以下、本考案に係る商品情報表示具の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、図1〜図7において、図11中の符号と同一の符号を付した構成は、同一の構成又は要素を表す。
まず、本考案の第1実施形態について説明する。本実施形態は、図1に示すように、横並びに配置された複数のフックハンガーY,…を用いる商品陳列形態において、商品情報表示具を設置する場合を例とする。まず、商品陳列形態について、具体的に説明する。
各フックハンガーYは、商品陳列用の什器(図示しない)に横架されるフックバーXに掛止させるフックYaと、フックYaに連接されるバーYbとを備える。
フックYaは、フックバーXに掛止できるように下向きコ字形状に形成される。バーYbは、商品Z,…を吊り下げるため、丸棒状をなし、先端部に屈曲部Ycを備える。屈曲部Ycは、バーYbに吊り下げられる商品Z,…が自然に先端部から落下しないようにするため、先端方向に向けて、斜め上方を向いている。
そして、上記構成のフックハンガーYは、前記フックYaを、フックバーXに対して上方から嵌合して係止させることで、バーYbが横方向に伸びるようになっている。そして、別のフックハンガーY,…も同様に、フックバーXに取り付けることで、各フックハンガーYのバーYbが軸線を略平行にして横並びに設置される。
本実施形態に係る商品情報表示具は、少なくとも一部の領域に商品情報を表示する本体部1と、本体部1の下端側に設けられ、複数のバーYb,…に係止させる複数の係止部2,…とを備える。
本体部1は、図2(a)及び(b)に示すように、平板状の前面部1aと、平板状の後面部1bとを備える。前面部1a及び後面部1bは、各上端側同士が直接的に接続される一方、各下端側同士が離間している。さらに、前面部1a及び後面部1bは、各上端側同士が直接的に接続されてなる稜線に対して、同形状又は略同形状(対称又は略対称)である。また、前面部1a及び後面部1bは、本実施形態において、長方形状をしている。
本体部1は、本実施形態において、図2(c)に示すように、平板状の厚紙から形成される。より、具体的には、前面部1a及び後面部1bは、長方形状の厚紙を、幅方向又は長手方向の中央部で屈曲して形成される。これにより、前面部1aの下端側と後面部1bの下端側とは、接離可能、即ち、互いの間隔を変化することができる。なお、商品情報は、本体部1の一部に記載してもよく、また、本体部1の全体に記載してもよい。
係止部2,…のそれぞれは、穴3の内周により構成される。より具体的には、バーYbを挿通可能な穴3の内周により構成される。即ち、係止部2は、穴3に挿通したバーYbの全周を穴3の内周で囲むように構成される。なお、本実施形態においては、前記穴3は、円形状に形成されている。
また、複数の係止部2,…は、前面部1aの下端部(稜線とは反対側の端部)に下端に沿って設けられる。また同様に、係止部2,…は、後面部1bの下端部(稜線とは反対側の端部)に下端に沿って設けられる。そして、各係止部2は、下端に沿って略等間隔に配置される。また、前面部1aの係止部2,…と後面部1bの係止部2,…とは、本体部1の稜線に対して、対称又は略対称となるように配置される。
本実施形態に係る商品情報表示具の構成に関する説明は以上の通りで、次に、この本実施形態に係る商品情報表示具の作用について説明する。
まず、商品情報表示具を横並びに配置される複数のバーYb,…に設置するため、図3(a)及び(b)に示すように、本体部1の後面部1bの下端部に設けられる穴3,…に各バーYbを挿通する。続けて、本体部1の前面部1aの下端側に設けられる穴3,…に各バーYbを挿通し、各バーYbの基部付近まで本体部1を移動する。
ここで、前面部1aの穴3,…及び後面部1bの穴3,…は、前記本体部1の稜線で対称又は略対称に配置されているため、各バーYbを、各穴3に挿通し易くなっている。なお、前面部1aの下端側と後面部1bの下端側とが接離可能であるため、下端側同士を接触させた状態にすると、さらに、各穴3に各バーYbを挿通し易くなる。
このように、各穴3にバーYbを挿通すると、本体部1の自重により、各係止部2(各穴3の内周の上側)は、各バーYbの周面の上側と当接するため、バーYbに係止される。その結果、本体部1の横方向の転倒を防止する。即ち、複数の係止部2,…によって、バーYbの軸線の交差方向に対する本体部1の転倒モーメントに対抗する。
さらに、各バーYbにおいて、前面部1a及び後面部1bの係止部2,2(穴3,3の内周の上側)が、バーYbの軸線方向に離間した状態で、穴3に挿通するバーYbの周面の上側と当接するため、バーYbの軸線方向に離間する二箇所で係止される。その結果、本体部1の前後方向の転倒も防止される。即ち、前後方向に間隔を空けた係止部2,…が、バーYbの軸線方向に対する本体部1の転倒モーメントに対抗する。
次に、本体部1の前面部1aより前方に位置する各バーYbに複数の商品Z,…を吊り下げる。このとき、前面部1aと後面部1bとの間隔を小さくして、所定数の商品Z,…を各バーYbに吊り下げる。これで、商品Z,…の陳列作業が完了する。
その後、顧客が商品Z,…を購入するため、バーYb,…から商品Z…が順次取り外されることになる。すると、図3(c)に示すように、前面部1aの前方に吊り下げられる商品Z,…の量が減少するため、残った商品Z,…を各バーYbの先端側に寄せ集めると、最後尾の商品Zと前面部1aとの間に、ある程度の距離が発生する。そこで、本体部1を上方から手で押すことにより、前面部1aの下端側と後面部1bの下端側とが広がり、最後尾の商品Zと前面部1aとの間の距離が小さくなる。
また、顧客が商品ZをバーYbから取り外す際に、顧客の手が本体部1に接触して、本体部1が移動しそうになることがある。しかし、各係止部2(各穴3の内周)がバーYbの全周を囲んでいるため、必ず係止部2(穴3の内周)がバーYbのどこかに当接することで、本体部1は、所定量以上を移動することが規制される。
以上より、本実施形態に係る商品情報表示具は、本体部1の下端側に備える係止部2,…が複数のバーYb,…を係止する構成、即ち、複数のバーYb,…に跨って配置される構成であるため、本体部1を大きくすることができ、その結果、大きな商品情報量を表示することができる。
また、本実施形態に係る商品情報表示具は、複数の係止部2,…を複数のバーYb,…に係止させる構成であるため、本体部1の横方向の転倒を防止できる。また、二つの係止部2,2がバーYbの軸線方向に離間してバーYbを係止する構成であるため、本体部1の前後方向の転倒を防止する。したがって、本体部1は、転倒することなく、複数のバーYb,…に跨って自立することができる。
また、本実施形態に係る商品情報表示具は、前面部1aの下端側及び後面部1bの下端側に設けた穴3,…にバーYb,…を挿通する構成であるため、本体部1がバーYbの軸線の横方向に移動すると、各バーYbに係止部2,2が必ず当接し、その結果、本体部1は、横方向の移動を規制することができる。よって、本体部1が、バーYb,…に対して大きく変位するのを防止できるため、商品情報と商品の配置とを対応させる状態で維持できる。
また、本実施形態に係る商品情報表示具は、前面部1aと後面部1bとが各上端側で直接的に接続され、各下端側で離間する構成であるため、本体部1のバーYbの軸線方向の間隔を大きくすることができる。よって、本体部1は、前後方向の転倒をさらに防止できるため、複数のバーYb,…の上でさらに安定して自立することができる。
また、本実施形態に係る商品情報表示具は、前面部1aの下端側と後面部1bの下端側とが接離可能な構成であるため、後面部1bの下端側の位置を各バーYbに対して維持したまま、前面部1aの下端側と各バーYbの先端部との間隔を変化することができる。よって、各バーYbに吊り下げる商品Z,…の量にあわせて、前面部1aの下端側と各バーYbの先端部との間隔を調整することができるため、見栄えのよい商品陳列を提供できる。
なお、本実施形態において、本体部1(稜線近傍)を上方から手で押すことにより、前面部1aの下端側と後面部1bの下端側との間隔を大きくさせる場合を例にとって説明したが、本体部1の材質の特性により生じる弾性力によって、前面部1aの下端側と後面部1bの下端側との間隔を大きく変化させる場合でもよい。
例えば、薄厚のプラスチックで本体部1を形成すると、本体部1の材質の特性による弾性力で、前面部1aの下端側と後面部1bの下端側との間隔が広がり、商品Z,…をバーYb,…の先端方向に押すこと(商品Z,・・・をバーYbの先端側に寄せること)ができる。
次に、本考案の第2実施形態について説明する。本実施形態は、図1に示す第1実施形態の商品陳列形態、即ち、複数のフックハンガーY,…を用いる商品陳列形態を前提とする商品情報表示具の連続体(以下、単に「連続体」とする)を設置する場合を例とする。
本実施形態に係る連続体は、図4(a)及び(b)に示すように、横並びに連設する複数の商品情報表示具4,…を備える。また、連続体は、各商品情報表示具4を独立して分離させる分離手段8,…を備える。
各商品情報表示具4は、少なくとも一部の領域に商品情報を表示する本体部5と、本体部5の下端側に設けられ、複数のバーYb,…に係止させる複数の係止部6,…とを備える。
本体部5は、平板状の前面部5aと、平板状の後面部5bとを備える。前面部5a及び後面部5bは、上端側から下端側に向けて屈折する表面を備える。そして、前面部5a及び後面部5bは、各上端側同士が直接的に接続される一方、各下端側同士が離間している。さらに、前面部5a及び後面部5bは、各上端側同士が直接的に接続されてなる稜線に対して、同形状又は略同形状(対称又は略対称)である。また、前面部5a及び後面部5bは、本実施形態において、長方形状をしている。
本体部5は、本実施形態において、図4(c)に示すように、平板状の厚紙から形成される。より具体的には、前面部5a及び後面部5bは、長方形状の厚紙を、幅方向又は長手方向の中央部で屈曲して形成される。そして、前面部5aは、上下方向の途中位置で屈曲して形成される。さらに同様に、後面部5bも、上下方向の途中位置で屈曲して形成される。また、本体部5(商品情報表示具4)は、前面部5aの下端側と後面部5bの下端側とは接離可能である。
複数の係止部6,…は、各情報表示具4ごとに設けられており、本実施形態では、凹部7の内周により構成される。より具体的には、係止部6は、下向きの開口7aを備える凹部7の内周により構成される。即ち、係止部6は、各バーYbが開口7aを経由して嵌め込み可能な凹部7の内周により構成される。そして、各係止部6(凹部7の内周)は、バーYbに係止すると、バーYbの横方向の少なくとも一方側と対向するように構成される。本実施形態に係る係止部6は、下向きに開口7aを備える下向きL字形状の凹部7の内周により構成される。
複数の係止部6,…は、前面部5aの下端部(前記稜線とは反対側の端部)及び後面部5bの下端部(前記稜線とは反対側の端部)に設けられる。そして、各係止部6は、前面部5a及び後面部5bの下端に沿って略等間隔に配置される。また、前面部5aの係止部6,…と後面部5bの係止部6,…とは、前記稜線に対して、対称又は略対称となるように形成される。
分離手段8としては、例えば、手で容易に分離できるようなミシン目やハーフカット等の分離線を採用することができる。
本実施形態に係る連続体の構成は以上の通りで、次に、本実施形態に係る連続体の作用について説明する。
まず、図5(a)及び(b)に示すように、各バーYbに複数の商品Z,…を吊り下げる。そして、バーYb,…に対して凹部7,…を嵌め込む。即ち、本体部5,…の前面部5a,…及び後面部5b,…の下端側に設けられる下向きの開口7a,…を経由して、L字形状の凹部7,…をバーYb,…に沿わせるようにして連続体を移動させる。これにより、商品Z,…の陳列作業及び連続体(商品情報表示具4,…)の設置が完了する。ここで、前面部5a,…及び後面部5b,…の各係止部6は、本体部5,…の上側の前記稜線で対称又は略対称に配置されているため、係止部6,…にバーYb,…を係止させ易くなっている。
このように、凹部7,…をバーYb,…に嵌め込むと、本体部5,…の自重により、各係止部6(凹部7の内周の上側)は、バーYbの周面の上側と当接してバーYbに係止され、その結果、各係止部6は、本体部5,…の横方向の転倒を防止できる。さらに、前面部5a及び後面部5bの係止部6,6(凹部7,7の内周の上側)は、各バーYbに対して、バーYbの軸線方向に離間する二箇所で係止される結果、各係止部6は、本体部5,…の前後方向の転倒も防止する。
その後、顧客が商品Z,…を購入するため、バーYb,…から商品Z…を順次取り外していく。すると、前面部5a,…と後面部5b,…との間に吊り下げられる商品Z,…の量が減少するため、特定のバーYbから順次、商品Z,…を寄せ集める(図において、左側のバーYb,…から順次、商品Z,…を寄せ集める)と、商品Zが吊り下げられるバーYb,…の数が減少する(図において、右側二つのバーYb,Ybに商品Zがなくなる)。そこで、図5(c)に示すように、分離線(分離手段8)で商品表示が不要となった部分の商品情報表示具4を切り離すことにより、連続体の横幅寸法を調整できる。
また、顧客が商品ZをバーYbから取り外す際に、本体部5,…に接触して、本体部5,…がバーYbの軸線の交差方向に移動することがある。しかし、各バーYbが凹部7の内周に当接することで、本体部5,…の移動が規制される。
以上より、本実施形態に係る連続体の商品情報表示具4,…は、本体部5,…の下端側に備える係止部6,…が複数のバーYb,…を係止する構成、即ち、複数のバーYb,…に跨って配置される構成であるため、各商品情報表示具4の本体部5を大きくすることができ、その結果、大きな商品情報量を表示することができる。
また、本実施形態に係る連続体の商品情報表示具4,…は、複数の係止部6,…を複数のバーYb,…に係止させる構成であるため、本体部5,…の横方向の転倒を防止できる。また、二つの係止部6,6がバーYbの軸線方向に離間してバーYbを係止する構成であるため、本体部5,…の前後方向の転倒を防止する。したがって、本体部5,…は、転倒することなく、複数のバーYb,…に跨って自立することができる。
また、本実施形態に係る連続体の商品情報表示具4,…は、前面部5a,…の下端側及び後面部5b,…の下端側に設けた係止部6,…を各バーYbに係止させると、バーYbに対して、横方向に凹部7の内周が位置する構成であるため、商品情報表示具4,…は、横方向の移動を規制することができる。よって、商品情報表示具4,…が、バーYb,…に対して大きく変位するのを防止できるため、商品情報と商品の配置との対応関係を維持できる。
また、本実施形態に係る連続体の商品情報表示具4,…は、前面部5a,…と後面部5b,…とが各上端側で直接的に接続され、各下端側で離間した構成であるため、前面部5a,…と後面部5b,…とのバーYbの軸線方向の間隔を大きくすることができる。よって、本体部5,…は、前後方向の転倒をさらに防止できるため、複数のバーYb,…の上でさらに安定して自立することができる。
また、本実施形態に係る連続体の商品情報表示具4,…は、各バーYbが下向きの開口7aを経由して、凹部7に嵌め込むことで係止部6に係止される構成であるため、バーYb,…に凹部7,…を嵌め込むだけで、係止部6,…を係止させることができ、その結果、バーYb,…を配置し、商品Z,…をバーYb,…に吊り下げた後でも、係止部6,…をバーYb,…に係止させることができる。
また、本実施形態に係る連続体の商品情報表示具4,…は、各本体部5の前面部5aが上下方向の中央部で屈曲する構成であるため、単に平坦な面の場合と比較して、その表面が広くなる。よって、多くの商品情報を表示できると共に、広い範囲に向けて商品情報を提供することができる。
また、本実施形態に係る連続体は、複数の商品情報表示具4,…を分離可能に横並びに連設する構成であるため、分離手段8を介して分離すると、連続体の横幅寸法が変更できる。よって、商品を吊り下げるバーYb,…の数量の変化に伴い、連続体の横幅寸法(商品情報表示具4の数)をフレキシブルに調整することができる。そして、吊り下げられていた商品Z,…が無くなったバーYb,…を有効利用することができる。
次に、本考案の第3実施形態について説明する。本実施形態も、図1に示す実施形態1の商品陳列形態を前提とした商品情報表示具を設置する場合を例とする。
本実施形態に係る商品情報表示具は、図6(a)及び(b)に示すように、少なくとも一部の領域に商品情報を表示する本体部9と、本体部9の下端側に設けられ、複数のバーYb,…に係止させる複数の係止部10,…とを備える。
本体部9は、単一な平板状に構成される。また、本体部9は、本実施形態において、長方形状をしている。具体的には、本体部9は、下縁に沿って半円状の凹部9a,…を備える。凹部9a,…は、下縁に沿って等間隔に備えられている。
本体部9に形成された各凹部9aには、半円筒状体10aが嵌め込まれて固定されており、前記複数の係止部10,…は、半円筒状体10aの内周により構成される。これにより、各係止部10(半円筒状体10aの内周面)が下向きとなり、下向きに開口した凹部を形成する。即ち、半円筒状体10aをバーYbに載置する(嵌め込む)と、バーYbの横方向に半円筒状体10aの内周(係止部10)が位置するように構成されている。
本実施形態に係る商品情報表示具の構成は以上の通りで、次に、本実施形態に係る商品情報表示具の作用について説明する。
商品情報表示具を複数のバーYb,…に設置するため、図6(c)に示すように、各係止部10を、各バーYbの上から載置すると、各係止部10(各半円筒状体10aの内周)は、バーYbの軸線方向に連続してバーの周面の上側と当接する。
すると、各係止部10は、複数のバーYb,…に係止されるため、本体部9の横方向の転倒を防止できる。さらに、各バーYbにおいて、係止部10は、バーYbの軸線方向に連続して係止される。その結果、各係止部10は、本体部9の前後方向の転倒も防止できる。
また、顧客が商品ZをバーYbから取り外す際に、顧客の手が本体部9に接触して、本体部9が移動しそうになることがある。しかし、各係止部10(各半円筒状体10aの内周)がバーYbに対して、横方向に位置するため、バーYbに係止部10(半円筒状体10aの内周)が当接することで、本体部9は、所定量以上を移動することが規制される。
以上より、本実施形態に係る商品情報表示具は、複数の係止部10,…を複数のバーYb,…に係止させる構成であるため、本体部9の横方向の転倒を防止できる。また、各係止部10がバーYbの軸線方向に連続してバーYbを係止する構成であるため、本体部9の前後方向の転倒を防止する。したがって、本体部9は、転倒することなく、複数のバーYb,…の上に跨って自立することができる。
また、本実施形態に係る商品情報表示具は、係止部10,…を複数のバーYb,…に係止させると、各バーYbの横方向に半円筒状体10aの内周が位置するような構成であるため、商品情報表示具の横方向の移動を規制することができる。よって、本体部9が、バーYb,…に対して大きく変位するのを防止できるため、商品情報と商品の配置との対応関係を維持できる。
なお、本実施形態において、各係止部10を半円筒状体10aの内周である場合を例にとって説明したが、中空の筒状体の内周面で各係止部10を構成してもよい。
次に、本考案の第4実施形態について説明する。本実施形態も、図1に示す実施形態1の商品陳列形態を前提とした商品情報表示具を設置する場合を例とする。
本実施形態に係る商品情報表示具は、図7(a)及び(b)に示すように、少なくとも一部の領域に商品情報を表示する本体部11と、本体部11の下端側に設けられる複数の係止部12,…とを備える。
本体部11は、剛性のある平板状により構成される。また、本体部11は、本実施形態において、長方形状をしている。
係止部12,…のそれぞれは、穴13の内周により構成される。より具体的には、バーYbを挿通可能な穴13の内周により構成される。即ち、係止部12は、穴13に挿通したバーYbの全周を穴13の内周で囲むように構成される。なお、本実施形態においては、前記穴13は、円形状に形成されている。本実施形態の穴13は、挿通されるバーYbよりやや大きく設定されている。
本実施形態に係る商品情報表示具の構成は以上の通りで、次に、本実施形態に係る商品情報表示具の作用について説明する。
まず、商品情報表示具を横並びに配置される複数のバーYb,…に設置するため、図7(c)に示すように、本体部11の下端部に設けられる穴13,…に各バーYbを挿通する。そして、各バーYbの基部付近まで本体部11を移動させる。
すると、各係止部12(各穴13の内周の上側)は、バーYbの周面の上側と当接するため、バーYbに係止され、その結果、本体部11の横方向の転倒を防止する。
さらに、本実施形態において本体部11に形成した穴13,…がバーYb,…よりもやや大きく設定されているため、本体部11がバーYbに対して傾斜した状態で、各係止部12(穴13の内周の上側及び下側)が、バーYbの周面の上側及び下側と当接する。これにより、バーYbの軸線方向に離間する二箇所で当接する結果、本体部11の前後方向の転倒も防止される。
また、顧客が商品ZをバーYbから取り外す際に、顧客の手が本体部11に接触して、本体部11が移動しそうになることがある。しかし、各係止部12(各穴13の内周)がバーYbの全周を囲んでいるため、バーYbに係止部12(穴13の内周)が当接することで、本体部11は、バーYbの軸線の交差方向へ所定量以上を移動することが規制される。
以上より、本実施形態に係る商品情報表示具は、複数の係止部12,…を複数のバーYb,…に係止させる構成であるため、本体部11の横方向の転倒を防止できる。また、各穴13の内周がバーYbの周面の上側と当接すると共に、バーYbの周面の下側と当接する構成であるため、本体部11の前後方向の転倒を防止する。したがって、本体部11は、転倒することなく、複数のバーYb,…に跨って自立することができる。
また、本実施形態に係る商品情報表示具は、本体部11の下端側に設けた穴13,…に各バーYbを挿通する構成であるため、横方向の移動を規制することができる。よって、本体部11が、バーYb,…に対して大きく変位するのを防止できるため、商品情報と商品の配置との対応関係を維持できる。
なお、本考案の商品情報表示具は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
また、商品情報表示具の係止部は、図1〜図7に図示したものに限らず、図8(a)に示すように、係止部14を下縁に沿った長穴15の内周で構成してもよく、また長穴15の内周で構成された係止部14と、丸穴16の内周で構成された係止部17との組み合わせでもよい。さらに、図8(b)に示すように、係止部18を角穴19の内周で構成してもよく、また、係止部20を下向き及び横向きの開口を備えた凹部21の内周としてもよい。さらに、図8(c)に示すように、係止部22,22を下縁に沿った複数の長穴23,23の内周で構成してもよく、図8(d)に示すように、係止部24が下縁に沿った長穴25の内周であって、長穴25の上縁に半円状の複数の窪み26,…を横並びに連設されてもよい。
また、商品情報表示具の本体部(本体部の前面部又は後面部)は、図1〜図8に図示したものに限らず、図9(a)に示すように、本体部27(本体部の前面部又は後面部)が台形でもよく、図9(b)に示すように、本体部28(本体部の前面部又は後面部)が半円形状の上弧部を切除した形状でもよい。
また、商品情報表示具の本体部は、図1〜9に図示したものに限らず、図10(a)に示すように、本体部29が前面部29aと後面部29bとを平板状な面で間接的に接続してもよく、図10(b)に示すように、本体部30が前面部30aと後面部30bとが対向するように、本体部30を全体的に湾曲させるように形成してもよい。
また、上記実施形態において、横架されたフックバーXにフックハンガーY,…を掛止する商品陳列状態に商品情報表示具を設置する場合について説明したが、ネットに掛けるフックハンガーY,…に商品Z,…を陳列するような態様でもよい。
また、上記各実施形態において、同一形状の穴又は凹部を複数並設し、複数の係止部のそれぞれを同一形態としたが、これに限定されるものではなく、図8(a)及び(b)のように、異なる形態の係止部を組み合わせてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態において、本体部1,5を前面部1a,5a及び後面部1b,5bで構成した場合に、それぞれの係止部2…,6…が対称位置にあることで、本体部1,5の前後方向の転倒を防止したが、例えば、前面部1a,5aの係止部2…,6…及び後面部1b,5bの係止部2…,6…であって、バーYbの並列方向に異なる位置にある係止部2…,6…の組み合わせで、本体部1,5の前後方向及び横方向の転倒を防止してもよい。
また、上記各実施形態において、本体部が厚紙から形成される場合について説明したが、紙、金属、合成樹脂(プラスチック)等といった、材質から形成されてもよい。
1,5,9,11,27,28,29,30…本体部、1a,5a,29a,30a…前面部、1b,5b,29b,30b…後面部、2,6,10,12,14,17,18,20,22,24…係止部、3,13,15,16,19,23,25…穴(長穴、丸穴、角穴)、4…商品情報表示具、7,21…凹部、7a…開口、8…分離手段、9a…凹部、10a…半円筒状体、26…窪み、X…フックバー、Y…フックハンガー、Ya…フック、Yb…バー、Yc…屈曲部、Z…商品