JP3126551U - 多穴対応２穴パンチ - Google Patents

Abstract

【課題】書類の綴じ穴を穿孔するパンチとしては８０ミリピッチの２穴パンチが現在一般的に広く普及しているが、近年システム手帳や海外規格ファイル等の多種多様なピッチと穴数を持つ書類も種々普及してきている。しかしそのような多穴を穿孔するパンチは普及度が低いため一般的に高価であり、かつ多様なピッチと穴数を穿孔するためには夫々固有のピッチと穴数とに対応した多種の高価なパンチを買い揃える必要があった。
【解決手段】２穴パンチを基本構造とし必要に応じて一方の穿孔刃を無効にして一回の穿孔動作で一個の穴のみを穿孔可能にする紙葉の退避構造を有する汎用パンチ。更には多数の穴を正確な穴ピッチと位置に穿孔を可能とする、穿孔された穴に嵌合するピンを構成要素とする紙葉位置決めガイドを有する汎用パンチ。
【選択図】図２

Description

本考案は、１穴から多穴穿孔まで対応した２穴パンチに関する考案である。

書類の綴じ穴を穿孔するパンチとしては８０ミリピッチの２穴パンチが現在一般的に広く普及しているが、近年システム手帳や海外規格ファイル等の多種多様なピッチと穴数を持つ書類も種々普及してきている。しかしそのような多穴を穿孔するパンチは普及度が低いため一般的に高価であり、かつ多様なピッチと穴数を穿孔するためには夫々固有のピッチと穴数とに対応した多種の高価なパンチを買い揃える必要があった。

一般的に入手し易い書類用のピッチと穴数を例示すると８０ミリ×２個、１０８ミリ×３個、８０ミリ×４個、９．５ミリ×２６個（Ｂ４）または３０個（Ａ４）、１２．７ミリ×２２個、１９ミリ（一部５１ミリ）×６個等と多種多様なピッチと穴数とが挙げられる。これらに一部対応したものとして１穴パンチで２穴に対応したもの（例えば、特許文献１参照）や、４穴パンチで２穴に対応したもの（例えば、特許文献２参照）等がある。
実用新案公報 昭３９−２９０８２ 特許 第２６４９１４６号

しかしこれらはいずれも２種類程度の穴数しか穿孔できず多種多様なピッチと穴数に対応できる汎用性は備えていないため用途が極めて限定されるという問題点があった。

２穴パンチを基本構造とし必要に応じて一方の穿孔刃を無効にして一回の穿孔動作で一個の穴のみを穿孔可能にする紙葉の退避構造を有する汎用パンチ。更には多数の穴を正確な穴ピッチと位置に穿孔を可能とする、穿孔された穴に嵌合するピンを構成要素とする紙葉位置決めガイドを有する汎用パンチ。

本考案は、最も普及している２穴パンチを基本構造としてわずかな部品の形状変更のみで、多種多様なピッチと穴数とに対応した正確な穿孔が可能な汎用パンチを実現する事ができるため、多くのオフィスや家庭でこれまで断念していた多様な書類をファイルに綴じることがほとんど追加コストを要する事なく可能になる。

両穿孔刃の両中心点を通る直線に対し直交及び所定角度の２つの方向に調節可能な奥行き方向規制ガイドと、それら２つの方向と夫々直交する２つの方向に調節可能な穴ピッチ方向規制ガイドからなる紙葉位置決めガイドを有する汎用パンチであり、上記穴ピッチ方向規制ガイドは穿孔された穴に適合する径のピンを有しそのピンにて紙葉の辺あるいは穿孔された穴の位置を規制しかつ所望のピッチや辺からの距離に応じて容易に固定できるものとする。

図１は本案の実施例による２穴穿孔動作時を示すもので、上に上面図を、下に正面図を示す。１は穿孔動作レバーで、２の基台に立てられた穿孔刃支持部２ａに設けられた図示せぬ支軸で支えられ、穿孔刃３ａ、３ｂに作用する。４は穿孔穴径に適合するピンであり、５のスライダーと基台２に設けられた図示せぬ案内溝部品によって３ａ、３ｂの穿孔刃の共通中心線上を左右方向に移動可能であり、穿孔対象の紙葉の辺を突き当てたり先に穿孔した穴に嵌合したりして紙葉の左右方向での位置決めガイドとして機能する。ピンの左右方向の位置はスライダーと上記案内溝部品に備えられた軽固定機構により所定の点で軽固定されると共に６ａの直交スケールによりその位置が表示される。なお上記案内溝部品は後述する１穴穿孔動作のため基台には角度変更可能な形態で設置されている。

７は紙葉の奥行き方向での位置決めガイドでありガイドネジ８とガイドピン９ａとにより一軸方向のみ可動で図示せぬスケールの表示にしたがいガイドネジで所望の位置に固定して使用される。また紙葉の左右方向での位置は正面図に示すように位置決めガイド７にスケールや、穿孔刃支持部２ａにマークを設けてそれらを指標として確認する事も好適である。なおガイドピン９ｂは１穴穿孔動作時にガイドピン９ａに代わって７の位置決めガイドの規制に用いられるもので２穴穿孔動作時にはその動作の妨害にならない位置に設置されている。

図２は本案の実施例による１穴穿孔動作時を示すもので、スライダー６は３ａ、３ｂの穿孔刃の共通中心線に対し所定の角度を持ってかつピン４が有効穿孔刃３ａの中心を通る直線の上を移動可能な様に、図１での設置位置から所定の角度だけ傾いた前記案内溝部品によりガイドされる。一方奥行き方向での位置決めガイド７はガイドネジ８とガイドピン９ｂにより同様に所定角度を持って一軸方向のみに可動であり、紙葉の基準辺１０を規制し無効穿孔刃３ｂから紙葉を確実に退避させる。

紙葉１１は先に穿たれた第１番目の穿孔１２を基準にしてピッチｐだけ離れた位置に穿たれた第２番目の穿孔がピン４に嵌合して左右方向の位置が、ピン４と奥行き方向での位置決めガイド７とが協働して奥行き方向の位置が規制されている。当該図はピッチｐで３個目の穴が穿孔される状態を示しており同一のピッチｐにて順次穿孔されうることが容易に理解できる。ピッチｐはスライダー５に設けられた斜めスケール６ｂ（図１には表示せず）にて確認する事が出来る。なお第１番目の穿孔１２は紙葉１１の左辺をピンに突き当て同様に斜めスケール６ｂを指標として確認する等の方法により位置決めされ穿たれている。

図３は請求項４に記載する本案第２の実施例を示すもので、１の穿孔動作レバーの開口端１ａの位置が図１と比べ大きく後方に逃げているため、位置決めガイド７の端部が上面図で見てレバーにより隠されてはいない。すなわち有効穿孔刃から無効穿孔刃の間のいずれかの領域で穿孔刃作動軸方向から見て基台上に置かれた紙葉の基準辺１０からその対辺まで一切の障害物が存在しない構造をとる事により、図３に示すように紙葉１１は両穿孔刃の間で湾曲しながら上方へ退避することが出来、穿孔刃３ｂを無効化することが可能となる。

この様に紙葉を湾曲させる方式の難点は、複数枚の紙葉を同時に装着させた場合に湾曲させる際に負荷が掛かり紙葉群がばらけ易く全ての紙葉に均一に穿孔するのが困難である点である。しかし本案では位置決めガイドとして嵌合ピンを用いているので紙葉群がばらける事が無く全ての紙葉に均一に穿孔出来るという特徴を有する。

以上の様に本考案の２穴パンチはどちらの実施例を見てもわかるように、２穴パンチの基本機能と性能を維持したままわずかな部品の形状変更のみで多種多様な穴数、穴位置に対応した正確で安定な穿孔を可能とする汎用パンチが実現できる。また汎用的な道具にありがちな機能切り替え時の部品交換も不要なため、通常は２穴パンチとして使用している部品構成そのままで即座に１穴および多穴への切り替えが可能である。それをより便利にするために各種書類の規格情報や対応するスケールの識別方法等を本体の空きスペース等に記載しておく事も好適である。

本考案の第１の実施例による２穴穿孔動作時を示す構成図である。 本考案の第１の実施例による１穴穿孔動作時を示す構成図である。 本考案の第２の実施例による１穴穿孔動作時を示す構成図である。

符号の説明

１ 穿孔動作レバー
１ａ 穿孔動作レバー開口端
２ 基台
２ａ 穿孔刃支持部
３ 穿孔刃作動軸
３ａ 穿孔刃
３ｂ 穿孔刃
４ ピン
５ スライダー
６ａ 直交スケール
６ｂ 斜めスケール
７ 位置決めガイド
８ ガイドネジ
９ａ ガイドピン
９ｂ ガイドピン
１０ 紙葉の基準辺
１１ 紙葉
１２ 第１番目の穿孔

Claims (4)

1. 一対の穿孔刃の内の一方の穿孔刃（以後、有効穿孔刃と称す）を基準として穿孔対象紙葉の所定の位置に穿孔可能とするための紙葉位置決めガイドを有する穿孔パンチであり、必要に応じて穿孔動作時に他方の穿孔刃（以後、無効穿孔刃と称す）から該紙葉を退避させ一回の穿孔動作で一個の穴のみを穿ちうる構造を有する２穴パンチ
2. 該穿孔刃の作動軸と直交する面内において、該有効穿孔刃の中心を通る直線上を移動できかつ任意の位置に固定可能な構造を有し該穿孔刃で紙葉に穿たれた穴に嵌合するピンを構成要素とする該紙葉位置決めガイドを有する請求項１記載の２穴パンチ
3. 該穿孔刃の作動軸と直交する面内において紙葉を該無効穿孔刃から退避可能とするため、紙葉に穿孔される各穴の共通中心線と所定距離離れて平行な該紙葉の基準辺を、両穿孔刃の各中心点を通る直線に対し必要十分な角度に規制する紙葉位置決めガイドを有する請求項１または請求項２記載の２穴パンチ
4. 紙葉の一部が該穿孔刃の作動軸の方向に緩やかに湾曲して該無効穿孔刃から退避可能とするため、該有効穿孔刃から該無効穿孔刃の間のいずれかの領域で該作動軸方向から見て基台上に置かれた該紙葉の基準辺からその対辺まで一切の障害物が存在しない構造を有する請求項１または請求項２記載の２穴パンチ

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