JP3125844B2 - 電圧測定装置 - Google Patents

電圧測定装置

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JP3125844B2
JP3125844B2 JP07114297A JP11429795A JP3125844B2 JP 3125844 B2 JP3125844 B2 JP 3125844B2 JP 07114297 A JP07114297 A JP 07114297A JP 11429795 A JP11429795 A JP 11429795A JP 3125844 B2 JP3125844 B2 JP 3125844B2
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勉 山崎
清明 小山
満弘 鈴木
尚典 林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気光学効果を有する
電気光学材料を含むEO(Electro-Optic )プローブを
用いて集積回路などの超高速電子回路の内部波形を非接
触で測定する電圧測定装置に係り、特にウエハ表面とプ
ローブの先端部との接触を検出する接触位置検出方式の
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気光学結晶を微小プローブ
に加工し、該電子回路内部の配線からの漏れ電界を検出
する測定装置がある。図7はこの種の測定装置の一例を
示す要部構成図である。
【0003】図において、1はシリンダで、その下端部
にはEOプローブ2が取り付けられたプローブホルダ3
が固着されている。4はシリンダ1が内挿される円筒状
のエアガイドで、シリンダ1とエアガイド4の間に空気
を流すことによりシリンダ1を摩擦なく上下に移動させ
ることができるようになっている。5は天秤機構で、秤
の一端がシリンダ1に係合し、EOプローブ2とプロー
ブホルダ3を含むシリンダ1の実効重量を小さく(例え
ば0.1g)している。
【0004】6はシリンダ1を上下微動させるリニアア
クチュエータで、そのシリンダ1の微動変位は光学式ポ
ジションスケール等(図示せず)で読み取るようにして
ある。8は対物レンズで、上方からのレーザ光および照
明光を集束すると共に下方からの反射光を平行光にす
る。
【0005】EOプローブ2の先端部分は図8に示すよ
うにEO結晶21の底端面に誘電体多層膜22が取り付
けられている。レーザ光はこの誘電体多層膜22で全反
射し、位置合わせ用の照明光はEO結晶21と誘電体多
層膜22を通過してウエハ7の表面で反射する。
【0006】このような構成において電気光学サンプリ
ング測定を行う場合はEOプローブ2とウエハ7との接
触点を基準に間隙(ギャップ)を定める。その場合ウエ
ハ側は動かさずEOプローブ2をウエハ7の表面に接触
させた後所定のギャップ分(指定量)だけ上方に移動さ
せることにより位置決めを行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな測定装置では、シリンダの摩擦によるヒステリシス
等を軽減するために空気軸受けと天秤機構を導入してお
り、また変位は光学式ポジションスケール等で読み取る
構造となっており、装置の構成が複雑であるという欠点
がある。また、構造上シリンダ部分の固有振動数は低く
なるため、外部振動の影響を受けないように、カットオ
フ周波数がシリンダ部の固有振動数に比べて十分に低
い、高級な防振台を使用する必要があった。
【0008】本発明の目的は、このような欠点を解消す
るもので、梁あるいは板ばねの先端に取り付けたEOプ
ローブの傾きから光てこの原理でウエハ表面の位置を正
確・高感度に検知することのできる電圧測定装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明では、電気光学効果を有するEOプロー
ブを用い、このEOプローブでの反射光を受光し偏光面
の回転角度を検出する手段を備え、前記回転角度から集
積回路等の内部波形を非接触で測定する電圧測定装置に
おいて、前記集積回路表面に前記EOプローブを位置決
めする際に一度EOプローブを集積回路表面に接触させ
た後指定量だけ上昇させる場合の接触位置検出用のもの
であって、EOプローブの反射面で反射した光のスポッ
トを受けEOプローブの反射面の変位に応じた信号を得
ることのできる分割フォトダイオードを備え、分割フォ
トダイオードの出力からEOプローブの集積回路表面へ
の接触を検知できる接触位置検知手段を具備したことを
特徴とする。
【0010】
【作用】EOプローブからの反射光スポットを分割フォ
トダイオードで受ける。EOプローブがウエハ面に接触
しない状態では光スポットが分割フォトダイオードの各
フォトダイオードに均等に当たるようにしておくと、E
Oプローブがウエハ表面に接触してEOプローブが傾い
た場合反射光スポットが移動し分割フォトダイオードの
出力にアンバランスが生じる。このアンバランスを検出
してEOプローブがウエハ表面に接触したことを確認す
る。
【0011】
【実施例】以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。
図1は本発明に係る電圧測定装置の一実施例を示す構成
図である。図において、10は円筒、11はその内部に
取り付けられた対物レンズ、20は円筒10の下端に取
り付けられたEOプローブである。30はウエハ、41
は入射光と反射光の角度を分けるためのウェッジ板、4
2はプリズム、43はビームスプリッタ、44は偏光ビ
ームスプリッタ、50は4分割フォトダイオード、6
1,62はフォトダイオードである。
【0012】ウエハ30はX,Y,Z軸方向に移動可能
なステージ(図示省略)に連結し、手動または自動で移
動できるようになっている。プリズム42は対物レンズ
11およびウェッジ板41を通過したレーザ光の向きを
変えるためのものである。ビームスプリッタ43はプリ
ズム42から入射される光を分岐させるもので、分岐し
た光は4分割フォトダイオード50に入る。4分割フォ
トダイオード50はEOプローブ20のウエハ30への
接触を検出するための検出素子であり、例えば図2に示
すような回路により接触を検出することができるように
なっている。
【0013】図2において、4分割のフォトダイオード
50の各フォトダイオードPD1〜PD4の各電流出力
は電流・電圧変換器51a〜51dにより電圧に変換さ
れ、各電圧は加算器52a〜52dでそれぞれ加算さ
れ、その加算出力は減算器53a〜53bに加えられ
る。減算器53aでは、PD1とPD2の出力の加算値
とPD3とPD4の出力の加算値との差、減算器53b
では、PD1とPD3の加算値とPD2とPD4の加算
値との差が得られる。EOプローブがウエハに接触する
と、4つのフォトダイオードの中央に当たっていた光の
スポットが移動し、減算器53a〜53bに出力が生じ
る。スポットが左右方向に移動すると減算器53bに出
力が生じ、スポットが上下方向に移動すると減算器53
aに出力が生じる。
【0014】ビームスプリッタ43を透過した光(信号
光)は偏光ビームスプリッタ44で分岐され、偏向面の
回転計測に利用される。偏光ビームスプリッタ44で分
岐された光はそれぞれフォトダイオード61および62
に入射し、各フォトダイオード61,62の出力電流は
積分器63,64で積分される。減算器65は2つの積
分器の出力(電圧)の差を求める。減算器65の出力は
反射レーザ光の偏向面の回転角度、換言すればEOプロ
ーブ先端にあるEO素子部における電界強度に対応す
る。
【0015】このような構成における動作を次に説明す
る。ウェッジ板41を通して入射されるパルスレーザ光
は対物レンズ11によりEOプローブ20の下面に集光
する。EOプローブ下面で反射した光は対物レンズ11
およびウェッジ板41を通ってプリズム42で反射しビ
ームスプリッタ43および偏光ビームスプリッタ44に
入る。
【0016】電圧測定に先立ち前準備としてEOプロー
ブの位置決め、すなわちEOプローブ20の下面をウエ
ハ30の表面から所定のギャップだけ離した状態にして
おく必要がある。図示しないステージを駆動してまずE
Oプローブ先端とウエハ30の表面を接触させ、その後
この位置を基準として所定の距離だけ離れるように指定
量上方向に移動させる。このような操作により所定のギ
ャップが確保される。
【0017】EOプローブ先端がウエハ30の表面に接
触したかどうかは反射光を受ける4分割フォトダイオー
ド50により検出する。図3は接触位置検出に係る部分
の簡略図である。ウエハ30の表面がEOプローブ20
の下面21に接触し、EOプローブを支持している梁2
2がΔθ傾くと、フォトダイオード50上での光ビーム
の変位Δxは、 Δx=2LΔθ ただし、EOプローブ20の下端の反射面からフォトダ
イオード50までの光学長となり、フォトダイオードの
受光光強度の差からΔθが検出され、接触したことを知
ることができる。
【0018】例えば、フォトダイオード50上での位置
検出感度を10μm以上とし、光学長(光てこの長さ)
Lを300mm、梁の長さを1mmとすると、EOプロ
ーブ20の先端部の変位検出感度は0.017μmとな
り、接触したことを高感度に検出することができる。
【0019】なお、電界強度の測定は上記位置決め後に
行う。偏光ビームスプリッタ44で2分されたレーザ光
をフォトダイオード61,62で検出し、その検出電流
を積分器63,64で積分して電圧に変換し、その差を
減算器65で求める。この減算器65の出力は、電界強
度、換言すればEOプローブ近傍に位置するウエハ30
の電圧に対応している。
【0020】なお、減算器65で得られる信号は、フォ
トダイオード62の出力電流(PI2 とする)とフォト
ダイオード61の出力電流(PI1 とする)の差(PI
2 −PI1 )であるが、光強度変化の影響を除くため
に、(PI2 −PI1)/(PI2 +PI1 )を求める
ようにしてもよい。接触位置検出についても同様に、減
算器のところでは上記の関係式にならった演算を行うよ
うにしてもよい。
【0021】以上のように、ウエハ表面の位置を梁の先
端に取り付けたEOプローブの傾きから光てこ方式で正
確かつ高感度に検知できる。またそれによって容易にE
Oプローブとウエハ表面間の距離を所定のギャップだけ
正確に離すことができる。
【0022】本発明では、EOプローブ20の部分を小
型化し、その固有振動数を10〜100Hz以上に設計
すると同時に、ウエハ表面にEOプローブの先端部が接
触したときの接触力を数g以下にすることができ、摩擦
部のない高感度ウエハ表面検知機能を容易に実現するこ
とができる。
【0023】なお、本発明は実施例に限定されるもので
はない。例えば、フォトダイオード50は4分割ではな
く2分割フォトダイオードとしてもよい。また位置決め
の際の移動は、ウエハまたはEOプローブ部のいずれか
一方、あるいは両方を適宜移動するようにしてよい。
【0024】図4はEOプローブ部の他の実施例図で、
同図(a)に示すように水晶基板201に切り込み部
(202,203)を形成し、天秤構造の板ばねを形成
したものである。板ばねは小判形の梁204と回転中心
部の支持部205a,205bから成り、同図(b)に
示すように梁204の一端には三角錐状のEOプローブ
20が取り付けられ、反対面の他端にはカウンタウェイ
トとしてのバランサ206が取り付けられている。ウエ
ハと接触したときはEOプローブが押し上げられ、支持
部205a,205bを回転中心として天秤が傾く。
お、図5に示すようにEOプローブの底面に蓋状のプロ
テクター207を取り付け、天秤の過大な傾きを防止す
るようにしてもよい。
【0025】このような天秤機構は、図6に示すように
梁部204の支持部からEOプローブのEO結晶までの
長さをL1 (=1.25mm)、幅をB1 (=1.00
mm)、支持部205a,205bの長さをL2 、幅を
2 、天秤の微小変位をδとすると、第1表に示すよう
な特性となる。 ただし、δ=0.05μmは、本発明の接触検知における分解能
【0026】第1表に示すような寸法の天秤にすれば、
固有振動数が高く(すなわち外部振動の影響を受けにく
い)、低接触圧の接触検知センサを作製することができ
る。なお、このEOプローブは水晶基板を用いているた
め、レーザ光の入力光に対して反射光の旋光性の影響を
除去できる。
【0027】また、天秤構造の部分はマイクロ加工技
術、例えばエッチング、により作製するのが望ましい。
基板201の材料は水晶の他、シリコンでもよい。水晶
を使用する場合、z方向にZ軸、y方向にX軸、x方向
にY軸を選択するようにすれば精密な加工ができる。シ
リコンを使用する場合は、z方向に<100>軸、y方向
に<110>軸を選択することで水晶同様精密な加工が可
能である。このようなマイクロ加工技術を用いれば、形
状の制約を受けず、希望する寸法の形状を容易に製作す
ることができ、また結晶方向を上記のように選択するこ
とにより寸法精度が高く、加工性の良い天秤構造部分を
作製することができる。
【0028】また、基板201全体を電気光学効果のあ
るGaAs,LiNb2O3,LiTa2O3などの単結晶とし、天秤構造
部分を製作してもよい。この場合にはEO素子を天秤構
造部分に貼りつけたりする手間が省け、感度の高いセン
サを製作することができる。
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ウ
エハとEOプローブ先端部の間隔を高精度に保つため
に、ウエハ表面にEOプローブを接触させるが、その際
ウエハに大きな力を加えることなく接触を高感度に検知
することができる。またEOプローブ部がかりに外部振
動によりウエハ面に接触したとしても、その固有振動数
が高く、慣性が小さく設計できることから、ウエハとE
Oプローブ間に加わる力は梁部や回転梁部のねじり剛性
のみであり、小さな接触圧となる。そのため、EOプロ
ーブ部の接触による摩耗などによる損傷は小さく、信頼
性の高い電圧測定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電圧測定装置の一実施例を示す構
成図
【図2】接触を検出する回路の一例を示す構成図
【図3】接触位置検出に係る部分の簡略図
【図4】EOプローブ部の他の実施例図
【図5】EOプローブ部の更に他の実施例図
【図6】天秤機構の寸法図
【図7】従来の電圧測定装置の一例を示す構成図
【図8】EOプローブ部の構成図である。
【符号の説明】
10 筒 11 対物レンズ 20 EOプローブ 21 下面 22 梁 30 ウエハ 41 ウェッジ板 42 プリズム 43 ビームスプリッタ 44 偏光ビームスプリッタ 50 4分割フォトダイオード 51a〜51d 電流・電圧変換器 52a〜52d 加算器 53a〜53b 減算器 61,62 フォトダイオード 63,64 積分器 65 減算器 201 水晶基板 202,203 切り込み部 205a,205b 支持部 206 バランサ 207 プロテクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 清明 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横 河電機株式会社内 (72)発明者 鈴木 満弘 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横 河電機株式会社内 (72)発明者 林 尚典 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横 河電機株式会社内 審査官 関根 洋之 (56)参考文献 特開 平7−35827(JP,A) 特開 平5−72299(JP,A) 特開 平4−350568(JP,A) 特開 平6−102318(JP,A) 実開 平7−3136(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 19/00 - 19/32 G01R 15/24 G01R 31/28 - 31/3193 H01L 21/66

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気光学効果を有するEOプローブを用
    い、このEOプローブでの反射光を受光し偏光面の回転
    角度を検出する手段を備え、前記回転角度から集積回路
    等の内部波形を非接触で測定する電圧測定装置におい
    て、一部に天秤構造の板ばねが形成され、この板ばねの前記
    集積回路表面と対向する面の一端には前記EOプローブ
    が取り付けられると共に反対面の他端にはバランサが取
    り付けられた水晶またはシリコンの基板と、 前記EOプローブの反射面で反射した光のスポットを受
    けEOプローブの反射面の変位に応じた信号を得ること
    のできる分割フォトダイオードを備え、この分割フォト
    ダイオードの出力からEOプローブの集積回路表面への
    接触を検知できる接触位置検知手段を具備したことを特
    徴とする電圧測定装置。
  2. 【請求項2】前記偏光面の回転角度を検出するための光
    源と前記集積回路表面への接触を検知するための光源を
    同一光源としたことを特徴とする請求項1記載の電圧測
    定装置。
  3. 【請求項3】前記偏光面の回転角度を検出する手段への
    入射光の一部を前記接触位置検知手段へ入射するように
    したことを特徴とする請求項1記載の電圧測定装置。
  4. 【請求項4】前記分割フォトダイオードは、受光面が2
    分割フォトダイオードあるいは4分割フォトダイオード
    から成ることを特徴とする請求項1記載の電圧測定装
    置。
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