JP3993701B2 - クーラーボックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚等を収納し保冷するクーラーボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のクーラーボックスは、箱形の容体部と、容体部上部に蝶番等によって開閉可能に設けられた板状の蓋部とを有している。この容体部及び蓋部は内部にポリウレタン樹脂等の断熱材が充填されている。
【0003】
このクーラーボックスは、氷や保冷剤と共に魚等を容体部内に入れて使用される。この際、本体部及び蓋部が有する断熱効果により、内部の温度を低く保つことができ、内部に収納した魚等が保冷される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のクーラーボックスは、氷等を容体部内に入れて使用され容体部及び蓋部が濡れた状態におかれる場合が多い。このため、容体部または蓋部内部のポリウレタン樹脂等の断熱材部分に水が侵入してしまう恐れがある。特に、従来の多くのクーラーボックスは、外殻部及び内殻部の2つの部材を用意してその間に断熱材を挟み込んで容体部及び蓋部をそれぞれ形成している。このため、外殻部と内殻部との連結部分から水が侵入して、断熱材部分に水が溜まってしまう恐れがあった。このような部分に水が溜まってしまうと、クーラーボックスの断熱効果が低下してしまい、また、クーラーボックス全体の重量増を招く。
【0005】
本発明の課題は、断熱材に水が溜まるのを防止可能なクーラーボックスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1にかかるクーラーボックスは、中空の殻部と殻部の中空内に配置された断熱材とを有する箱型の容体部と、前記容体部の上部に開閉可能に設けられ中空の蓋殻部と前記蓋殻部の中空内に配置された断熱材とを有する蓋部とを備えている。そして、殻部は、外殻面から中空まで連通し内殻面までは貫通していない排水孔を有している、又は、蓋殻部は、内殻面から中空まで連通し外殻面までは貫通していない排水孔を有している。
【0007】
この場合には、水に濡れやすい環境でクーラーボックスを使用して容体部または蓋部の中空内の断熱材に水が侵入しても、殻部または蓋殻部に設けられた排水孔から侵入した水が排水されるので、容体部または蓋部内の中空内の断熱材に水が溜まってしまうのを防止できる。この結果、クーラーボックスの断熱効果の低下を防止でき、またクーラーボックス全体の重量増を防止できる。
【0008】
発明2にかかるクーラーボックスは、発明1のクーラーボックスであって、排水孔は容体部の殻部の底面に設けられている。
この場合には、容体部の中空内の断熱材に水が侵入しても、通常通り容体部の底面を下にしてクーラーボックスを使用していれば、容体部の殻部の底面に設けられた排水孔から水が排水される。
【0009】
発明3にかかるクーラーボックスは、発明1のクーラーボックスであって、排水孔は蓋部の蓋殻部の周縁に設けられている。
【0010】
この場合には、蓋部の中空内の断熱材に水が侵入しても、通常通り蓋部を開閉している間に、蓋部の蓋殻部の周縁に設けられた排水孔から水が排水される。
【0011】
発明4にかかるクーラーボックスは、中空の殻部と殻部の中空内に配置された断熱材とを有する箱型の容体部と、前記容体部の上部に開閉可能に設けられ中空の蓋殻部と前記蓋殻部の中空内に配置された断熱材とを有する蓋部とを備えている。そして、蓋殻部は中空から外部に連通した排水孔を有しており、排水孔は蓋部の蓋殻部の周縁に設けられている。
【0012】
この場合には、蓋部の中空内の断熱材に水が侵入しても、通常通り蓋部を開閉している間に、蓋部の蓋殻部の周縁に設けられた排水孔から水が排水される。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明の第1実施形態を採用したクーラーボックスは、箱型の容体部1と、蝶番(図示せず)によって開閉可能なように容体部1の上部設けられている蓋部2と、蓋部2を容体部1に密閉し固定するフック3と、容体部1に開動可能に接続されているハンドル5とを有している。
【0015】
容体部1は上方に開口した箱状部材である。この容体部1は内に魚等を収納し保存するものであり断熱効果を必要とするので、表面壁となるポリプロピレン製の部材の間に発泡ポリウレタン製断熱材(図示せず)を内包する構造である。
【0016】
蓋部2は容体部1と同様に断熱効果を必要とするものであり、図2に示すように、蓋部2の外殻面を形成する外殻部21と内殻面を形成する内殻部22とを有している。この外殻部21及び内殻部22はポリプロピレン等の合成樹脂からなる部材である。そして、外殻部21と内殻部22との間には発泡ポリウレタン製の断熱材23が配置されており、この断熱材23を挟み込むようにして外殻部21と内殻部22と固定されている。なお、蓋部2は横方向(図2のx方向)中央付近が最も厚く両端部付近が最も薄くなるように断面アーチ状に形成されている。外殻部21及び内殻部22は均一の厚肉で形成されており、断熱材23は蓋部2の横方向中央付近において最も厚くなるように配置される。また、蓋部2は縦方向(図2のy方向)においても、中央付近が最も厚く両端部が最も薄くなるように断面アーチ状になっている。この縦方向においても、横方向と同様に、外殻部21及び内殻部22は均一の厚肉で形成されており、断熱材23は蓋部2の縦方向中央付近において最も厚くなるように配置される。
【0017】
図3及び図4に示すように、内殻部22の周縁部分は一周にわたって外殻部21方向へ凸状に突出するように形成されており、この周縁部分に溝部24と溝部24の両側にそれぞれ形成された一対の排水孔25とが設けられている。さらに、この溝部24の内部には複数のボルト穴22aが設けられている。なお、排水孔25は内殻部22を貫通して外殻部21と内殻部22との間に配置される断熱材23と外部とを連通している。一方、溝部24が形成された内殻部22の周縁部分に当接する外殻部21の周縁部分には、内殻部22方向に突出した柱状部21aが形成されている。また、この柱状部21aの前記溝部24のボルト穴22aに対応する箇所には雌ねじ部が形成されている。そして、溝部24のボルト穴22aから差し込まれたボルト40が柱状部21aの雌ねじ部に螺合して、外殻部21と内殻部22とは固定されている。
また、図3及び図4に示すように、この溝部24にはシリコンゴム等からなるパッキン30がはめ込まれている。このパッキン30は内部に中空を有するチューブ状の部材である。さらに、パッキン30は溝部24に一周にわたってはめ込み可能な途中に切目のないリング状の部材である。
【0018】
このように構成されたクーラーボックスでは、水に濡れやすい環境でクーラーボックスを使用して蓋部2内の断熱材23に水が侵入しても、内殻部22に設けられた排水孔25から断熱材23に侵入した水が排水されるので、蓋部2内の断熱材23に水が溜まってしまうのを防止できる。この結果、クーラーボックスの断熱効果の低下を防止でき、またクーラーボックス全体の重量増を防止できる。また、排水孔25は蓋部2の周縁に設けられているので、通常通り蓋部を開閉している間に排水孔25から水が排水される。
【0019】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
本発明の第2実施形態を採用したクーラーボックスの容体部1は、上方に開口した箱状部材であって、容体部1は、図5に示すように、内殻部11と外殻部12とを有している。内殻部11と外殻部12との間は中空となっており、この中空には発泡ポリウレタン樹脂等の発泡樹脂等からなる断熱材(図示せず)が充填される。この外殻部12の底面には複数の排水孔50が形成されている。排水孔50は外部から断熱材に連通するように外殻部12を貫通している。
なお、その他の構成は第1実施形態と同様であり説明を省略する。
【0021】
このように構成されたクーラーボックスでは、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、容体部1の中空内の断熱材に水が侵入しても、通常通り容体部1の底面を下にしてクーラーボックスを使用していれば、容体部1の外殻部12の底面に設けられた排水孔25から水が排水される。
【0022】
【発明の効果】
本発明にかかるクーラーボックスによれば、容体部または蓋部に排水孔が形成されているので、容体部または蓋部内に配置された断熱材に侵入した水を排水でき、クーラーボックスの断熱効果が低下やクーラーボックス全体の重量増を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を採用したクーラーボックスの全体図。
【図2】 図1のクーラーボックスの蓋部の拡大断面図。
【図3】 本発明の第1実施形態を採用した蓋部を示す図。
【図4】 図3のIV−IV断面図。
【図5】 本発明の第2実施形態を採用したクーラーボックスの容体部を示す図。
【符号の説明】
1 容体部
2 蓋部
11,21 外殻部
21,22 内殻部
23 断熱材
24 溝部
25,50 排水孔
30 パッキン
40 ボルト
Claims (4)
- 中空の殻部と前記殻部の中空内に配置された断熱材とを有する箱型の容体部と、
前記容体部の上部に開閉可能に設けられ、中空の蓋殻部と前記蓋殻部の中空内に配置された断熱材とを有する蓋部とを備え、
前記殻部は、外殻面から中空まで連通し内殻面までは貫通していない排水孔を有している、又は、前記蓋殻部は、内殻面から中空まで連通し外殻面までは貫通していない排水孔を有している、
クーラーボックス。 - 前記排水孔は容体部の殻部の底面に設けられている、請求項1に記載のクーラーボックス。
- 前記排水孔は蓋部の蓋殻部の周縁に設けられている、請求項1に記載のクーラーボックス。
- 中空の殻部と前記殻部の中空内に配置された断熱材とを有する箱型の容体部と、
前記容体部の上部に開閉可能に設けられ、中空の蓋殻部と前記蓋殻部の中空内に配置された断熱材とを有する蓋部とを備え、
前記蓋殻部は前記中空から外部に連通した排水孔を有しており、
前記排水孔は前記蓋部の蓋殻部の周縁に設けられている、
クーラーボックス。
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