JP3129542U - Frp製連鎖状漁礁 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃FRP船や廃棄物であるカキ殻を有効利用し、海水の浄化及び魚介類の増殖を目的とする漁礁の提供。
【解決手段】FRP製の継ぎ手3の付いた6面体あるいは球体の収納容器2にカキ殻及びFRPチップに活性炭を塗布した活性炭塗布FRPチップを搭載し、その収納容器を継ぎ手にて連結させて漁礁6を組み立てる。カキ殻やFRPチップに活性炭を塗布した活性炭塗布FRPチップは、海水の浄化作用がありさらにFRPは海藻類が着生増殖しやすいことから幼稚仔育成を主な目的とする漁礁を築くことができる。
【選択図】図5
【解決手段】FRP製の継ぎ手3の付いた6面体あるいは球体の収納容器2にカキ殻及びFRPチップに活性炭を塗布した活性炭塗布FRPチップを搭載し、その収納容器を継ぎ手にて連結させて漁礁6を組み立てる。カキ殻やFRPチップに活性炭を塗布した活性炭塗布FRPチップは、海水の浄化作用がありさらにFRPは海藻類が着生増殖しやすいことから幼稚仔育成を主な目的とする漁礁を築くことができる。
【選択図】図5
Description
本考案は、廃FRP船から生ずる廃FRPチップ及び廃棄物であるカキ殻を再利用し、周辺の水の浄化及び海藻類、微生物の着生、増殖による魚介類の増殖を主目的とFRP製漁礁に関する。
海や湖の中では、海底あるいは湖底(以下海底とした場合、湖や河川では湖底あるいは川底と読み替えるものとする。)から突き出た岩山のようなところに魚が多く集まっていて、これを漁礁といっている。漁礁は、魚の隠れ場、休み場、産卵場、餌場として、陸上の森や林の役割を果たしている。これと同じ機能を発揮するようにコンクリートブロックや鋼製の構造物を海底に沈めて人工漁礁としている。また廃船を沈めて人工漁礁としている例も多くある。漁礁には、成長魚介類が集まりやすくする捕獲型漁礁と魚介類の卵及び幼稚仔の増殖を目的とした増殖用漁礁がある。一般に魚介類は、ふ化後一定期間浮遊生活し、海藻類(湖や河川では藻類と読み替えるものとする。)、その他の微生物を餌料として成長する。この時期は幼稚仔と呼ばれている。そのため、増殖用漁礁では海藻類、微生物が良好に付着し、その繁殖が早いこと、また卵及び幼稚仔が外敵から保護されることが不可欠の条件となる。この海藻類、微生物の着生、成長には酸素と共に太陽光が必要であり太陽光が到達しない水深20m以下ではこれらの着生は見られない。したがって増殖用漁礁としては、太陽光の届く水面より20m以内に設置することが望ましい。
強度や安定性のため、防波堤はコンクリートで構成され、漁礁もコンクリートで造られている場合も見受けられる。コンクリートはその表面からアルカリ成分が溶出し海藻類、微生物の着生、成長の妨げとなり、またアルカリ成分等で海藻類が死滅すると、いわゆる有節石灰層という石灰石層となり、これが表面に堆積すると海藻類は全く付着できなくなり、これを通称磯焼け現象と呼んでいる。コンクリート製の漁礁ではこの磯焼け現象の生ずる恐れがある。一方FRP製船舶に通常見られるように、FRP表面には海藻類やフジツボが付着しやすいことが知られている。
不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維を混ぜたFRP(Fiberglass Reinforced Plastics ガラス繊維強化プラスチック)は、常温で金型等に流し込み、各種の形に成形でき、固化するとその強度は極めて高く耐久性があり安価なことから、船舶、バスユニット、浄化槽等多方面に使用されている。一方耐久性があり、ガラス繊維とプラスチックという異なった素材からできているため、そのリサイクルが困難であるという欠点を有している。廃FRP船が海岸等に放置され、地方自治体等がその処分に困っていることは社会問題化されている。こうした中で、社団法人日本舟艇工業会が「FRP船リサイクルシステム」を提唱し、廃FRP船の処理が実行されつつある。この「FRP船リサイクルシステム」では、廃FRP船を収集し、粗解体した後、粉砕選別してセメント焼成の原燃料とするものである。しかし前述のようにFRPの需要は多く、今後さらに廃棄物となるFRP製品は多くなるものと予想され、その廃FRP船等の再利用の途をさらに広くする必要がある。
このような状況下にあって、廃FRP船を漁礁に利用した先行技術は多数見受けられる。外周に窓孔を有するコンクリート製又は金属製の箱体に廃FRP船の一部又は全部を収納し箱体と結合させて海底に沈める方法(特許文献1)、廃FRP船を漁礁の骨格あるいは基体としその一部の接水面にはフェライト系素材をコーティングして漁礁とする方法(特許文献2)、廃FRP船の装備品を取り除き機密性にして浮き人工漁礁としあるいは錨をつけて海底に沈め漁礁とする方法(特許文献3)、廃FRP船処理設備を備えた水上浮揚構造物に廃FRP船を積み込み、金属等の不溶物を除去した後、炭化賦活炉に導入し、FRP表面を賦活させて予定海域にこの処理された廃FRP船を沈める方法等がある(特許文献4)。これらの廃FRP船を漁礁として利用する方法は、その設備が大きくなり、かなりの資本を必要とするのが難点である。
特許公開2000−207925
特許公開平7−236383
特許公開平7−298805
特許公開2001−71987
さらに素材をFRPとした漁礁の先行技術も見受けられる。人工漁礁の藻場ステージを再生FRP製としたもの(特許文献5)、浮島漁礁として発泡スチロールやFRPを素材に使用するもの(特許文献6)等がある。
特許公開2003−219756
特許公開2001−95416
カキ殻も廃棄物として多量に生ずる。このカキ殻の再利用についても広く研究されている。カキ殻の主成分がカルシウムであることに着目し、水溶性有機カルシウムの製造方法(特許文献7)、カキ殻の表面微細構造が微生物を着生繁殖させる特性を有し、工場排水のBOD処理に用いる方法(特許文献8)、カキ殻による水浄化と焼成したカキ殻の抗菌作用についての報告(非特許文献1)、カキ殻を利用した浜名湖浄化技術(非特許文献2)等多数ある。
特許公開平11−103821
特許公開2005−254109
広島県立大学人間文化学部健康学科増山悦子著「牡蠣殻の再利用化に関する研究及び繊毛運動機構の解明」
株式会社フジタ技術センター環境研究部「カキ殻を有効利用した浜名湖浄化技術」
活性炭は、単位重量あたり多くの微細孔と表面積を有し、その吸着性能により多方面で利用されている。液相用としては、上水道などの浄化処理、工場排水や汚染された地下水などの排水処理、気相用では大気汚染物質の浄化、ガスマスク、有機溶剤の回収等がある。さらに活性炭の微細孔は微生物を着生、増殖作用があることから海水の浄化装置に使用する方法(特許文献9)がある。
特許公開2005−118653
長年漁業関係に携わってきた考案者らは、FRPに海藻類が付着しやすいことに注目し、また廃FRP船や廃棄物であるカキ殻の処分に困っている現状から、これらを有効的に再利用した低コストの魚介類の増殖を主な目的とするFRP製連鎖状漁礁を考案するに至った。
解決しようとする問題点は、廃FRP船の廃FRPや廃棄物であるカキ殻を再利用し、さらに周辺の海水(湖、河川では陸水と読み替えるものとする。)を浄化しつつ、海藻類、微生物の増殖を促進して魚介類の卵や幼稚仔の育成を主な目的とする漁礁の提供をすることにある。
すなわち、第1の考案は、FRPを素材とする球体又は多面体であってその外壁に開口部を有する収納容器と、FRPを素材とする筒状の継ぎ手とからなり、その収納容器の開口部以外の外壁部分に、その筒状の継ぎ手を接合したFRP製漁礁ユニットである。収納容器、継ぎ手にFRPを用いるのは、コンクリート表面や鉄鋼表面に比べ海藻類が着生、増殖しやすいためである。継ぎ手を筒状としたのは、つなぎ合わせる互いの継ぎ手の一方の先端の内径を拡げ、他の一方の先端を先の一方の先端の内径より狭くして、一方の継ぎ手に他の一方の継ぎ手を挿入するためである。互いの継ぎ手をつなぎ合わせて固定するには、接着剤あるいは一方向リベット等が使用される。収納容器に接合する継ぎ手の数はFRP製漁礁ユニットの連鎖状態によって決まり、互いに連鎖するFRP製漁礁ユニットの継ぎ手は、6本とするのが一般的である。また、当然ながらFRP製鎖状漁礁の端に来るFRP製漁礁ユニットでは継ぎ手の数は少なくなる。なお互いにつなぎ合わせる筒状の継ぎ手の他の一方の継ぎ手は、筒の内部が中実のある棒状の継ぎ手であってもよい。この筒の内部が中実のある棒状の継ぎ手も筒状の継ぎ手に含まれるものとする。
続いて第2の考案は、前記収納容器にカキ殻を搭載した請求項1のFRP製漁礁ユニットである。廃棄物であるカキ殻は、その表面に多くの微細な孔を有し、微生物が生息するのに適しており、この微生物が水の浄化を促すためである。またカキ殻の表面は海藻類が着生しやすいためである。さらにカキ殻は、海苔の成熟した葉体から果胞子が放出され、放出された果胞子は糸状体となって夏の間カキ殻中で過ごすという役割も果たしている。第3の考案は、前記収納容器にFRPチップに活性炭を塗布した活性炭塗布FRPチップを搭載した請求項1のFRP製漁礁ユニットである。廃FRP船を処分し再利用するため、廃FRP船を粗解体した後、粉砕選別してセメント焼成の原燃料とする方法が一般的であるが、その廃FRPチップを原燃料とせず、この廃FRPチップに活性炭をコーティングして活性炭塗布FRPチップとして再利用を図るものである。活性炭は前述の通り、微細な孔を有し単位重量あたりの表面積はきわめて広く、微生物の着生、増殖あるいは汚染物質の吸着等多くの機能を有し、この活性炭の機能を利用するためFRPチップに活性炭をコーティングした活性炭塗布FRPチップを使用するものである。第4の考案は、前記収納容器にカキ殻と活性炭塗布FRPチップを混ぜて搭載したFRP製漁礁ユニットである。カキ殻と活性炭塗布FRPチップを混ぜ合わせ、カキ殻の機能と活性炭の機能の相乗効果を目的とするものである。なお、カキ殻、活性炭塗布FRPチップ、カキ殻と活性炭塗布FRPチップを混ぜたものは、収納容器内部全体に搭載する必要はなく、収納容器の容量の半分程度であってもよい。収納容器の内部の一部を空けておき、幼稚仔の隠れ場とすることもできるからである。また海水との接触を良好に維持するためである。
第5の考案は、請求項1のFRP製漁礁ユニットを複数使用し、前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてなるFRP製連鎖状漁礁である。収納容器を空のままにして幼稚仔等の隠れ場、休み場等として利用するためである。第6の考案は、請求項2のFRP製漁礁ユニットすなわちカキ殻を収納容器に搭載したFRP製漁礁ユニットを複数使用し、前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてなるFRP製連鎖状漁礁である。第7の考案は、請求項3のFRP製漁礁ユニットすなわち活性炭塗布FRPチップを収納容器に搭載したFRP製漁礁ユニットを複数使用し、前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてなるFRP製連鎖状漁礁である。第8の考案は、請求項4のFRP製漁礁ユニットすなわちカキ殻と活性炭塗布FRPチップが混ぜたものを収納容器に搭載したFRP製漁礁ユニットを複数使用し、前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてなるFRP製連鎖状漁礁である。また第9の考案は、請求項1ないし請求項4のFRP製漁礁ユニットを任意に組み合わせて複数使用し、前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてなるFRP製連鎖状漁礁である。すなわち収納容器が空であるFRP製漁礁ユニット、収納容器にカキ殻が搭載されているFRP製漁礁ユニット、収納容器に活性炭塗布FRPチップが搭載されているFRP製漁礁ユニット、収納容器にカキ殻と活性炭塗布FRPチップが混ぜたものを搭載したFRP製漁礁ユニットを任意に組み合わせ前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてなるFRP製連鎖状漁礁である。漁礁を設置する海域(湖や河川では、水域と読み替える。)や海底の様子によりこのFRP製漁礁ユニットの組み合わせを変化させるためである。大型の漁礁を工場内で製造し、現地まで運び水中に沈めることはその作業や経費の面から難点がある。予めFRP製漁礁ユニットを工場内で製造し、現地にて組み立て、また収納容器も空の状態で現地まで運び、そこでカキ殻等を収納容器に搭載する方が効率的である。そこでFRP製漁礁ユニットを複数使用し、前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてFRP製連鎖状漁礁としている。ただし漁礁として沈める海域近くで収納容器へのカキ殻等の搭載やFRP製漁礁ユニットをつなぎ合わせてFRP製連鎖状漁礁に組み立てることに限定するものではない。
第10の考案は、本考案は、波消しブロックも兼ねた請求項5ないし請求項9の漁礁である。FRP製連鎖状漁礁の形状は波消しブロックにもなる場合があるためである。
第1の考案は、工場にてFRP製漁礁ユニットとして製造でき、FRPが海藻類を着生しやすく幼稚仔の育成に効果のある漁礁を提供するものである。第2ないし第4の考案は、水の浄化及び微生物の増殖の機能をFRP製漁礁ユニットに与えるものである。第5ないし第9の考案はFRP製漁礁ユニットをつなぎ合わせてFRP製連鎖状漁礁として海水中に設置できるようにしたものである。第10の考案は波消しとしても機能する漁礁を提供するものである。
以下に本考案の実施例を示す。
図1は、本考案のFRP製漁礁ユニット1である。本FRP製漁礁ユニットの収納容器2は6面体構造となっている。収納容器2の1つの面は開放可能な蓋21となっていて、カキ殻や活性炭塗布FRPチップを収納容器に搭載した後、図示しない止金等により閉められる。なお、水中に沈められた後再度収納容器にカキ殻や活性炭塗布FRPチップを搭載しないあるいは搭載できない場合には、開放可能な蓋を用意する必要はない。収納容器2の各面には開口部4が設けられ、開口部4には網41がかけられている。網41はカキ殻や活性炭塗布FRPチップが収納容器2から流失しないためである。幼稚仔等を外敵から守るため、空の収納容器でもその開口部に網41がかけられる場合もある。網41は収納容器2と一体的に形成される場合、あるいは収納容器が製造された後で金属製等の耐久性のある網を開口部に装着する場合もある。収納容器各面の中央部より概ね垂直に継ぎ手3が伸びている。
図2は収納容器2が球体のFRP製漁礁ユニット1である。球体の表面には、球体の中心を通る平面(円形)の直径上とその直径と直交する直線上に継ぎ手3が接合され、さらに図2においての表面及び裏面の中心部に継ぎ手が接合され全部で6本の継ぎ手が接合されている。図2の表面上に開口部4が4つ、裏面に開口部4が4つの全部で8つの開口部4が設けられている。開口部4には網41がかけられている。網41はプラスチック製であり図示しない止金により開口部に固定され取り外しが自由にできるようになっている。蓋21がなくても、この網を取り外してカキ殻や活性炭塗布FRPチップを収納部に搭載することができる。
収納容器2と継ぎ手3の接合部は、筒状の継ぎ手の外形の寸法に合わせ収納容器2に接合孔31を開け、継ぎ手3をそこに挿入して収納容器2と継ぎ手3を接合している。接合孔31がない場合、継ぎ手が空洞となり海中(湖、河川では水中と読み替えるものとする。)において継ぎ手だけに浮力が生じ、収納容器と継ぎ手の接合部に強度がかかることを避けるためである。また、収納容器には開口部より海水が入り、継ぎ手にも海水が入るようにしておくためである。ただし、継ぎ手の中の海水が滞留する恐れがあるため、筒状の継ぎ手にも図示しない孔を設け海水の流入流出を自由にできるようにしておくことが望ましい。しかしこのことは、収納容器と継ぎ手の接合部を常に開放しておくことを意味するものでなく、接合部の強度が保てる場合や、FRP製連鎖状漁礁の上部につける、すなわち海面(湖、河川では水面と読み替えるものとする。)に近いFRP製漁礁ユニット等において浮力を必要とする場合等は、継ぎ手内部に海水が入らないようにして浮力を生じさせておくことでもよい。また継ぎ手の一方を中実のある棒状の継ぎ手としてもよい。収納容器2に接合する筒状の継ぎ手3は、円筒形でも角筒形であってもよい。継ぎ手3の数はFRP製連鎖状漁礁を立体的な構造とするため図1あるいは図2のように6本とすることが望ましい。継ぎ手が4本であってもダイヤモンドの炭素原子のように立体的な構造を組むことは可能である。なお、当然ながら組み立てられるFRP製連鎖状漁礁での端部に使用するFRP製漁礁ユニットでは、継ぎ手の数は少なくなる。
図3は球体のFRP製漁礁ユニットの製造工程の1例を示したものである。開口部4、接合孔31が設けられた半球体の型にFRPを流し固化させる。次にこの固化したFRP半球体を溶着させて球体とし、接合孔31にFRP製の筒状継ぎ手を溶着接合させてFRP製漁礁ユニットを製造する。これは製造方法の1例であって、この方法に限られるものではない。FRP製漁礁ユニットには、耐紫外線塗料にてその表面を塗装して耐久性を向上させることが望ましい。またFRP製漁礁ユニットに使用するFRP材料には廃FRP船を粗解体した廃FRP材を使用してもよい。
さて、前述のように廃FRP船は粗解体され、粉砕選別してセメントの原燃料として処理される。この粉砕された廃FRPチップを脱脂、水洗等の前処理をした後、接着剤を塗布し活性炭をその表面に散布しローラーで抑えながら乾燥固化して活性炭を廃FRPチップにコーティングして活性炭塗布FRPチップを作製する。活性炭塗布FRPチップは、この方法だけでなく活性炭をFRPにコーティングできればよく、FRPを熱により溶融しそこに活性炭を散布してコーティングする方法等がある。活性炭コーティング層は、使用する活性炭の粒度によりその厚みは変化する。図4は活性炭塗布FRPチップの断面図である。図4では表裏両面に活性炭をコーティングしてあるが、片面だけでもよい。
図5はFRP製漁礁ユニットを組み立てる図である。図5ではFRP製漁礁ユニットの開口部や継ぎ手の開口部は省略してある。継ぎ手が6つあり、FRP製連鎖状漁礁は、全体として概円柱形、概円錐形、概四角柱形、概四角錐形などの自由な形をとることができ、海底(湖や河川では湖底又は川底と読み替えるものとする。)の地形に合わせることが可能である。また収納容器が球体のものでも、継ぎ手が6つあり前述と同様自由な形状のFRP製連鎖状漁礁とすることができる。また海底の形状に合わせて波消しブロックとしての役割をすることが可能である。このFRP製連鎖状漁礁を海底に固定するためFRP製連鎖状漁礁を形成するFRP製漁礁ユニットや継ぎ手の任意の箇所に錨を繋げておくことも一方法である。水流のない湖では、FRP製連鎖状漁礁をそのまま沈めておくこともできる。
本考案は、廃FRP船や廃棄物であるカキ殻を利用して海水の浄化を図ると共に、海藻類が着生しやすいFRPを用い主に沿岸の魚介類の育成用を目的とした漁礁を提供するものである。工場にてFRP製漁礁ユニットを製造し、漁礁として沈める海域の海上あるいはその海域に近い陸地にてFRP製連鎖状漁礁として組み立てることができ、その時に前記カキ殻や活性炭塗布FRPチップを収納容器に搭載することができる。そこで、比較的水深の浅い沿岸部や湖に手軽に使用される漁礁であり今後の利用が期待される。
1 FRP製漁礁ユニット
2 収納容器 21収納容器の蓋
3 継ぎ手 31 接合孔
4 開口部 41 開口部の網
5 活性炭塗布FRPチップ 51 FRPチップ 52 活性炭コーティング層
6 FRP製連鎖状漁礁。
2 収納容器 21収納容器の蓋
3 継ぎ手 31 接合孔
4 開口部 41 開口部の網
5 活性炭塗布FRPチップ 51 FRPチップ 52 活性炭コーティング層
6 FRP製連鎖状漁礁。
Claims (10)
- FRPを素材とする球体又は多面体であってその外壁に開口部を有する収納容器と、FRPを素材とする筒状の継ぎ手とからなり、その収納容器の開口部以外の外壁部分にその筒状の継ぎ手を接合したFRP製漁礁ユニット。
- 前記収納容器にカキ殻を搭載した請求項1のFRP製漁礁ユニット。
- 前記収納容器にFRPチップに活性炭を塗布した活性炭塗布FRPチップを搭載した請求項1のFRP製漁礁ユニット。
- 前記収納容器にカキ殻と前記活性炭塗布FRPチップを混ぜて搭載した請求項1のFRP製漁礁ユニット。
- 請求項1のFRP製漁礁ユニットを複数使用し、前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてなるFRP製連鎖状漁礁。
- 請求項2のFRP製漁礁ユニットを複数使用し、前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてなるFRP製連鎖状漁礁。
- 請求項3のFRP製漁礁ユニットを複数使用し、前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてなるFRP製連鎖状漁礁。
- 請求項4のFRP製漁礁ユニットを複数使用し、前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてなるFRP製連鎖状漁礁。
- 請求項1ないし請求項4のFRP製漁礁ユニットを任意に組み合わせて複数使用し、前記筒状の継ぎ手を互いにつなぎ合わせてなるFRP製連鎖状漁礁。
- 波消しブロックも兼ねた請求項5ないし請求項9の漁礁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006008681U JP3129542U (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | Frp製連鎖状漁礁 |
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JP2006008681U JP3129542U (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | Frp製連鎖状漁礁 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3129542U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114586710A (zh) * | 2022-02-25 | 2022-06-07 | 江苏科技大学 | 抗风浪式防混智能式海上牧场养殖平台 |
-
2006
- 2006-10-25 JP JP2006008681U patent/JP3129542U/ja not_active Expired - Fee Related
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