JP3126190U - 底の中心に排水口のある保冷箱 - Google Patents

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正忠 坂井
貴智 水上
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Abstract

【課題】氷が長持ちし、できるだけ長く低温を保持できる発泡樹脂製の保冷箱を提供する。
【解決手段】発泡樹脂製の保冷箱において、箱の内側底部に、底部中央に向かって集まる幅1〜2cmの溝を数条持ち、それら溝は箱の底部の中心の周りを一巡している環状の溝に繋がっており、環状の溝に囲まれている直径5cm程の中心部は箱の底の裏側から直径15mm程、高さ15mm程の穴が開けてあり、箱の底部の中心部の上部周辺から3〜4箇所穴を開けて底の裏側から開けてある穴と連通させて、箱の底に溜まる水を抜く水抜き穴として作用させる、また箱の裏底には水抜き穴から周辺に向かって幅2cm程、深さ2mm程の逆溝を掘っておく。
【選択図】図2

Description

氷を入れて使用する発泡樹脂製の魚箱等の保冷箱に関する。
発泡ポリスチレン等の発泡樹脂製の保冷箱は安価、軽量で保冷性に優れているため、魚介類の運搬用、保管用に多く用いられている。
容器の中に氷を一緒に入れ、嵌合する蓋をして0℃近くの低温を保つようにして使用する場合が多い。
しかし氷が溶けて、できた水が底に溜まったままで魚体に接触すると、魚体が白くなり商品価値が下がってしまうので、水は速やかに外に排出する事が望ましい。
その水を排出するため、通常、箱の4隅に排水口を設けてあるが、排水口の出口は箱側面、あるいは底面に抜いてある。4隅に設けるのは箱が傾いても、あるいはどれかの穴が詰まっても、機能が損なわれないようにとの配慮からである。
然るに、穴が4箇所も箱周辺にあるために、外気が進入し易く、低温が保ち難く、氷が早く溶けてしまう欠点があった。
その欠点を補うため排水口を箱底部中央に1個のみ設ける試みはあったが、ドリップ、ごみ等により、あるいは魚体が穴の真上に来て、穴が塞がると排水できなくなったりした。箱の底に紙、ポリエチレンシート等を敷いて使用する場合も同様、排水口が塞がってしまう事があった。
また機密性を重視して中央排水口を筒状に立ち上げ、その筒に被せることのできるキャップを被冠して水封構造とした容器も考案されているが(実新第3030909号)、その部分のみ完璧な機密性を保っても、発泡樹脂製容器の材料、箱の蓋の構造から見て、他の部分の完全な機密は期待できず、総体的には無意味であり、かつ排水されるためには、中央に立ち上げた筒状の排水口の上端を越える水位になる必要があった。更にこの箱を製造するには箱体の他にキャップを作って組み合わせなければならず、製造工程に余計な手間がかかることになる。
氷が長持ちし、できるだけ長く低温を保持できる発泡樹脂製の保冷箱を提供する。
水抜きのために設けた排水口が詰まることなく水が抜けるような構造に、かつ空気の出入りを、ある程度制限できるような構造にする必要がある。
実際に使用する場合、蓋をした箱は積み重ねて保管、運搬するので、箱の裏底と蓋の上部が密着しないような工夫をする必要がある。
本考案は上記の問題に鑑みてなされたものであり、発泡樹脂製の箱の内側底部には、底部周辺から底部中央に集中する排水用溝を数条設ける。底に溜まる水が中央に向かって流れるように、溝底部の深さは中央に向かっていくに従ってだんだん深くし、つまり溝底部に水勾配を取っておくのも良い。
それら溝は箱の底部の中心の周りを一巡している環状の溝に繋がっており、環状の溝に囲まれている直径5cm程の中心部は箱の底部と同じ高さで、溝底部から見ると盛り上がっている。
またその中心部は箱の底の裏側から直径15mm程、高さ15mm程の穴が開けてあり、箱の底部の中心部の盛り上がりの上部周囲から3〜4箇所穴を開けて箱の底の裏側から開けてある穴と連通させておく。
箱の底部中央に真っ直ぐな穴を貫通させない理由は、空気の自由な出入りを妨げるためであり、また中心の盛り上がりの周囲から通す穴の数を複数にしたのは、穴詰まりのリスクを軽減するためである。
また箱の裏底は箱を床に直に置いたり、箱同志を積み重ねた時に、箱の底面が床や箱の蓋表面に密着して、流出水の流れを妨げることのないよう、穴から周辺に向かって幅2cm程度、深さ1〜3mmの逆溝が掘ってある。
本考案は以上のような構成で、保冷箱に商品と氷を入れ、蓋をした場合、箱壁を通って侵入してくる熱により、徐々に氷が溶けて、できた水は、箱の底に達し、溝を通って中央の穴まで流れて、穴から箱の裏底へと排出されるので、商品が水に漬かることは無い。かつ排水口が中央一箇所のみで空気の出入が少ないので氷が長持ちする
発泡樹脂製の箱の底部には箱の底周辺から中心に向かって集中するように、排水のための溝を掘り、それら溝は底の中心の周りを一巡している環状の溝に繋がっており、環状の溝に囲まれている直径5cm程の中心部は箱の底部と同じ高さで、溝底部から見ると盛り上がっている。またその中心部は箱の底の裏側から貫通しない穴が開けてあり、箱の底部の中心部の盛り上がりの周囲から3〜4箇所穴を開けて、底の裏側から開けてある穴と連通させておく。
また箱の裏底は床あるいは箱同志積み重ねたとき、密着して排水口が塞がれることの無いよう穴は床から少し浮くように箱の裏面には排水が通れるよう逆溝が付けてある。
本考案の発泡樹脂製の保冷箱の実施例を図面に基づいて説明する。図1は発泡スチロール製の保冷箱の蓋を取った全体を示す斜視図であり、縦、横、高さ30x50x20cm程、材料の厚み約25mmの箱の底部1には中央の排水口2に向かって集中する排水溝3が掘ってある。溝の幅は約2cmで深さ約5mm。
図2は中央の穴部分のみを分かり易く示した部分拡大図で排水溝3が中央部の環状の溝4に繋がっている。環状の溝に囲まれている直径5cm程の中心部5の高さは箱の底部1と同じ高さである。
図3は図2のA−A’を含む垂直面で切断した部分断面図である。その中心部には箱の底の裏側から直径15mm程、高さ15mm程の中心穴6が開けてあり、底の表側の中心部の盛り上がりの周囲から3〜4箇所導入穴7が開けてあり、導入穴7は中心穴6と連通口8を介して連通している。
図4は保冷箱をひっくり返して裏底を示した斜視図で、底が床などに密着してしまわないよう箱の底を部分的に2〜3mm高くし、保冷箱を正常に置いたとき、中心穴6が床に密着しないようにしてある。床に置いたとき、中心穴6の周りの隙間9は箱の外まで導いてある。
実際にこの箱の性能を評価するために、従来の四つ穴保冷箱と本考案の一つ穴保冷箱に同じ量の氷と商品(蟹)を入れたものを用意し、温度センサーを取り付け、比較試験を行った。砕氷3kg、商品3kgを入れ倉庫内に放置した。倉庫内は8℃から17℃と24時間周期で温度変化した。両方の箱共、内部温度はほぼ2℃で推移したが、四つ穴の箱は開始後26時間を過ぎたあたりから温度が上昇しはじめたのに対し、一つ穴の箱は開始後45時間を過ぎたあたりで初めて温度上昇し始めた。
以上説明したように、本考案の保冷箱によれば、従来の四つ穴保冷箱と比べて価格的に同じであるにも拘らず、商品が水漬けにならず、より長時間保冷効果を持続できるので商品の輸送、保管がより楽になる。またこの構造の箱は、キャップのような付属品を必要とせず、一体成形で製造可能である。
本考案の保冷箱の蓋を取った状態を示す斜視図。 中央の排水口部分を示す部分拡大斜視図。 図2のA−A’断面図。 保冷箱の裏底を示した斜視図。
符号の説明
1 箱の底部, 2 排水口, 3 排水溝, 4 環状の溝, 5 中心部, 6 中心穴, 7 導入穴, 8 連通口, 9 隙間。

Claims (3)

  1. 発泡樹脂製の縦約30cm、横約50cm、高さ約20cm、材料の厚さ25mm程の保冷箱において、箱の内側底部に、底部周辺から底部中央に向かって集まる幅1〜2cm、深さ5mm程の数本の溝を持ち、それら溝は箱の底部の中心の周りを一巡している環状の溝に繋がっており、環状の溝に囲まれている直径5cm程の中心部は箱の底部と同じ高さで、溝底部から見ると盛り上がっており、またその中心部は箱の底の裏側から直径15mm程、高さ15mm程の穴が開けてあり、箱の底部の中心部の盛り上がりの上部周辺から3〜4箇所穴を開けて、底の裏側から開けてある穴と連通させて、箱の底に溜まる水を抜く水抜き穴として作用させることを特徴とする保冷箱。
  2. 箱の裏底には水抜き穴から周辺に向かって幅2cm程、深さ2mm程の逆溝が掘ってあることを特徴とする請求項1記載の保冷箱。
  3. 箱の底部に掘ってある溝は、溝の深さが底部中央に近くなるに従って深くなるように水勾配が取ってありことを特徴とする請求項1記載の保冷箱。
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CN115092507A (zh) * 2022-07-22 2022-09-23 厦门市标准化研究院 一种冷链运输箱

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115092507B (zh) * 2022-07-22 2023-09-05 厦门市标准化研究院 一种冷链运输箱

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