JP3126668U - 出力回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 出力信号としてHIGHレベル信号とLOWレベル信号を出力する出力回路において、電流源からの電流を効率よく出力回路のベース電流として供給する出力回路を提供する。
【解決手段】 第1の電流源および第2の電流源と駆動部との間に、駆動部の第1のトランジスタが飽和領域に入らないバイアス電圧を第1のトランジスタに与える飽和防止回路を接続する。この飽和防止回路は、ダイオードのみで構成することができる。
【選択図】 図2

Description

本考案は、出力回路に関するものであり、特に出力電流効率の向上を目的とした出力回路に関する。
図4に代表的な従来の出力回路を示す。図4において1は上側電圧発生回路、2は下側電圧発生回路、3は第1の電流源、4は第2の電流源、5は駆動部を示す。図4に示す出力回路では、IN端子に出力駆動信号としてHIGHレベル信号が入力すると、トランジスタQ2とトランジスタQ3がONする。トランジスタQ3がONすることにより、トランジスタQ1のベース電位が下がり、トランジスタQ1はOFFする。その結果、第1の電流源3の電流IREF1が上側電圧発生回路5のトランジスタQ4のベースに流れ込み、トランジスタQ5がONとなり、OUT端子からHIGHレベル信号が出力される。
またIN端子に出力駆動信号としてLOWレベル信号が入力すると、トランジスタQ2とトランジスタQ3はOFFとなり、第2の電流源4から電流IREF2がトランジスタQ1のベースに供給され、トランジスタQ1がONする。その結果、第1の電流源3と第2の電流源4から電流IREF1、IREF2が下側電圧発生回路6のトランジスタQ6のベースに流れ込み、トランジスタQ6がONとなり、OUT端子にはLOWレベル信号が出力される。
このような出力回路では、トランジスタQ1とトランジスタQ2のON動作とOFF動作は同時に行われるため、OUT端子から出力される出力信号がHIGHレベルからLOWレベルへ、あるいはLOWレベルからHIGHレベルへ切り替わる際、トランジスタQ5とトランジスタQ6が同時にONすることはなく、トランジスタQ5とトランジスタQ6を貫通して流れる貫通電流の発生が防止されている。この種の出力回路は、例えば特許文献1に開示されている。
ところで、IN端子にLOWレベル信号が入力するとき、次のような問題が生じる。すなわち、トランジスタQ2とトランジスタQ3がOFFとなり、トランジスタQ1とトランジスタQ6がONとなったとき、トランジスタQ1のベース電位は2Vbeであり、コレクタ電位はトランジスタQ6のVbeとトランジスタQ1の飽和電圧で決まり、1Vbe+1Vsatとなる。つまり、トランジスタQ1は飽和領域で動作することになる。図5はトランジスタQ1をバイポーラ型半導体装置であるNPN型トランジスタで構成した場合の断面図を示したものである。この構造の半導体装置では、ベース−コレクタ−アイソレーション(sub)によって寄生PNPトランジスタQ8が形成する。トランジスタQ1が飽和領域で動作するとき、寄生PNPトランジスタQ8のエミッタ−ベース間の電位は1Vbe+1Vsat−2Vbe<0となり負の電位差が生じ、寄生PNPトランジスタQ8がONする。
図6に寄生PNPトランジスタQ8を含んだ回路図を示す。寄生PNPトランジスタQ8は、トランジスタQ1のベース電流をsub(基板)に流し込んでしまう。すなわち、第2の電流源2からの電流IREF2は、そのほとんどがsubへ流れてしまい、トランジスタQ1のベース電流が減少してしまう。このとき寄生PNPトランジスタQ8のコレクタ電流をIsubとするとトランジスタQ1のベース電流は、IREF2−Isubとなる。また、トランジスタQ6に供給される電流はIREF1+IREF2−Isubとなり、Isub分電流が小さくなり、電流効率は悪くなっていた。
特開平5-145397号公報
以上説明したように、従来の出力回路では、駆動部のトランジスタが飽和領域で動作するために電流源からの電流をsub(基板)へ無効電流として流してしまい、電流効率を劣化させるという問題があった。本考案は、出力信号としてHIGHレベル信号とLOWレベル信号を出力する出力回路において、電流源からの電流を効率よく出力回路のベース電流として供給することができる出力回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願請求項1に係る考案は、ダーリントン接続した第4のトランジスタおよび第5のトランジスタからなり、出力信号としてHIGHレベル信号を前記第5のトランジスタのエミッタから出力する上側電圧発生回路と、第6のトランジスタおよび該第6のトランジスタのコレクタにカソードが接続した第1のダイオードからなり、出力信号としてLOWレベル信号を前記第6のトランジスタのコレクタから出力する下側電圧発生回路と、前記上側電圧発生回路および前記下側電圧発生回路に駆動電流を供給する第1の電流源および第2の電流源と、出力駆動信号をベースに入力する第3のトランジスタと、該第3のトランジスタのコレクタにベースを接続し、コレクタを前記第1の電流源、前記第4のトランジスタのベースおよび前記第1のダイオードのアノードに接続する第1のトランジスタと、前記出力駆動信号を抵抗を介してベースに入力し、コレクタを前記第1のトランジスタのエミッタに接続し、該コレクタを前記第1のトランジスタのエミッタとともに前記第6のトランジスタのベースに接続して、前記第1のトランジスタと逆論理動作を行う第2のトランジスタからなる駆動部とを備えた出力回路において、 前記第1の電流源および第2の電流源と前記駆動部との間に、前記駆動部の前記第1のトランジスタが飽和領域に入らないバイアス電圧を与える飽和防止回路を接続していることを特徴とする。
本願請求項2に係る考案は、請求項1記載の出力回路において、前記飽和防止回路は、n−1(nは2以上の整数)個のダイオードが直列接続した第2のダイオードと、n個のダイオードが直列接続した第3のダイオードからなり、前記第2のダイオードのカソードを前記第1の電流源、前記第4のトランジスタのベース、前記第1のダイオードのカソードおよび前記第1のトランジスタのコレクタに、前記第3のダイオードのアノードおよび第2のダイオードのアノードを前記第2の電流源に、前記第3のダイオードのカソードを前記第3のトランジスタのコレクタおよび前記第1のトランジスタのベースに、それぞれ接続していることを特徴とする。
本考案の出力回路は、飽和防止回路により駆動部のトランジスタ(第1のトランジスタ)が飽和領域に入らないようなバイアス電圧を与えられるので、駆動電流を効率よく出力回路に供給することができる。また本考案の飽和防止回路は、ダイオードのみで構成することができ、非常に簡便な回路構成である。
図1は本考案の出力回路を説明するためのブロック図である。図1に示すように、本考案の出力回路は、上側電圧発生回路1、下側電圧発生回路2、第1の電流源3(電流源1と表示)、第2の電流源4(電流源2と表示)、上側電圧発生回路1及び下側電圧発生回路2を制御する駆動部5、飽和防止回路6とで構成しており、IN端子から入力された出力駆動信号によって、出力信号としてHIGHレベル信号あるいはLOWレベル信号をOUT端子から出力する。以下、具体的な回路構成について説明する。
図2は本考案の出力回路の第1の実施例である。図2に示すように、上側電圧発生回路1はダーリントン接続されたトランジスタQ4、トランジスタQ5、抵抗R2で構成している。下側電圧発生回路2は、トランジスタQ6とそのコレクタにアノードを接続したトランジスタQ6の電流能力を向上するダイオードD1で構成している。上側電圧発生回路1と下側電圧発生回路2とは直列に接続し、その接続点にOUT端子を設け、出力信号としてHIGHレベル信号あるいはLOWレベル信号を出力する。
第1の電流源3および第2の電流源4は、駆動部5のトランジスタQ1のON動作、OFF動作にしたがって、上側電圧発生回路1あるいは下側電圧発生回路2に、電流IREF1、IREF2を供給する。駆動部5は、IN端子から入力信号である出力駆動信号が入力するトランジスタQ2、トランジスタQ3と、トランジスタQ3の出力を受けて、上側電圧発生回路1と下側電圧発生回路2を交互にON、OFFするトランジスタQ1で構成している。
本考案の特徴である飽和防止回路6は、IN端子にLOWレベル信号が入力した場合、駆動部5のトランジスタQ1が飽和領域に入らないようなバイアス電圧をトランジスタQ1に与えることを目的としたもので、ダイオードD2のアノードとダイオードD3のアノードを第2の電流源4に、ダイオードD3のカソードをダイオードD4のアノードに、ダイオードD4のカソードをトランジスタQ3のコレクタとトランジスタQ1のベースに、ダイオードD2のカソードを第1の電流源3とトランジスタQ1のコレクタにそれぞれ接続している。本実施例は、請求項2においてn=2に相当し、第2のダイオードがダイオードD2、第3のダイオードが直列接続したダイオードD3、ダイオードD4に相当する。
次に、本実施例の出力回路の動作について説明する。IN端子に出力駆動信号としてHIGHレベル信号が入力すると、トランジスタQ3およびトランジスタQ2がONする。トランジスタQ3がONすると、トランジスタQ1のベース電位が下がるため、トランジスタQ1がOFFし、第1の電流源3から駆動電流IREF1がトランジスタQ4に流れ込み、トランジスタQ5がONする。その結果、OUT端子からHIGHレベル信号が出力する。
一方、IN端子に出力駆動信号としてLOWレベル信号が入力すると、トランジスタQ3およびQ2がOFFする。トランジスタQ3がOFFすると、第2の電流源4から駆動電流IREF2がダイオードD3およびダイオードD4を経てトランジスタQ1のベースに供給され、トランジスタQ1がONする。第1の電流源3からの駆動電流IREF1および第2の電流源4からの駆動電流IREF2は、トランジスタQ6に流れ込み、トランジスタQ6がONする。その結果、OUT端子からLOWレベル信号が出力する。
本考案の出力回路では、IN端子にLOWレベル信号が入力した場合、トランジスタQ1はONしてトランジスタQ1のベース電位が2Vbeとなり、トランジスタQ1のコレクタ電位は、飽和防止回路を構成するダイオードD2、D3、D4によってバイアスされ3Vbeとなる。トランジスタQ1に接続される寄生PNPトランジスタQ8のベース−エミッタ電圧は、Q1のコレクタ電位−ベース電圧に等しく、3Vbe−2Vbe=1Vbe>0となり、寄生PNPトランジスタQ8はONすることはない。
ここで、飽和防止回路によるバイアス電位は、トランジスタQ1のベース−コレクタ間の電位を、寄生PNPトランジスタQ8がONしない範囲とするように適宜設定すればよい。例えば、−50℃から150℃の温度範囲を考慮するとΔVbe×ΔTa=−2mV×200℃=0.4Vとなる。従って、1Vbe分の電圧を確保すれば、温度範囲を考慮した上で、寄生PNPトランジスタQ8がONしない範囲に設定できる。そのため、上記説明ではトランジスタQ1のベース−コレクタ間の電位を1Vbeとした。
以上のように寄生PNPトランジスタQ8がONすることはないので、第2の電流源4から駆動電流IREF2が寄生PNPトランジスタQ8を通してsub(基板)に流れ込むことはなくなり、トランジスタQ1のベース電流はIREF2となる。さらに、トランジスタQ6のベースに供給される電流は、IREF1+IREF2となるために従来の回路に比べて電流効率が向上することになる。
なお、トランジスタQ1のON、OFF動作とトランジスタQ2のON、OFF動作は同時に行われるため、OUT端子から出力される信号が、HIGHレベル信号からLOWレベル信号もしくはLOWレベル信号からHIGHレベル信号に切り替わるとき、トランジスタQ5とトランジスタQ6を貫通して流れる貫通電流は発生しない。
次に第2の実施例について説明する。図3に示すように、飽和防止回路を複数のダイオードで構成することも可能である。図3に示す飽和防止回路は、n−1個のダイオードが直列接続したダイオードD5(第2のダイオードに相当)と、n個のダイオードが直列接続したダイオードD6(第3のダイオードに相当)が接続した構成となっている。このように構成しても、トランジスタQ1のコレクタにバイアス電位を与えることができる。直列接続するダイオードの数等は、寄生PNPトランジスタQ8がONしない範囲となるように適宜設定すればよい。トランジスタQ1のコレクタ電位を3Vbeとすると、寄生PNPトランジスタQ8のベース−エミッタ電圧は2Vbe−3Vbe<0となり、寄生PNPトランジスタQ8がONすることはない。このように、同じ構造のダイオードであれば、ダイオードの数の差が1個あれば、第2の電流源4からの駆動電流IREF2は寄生PNPトランジスタQ8を通してsub(基板)に流れ込むことはなく、第1の実施例同様、電流効率が向上することになる。
本考案を説明するブロック図である。 本考案の実施例1の回路図である。 本考案の実施例2の回路図である。 従来例の出力回路の回路図である。 バイポーラ型半導体集積回路で構成したトランジスタQ1の断面図である。 寄生PNPトランジスタを含む従来例の出力回路の回路図である。
符号の説明
1:上側電圧発生回路、2:下側電圧発生回路、3:第1の電流源、4:第2の電流源、5:駆動部、6:飽和防止回路

Claims (2)

  1. ダーリントン接続した第4のトランジスタおよび第5のトランジスタからなり、出力信号としてHIGHレベル信号を前記第5のトランジスタのエミッタから出力する上側電圧発生回路と、
    第6のトランジスタおよび該第6のトランジスタのコレクタにカソードが接続した第1のダイオードからなり、出力信号としてLOWレベル信号を前記第6のトランジスタのコレクタから出力する下側電圧発生回路と、
    前記上側電圧発生回路および前記下側電圧発生回路に駆動電流を供給する第1の電流源および第2の電流源と、
    出力駆動信号をベースに入力する第3のトランジスタと、該第3のトランジスタのコレクタにベースを接続し、コレクタを前記第1の電流源、前記第4のトランジスタのベースおよび前記第1のダイオードのアノードに接続する第1のトランジスタと、前記出力駆動信号を抵抗を介してベースに入力し、コレクタを前記第1のトランジスタのエミッタに接続し、該コレクタを前記第1のトランジスタのエミッタとともに前記第6のトランジスタのベースに接続して、前記第1のトランジスタと逆論理動作を行う第2のトランジスタからなる駆動部とを備えた出力回路において、
    前記第1の電流源および第2の電流源と前記駆動部との間に、前記駆動部の前記第1のトランジスタが飽和領域に入らないバイアス電圧を与える飽和防止回路を接続していることを特徴とする出力回路。
  2. 請求項1記載の出力回路において、
    前記飽和防止回路は、n−1(nは2以上の整数)個のダイオードが直列接続した第2のダイオードと、n個のダイオードが直列接続した第3のダイオードからなり、前記第2のダイオードのカソードを前記第1の電流源、前記第4のトランジスタのベース、前記第1のダイオードのカソードおよび前記第1のトランジスタのコレクタに、前記第3のダイオードのアノードおよび第2のダイオードのアノードを前記第2の電流源に、前記第3のダイオードのカソードを前記第3のトランジスタのコレクタおよび前記第1のトランジスタのベースに、それぞれ接続していることを特徴とする出力回路。
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JP2012151802A (ja) * 2011-01-21 2012-08-09 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 半導体出力回路

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