JP3124824B2 - 液晶組成物及びそれを用いた情報表示体 - Google Patents

液晶組成物及びそれを用いた情報表示体

Info

Publication number
JP3124824B2
JP3124824B2 JP04098559A JP9855992A JP3124824B2 JP 3124824 B2 JP3124824 B2 JP 3124824B2 JP 04098559 A JP04098559 A JP 04098559A JP 9855992 A JP9855992 A JP 9855992A JP 3124824 B2 JP3124824 B2 JP 3124824B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
crystal composition
copolymer
compound
information display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04098559A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05202358A (ja
Inventor
公洋 湯浅
元久 井戸
隆佐 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP04098559A priority Critical patent/JP3124824B2/ja
Publication of JPH05202358A publication Critical patent/JPH05202358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3124824B2 publication Critical patent/JP3124824B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子や液
晶光学素子、液晶記憶素子等に好適に使用することので
きる液晶組成物に関する。また本発明は、その液晶組成
物を用いたニュースや広告等の表示に好適な情報表示体
に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶素子に使用する液晶組成物として、
不斉炭素を有する高分子液晶性化合物と低分子液晶性化
合物からなる高分子液晶組成物が提案されている(特開
昭63−284291号公報)。しかし、例示されてい
る側鎖型高分子液晶は通常のアルキレイトやシロキサン
鎖であるので側鎖間隔が十分でなく、分子量を大きくす
ると低分子液晶を十分に混合できなくなって高速化が難
しくなる。したがって本来の高分子性を保ちつつ高速の
組成物を得ることが難しいという問題がある。またカイ
ラルスメクチックC相を示す温度範囲が狭いので、低分
子液晶の混合によっても室温を含む広い温度範囲で動作
する組成物が得られにくいという問題がある。
【0003】また、情報表示体として、液晶ディスプレ
イと表示内容を保持する記憶部とインターフェースを行
う制御部とホストプロセッサとの接続をするコネクタ部
と電源を供給するバッテリ部を含むディスプレイが提案
されている(特開昭64−70793号公報)。このデ
ィスプレイはホストプロセッサと切り離しても内容が表
示できる。しかし、ホストプロセッサと切り離したとき
の表示に記憶部を動作させているので電力を必要とする
こと、表示内容を変化させるためにはその都度ホストプ
ロセッサと接続しなければならないこと、従来の液晶デ
ィスプレイを使用しているので大面積化が難しいことな
どの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、室温を含む
広い温度範囲で動作し、製膜性及び曲げ配向などの力学
的配向法に対して高い配向性を持ち、チルト角(2θ)
の制御が可能で、かつ電界変化に対して高速で応答する
液晶組成物を提供しようとするものである。
【0005】本発明はまた、大面積かつ曲面表示が可能
であり、簡単な駆動制御回路でバラエティーに富んだ内
容の表示が可能であり、機械的ショックに強く外部電源
が不要で薄型軽量化が可能な情報表示体を提供しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、主鎖にアルキル鎖
とシロキサン鎖とを有する液晶性共重合体と低分子液晶
化合物とを特定の割合で含有する液晶組成物により、前
記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成した。
【0007】すなわち、下記の一般式で表される繰り返
し単位[I]
【0008】
【化6】 {式中、a及びbは2〜5の整数、dは0〜3の整数、
eは1〜20の整数であり、R1
【0009】
【化7】 である。ただし、R2は-COOR3、−OR3または-OCOR3であ
り、R3は、
【0010】
【化8】 であり、R4及びR5はメチル基又はハロゲン原子であり、
fは0〜10の整数、gは0又は1、hは1〜11の整
数であり(R5がメチル基である場合、hは1ではな
い。)、*は不斉炭素原子を示す。}からなる液晶性共
重合体と低分子液晶化合物とを含有する液晶組成物であ
って、液晶性共重合体と低分子液晶化合物との合計に対
する液晶性共重合体の分率が5〜99重量%であること
を特徴とする液晶組成物を提供するものである。
【0011】本発明に用いる液晶性共重合体としては、
上記一般式[I]からなるものを用いる。このように液
晶性共重合体として、主鎖にアルキル鎖とシロキサン鎖
とを有する側鎖型高分子液晶を用いることにより、室温
を含む広い温度範囲で動作し、製膜性、配向性に優れた
液晶組成物が得られる。
【0012】液晶性共重合体の重量平均分子量Mwとし
ては、1000以上が好ましく、通常1000〜10万
が好ましい。液晶性共重合体は2〜3量体のオリゴマー
液晶であってもよい。
【0013】具体的には、一般式[I]からなる液晶性
共重合体としては、下記の繰り返し単位からなる液晶性
共重合体が挙げられる。
【0014】
【化9】
【0015】
【化10】
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】 本発明に用いられる低分子液晶化合物としては、公知の
低分子液晶化合物を特に制限なく好適に用いることがで
きる。得られる液晶組成物の液晶相を示す温度範囲やチ
ルト角、電界変化に対する応答時間等の調整をするため
に、2種以上の低分子液晶化合物の混合物でもよい。低
分子液晶化合物の分子量を規定するのは困難であるが、
本発明に用いられる低分子液晶化合物は構造上繰り返し
単位を有しない液晶化合物であり、モノマー液晶化合物
をも含む。
【0018】また、低分子液晶化合物が液晶組成物に含
有される液晶性共重合体のメソーゲン基と同じ構造を分
子内に有するものであると、液晶組成物のチルト角(2
θ)を大きく減少させることなく電界応答性を向上させ
ることができて好ましい。ここで液晶性共重合体のメソ
ーゲン基とは、液晶性共重合体の側鎖からスペーサー部
及びフレキシブルな末端基を除いた環状基部分を意味す
る。このような低分子液晶化合物としては、 (1) そのメソーゲン基のみが液晶性共重合体のメソ
ーゲン基と同じであるもの、 (2) 液晶性共重合体の側鎖のメソーゲン基からフレ
キシブルな末端基までと同じ構造を分子内に有するも
の、例えば一般式CX2X+1OR1 あるいは
【0019】
【化13】 (式中、xは6〜14の整数であり、j、*、k、R1
びR6は上記と同じ意味を有する。)で表わされる低分子
液晶化合物、及び (3) 液晶性共重合体の繰り返し単位を構成する液晶
性モノマー、即ち液晶性共重合体が繰り返し単位[I]
からなるものである場合は、下記一般式
【0020】
【化14】 (式中、a、b、e及びR1は上記と同じ意味を有す
る。)で表わされる低分子液晶化合物などが挙げられ
る。
【0021】このように同じメソーゲン基を有する液晶
性共重合体と低分子液晶化合物とからなる液晶組成物の
中でも特に好ましいものは、液晶性共重合体が繰り返し
単位[I]からなり、かつR1
【0022】
【化15】 であるものであり、低分子液晶化合物が液晶性共重合体
の繰り返し単位[I]を構成している3環モノマーであ
って、下記一般式
【0023】
【化16】 である。)で表わされるものである液晶組成物である。
【0024】本発明に用いられる低分子液晶化合物の具
体例としては、以下のようなものが挙げられる。
【0025】
【化17】
【0026】
【化18】
【0027】
【化19】 また、メソーゲン基を同じくする液晶性共重合体と低分
子液晶化合物の組み合せの具体例としては、例えば、液
晶性共重合体として上記(k)で表される液晶性共重合
体を用いる場合、低分子液晶化合物としては、以下に示
すような〜の低分子液晶化合物が好ましい。
【0028】
【化20】 ここで、xとしては8〜12が好ましい。
【0029】液晶性共重合体と低分子液晶化合物の混合
方法としては、特に制限はなく、直接混合でも溶液混合
でもよい。例えば、溶液混合としては液晶性共重合体と
低分子液晶化合物の所定量を容器に入れてジクロルメタ
ン等の溶媒に溶解し混合して溶媒を蒸発させる方法が好
適である。
【0030】混合比率としては、液晶性共重合体と低分
子液晶化合物との合計に対する液晶性共重合体の分率を
5〜99重量%とする。好ましくは10〜95重量%で
ある。液晶性共重合体の分率が5重量%未満では液晶組
成物の製膜性、配向性が低下する。99重量%を超える
と電界変化に対する応答時間が長くなる。
【0031】液晶性共重合体と低分子液晶化合物の混合
は、液晶組成物が電界応答性に優れた強誘電性液晶相又
は反強誘電性液晶相を示すような組成となるように行う
ことが好ましい。このような組成は化合物により異なる
ので一概には規定できないが、強誘電性液晶相又は反強
誘電性液晶相は本組成物中に含有される化合物の少なく
とも1つに不斉炭素を導入することで容易に発現でき
る。特に、先に例示した液晶性共重合体は広い温度範囲
で強誘電性液晶相を示すので、適当な低分子液晶化合物
の混合により、得られる液晶組成物が室温を含む広い温
度範囲で強誘電性液晶相を示すようにすることができ
る。
【0032】また、2色性色素の混合又はこの色素部位
と液晶性部位との共重合体を用いて、液晶組成物に2色
性を付与することも好ましい。
【0033】2色性色素としては、従来のゲストホスト
型液晶表示素子に用いることのできる公知の色素を好適
に用いることができる。具体的には例えば、アントラキ
ノン誘導体、アゾ誘導体、ジアゾ誘導体、メロシアニン
誘導体、テトラジン誘導体などが挙げられる。これらを
1種又は2種以上混合して用いることができる。色素の
色としては容易に高コントラスト化できる黒色色素が好
ましい。
【0034】一般に低分子液晶化合物の分率を大きくす
ることで液晶組成物の電界応答性を向上させることがで
きるが、液晶組成物の製膜性や液晶表示素子とした場合
の機械的強度が低下する場合がある。このような場合に
は、非液晶高分子物質を2〜30重量%含有する液晶組
成物とすることも好ましい。非液晶高分子物質として
は、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポ
リカーボネート、ジカルボン酸誘導体とジオール誘導体
との縮合反応によって得られるポリエステル、ジカルボ
ン酸誘導体とジアミン誘導体との縮合反応によって得ら
れるポリアミド及びジカルボン酸誘導体とモノアルコー
ル、モノアミン誘導体との縮合反応によって得られるポ
リアミド等が挙げられる。特に、PMMA(ポリメチル
メタクリレート)、PBMA(ポリブチルメタクリレー
ト)などのアクリル系熱可塑性樹脂が好ましい。
【0035】本発明はまた、上記の液晶組成物を電極付
可撓性基板で挟持してなる液晶表示素子、液晶表示素子
の表示内容を外部から無線信号で受信する受信部、受信
部からの信号に応じて液晶表示素子を駆動する駆動回路
及び駆動回路に電源を供給する電源部を含むことを特徴
とする情報表示体を提供するものである。
【0036】本発明の情報表示体は液晶表示素子、受信
部、駆動回路及び電源部が一体化されたものであり、情
報表示体全体が保護カバーなどによりまとめられている
ことが好ましい。
【0037】液晶表示素子は、上記の液晶組成物を電極
付可撓性基板で挟持してなる。可撓性基板としては、液
晶表示素子に通常用いるものを好適に使用することがで
きる。例えば、一軸又は二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートなどの結晶性ポリマー、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホンなどの非結晶性ポリマー、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリカーボネー
ト、ナイロン等のポリアミドなどを挙げることができ
る。このような可撓性基板を用いることで、液晶表示素
子の表示面を曲面状とすることが可能であり、高速かつ
大面積、曲面表示が可能な液晶表示素子を得ることがで
きる。また、電源オフ後も表示が消えない液晶表示素子
を得ることができる。
【0038】可撓性基板に形成されている電極として
は、液晶表示素子に通常用いられるものを好適に使用す
ることができ、透明又は半透明のものが好ましい。例え
ば、NESA膜やITO膜からなるものが挙げられる。
電極パターンとしては、必要とする表示内容に応じてド
ットマトリクス表示用のストライプ状としたり、セグメ
ント表示用のパターンとしたり、これらを混在させても
よい。
【0039】上記の液晶組成物の電極付可撓性基板によ
る挟持方法としては、特に制限なく公知の方法を適用す
ることができる。特に、可撓性基板を用いるので、電極
付き可撓性基板の電極面への液晶組成物の塗布、対向基
板へのラミネートを連続して行う方法が生産性に優れて
好ましい。また、液晶表示素子はその液晶組成物のスメ
クチック層法線が液晶表示素子の縦方向となるように水
平配向処理されていることが好ましい。このようにする
ことにより、横方向の視野角が向上し、電車、バスなど
に情報表示体を設置したときにも視認性を向上すること
ができる。配向処理方法としては、特に制限はないが、
連続、高速生産性に優れた曲げ配向法(特開平2−10
322号公報記載)等の力学的配向法を用いると、ラビ
ング膜などの配向制御膜を不要とすることができて好ま
しい。
【0040】また、本発明の情報表示体には液晶表示素
子が複数含まれていてもよい。例えば、液晶表示素子の
生産装置の限界が幅30cmであればその幅の液晶表示
素子を3枚並べることにより幅90cmの情報表示面を
有する情報表示体とすることができる。
【0041】液晶表示素子の表示内容を外部から無線信
号で受信する受信部としては、例えば、アンテナ部と受
信回路からなるものがこのましい。この受信部で外部か
ら送信された内容を受信し、液晶表示素子にその内容を
表示する。
【0042】アンテナ部としては、装置全体を小型にす
るために、平面状又は曲面状の誘電体のシート上に導体
を形成してなる厚み10mm以下のものが好適である。
導体としては金属の箔又はテープが好適である。アンテ
ナ部をより小型化するためにローディングコイルを用い
たりインピーダンス変換回路を使用してもよい。バスや
電車等の移動体で使用する場合には送信所との方向が変
化するので、指向性の小さい高利得型のアンテナ、例え
ば、垂直ダイポールアンテナ、ダイバシティアンテナ、
グランドプレーンアンテナ、スリーブアンテナ、ループ
アンテナ、ホイップアンテナ、アンブレラ型アンテナ等
からなるアンテナ部が好適に用いられる。十分に電界強
度が大きいときにはアンテナ部の一部をバスや電車など
の車体に接続してもよい。
【0043】受信回路としては、公知の方法で構成した
ものを好適に用いることができる。データ転送の形式も
任意であるが、バスや電車等の移動体で使用する場合に
は、外部ノイズの影響を受けにくい周波数変調(FM)
が好ましい。
【0044】受信部からの信号に応じて液晶表示素子を
駆動する駆動回路としては、低分子の強誘電性液晶に対
する方法と同じ駆動方法、回路を用いることができる。
ドットマトリクス方式の場合には、例えば、特開平1−
26543号公報、特開平1−97445号公報に記載
の方法を好適に用いることができる。セグメント方式の
場合にも公知の方法を好適に用いることができる。
【0045】これらの回路構成には既存のTNセル用の
駆動ドライバーICや各種汎用のIC等を使用できる
が、電源として太陽電池や薄型電池を用いる場合には特
に消費電力の小さいCMOS型IC等を用いて構成する
ことが好ましい。
【0046】これらの回路は液晶表示素子と一体化して
もよい。
【0047】駆動回路に電源を供給する電源部として
は、装置全体を薄型、軽量化するために太陽電池又はフ
ィルム状薄型電池からなるものが好適である。太陽電池
を用いる場合には、適当な2次電池と組合せることで使
用場所の照度変化による影響を小さくすることができ
る。このように電源部を装置に内蔵することで外部電源
工事が不要になり設置場所の自由度を増すことができ
る。電源部には必要に応じて液晶表示素子や受信部を接
続してもよい。
【0048】太陽電池としては、安価な非晶質シリコン
型のものなどを好適に使用することができる。例えば、
CMOS−ICでは通常3V程度の電圧が必要である
が、太陽電池として回路に必要な電圧を生ずるものを用
いるか、又は直列に複数個の太陽電池を接続して必要な
電圧を得るようにする。太陽電池では使用場所の照度が
変化すると出力電圧が変化するので、定電圧回路を設け
たり、ニッカド電池などの適当な2次電池を組合せたり
することで安定化できる。
【0049】太陽電池以外ではフィルム状薄型電池が軽
量性、薄型性を損わず好適である。フィルム状電池とし
ては、市販のもの、例えば(株)きもと製「でんフィ
ル」などが好適に用いられる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例8、9、10、11、12、17、1
9は参考実施例である。
【0051】実施例1〜12 以下に示す液晶性共重合体(1)〜(4)及び低分子液
晶化合物A〜Hを用い、これらを表1に示すように混合
して液晶性共重合体1種と低分子液晶化合物1種とから
なり強誘電性液晶相を示す液晶組成物を作製した。ここ
で、液晶性共重合体と低分子化合物の混合は、それぞれ
の所定量を計量したものを容器に入れ、これに室温でジ
クロロメタンを100ml入れて溶解混合し、その後ジ
クロロメタンを蒸発させて行った。液晶性共重合体
[1]
【0052】
【化21】 重量平均分子量 Mw=4130 チルト角 2θ=73゜ 相転移温度(℃) (I:等方相、SmC*:カイラルスメクチックC相、
g:ガラス状態) 合成例1 液晶性共重合体[1]の合成
【0053】
【化22】 1,5−ヘキサジエン−3−オール0.1モル及び水素
化ナトリウム0.17モルをTHF150ml中、室温
で1時間撹拌する。次に1,10−ジブロモデカン0.
3モルを導入し、12時間還流する。反応液を濾過、濃
縮後カラムクロマトグラフィーにて精製し、目的とする
エーテル体(1)を得た。(収率63%)
【0054】
【化23】 上記で得られたエーテル体(1)60ミリモル、4−ヒ
ドロキシ安息香酸メチルエステル60ミリモル及び炭酸
カリウム0.2モルのアセトン150ml溶液を12時
間還流した。反応液を濾過、濃縮後カラムクロマトグラ
フィーにて精製し、目的とするエーテル体(2)を得
た。(収率77%)
【0055】
【化24】 〔2〕で得られたエーテル体(2)30ミリモル、水酸
化ナトリウム0.1モル、エタノール50ml及び水2
0mlの溶液を30分還流する。反応液を500mlの
水に投入し、希HCl水にてpHを2にし、反応液をエ
ーテル抽出、乾燥、濃縮後、カラムクロマトグラフィー
にて精製し、目的とするカルボン酸誘導体(3)を得
た。(収率96%)
【0056】
【化25】 〔3〕で得られたカルボン酸誘導体(3)40g、塩化
チオニル34ml、トルエン130mlをリフラックス
コンデンサーの付いた容量1000mlの4口フラスコ
に採取し、攪拌して均一溶液とした。次にピリジンを
0.2ml加えた後、反応温度を65℃に昇温し、4時
間加熱攪拌を継続した。
【0057】この後、反応混合物をアスピレーターを用
い、減圧下65℃で1時間、更に80℃で30分間加熱
し、トルエンと残っている塩化チオニルを除いた。次い
で、室温まで冷却した反応混合物にトルエン170ml
とピリジン11.8mlを加えて均一溶液とし、その中
に光学活性な1−メチルブチル 4′−ヒドロキシビフ
ェニル−4−カルボキシレート30.5gを含むトルエ
ン溶液170mlを30分間かけて攪拌しながら滴下し
た。この後、室温下で一晩攪拌して反応を終了した。
【0058】反応混合物を瀘過して、析出しているピリ
ジン塩を除去した。次に、瀘液をロータリーエバポレタ
ーにかけ、減圧下、50℃のバス温で溶剤を留去して得
た濃縮物に80gの塩化メチレンを加えて攪拌し、均一
で透明な溶液を作製した。この溶液を活性アルミナを充
填したプレカラムとシリカゲルが充填されたメインカラ
ムを用いた液体クロマトグラフィーで分取を行った。目
的物を含む溶出液を、ロータリーエバポレーターにか
け、減圧下、50℃のバス温で溶剤を留去し、目的とす
るジエン化合物(4)の粗生成物を得た。この粗生成物
を容量1リットルのフラスコに移し、900mlのエタ
ノールを加えた。次に、リフラックスコンデンサーをフ
ラスコに取り付け、70℃で10分間攪拌した。白色の
固体が完全に溶解して均一溶液になっていることを確認
してから、フラスコを室温近くまで自然冷却した。次
に、このフラスコに栓をし、湿気が入らないようにして
から冷蔵庫に入れ4時間以上静置した。この後フラスコ
を取り出し、析出している白い固体を吸引瀘過で回収
し、エタノールで数回洗浄した。最後に、この固体を5
0℃の真空乾燥機で一晩乾燥し、目的とするジエン化合
物(4)を得た。収量は44.4gであった。
【0059】このジエン化合物は液晶性を示し、下記の
ような相転移挙動及び物性値を示す。
【0060】 (Cry:結晶相、SmC*:カイラルスメクチックC
相、SmA:スメクチックA相、S1:同定していないス
メクチック相) 応答時間:41μs(68℃) 印加電界 ±20
MV/m 傾き角(2θ):74゜(68℃) −重付加反応− 先に得られたジエン化合物(4)3.85gとテトラメ
チルジシロキサン0.54gをトルエンに溶解させ、ア
ルゴンガス気流中更に塩化白金酸・六水和物4.0mg
を触媒として加えて80℃で20時間反応させた。
【0061】反応終了後、室温まで放置し、活性炭を反
応混合物に加え、次に50℃で10分間攪拌した後、瀘
過を行い活性炭を除いた。反応混合物から減圧下、トル
エンを留去し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、目的の液晶性共重合体3.60gを得た。
液晶性共重合体[2]
【0062】
【化26】 重量平均分子量 Mw=3700 チルト角 2θ=80゜ 相転移温度(℃) 合成例2 液晶性共重合体[2]の合成
【0063】
【化27】 合成例1−〔3〕で得られたカルボン酸誘導体(3)4
3.2gと光学活性な1−メチルヘプチル 4′−ヒド
ロキシビフェニル−4−カルボキシレート37.9gを
用いたほかは合成例1と同様にして上記ジエン化合物
(5)57.8gを得た。
【0064】このジエン化合物は液晶性を示し、下記の
ような相転移挙動及び物性値を示す。
【0065】 応答時間:25μs(52℃) 傾き角(2θ):81゜(52℃) −重付加反応− 先に得られたジエン化合物(5)を用いたほかは合成例
1と全く同じ方法、条件で、目的の共重合体を得た。 液晶性共重合体[3](参考例)
【0066】
【化28】 重量平均分子量 Mw=4100 チルト角 2θ=82゜ 相転移温度(℃) 合成例3 液晶性共重合体[3]の合成
【0067】
【化29】 ジエン化合物(4)の合成において、1−メチルヘプチ
ル 4′−ヒドロキシビフェニル−4−カルボキシレー
トに代えて4−ヒドロキシ安息香酸1−メチルヘプチル
を同モル量用いて合成反応を行った以外はジエン化合物
の製造と同様に行った。 −重付加反応− 乾燥トルエン14mlに、上記で得たジエン化合物
(4)[1.82g(2.66ミリモル)]とジエン化
合物(6)[0.18g(0.30ミリモル)]及び
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン0.26g
(1.94ミリモル)をアルゴンガスを流しながら攪拌
し、均一に溶解した。次に、塩化白金酸の6水塩2.0
mgを加えた後、80℃で20時間加熱攪拌した。攪拌
中は、反応容器内に湿気や酸素が入らないように、極く
少量のアルゴンガスを流し続けた。
【0068】重合反応が終了後、反応混合物を濾過し、
濾液よりトルエンを留去した。得られた残渣物を3gの
塩化メチレンで希釈し、シリカゲルを充填剤としたカラ
ムクロマトグラフィーによって分離、精製し、目的とす
る共重合体を得た。収量は1.74gであった。液晶性
共重合体[4]
【0069】
【化30】 重量平均分子量 Mw=3800 チルト角 2θ=76゜ 相転移温度(℃) 合成例4 液晶性共重合体[4]の合成
【0070】
【化31】 合成例1で得たカルボン酸誘導体(3)15.0g(4
0.0ミリモル)、塩化チオニル9.52g(80.0
ミリモル)及び乾燥トルエン50mlをフラスコに仕込
み、攪拌して均一溶液とした。次にピリジン0.02m
lを加え、攪拌して均一溶液とした。
【0071】この後、65℃に昇温し、4時間加熱攪拌
した。次いで、トルエンと過剰の塩化チオニルを減圧留
去し、トルエン130mlとピリジン3.60gを添加
した。次に、130mlのトルエンに溶解した4−ヒド
ロキシ安息香酸1−n−ヘキシル7.86g(35.4
ミリモル)を30分かけて滴下した。この後、室温で1
8時間攪拌した。
【0072】反応混合物を濾過濃縮し、シリカゲルとア
ルミナを充填剤としたカラムクロマトグラフィーにより
目的物を得た。収量は14.7gであった。 −重付加反応− 乾燥トルエン20mlに、上記で得たジエン化合物
(4)2.45g(3.82ミリモル)とジエン化合物
(7)0.55g(0.95ミリモル)及び1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン0.43g(3.1
8ミリモル)をアルゴンガスを流しながら攪拌し、均一
に溶解した。次に、塩化白金酸の6水塩2.5mgを加
えた後、80℃で20時間加熱攪拌した。攪拌中は、反
応容器内に湿気や酸素が入らないように、極く少量のア
ルゴンガスを流し続けた。
【0073】重合反応が終了後、反応混合物を濾過し、
濾液よりトルエンを留去した。得られた残渣物を3gの
塩化メチレンで希釈し、シリカゲルを充填剤としたカラ
ムクロマトグラフィーによって分離、精製し、目的とす
る共重合体を得た。収量は2.84gであった。低分子
液晶化合物A
【0074】
【化32】 相転移温度(℃) 低分子液晶化合物B
【0075】
【化33】 相転移温度(℃) 低分子液晶化合物C
【0076】
【化34】 相転移温度(℃) 低分子液晶化合物D
【0077】
【化35】 相転移温度(℃) 低分子液晶化合物E メルク社製 混合液晶ZLI−4655−100 相転移温度(℃) (Ch:コレステリック相) 低分子液晶化合物F
【0078】
【化36】相転移温度(℃) (N:ネマチック相、SmC:スメクチックC相) 低分子液晶化合物G
【0079】
【化37】 相転移温度(℃) 低分子液晶化合物H
【0080】
【化38】 相転移温度(℃) (SmCA *:反強誘電性液晶相) 得られた液晶組成物の相転移温度、電界応答時間τ
10-90及びチルト角2θを表1〜2に示す。ここで、電
界応答時間τ10-90は、クロスニコル下で2μmのセル
に±10Vの電圧を印加したときに透過光量の変化量が
10%から90%に達するのに要する時間を室温25℃
で測定したときの測定値とした。また、チルト角2θは
クロスニコル下での消光位の変化を室温25℃で測定し
たときの測定値とした。
【0081】実施例13〜17 実施例1と同様にして、表2に示すように液晶性共重合
体1種と複数の低分子液晶化合物とからなり強誘電性液
晶相を示す液晶組成物を作製した。結果を表2に示す。
【0082】実施例18〜20 実施例1と同様にして、表3に示すように複数の液晶性
共重合体と低分子液晶化合物1種とからなり強誘電性液
晶相を示す液晶組成物を作製した。結果を表3に示す。
【0083】実施例21 実施例1と同様にして、表3に示すように複数の液晶性
共重合体と複数の低分子液晶化合物とからなり強誘電性
液晶相を示す液晶組成物を作製した。結果を表3に示
す。
【0084】実施例22〜23 実施例1と同様にして、表3に示すように液晶性共重合
体1種と低分子液晶化合物1種とからなり反強誘電性液
晶相を示す液晶組成物を作製した。結果を表3に示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】 実施例24 実施例11で作製した液晶組成物に日本感光色素製の黒
色色素NKX−1033を4重量%混合したところ、得
られた液晶組成物の相転移温度は以下のようになった。
【0088】相転移温度(℃) また、この液晶組成物の電界応答時間τ10-90は11.
0ms、チルト角2θは71゜であった。
【0089】実施例25 実施例14で作製した液晶組成物に日本化薬製の黒色色
素LCD−465を5重量%混合したところ、得られた
液晶組成物の相転移温度は以下のようになった。
【0090】相転移温度(℃) また、この液晶組成物の電界応答時間τ10-90は9m
s、チルト角2θは64゜であった。
【0091】実施例26 実施例3で作製した液晶組成物をトルエンの20重量%
溶液とし、マイクログラビアコーターを用いて住友ベー
クライト製ITO電極付PES(ポリエーテルスルホ
ン)基板(幅150mm、厚み100μm、長さ20
m)のITO電極面に溶液塗布した。溶媒蒸発後の液晶
層の厚みは約2.5μmであった。次いで、何も塗布し
ていない同様の基板をITO電極面が液晶層と接するよ
うに、2本のロール(幅200mm、直径80mmのシ
リコンゴム製のもの及び鉄製のもの)を用いてラミネー
トし、未配向素子とした。
【0092】更に、図1に示すような3本のロール3
(幅200mm、直径100mmの鉄製)よりなる曲げ
配向装置を用いて、未配向素子1を配向処理し、配向素
子2を得た。ここで、ライン速度はv=8m/分、各ロ
ールの表面温度はT1=110℃、T2=90℃、T3
85℃とした。
【0093】この配向処理後、長尺の配向素子から長さ
20cm分を切出して所望の液晶表示素子を得た。これ
を直交する偏光板間に配置し、25℃で電極間に±10
Vの直流電圧を印加したところ、黒及び黄色の変化を
し、そのコントラスト比は約110であった。また、明
るい状態、すなわち黄色のときの色は液晶表示素子全面
にわたって極めて均一なものであった。
【0094】比較例1 低分子液晶化合物Bのみを用い、実施例26と同じ方法
で素子化し、配向処理を行った。配向条件はv=8m/
分、T1=100℃、T2=85℃、T3=80℃とし
た。液晶層の厚みは約2μmであった。
【0095】次いで、実施例26と同様に長さ20cm
を切出し、直交偏光板間に配置してで25℃で電極間に
±10Vの直流電圧を印加したところ、黒及び薄い黄色
の変化をし、コントラスト比は30であった。また、明
状態の薄い黄色の中に濃い黄色や白色のまだら部分が見
られ、膜厚があまり均一になっていないことが明らかで
あった。また、偏光顕微鏡観察ではジグザグ欠陥が多数
見られ、実施例26で得た液晶表示素子よりも液晶層厚
が薄いにもかかわらず、液晶化合物の配向性が低いこと
が分った。
【0096】以上から、液晶性共重合体が20重量%程
度しか含有されない実施例26で作製した液晶組成物の
場合でも、低分子液晶化合物のみの場合と比べて十分に
高い製膜性、配向性が得られることが明らかである。
【0097】実施例27 実施例26で作製した液晶表示素子を室温(25℃)で
配向処理時の曲げ方向と直角の方向に曲げていったとこ
ろ、曲率半径が4cmとなったところで液晶組成物の配
向が破壊された。そこで、液晶組成物にPMMA(ポリ
メチルメタクリレート、和光純薬社製、重量平均分子量
120000)を5重量%だけ加え、実施例26と同様
に20重量%トルエン溶液とし、実施例26と同じ方
法、同じ配向条件で液晶表示素子を作製した。
【0098】得られた液晶表示素子のコントラスト比は
95であった。また、この液晶表示素子を配向処理時の
曲げ方向と直角の方向に曲げていったところ、曲率半径
が2cmとなるまでは液晶組成物の配向が保たれた。
【0099】このことから液晶組成物中の高分子液晶の
分率が小さいときなど液晶表示素子の強度に不足がある
場合には、非液晶高分子物質を少量混合することで、コ
ントラストを大きく低下させることなく液晶表示素子の
強度を改善できることが明らかになった。
【0100】実施例28 実施例17で作製した液晶組成物を9.2gと熱可塑性
樹脂としてPMMA(ポリメチルメタクリレート、和光
純薬社製、重量平均分子量120000)を0.8gに
ジクロルメタンを30g加えて25重量%の溶液とし、
ストライプ状のITO電極付PES基板(幅300m
m、厚み100μm、長さ10mのロール状)のITO
電極面にマイクログラビアコーターで塗布した。溶媒蒸
発後、一対の加圧ロール対(幅500mm、直径80m
mのクロムメッキ鉄製のもの及びゴム製のもの)でIT
O電極のストライプ方向が直角な同種基板をITO電極
面が液晶層と接するようにラミネートした。液晶層の厚
みは約3μmであった。
【0101】その後直ちに図1に示した3本のロールか
らなる曲げ配向装置により一軸配向処理を行った。ここ
で、ロールは全て直径80mmのクロムメッキを施した
鉄製であり、ロール間隔は1mmとした。また、ライン
速度はv=2m/分、各ロールの表面温度はT1=90
℃、T2=80℃、T3=80℃とし、第1ロールで液晶
組成物を急速に等方相に加熱し、更に続けて第2、第3
ロールでSmA相まで冷却しながら曲げ変形を与えた。
この配向処理により、液晶組成物のスメクチック層法線
が、液晶表示素子の縦方向、即ち、ロールの軸方向にあ
る水平配向状態が得られた。
【0102】本配向処理の後、長尺の配向素子から接着
剤が硬化した約5分後に長さ800mmずつ2枚を切出
し、この2枚の液晶表示素子を平行な偏光板間に挟持し
て、図2に示すような情報表示体を構成した。この情報
表示体は、液晶表示素子5、アンテナ部6、受信回路
7、駆動回路8及び太陽電池9を一体化し、情報表示体
全体をプラスチック製の保護ケース4によりまとめたも
のである。2枚の液晶表示素子5による表示部の表示面
積は600mm×800mmである。アンテナ部6は短
縮型ダイポールアンテナからなり、ポリイミドからなる
シート状の平面上に銅箔で設けられた厚み5mmのもの
とした。このアンテナ部6からの信号は受信回路7に接
続され更に駆動回路8に伝えられ、その信号に応じた駆
動回路8からの駆動信号によって液晶表示素子5に情報
が表示される。また、電源となる太陽電池9にはアモル
ファスシリコンからなる市販品を用いた。電圧は4.5
Vである。
【0103】本情報表示体により表示を試みたところ、
屋外はもとより、夜間室内の蛍光灯の明るさで十分動作
することが確認できた。コントラストは反射型で20以
上が確保できた。また、薄型の強誘電性高分子液晶表示
素子を用い、しかも配向方向(スメクチック層法線方
向)を縦方向にしたので、斜め横からの視認性に優れ、
±80゜まではコントラスト10以上を確保でき、しか
も黒っぽい青の表示色の変化もなかった。
【0104】本情報表示体の重量は僅か2.1kgであ
り、全体の大きさは800mm×1000mm×20m
mと非常に軽量、薄型のものになった。
【0105】次に、この情報表示体を90゜横にして同
様に横方向からの視認性を調べたところ、±40゜以上
斜めからはコントラスト10を割り、しかも表示色が次
第に青から薄い茶色へと変化した。このことから、配向
方向を液晶表示素子の縦方向にすることが情報表示体と
して好ましいことが明らかであった。
【0106】実施例29 実施例1で作製した強誘電性高分子液晶組成物を用い
て、図3に示すような情報表示体を試作した。液晶表示
素子の作製法は実施例26と同様とした。液晶組成物の
スメクチック層法線が液晶表示素子の縦方向となるよう
に液晶表示素子を配向処理した。
【0107】保護ケース4は直径1500mm、高さ4
00mmの円筒形であり、その側面に液晶表示素子5を
設け、上部にダイバシティーアンテナからなるアンテナ
部6と太陽電池9を設けた。また、この円筒形ケースの
内部に受信回路と駆動回路を設置した。10は脚部であ
る。
【0108】この情報表示体で表示を行ったところ、屋
外及び屋内で十分な表示が可能であった。また、可撓性
基板を用いたので本実施例のような曲面での表示が可能
であり、意外性を付与した多用な表示が可能である。ま
た、液晶組成物の配向方向を液晶表示素子の縦方向とし
たので横方向からの視認性に優れ、曲面であるにもかか
わらず表示文字のすべてを認識でき、色むらもなかっ
た。
【0109】更に、消費電力は全体でもごく僅かであっ
たので、太陽電池を(株)きもと製の「でんフィル」
(フィルム型電池54mm×85mm×0.5mm)に
交換したが、1年以上動作した。脚部を除いた情報表示
体の重量は約1.8kgと軽量であった。 液晶性共重合体[5]
【0110】
【化39】 重量平均分子量 Mw=2800 チルト角 2θ=74° 相転移温度(℃) 合成例5 液晶性共重合体[5]の合成 −重付加反応− シラン化合物として1,1,3,3,5,5,7,7−
オクタメチルテトラシロキサン1.14gを用いたほか
は合成例1と全く同じ方法、条件で、目的の共重合体を
得た。液晶性共重合体[6]
【0111】
【化40】 重量平均分子量 Mw=2600 チルト角 2θ=83° 相転移温度(℃) 合成例6 液晶性共重合体[6]の合成 −重付加反応− ジエン化合物として合成例2で得たジエン化合物(5)
4.07g、シラン化合物として1,1,3,3,5,
5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン1.14g
を用いたほかは合成例1と全く同じ方法、条件で、目的
の共重合体を得た。 低分子液晶化合物I チッソ社製 混合液晶CS−1015 相転移温度(℃) 低分子液晶化合物J
【0112】
【化41】 相転移温度(℃) Sx:未同定のスメクチック相(不安定な相であるた
め、2℃/minで温度を変化させて測定を行った。) 低分子液晶化合物K
【0113】
【化42】 相転移温度(℃) 低分子液晶化合物L
【0114】
【化43】 相転移温度(℃) 実施例30〜34 実施例1と同様にして、表4に示すように液晶性共重合
体1種と低分子液晶化合物1種とからなり強誘電性液晶
相を示す液晶組成物を作製した。結果を表4に示す。
【0115】実施例35〜38 実施例1と同様にして、表4に示すように液晶性共重合
体1種と複数の低分子液晶化合物とからなり強誘電性液
晶相を示す液晶組成物を作製した。結果を表4に示す。
【0116】実施例39〜41 実施例1と同様にして、表4に示すように複数の液晶性
共重合体と低分子液晶化合物1種とからなり強誘電性液
晶相を示す液晶組成物を作製した。結果を表4に示す。
【0117】実施例42 実施例1と同様にして、表4に示すように複数の液晶性
共重合体と複数の低分子液晶化合物とからなり強誘電性
液晶相を示す液晶組成物を作製した。結果を表4に示
す。
【0118】
【表4】 表1〜表4に示したように、主鎖がアルキル鎖とシロキ
サン鎖を有する側鎖型高分子液晶である液晶性共重合体
と低分子液晶化合物の組合せにより、製膜性、配向性に
優れ、かつ高速電界応答性を有する組成物が容易に得ら
れた。
【0119】また、液晶組成物に含有される液晶性共重
合体のメソーゲン基と同じ構造を分子内に有する低分子
液晶化合物を用いた場合には、チルト角2θを大きく減
少させることなく高速電界応答性を実現できた。
【0120】
【発明の効果】本発明の液晶組成物は、室温を含む広い
温度範囲で動作し、製膜性及び曲げ配向などの力学的配
向法に対して高い配向性を持ち、かつ電界変化に対して
高速で応答するものである。
【0121】また本発明の情報表示体は、大面積かつ曲
面表示が可能であり、簡単な駆動制御回路でバラエティ
ーに富んだ内容の表示が可能であり、機械的ショックに
強く外部電源が不要で薄型軽量化が可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した配向装置を示す説明図であ
る。
【図2】実施例28で製造した情報表示体の構成を示す
斜視説明図である。
【図3】実施例29で製造した情報表示体の構成を示す
斜視説明図である。
【符号の説明】
1 未配向素子 2 配向素子 3 ロール 4 保護ケース 5 液晶表示素子 6 アンテナ部 7 受信回路 8 駆動回路 9 太陽電池 10 脚部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−156025(JP,A) 特開 平4−268389(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 19/42 C09K 19/40

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式で表される繰り返し単位
    [I] 【化1】 {式中、a及びbは2〜5の整数、dは0〜3の整数、
    eは1〜20の整数であり、R1は 【化2】 である。ただし、R2は-COOR3、-OR3または-OCOR3であ
    り、R3は、 【化3】 であり、R4及びR5はメチル基又はハロゲン原子であり、
    fは0〜10の整数、gは0又は1、hは1〜11の整
    数であり(R5がメチル基である場合、hは1ではな
    い。)、*は不斉炭素原子を示す。}からなる液晶性共
    重合体と低分子液晶化合物とを含有する液晶組成物であ
    って、液晶性共重合体と低分子液晶化合物との合計に対
    する液晶性共重合体の分率が5〜99重量%であること
    を特徴とする液晶組成物。
  2. 【請求項2】 液晶組成物が強誘電性液晶相又は反強誘
    電性液晶相を示す請求項1記載の液晶組成物。
  3. 【請求項3】 低分子液晶化合物が液晶組成物に含有さ
    れる液晶性共重合体のメソーゲン基と同じ構造を分子内
    に有するものである請求項1記載の液晶組成物。
  4. 【請求項4】 液晶性共重合体が繰り返し単位[I]か
    らなり、かつR1が 【化4】 であるものであり、低分子液晶化合物が液晶性共重合体
    の繰り返し単位[I]を構成している3環モノマーであ
    って、下記一般式 【化5】 である。)で表わされるものである請求項1記載の液晶
    組成物。
  5. 【請求項5】 液晶組成物が2色性を有する請求項1記
    載の液晶組成物。
  6. 【請求項6】 液晶組成物が非液晶高分子物質を含有す
    る請求項1記載の液晶組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の液晶組成物を電極付可撓
    性基板で挟持してなる液晶表示素子、液晶表示素子の表
    示内容を外部から無線信号で受信する受信部、受信部か
    らの信号に応じて液晶表示素子を駆動する駆動回路及び
    駆動回路に電源を供給する電源部を含むことを特徴とす
    る情報表示体。
  8. 【請求項8】 液晶表示素子がその液晶組成物のスメク
    チック層法線が液晶表示素子の縦方向となるように水平
    配向処理されているものである請求項5記載の情報表示
    体。
  9. 【請求項9】 液晶表示素子が曲面状の表示面を有する
    請求項5記載の情報表示体。
  10. 【請求項10】 液晶表示素子が複数含まれている請求
    項5記載の情報表示体。
  11. 【請求項11】 電源部が太陽電池又はフィルム状薄型
    電池からなる請求項5記載の情報表示体。
  12. 【請求項12】 受信部がアンテナ部と受信回路からな
    り、アンテナ部が平面状又は曲面状の誘電体のシート上
    に導体を形成してなる厚み10mm以下のものである請
    求項5記載の情報表示体。
JP04098559A 1991-04-18 1992-03-26 液晶組成物及びそれを用いた情報表示体 Expired - Fee Related JP3124824B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04098559A JP3124824B2 (ja) 1991-04-18 1992-03-26 液晶組成物及びそれを用いた情報表示体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11211291 1991-04-18
JP3-112112 1991-04-18
JP04098559A JP3124824B2 (ja) 1991-04-18 1992-03-26 液晶組成物及びそれを用いた情報表示体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05202358A JPH05202358A (ja) 1993-08-10
JP3124824B2 true JP3124824B2 (ja) 2001-01-15

Family

ID=26439702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04098559A Expired - Fee Related JP3124824B2 (ja) 1991-04-18 1992-03-26 液晶組成物及びそれを用いた情報表示体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3124824B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6573880B1 (en) * 1999-11-16 2003-06-03 Xerox Corporation Applications for electronic reusable paper
JP2002097470A (ja) * 2000-09-26 2002-04-02 Toshiba Corp 液晶表示装置及びその製造方法
US7463226B2 (en) 2003-04-23 2008-12-09 Panasonic Corporation Driver circuit and display device

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3054212B2 (ja) * 1991-02-22 2000-06-19 出光興産株式会社 ゲストホスト型液晶光学素子
JP3153324B2 (ja) * 1991-04-03 2001-04-09 出光興産株式会社 液晶共重合体、その製造に用いられるジエン化合物及び強誘電性液晶組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05202358A (ja) 1993-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0509465B1 (en) Liquid crystal composition and information display apparatus using the liquid crystal composition
JP2592694B2 (ja) 液晶表示素子用補償板
TWI300438B (en) Polymerizable liquid crystal compound and optical film
EP0352637B1 (en) Ferroelectric liquid crystal composition, liquid crystal optical device produced by using the ferroelectric liquid crystal composition, and method of producing the liquid crystal optical device
EP0297554B1 (en) Liquid-crystalline polymer composition
JPH04500378A (ja) 強誘電性液晶ポリマー,それらの製造方法と電気光学的部品への使用
JP2000327924A (ja) 液晶ポリマー組成物、位相差板および楕円偏光板
JP3124824B2 (ja) 液晶組成物及びそれを用いた情報表示体
US6210872B1 (en) Optical film
JPS63264629A (ja) ポリマー
JP4011166B2 (ja) 光学フィルム
US6913709B2 (en) Liquid crystalline gel composition, and display medium, display device and display body using same
JPH11194325A (ja) 液晶表示装置
KR0147616B1 (ko) 열방성 측쇄형 액정고분자 및 이를 배향막으로서 채용한 액정표시소자
JP4115630B2 (ja) 位相差板および楕円偏光板
EP0435350B1 (en) Polymeric liquid-crystalline compound, liquid-crystal composition containing it, and liquid-crystal device
JP2001510910A (ja) 幅広い作動温度幅を有する強誘電性液晶ディスプレイ
JPS6399204A (ja) ポリマ−
JP3054212B2 (ja) ゲストホスト型液晶光学素子
EP0310081A2 (en) A ferroelectric liquid-crystalline polymeric composition
JPH0820641A (ja) 高分子液晶および液晶素子
JPS63280742A (ja) 高分子液晶化合物
JP3981446B2 (ja) 光学フィルム
JPH03134092A (ja) 有機高分子液晶薄膜及び情報記録方法
JP2000154168A (ja) アクリル系キラル化合物、架橋型液晶組成物、光学素子とその製法、及び光学部材

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081027

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees