JP3124961B2 - 光ディスク及びその再生方法 - Google Patents

光ディスク及びその再生方法

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JP3124961B2
JP3124961B2 JP10309289A JP30928998A JP3124961B2 JP 3124961 B2 JP3124961 B2 JP 3124961B2 JP 10309289 A JP10309289 A JP 10309289A JP 30928998 A JP30928998 A JP 30928998A JP 3124961 B2 JP3124961 B2 JP 3124961B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凹凸のピット列に
より予めアドレス情報が記録された光磁気ディスク等の
光ディスク及びその再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスクは、書き換えが可能な光
ディスクとして研究開発が進められ、その一部は既に、
コンピューター用の外部メモリとして実用化がなされて
いる。
【0003】光磁気ディスクは、記録媒体として垂直磁
化膜を用い、光を用いて記録再生を行うため、面内磁化
膜を用いたフロッピーディスクあるいはハードディスク
に比べて、記録容量が大きいことが特徴である。
【0004】光磁気ディスクには図8に示すように、グ
ルーブ51…が設けられており、光スポット55をグル
ーブ51・51間のランド52に正確に追従させること
ができるようになっている。ランド52上には、アドレ
ス情報が凹凸のピット53…によって記録されており、
光スポット55が走査しているトラックのアドレス情報
を求めることができるようになっている。
【0005】情報の記録再生は、ランド52…に一致す
るトラックに対して行われる。トッラクピッチは光スポ
ット55の直径程度に設定されており、光スポット55
の直径は、レーザー光の波長と、レーザー光を光スポッ
ト52に収斂する対物レンズの開口数とによって決まっ
ている。レーザー光波長は、通常780〜830nmで
あり、対物レンズの開口数は0.45〜0.6である。
したがって、光スポット52の直径は1.2〜1.4μ
mとなり、トラックピッチは1.4〜1.6μmに設定
されている。このため、磁化が上向き、または、下向き
の記録トメイン54…の大きさは、最小0.8μm程度
となる。
【0006】また、図9に示すように、フラットなミラ
ー部62…を有する光磁気ディスクも知られている。ミ
ラー部62…には、グルーブ61…は形成されず、凹凸
のピット63…が形成されている。光スポット55はグ
ルーブ61上をトラッキングするようになっており、光
スポット55が走査しているトラックのアドレス情報は
ピット63…から再生される。この光磁気ディスクにお
いても、グルーブ1上の記録ドメイン64…の大きさ
は、最小0.8μm程度となる。
【0007】近年、この光磁気ディスクの内、記録膜の
磁性層を多層化し、磁気的超解像により、光スポット5
5のサイズよりもはるかに小さな記録ビットを再生でき
るようにして、記録密度を向上させる方式が提案されて
いる。(例えば、特開平5−81717号公報及び日本
応用磁気学会誌、vol.15,No.5,1991p
p.838−845(ソニー超解像光磁気ディスク))
これらによれば、上記のほぼ1/2の大きさの記録ビッ
トを再生できるため、トラックピッチを上記のほぼ1/
2の0.8μm程度にすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、トラックピッチを1/2にすると、隣り
合うトラックのピット53とピット53の距離が1/2
になるので、クロストークが生じて正確なアドレス情報
が得られないという問題点を有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の光ディ
スクは、アドレス情報を記録する複数のピット列を有
し、グルーブとランドの双方を記録トラックとする光デ
ィスクにおいて、グルーブの途切れにより形成されたフ
ラットなミラー部を有しており、前記ピット列が、互い
に隣接する記録トラックに跨って、且つ、前記ミラー部
に形成されており、各ピット列は、半径方向に隣接する
ピット列とトラック長手方向にずれて形成されているこ
とを特徴とする
【0010】請求項2に記載の光ディスクは、請求項1
に記載の光ディスクにおいて、前記ピット列は、その幅
方向の中心位置が、前記グルーブ及びランドの中心位置
より半径方向にずれて形成されていることを特徴とす
る。
【0011】請求項3に記載の光ディスクは、アドレス
情報を記録する複数のピット列を有し、グルーブとラン
ドの双方を記録トラックとする光ディスクにおいて、グ
ルーブの途切れにより形成されたフラットなミラー部を
有しており、前記ピット列は、その幅方向の中心位置が
前記グルーブ及びランドの中心位置より半径方向にずれ
ており、且つ、前記ミラー部に形成されており、各ピッ
ト列を構成するピットの半径方向の幅は、前記記録トラ
ックのトラックピッチよりも狭いことを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の光ディスクの再生方法
は、請求項1乃至請求項3に記載の光ディスクの再生方
法であって、同一のピット列からの信号を利用して、隣
接するグルーブ、ランドの記録トラックのアドレス情報
を得ることを特徴とする。
【0013】以上のような構成の光ディスク及びその再
生方法によれば、アドレス信号を大きくでき、正確なア
ドレス情報を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について図1ない
し図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0015】(第1実施例)本発明の第1実施例の光磁
気ディスクには、図1に示すようにスパイラル状または
同心円状のグルーブ1が設けられている。グルーブ1は
円周方向に複数個(例えば32個)設けられたセクタ毎
に途切れており、この途切れた部分がフラットなミラー
部3になっている。グルーブ1の幅及びグルーブ1・1
間のランド2の幅は、互いにほぼ等しくなるように設定
されている。
【0016】ミラー部3は、隣り合うグルーブでは図に
示す如く、円周方向にずれて形成されている。説明の
為、図ではグルーブにG1〜G4なる番号をつけ、ラン
ドにはL1〜L3なる番号をつけた。グルーブG1,G
3のミラー部を3a,ミラー部3aに設けられたアドレ
ス情報を記録した凹凸状のピットを4a(第1の凹凸の
ピット列)とし、グルーブG2,G4のミラー部を3
b、ミラー部3bに設けられたアドレス情報を記録した
凹凸状のピットを4b(第2の凹凸のピット列)とす
る。
【0017】上記の構成において、情報の記録は、グル
ーブ1上のトラック及びランド2上のトラックに対して
行われる。光スポット6をグルーブ1上のトラックを追
従させるか、ランド2上のトラックを追従させるかは、
トラッキング信号の極性を反転することで容易に選択で
きる。トラッキング信号は例えばプッシュプル法によっ
て得られる。
【0018】光スポット6がグルーブ1上のトラックを
走査しているとき、アドレス情報はピット4aまたは4
bから得られる。このとき本実施例では第1のピット列
4aと第2のピット列4bを円周方向にずらして配置し
たので、光スポット6が4aと4bに同時に照射される
ことは無く、クロストークがなく正確なアドレス情報が
得られる。
【0019】ここで、本発明のアドレス情報再生方法
は、上記実施例の構成において、光スポット6がランド
2上のトラックを走査しているときは、アドレス情報は
ピット4aまたは4bのクロストークにより得るという
ものである。この場合も第1のピット列4aと第2のピ
ット列4bを円周方向にずらして配置した為、光スポッ
ト6が4aと4bに同時に照射されることは無く、正確
なアドレス情報が得られる。
【0020】本発明のアドレス情報再生方法は、例えば
上記の実施例において説明すれば、光スポット6がラン
ド2上のトラックを走査しているときはアドレス情報を
ピット4aまたは4bのクロストークにより得るもので
あるが故に、アドレスピット4a,4bの形状、とりわ
けその幅(図1における上下方向の幅、即ちディスク半
径方向の幅)をどの程度の大きさにするかが非常に重要
である。つまり、光スポット6がグルーブ1上を走査し
ている場合にピット4a,4bから得られるアドレス信
号と、光スポット6がランド2上を走査している場合に
ピット4a,4bからのクロストークで得られるアドレ
ス信号の品質の双方を満足させる形状(幅)である必要
がある。ランド2上を光スポット6が走査しておりクロ
ストークによりアドレス信号を得る場合には、ビットの
幅が大きいほうが有利であるが、グルーブ1上を光スポ
ット6が走査する場合には、ビットの幅が大きすぎると
逆にアドレス信号は小さくなってしまう。
【0021】本実施例に好適なピット形状(幅)につい
て以下に説明する。
【0022】図2は、ピット形状とピットによる回折強
度を計算で求めた結果を示すグラフである。図2中の挿
入図にあるようにピットを直径Pの円形状と仮定し、ピ
ット中心と光スポット中心の距離をxとした場合のピッ
トからの反射光強度を計算した。ここで、ピットによる
回折強度計算は、文献(藤井義和他;光磁気ディスクの
グルーブ特性、シャープ技報第33号、1985pp.
27−34)の手法に則って行った。ピット深さは13
0nmとし、再生光の波長は780nm、集光用対物レ
ンズのN.A.は0.55として計算を行った。
【0023】同図において、例えばグルーブとランドの
トラックピッチを0.8μmとした場合には、横軸の0
の位置での強度がピット上に光スポットがある場合に相
当し、横軸の0.8μmでの強度がクロストークにより
ピットから得られる強度に相当する。良好なアドレス信
号は、ピットが無い部分とピットがある部分から得られ
る反射光強度の差が0.2以上あれば良いので、図2で
言えば強度0.8以下の領域であれば良好なアドレス信
号が得られることになる。
【0024】図から、例えばピットが0.5μmの時は
クロストークにより得られる信号が不十分であり、ピッ
トが1.7μmの場合はピット上に光スポットがある場
合に得られる信号が不十分であることがわかる。計算結
果から、トラックピッチが0.8μmである場合、好適
なピットは0.8μmから1.6μmであることがわか
る。
【0025】尚、上記の説明はトラックピッチが0.8
μmである場合に適したピット形状を説明するものであ
るが、より一般的に解釈すれば、トラックピッチをT
(本発明ではこれがグルーブ1及びランド2の幅に相当
する)、ピット幅をPwとした場合に、T≦Pw≦2T
であれば良い(すなわち、凹凸ピット列はグルーブ、ラ
ンドの記録トラックに跨がって形成しておくのが望まし
い)。これは、光スポットの大きさが使用するレーザ波
長が短くなったことにより小さくなった場合において
も、光スポットの大きさに応じてトラックピッチも小さ
くできる理由による。
【0026】光磁気記録媒体として、例えば特開平5−
81717号公報に開示されているような磁気的超解像
記録媒体を用いた場合は、記録ビット5の大きさを0.
4μm程度と小さくできることに加えて、隣接トラック
からの記録ビット再生時のクロストークが相当少なくな
り、トラックの幅(上記実施例においてはグルーブ1及
びランド2の幅)を0.8μm以下にしても容易に記録
再生が行えるので、本発明には特に適している。
【0027】上記の光磁気記録媒体を本実施例に適用す
れば、トラックピッチを従来の1.6μmから半分の
0.8μmにできるので記録密度を大幅に向上させるこ
とがきる。しかも正確なアドレス情報を得ることができ
る。
【0028】また、記録再生に用いるレーザ光の波長を
短くすれば、トラックピッチをさらに小さくできる。例
えば、レーザ光の波長を830nmから458nmにす
れば、更に1/2のトラックピッチとすることができ、
記録密度がより高くなる。
【0029】(参考例(第2実施例)本発明の前提となる参考例(第2の実施例) について図
3に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明
の便宜上、前記の実施例の図面に示した部材と同一の機
能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を
省略する。
【0030】本発明の光磁気ディスクは、前記実施例と
は異なり、ランド2上にアドレス情報を記録した凹凸状
のピット4a,4bが形成されている。4a,4bが設
けられる範囲は図3中点線で挟まれた3’a,3’bで
ある。
【0031】ランド2上のアドレスピット4a,4b
は、隣り合うランドでは円周方向にずれて形成されてい
る。
【0032】これにより先の説明と同じく、光スポット
6が4aと4bに同時に照射されることは無く、クロス
トークがなく正確なアドレス情報が得られる。
【0033】(第3実施例)本発明の第3の実施例につ
いて図4に基づいて説明すれば以下の通りである。な
お、説明の便宜上、前記の実施例の図面に示した部材と
同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、そ
の説明を省略する。
【0034】本実施例の光磁気ディスクは、グルーブ1
にアドレスピットが設けられた例であって、アドレスピ
ット4a,4bの形成される位置が第1の実施例(図
1)及び第3の実施例(図3)におけるアドレスピット
4a及び4bの形成位置とは異なっている。即ち、アド
レスピット4a、4bの幅(ディスク半径方向)方向中
心位置が、グルーブ1の中心線(図中一点鎖線で示す)
上ではなく、ずれている点が異なっている。図4では一
例として下側(ディスク外周側)にずれた場合を示して
いる。これとは逆に上側(ディスク内周側)にずれてい
ても良い。
【0035】これにより、クロストークにより得られる
アドレス信号が大きくなり、より正確なアドレス情報を
得ることができる。また、光スポット6がランド2上の
トラックを走査しているときは、図において上側のグル
ーブ1のアドレスピットからのクロストークにより得ら
れるアドレス信号が、下側のグルーブ1のアドレスピッ
トからのクロストークにより得られるアドレス信号より
も大きくなる。前記第1、第2の実施例においては、ほ
ぼ同程度の大きさのアドレス信号が得られるため、これ
らのいずれの信号をもとにアドレス管理を行うかを選択
処理する必要がある。これに比べ、本実施例のものであ
ればクロストークが大きいほうのアドレス信号をアドレ
ス情報とすれば良く、一意に走査中のアドレスを知るこ
とができる。
【0036】本発明におけるピット形成位置、即ち図4
におけるグルーブ1の中心とピット幅方向中心とのずれ
量は、先に示した図2の計算結果により、好適な値が見
て取れる。
【0037】図4の構成において、トラックピッチが
0.8μmであれば,例えば上記ずれ量を0.2μmと
した場合は、図2において横軸の0.2μmの位置での
強度がグルーブ上に光スポットがある場合に相当し、横
軸の0.6μmでの強度がクロストークによりピットか
ら得られる強度に相当する。これと強度が0.8以下で
あることを考慮すれば、0.5〜1.7μm程度のピッ
ト幅のピットを形成すれば良い(すなわち、凹凸のピッ
ト列はグルーブとランドのトラックに跨がって形成して
おくことが望ましい)。
【0038】言い換えると、0.2μmグルーブ中心か
らずらしてピットを形成すれば、わずか0.5μmの大
きさのピットでも十分なクロストーク量がランド走査時
に得られることがわかり、わずかなずれでもその効果が
大きいことがわかる。なお、この場合、ピット幅が0.
5μmでその中心がグルーブ中心から0.2μmである
から、ピットはグルーブ中心から−0.5μm〜0.4
5μmの範囲に存在することになる。すなわち、ピット
はグルーブ,ランドの記録トラックに跨がって形成され
ることになる。
【0039】尚、第1実施例に対する第2実施例のよう
に、上記第3実施例におけるアドレスピット4a,4b
をランド2上に設けた場合も実施例として存在するが、
図示及び説明は省略する。
【0040】(製造方法)上記の第1乃至第3の実施例
で示した光磁気ディスクのマスタリング・プロセスにつ
いて図10に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0041】まず、石英ガラスの基板7の片面にフォト
レジスト8を塗布する(同図(a))。それから、レー
ザー光をフォトレジスト8上に収斂し、フォトレジスト
8を所望のグルーブ1…およびピット4a…,4b…の
パターンに感光させる。それを現像して、不要なフォト
レジスト5を除去すると、所望のパターンを有するフォ
トレジスト8a…が基板4上に残る(同図(b))。
【0042】次に、フォトレジスト8a…をマスクとし
て、基板7をドレイエッチングする(同図(c))。エ
ッチングガスには例えばCF4が使用される。エッチン
グ後、フォトレジスト8a…を除去し(同図(d))、
Niからなる金属層9を電鋳で形成する(同図
(e))。これを剥離すると、金属層9からなるスタン
パーが得られる(同図(f))。
【0043】このスタンパーを用いてポリカーボネート
等のプラスチックを成形することにより、所望のグルー
ブ1…及びピット4a…、4b…を有する光磁気ディス
ク用の基板が製造される。この基板上に記録媒体を形成
すると、上記の光磁気ディスクが得られる。
【0044】また、フォトレジスト8にレーザ光により
所望のグルーブ1及びピット4a,4bのパターンを感
光させて後、例えば特公平4−2939に記載のように
フォトマスクを製造し、これから密着露光法によりガラ
ス基板にグルーブ1、ピット4a,4bをドライエッチ
ング法により直接形成して光磁気ディスクを製造する方
法もある。
【0045】いずれにしろ、グルーブ1及びピット4
a,4bはフォトレジストを例えばアルゴンレーザ光に
よって感光させるところから形成がはじまる。アルゴン
レーザ光にてフォトレジストヲ感光させる装置を通常カ
ッティング装置と呼ぶが、更に1つのアルゴンレーザ集
光ビームでグルーブ1とピット4a.4bの双方を形成
する方法を1ビームカッティング法、2つのビームを用
いるものを2ビーム法というように用いられるビームの
数により呼ばれる。
【0046】例えば、第1実施例における図1のように
グルーブ1にグルーブ1の幅よりも大きな幅のピットを
形成する場合には、1ビーム法であればグルーブ1を感
光させる場合よりも高いレーザパワーでピット4a,4
bを形成すれば良い。また、2ビーム法であれば、一方
をグルーブ1形成用に、もう一方をピット4a,4b形
成用とし、ピット形成用ビームの法の対物レンズのN.
A.を小さくしておき、集光スポットの大きさがグルー
ブ形成用ビームのそれより大きくなるようにしておいて
も良い。
【0047】第2実施例の場合は、2ビーム法を用い、
一方のビームでグルーブ1を、もう一方のビームでピッ
ト4a,4bを形成すれば良い。以下、他の実施例にお
いても同様の製造方法が適用される。
【0048】尚、上記実施例を示す図1、図3、図4で
は、簡単のためピット4a,4bは円形状に図示した
が、実際のアドレスピットはほぼ円形に近いものもある
が、図5に示すような長円状のものもある。本発明にお
いては、その円周方向の長さではなく、半径方向の幅が
発明の主眼にあるため、計算も含めてその形状を円形状
として示したにすぎない。
【0049】ピットの幅が重要であることは先に説明し
た通りであるので、本発明におけるビット形状は図6に
示すようなものでも良い。即ち、円状ではなく、図6
(a)のような幅方向に偏平な形状であっても良い。図
6(a)はより詳しく書けば図6(b)のように小さな
ピットが幅方向に一部が重なって2つ並んだように形成
されている。先のピット形状についての説明により、例
えば0.5μm直径の小さなピットでもグルーブ中心か
らわずかにずらして形成しただけでも十分なクロストー
ク信号が得られることから、図6(b)のような形状で
あっても良いことは明らかである。この形状であれば非
常に周期の短い(即ち、アドレス信号の中でも周波数の
高い信号に相当する)アドレス信号であっても有効で
る。
【0050】図6(b)のようなピットの形成は、2ビ
ーム若しくは3ビームカッティング法を用いることによ
り容易に形成できる。2ビーム法を用いた場合の形成方
法を図7を用いて説明する。
【0051】非常に小さなスポットに絞り込んだ2本の
ビーム6a,6bを、一部が重なり合うように配置し、
この重なりの程度をグルーブ1部とピット部とで変える
ことによりフォトレジストを感光させれば良い。また、
ピット部でのレーザパワーをグルーブ1形成時のパワー
より上げることで感光する領域を広げても良い。3ビー
ム法であれば、グルーブ1を一つのビームで、ピットを
2ビームで形成すれば良い。
【0052】以上の実施例では、光磁気ディスクについ
て説明したが、アドレス情報を記録した凹凸のピットを
有する光ディスクに本発明を広く応用できる。
【0053】
【発明の効果】以上のような構成の光ディスク及びその
再生方法によれば、グルーブ,ランドの双方を記録トラ
ックとする光ディスクにおいて、アドレス情報のクロス
トークを抑制した上で、アドレス信号を大きくでき、正
確なアドレス情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の光磁気ディスクの概略
の構成を示す説明図である。
【図2】本発明のピット形状を説明するために用いる計
算結果を示すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施例の光磁気ディスクの概略
の構成を示す説明図である。
【図4】本発明の第3の実施例の光磁気ディスクの概略
の構成を示す説明図である。
【図5】ピット形状を説明するための説明図である。
【図6】本発明のピット形状を説明するために用いる説
明図である。
【図7】本発明のピットの形成方法を説明するための説
明図である。
【図8】従来の光磁気ディスクの概略の構成を示す説明
図である。
【図9】従来の他の光磁気ディスクの概略の構成を示す
説明図である。
【図10】光磁気ディスクのマスタリング・プロセスを
説明する図である。
【符号の説明】
1 グルーブ 2 ランド 3 ミラー部(グルーブの途切れた部分) 4 アドレスピット 5 記録ビット 6 光スポット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G11B 11/105 521 G11B 11/105 521J (56)参考文献 特開 平4−195939(JP,A) 特開 昭61−220135(JP,A) 特開 昭61−63930(JP,A) 特開 平6−111480(JP,A) 特開 平6−176404(JP,A) 特開 平7−29185(JP,A) 特開 平7−29186(JP,A) 特開 平7−50014(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24 G11B 7/007 G11B 11/105

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アドレス情報を記録する複数のピット列
    を有し、グルーブとランドの双方を記録トラックとする
    光ディスクにおいて、 グルーブの途切れにより形成されたフラットなミラー部
    を有しており、 前記ピット列が、互いに隣接する記録トラックに跨っ
    て、且つ、前記ミラー部に形成されており、 各ピット列は、半径方向に隣接するピット列とトラック
    長手方向にずれて形成されていることを特徴とする光デ
    ィスク
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光ディスクにおいて、 前記ピット列は、その幅方向の中心位置が、前記グルー
    ブ及びランドの中心位置より半径方向にずれて形成され
    ていることを特徴とする光ディスク
  3. 【請求項3】 アドレス情報を記録する複数のピット列
    を有し、グルーブとランドの双方を記録トラックとする
    光ディスクにおいて、 グルーブの途切れにより形成されたフラットなミラー部
    を有しており、 前記ピット列は、その幅方向の中心位置が前記グルーブ
    及びランドの中心位置より半径方向にずれており、且
    つ、前記ミラー部に形成されており、 各ピット列を構成するピットの半径方向の幅は、前記記
    録トラックのトラックピッチよりも狭いことを特徴とす
    る光ディスク
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3に記載の光ディス
    クの再生方法であって、 同一のピット列からの信号を利用して、隣接するグルー
    ブ、ランドの記録トラックのアドレス情報を得ることを
    特徴とする再生方法
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