JP3126815B2 - 自転車用クイックレリーズ装置 - Google Patents

自転車用クイックレリーズ装置

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JP3126815B2
JP3126815B2 JP04207646A JP20764692A JP3126815B2 JP 3126815 B2 JP3126815 B2 JP 3126815B2 JP 04207646 A JP04207646 A JP 04207646A JP 20764692 A JP20764692 A JP 20764692A JP 3126815 B2 JP3126815 B2 JP 3126815B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体フレームに対する
当付ナットを締付軸の一端側に螺着すると共に、車体フ
レームを前記当付ナットとで挟んで締付ける締付具を前
記締付軸の他端側に付設し、前記当付ナットと前記締付
具とを接近締付状態と、離間締付解除状態とに切換える
回転カム、及びこの回転カムの操作のための揺動レバー
部を前記締付具に備えてある自転車用クイックレリーズ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記クイックレリーズ装置において、従
来、回転カムを締付相当位置に切換え操作するだけで、
回転カムを締付相当位置に固定するためのロック具が自
動的に作用し、回転カムを締付相当位置に固定して締付
け維持ができるようになったものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、車輪の取り付け
を行うに際し、当付ナットの締付軸への螺着位置を適切
に調節しないままで、揺動レバー部を操作して回転カム
を締付相当位置に切り換えてしまった場合、回転カムが
締付相当位置に切り換わった時にロック具が既にロック
位置に切り換わっていることから、当付ナットの締付軸
への螺着位置を適切なものに調節し直すためにロック具
をロック解除位置に戻し操作し、回転カムを締付解除相
当位置に戻すとともに、当付けナットの締付軸に対する
取り付け位置が適切になるように当付けナットの位置調
節を行なっていた。つまり、当付けナットの取り付け位
置調節を行う前に、回転カムを締付相当位置から締付解
除相当位置に戻すことが可能になるように、ロック具を
ロック位置からロック解除位置に戻すための手間が必要
になっていた。本発明の目的は、揺動レバー部による回
転カムの回動操作を行うだけで回転カムのロックができ
るようにし、しかも、回転カムを締付相当位置に切り換
えた後に当付ナットの位置調節を行う場合の手間が低減
できるようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による自転車用ク
イックレリーズ装置にあっては、目的達成のために、冒
頭に記したものにおいて、前記回転カムを締付相当位置
に固定するロック具をロック位置とロック解除位置とに
切換え自在に設け、前記当付ナットと前記締付具とが前
記接近締付状態で現出する締付力が設定力未満である
と、前記ロック具を前記ロック解除位置に保持操作し、
かつ、前記締付力が前記設定力以上であると前記ロック
具を前記ロック位置に自動的に切換え操作する操作機構
を設けてある。その作用及び効果は次のとおりである。
【0005】
【作用】締付けを所望どおりにするための所要締付力を
前記設定力として設定する。すると、当付ナットの締付
軸に対する取付位置の調節が適切に行われている場合、
回転カムを締付相当位置に切換え操作すると、当付ナッ
トと締付具による締付が適切になることから操作機構が
ロック具を自動的にロック位置に切換え操作し、ロック
具が回転カムを締付相当位置に固定する。当付ナットの
取付け位置に調節不良があると、回転カムを締付相当位
置に切換え操作して回転カムが締付相当位置に切り換わ
っても、操作機構がロック具をロック解除位置に維持操
作してロック具が回転カムに固定作用せず、揺動レバー
部による回転カムの回動操作をするだけで、回転カムが
締付相当位置から締付解除相当位置にもどり、当付ナッ
トの取付位置調節が可能になる。
【0006】
【発明の効果】当付ナットの取付位置調節が適切に行わ
れていると、回転カムを締付相当位置に操作するだけ
で、操作機構のためにロック具が回転カムに自動的に作
用し、締付維持が容易に得られるようになった。当付ナ
ットの取付位置に調節不良があるままで回転カムを締付
相当位置に切り換え操作した場合には、従来必要であっ
たロック具の解除操作を行わなくとも、回転カムの回動
操作をするだけで回転カムが締付相当位置から締付解除
相当位置に戻り、当付ナットの取付位置調節が迅速にで
きるようになった。
【0007】
【実施例】図1に示すように、ハブ1をボール2、ボー
ル押え3を介して支持する筒型の車軸4に締付軸5を貫
設し、締付軸5の一端側に当付ナット6を付設すると共
に、締付軸5の他端側に、締付用の回転カム7及び揺動
レバー部8を備えた締付具9を付設して、自転車用クイ
ックレリーズ装置を形成してある。このクイックレリー
ズ装置は、同図に示すように、一対の車体フレーム1
0,10に車軸4の端部が入込むように形成してある取
付用切欠き10aを使用し、当付ナット6に備えてある
ローレット加工面でなる当付面6aが一方の車体フレー
ム10の外側面に接当作用し、締付具9に備えてあるロ
ーレット加工面で成る当付面11aが他方の車体フレー
ム10の外側面に接当作用するようにしてハブ1を車体
フレーム間に入込ませることによって、車体フレーム1
0に取付け、揺動レバー部8の揺動操作による回転カム
7の回動操作により、車体フレーム10が車輪を使用可
能に支持するように車体フレーム10とハブ1とを締付
状態に切換えたり、車輪の取外しが可能なように車体フ
レーム10とハブ1とを締付解除状態に切換えるもので
あり、詳しくは、次の如く構成してある。図4に明示す
るように、締付具9は、締付軸5のカムフォロア部5a
に摺動自在に外嵌すると共に前記当付面11aを備えさ
せた押し具11と、この押し具11に摺動自在に外嵌し
たハウジング12とによって構成してある。回転カム7
は、締付軸5の軸芯と直交またはほぼ直交する軸芯Yの
周りで回動するように、カムフォロア部5a及び押し具
11を貫通させると共にハウジング12に枢着してあ
る。図3に示すように、揺動レバー部8は前記軸芯Y周
りで揺動操作するように、かつ、この揺動操作によって
回転カム7の回動操作をするように、回転カム7との一
体部品に形成してある。そして、揺動レバー部8を図2
及び図3に示す締付相当位置ONに操作すると、回転カ
ム7が図4に示す締付相当位置Aになって回動軸芯Yと
は偏芯した円筒面形のカム周面をして締付軸5を押し部
11に引込む側に摺動操作することにより、かつ、この
摺動操作の反力が回転カム7に作用することに起因して
締付具9が図3及び図4に示すように押し具11のフラ
ンジ部11bとハウジング12の端面12aとが近接す
る締付用状態になることにより、締付具9が前記締付用
状態で当付ナット6に接近し、締付具9と当付ナット6
がこれの当付面6aまたは11aによりフレーム10及
びハブ1を挟んで締付けるように接近状態になるように
構成してある。揺動レバー部8を図5に示す締付解除相
当位置OFFに切換え操作すると、回転カム7が図6に
示す締付解除相当位置Bになることにより、かつ、押し
具11とハウジング12の間に介在させてある複数枚の
皿ばね13による付勢力のために締付具9が図5及び図
6に示すように押し具11のフランジ部11bとハウジ
ング12の端面12aとが離間する締付解除用状態にな
ることにより、締付具9が当付ナット6から離間し、締
付具9と当付ナット6がフレーム10及びハブ1の締付
けを解除するように離間締付解除状態になるように構成
してある。当付ナット6は締付軸5に取付位置変更でき
るように螺着してある。つまり、車輪取付けをする車体
の変更をするに際し、フレーム10の厚さが変化して
も、当付ナット6の取付位置の変更調節をすることによ
り、回転カム7の締付相当位置Aへの切換えによって得
られる締付力を所要締付力に調節できる。図3に示すよ
うに、回転カム7に対するロック具14を取付軸部14
aをしてハウジング12に取付けてある。ロック具14
は、取付軸部14aのハウジング12に対する摺動によ
り、図2及び図3に示す如くハウジング12の環状溝1
5に入込むと共に、回転カム7のボス部における切欠き
7aに入込み、ロック具14の作用端面と回転カム7の
ロック具当り面との接当によって回転カム7を前記締付
相当位置Aに固定するロック位置LCと、図5に示す如
く前記環状溝15の外部に位置し、回転カム7のボス部
との離間によって回転カム7の回動を可能にするロック
解除位置OPとに切換わるように構成してある。ロック
具14を前記ロック位置LCに摺動付勢するように取付
軸部14aに作用させたロック付勢スプリング16、前
記皿ばね13、及び、前記ハウジング12により、ロッ
ク具14に対する操作機構Eを構成してある。当付ナッ
ト6と締付具9とが前記接近締付状態で現出する締付力
が車輪取付けに必要なものとして予め設定した設定力未
満であると、前記操作機構Eがロック具14をロック解
除位置OPに保持操作し、前記締付力が前記設定力以上
であると、前記操作機構Eがロック具14をロック位置
LCに自動的に切換え操作するように構成することによ
り、当付ナット6の取付位置が適正である場合には、回
転カム7の締付相当位置Aへの切換え操作をするだけ
で、ロック具14が回転カム7に自動的に固定作用し、
当付ナット6の取付位置に調節不良がある場合には、回
転カム7が締付相当位置Aに切換わってもロック具14
が作用せず、揺動レバー部8による回転カム7の回動操
作をするだけで回転カム7の締付相当位置への固定がで
きるとか、ロック具14の切換わり作動の有無を報知手
段に利用して締付力が前記設定力以上になっているか否
かを判断できるようにしてある。すなわち、皿バネ13
が前記設定力を設定するのであり、回転カム7が締付相
当位置Aに切換わっても締付力が現出されないとか、現
出されても前記設定力に達しない場合には、図7に示す
ように、回転カム7に締付反力が作用しないとか、作用
しても弱いために、皿ばね13がハウジング12をこれ
の端面12aが押し具11のフランジ部11bから離間
した状態に維持し、皿ばね13が取付軸部14aの段部
17に係合するところのストッパー作用のために、ロッ
ク具14がロック付勢スプリング16の付勢力にかかわ
らず前記ロック解除位置OPに位置したままになるので
ある。回転カム7が締付相当位置Aに切換わって前記設
定力以上の締付力が現出されると、図3に示すように、
回転カム7に作用する締付反力のためにハウジング12
が皿ばね13の付勢力に抗して端面12aが押し具11
のフランジ部11bに近接するまで摺動し、このハウジ
ング摺動のために、ロック具14の取付軸部14aが押
し具11の一対の軸部挿通切欠き11c,11cの内部
を回転カム7の方に移動して段部17での皿ばね13に
対する係合が外れ、ロック具14がロック付勢スプリン
グ16による切換え操作力によって前記ロック位置LC
に切換わるのである。ロック具14がロック解除位置O
Pからロック位置LCに切り換わったことを知ることに
より、また、ロック具14がロック位置LCに切り換わ
ってハウジング12に当たって発生する音を聞き取るこ
とにより、所定の締付状態になったと判断できる。回転
カム7が締付相当位置Aでロックされた後に締付解除操
作をする場合には、取付軸部14aの操作部18による
ロック付勢スプリング16に抗しての人為摺動操作によ
り、ロック具14をロック位置LCからロック解除位置
OPに切換えて回転カム7の回動操作を可能にするよう
に構成してある。
【0008】図8ないし図10はロック具14及び操作
機構Eの別実施構造を示し、ロック具14は、ハウジン
グ12の凹入部19に入込むと共に回転カム7のボス部
における切欠き7aに入込むことによってロック位置L
Cになり、ロック具14の外周部分と、回転カム7のボ
ス部におけるロック具当り面との接当によって回転カム
7を締付相当位置Aに固定するように構成してある。ロ
ック具14がロック位置LCに切り換わると、ロック具
14とハウジング12との接当音が発生し、発生音を聞
き取ることにより、所定の締付が得られたと判断でき
る。そして、操作機構Eを構成するに、回転カム7が締
付解除相当位置Bに在る場合には、回転カム7のボス部
におけるストッパー部7cのロック具14に対する接当
と、押し具11におけるストッパー部7cの取付軸部1
4aにおける段部17に対する係合とによってロック具
14をロック解除位置OPに保持し、回転カム7が締付
相当位置Aに在り、現出締付力が前記設定力未満である
場合には、押し具11におけるストッパー部11dの方
のみでロック具14をロック解除位置OPに保持するよ
うに構成してある。押し具11の軸部挿通孔11eが取
付軸部14aの外径に比して大径の孔であることによ
り、現出締付力が前記設定力以上である場合のロック具
14のハウジング12との一体摺動を可能にしてある。
【0009】図11〜図21はロック具14および操作
機構Eのさらに別の実施構造を示し、次の如く構成して
ある。ロック具14は、ハウジング12にバネ巻付け用
環状溝にて巻付けた図21の如き巻きバネで成る。この
巻きバネの一端側の巾広取付け部14bは、ハウジング
12の組付け凹部に入込んでハウジング12によって支
持され、巻きバネの径が変化することによって、巻きバ
ネの他端部14cが前記バネ巻付け用環状溝にてハウジ
ング周方向に移動するように構成してあることにより、
ロック具14が径変化によって回転カム7を締付相当位
置Aにロックしたり、このロックの解除をするように構
成してある。すなわち、ロック具14が巻きバネ製に起
因して備える縮径側の弾性復原力のために、ロック具1
4の前記他端部14cが回転カム7のボス部における切
欠き7aに入込んでボス部に接当する位置になると、こ
の接当によって回転カム7を締め付け位置Aに固定する
ようにロック位置LCになるのである。そして、ロック
具14をロック解除操作部18により拡径側に弾性変形
操作して、前記他端部14cが切欠き7aから外部に出
てカムボス部に対する接当を解除すると、回転カム7の
締付解除側への切換えを許容するようにロック解除位置
OPになるのである。操作機構Eは、ハウジング12に
内装の皿バネ13、ロック具14に付設の係止具20、
この係止具20に作用するように押し具11に形成して
あるストッパー21により構成してある。すなわち、係
止具20は、ロック具14の前記他端部14cに付着し
てあり、かつ、ハウジング12の長孔12bおよび押し
具11の切欠き11fに入込んでいることにより、ロッ
ク具14の他端部14cと共に移動するように構成して
ある。ロック具14をロック解除位置OPに人為切換え
し、この時、ハウシング12と押し具11とが皿ばね1
3の弾性復原力のためにハウジング端面12aと押し具
フランジ部11bの離間方向に相対移動することによ
り、図16に示す如くストッパー21が係止具20に接
当作用してロック具14の縮径弾性復元を阻止するよう
になり、ロック具14をロック解除位置OPに維持でき
るのである。図17に示す如く係止具20がストッパー
21から外れると、ロック具14が縮径復原力のために
係止具20を切欠き11fの奥側に移動させてロック位
置LCになるのである。つまり、ロック具14をストッ
パー21によってロック解除位置OPに維持する状態に
しておいて、回転カム7の回動操作をするのである。回
転カム7が締付相当位置Aに切換わっても締付力が現出
されないとか、現出されても前記設定力に達しない場合
には、図15および図20に示すように、回転カム7に
締付反力が作用しないとか、作用しても弱いために、皿
ばね13がハウジング12をこれの端面12aが押し具
11のフランジ部11bから離間した状態に維持し、ス
トッパー21のストッパー作用のために、ロック具14
が縮径付勢力にかかわらず前記ロック解除位置OPに位
置したままになるのである。回転カム7が締付相当位置
Aに切換わって前記設定力以上の締付力が現出される
と、図11、図12および図18に示すように、回転カ
ム7に作用する締付反力のためにハウジング12が皿ば
ね13の付勢力に抗して端面12aが押し具11のフラ
ンジ部11bに近接するまで摺動し、ロック具14がハ
ウジング12と共に押し具11に対して移動して係止具
20がストッパー21から外れ、ロック具14が自己復
原力によって前記ロック位置LCに切換わるのである。
この時、ロック具14がロック位置LCに切り換わると
ともに、回転カム7のボス部に接当して接当音が発生
し、ロック具14の切り換わり作動を知ることや、接当
音を聞き取ることにより、所定の締付が得られたと判断
できる。回転カム7が締付相当位置Aでロックされた後
に締付解除操作をする場合には、図13、図14および
図19に示すように、ロック具14の操作部18による
人為拡径操作により、ロック具14をロック位置LCか
らロック解除位置OPに切換えると共にストパッー21
を作用させて、回転カム7の回動操作を可能にするので
ある。
【0010】図22〜図29はロック具14および操作
機構Eのさらに別の実施構造を示し、次の如く構成して
ある。ロック具14は、回転カム7の回動軸芯Yに直交
する方向に摺動可能な取り付けピン14aと、この取り
付けピン14aに一体摺動可能に連結したロック具本体
14bとでなる。取り付けピン14aが回転カム7の方
に摺動してロック具本体14bの一端部が回転カム7の
ボス部における切欠き7aに係合することにより、ロッ
ク具14がロック位置LCになって、ロック具本体14
bをして回転カム7を締付相当位置Aに固定するように
構成してある。取り付けピン14aが回転カム7から離
れる方向に摺動してロック具本体14bの一端部と切欠
き7aが係合解除することにより、ロック具14がロッ
ク解除位置OPになり、回転カム7の回動を可能にする
ように構成してある。操作機構Eは、ハウジング12に
内装の皿バネ13、ハウジング12のボス部23に内装
のロック付勢スプリング22、ハウジング12によって
構成することにより、ロック具14の自動切り換えを行
うように構成してある。すなわち、回転カム7が締付相
当位置Aに切換わっても締付力が現出されないとか、現
出されても前記設定力に達しない場合には、図26に示
すように、回転カム7に締付反力が作用しないとか、作
用しても弱いために、皿ばね13がハウジング12をこ
れの端面12aが押し具11のフランジ部11bから離
間した状態に維持して、ハウジング12の取り付け軸挿
通孔H1と押し具11の取り付け軸挿通孔H2とが相互
に位置ずれしたままになる。このために、押し具11の
ストパー部Sが取り付け軸14aに受け止め作用して取
り付け軸14aの回転カム7側への移動が不能になるこ
とにより、ロック具14がロック付勢スプリング22の
付勢力にかかわらず前記ロック解除位置OPに位置した
ままになるのである。回転カム7が締付相当位置Aに切
換わって前記設定力以上の締付力が現出されると、図2
8に示すように、回転カム7に作用する締付反力のため
にハウジング12が皿ばね13の付勢力に抗して端面1
2aが押し具11のフランジ部11bに近接するまで摺
動し、このハウジング摺動のために、ハウジング12の
取り付け軸挿通孔H1と押し具11の取り付け軸挿通孔
H2とが合致する。このために、押し具11のストーパ
ー部Sが取り付け軸14aに対して作用解除状態にな
り、取り付け軸14aの先端部Tがロック付勢スプリン
グ22による操作力のために押し具11の取り付け軸挿
通孔H2に入り込んで回転カム7側に移動することによ
り、ロック具14がロック付勢スプリング22による切
換え操作力によって前記ロック位置LCに切換わるので
ある。図24に明示するように、ロック具本体14bを
板ばね28によって図面に関して右方向に付勢してあ
り、このことにより、取り付け軸14aも右方向に付勢
される。したがって、ハウジング12の取り付け軸挿通
孔H1の形状を取り付け軸14aの先端部Tより余裕を
もった大きめの大きさに形成して取り付け軸14aがス
ムーズに摺動するようにしながら、取り付け軸14aの
先端部Tと押し具11のストッパー部Sとの接当が精度
よく得られる。ロック具14に対する解除レバー24を
ハウジング12のボス部23によって取り付け軸14a
の軸芯まわりで揺動可能に支持させてある。ハウジング
12のボス部23に、解除レバー24が備えるカム部2
5と相互作用するカムフォロア部26を形成してある。
このカム部25とカムフォロア部26の形状は、解除レ
バー24の図22および図27に示すホームポジション
から図25および図26に示す解除位置への揺動によ
り、取り付け軸14aに作用してロック具14をロック
位置LCからロック解除位置OPに切り換え操作するよ
うに、かつ、ロック具14のロック解除位置OPからロ
ック位置LCへの摺動によって解除レバー24を解除位
置からホームポジションに揺動切り換えする形状にして
ある。解除レバー24は、スプリング27によって解除
位置に付勢してある。解除レバー24が解除位置からホ
ームポジションに切り換わるに伴い、解除レバー24の
カム部25と、ハウジングボス部23のカムフォロア2
6との噛み合い音が発生するとともに、図29に示す如
く解除レバー24の側面部24aと、ハウジング12の
表示面部23aとが面一の配置状態になり、噛み合い音
を聞き取ることによっても、側面部24aと表示面部2
3aの配置関係を見ることによっても、回転カム7がロ
ック状態に切り換わったことの判断ができるように配慮
してある。要するに、図23および図24に示すように
解除レバー24を解除位置に、揺動レバー部8を締付解
除相当位置OFFに設定する。すると、ハウジング12
と押し具11が皿ばね13の弾性復元力によって端面1
2aとフランジ部11bが離間する方向に相対移動する
ことにより、取り付け軸挿通孔H1とH2が相互に位置
ずれする。これにより、取り付け軸14aの先端部Tが
押し具11のストッパー部Sに接当するため、スプリン
グ22による付勢にもかかわらずロック具14はロック
解除位置OPに維持される。この状態で、揺動レバー部
8を締付相当位置ONに揺動操作して回転カム7を締付
相当位置Aに回転させた場合、締付力が現出されないと
か、現出されても前記設定力に達しない場合には、図2
5および図26に示すように、皿ばね13を十分に変形
させることができないため、取り付け軸挿通孔H1とH
2が位置ずれしたままであり、ロック具14のロック位
置LCへの切り換わりが阻止される。つまり、回転カム
7が締付相当位置Aへ回転にしているにもかかわらず、
回転カム7はロック解除状態のままになる。これに対
し、前記設定力以上の締付力が現出された場合には、図
27および図28に示すように、ハウジング12が皿ば
ね13の付勢力に抗して端面12aが押し具11のフラ
ンジ部11bに近接するまで摺動し、取り付け軸挿通孔
H1とH2が実質的に重なり合い、取り付け軸14aの
先端部Tが押し具11の挿通孔H2に進入してロック具
14がロック位置LCに切り換わる。つまり、回転カム
7はロック状態になる。この時、解除レバー24が解除
位置からホームポジションに自動的に切り換わる。さら
にこの時、解除レバー24の操作部24bが揺動レバー
部8の収納用凹入部8aに入り込み、ロック機構がコン
パクトで美観に優れたものになる。
【0011】ロック具14のロック位置LCへの切換わ
りを可能にする締付力の変更調節ができるように、皿ば
ね13の付勢力調節を可能に構成して実施してもよい。
本発明は、車輪以外に、サドル等の各種自転車部品を取
付けるためのクイックレリーズ装置にも適用できる。
【0012】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】クイックレリーズ装置の一部切欠き正面図
【図2】締付具の平面図
【図3】ロック具作用状態の側面図
【図4】締付具の締付状態での断面図
【図5】ロック具解除状態の側面図
【図6】締付具の非締付状態での断面図
【図7】締付具の断面図
【図8】別実施ロック具の平面図
【図9】別実施ロック具の解除状態の側面図
【図10】別実施ロック具の作用状態の側面図
【図11】別実施ロック具の作用状態での縦断面図
【図12】別実施ロック具の作用状態での横断面図
【図13】別実施ロック具の解除状態での縦断面図
【図14】別実施ロック具の解除状態での横断面図
【図15】別実施ロック具の解除状態での側面図
【図16】ストッパーの作用状態での平面図
【図17】ストッパーの非作用状態での平面図
【図18】別実施ロック具の作用状態での平面図
【図19】別実施ロック具の解除状態での平面図
【図20】別実施ロック具の非作用状態での平面図
【図21】別実施ロック具等の分解斜視図
【図22】別実施ロック具の側面図
【図23】別実施クイックレリーズ装置の締付解除状態
での平面図
【図24】別実施操作機構の締付解除状態での平面図
【図25】別実施クイックレリーズ装置の非ロック状態
での平面図
【図26】別実施操作機構の非ロック状態での平面図
【図27】別実施クイックレリーズ装置のロック状態で
の平面図
【図28】別実施操作機構のロック状態での平面図
【図29】別実施クイックレリーズ装置のロック状態で
の斜視図
【符号の説明】
10 車体フレーム 5 締付軸 6 当付ナット 7 回転カム 8 揺動レバー部 9 締付具 14 ロック具 A 締付相当位置 E 操作機構 LC ロック位置 OP ロック解除位置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体フレーム(10)に対する当付ナッ
    ト(6)を締付軸(5)の一端側に螺着すると共に、車
    体フレーム(10)を前記当付ナット(6)とで挟んで
    締付ける締付具(9)を前記締付軸(5)の他端側に付
    設し、 前記当付ナット(6)と前記締付具(9)とを接近締付
    状態と、離間締付解除状態とに切換える回転カム
    (7)、及び、この回転カム(7)の操作のための揺動
    レバー部(8)を前記締付具(9)に備えてある自転車
    用クイックレリーズ装置であって、 前記回転カム(7)を締付相当位置(A)に固定するロ
    ック具(14)をロック位置(LC)とロック解除位置
    (OP)とに切換え自在に設け、 前記当付ナット(6)と前記締付具(9)とが前記接近
    締付状態で現出する締付力が設定力未満であると、前記
    ロック具(14)を前記ロック解除位置(OP)に保持
    操作し、かつ、前記締付力が前記設定力以上であると前
    記ロック具(14)を前記ロック位置(LC)に自動的
    に切換え操作する操作機構(E)を設けてある自転車用
    クイックレリーズ装置。
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