JP3131676B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

車両用操舵装置

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JP3131676B2
JP3131676B2 JP06141339A JP14133994A JP3131676B2 JP 3131676 B2 JP3131676 B2 JP 3131676B2 JP 06141339 A JP06141339 A JP 06141339A JP 14133994 A JP14133994 A JP 14133994A JP 3131676 B2 JP3131676 B2 JP 3131676B2
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友保 嘉田
史郎 中野
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嘉宏 後藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両用操舵装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】ステアリングホイールの操舵力を補助す
るためのパワーアシスト装置を備えた車両用操舵装置
は、軽い操作力で転舵ができるため、とくに高速道路を
高速走行している場合など、車両の側後方(側方の後
方)の接近車両に気付かずに車線(車両通行帯)を変更
するいわゆる車線変更を行って衝突を起こす危険性が高
いという問題がある。このため、車両の側後方を走行す
る他の車両などの障害物を検出し、運転者が障害物の方
向へ転舵しようとしたときに、パワーアシスト装置の操
舵補助力を減少させて、転舵操舵力を重くし、運転者に
危険を察知させるとともに、危険な方向への転舵操作を
抑制し、他の車両との衝突を防止するようにした車両用
操舵装置が提案されている(特開平4−19274号公
報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の車両用操舵装置
では、車両の側後方の障害物の有無だけで操舵補助力の
制御を行っているので、次のような問題がある。
【0004】すなわち、まず、車両の側後方に障害物を
検出しても、それが自車に対して離れていくのか接近し
てくるのかが分からないため、いずれの場合でも操舵補
助が抑制されてしまう。このため、障害物が自車から離
れていくような操舵の抑制が不必要な場合にも、操舵が
抑制され、運転者に違和感、不安感を与える。とくに、
車両の前方に先行車両などの障害物がある場合でも、側
後方に障害物があるだけで、この側後方の障害物が危険
でない場合でも、操舵が抑制させられるため、前方の障
害物を避けるのが困難な場合がある。また、障害物の検
出範囲を隣接車線の側後方に限った場合、その向こうの
車線から接近してくる車両には対応できず、障害物の検
出範囲を複数車線にまで広げた場合、隣接車線の向こう
の車線に車両があるというだけで操舵が抑制され、上記
のような問題が生じる。したがって、3車線以上の道路
では危険を防止できないか、あるいは不必要なときでも
操舵が抑制されてしまう。
【0005】パワーアシスト装置を備えていない車両用
操舵装置、いわゆるマニュアルステアリング装置の場合
にも、同様の問題がある。
【0006】この発明の目的は、上記の問題を解決し、
必要なときにだけ操舵を抑制できる安全性の高い車両用
操舵装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による車
両用操舵装置は、ステアリングホイールの操舵力を補助
するためのパワーアシスト装置、パワーアシスト装置に
設けられて、ステアリングホイールの操舵力に応じた操
舵補助力を付与する操舵補助状態とステアリングホイー
ルの操舵力に応じた操舵補助力を付与しない操舵補助抑
制状態とに切替えられる操舵補助力抑制手段、車両の前
方の障害物を検出する前方障害物検出手段を含む前方監
視手段、車両の側後方の障害物を検出する側後方障害物
検出手段、および運転者の所定動作が行われたことを検
出する動作検出手段を備えている車両用操舵装置におい
て、前方障害物検出手段からの出力に基づいて車両の前
方が危険状態であるかどうかを判定するとともに、側後
方障害物検出手段からの出力に基づいて車両の側後方が
危険状態であるかどうかを判定する危険状態判定手段、
ならびに運転者の所定動作が行われ、車両の前方が危険
状態でなく、かつ車両の側後方が危険状態であるとき
に、操舵補助力抑制手段を少なくとも所定時間操舵補助
抑制状態にする操舵補助抑制制御を行い、それ以外のと
きに、操舵補助力抑制手段を操舵補助状態にする操舵補
助制御を行う操舵制御手段を備えており、危険状態判定
手段が、前方障害物検出手段および側後方障害物検出手
段の出力より、自車から前方および側後方の障害物まで
の距離、自車と前方および側後方の障害物との相対速度
もしくは相対加速度、自車と前方および側後方の障害物
との相対速度ベクトルもしくは相対加速度ベクトル、な
らびに自車と前方および側後方の障害物との衝突予測時
間のうちの所定の情報を求め、前方障害物検出手段の出
力より求めた前方の障害物に関する上記情報のうちの所
定の情報に基づいて車両の前方が危険状態であるかどう
かを判定するとともに、側後方障害物検出手段の出力よ
り求めた側後方の障害物に関する上記情報のうちの所定
の情報に基づいて車両の側後方が危険状態であるかどう
かを判定するものであることを特徴とするものである。
【0008】前方障害物検出手段および後方障害物検出
手段には、たとえば、レーダを使用した距離測定装置、
超音波式距離測定装置、ラインセンサなどの1次元撮像
装置、テレビカメラなどの2次元撮像装置など、公知の
適当なものが使用される。
【0009】危険状態判定手段は、たとえば次のように
して、車両の前方が危険状態であるかどうかを判定す
る。すなわち、前方障害物検出手段の出力から、前方の
障害物との距離を求め、この距離が所定値より小さいと
きは、危険状態であると判定する。あるいは、前方障害
物検出手段の出力から、自車に対する前方の障害物の相
対速度(あるいは加速度)を求めて、そのままの状態が
続いたとしたときに自車が障害物と衝突に至るまでの衝
突予測時間を求め、この衝突予測時間が所定値より小さ
いときは、危険状態であると判定する。あるいは、前方
障害物検出手段の出力から、前方の障害物との距離およ
び自車に対する障害物の相対速度ベクトル(あるいは加
速度ベクトル)を求め、この距離が所定値より小さく、
かつ相対速度ベクトルが自車方向を向いているときは、
危険状態であると判定する。
【0010】車両の側後方の危険状態の判定も、同様で
ある。
【0011】たとえば、操舵制御手段により操舵補助抑
制制御が行われるときに、操舵補助力抑制手段が、パワ
ーアシスト装置に操舵反力を付与する。
【0012】たとえば、転舵開始前の舵角を記憶する舵
角記憶手段を備え、操舵制御手段により操舵補助抑制制
御が行われるときに、操舵補助力抑制手段が、記憶され
た転舵前の舵角になるようにパワーアシスト装置を制御
する。
【0013】たとえば、前方監視手段が、車両の前方の
走行路の形状を認識する走行路認識手段を備え、操舵制
御手段により操舵補助抑制制御が行われるときに、操舵
補助力抑制手段が、認識された走行路に車両が沿うよう
にパワーアシスト装置を制御した後、操舵補助状態にな
る。走行路認識手段には、たとえば、ラインセンサなど
の1次元撮像装置、テレビカメラなどの2次元撮像装置
が使用される。
【0014】たとえば、前方監視手段が、先行車両の自
車に対する相対的な進行方向を検出する先行車両進行方
向検出手段を備え、操舵制御手段により操舵補助抑制制
御が行われるときに、操舵補助力抑制手段が、車両が先
行車両に追従するようにパワーアシスト装置を制御した
後、操舵補助状態になる。先行車両進行方向検出手段に
は、たとえば、ラインセンサなどの1次元撮像装置、テ
レビカメラなどの2次元撮像装置が使用される。
【0015】請求項6の発明による車両用操舵装置は、
車両の前方の障害物を検出する前方障害物検出手段を含
む前方監視手段、車両の側後方の障害物を検出する側後
方障害物検出手段、および運転者の所定動作が行われた
ことを検出する動作検出手段を備えている車両用操舵装
置において、前方障害物検出手段からの出力に基づいて
車両の前方が危険状態であるかどうかを判定するととも
に、側後方障害物検出手段からの出力に基づいて車両の
側後方が危険状態であるかどうかを判定する危険状態判
定手段、ならびに運転者の所定動作が行われ、車両の前
方が危険状態でなく、かつ車両の側後方が危険状態であ
るときに、操舵機構に操舵反力を付与し、それ以外のと
きに、操舵機構に操舵反力を付与しない操舵制御手段を
備えており、危険状態判定手段が、前方障害物検出手段
および側後方障害物検出手段の出力より、自車から前方
および側後方の障害物までの距離、自車と前方および側
後方の障害物との相対速度もしくは相対加速度、自車と
前方および側後方の障害物との相対速度ベクトルもしく
は相対加速度ベクトル、ならびに自車と前方および側後
方の障害物との衝突予測時間のうちの所定の情報を求
め、前方障害物検出手段の出力より求めた前方の障害物
に関する上記情報のうちの所定の情報に基づいて車両の
前方が危険状態であるかどうかを判定するとともに、側
後方障害物検出手段の出力より求めた側後方の障害物に
関する上記情報のうちの所定の情報に基づいて車両の側
後方が危険状態であるかどうかを判定するものである
とを特徴とするものである。
【0016】
【作用】請求項1の発明によれば、危険状態判定手段に
より車両の前方および側後方が危険状態であるかどうか
が確実に判定され、運転者の所定動作が行われ、車両の
前方が危険状態でなく、かつ車両の側後方が危険状態で
あるときにだけ、操舵補助抑制制御が行われる。このた
め、不必要なときに操舵補助が抑制されることがない。
上記以外のとき、たとえば、車両の前方が危険状態であ
るときには、操舵補助制御が行われ、パワーアシスト装
置による通常の操舵が可能である。したがって、操舵補
助が抑制されることによって前方の障害物を避けられな
いようなことがない。
【0017】転舵開始前の舵角を記憶する舵角記憶手段
を備え、操舵制御手段により操舵補助抑制制御が行われ
るときに、操舵補助力抑制手段が、記憶された転舵前の
舵角になるようにパワーアシスト装置を制御するように
なされていれば、より確実に危険を回避することができ
る。
【0018】前方障害物検出手段が、車両の前方の走行
路の形状を認識する走行路認識手段を備え、操舵制御手
段により操舵補助抑制制御が行われるときに、操舵補助
力抑制手段が、認識された走行路に車両が沿うようにパ
ワーアシスト装置を制御した後、操舵補助状態になるよ
うになされていれば、車両が走行路を外れてより危険な
状態になるようなことがない。
【0019】前方障害物検出手段が、先行車両の自車に
対する相対的な進行方向を検出する先行車両進行方向検
出手段を備え、操舵制御手段により操舵補助抑制制御が
行われるときに、操舵補助力抑制手段が、車両が先行車
両に追従するようにパワーアシスト装置を制御した後、
操舵補助状態になるようになされていれば、車両が先行
車両の進行方向から外れてより危険な状態になるような
ことがない。
【0020】請求項6の発明によれば、危険状態判定手
段により車両の前方および側後方が危険状態であるかど
うかが確実に判定され、運転者の所定動作が行われ、車
両の前方が危険状態でなく、かつ車両の側後方が危険状
態であるときにだけ、操舵機構に操舵反力が付与され
る。このため、不必要なときに操舵反力が付与されるこ
とがない。上記以外のとき、たとえば、車両の前方が危
険状態であるときには、操舵反力が付与されず、通常の
操舵が可能である。したがって、操舵反力が付与される
ことによって前方の障害物を避けられないようなことが
ない。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。
【0022】図1は車両とこれに搭載された操舵装置
(1) の1例を概略的に示し、図2は操舵装置(1) の主要
部の構成の1例を示している。
【0023】図1において、(2) は車両の車体、(3) は
前輪、(4) は後輪、(5) はラック棒、(6) はハンドル
(ステアリングホイール)、(7) はパワーアシスト装置
である。ハンドル(6) を操作することにより、ラック棒
(5) が左右に移動して、前輪(3) の転舵が行われ、パワ
ーアシスト装置(7) によりハンドル(6) の操舵力の補助
が行われる。
【0024】パワーアシスト装置(7) には、後に詳しく
説明するように、ハンドル(6) の操舵力に応じた操舵補
助力を付与する操舵補助状態とハンドル(6) の操舵力に
応じた操舵補助力を付与しない操舵補助抑制状態とに切
替えられる操舵補助力抑制手段を構成する操舵補助力抑
制装置(8) が設けられている。
【0025】車体(2) の前部に、車両の前方を監視する
前方監視手段を構成する前方監視装置(9) が設けられて
いる。前方監視装置(9) には、車両の前方の障害物を検
出する前方障害物検出手段を構成する前方障害物検出装
置(10)が設けられている。また、前方監視装置(9) に
は、必要に応じて、車両の前方の走行路の形状を認識す
る走行路認識手段を構成する走行路認識装置(11)および
先行車両の自車に対する相対的な進行方向を検出する先
行車両進行方向検出手段を構成する先行車両進行方向検
出装置(12)が設けられる。前方障害物検出装置(10)のセ
ンサには、たとえば、レーダを使用した距離測定装置、
超音波式距離測定装置、ラインセンサなどの1次元撮像
装置、テレビカメラなどの2次元撮像装置などが使用さ
れる。走行路認識装置(11)および先行車両進行方向検出
装置(12)のセンサには、たとえば、ラインセンサなどの
1次元撮像装置、テレビカメラなどの2次元撮像装置な
どが使用される。
【0026】なお、これらの検出装置(10)(11)(12)のい
くつかについて、センサの部分を共有するようにするこ
ともできる。
【0027】車体(2) の両側部に、車両の側後方の障害
物を検出する側後方障害物検出手段を構成する側後方障
害物検出装置(13)が設けられている。側後方障害物検出
装置(13)のセンサには、たとえば、レーダを使用した距
離測定装置、超音波式距離測定装置、ラインセンサなど
の1次元撮像装置、テレビカメラなどの2次元撮像装置
などが使用される。
【0028】車体(2) の適当箇所に、たとえばラック棒
(5) の移動量を検出することによってハンドル(6) すな
わち前輪(3) の転舵角を検出する舵角検出装置(14)が設
けられている。舵角検出装置(14)は、場合によっては、
後述する運転者の所定動作が行われたことを検出する動
作検出手段を構成する。
【0029】また、車体(2) の適当箇所に、車両の速度
(車速)を検出するための車速検出装置(15)が設けられ
ている。
【0030】さらに、車両には、前方監視装置(9) 、側
後方障害物検出装置(13)、舵角検出装置(14)および車速
検出装置(15)の出力に基づいてパワーアシスト装置(7)
を制御する制御ユニット(16)が設けられている。制御ユ
ニット(16)はたとえばマイクロコンピュータにより構成
されており、これには、舵角記憶手段を構成する舵角記
憶部(17)、危険状態判定手段を構成する危険状態判定部
(18)および操舵制御手段を構成する操舵制御部(19)が設
けられている。前方監視装置(9) の出力は、判定部(18)
および制御部(19)に入力する。側後方障害物検出装置(1
3)の出力は、判定部(18)に入力する。舵角検出装置(14)
の出力は舵角記憶部(17)、判定部(18)および制御部(19)
に入力し、舵角記憶部(17)の出力は制御部(19)に入力す
る。車速検出装置(15)の出力は、制御部(19)に入力す
る。そして、制御部(19)によりパワーアシスト装置(7)
の操舵補助力抑制装置(8) が制御される。判定部(18)
は、前方障害物検出装置(10)からの出力に基づいて車両
の前方が危険状態であるかどうかを判定するとともに、
側後方障害物検出装置(13)からの出力に基づいて車両の
側後方が危険状態であるかどうかを判定するものであ
る。制御部(19)は、運転者の所定動作が行われ、車両の
前方が危険状態でなく、かつ車両の側後方が危険状態で
あるときに、操舵補助力抑制装置(8) を少なくとも所定
時間操舵補助抑制状態にする操舵補助抑制制御を行い、
それ以外のときに、操舵補助力抑制装置(8)を操舵補助
状態にする操舵補助制御を行うものである。
【0031】パワーアシスト装置(7) の主要部が図3に
示され、さらにその要部が図4〜図6に示されている。
【0032】パワーアシスト装置(7) は、ロータリバル
ブ式の制御弁機構を有する公知のパワーアシスト部に前
記操舵補助力抑制装置(8) が付加されたものである。
【0033】パワーアシスト装置(7) において、(21)は
ハンドル(6) に一体回転可能に連結された入力軸、(22)
は入力軸(21)にトーションバー(23)を介して連結された
出力軸、(24)は出力軸(22)にピン(25)によって一体状に
固定されたバルブボディ、(26)はバルブボディ(24)の内
周と入力軸(21)の外周との間に形成された公知のロータ
リバルブ機構、(27)は図示しないエンジンにより駆動さ
れてバルブ機構(26)に圧油を供給する主ポンプ、(28)は
バルブ機構(26)からの戻り油を戻り油ポート(29)を介し
て受ける油タンク、(30)はラック棒(5) に操舵補助力を
付与するためのパワーシリンダである。入力軸(21)およ
び出力軸(22)は、ハウジング(31)に回転支持されてい
る。出力軸(22)の端部には、ラック棒(5) に形成された
ラック(5a)とかみ合うピニオン(22a) が形成されてい
る。主ポンプ(27)からの圧油は、圧油ポート(32)を介し
てバルブ機構(26)に供給される。ハンドル(6) が操作さ
れていない場合、バルブ機構(26)に供給された圧油は、
そのまま戻り油ポート(29)から油タンク(28)に戻り、操
舵力の補助は行われない。ハンドル(6) が操作される
と、入力軸(21)および出力軸(22)が回転し、これにより
ラック棒(5) が移動して、前輪(3) の転舵が行われる。
同時に、トーションバー(23)がねじれて、入力軸(21)と
出力軸(22)すなわちバルブボディ(24)との間に相対角変
位が生じ、バルブ機構(26)に供給された圧油がパワーシ
リンダ(30)のいずれか一方の油室(30a)(30b)に選択的に
供給されるとともに、他方から油タンク(28)に油が戻さ
れ、操舵力の補助が行われる。
【0034】図3において、右転舵を行った場合、入力
軸(21)の回転に対して、ピニオン(22a) は前輪(3) (操
舵輪)の操舵抵抗により動かないラック棒(5) とかみ合
っているため、容易には回転しない。そのため、トーシ
ョンバー(23)にねじり変位が生じて、入力軸(21)とバル
ブボディ(24)との間に回転変位が発生し、主ポンプ(27)
からの圧油が圧油ポート(32)、シリンダポート(46a) 、
パワーシリンダ(30)の左側の油室(30a) に供給される。
一方、パワーシリンダ(30)の右側の油室(30b)の戻り油
は、右側の油室(30b) からシリンダポート(46b) および
戻り油ポート(29)を介して油タンク(28)へ戻される。そ
して、左側の油室(30a) に供給される圧油により、右転
舵方向の操舵補助力が発生する。
【0035】左転舵を行った場合は、上記と逆に、パワ
ーシリンダ(30)の右側の油室(30b)に圧油が供給される
とともに、左側の油室(30a) の油が油タンク(28)へ戻
り、左転舵方向の操舵補助力が発生する。
【0036】操舵補助力抑制装置(8) は、入力軸(21)と
出力軸(22)の相対回転を抑制するための第1相対回転抑
制機構(8a)と、ハウジング(31)と出力軸(22)の相対回転
を抑制するための第2相対回転抑制機構(8b)とを含んで
いる。後に詳しく説明するように、第1相対回転抑制機
構(8a)は、車速に応じて操舵補助力を調整するものであ
り、第2相対回転抑制機構(8b)は、抑制装置(8) が操舵
補助抑制状態に切替えられたときにパワーアシスト装置
(7) に操舵反力を付与するためのものである。
【0037】図3および図4に示すように、第1相対回
転抑制機構(8a)は、出力軸(22)に形成された貫通穴(33)
に摺動自在に設けられ頭部(34a) が球状に形成されたプ
ランジャ(34)、およびこのプランジャ(34)を入力軸(21)
に圧接させるための圧油が導かれる油室(35)を含んでい
る。貫通穴(33)は、出力軸(22)の頭部の外周に形成され
た周溝(36)に、円周等配に複数が形成され、それぞれ出
力軸(22)を径方向に貫通している。また、周溝(36)に
は、割り目を有する環体(37)がはめられており、プラン
ジャ(34)の径方向外方への移動を規制している。油室(3
5)は、出力軸(22)の頭部外周とハウジング(31)の内周壁
との間に、周溝(36)の両側に設けられた1対のシールリ
ング(38)(39)により密封された状態で形成されている。
【0038】図5に詳細に示すように、入力軸(21)の一
端側の外周には、各プランジャ(34)に対応して、軸方向
にのびる凹溝(40)が形成されており、この凹溝(40)の底
部はバルブ中心から所定半径の円弧面とされ、凹溝(40)
の両側面とプランジャ(34)の球状の頭部(34a) との間に
は、バルブ中立位置と反力部中立位置(バルブの相対変
位に対して油圧反力の作用しない位置をいう)の機械加
工精度上考えられるずれ量に相当する隙間sが設けられ
ている。
【0039】油室(35)には、エンジンにより駆動される
補助ポンプ(41)からの油路(42)から分岐した油路(43)お
よび圧油ポート(44)を介して圧油が供給されるようにな
っている。油路(42)の油路(43)への分岐前の部分には、
制御部(19)からの信号によって開度を調整される、ソレ
ノイドを含む第1制御バルブ(45)が配置されている。油
室(35)に圧油が供給されると、その圧力に応じた力でプ
ランジャ(34)の頭部(34a) が入力軸(21)の凹溝(40)の底
部に圧接させられ、入力軸(21)と出力軸(22)との間に、
プランジャ(34)の圧接力に応じた回転抵抗が生じる。
【0040】図6に詳細に示すように、第2相対回転抑
制機構(8b)は、ハウジング(31)に形成された貫通穴(47)
に摺動自在に設けられ頭部(48a) が球状に形成されたプ
ランジャ(48)、このプランジャ(48)を出力軸(22)に圧接
させるための圧油が導かれる油室(49)、および貫通穴(4
7)の入口部にねじはめられプランジャ(48)との間で貫通
穴(47)内に油室(49)を形成するとともにプランジャ(48)
の抜け止めとなる密封用ねじ部材(50)を含んでいる。
【0041】貫通穴(47)は、ハウジング(31)の外周に円
周等配に複数が形成され、それぞれハウジング(31)を径
方向に貫通している。油室(49)は、出力軸(22)の外周と
ハウジング(31)の内周壁との間に、シールリング(39)(5
1)により密封された状態で形成されている。
【0042】油室(49)には、補助ポンプ(41)からの油路
(42)において、油路(43)の分岐部分よりも下流側の部分
から分岐した油路(52)を介して圧油が供給されるように
なっている。油路(42)の、油路(43)への分岐部分と油路
(52)への分岐部分との間の部分には、制御部(19)からの
信号によって開度を調整される、ソレノイドを含む第2
制御バルブ(53)が配置されている。油室(49)に圧油が供
給されると、その圧力に応じた力でプランジャ(48)の頭
部(48a) が出力軸(22)の外周面に圧接させられ、ハウジ
ング(31)と出力軸(22)との間に、プランジャ(48)の圧接
力に応じた回転抵抗が生じる。
【0043】車両の走行時に、制御ユニット(16)の制御
部(19)からの信号によって第2制御バルブ(53)の開度を
切替えることにより、第2相対回転抑制機構(8b)の油室
(49)に供給される圧油の圧力が切替えられ、抑制装置
(8) が操舵補助状態と操舵補助抑制状態に切替えられ
る。そして、抑制装置(8) が操舵補助状態に切替えられ
ている状態において、車速に応じた制御部(19)からの信
号によって第1制御バルブ(45)の開度が制御され、その
結果、第1相対回転抑制機構(8a)の油室(35)に供給され
る圧油の圧力が制御され、車速に応じて転舵操作力(ハ
ンドル(6) を転舵するために要する力)が調整される。
【0044】制御部(19)は、抑制装置(8) を操舵補助状
態に切替えるときには、第2制御バルブ(53)の開度を小
さい側に切替える。これにより、第2相対回転抑制機構
(8b)の油室(49)に供給される圧油の圧力が低くなり、出
力軸(22)に対するプランジャ(48)の圧接力が小さくなる
ため、出力軸(22)はハウジング(31)に対して自由に回転
しうる状態となる。制御部(19)は、このような状態で、
車速検出装置(15)により検出された車速に応じて、第1
制御バルブ(45)の開度を高速になるにしたがって大きく
なるように制御する。このため、入力軸(21)に対するプ
ランジャ(34)の圧接力が高速になるにしたがって大きく
なるように制御され、その結果、操舵補助力が、高速に
なるにしたがって小さくなるように、車速に応じて調整
される。
【0045】制御部(19)は、抑制装置(8) を操舵補助抑
制状態に切替えるときには、第1制御バルブ(45)の開度
を、車速に関係なく、大きい一定の値に固定するととも
に、第2制御バルブ(53)の開度を大きい側に切替える。
これにより、相対回転抑制機構(8a)(8b)の油室(35)(49)
に供給される圧油の圧力が高くなる。第1相対回転抑制
機構(8a)の油室(35)に供給される圧油の圧力が高くなる
と、入力軸(21)と出力軸(22)の間の相対回転に対する回
転抵抗が大きくなり、操舵補助力が小さくなる。また、
第2相対回転抑制機構(8b)の油室(49)に供給される圧油
の圧力が高くなると、ハウジング(31)と出力軸(22)の間
の相対回転に対する回転抵抗が高くなり、ハンドル(6)
の操舵力に応じた操舵補助力が付与されなくなるととも
に、操舵反力が付与される。
【0046】上記の操舵装置では、車両走行中に、制御
ユニット(16)の判定部(18)および制御部(19)により、前
方監視装置(9) 、側後方障害物検出装置(13)、舵角検出
装置(14)および車速検出装置(15)の出力などに基づい
て、パワーアシスト装置(7) が制御される。
【0047】次に、図7のフローチャートを参照して、
車両走行中の判定部(18)および制御部(19)の動作の1例
について説明する。
【0048】車両が走行状態になると、まず、運転者の
所定動作が行われたかどうかがチェックされ(ステップ
1)、所定動作が行われれば、ステップ2に進む。運転
者の所定動作としては、たとえば、ハンドル(6) の転舵
操作、方向指示機の操作などがあり、ハンドル(6) が転
舵されて、舵角検出器(14)により検出される舵角が前回
から変化した場合、あるいは方向指示機が操作された場
合に、所定動作が行われたと判断される。
【0049】ステップ2においては、側後方障害物検出
装置(13)の出力に基づいて、側後方の危険状態の判定が
行われる。この判定の処理の1例が、図8のフローチャ
ートに示されている。図8において、まず、舵角検出装
置(14)の出力より、転舵方向が検出される(ステップ20
1 )。これは、今回検出した舵角を舵角記憶部(17)に記
憶されている前回の舵角と比較することにより行われ
る。次に、側後方障害物検出装置(13)の出力より、転舵
方向側後方にある物体(障害物)の自車に対する相対速
度ベクトルを検出し(ステップ202 )、転舵方向側後方
に接近物体があるかどうかを調べる(ステップ203 )。
ステップ203 において接近物体がない場合、すなわち転
舵方向側後方に物体がない場合あるいは物体があっても
自車に対して接近していない場合は、危険状態ではない
と判断し、ステップ204 に進んで、たとえば側後方の危
険状態フラグを非危険状態にセットし、処理を終了す
る。ステップ203 において接近物体がある場合、すなわ
ち転舵方向側後方に物体があってしかもその相対速度ベ
クトルが自車方向を向いている場合は、ステップ205 に
進んで、衝突の可能性があるかどうかを調べる。これ
は、側後方障害物検出装置(13)の出力より側後方の物体
との距離を求め、これが所定値より小さい場合は、衝突
の可能性があると判断する。あるいは、側後方の物体と
の距離および相対速度ベクトルより、そのままの状態が
続いたとしたときの衝突に至るまでの衝突予測時間を求
め、これが所定値より小さい場合は、衝突の危険性があ
ると判断する。ステップ205 において衝突の危険性がな
い場合は、ステップ204 に進む。ステップ205 において
衝突の危険性がある場合は、危険状態であると判断し、
ステップ206 に進んで、たとえば側後方の危険状態フラ
グを危険状態にセットし、処理を終了する。
【0050】図7において、ステップ2の処理が終了す
ると、ステップ2における判定結果より側後方が危険状
態であるかどうかを調べ(ステップ3)、危険状態でな
ければ、ステップ4に進む。ステップ4においては、操
舵補助抑制制御中であるかどうかを調べ、そうでなけれ
ば、そのまま処理を終了し、操舵補助抑制制御中であれ
ば、ステップ5に進んで、操舵補助抑制制御を解除して
操舵補助制御に切替え、処理を終了する。操舵補助抑制
制御とは、操舵補助力抑制装置(8) を操舵補助抑制状態
にして、前述のように、操舵反力を付与して、ハンドル
(6) の操舵力に応じた操舵補助力を付与しないようにす
ることをいう。操舵補助制御とは、操舵補助力抑制装置
(8) を操舵補助状態にして、前述のように、操舵反力を
付与せずに、ハンドル(6) の操舵力および車速に応じた
操舵補助力を付与するようにすることをいう。ステップ
4に進んだ場合、操舵補助制御中であればそれがそのま
ま継続され、操舵補助抑制制御中であれば操舵補助制御
に切替えられ、いずれにしても、操舵補助制御の状態に
なる。
【0051】ステップ3において側後方が危険状態であ
る場合は、ステップ6に進み、前方監視装置(9) の出力
に基づいて、前方の危険状態を判定する。これは、たと
えば、前方に自車に接近している物体があるかどうかを
調べることにより行われ、接近物体があればたとえば前
方の危険状態フラグを危険状態にセットし、そうでなけ
ればこれを非危険状態にセットする。
【0052】次に、ステップ6における判定結果より前
方が危険状態であるかどうかを調べ(ステップ7)、危
険状態であれば、ステップ8に進んで、警報を発した
後、ステップ4に進み、前述のように、操舵補助状態に
して、処理を終了する。
【0053】ステップ7において前方が危険状態でなけ
れば、ステップ9に進み、操舵補助力抑制装置(8) を操
舵補助抑制状態にして操舵補助抑制制御を行い、処理を
終了する。
【0054】上記の説明からも明らかなように、側後方
が危険状態であっても、前方が危険状態であれば、警報
を発し、操舵補助抑制制御は行われない。そして、側後
方が危険状態であって、しかも前方が危険状態でない場
合にだけ、操舵補助抑制制御が行われる。
【0055】図9〜図11は、この発明の他の実施例を
示している。図9は操舵装置の主要部の構成の1例を示
し、この操舵装置(55)は電動式のパワーアシスト装置(5
6)を備えている。図10および図11はパワーアシスト
装置(56)の主要部の構成の1例を示している。なお、図
9〜図11において、前記実施例と同じ部分には同一の
符号を付している。
【0056】図10および図11に示すように、パワー
アシスト装置(56)は、DCモータ(57)、減速機構(58)、
パウダクラッチ(59)およびピニオン(60)を備えている。
モータ(57)は、ラック棒(5) と平行に配置されている。
減速機構(58)は、モータ(57)の駆動軸に同軸に固定され
たウォーム軸(58a) 、およびウォーム軸(58a) にかみ合
わされたウォームホイール(58b) を含んでいる。クラッ
チ(59)は、ウォームホイール(58b) と一体に形成された
中空短円筒状の駆動軸(59a) 、および駆動軸(59a) の内
側に同軸状に配置された被駆動軸(59b) を含んでいる。
このクラッチ(59)は、駆動軸(59a) と被駆動軸(59b) と
の間に磁性粉体を介在させた公知の構成のものであり、
図示しないコイルに通電することにより、通電量に応じ
た所定の連結力で駆動軸(59a) と被駆動軸(59b) とを連
結する。減速機構(58)およびクラッチ(59)は、クラッチ
(59)に電流を供給するスリップリング(61)とともにケー
シング(62)内に収容されている。ピニオン(60)は、被駆
動軸(59b) に固定され、ラック棒(5) の上面ラック歯(5
b)とかみ合っている。
【0057】図示は省略したが、ハンドルコラムの所定
箇所に、トルク検出装置(63)(図9参照)が取付けられ
ている。このトルク検出装置(63)は、ハンドル(6) の回
転方向および負荷(操舵トルク)に応じた出力を制御部
(19)に与える。
【0058】この場合、パワーアシスト装置(56)のモー
タ(57)、減速機構(58)およびクラッチ(59)により操舵補
助力抑制装置(64)が構成されている。
【0059】制御部(19)は、パワーアシスト装置(56)の
操舵補助力抑制装置(64)を操舵補助状態に切替えること
により、操舵補助制御を行う。この場合、制御部(19)
は、図示しない給電回路を介して、ハンドル(6) の操舵
力および車速に応じた電流をモータ(57)およびクラッチ
(59)に供給する。これにより、モータ(57)の回転力が減
速機構(58)、クラッチ(59)およびピニオン(60)を介して
ラック棒(5) に伝達され、ハンドル(6) の操舵力と車速
に応じた操舵補助が行われる。このとき、クラッチ(59)
は、供給された電流によって必要以上のモータトルクを
伝達することなく、負荷に応じた操舵補助力がラック棒
(5) に伝達される。
【0060】制御部(19)は、パワーアシスト装置(56)の
操舵補助力抑制装置(64)を操舵補助抑制状態に切替える
ことにより、操舵補助抑制制御を行う。この場合、制御
部(19)は、クラッチ(59)への給電状態は維持したまま
で、モータ(57)への給電を停止する。これにより、ハン
ドル(6) の転舵に対して、モータ(57)および減速機構(5
8)によるブレーキ力が操舵反力として与えられる。
【0061】制御部(19)によるパワーアシスト装置(56)
の制御は、図7の場合と同様である。
【0062】この実施例の場合、操舵補助力を付与する
ためのモータ(57)および減速機構(58)を用いて操舵反力
を付与するためのブレーキトルクを付加するので、ブレ
ーキトルクを付加するための手段を別に設ける場合に比
べて、構造を簡素化することができる。また、減速機構
(58)に用いられているウォームギアの逆伝達効率が低い
ことから、十分な抵抗を得ることができる。しかも、ロ
ックすることのないパウダクラッチ(59)を用いているの
で、ブレーキとして働かせたモータ(57)に損傷を与える
ようなことがない。なお、操舵補助抑制状態に切替えた
ときに、モータ(57)に逆起電力を負荷して、より大きな
ブレーキ力を働かせることもできる。また、モータ(57)
により駆動される適当箇所に、他の公知のブレーキ機構
を設けることもできる。
【0063】上記2つの実施例では、パワーアシスト装
置(7)(56) の操舵補助力抑制装置(8)(64) が操舵補助抑
制状態に切替えられたときに、操舵反力が付与されるよ
うになっているが、操舵反力を付与せずに、単にハンド
ル(6) の操舵力に応じた操舵補助力を付与しないように
することもできる。また、操舵反力を付与する場合で
も、その手段は上記実施例のものに限らない。
【0064】図12は、パワーアシスト装置の他の実施
例を示している。
【0065】このパワーアシスト装置(65)の操舵補助力
抑制装置(66)は、操舵補助抑制状態に切替えられたとき
に、ラック棒(5) にパワーシリンダ(30)の部分において
直接操舵反力を付与するものである。図12において、
パワーシリンダ(30)の端部に、たとえば圧電素子などを
使用した反力付与部材(67)がラック棒(5) を挟むように
配置されている。反力付与部材(67)は制御部(19)によっ
て制御され、これにより操舵補助状態と操舵補助抑制状
態に切替えられる。操舵補助状態に切替える場合、制御
部(19)は反力付与部材(67)に駆動電圧を印加しない。こ
のため、反力付与部材(67)は縮んだ状態(非作動状態)
に保持され、ラック棒(5) は自由に移動しうる状態とな
って、パワーシリンダ(30)に供給される圧油による操舵
補助が行われる。操舵補助抑制状態に切替える場合、制
御部(19)は反力付与部材(67)に駆動電圧を印加する。こ
のため、反力付与部材(67)はのびた状態(作動状態)に
保持され、ラック棒(5) を挟みつけて操舵反力を付与す
る。
【0066】図13は、パワーアシスト装置の他の実施
例を示している。
【0067】このパワーアシスト装置(69)の操舵補助力
抑制装置(70)は、操舵補助抑制状態に切替えられたとき
に、サポートヨーク(71)によりラック棒(5) を出力軸(2
2)のピニオン(22a) に強く押しつけて操舵反力を付与す
るものである。図13において、ラック棒(5) をピニオ
ン(22a) に押しつけるためのサポートヨーク(71)が、ハ
ウジング(31)の円筒部(31a) に摺動自在に設けられてい
る。(72)は円筒部(31a) の端部にねじはめられたキャッ
プ、(73)はキャップ(72)を固定するためのロックナッ
ト、(74)はキャップ(72)とサポートヨーク(71)との間に
配置された圧縮コイルばねである。キャップ(72)とサポ
ートヨーク(71)との間には、また、たとえば圧電素子な
どを使用した反力付与部材(75)が設けられている。反力
付与部材(75)は制御部(19)によって制御され、これによ
り操舵補助状態と操舵補助抑制状態に切替えられる。操
舵補助状態に切替える場合、制御部(19)は反力付与部材
(75)に駆動電圧を印加しない。これにより、反力付与部
材(75)は非作動状態(縮んだ状態)に保持され、サポー
トヨーク(71)はばね(74)の弾性力だけでラック棒(5)を
ピニオン(22a) に適当な力で押しつける。このため、こ
のサポートヨーク(71)による押しつけ力がラック棒(5)
の移動に対する抵抗となることはない。操舵補助抑制状
態に切替える場合、制御部(19)は反力付与部材(75)に駆
動電圧を印加する。これにより、反力付与部材(75)は作
動状態(のびた状態)に保持され、サポートヨーク(71)
を介してラック棒(5) をピニオン(22a) に強い力で押し
つける。このため、ラック棒(5) の移動に対する大きな
抵抗すなわち操舵反力が付与される。
【0068】図14は、パワーアシスト装置の他の実施
例を示している。
【0069】このパワーアシスト装置(77)の操舵補助力
抑制装置(78)は、操舵補助抑制状態に切替えられたとき
に、パワーシリンダ(30)の部分において操舵反力を付与
するものである。図14において、ロータリバルブ機構
(26)の戻り油ポート(29)と油タンク(28)との間の戻り油
路(79)に、制御部(19)からの信号により制御される開閉
バルブ(80)が設けられている。操舵補助状態に切替える
場合、制御部(19)はバルブ(80)を全開状態に保持する。
これにより、バルブ(80)がない場合と全く同様に、ロー
タリバルブ機構(26)からパワーシリンダに供給される圧
油によって操舵補助が行われる。操舵補助抑制状態に切
替える場合、制御部(19)はバルブ(80)を全閉状態に保持
する。これにより、ロータリバルブ機構(26)から油タン
ク(28)への戻り油路(79)が遮断されて、パワーシリンダ
(30)内の背圧が高くなり、ラック棒(5) の移動に対して
操舵反力が付与される。
【0070】この場合、開閉バルブ(80)を可変絞り弁に
変え、操舵補助抑制状態に切替えるときに、絞り弁を絞
り、戻り油路(79)に適当な抵抗を与えて、操舵補助力を
減少させるとともに、適当な操舵反力を付与するように
してもよい。
【0071】図15は、パワーアシスト装置の他の実施
例を示している。
【0072】このパワーアシスト装置(82)の操舵補助力
抑制装置(83)も、操舵補助抑制状態に切替えられたとき
に、パワーシリンダ(30)の部分において操舵反力を付与
するものである。図15において、パワーシリンダ(30)
の左側の油室(30a) とロータリバルブ機構(26)のシリン
ダポート(46a) との間の油路(84a) およびパワーシリン
ダ(30)の右側の油室(30b) とロータリバルブ機構(26)の
シリンダポート(46b)との間の油路(84b) に、制御部(1
9)からの信号により制御される開閉バルブ(85a)(85b)が
それぞれ設けられている。操舵補助状態に切替える場
合、制御部(19)はバルブ(85a)(85b)を全開状態に保持す
る。これにより、バルブ(85a)(85b)がない場合と全く同
様に、ロータリバルブ機構(26)からパワーシリンダ(30)
に供給される圧油によって操舵補助が行われる。操舵補
助抑制状態に切替える場合、制御部(19)はバルブ(85a)
(85b)を全閉状態に保持する。これにより、パワーシリ
ンダ(30)内に油が密閉されて、パワーシリンダ(30)内の
背圧が高くなり、ラック棒(5)の移動に対して操舵反力
が付与される。
【0073】この場合も、開閉バルブ(85a)(85b)を可変
絞り弁に変え、操舵補助抑制状態に切替えるときに、絞
り弁を絞り、油路(84a)(84b)に適当な抵抗を与えて、操
舵補助力を減少させるとともに、適当な操舵反力を付与
するようにしてもよい。
【0074】図16は、パワーアシスト装置の他の実施
例を示している。
【0075】このパワーアシスト装置(87)の操舵補助力
抑制装置(88)は、操舵補助抑制状態に切替えられたとき
に、操舵反力を付与せずに、操舵補助力を付与しないよ
うにするだけのものである。図16において、パワーシ
リンダ(30)の左側の油室(30a) とロータリバルブ機構(2
6)のシリンダポート(46a) の間の油路(84a) と、パワー
シリンダ(30)の右側の油室(30b) とロータリバルブ機構
(26)のシリンダポート(46b) の間の油路(84b) とが油路
(89)によって連通させられ、この連通油路(89)に、制御
部(19)からの信号により制御される開閉バルブ(90)が設
けられている。操舵補助状態に切替える場合、制御部(1
9)はバルブ(90)を全閉状態に保持する。これにより、連
通油路(89)がない場合と全く同様に、ロータリバルブ機
構(26)からパワーシリンダ(30)に供給される圧油によっ
て操舵補助が行われる。操舵補助抑制状態に切替える場
合、制御部(19)はバルブ(90)を全開状態に保持する。こ
れにより、パワーシリンダ(30)の左右の油室(30a)(30b)
が連通油路(89)で連通させられ、操舵補助力が付与され
なくなる。また、パワーシリンダ(30)の左右の油室(30
a)(30b)が連通させられるため、ラック棒(5) の移動が
妨げられることがなく、操舵反力は付与されない。
【0076】図17は、パワーアシスト装置の他の実施
例を示している。
【0077】図17において、パワーシリンダ(30)の左
右の油室(30a)(30b)が油路(92)によって連通させられ、
この連通油路(92)に、制御部(19)からの信号により制御
される開閉バルブ(93)が設けられている。他は、図16
の場合と同様である。
【0078】図18は、パワーアシスト装置の他の実施
例を示している。
【0079】このパワーアシスト装置(95)の操舵補助力
抑制装置(96)は、操舵補助抑制状態に切替えられたとき
に、パワーシリンダ(30)の部分において操舵方向と反対
方向の操舵反力を付与するものである。図18におい
て、ロータリバルブ機構(26)のシリンダポート(46a) と
パワーシリンダ(30)の左右の油室(30a)(30b)との間に1
つの方向制御バルブ(97a) が設けられ、ロータリバルブ
機構(26)のシリンダポート(46b) とパワーシリンダ(30)
の左右の油室(30a)(30b)との間にもう1つの方向制御バ
ルブ(97b) が設けられている。操舵補助状態に切替える
場合、制御部(19)は、一方のバルブ(97a) を、シリンダ
ポート(46a) と右側の油室(30b) との間を遮断するとと
もに、シリンダポート(46a) と左側の油室(30a) とを連
通する状態に切替え、他方のバルブ(97b) を、シリンダ
ポート(46b) と左側の油室(30a) との間を遮断するとと
もに、シリンダポート(46b) と右側の油室(30b) とを連
通する状態に切替える。これにより、ロータリバルブ機
構(26)からパワーシリンダ(30)に供給される圧油によっ
て操舵方向と同方向の力がラック棒(5) に与えられ、操
舵補助が行われる。操舵補助抑制状態に切替える場合、
制御部(19)は、一方のバルブ(97a) を、シリンダポート
(46a) と左側の油室(30a) との間を遮断するとともに、
シリンダポート(46a) と右側の油室(30b) とを連通する
状態に切替え、他方のバルブ(97b) を、シリンダポート
(46b) と右側の油室(30b) との間を遮断するとともに、
シリンダポート(46b) と左側の油室(30a) とを連通する
状態に切替える。これにより、ロータリバルブ機構(26)
からパワーシリンダ(30)に供給される圧油によって操舵
方向と反対方向の力がラック棒(5) に与えられ、操舵反
力が付与される。
【0080】制御部(19)による操舵補助抑制制御は、上
記実施例のものに限らず、適宜変更可能である。
【0081】たとえば、舵角記憶部(17)に転舵前の舵角
を記憶するようにし、制御部(19)により操舵補助抑制制
御が行われるときに、記憶された転舵前の舵角になるよ
うに操舵補助力抑制装置によってパワーアシスト装置を
制御するようにしてもよい。
【0082】また、前方監視装置(9) の走行路認識装置
(11)によって車両の前方の走行路の形状を認識し、制御
部(19)により操舵補助抑制制御が行われるときに、操舵
補助力抑制装置が、認識された走行路に沿うようにパワ
ーアシスト装置を制御した後、操舵補助状態に戻るよう
にしてもよい。
【0083】さらに、前方監視装置(9) の先行車両進行
方向検出装置(12)によって先行車両の自車に対する相対
的な進行方向を検出し、制御部(19)により操舵補助抑制
制御が行われるときに、操舵補助力抑制装置が、車両が
先行車両に追従するようにパワーアシスト装置を制御し
た後、操舵補助状態に戻るようにしてもよい。
【0084】前述の図18に示すパワーアシスト装置(9
5)の場合、バルブ(97a)(97b)を適当に制御することによ
り、ハンドル(6) の操作に関係なく、所望の方向に操舵
することができる。上記3つの場合には、パワーアシス
ト装置として、このように操舵補助力抑制装置で所望の
方向に操舵できるパワーアシスト装置を使用する必要が
ある。
【0085】以上の実施例においては、ラックピニオン
式のパワーステアリング装置について説明したが、この
発明は、ボールねじ式など、その他の形式のパワーステ
アリング装置にも適用できる。
【0086】さらに、この発明は、パワーアシストを備
えていない車両用操舵装置、いわゆるマニュアルステア
リング装置にも適用できる。その場合、操舵装置は、車
両の前方の障害物を検出する前方障害物検出手段を含む
前方監視手段、車両の側後方の障害物を検出する側後方
障害物検出手段、前方障害物検出手段からの出力に基づ
いて車両の前方が危険状態であるかどうかを判定すると
ともに、側後方障害物検出手段からの出力に基づいて車
両の側後方が危険状態であるかどうかを判定する危険状
態判定手段、運転者の所定動作が行われたことを検出す
る動作検出手段、および運転者の所定動作が行われ、車
両の前方が危険状態でなく、かつ車両の側後方が危険状
態であるときに、操舵機構に操舵反力を付与し、それ以
外のときに、操舵機構に操舵反力を付与しない操舵制御
手段を備えたものとする。
【0087】図19〜図21は、ステアリングシャフト
(100) の下端部の外周部に形成されたおねじおよびこれ
に複数のボールを介して連結されるナット部材(101) か
らなるボールねじ(102) 、ナット部材(101) の外周部に
形成されたラック(103) とかみ合うセクタシャフト(10
4) 、ならびに一端がセクタシャフト(104) に連結され
他端が車輪側に連結されるリンク(105) などを備えたマ
ニュアルステアリング装置にこの発明を適用した実施例
を示している。
【0088】図19は、ナット部材(101) に操舵反力付
与装置(106) を設けた例、図20は、ステアリングシャ
フト(100) の端部に操舵反力付与装置(106) を設けた
例、図21は、セクタシャフト(104) に操舵反力付与装
置(106) を設けた例である。
【0089】操舵反力付与装置(106) は、たとえば、プ
ランジャ(106a)、プランジャ(106a)を非反力付与側に付
勢するばね(106b)、および制御部(19)からの信号により
駆動され、駆動時にプランジャ(106a)を反力付与側に付
勢するたとえば圧電素子などのアクチュエータ(図示
略)からなる。
【0090】他は、前記実施例の場合と同様である。
【0091】
【発明の効果】請求項1の発明の車両用操舵装置によれ
ば、上述のように、不必要なときに操舵補助が抑制され
ることがなく、操舵補助が抑制されることによって前方
の障害物を避けられないようなことがない。
【0092】転舵開始前の舵角を記憶する舵角記憶手段
を備え、操舵制御手段により操舵補助抑制制御が行われ
るときに、操舵補助力抑制手段が、記憶された転舵前の
舵角になるようにパワーアシスト装置を制御するように
なされていれば、より確実に危険を回避することができ
る。
【0093】前方障害物検出手段が、車両の前方の走行
路の形状を認識する走行路認識手段を備え、操舵制御手
段により操舵補助抑制制御が行われるときに、操舵補助
力抑制手段が、認識された走行路に車両が沿うようにパ
ワーアシスト装置を制御した後、操舵補助状態になるよ
うになされていれば、車両が走行路を外れてより危険な
状態になるようなことがない。
【0094】前方障害物検出手段が、先行車両の自車に
対する相対的な進行方向を検出する先行車両進行方向検
出手段を備え、操舵制御手段により操舵補助抑制制御が
行われるときに、操舵補助力抑制手段が、車両が先行車
両に追従するようにパワーアシスト装置を制御した後、
操舵補助状態になるようになされていれば、車両が先行
車両の進行方向から外れてより危険な状態になるような
ことがない。
【0095】請求項6の発明の車両用操舵装置によれ
ば、上述のように、不必要なときに操舵反力が付与され
ることがなく、操舵反力が付与されることによって前方
の障害物を避けられないようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明をパワーステアリング装置に適用した
実施例を示す車両用操舵装置の概略構成図である。
【図2】図1の操舵装置の主要部の構成図である。
【図3】図1の操舵装置のパワーアシスト装置の主要部
を示す概略構成図である。
【図4】図3の要部の拡大断面図である。
【図5】図3のV−V線の断面図である。
【図6】図3のVI−VI線の断面図である。
【図7】制御部の動作の1例を示すフローチャートであ
る。
【図8】図7の側後方の危険状態の判定の処理の1例を
示すフローチャートである。
【図9】この発明の他の実施例を示す車両用操舵装置の
主要部の構成図である。
【図10】図9の操舵装置のパワーアシスト装置の主要
部を示す部分切欠き側面図である。
【図11】図10のXI−XI線の断面図である。
【図12】パワーアシスト装置の他の実施例を示す概略
構成図である。
【図13】パワーアシスト装置のさらに他の実施例を示
す概略構成図である。
【図14】パワーアシスト装置のさらに他の実施例を示
す概略構成図である。
【図15】パワーアシスト装置のさらに他の実施例を示
す概略構成図である。
【図16】パワーアシスト装置のさらに他の実施例を示
す概略構成図である。
【図17】パワーアシスト装置のさらに他の実施例を示
す概略構成図である。
【図18】パワーアシスト装置のさらに他の実施例を示
す概略構成図である。
【図19】この発明をマニュアルステアリング装置に適
用した実施例を示す車両用操舵装置の主要部の概略構成
図である。
【図20】この発明をマニュアルステアリング装置に適
用した他の実施例を示す車両用操舵装置の主要部の概略
構成図である。
【図21】この発明をマニュアルステアリング装置に適
用したさらに他の実施例を示す車両用操舵装置の主要部
の概略構成図である。
【符号の説明】
(1) 操舵装置 (2) 車体 (6) ハンドル (7) パワーアシスト装置 (8) 操舵補助力抑制装置(操舵補助力抑
制手段) (9) 前方監視装置(前方監視手段) (10) 前方障害物検出装置(前方障害物検
出手段) (11) 走行路検出装置(走行路検出手段) (12) 先行車両進行方向検出装置(先行車
両進行方向検出手段) (13) 側後方障害物検出装置(側後方障害
物検出手段) (14) 舵角検出装置 (16) 制御ユニット (17) 舵角記憶部(舵角記憶手段) (18) 危険状態判定部(危険状態判定手
段) (19) 操舵制御部(操舵制御手段) (55) 操舵装置 (56) パワーアシスト装置 (64) 操舵補助力抑制装置(操舵補助力抑
制手段) (65) パワーアシスト装置 (66) 操舵補助力抑制装置(操舵補助力抑
制手段) (69) パワーアシスト装置 (70) 操舵補助力抑制装置(操舵補助力抑
制手段) (77) パワーアシスト装置 (78) 操舵補助力抑制装置(操舵補助力抑
制手段) (82) パワーアシスト装置 (83) 操舵補助力抑制装置(操舵補助力抑
制手段) (87) パワーアシスト装置 (88) 操舵補助力抑制装置(操舵補助力抑
制手段) (95) パワーアシスト装置 (96) 操舵補助力抑制装置(操舵補助力抑
制手段) (106) 操舵反力付与装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 119:00 (72)発明者 嘉田 友保 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光 洋精工株式会社内 (72)発明者 中野 史郎 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光 洋精工株式会社内 (72)発明者 松下 茂久 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光 洋精工株式会社内 (72)発明者 後藤 嘉宏 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光 洋精工株式会社内 (72)発明者 小幡 佳史 大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光 洋精工株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−19274(JP,A) 特開 平4−245600(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B60R 21/00 G08G 1/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングホイールの操舵力を補助する
    ためのパワーアシスト装置、 パワーアシスト装置に設けられて、ステアリングホイー
    ルの操舵力に応じた操舵補助力を付与する操舵補助状態
    とステアリングホイールの操舵力に応じた操舵補助力を
    付与しない操舵補助抑制状態とに切替えられる操舵補助
    力抑制手段、 車両の前方の障害物を検出する前方障害物検出手段を含
    む前方監視手段、 車両の側後方の障害物を検出する側後方障害物検出手
    段、および運転者の所定動作が行われたことを検出する動作
    検出手段を備えている車両用操舵装置において、 前方障害物検出手段からの出力に基づいて車両の前方が
    危険状態であるかどうかを判定するとともに、側後方障
    害物検出手段からの出力に基づいて車両の側後方が危険
    状態であるかどうかを判定する危険状態判定手段、ならびに 運転者の所定動作が行われ、車両の前方が危険
    状態でなく、かつ車両の側後方が危険状態であるとき
    に、操舵補助力抑制手段を少なくとも所定時間操舵補助
    抑制状態にする操舵補助抑制制御を行い、それ以外のと
    きに、操舵補助力抑制手段を操舵補助状態にする操舵補
    助制御を行う操舵制御手段を備えており、 危険状態判定
    手段が、前方障害物検出手段および側後方障害物検出手
    段の出力より、自車から前方および側後方の障害物まで
    の距離、自車と前方および側後方の障害物との相対速度
    もしくは相対加速度、自車と前方および側後方の障害物
    との相対速度ベクトルもしくは相対加速度ベクトル、な
    らびに自車と前方および側後方の障害物との衝突予測時
    間のうちの所定の情報を求め、前方障害物検出手段の出
    力より求めた前方の障害物に関する上記情報のうちの所
    定の情報に基づいて車両の前方が危険状態であるかどう
    かを判定するとともに、側後方障害物検出手段の出力よ
    り求めた側後方の障害物に関する上記情報のうちの所定
    の情報に基づいて車両の側後方が危険状態であるかどう
    かを判定するものであることを特徴とする車両用操舵装
    置。
  2. 【請求項2】操舵制御手段により操舵補助抑制制御が行
    われるときに、操舵補助力抑制手段が、パワーアシスト
    装置に操舵反力を付与することを特徴とする請求項1の
    車両用操舵装置。
  3. 【請求項3】転舵開始前の舵角を記憶する舵角記憶手段
    を備え、操舵制御手段により操舵補助抑制制御が行われ
    るときに、操舵補助力抑制手段が、記憶された転舵前の
    舵角になるようにパワーアシスト装置を制御することを
    特徴とする請求項1の車両用操舵装置。
  4. 【請求項4】前方監視手段が、車両の前方の走行路の形
    状を認識する走行路認識手段を備え、操舵制御手段によ
    り操舵補助抑制制御が行われるときに、操舵補助力抑制
    手段が、認識された走行路に車両が沿うようにパワーア
    シスト装置を制御した後、操舵補助状態になることを特
    徴とする請求項1の車両用操舵装置。
  5. 【請求項5】前方監視手段が、先行車両の自車に対する
    相対的な進行方向を検出する先行車両進行方向検出手段
    を備え、操舵制御手段により操舵補助抑制制御が行われ
    るときに、操舵補助力抑制手段が、車両が先行車両に追
    従するようにパワーアシスト装置を制御した後、操舵補
    助状態になることを特徴とする請求項1の車両用操舵装
    置。
  6. 【請求項6】車両の前方の障害物を検出する前方障害物
    検出手段を含む前方監視手段、 車両の側後方の障害物を検出する側後方障害物検出手
    段、および運転者の所定動作が行われたことを検出する動作
    検出手段を備えている車両用操舵装置において、 前方障害物検出手段からの出力に基づいて車両の前方が
    危険状態であるかどうかを判定するとともに、側後方障
    害物検出手段からの出力に基づいて車両の側後方が危険
    状態であるかどうかを判定する危険状態判定手段、ならびに 運転者の所定動作が行われ、車両の前方が危険
    状態でなく、かつ車両の側後方が危険状態であるとき
    に、操舵機構に操舵反力を付与し、それ以外のときに、
    操舵機構に操舵反力を付与しない操舵制御手段を備えて
    おり、 危険状態判定手段が、前方障害物検出手段および側後方
    障害物検出手段の出力より、自車から前方および側後方
    の障害物までの距離、自車と前方および側後方の障害物
    との相対速度もしくは相対加速度、自車と前方および側
    後方の障害物との相対速度ベクトルもしくは相対加速度
    ベクトル、ならびに自車と前方および側後方の障害物と
    の衝突予測時間のうちの所定の情報を求め、前方障害物
    検出手段の出力より求めた前方の障害物に関する上記情
    報のうちの所定の情報に基づいて車両の前方が危険状態
    であるかどうかを判定するとともに、側後方障害物検出
    手段の出力より求めた側後方の障害物に関する上記情報
    のうちの所定の情報に基づいて車両の側後方が危険状態
    であるかどうかを判定するものである ことを特徴とする
    車両用操舵装置。
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