JPH1145462A - 光ディスク製造用ディスクマスターの製造方法 - Google Patents

光ディスク製造用ディスクマスターの製造方法

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JPH1145462A
JPH1145462A JP9201857A JP20185797A JPH1145462A JP H1145462 A JPH1145462 A JP H1145462A JP 9201857 A JP9201857 A JP 9201857A JP 20185797 A JP20185797 A JP 20185797A JP H1145462 A JPH1145462 A JP H1145462A
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JP
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disk
groove
manufacturing
land
photoresist film
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JP9201857A
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Inventor
Hironori Goto
広則 後藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ランド/グルーブ構造のディスクマスターを
大量生産する。 【解決手段】 反射率の高い膜を表面とする円板上に、
高さの高い帯状領域のランド部と高さの低い帯状領域の
グルーブ部を有するランド/グルーブ型再生専用光ディ
スクを製造するためのディスクマスターの製造方法で、
ピット列の深さに相当する厚さのフォトレジスト膜を形
成し、ランド部に対してはレジスト膜を感光させるに適
する光量でピット列に対応する領域を選択的に露光し、
グルーブ部に対してはグルーブ部の深さに対応する厚さ
のフォトレジスト膜で感光させるに適する光量をグルー
ブ部全面に与え、ピット列に対応する領域に対しては上
記の光量に加えてピット列の深さに対応する厚さのレジ
スト膜を感光させるに適する光量を重畳した照射光を照
射して、レジスト膜を露光し、この露光されたフォトレ
ジスト膜を現像してエッチングマスクを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクを製造
するために使用されるディスクマスタの製造方法に関す
る。特に、円板上に渦巻き状または同心円状に相互に並
行して形成されるランド(高さが高く反射率の高い帯状
領域)とグルーブ(高さが低く反射率の高い帯状領域)
との双方に、ピット列(二進情報を化体して配列される
反射率の低い領域の列)が形成される所謂ランド/グル
ーブ型の再生専用光ディスクを製造するための原型とし
て使用される光ディスク製造用ディスクマスターの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクは、当初、再生専用のLD
(レーザディスク)、CD(コンパクトディスク)、C
D−ROM等のROMディスクとして登場し、その後、
追記型(WO型すなわちWrite Once型)が登
場し、その後、光磁気ディスク、相変化方式の光ディス
ク等の書き換え可能の光ディスクが開発された。従来の
光ディスクは、ディスク上に設けられたピット(凹部)
の有無により二進情報を代表している。その情報読み出
し原理は、光ディスクに光を照射して、反射波を検出
し、ピットとピット周辺のランド(高さの高い部分)と
の間の反射波の位相差を利用し、それらの干渉によりピ
ットの存否を判断して情報を読み出すものである。従っ
て、このような光ディスク構造を位相構造と呼ぶことが
ある。この方式の光ディスクは、まず、極めて平坦なガ
ラス円板の上にフォトレジストを塗布し、これに、短波
長レーザ、代表的にはArイオンレーザ(波長は45
7.9nmである。)を使用して、二進情報を化体する
配列になるピット列ができるように選択的(間欠的)に
露光し、これを現像してエッチングマスクを製造し、こ
のエッチングマスクを使用して上記の円板をエッチング
して上記の円板にピット列を形成してディスクマスタ
(メタルマスタ)を製造し、これを原型として複数のマ
ザーを製造し、このマザー盤を使用してプラスチックの
スタンパー盤をスタンプ製造し、その上に反射性膜(例
えばアルミニウム膜)を形成して完成する。
【0003】当初、CD(コンパクトディスク)は、音
楽用に使用され、それまでの触針式のレコードを完全に
駆逐した。音楽用で証明された、CDの配布媒体として
のコストパフォーマンスに刺激され、CD−ROM、C
D−R(recordable)へと発展した。最近で
は、さらに、消去可能CD−E(erasable)が
実現されようとしている。一方、光磁気効果を利用した
光磁気ディスクや相変化を利用したPD等は、単独でマ
ーケットを築くことができないため、CD−ROMとの
互換性を確保することでマーケットでの地位を築こうと
している。このCDファミリーのパッケージ媒体として
のコストパフォーマンスの高さに着目し、さらに、その
短波長化が図られ、1995年末にはDVD(digi
talversatile disk)規格が関係企業
の間で合意された。すなわち、市場の要求に合わせて、
大容量化を図るため、短波長レーザを採用し、約7倍の
高密度が実現されることになった。記録の保持性から分
類すると、CDと同様に、ROM、R(WO)、RAM
(E)の3点セットになっている。ROMは、CDと同
様に、ピット方式を採用した。また、Rは、CD−Rと
同様に有機色素に穴を開ける方式が採用されようとして
いる。RAMは、CDには無かったものであるが、相変
化方式を採用しようとしている。そして、CDからDV
Dへの移行をスムーズにするために、CD−DVD間の
互換性が重要である。CD−ROMは、DVDドライブ
でも再生可能である。しかし、反射率、コントラストが
僅かに低下する。しかし、CD−Rは、波長依存性の高
い有機色素を採用しているため、DVDドライブでは読
めない。このような光源の短波長化に伴う互換性の問題
は、レーザ技術の進展と共に、今後数十年に亘り継続す
ると予想される。ちなみに、CDでは、波長780nm
のレーザが使用されるが、DVD世代では波長635n
mのレーザが使用され、さらに次世代では、510n
m、410nm、370nmのレーザが使用されること
が予想される。
【0004】データの保持性が最も重要な使命である情
報蓄積媒体にとって、次々と短波長化が図られ、CD、
DVDと同様なパッケージ媒体が世の中を席巻すること
を考えると、この波長互換性を根本的に考える必要があ
る。
【0005】そこで、短波長化のためのROM技術の問
題点を改めて抽出した。その結果、第1にマスタリン
グ、第2にランド/グルーブ記録不可能であること、第
3にここで述べた波長互換性が抽出された。
【0006】第1の、マスタリングの問題はピット方式
に起因したものである。この方式はピットとランドとの
間の反射波の干渉を利用するため、ピットサイズを、実
際の有効マークサイズよりも小さくしなければならな
い。ピットサイズ(D)は、ビーム径(d)に依存し、
ビーム径(d)は光源の波長(λ)に依存する。その関
係は以下の式で与えられる。
【0007】D∝ d∝λ/NA 但し、NA(Numerical Aperture)は開口数である。
【0008】従って、原盤書き込みをする場合、ROM
を読み取る再生用レーザーより短波長のレーザで書き込
みをしなければならない。即ち、CDの場合では、再生
用の780nmに対して、458nmの波長を使用し、
DVDの場合は、再生用の635nmに対して、351
nmの波長を使用している。すなわち、再生用の波長の
約半分の波長のレーザが原盤書き込み用として必要にな
る。
【0009】ところが、さらに高密度化を図るため、こ
れ以上の短波長化を進めようとすると、351nm以下
の波長のレーザで原盤書き込みをしなければならない
が、このような短波長レーザは未だ開発されていない。
例えば410nmで再生するためには、約200nmの
波長のレーザが必要になるが、その波長で、TEM00
のモードで、連続発振可能でかつ安定な信頼性の高いレ
ーザは現状では存在しない。また、その波長にあった光
学素子を用意するのも極めて困難である。
【0010】第2のランド/グルーブ記録不可能の問題
であるが、既存のピット方式では、ピット底部からの反
射光があるため採用できない。ランド/グルーブ記録の
前提は、マーク部の反射率が0と見做せるほど小さいこ
とが必要である。もし、何らかの手段によりランド/グ
ルーブ記録を採用できれば、現在より数十%の高密度化
が可能になる。また、R、RAM媒体ともにランド/グ
ルーブ記録方式を採用する方向にあるのに対して、RO
Mにおいてはランド/グルーブ記録方式が採用できない
ということは、記録方式の統一性を欠くことになるとい
う点で問題である。
【0011】第3の波長互換性の問題であるが、現状
で、CDとDVDの互換性に関してはピット深さがそれ
ほど違わないため、あまり問題にはなっていない。しか
し、来たるべき次世代DVDの時代には、波長がCDの
約半分になるため、ピット深さも半分になり、干渉条件
から大きく外れ、波長互換性に破綻を来たすことが予想
される。この問題は、今後数十年から100年にも亘る
と予想されるデジタルデータの長期保持の要請に対し
て、大きな懸念材料となり、パッケージ媒体全体に対す
る信頼性を低下させかねない。
【0012】以上の問題点に対して、我々は、濃淡RO
M(ピット底部の反射率が小さく事実上無反射性である
ROM)を採用することでこの問題を解決しようとして
いる(特願平7−080194)。この濃淡ROMは、
マスキング効果を使用して、マーク底部の反射膜の着膜
を防止することによりマーク底部の光透過率を上げ、マ
ーク底部からの反射光を抑制することとされている。
【0013】この濃淡ROMは、現在入手可能の紫外光
領域(351nm)の短波長レーザを使用して情報の書
き込みができるという利点もあり、優れた光ディスクで
あるが、ディスクの面積利用効率を向上するには、図1
に示すように、同板上に渦巻き状または同心円状に相互
に平行にランド(高さが高く反射率の高い帯状領域)と
グルーブ(高さが低く反射率の低い帯状領域)とを形成
し、その双方にピット列を形成することが有効である。
しかし、ランドからの反射波とグルーブからの反射波と
が相互に干渉して所謂クロストークが発生するので、ラ
ンドとグルーブとの間隔をかなり大きくせざるを得ず、
このような構造(ランド/グルーブ構造)にしても、期
待するほど、ディスクの面積利用効率を向上できない。
【0014】しかし、図2に示すように、ピットの長さ
を1.0〜1.5μmとし、ランドまたはグルーブの幅
(ピットの幅と概ね同一である。)を1.6μmとした
場合、グルーブの深さをλ/6とすると、クロストーク
が極小になることが発見された。
【0015】そこで、本願発明の発明者は、この自然法
則を利用して、ランド/グルーブ型の再生専用光ディス
ク(反射率の高い膜を表面とする円板上に、高さの高い
帯状領域よりなるランド部と高さの低い帯状領域よりな
るグルーブ部とが、相互に並行して渦巻き状または同心
円状に形成されており、ランド部とグルーブ部とには、
二進情報を化体して配列される反射率の低い領域の列よ
りなるピット列が形成されている再生専用光ディスク)
を創出した(特願平7−080195号)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のランド/グルー
ブ型の再生専用光ディスクは、ディスクの面積利用効率
を、従来の光ディスクに比して、概ね2倍にしうるとい
う利点があるが、大量生産が必ずしも容易ではないとい
う問題がある。反射率の高い膜を表面とする円板上に、
高さの高い帯状領域よりなるランド部と高さの低い帯状
領域よりなるグルーブ部とが、相互に並行して渦巻き状
または同心円状に形成されており、ランド部と前記グル
ーブ部とには、二進情報を化して配列される反射率の低
い領域の例よりなるピット列が形成される構造を有し、
しかも、グルーブの深さをλ/6とする必要があるから
である。
【0017】ところで、上記の要件を満し、しかも大量
生産に適する製造方法は、未だ知られていない。
【0018】類似した技術の代表例に、特公昭54−4
603号公報に開示されている技術がある。この技術
は、現在市販されているCD・LD等の再生専用光ディ
スクの製造技術の基本技術である。これによれば、ラン
ド部からの反射波とピット部からの反射波とに位相差を
生じるような1段の深さからなるピット列を螺旋状に配
置することが条件になっており、本発明の前提であるラ
ンド/グルーブ構造とは全く異なる。この基板の製造工
程の概略を図2と図3とに示す。大きく分けると、マス
タリング工程、レプリケーション工程、及び、ソフトウ
ェアの準備のためのプリマスタリング工程の3つに分け
られる。
【0019】また、本発明の前提をなすランド/グルー
ブ構造と類似の構造として、パーシャルROM、及び、
ランド/グルーブ記録用基板が知られている。
【0020】パーシャルROMにおいて、RAM部にプ
リフォーマット情報を埋め込むため、ピットをランドか
グルーブかのいずれかに形成する必要がある。ランドに
せよグルーブにせよ、プリフォーマットを埋め込むため
には、情報を書き込むトラックを、ヘッダー部分にグル
ーブ部と同じ凹凸ピット形状で形成することにより達成
している(特開平8−7339)。従って、この方法
は、ランド/グルーブ型ROMに適用することはできな
い。また、ランド/グルーブ記録技術においては(この
ような媒体としては、追記型、光磁気型、または、相変
化型の書換え型光記録媒体に用いられている基板が類似
のものとして知られている。)、記録用の場合、パーシ
ャルROMと同様に、書き込みエリアのヘッダーにプリ
フォーマット情報を埋め込む必要があり、そのための提
案がいくつかなされている(特開平7−57272、特
開平8−273203、特開平8−321076)。こ
れらは、いずれも、ランドかグルーブかのいづれか一方
に両方分のプリフォーマット情報を持たせようとしてお
り、グルーブ部内に深さの異なるピットを形成するよう
なことはなされていない。
【0021】このように、反射率の高い膜を表面とする
円板上に、高さの高い帯状領域よりなるランド部と高さ
の低い帯状領域よりなるグルーブ部とが、相互に並行し
て渦巻き状または同心円状に形成されており、ランド部
と前記グルーブ部とには、二進情報を化して配列される
反射率の低い領域の例よりなるピット列が形成されてお
り、グルーブの深さはλ/6である構造の光ディスク製
造用ディスクマスタを、大量生産方式で製造する方法
は、未だ知られていない。
【0022】したがって、本発明の目的は、反射率の高
い膜を表面とする円板上に、高さの高い帯状領域よりな
るランド部と高さの低い帯状領域よりなるグルーブ部と
が、相互に並行して渦巻き状または同心円状に形成され
ており、ランド部と前記グルーブ部とには、二進情報を
化して配列される反射率の低い領域の例よりなるピット
列が形成されており、グルーブの深さがλ/6である光
ディスク製造用ディスクマスタの大量生産を可能にする
製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記第
1、第2の方法のにいづれをもっても達成される。
【0024】第1の方法は、反射率の高い膜を表面とす
る円板上に、高さの高い帯状領域よりなるランド部と高
さの低い帯状領域よりなるグルーブ部とが、相互に並行
して渦巻き状または同心円状に形成されており、ランド
部とグルーブ部とには、二進情報を化体して配列される
反射率の低い領域の列よりなるピット列が形成されてい
る、ランド/グルーブ型再生専用光ディスクを製造する
ための原型として使用されるディスクマスターの製造方
法において、円板上に、ピット列の深さに相当する厚さ
のフェトレジスト膜を形成し、ランド部に対しては、フ
ォトレジスト膜を感光させるに適する光量をもって、ピ
ット列に対応する領域を選択的に露光し、グルーブ部に
対しては、グルーブ部の深さに対応する厚さのフォトレ
ジスト膜で感光させるに適する光量をグルーブ部全面に
与え、ピット列に対応する領域に対しては上記の光量に
加えてピット列の深さに対応する厚さのフォトレジスト
膜を感光させるに適する光量を重畳して与えることとな
る照射光を照射して、このフォトレジスト膜を露光し、
露光されたこのフォトレジスト膜を現像して、エッチン
グマスクを形成し、このエッチングマスクを使用して円
板をエッチングする工程を有する、光ディスク製造用デ
ィスクマスターの製造方法である。
【0025】第2の方法は、反射率の高い膜を表面とす
る円板上に、高さの高い帯状領域よりなるランド部と高
さの低い帯状領域よりなるグルーブ部とが、相互に並行
して渦巻き状または同心円状に形成されており、ランド
部とグルーブ部とには、二進情報を化体して配列される
反射率の低い領域の列よりなるピット列が形成されてい
る、ランド/グルーブ型再生専用光ディスクを製造する
ための原型として使用されるディスクマスターの製造方
法において、円板上に、第1のフォトレジスト膜を形成
し、グルーブ部に対応する領域を選択的に露光・現像し
て第1のエッチングマスクを形成し、第1のエッチング
マスクを使用して円板をエッチングして、この円板にグ
ルーブ部を形成し、グルーブ部が形成された前記の円板
上に、第2のフォトレジスト膜を形成し、グルーブ部上
における第2のフォトレジスト膜を感光させるに充分な
光量でもって、第2のフォトレジスト膜のピット列に対
応する領域を選択的に露光し、露光された第2のフォト
レジスト膜を現像してエッチングマスクを形成し、この
エッチングマスクを使用して第2の円板をエッチングす
る工程を有する、光ディスク製造用ディスクマスターの
製造方法である。
【0026】第2の方法において、グルーブ部が形成さ
れた円板上に、第2のフォトレジスト膜を形成した後、
第2のフォトレジスト膜上に、カルコゲナイトもしくは
半金属または有機色素の層を形成し、カルコゲナイトも
しくは半金属または有機色素の層のピット列に対応する
領域を選択的に露光・現像してエッチングマスクに製造
し、このエッチングマスクを使用して第2のフォトレジ
スト膜を露光し、露光後、現像に先立ち、カルコゲナイ
トもしくは金属または有機色素の層を除去することとす
ると、反射率を増加することができ、長波長レーザを使
用しても情報の書き込みが可能であり、利益がある。
【0027】なお、周知のとおり、カルコゲナイトの代
表例は、セレン、ゲルマニウム、アンチモン、テルル等
であり、半金属の代表例はビスマス等であり、有機色素
の代表例はフタロシアニンである。
【0028】以下、これらの方法について、補足説明す
る。 A.第1の方法 第1と第2との深さレベルのうち、深い方のレベルに合
わせた膜厚分だけ、すなわち、ピットの深さ分のフォト
レジストを円板に塗布し、その円板に対して、書き込み
レーザーパワーを2レベルに変調して照射する。その工
程(図5参照)は、通常のフォトプロセス(図4参照)
と全く同一であり、ただ、円板書き込み時の書き込み信
号波形が異なるだけである。その際の変調信号とマーク
またはトラックとの関係を図6に示す。この方法の利益
は、通常のフォトプロセスを利用できることにある。し
かし、この方法には以下の欠点がある。即ち、グルーブ
を形成する際、グルーブを書き込むための第1の光レベ
ルであるバイアス光(グルーブ全面に照射される光)を
出しているが、マークを書き込む際は、このバイアス光
に、第2のレベルのパルス光(ピット部のみに照射され
る光)を重畳しなければならないことである。一方、レ
ーザビームはガウス分布をしているため、情報信号を書
くためにレーザパワーを大きくした分だけレジストの感
光領域が広がり、マーク部ではグルーブの幅が拡がり、
かつ、深さも深くなり、トラッキング信号及び情報信号
品質に悪影響を及ぼす。また、フォトレジストのγ特性
による影響も大きい。
【0029】このように、第1の方法では、グルーブ部
での情報書き込み時に、パワー変調をするため、ピット
部でのパワーが大きくなり、その結果、グルーブ部の幅
が広くなり、逆に言えばランド部の幅が狭くなり、サー
ボ信号や情報信号の劣化が避けられない。また、それ以
外にも、フォトレジストのγ特性に起因する書き込みレ
ーザパワー変動や、現像条件の揺らぎによる段差のばら
つきという問題もある。
【0030】B.第2の方法 上記第1の方法を改良した方法が第2の方法である。
【0031】この第2の方法は、書き込み用基板を製造
する際に通常採用されている方法を使用して、グルーブ
を有する円板を予め製造しておき、その後に、その予め
グルーブが製造されている円板に再度フォトレジストを
塗布し、グルーブに沿って、ランドとグルーブとに情報
を記録していく方法である。
【0032】第2の方法のディスクマスタの製造方法を
図6に示す。まず、Si基板を用意する。この基板に
は、通常のフォトプロセスに使用されるガラス基板と同
程度に良く表面が清浄であり、かつ、平滑度、うねり等
も同程度以上のものを用意する。これを原盤として、通
常使用される原盤書き込みの装置により、グルーブを書
き込む。書き込まれた原盤をエッチングすることにより
Si基板にグルーブを形成する。この時、エッチングの
深さは、設計されたグルーブの深さと一致するようにす
る。次に、残留したレジストを、原盤から剥離する。こ
の原盤をさらに洗浄し、表面を清浄にした後、さらに、
フォトレジストを塗布する。その厚さは、ランド部で、
概略0.1μmの厚さである。グルーブ部では、この厚
さにグルーブの深さを加えた厚さになるが、塗布条件に
より、グルーブ部では、幾分ランド部よりも低くなる。
この原盤に対して、グルーブをガイドとして、情報を書
き込む。そのため、原盤書き込み装置は、一般の原盤書
き込み装置にトラッキング機能を付加した原盤書き込み
装置を使用すればよい。トラッキング信号は、サーボ用
ビームのプッシュプル信号を用いることができる。書き
込み用ビームとサーボ用ビームとを同一トラック上に位
置決めをすることは容易である。ビームモニター装置に
より簡単にモニターできるからである。全面に亘り書き
込みが終了した後、原盤を現像する。そうすると、ラン
ド部、グルーブ部共に、マークが形成され、マーク内に
基板のSiが露出する。次に、そのSi基板をエッチン
グし、Si基板にマークを形成する。残ったレジストは
除去する。以上の工程により、Si基板上にランドとグ
ルーブとが形成され、かつ、その両方の領域にピットを
形成することができる。このようにして、ディスクマス
タが製造される。ディスクマスタが形成された後のメタ
ルマスタ以後の工程は、通常のプロセスと同一である。
【0033】以上の説明においては、基板としてSi基
板が使用されているが、ガラス基板でもよい。また、記
録材料として、フォトレジストを使用しているが、情報
書き込みに際しては、有機色素、金属、半金属等からな
る穴開け記録材料を使用しても原理的には可能である。
特に、最初のトラック書き込みにはフォトレジストを用
い、第2回の情報書き込みにはフォトレジスト以外の反
射性記録材料を用いると、Arレーザー自体でフォーカ
シング、トラッキングしても、そのエネルギーにより記
録材料が感光するというようなフォトレジストの場合に
発生する不必要な感光を防止することができ、ピットの
みを形成できる利益がある。
【0034】また、第2の方法は、第1の方法を改善し
たものであるから、第1の方法で避け難かった欠点(グ
ルーブ部が幅が広がり、ランド部の幅が狭くなる欠点や
段差にばらつきが出るという欠点)は解消される。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
光ディスク製造用ディスクマスターの製造方法につい
て、さらに説明する。
【0036】第1の実施の形態(第1の方法に対応) 超平滑なガラス基板に記録層としてフォトレジストを塗
布した。フォトレジストとしては、米国シップレイ社製
のフォトレジストAZ−1350−Cを用いた。ガラス
板は、直径7インチ(178mm)、厚さ6mmの物を
用いた。このガラス板はエアスピンドルに真空チャック
され、定線速度で書き込みできるようになっている。書
き込み用光源には、発振波長が0.4579μmである
Arレーザを使用した。記録信号としては、CDで採用
されているEFM変調された信号にバイアス光を重畳さ
せて用いた。光変調にはAOM(アコーステッィクオプ
ティカルモジュレータ)を用いた。AOMから出た1次
光を信号光として用いた。このようにして製造した原盤
を元にして、メタルマスタを製造し、このメタルマスタ
から複数枚のマザー盤を製造し、さらに、このマザー盤
から複数枚のスタンパー盤を製造した。この後は、通常
のレプリケーション工程と同じ工程を採用した。プラス
チック材料としてはPCを使用し、成型法としては射出
圧縮成型法を採用した。その後に、そのプラスチック基
板に通常の方法であるDCスパッタ法によりA1合金か
らなる反射層を着膜し、さらに、保護膜として紫外感光
樹脂をスピンコーティングすることにより光ディスクを
完成した。基板の表面を走査型電子顕微鏡を使用して観
察したところ、グルーブとピットの併存する場所では所
望の幅0.8μmに対して左右に0.06μm、合わせ
て0.12μm太くなっていた。その結果、ランドの幅
もそのグルーブに摂する側が0.06μm狭くなってい
た。 第2の実施の形態(第2の方法に対応) 直径が5インチであるSi基板を用意した。その表面粗
さは、ガラス板の場合と同等の100Å以下の粗さであ
った。この基板に米国シップレイ社製のフォトレジスト
AZ−1350−Cを塗布した。次に、通常使用される
原盤書き込み用の装置により、グルーブを書き込んだ。
この場合のレーザーパワーの設定では、トラック幅(グ
ルーブ幅)が0.8μmになるように、γ特性が飽和す
るパワーの約2倍のパワーにより書き込みをした。次
に、フォトレジストを現像し、グルーブ部のSi基板を
露出させて、エッチングマスクを製造した。次に、この
エッチングマスクを使用して、上記の基板を例えばフッ
素等の弱酸性溶液に触れさせ、Siのみをエッチングし
た。その場合、再生レーザー波長780nmの約1/6
に相当する85nmの深さになるように、常時モニター
用のHe−Neレーザビームを照射し、その回折光をモ
ニターして制御した。次に、原盤から残留したレジスト
を剥離した。この原盤をさらに洗浄し、表面を清浄にし
た後、さらに、上記と同一のフォトレジストを塗布し
た。その厚さは、ランド部で、概略0.1μmの厚さで
あった。この原盤に対して、グルーブをトラッキングし
ながら、情報を書き込んだ。書き込みが終了した後、原
盤を現像し、ランド部と、グルーブ部とのマーク部(ピ
ット形成部)の基板を露出させて、エッチングマスクを
製造した。次に、このエッチングマスクを使用して上記
のSi基板をエッチングし、Si基板にピットを形成し
た。残ったレジストは除去した。以上の工程により、S
i基板上にランドとグルーブとが形成され、かつ、その
両方の領域にピットよりなるマークを形成することがで
きた。以下は、通常のレプリケーションプロセスにより
ランド/グルーブ型ROMを製造した(図7参照)。完
成した光ディスクのグルーブ形状を走査型電子顕微鏡を
使用して観察した結果、第1の実施の形態に見られたよ
うなグルーブ幅の拡大は観察されなかった。 第3の実施の形態(請求項3に記載された方法に対応) 第2の実施の形態の最初のグルーブ形成までの工程を実
行した。その後、記録層として、フォトレジストを塗布
した後、さらにその上にSe−Te合金を、ラジオ周波
数スパッタ法により約700Å堆積させた。このように
すると、フォトレジストのみの場合に比較して、反射率
を約10%から約30%まで増加させることができ、フ
ォーカス、トラッキング、両サーボ信号強度を大きくす
ることができ、しかも、情報信号書き込み用のArレー
ザーを使用してフォトレジストを感光させることなく、
フォーカシングとトラッキングとを実行することが可能
になった。このようにして、ランドとグルーブとの双方
に情報を書き込み、マーク部はその熱のために開孔し
て、フォトレジストが露出された。情報を書き込んだ
後、基板を記録膜側から紫外光を一括露光し、開孔した
部分のフォトレジストを感光させた。その後、弱酸性溶
液により、Se−Te膜を溶解除去し、さらに、フォト
レジストを現像した。それにより、情報に応じたマーク
部のSi基板部分が露出してエッチングマスクができ
た。このエッチングマスクの露出した部分を弱酸性溶液
によりエッチングした。エッチング時間はマーク部深さ
が0.5μm以上になるように調節した。このような方
法においては、第2の記録膜として採用したフォトレジ
スト/カルコゲナイドからなる2層膜の代わりに、直接
カルコゲナイド膜を堆積させてもよいが、その場合は、
カルコゲナイド膜が熱伝導率の高いSi基板に直接接し
ているため、より大きな書き込みレーザパワーを要する
とともに、穴のエッジの形状が乱れ、S/N比を低下さ
せるので好ましくない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に係る光デ
ィスク製造用ディスクマスターの製造方法によれば、反
射率の高い膜を表面とする円板上に、高さの高い帯状領
域よりなるランド部と高さの低い帯状領域よりなるグル
ーブ部とが、相互に並行して渦巻き状または同心円状に
形成されており、ランド部と前記グルーブ部とには、二
進情報を化して配列される反射率の低い領域の例よりな
るピット列が形成されており、グルーブの深さがλ/6
である光ディスク製造用ディスクマスタを、大量生産方
式をもって製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ランド/グルーブ型光ディスクの一部分を示す
斜視図である。
【図2】ランド/グルーブ型光ディスクにおけるクロス
トークとグルーブ深さとの関係を示すグラフである。
【図3】従来技術に係る光ディスク製造工程を示すフロ
ーチャートである。
【図4】従来技術に係る光ディスク製造工程を示すフロ
ーチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るディスクマス
ターの製造工程を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るディスクマス
ターの製造方法の露光用光量を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るディスクマス
ターの製造工程のフローチャートである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射率の高い膜を表面とする円板上に、
    高さの高い帯状領域よりなるランド部と高さの低い帯状
    領域よりなるグルーブ部とが、相互に並行して渦巻き状
    または同心円状に形成されており、前記ランド部と前記
    グルーブ部とには、二進情報を化体して配列される反射
    率の低い領域の列よりなるピット列が形成されている、
    ランド/グルーブ型再生専用光ディスクを製造するため
    の原型として使用されるディスクマスターを製造する方
    法において、 円板上に、前記ピット列の深さに相当する厚さのフェト
    レジスト膜を形成し、前記ランド部に対しては、前記フ
    ォトレジスト膜を感光させるに適する光量をもって、前
    記ピット列に対応する領域を選択的に露光し、 前記グルーブ部に対しては、該グルーブ部の深さに対応
    する厚さのフォトレジスト膜で感光させるに適する光量
    を前記グルーブ部全面に与え、前記ピット列に対応する
    領域に対しては上記の光量に加えて前記ピット列の深さ
    に対応する厚さのフォトレジスト膜を感光させるに適す
    る光量を重畳して与えることとなる照射光を照射して、
    前記フォトレジスト膜を露光し、 該露光されたフォトレジスト膜を現像して、エッチング
    マスクを形成し、 該エッチングマスクを使用して前記円板をエッチングす
    る工程を有することを特徴とする光ディスク製造用ディ
    スクマスターの製造方法。
  2. 【請求項2】 反射率の高い膜を表面とする円板上に、
    高さの高い帯状領域よりなるランド部と高さの低い帯状
    領域よりなるグルーブ部とが、相互に並行して渦巻き状
    または同心円状に形成されてなり、前記ランド部と前記
    グルーブ部とには、二進情報を化体して配列される反射
    率の低い領域の列よりなるピット列が形成されてなる、
    ランド/グルーブ型再生専用光ディスクを製造するため
    の原型として使用されるディスクマスターを製造する方
    法において、 円板上に、第1のフォトレジスト膜を形成し、 前記グルーブ部に対応する領域を選択的に露光・現像し
    て第1のエッチングマスクを形成し、 該第1のエッチングマスクを使用して前記円板をエッチ
    ングして、前記円板に前記グルーブ部を形成し、 該グルーブ部が形成された前記円板上に、第2のフォト
    レジスト膜を形成し、 前記グルーブ部上における前記第2のフォトレジスト膜
    を感光させるに充分な光量でもって、前記第2のフォト
    レジスト膜の前記ピット列に対応する領域を選択的に露
    光し、 該露光された第2のフォトレジスト膜を現像してエッチ
    ングマスクを形成し、 該エッチングマスクを使用して前記第2の円板をエッチ
    ングする工程を有することを特徴とする光ディスク製造
    用ディスクマスターの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記グルーブ部が形成された前記円板上
    に、第2のフォトレジスト膜を形成した後、前記第2の
    フォトレジスト膜上に、カルコゲナイトもしくは半金属
    または有機色素の層を形成し、 該カルコゲナイトもしくは半金属または有機色素の層
    の、前記ピット列に対応する領域を選択的に露光・現像
    してエッチングマスクに製造し、 該エッチングマスクを使用して前記第2のフォトレジス
    ト膜を露光し、 露光後、現像に先立ち、前記カルコゲナイトもしくは半
    金属または有機色素の層を除去してなすことを特徴とす
    る請求項2記載の光ディスク製造用ディスクマスターの
    製造方法。
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