイル
を所定の内部空間を隔てて囲包する複数の爪形磁極部を
それぞれ有する第１及び第２の鉄心と、前記界磁コイル
の外周面に対して所定の内部空間を隔てつつ前記複数の
爪形磁極部の間隙に配置される樹脂磁石とを備える爪極
型界磁鉄心の製造方法において、 前記両鉄心の一方の前記爪形磁極部を収容する爪形磁極
部収容用スペース、及び、組立後に前記界磁コイルの外
周面との間に軸方向通風路を形成する軸方向通風路形成
用スペースを確保しつつ前記両鉄心の他方の前記爪状磁
極部間に前記樹脂磁石を充填して前記両鉄心の他方の前
記爪形磁極部と前記樹脂磁石とを一体成形する工程と、 前記両鉄心を嵌合させて、前記両鉄心の他方が有する前
記爪形磁極部収容用スペースに前記両鉄心の一方の前記
爪形磁極部を収容する工程と、 を備えることを特徴とする爪極型界磁鉄心の製造方法。
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| JP02160095A JP3131979B2 (ja) | 1990-06-19 | 1990-06-19 | 爪極型界磁鉄心及びその製造方法 |
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|---|---|---|---|
| JP02160095A JP3131979B2 (ja) | 1990-06-19 | 1990-06-19 | 爪極型界磁鉄心及びその製造方法 |
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-
1990
- 1990-06-19 JP JP02160095A patent/JP3131979B2/ja not_active Expired - Fee Related
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