JP2577058B2 - 光メモリ素子用基板およびその製造方法 - Google Patents

光メモリ素子用基板およびその製造方法

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JP2577058B2 JP63194164A JP19416488A JP2577058B2 JP 2577058 B2 JP2577058 B2 JP 2577058B2 JP 63194164 A JP63194164 A JP 63194164A JP 19416488 A JP19416488 A JP 19416488A JP 2577058 B2 JP2577058 B2 JP 2577058B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レーザ光等の光により情報の記録、再生お
よび消去を行う光メモリ素子に用いられる光メモリ素子
用基板およびその製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、光メモリ素子は、高密度大容量メモリ素子とし
て注目されている。このような光メモリ素子は、その機
能形態により再生専用メモリと、追加記録可能メモリ
と、書き換え可能メモリとの3種類に大別される。
これら、光メモリ素子のうち、追加記録可能メモリお
よび書き換え可能メモリとして用いられる光メモリ素子
は、情報の記録、再生および消去を行うための光ビーム
を光メモリ素子の所定の位置に案内する必要がある。こ
のため、通常は、ガラスまたはプラスチックからなる基
板に、ガイドトラックと、そのガイドトラックが何番目
のトラックかを識別するためのトラック番地を有してい
る。また、同一トラックの中を複数のセクターに分け
て、情報を管理する場合には、あらかじめセクター番地
が設けられている。
基板にガイドトラックを形成した構造例としては、例
えば、第4図に示すように、基板21の表面上に互いに平
行に配列され、ガイドトラックとなる複数の案内溝22…
が、案内溝22…同士の間に隆起したランド23…と交互に
配列されたものが知られている。このような案内溝22…
の形成された光メモリ素子用基板においては、トラック
番地やセクター番地等などあらかじめ基板21上に備えら
れるべき情報は、基板21上の案内溝22…およびランド23
…が形成されていない平坦な領域に複数のピット24…か
らなるピット列を形成することにより、情報の記録およ
び再生等がなされている。
そして、上記のような案内溝22…、ランド23…、およ
びピット24…が形成された基板21上に、真空蒸着、スパ
ッタリング、スピンコート等の方法により記録媒体を形
成し、また、必要に応じて保護用基板等を積層したり、
ハードコート剤等を塗布するなどして光メモリ素子が得
られる。
ところで、情報は、レーザ光等の光により案内溝22…
上に記録されるので、案内溝22…の形状は、光ビームの
スポットを所定のトラック上に留めておくために必要な
トラックサーボ信号特性に大きな影響を与える。通常、
良質なトラックサーボ信号特性を得るために基板21上に
形成される案内溝22…の深さは、λを光の波長とし、n
を基板21の屈折率とすると、λ/8n付近になるように形
成される。一方、ピット24…は、光ビームのピット24…
における回折現象を利用してトラック番地、セクター番
地等の情報が読み取られるように、深さがλ/4n付近に
設定されている。
また、上記のように深さが異なる案内溝22…とピット
24…とが形成された光メモリ素子用基板は、第4図に示
すように、基板21の最上面と、案内溝22…同士の間に隆
起したランド23…の表面とが同一平面となるように構成
されたものが提案されている。
このような基板21の作製工程を説明すると、まず、第
5図(a)に示すように、ガラス製またはプラスチック
製の基板25の表面上にピット24…の深さに相当する厚さ
に塗布されたレジスト膜26にレーザ光27を照射し、レジ
スト膜26に案内溝22…およびピット24…にそれぞれ対応
する案内溝部26a…およびピット部26b…からなるレジス
トパターンを形成する。このとき、案内溝部26a…を形
成するレーザ光27のパワーをピット部26b…を形成する
レーザ光27のパワーのパワーより小さくすることによ
り、第5図(b)に示すように、レジスト膜26に互いに
深さの異なる案内溝部26a…とピット部26b…とが形成さ
れ、第4図に示すような基板21と同様の形状をなす原盤
28が得られる。原盤28におけるピット部26b…は、レジ
スト膜26が全て除去された状態で底面に基板25の表面が
現れている。一方、案内溝部26aは、原盤28の最上面を
基準にピット部26b…よりも浅く形成されるので、その
底面はレジスト膜26となる。そして、第5図(c)に示
すように、原盤28上にNi等の金属膜をスパッタ、蒸着、
電鋳等の手法により形成して、第5図(d)に示すスタ
ンパー29が作製される。このスタンパー29を用いてイン
ジェクション法等によりプラスチック製の第4図に示す
光メモリ素子用基板が得られる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、一般に、上記のような光メモリ素子用基板
は上述した手順により作製されるため、作製の過程にお
いて第5図(b)に示すように、レジスト膜26に形成さ
れた案内溝部26a…がピット部26b…より浅くなり、その
底面がピット部26b…のように基板25の表面とならずレ
ジスト膜26となる。基板25の表面は、ガラス製やプラス
チック製であるから滑らかであるが、レジスト膜26は、
レーザ光27の照射等によって凹凸が生じている。このた
め、スタンパー29における案内溝22…の底面に相当する
部分に凹凸が転写されて、このスタンパー29を用いて作
製される光メモリ素子用基板においても案内溝22…の底
面に凹凸が転写されてしまう。
したがって、このような光メモリ素子用基板の案内溝
22…にレーザ光27によって書き込まれた情報を再生した
場合、案内溝22…の底面が有する凹凸のために再生信号
にノイズが生じてしまい、良質な再生信号を得ることが
困難になるという問題点を有していた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る光メモリ素子用基板は、上記の課題を解
決するために、平坦面に複数のピット列が凹状に形成さ
れてなる第1領域と、光ビームを導くためのガイドトラ
ックとなる複数の案内溝と、案内溝同士の間に隆起する
ランドとが交互に形成されてなり、第1領域と分離して
設けられる第2領域とを有する光メモリ素子用基板にお
いて、案内溝およびピットは、その底面が同一平面上に
なるように形成され、かつ、ランドは、その上面が第1
領域の平坦面より低く形成されていることを特徴として
いる。
上記光メモリ素子用基板を製造する製造方法は、スタ
ンパー作製用基板上にレジスト膜を塗布する工程と、レ
ジスト膜上の、上記案内溝、上記ランド、上記ピットに
対応する部分にレーザ光を照射してその各部分を感光す
る工程と、感光後のレジスト膜を現像することにより、
スタンパー作製用基板の表面を露出させるように上記案
内溝および上記ピットに対応する部分のレジスト膜を完
全に除去するとともに、上記ランドの高さと同じ高さで
レジスト膜が残るように上記ランドに対応する部分のレ
ジスト膜を一部除去する工程と、レジスト膜が除去され
たスタンパー作製用基板を原盤としてスタンパーを作製
する工程と、スタンパーを用いて基板材料を成形する工
程とを含むことを特徴としている。
〔作 用〕
光メモリ素子においては、上述のように、案内溝の底
面が有する凹凸が、再生信号に悪影響を及ぼす。そこ
で、上記の構成により、案内溝をその底面がピットの底
面とを同一平面上になるように形成すれば、案内溝の底
面に作製の過程においてレジスト膜の凹凸を転写される
ことはない。また、これによって案内溝は深くなるが、
ランドをその上面が第1領域の平坦面より低い位置にな
るように設けることにより、案内溝を所定の深さに保つ
ことができる。したがって、ノイズのない良好な再生信
号を得ることができ、このような光メモリ素子基板を用
いれば、品質の高い光メモリ素子を得ることができる。
また、上記の製造方法においては、レジスト膜を除去
する工程により、案内溝およびピットに対応する部分は
スタンパー作製用基板の表面が露出する一方、ランドに
対応する部分はランドの高さと同じ高さでレジスト膜が
残る。したがって、スタンパー作製用基板の表面をスタ
ンパーを介して案内溝およびピットの底面に対応させる
ことができ、上記の光メモリ素子用基板を容易に製造す
ることができる。
〔実施例〕
本発明の一実施例を第1図ないし第3図に基づいて説
明すれば、以下の通りである。
第1図に示すように、ガラスまたはプラスチック等の
材質からなる基板1の表面には、複数の案内溝2…と、
複数の案内溝2…同士の間に隆起しているランド3…と
が交互に配列され、また、基板1の表面における案内溝
2…およびランド3…が設けられていない平坦な領域に
複数のピット4…がピット列として形成されている。こ
れら案内溝2…およびピット4…の底面は、基板1の最
上面から等距離、すなわち同一平面上にある。
また、案内溝2…の深さd1およびピット4…の深さd2
は、良質なトラックサーボ信号特性やトラック番地、セ
クター番地等の情報を得るために互いに異ならせる必要
があり、λを光の波長、nを基板1の屈折率とすると、
通常、d1はおよそλ/8n、d2はλ/8n〜λ/4n程度にな
る。このため、ランド3…を基板1の最上面より低くな
るように形成して、案内溝2…およびピット4…の底面
が同一平面上にあっても、案内溝2…の深さとピット4
…の深さとが異なるようになっている。
このような基板1の作製工程を説明すると、まず、第
2図(a)に示すように、スタンパー作製用基板となる
ガラス製またはプラスチック製の基板5にピット4…の
深さに相当する厚さにレジスト膜6を塗布し、レーザ光
7を照射することにより感光させたのち現像を施すと、
第2図(b)に示すように、レジスト膜6において案内
溝2…、ランド3…およびピット4…にそれぞれ対応す
る案内溝部6a…、ランド部6cおよびピット部6bからなる
レジストパターンの形成された原盤8が得られる。
第3図に示すように、レジストパターンにおける案内
溝部6a…は、基板5を回転させながらランド3…となる
領域を挟むように2つのレーザ光9・10がレジスト膜6
上に集光されてスポット9a・10aとなり、レジスト膜6
を感光した後、現像を施すことにより形成される。基板
5は、1回転を終了するとスポット9a・10aがスポット9
b・10bの位置になるようにレーザ光9・10を移動する。
このように、案内溝部6a…は、基板5が1回転を終了す
るごとにレーザ光9・10を順次移動させることによりス
パイラル状に形成される。このような案内溝部6a…は、
レジスト膜6に照射されるレーザ光9・10の強度と現像
の時間とを制御することによりランド3…に対応するラ
ンド部6c…の高さ、すなわち案内溝部6a…の深さが所定
の値に設定される。また、レジストパターンにおけるピ
ット部6b…は、レーザ光11がレジスト膜6に集光するス
ポット11aによりレジスト膜6を感光し形成されるとと
もに、レーザ光11の強度を制御することにより所定の深
さを得ることができる。
そして、第2図(c)に示すように、上記原盤8上に
Ni等の金属膜をスパッタ、蒸着、電鋳等の手法により形
成して第2図(d)に示すスタンパー12が作製され、こ
のスタンパー12を用いてインジェクション法またはキャ
スティング法等の成形手段により第1図に示す光メモリ
素子用基板が得られる。
このように、基板1に形成された案内溝2…の底面
は、第2図(b)に示す工程においてピット部6b…の底
面と同様に基板5のレジスト膜6の塗布面となってお
り、凹凸を生じることはない。なお、基板1に形成され
る案内溝2…の形状は問うものでなく、本実施例に示し
たスパイラル状以外にも、同心円状等が考えられる。
〔発明の効果〕
本発明に係る光メモリ素子用基板は、以上のように、
平坦面に複数のピット列が凹状に形成されてなる第1領
域と、光ビームを導くためのガイドトラックとなる複数
の案内溝と、案内溝同士の間に隆起するランドとが交互
に形成されてなり、第1領域と分離して設けられる第2
領域とを有する光メモリ素子用基板において、案内溝お
よびピットは、その底面が同一平面上になるように形成
され、かつ、ランドは、その上面が第1領域の平坦面よ
り低く形成されている構成である。
これにより、案内溝はその底面がピットの底面とを同
一平面上になるように形成されているので、案内溝の底
面に作製の過程においてレジスト膜の凹凸を転写される
ことはない。また、ランドの上面が第1領域の平坦面よ
り低い位置に設けられているので、案内溝をピットより
浅く形成することができる。それゆえ、良好なトラック
サーボ信号特性ならびにノイズのない良好な再生信号を
得ることができるとともに、このような光メモリ素子基
板を用いることにより、品質の高い光メモリ素子を得る
ことができるという効果を奏する。
上記光メモリ素子用基板を製造する製造方法は、スタ
ンパー作製用基板上にレジスト膜を塗布する工程と、レ
ジスト膜上の、上記案内溝、上記ランド、上記ピットに
対応する部分にレーザ光を照射してその各部分を感光す
る工程と、感光後のレジスト膜を現像することにより、
スタンパー作製用基板の表面を露出させるように上記案
内溝および上記ピットに対応する部分のレジスト膜を完
全に除去するとともに、上記ランドの高さと同じ高さで
レジスト膜が残るように上記ランドに対応する部分のレ
ジスト膜を一部除去する工程と、レジスト膜が除去され
たスタンパー作製用基板を原盤としてスタンパーを作製
する工程と、スタンパーを用いて基板材料を成形する工
程とを含んでいる。
これにより、案内溝およびピットに対応する部分にス
タンパー作製用基板の表面を露出させる一方、ランドに
対応する部分にランドの高さと同じ高さでレジスト膜を
残すので、スタンパー作製用基板の表面をスタンパーを
介して案内溝およびピットの底面に対応させることがで
き、上記の光メモリ素子用基板を容易に製造することが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明の一実施例を示すものであ
って、第1図は光メモリ素子用基板の要部斜視図、第2
図は光メモリ素子用基板の作製工程の一部を示すもので
あって、第2図(a)はレジスト膜を塗布した基板にレ
ーザ光を集光する工程を示す説明図、第2図(b)は基
板上にレジストパターンを形成する工程を示す説明図、
第2図(c)はレジストパターンが形成された基板に金
属膜を形成する工程を示す説明図、第2図(d)は第2
図(a)〜(c)に示す工程によって得られたスタンパ
ーの断面図、第3図は、光メモリ素子用基板の作製工程
において基板上に塗布されたレジスト膜にレーザ光を集
光する工程を示す要部説明図である。 第4図および第5図は従来例を示すものであって、第4
図は光メモリ素子用基板の要部斜視図、第5図は光メモ
リ素子用基板の作製工程の一部を示すものであって、第
5図(a)はレジスト膜を塗布した基板にレーザ光を集
光する工程を示す説明図、第5図(b)は基板上にレジ
ストパターンを形成する工程を示す説明図、第5図
(c)はレジストパターンが形成された基板に金属膜を
形成する工程を示す説明図、第5図(d)は第5図
(a)〜(c)に示す工程によって得られたスタンパー
の断面図である。 1は基板、2は案内溝、3はランド、4はピット、5は
基板(スタンパー作製用基板)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長浦 歳一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 竹森 浩俊 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 土岐 弘隆 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−38943(JP,A) 特開 昭59−38944(JP,A) 特開 昭63−107589(JP,A) 特開 昭63−50933(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平坦面に複数のピット列が凹状に形成され
    てなる第1領域と、光ビームを導くためのガイドトラッ
    クとなる複数の案内溝と、案内溝同士の間に隆起するラ
    ンドとが交互に形成されてなり、第1領域と分離して設
    けられる第2領域とを有する光メモリ素子用基板におい
    て、 案内溝およびピットは、その底面が同一平面上になるよ
    うに形成され、かつ、ランドは、その上面が第1領域の
    平坦面より低く形成されていることを特徴とする光メモ
    リ素子用基板。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の光メモリ素子用基板を製
    造する製造方法であって、 スタンパー作製用基板上にレジスト膜を塗布する工程
    と、 レジスト膜上の、上記案内溝、上記ランド、上記ピット
    に対応する部分にレーザ光を照射して上記各部分を感光
    する工程と、 感光後のレジスト膜を現像することにより、スタンパー
    作製用基板の表面を露出させるように上記案内溝および
    上記ピットに対応する部分のレジスト膜を完全に除去す
    るとともに、上記ランドの高さと同じ高さでレジスト膜
    が残るように上記ランドに対応する部分のレジスト膜を
    一部除去する工程と、 レジスト膜が除去されたスタンパー作製用基板を原盤と
    してスタンパーを作製する工程と、 スタンパーを用いて基板材料を成形する工程とを含むこ
    とを特徴とする光メモリ素子用基板の製造方法。
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