JP3124547B2 - Abo遺伝子型 - Google Patents

Abo遺伝子型

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JP3124547B2 JP02512556A JP51255690A JP3124547B2 JP 3124547 B2 JP3124547 B2 JP 3124547B2 JP 02512556 A JP02512556 A JP 02512556A JP 51255690 A JP51255690 A JP 51255690A JP 3124547 B2 JP3124547 B2 JP 3124547B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ABO組織−血液型に一般的に関する。本発
明は、より詳しくは、ABO組織−血液型、DNA配列に対す
るプローブ、組織−血液型ABO状態の固定方法、腫瘍抑
制のための方法、DNA構造体、組換えプラスミド、組織
−血液グリコシルトランスフェラーゼを生成するための
組換え方法、精製された組織−血液グリコシルトランス
フェラーゼ及びタンパク質エピトープに結合するそれら
から生成された抗体に関する。
発明の背景 組織−血液型ABH決定基は、ヒトの赤血球及び組織の
両者における主な同種抗原である。それらは一般的に、
脂質(スフィンゴ糖脂質)又はタンパク質(糖タンパク
質)に結合される糖接合体のオリコ糖鎖の末端部分を構
成する。抗原決定基の構造は、1950年代に、Watkins an
d Morgan(Nature 180:1038〜1040,1957)及びKabatな
ど、(Blood Group Sabstrates:Their Chemistry and I
mmunochemistry,1956,Academics Precs,New York)によ
り確立された。続いて、Watkins and Morgan(Vox San
g.:97〜119,1959)は、A及びB表現型が、H抗原、
すなわちFucα1→2Galβ1→Rへのα1→3−N−ア
セチルガラクトサミン又はα1→3−ガラクトシル残基
の付加を通して、O表現型に関連するH物質をそれぞれ
A及びBに転換するグリコシルトランスフェラーゼに関
連することを提案した。従って、組織−血液型A及びB
遺伝子の主要生成物は、それぞれグリコシルトランスフ
ェラーゼである。
現在、組織−血液型抗原の知識は、化学、免疫学、生
合成及び遺伝的遺伝形質に制限されている。ABO遺伝子
のためのDNA配列情報は、特に十分な量での哺乳類グリ
コシルトランスフェラーゼの精製に関連する困難性のた
めに利用されていない。A及びBトランスフェラーゼタ
ンパク質のアミノ酸配列情報に基づくヌクレオチドプロ
ーブは、ABO遺伝子のクローニング及び特徴化を可能に
し、そしてそれによって、DNA血液型を方向づけるため
の方法を可能にするであろう。
従って、精製された組織−血液型A及びBグリコシル
トランスフェラーゼ及びそれらをコードする遺伝子の一
次構造のための必要性が当業界において存在する。本発
明は、この必要性を満たし、そしてさらに、他の関連す
る利点を提供する。
本発明の要約 簡単には、本発明は、実質的に純粋な組織−血液型A
グリコシルトランスフェラーゼを供給する。そのタンパ
ク質はヒト細胞に由来することができる。
関連する観点においては、本発明は、組織−血液型A
グリコシルトランスフェラーゼ上のタンパク質エピトー
プに結合する抗体を開示する。特に好ましいモノクロー
ナル抗体は、ATCC NO.HB10207により命名されたハイブ
リドーマにより生成されるWKH−1を包含する。
本発明のもう1つの観点においては、組織−血液型A
グリコシルトランスフェラーゼをコードする単離された
DNA分子が開示される。1つの態様においては、そのDNA
配列は、アミノ酸番号5Xのアラニンからアミノ酸番号35
3のプロリンまでの第3図に示されるアミノ酸配列をコ
ードする。もう1つの態様においては、DNA配列は、ア
ミノ酸番号1のメチオニンからアミノ酸番号353のプロ
リンまでの第3図に示されるアミノ酸配列をコードす
る。また、組織−血液型Aグリコシルトランスフェラー
ゼをコードするDNA分子と特異的にハイブリダイズする
ことができる単離されたDNA分子が開示される。
本発明の関連する観点においては、組織−血液型Bグ
リコシルトランスフェラーゼをコードする単離されたDN
A分子及び組織−血液型Bグリコシルトランスフェラー
ゼをコードするDNA分子と特異的にハイブリダイズする
ことができる単離されたDNAが開示される。本発明はま
た、組織−血液型O遺伝子のタンパク質をコードする単
離されたDNA分子及び組織−血液型O遺伝子の生成物を
含んで成るタンパク質をコードするDNA分子と特異的に
ハイブリダイズすることができる単離されたDNA分子の
両者も開示する。
本発明のもう1つの観点においては、組織−血液型AB
O状態を検出するための方法が提供される。1つの態様
においては、本発明は、患者からDNAを単離し;ハイブ
リダイゼーションを可能にする条件下で少なくとも3種
のDNAプローブと共に前記DNAをインキュベートし、ここ
で前記プローブの1つは組織−血液型Aグリコシルトラ
ンスフェラーゼをコードするDNAに由来するヌクレオチ
ド配列又はその一部を含んで成り、そして他のプローブ
の1つは組織−血液型Bグリコシルトランスフェラーゼ
をコードするDNAに由来するヌクレオチド配列又はその
一部を含んで成り、そしてさらにもう1つのプローブ
は、組織−血液型O遺伝子のDNAに由来するヌクレオチ
ド配列又はその一部を含んで成り;そして前記DNAプロ
ーブによりDNAのハイブリダイゼーションのパターンの
存在又は不在を検出し、そしてそれから組織−血液型AB
O状態を検出することを含んで成る。もう1つの態様に
おいては、本発明は、患者からDNAを単離し;組織−血
液型AグリコシルトランスフェラーゼをコードするDNA
に由来するヌクレオチド配列又はその一部を含んで成る
DNAプローブと共にハイブリダイゼーションを可能にす
る条件下で前記DNAの第1アリコートをインキュベート
し;組織−血液型Bグリコシルトランスフェラーゼをコ
ードするDNAに由来するヌクレオチド配列又はその一部
を含んで成るDNAプローブと共に前記DNAの第二アリコー
トをハイブリダイゼーションを可能にする条件下でイン
キュベートし;組織−血液型O遺伝子に由来するヌクレ
オチド配列又はその一部を含んで成るDNAプローブと共
に前記DNAの第3アリコートをハイブリダイゼーション
を可能にする条件下でインキュベートし;そしてハイブ
リダイゼーションのパターンの存在又は不在を検出し、
そしてそれから組織−血液型ABO状態を検出することを
含んで成る。さらにもう1つの態様においては、本発明
は、患者からDNAを単離し;複数のDNAフラグメントを生
成するために少なくとも1つの制限エンドヌクレアーゼ
により前記DNAを切断し;前記DNAフラグメントを大きさ
により分離し;そして組織−A又はB又はO状態に対し
てユニークなDNAフラグメントの存在を検出し、そして
それから組織−血液型ABO状態を検出することを含んで
成る。
関連する観点においては、組織−血液型Aグリコシル
トランスフェラーゼをコードするDNA配列を含んで成るD
NA構造体及びそのDNA配列を含んで成るプラスミドが開
示される。適切なプロモーター及び/又はポリアデニル
化シグナルもまた開示される。さらに、DNA構造体によ
りトランスフェクトされた細胞及び適切なDNA構造体に
よりトランスフェクトされ又は形質転換された宿主細胞
を用いて組織−血液型Aグリコシルトランスフェラーゼ
を生成するための方法がまた開示される。Aグリコシル
トランスフェラーゼを生成するための方法は、組織−血
液型Aグリコシルトランスフェラーゼをコードする単離
されたDNA分子又は組織−血液型Aグリコシルトランス
フェラーゼをコードするDNA配列を含んで成るDNA構造体
を宿主細胞中に導入し;前記宿主細胞を適切な培地で増
殖し;そして前記宿主細胞により生成されるDNA構造体
によりコードされるタンパク質生成物を単離することを
含んで成る。同様に、組織−血液型Bグリコシルトラン
スフェラーゼをコードするDNA配列を含んで成るDNA構造
体、それからのプラスミド及び単離されたDNA分子又はD
NA構造体からのBグリコシルトランスフェラーゼの組換
え生成方法が開示される。
本発明のさらにもう1つの観点においては、患者にお
ける腫瘍増殖を抑制するための方法が開示される。その
方法は一般的に、組織−血液型Aグリコシルトランスフ
ェラーゼをコードするDNA配列を含む非病原性細菌細胞
を確立し;そして患者の腸管中に前記細菌性細胞を導入
し、それによってA抗原に対する細菌相を富化する(こ
こでその富化は、前記腫瘍に対する上腕骨免疫応答を刺
激する)ことを含んで成る。
本発明のこれらの及び他の観点が次の詳細な記載及び
添付図面から明らかになるであろう。
図面の簡単な説明 第1図は、Aグリコシルトランスフェラーゼのクロー
ニングを示す。
第1a図は、内部ペプチド(K−8)の一部のアミノ酸
配列及びプライマー及びプローブとして使用される対応
する縮重オリゴデオキシヌクレオチド配列を示す。PCR
実験のために使用されるN−末端アミノ酸配列情報(42
a.a.)が大文字で示されている。プライマーFY−1及び
FY−2、並びにプローブFY−3のオリゴヌクレオチド配
列がそれぞれの領域のアミノ酸配列の下に示される。縮
重度を下げるために、めったに使用されないコドンがFY
−1及びFY−2の合成から排除された。これらの3個の
オリゴの縮重は、それぞれ576(FY−1),144(FY−
2)及び258(FY−3)である。
第1b図は、PCR存在試験の結果を示す。ゲノムcDNAに
おけるオリゴFY−1及びFY−2間のヌクレオチド配列が
PCR方法により増強され、そしてポリアクリルアミドゲ
ル/エレクトロブロットにより分析された。放射性ラベ
ルされたFY−3オリゴプローブが、ハイブリダイゼーシ
ョンのために使用された。試験されたDNAは、(1)血
液型A個人、(2)B個人、(3)O個人からのゲノム
DNA(レーン1)及びランダムにプライムされたMKN45
cDNAであった。phi×174/Hae IIIからのマーカーフラグ
メント(118bp及び72bp)の位置が矢印により示され
る。
第1c図は、PCR同定の結果を示す。6個のファージ候
補体(レーン5〜10)からのDNAが、オリゴFY−1及びF
Y−2間のヌクレオチド配列の存在について現試験によ
り分析された。レーン11においては、MKN45 cDNAの現
試験からの98bpのフラグメントが、ゲル精製され、そし
て対照のサイズマーカーとして使用された。
第2図は、ヒトAトランスフェラーゼをコードするcD
NAクローン(FY−59−5)についての制限地図及び配列
決定手段を示す。タンパク質コード領域は、点線のボッ
クスにより、及び非コード領域は閉じられたバーにより
示される。cDNAの下の矢印は配列決定の方法及び程度を
示す。
第3図は、cDNAクローンFY−59−5のヌクレオチド配
列から推定されるヒトAトランスフェラーゼのアミノ酸
配列を示す。可溶性酵素のN−末端部からのa.a.54での
アラニン及び可能なN−グリコシル化部位(a.a.112で
のAsn)が大文字で示される。配列決定されたペプチド
フラグメントの位置及び名称が点線(たとえば<−−K
−1−−>)により示される。推定される、及び配列決
定されたアミノ酸間のミスマッチが大文字により示され
る。小文字は、不明瞭なアミノ酸を示し、そして×××
印は未決定アミノ酸を示す。明らかなトランスメンブラ
ンドメインがまた示される。
第4図は、異なったABO状態の5種の細胞系のための
クローンのヌクレオチド配列の比較を示す。FY−59−5
(配列が第3図に示されている代表的なA対立遺伝子cD
NAクローン)が、種々の細胞起原からの代表的なcDNAク
ローンと比較される。挿入が線上に示され、そして欠失
が線の下に示される。種々のクローンにおけるヌクレオ
チド配列はFY−59−5に同一であるが、但し線上に示さ
れるものは除く。
第5図は、ABO対立遺伝子cDNAからの推定されるアミ
ノ酸配列を示す。星印は、FY−59−Aに対して同一の残
基を示す。疑問詞は、cDNAにおける対応するヌクレオチ
ド配列の不在により未同定配列を示す。(−)印は、停
止コドンを示す。
第6図は、診断制限酵素消化による遺伝子型決定の結
果を示す。
第6a図は、ABO対立遺伝子cDNAのための対立遺伝子特
異的制限部位を示す。配列は一列に並べられ、そしてFY
−59−5クローンをコードする配列に対応するように数
字を付けられた。
第6b及び6c図は、PCR増幅されたDNAの診断酵素消化分
析の結果を示す。診断フラグメントの位置は次のように
矢印により示される:b、レーン1〜5、Nar I(205及び
262bp);レーン6〜10、BssH II(203及び264);c、レ
ーン1〜5、Alu I(189及び280);レーン6〜10、Hpa
II(186)。ゲノムDNAは次のものであった:MKN45(レ
ーン1及び6)、SW948(2及び7)、SW48(3及び
8)、COLO205(4及び9)及びSW1417(5及び10)。
第6d図はO対立遺伝子の1つの塩基欠失のサザンハイ
ブリダイゼーション検出の結果を示す。ゲノムDNAがBst
E II(レーン1〜5)又はKpn I(レーン6〜10)によ
り消化され、そして(b)及び(c)と同じであった。
発明の詳細な記載 本発明を示す前、本発明に使用される一定の用語の定
義を示すことがその理解のために好都合である。
抗体−本明細書に使用される場合、損なわれていない分
子、そのフラグメント又はその機能的な同等物を包含
し、そして遺伝子工学的に構築され得る。抗体フラグメ
ントの例は、F(ab′)2,fab′、Fab及びFvを包含す
る。
相補的DNA又はcDNA−mRNA鋳型に存在する配列から酵素
学的に合成されたDNA分子又は配列、又はそのような分
子のクローン。
DNA構造体−天然において他に存在しない態様で組合さ
れ、そして並置されているDNAのセグメントを含むよう
に変性されている一本鎖は二本鎖のDNA分子又はそのよ
うな分子のクローン。
プラスミド又はベクター−宿主細胞中に挿入される場
合、その複製を提供することができる遺伝子情報を含む
DNA構造体。プラスミドは一般的に、宿主細胞に発現さ
れるべき少なくとも1つの遺伝子配列及びそのような遺
伝子の発現を促進する配列、例えばプロモーター及び転
写開始部位を含む。それは、線状又は閉じられた環状分
子であることができる。
本発明は、組織−血液型Aグリコシルトランスフェラ
ーゼを供給する。UDP−GalNAc;Fucα1→2Galα1→3Ga
lNAcトランスフェラーゼとしても知られるこのタンパク
質は、基質、たとえばFucα1→2Galβ1→R(H抗
原)へのα1→3GalNAcのトランスファーを触媒する。
組織−血液型Aグリコシルトランスフェラーゼは、抽
出及びクロマトグラフィー処理技法の組合せにより単離
され得る。簡単に言及すれば、1つの態様において、酵
素活性が、均質化及び界面活性剤による可溶化により哺
乳類細胞から抽出される。界面活性剤抽出物が、ゲル濾
過カラム上に通される。酵素活性を含む画分を、カチオ
ン交換クロマトグラフィーによりさらに精製する。最終
精製が、逆相カラムクロマトグラフィーを用いて行なわ
れる。
種々の体液及び組織、たとえば血漿、腎臓及び肺が、
組織−血液型Aトランスフェラーゼの精製のために適切
である。そのような精製のための出発材料の好ましい源
はヒト細胞である。代表的な単離方法は次の通りであ
る。界面活性剤、たとえばTriton X−100を含む緩衝溶
液における組織の均質化は、一定のAトランスフェラー
ゼ活性を有する溶液を生成する。その抽出物の可溶性上
清液がSepharose 4B上に吸着され、そしてUDPにより溶
離される。Aトランスフェラーゼを吸着するSepharose
4Bの能力、及びその酵素活性の溶離は、ロット依存性で
あるように思える。Sepharoseへの結合性の選択性は、U
DP(及びGDP,UMP又は0.2μのNaClではない)による特異
的溶離により示され得る。酵素の追加の精製は、カチオ
ン交換クロマトグラフィー処理により、たとえばモノ−
S HR5/5カラムへの希釈され、そしてpH調節されたSep
harose 4B溶出液の適用により達成される。単一の酵素
調製物を組合せ、そして濃縮することが所望される場
合、第2カチオン交換クロマトグラフィー処理段階が利
用され得る。組織−血液型Aトランスフェラーゼの均質
性への最終精製は、逆相クロマトグラフィー、たとえば
proRPC H5/10カラムへの希釈され、そしてpH調節された
カチオン交換溶離物の適用により達成される。
本発明の代表的な精製された組織−血液型Aトランス
フェラーゼは、次の特徴を有する。ドデシル硫酸ナトリ
ウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)
は、還元及び非還元条件下で約40,000の見掛の分子量
(MW)を有する単一タンパク質バンドを示す。40,000MW
のバンドは、精製方法における段階に関連する特異的活
性の上昇と共に上昇する唯一のバンドであり、そしてそ
のバンドはO個人からの組織の抽出物に不在である。N
−グリカナーゼによる液化は、約6,000の分子量の低下
をもたらし(SDS−PAGEにより評価される場合)、これ
はAトランスフェラーゼが少なくとも1つのN−結合さ
れた炭水化物鎖を有する糖タンパク質である。そのアミ
ノ酸組成及び一部のアミノ酸配列が、精製されたAトラ
ンスフェラーゼのために決定された。
本発明はまた、組織−血液型Aトランスフェラーゼに
結合する抗体を提供する。その抗体は、たとえば免疫−
金(gold)電子顕微鏡によるグリコシルトランスフェラ
ーゼの細胞局在化のために及び細胞分化及び悪性形質転
換においてそれらの役割を誘発するために有用な手段で
ある。上記の精製された生来の組織−血液型Aトランス
フェラーゼタンパク質は、Aトランスフェラーゼタンパ
ク質に結合するポリクローナル又はモノクローナル抗体
を生成するために使用され得る。Aトランスフェラーゼ
のフラグメント又は損なわれていない変性されたAトラ
ンスフェラーゼに対する抗体がまた生成され得ることは
当業者に明らかであろう。後者のタイプの抗体は、たと
えばホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒド“固定さ
れた”細胞発現Aトランスフェラーゼの検出のために特
に有用である。
簡単に言及すれば、ポリクローナル抗体は、動物の免
疫化及び続く、その血清の吸集により生成され得る。血
清吸集の前、1又は複数回の追加免疫化を行なうこと
が、一般的に好ましい。
モノクローナル抗体(MAb)は一般的に、Kohler and
Milstein(Nature 256:495〜497,1975;Eur.J.Immunol.
:511〜519,1976)の方法により生成され得る。簡単に
言及すれは、精製されたタンパク質により注射された動
物のリンパ節及び/又は脾臓が、ハイブリッド細胞系
(“ハイブリドーマ”又は“クローン”)を形成するた
めに骨髄細胞と融合される。個々のハイブリドーマは、
タンパク質に対して特異的な単一タイプの免疫グロブリ
ンを分泌し、そして骨髄細胞のように、無限の細胞分割
のための可能性を有する。
本発明のMAbは、実質的に純粋な組織−血液型Aトラ
ンスフェラーゼによる動物の免疫化により生成される。
脾臓細胞が骨髄細胞と融合され、そしてハイブリドーマ
が限界希釈法によりクローン化される。ハイブリドーマ
は、固相に結合される精製された生来のAトランスフェ
ラーゼタンパク質との反応性、高いAトランスフェラー
ゼ活性を有する血液型A細胞の染色及びトランスフェラ
ーゼ活性の免疫沈殿に基づいて選択され得る。ハイブリ
ドーマをスクリーンするためのこの手段は、トランスフ
ェラーゼ活性を免疫沈殿し、そして阻害することができ
る“機能的”な抗体の選択を可能にする。血液型ABH炭
水化物決定基との反応性の不在についての追加のスクリ
ーニングは、Aトランスフェラーゼに関連するタンパク
質エピトープに向けられるMAbを分泌するハイブリドー
マの選択を可能にするが、しかしその免疫優性ABH炭水
化物決定基に関しては可能にしない。
代表的なMAb、すなわちWKH−1は、ATCCNo.HB 10207
により命名されたハイブリドーマにより生成される。そ
のMAbは、高いAトランスフェラーゼ活性を有する細胞
と反応し、そしてそのAトランスフェラーゼ活性及びヨ
ウ素化された40,000MWのトランスフェラーゼタンパク質
を免疫沈殿する。MAbは、A1及びA2のみならず、またB
トランスフェラーゼ活性もまた免疫沈殿せしめ、そして
一部阻害し、そしてB細胞発現性Bトランスフェラーゼ
と反応し、従って、Bトランスフェラーゼとの交差反応
性を示す。対照的に、MAbはO表現型を有する種々の細
胞との反応性を示さなかった。WKH−1と組織−血液型
Aトランスフェラーゼとの間での免疫複合体の形成を競
争的に阻害する他のMAbが生成され得ることが、当業者
に明らかであろう。
本発明はまた、単離されたDNA分子、たとえば組織−
血液型AトランスフェラーゼをコードするゲノムDNA及
びcDNAを供給する。精製されたAトランスフェラーゼの
部分的アミノ酸配列に基づいて、このタンパク質をコー
ドするcDNAがクローンされた。このクローニング手段
は、次の通りに簡単に要約され得る:1)アミノ酸配列か
ら逆翻訳された縮合オリゴデオキシヌクレオチドの合
成;2)cDNA調製;3)ポリメラーゼ鎖反応(PCR)存在試
験;4)増幅されたフラグメントの調製;5)cDNAライブラ
リー構成;6)増幅されたcDNAライブラリーのためのPCR
存在試験(任意);7)増幅されたフラグメントプローブ
によるライブラリーのスクリーニング;及び8)PCR同
定試験。より詳しくは、組織−血液型Aグリコシルトラ
ンスフェラーゼをコードする代表的なDNA分子の単離の
ために、ヒト胃癌細胞系MKN45(高レベルのA−抗原を
発現する)からのポリA+RNAが、λgt10 cDNAライブ
ラリーの構成のために使用された。他方、cDNAライブラ
リーは、ヒト組織から構成された。縮重合成オリゴデオ
キシヌクレオチドが、cDNAにおける対象の配列の存在を
検出するために(存在試験)、及び放射性ラベルされた
PCR増幅フラグメントによりライブラリーをスクリーニ
ングした後、正しいクローンを同定するために(同定試
験)、ポリメラーゼ鎖反応のために使用された。
Aトランスフェラーゼタンパク質の一部のアミノ酸配
列に基づくオリゴヌクレオチドプローブを、第1a図に示
されるようにして構成した。cDNAをランダム−プライミ
ングにより構成し、そしてPCR分析を用いて、対象の配
列がcDNAに存在するかいづれかを確かめた(存在試
験)。第1b図に示されるように、増幅されたフラグメン
トの内部配列のためのFY−3オリゴマープローブにより
検出される場合、予測される大きさの98bpのフラグメン
トが得られた。続いて、このフラグメントを、ゲル精製
し、そしてPCR反応における32P−ラベリングの後、cDNA
ライブラリーをスクリーンするために使用した。緊縮ハ
イブリダイゼーション及び洗浄条件が使用された(たと
えば、Suggsなど。Developmental Biology Using Purif
ied Gene,D.Brown and C.F.Fox,683ページ、Academic P
ress,N.Y.,1981)。候補体クローンの同定を、PCR(同
定試験)により試験した。10個のクローンのうち3個
が、cDNA挿入体に98bpの配列を有した(第1c図)。pT7T
3プラスミド中にサブクローンした後、この挿入体を、
同じライブラリーを再スクリーニングするための放射性
プローブとして使用し、そして15個のクローンを、cDNA
挿入体を有する100万個の独立クローンのライブラリー
から単離した。
得られたcDNAクローンは、種々の5′及び3′末端の
他に、種々の内部配列を含んだ。そのクローンは、コー
ドフレームにおける終結シグナルの存在に基づいてイン
トロンとして同定される一定の配列の存在によりグルー
プ分けされた。これらのクローンは、スプライスされて
いない又は一部スプライスされたmRNAに由来することが
できる。反復配列がそのコード領域の下流に見出され
た。
EcoR I cDNA挿入体を、詳細な分析のためにpT7Tプラ
スミド又はPhagescript SKのEcoR I部位中にサブクロー
ンした。クローンの1つ、すなわちFY−59−5の制限地
図は、第2図に示される。いくつかの他のクローンは、
種々の5′−又は3′−末端の他に、イントロン配列の
存在による種々の地図を示す。いくつかの欠失構造体
を、配列決定するために調製した。配列決定を、全体の
コード配列のための両鎖について行なった(第2図)。
cDNAクローンFY−59−5は、MW41,000のタンパク質を
コードする1062bpの長いコード配列を有する(第3
図)。第1のメチオニンコドンが、開始コドンであるよ
うに思える。Aトランスフェラーゼの可溶形のアミノ酸
組成は、その対応するヌクレオチド配列から推定される
アミノ酸組成とひじょうに一致する。上記のように、N
−グリカナーゼ処理されたAトランスフェラーゼのMW
は、34,000であることが見出され、これは、そのヌクレ
オチド配列から推定される値に一致する。精製されたA
トランスフェラーゼから配列決定されたすべてのペプチ
ドが説明され、そして予測されたアミノ酸配列とほぼ同
一であった。従って、得られたcDNAクローンは、組織−
血液型Aトランスフェラーゼとして上記に記載される4
1,000MWのタンパク質をコードする。
可溶性の精製されたAトランスフェラーゼのN−末端
は、位置54でアラニンから開始する。このN−末端の前
に、21個のアミノ酸を拡張する疎水性領域が存在し、そ
して膜結合形のAトランスフェラーゼのトランスメンブ
ラン領域であると思われる。プロリン富化領域(60個の
うち9個)の後に、前記疎水性領域が存在する、N−グ
リコシル化部位は、位置112(N−T−T)で位置する
ように思われる。残る長いC−末端部分は、適度な疎水
性である。
疎水性フロット分析に基づけば、Aトランスフェラー
ゼは3種のドメイン;短いN−末端、疎水性トランスメ
ンブラン及び長いC−末端ドメインから成る。精製され
た可溶性形のこの酵素は触媒的に活性であるが、しかし
N−末端及び疎水性ドメインを欠くので、長いC−末端
ドメインは触媒性ドメインを含むように思われる。
サザンハイブリダイゼーションが、種々のABO血液型
抗原を有する源からDNA間での制限フラグメント長さの
多型現象(RFLP)について分析するために行なわれた。
AトランスフェラーゼmRNAを検出するために、ノザンハ
イブリダイゼーション実験を行なった。複数のバンド
が、A,B,AB及びさらにO表現型の細胞系からのRNAに検
出された。従って、ABO遺伝子の配列は、実質的にひじ
ょうに類似するように思われる。
本発明はまた、組織−血液型Bグリコシルトランスフ
ェラーゼをコードして、そしてもしあるなら、組織−血
液型O遺伝子のタンパク質生成物をコードする単離され
たDNA分子、たとえばゲノムDNA及びcDNAを供給する。UD
P−Gal:Fucα1→2Galα1→3Galとしても知られる組織
−血液型Bグリコシルトランスフェラーゼは、基質、た
とえばFucα1→2Galβ1→R(H抗原)へのα1→3Ga
lのトランスファーを触媒する。類似するトランスフェ
ラーゼ活性は、O表現型に関係しない。このクローニン
グ手段及び上記の一部のアミノ酸配列に基づくオリゴヌ
クレオチドプローブを用いて、B対立遺伝子cDNAクロー
ン(たとえばヒト結腸腺癌細胞系、すなわちATCCから入
手できるSW1417からの)及びO対立遺伝子cDNAクローン
(たとえばヒト結腸腺癌細胞系、すなわちATCCから入手
できるColo205からの)が調製された。これらのクロー
ン及び本発明により供給される他のクローンの要約が下
記表1に示される。
表1に示されるように、2種のクローンFY−59−5及
びFY−59−7(MKN45 cDNAライブラリーからの)を、
代表的なA−遺伝子対立遺伝子として同定した。これら
のクローンは、対応する領域のための同一配列、及び精
製されたAトランスフェラーゼのクローンとマッチされ
るこれらのクローンの推定されるアミノ酸配列を示し
た。しかしながら、それらは異なった5′及び3′末端
並びに異なったスプライシングパターンを示した。SW94
8(表現型O、遺伝子型OO)のcDNAライブラリーから得
られた4種のcDNAクローン(FY−65−1,FY−65−10,FY
−65−15,FY−65−18)は、同一のヌクレオチド配列を
示し、そしてO遺伝子対立遺伝子を示すものとして判断
された。SW48、すなわちAB細胞系からのcDNAクローンを
2つのグループに分割した:クローンFY−66−1,FY−66
−2,FY−66−3,FY−66−7は同じグループに属し、とこ
ろがクローンFY−66−9は4種のアミノ酸置換をもたら
すいくつかの塩基置換により異なる。FY−66−1,FY−59
−5及びFY−59−7の間のヌクレオチド配列類似性に基
づけば、FY−66−1により表わされるグループはA対立
遺伝子であると思われ、そして他のものはABO遺伝子座
でB対立遺伝子であると思われる。
異なったABO状態の5種の細胞系からのクローンのヌ
クレオチド配列を比較した(第4図)。この比較に基づ
けば、A及びBクローン間の7個の単一塩基置換が同定
される(ヌクレオチド位置294,523,654,700,793,800及
び927)。4個の一致したヌクレオチド置換は、A及び
B対立遺伝子cDNA間でアミノ酸変化を導く(残基176,23
5,266及び268)(第5図)。本発明の開示はまた、第3
及び第4アミノ酸置換(a.a.266及び268)が糖ヌクレオ
チド特異性の決定において決定的であり、そして第2a.
a.置換(a.a.235)がまた特異的に影響を及ぼすことを
示す。O遺伝子対立遺伝子を表わすcDNAクローンはA対
立遺伝子に同一である(但し、単一塩基の欠失を除く;
ヌクレオチド位置258でのG)。アミノ末端に隣接して
位置するこの欠失は、読み取り枠のシフトをもたらし
(第5図)、そしてたぶん酵素的に不活性なタンパク質
の翻訳を導く。従って、O個人におけるトランスフェラ
ーゼ活性の欠失は、その読み取り枠におけるシフトによ
る。
ABO表現型の多型現象、たとえばA1−A2サブグループ
は存在することが知られているので、ABO遺伝子におけ
る変異体が、存在することが当業者に明らかであろう。
変異体は、代表的なABO遺伝子について本明細書に記載
された方法により単離され得、そして細胞により発現さ
れる抗原のタイプ、検出される特異的酵素活性及び/又
は他の方法論、たとえばハイブリダイゼーションを包含
する方法に基づいて同定され得る。本明細書で使用され
る場合、用語“単離されたDNA分子”とは、上記の代表
的なABO遺伝子及びこれらの遺伝子の変異体の両者を包
含する。A,B及びO遺伝子のタンパク質生成物をコード
しないが、しかしそれぞれA,B、及びO遺伝子生成物を
コードするDNA分子により特異的にハイブリダイズする
ことができるDNA分子がまた単離され得る。
上記ABO配列情報及び材料に基づいて、ヌクレオチド
プローブが、たとえばPCR増幅により生成され、そして
組織−血液型グリコシルトランスフェラーゼを包含する
DNA又はRNA診断方法(Landegrenなど.,Science 242:22
9,1988)のために使用され得る。本発明内に開示される
ように、A,B及びO遺伝子の配列の差異は、これらの遺
伝子のための選択的プローブの調製を可能にする。その
プローブは、遺伝子生成物をコードするDNAに由来する
ヌクレオチド配列又はそのようなDNAの一部を含むこと
ができることは当業者に明らかであろう。オリゴデオキ
シヌクレオチドが合成され得(Tanなど.,Cold Spring H
arbor Symp.Guant.Biol.,第47巻、383ページ)又はDNA
合成機、たとえばApplied BlogystemsのDNA合成機380B
により調製され得る。
ヌクレオチドプローブ対抗体を用いる本発明の方法
は、より高度の精度及び高められた感度を可能にする。
そのようなヌクレオチドプローブの適用は、血液輸血、
器官移植及び法医学のために有用であるABO血液型判定
を包含する。法医学適用においては、数年間、貯蔵され
たサンプル、たとえば髪の断片、体液又は血液のしみ、
又は組織断片が、組織−血液型の同定のために利用され
得る。
ヌクレオチドプローブの使用による組織−血液型ABO
状態を決定するための適切な方法は、DNAハイブリダイ
ゼーションを包含する。たとえば、組織−血液型ABO状
態を検出するためには、少なくとも3種のDNAプローブ
を調製する。1つの態様において、1つのプローブ
(“Aプローブ”)は、組織−血液Aグリコシルトラン
スフェラーゼをコードするDNAに由来するヌクレオチド
配列を含んで成り、もう1つのプローブ(“Bプロー
ブ”)は、組織−血液型Bトランスフェラーゼをコード
するDNAに由来するヌクレオチド配列を含んで成り、そ
してさらにもう1つのプローブ(“Oプローブ”)は、
組織−血液型O遺伝子のDNAに由来するヌクレオチド配
列を含んで成る。患者から単離されたDNAによるプロー
ブのハイブリダイゼーションは、存在するプローブのす
べて又は患者のDNAの別々のアリコートと共にインキュ
ベートされた個々のプローブにより行なわれ得る。
たとえば、1つの態様において、患者のDNAの1つの
アリコートを、ハイブリダイゼーションを可能にする条
件下で上記3種のDNAプローブと共にインキュベートす
る。ハイブリダイゼーションが生じた場合、組織−血液
型A状態、B状態又はO状態の存在について、診断的で
あるハイブリダイゼーションのパターンが検出される。
検出の段階は、プローブ、プローブと反応する分子又は
第1分子と反応する第2分子に結合されるレポーターグ
ループの使用により行なわれ得る。適切なレポーターグ
ループは、放射性同位体、螢光団、酵素、発光体及び染
色粒子を包含する。個々のDNAグループは、異なったレ
ポーターグループを含むことができる。
DNAハイブリダイゼーションにより組織−血液型ABO状
態を決定するためのもう1つの態様においては、上記プ
ローブ(A,B及びOプローブ)を、種々のアリコートの
患者のDNAと共に別々にインキュベートする。たとえ
ば、DNAの第1アリコートをAプローブと共にインキュ
ベートし、第2アリコートをBプローブと共にインキュ
ベートし、そして第3アリコートのDNAをOプローブと
共にインキュベートする。第1アリコートのハイブリダ
イゼーションのパターンは、組織−血液型A状態の存在
の診断に役立ち、第2アリコートのハイブリダイゼーシ
ョンのパターンはB状態の存在の診断に役立ち、そして
第3アリコートのハイブリダイゼーションのパターンは
O状態の存在の診断に役立つ。検出の段階に関する上記
論議がまた、ここで適用できる。
DNAフラグメントを生成するために患者から単離され
たDNAを切断することがハイブリダイゼーションを包含
する方法のために所望される。そのような切断は、少な
くとも1つの制限エンドヌクレアーゼによるDNAの消化
により行なわれ得る。さらに患者から単離されたDNAを
増幅することがハイブリダイゼーションを包含する方法
のために所望される。そのような増幅は、PCR方法論を
用いて行なわれ得る。オリゴデオキシヌクレオチドハイ
ブリダイゼーション方法論及びPCRの適用は当業界にお
いて良く知られている(たとえば、Miyadaなど.,Method
s in Enzymology,第154巻、94ページ;Busなど.,Nature
327:293,1987)。
組織−血液型ABO状態を決定するためのもう1つの適
切な方法は、DNAフラグメントを大きさにより区別する
ことを包含する。たとえば、DNAを患者から単離し、そ
して少なくとも1つの制限エンドヌクレアーゼにより切
断し、複数のDNAフラグメントを生成する。フラグメン
トを大きさにより分離し、そして組織−血液型ABO状態
を、組織−血液型A、又はB又はO状態に対してユニー
クなDNAフラグメントの存在の検出から決定する。たと
えば、対立遺伝子特異的制限部位はNar I及びAlu Iを包
含する。これらの制限酵素は、PCRと共に組合される場
合、対立遺伝子−特異的フラグメントを生成する。
A及びBトランスフェラーゼ遺伝子のクローニング及
び特徴化に基づかれる本発明のもう1つの観点は、DNA
構造体及び組換えプラスミドの調製である。上記のよう
に、本明細書で使用される場合、用語“DNA構造体は、
天然において存在しない態様で組合され、そして並置さ
れているDNAのセグメントを含んで成る。より詳しく
は、DNA構造体は、“単離された"DNA配列に関して、1
又は複数の欠失、置換、付加及び/又は挿入が存在す
る、組織−血液型A又はBをコードするDNA配列を含む
ことができる。DNA配列の一部は、ゲノムまたはcDNAク
ローンに由来することができる。本明細書に記載される
DNAは適切なプロモーターを含むことができる。
創造され得るDNA構造体の例は、キメラ、たとえばA
及びBトランスフェラーゼ活性の両方を有するA−Bキ
メラを包含する。簡単には、上記のように、A及びB対
立遺伝子のコード領域に4個のアミノ酸置換(a.a.176,
235,266及び268)が存在する。A対立遺伝子にアルギニ
ン、グリシン、ロイシン及びグリシンが存在し、そして
B対立遺伝子にグリシン、セリン、メチオニン及びアラ
ニンが存在する。これらの置換部位は、Sst II−Ava I
フラグメントにすべて位置する。また、このフラグメン
トに、これらの4種の置換を分離するBstY I,Fok I及び
Mbo IIのための単一の制限酵素消化部位が存在する。従
って、これらの部位は構成のために使用され得る。5′
及び3′の未翻訳領域の差異の影響を排除するために、
p59−5/66−7(S)のSst II−Ava Iベクターフラグメ
ントを用いて、Sst II−Ava Iキメラ構造体を適合せし
めることができる。構造体が創造された後、Sst II−Ba
mH I(たとえばStratagene,La Jolla,CAからのpSG−5
ベクターにおける)フラグメントが、Sst II−BamH Iフ
ラグメントを置換するp66−1(S)中にトランスファ
ーされ得る。
本発明の好ましい態様において、グリコシルトランス
フェラーゼを発現することができる組換えプラスミド
は、プロモーター、その下流に組織−血液型A又はBト
ランスフェラーゼをコードするDNA配列、次にその下流
にポリアデニル化シグナルを含んで成る。前記DNA配列
は、cDNA又はゲノムDNAであり得る。前記プラスミド
は、一時的又は安定して細胞をトランスフェクト(形質
転換)し、そしてそれによって、グリコシルトランスフ
ェラーゼを発現する細胞系を確立するために使用され得
る(Current Protocols in Molecular Biology,第1及
び2巻、Wiley Intersience)。組織−血液型A又はB
グリコシルトランスフェラーゼを生成するための方法の
1つの態様は、組織−血液型A又はBグリコシルトラン
スフェラーゼをコードする単離されたDNA分子又は組織
−血液型A又はBグリコシルトランスフェラーゼをコー
ドするDNA配列を宿主細胞中に導入することを含んで成
る。宿主細胞が適切な培地で増殖せしめられ、そして単
離されたDNA分子によりコードされるタンパク質生成物
又は宿主細胞により生成されるDNA構造体が単離され
る。好ましい宿主細胞は、哺乳類細胞を包含する。特に
好ましい宿主細胞は、HeLa細胞及びCUS−1細胞を包含
する。培養された哺乳類細胞にクローン化されたDNA配
列を導入するための適切な方法は、リン酸カルシウム媒
介のトランスフェクションを包含する(たとえばWigler
など.,Cell 14:725,19 78;Carsaro and Pearson,Somati
c Cell Genetics :603,1981;Graham and Van der Eb,
Virology 52:456,1973)。組換えA又はBトランスフェ
ラーゼタンパク質を生成する場合、完全な配列を使用す
る必要がないことは当業者に明らかであろう。
本発明のもう1つの観点は、組織−血液型Aグリコシ
ルトランスフェラーゼをコードするDNA配列を含む非病
原性細菌性細胞を確立することを含んで成る、患者にお
ける腫瘍増殖を抑制するための方法を提供する。次に、
前記細菌性細胞が、患者に導入され、それによってA抗
原に対する細菌株を富化する。この富化は、患者の腫瘍
に対する体液性免疫応答を刺激する。適切な非病原性細
菌は、ラクトバシラス(Lactobacillus)株を包含す
る。A抗原を発現する細菌性細胞は、組織−血液型グリ
コシルトランスフェラーゼをコードするDNA配列を導入
することによって確立され得る。
次の例は、例示目的であって、本発明を制限するもの
ではない。
実施例 例1 ヒトUDP−GalNAcの精製:Fucα1→Galα1→3−N−ア
セチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ A.α−GalNAcトランスフェラーゼ活性の測定 (1)糖脂質。α−GalNAcトランスフェラーゼ活性は総
量100μlにおいて、10mMのトリス緩衝液(pH7.4)、25
μg合のH1又はH2タイプ2鎖基質糖脂質、2μモルのMn
Cl2、0.5μモルのCDP−コリン、40μgのカツカム(Cut
scum)、11nモルのUDP〔14C〕−GalNAc(22.816cpm/nモ
ル;標識物はアマーシャム(Amersham)由来そして未標
識物はシグマケミカル社(Sigma Chemical Co.)由来)
及び以下の通りの酵素調製品を含む反応混合物において
測定した。放射活性糖脂質生成物はオートラジオグラフ
ィーにより示され、このプレートからかき出しそして液
体シンチレーションカウンターを用いて計測した。この
反応生成物の同定は、Clausenら(J.lmmunol.136:326−
330,1986)により既に詳細の通り、よく特徴付けられて
いる特異性を有す抗−A MAbを利用する高性能薄膜ク
ロマトグラフィー(HPTLC)免疫染色により評価した。
(2)2−フコシルラクトース。トランスフェラーゼ活
性を糖脂質アッセイと同様の反応混合物であるが但しカ
ツカムの省略及び低比活性の糖ヌクレオチド(4,000cpm
/nモル)を有するものにおいて測定した。受容基質2−
フコシルラクトース(2′FL)を5〜10mMの濃度におい
て用い、そしてその生成物を、Dowex−1ギ酸サイクル
クロマトグラフィーの後のシンチレーション計測により
測定した。
B.均質性への単離 緩衝液:pHは室温で測定した。緩衝液A:100mMのNaCl、
50mMのカコジル酸、2mMのMnCl2、1mMのエチレンジアミ
ン四酢酸(EDTA)、1%のトリトンX−100、pH6.7。緩
衝液B:100mMのNaCl、50mMのカコジル酸、20mMのMnCl2
1mMのEDTA、0.1%トリトンX−100、pH6.5。緩衝液C:50
mMのカコジル酸、20mMのMnCl2、1mMのEDTA、50μMのUD
P、0.1%のトリトンX−100、pH7.5。緩衝液D:50mMのカ
コジル酸、2mMのMnCl2、1mMのEDTA、pH6.5。
複数のヒト酵素起源を試験し、そして肺組織を選択し
た。その理由は明らかなる高い比活性及びこの酵素活性
が明らかに最も可溶性である事実に基づく。粉砕(mort
em)後24〜72時間凍結(−80℃)した血液型A及びAB肺
(Aサブグループステータスに基つく情報は何ら得られ
なかった)を利用した。精製にわたり、1%のプロシル
−28(Thomas Scientific)によりシリコン化され、そ
して30分加熱(100℃)せしめたガラス製試験管を用い
た。精製の全ての段階は4℃で行った。
段階1:段階4迄の抽出及び精製工程は一度に単一の肺
(1−2kg)によって実施した。融解せしめた組織を2
容量の緩衝液Aの中で、1ガロンウォーリングブレンダ
ーにおいてホモジナイズせしめた(30秒の間隔を置きな
がら10−20秒のホモジナイゼーションを4回)。この粗
ホモジネート品をベックマンJA−10ローターにおいて1
0,000rpmで1時間遠心せしめた。この上清液を更にワッ
トマン1号紙に濾過させた。
段階2:セファローズ4Bクロマトグラフィー:41の上清液
抽出物のバッチを、予備平衡化せしめた40mlのセファロ
ーズ4B(ロット番号56F0333と56F0377、シグマより購
入)の直径30mmのカラム(Biorad)に、流速3ml/分で
通過させた。このカラムを200mlの緩衝液Bにより洗浄
し、そして100mlの緩衝液Cにより溶出させた。50μM
のGDP又はUMPと同様に0.2MのNaClを含むことは酵素活性
物は溶出させないが、しかしその他の夾雑タンパク質を
除去せしめる。しかしながらこの高められた洗浄効果は
溶出物の収量を低める。酵素活性を有す画分(3ml)
をプールし、50mMのカコジル酸緩衝液(pH6.0)により
最終容量50ml迄希釈し、そして1Mの遊離のカコジル酸に
よりpH6.2に調整した。25%のグリセロールを添加した
この酵素は氷上において活性の有意な損失を伴うことな
く数日間安定であり、そして活性の損失を伴うことなく
数ヶ月−30℃で保存できる。
段階3:第1陽イオン交換(モノ−SHR5/5)クロマトグラ
フィー:希釈且つpH調整せしめたセファローズ4B溶出物
を、ファルマシア(Upsala,Sweden)高速加圧液体クロ
マトグラフィー(fast pressure liquid chromatograph
y)(FPLC)システムと連結している50mlのスーパール
ープを介してモノ−SHR5/5カラムに適用した。このカラ
ムを緩衝液Dにおいて平衡化せしめ、そしてこの緩衝液
20mlにより洗浄した。溶出は流速1ml/分により、23mlの
緩衝液Dにおける0〜0.5MのNaCl勾配により達成せしめ
た。酵素活性物を含む画分(5ml)をプールし、そし
て25%のグリセロールを加えた。この時点で、グルセロ
ールを伴わない酵素は非常に不安定であるが、グリセロ
ールを伴う場合、氷の上で24〜48時間そして−30℃で数
週間安定である。
段階4:第2イオン交換(モノ−SHR5/5)クロマトグラフ
ィー:第1モノ−SHR5/5カラム段階(段階3)の後凍結
保存した6〜8個の個々の肺抽出物由来のプールせしめ
た画分をプールし、そして100mlの緩衝液Dにより希釈
し、そして2容量の50mlのスーパーループを介してこの
モノ−Sカラムに再度適用せしめた。このクロマトグラ
フィーは段階3に詳細と同様である。この段階は濃縮及
びグリセロールの除去、更にはUV(280nm)溶出図によ
り確認される通り、ある程度の精製をもたらす。
段階5:逆相クロマトグラフィー(proRPC H5/10)クロ
マトグラフィー:有意な損失を伴わず、塩類及び緩衝剤
も含まない均質なタンパク質を得るため、第2モノ−S
クロマトグラフィー(段階4)の溶出物(5ml)を最
終容量10ml迄0.1%のトリフルオロ酢酸(TFA)により希
釈し、そしてTFAによりpHを2.5に調整した。このサンプ
ルをファルマシアFPLCシステムに連結したproRPC H5/1
0に、10mlのスーパーループを介して適用せしめた。こ
のカラムを0.1%のTFA10mlにより洗浄し、そして流速0.
3ml/分にて、0.1%のTF40mlにおける0〜80%のアセト
ニトリル勾配により溶出させた。UV(280nm)吸収及び
ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳
動(SDS−PAGE)プロフィールに基づいて画分をプール
した。
例2 アミノ酸組成及びN−末端配列の決定 全部で6〜8個の肺(10〜12kgの組織に相当)由来
の、例1の段階5を介して得られた酵素調製品を用い
た。同一組織からのAトランスフェラーゼタンパク質を
含む画分をプールし、そしてシリコン化プラスチック製
マイクロ遠沈管中でスピードVac濃縮機において凍結乾
燥せしめた。タンパク質を真空のもとで6NのHCl中で24
時間又は74時間、110℃にて加水分解せしめ、そしてア
ミノ酸分析器に適用せしめた(日立L−8500)。
見かけ上30μgのAトランスフェラーゼを還元後にカ
ルボキシメチル化せしめ、そしてTSK G2000SWカラムに
より更に精製した。この組成物のN−末端配列をシーケ
ンサーを利用して自動化エドマン分解により決定した。
このAトランスフェラーゼをアクロモバクター(Achrom
obacter)エンドリシル(endolysyl)ペプチダーゼによ
って分解し、そして切り離されたペプチドをTSKG2000SW
SXLカラムによる高圧液体クロマトグラフィー(HPL
C)において分画し、そして種々のペプチド(K1からK
9)が分離された。各ペプチドは以下に詳細の通りに配
列決定された。
例3 ヒト血液型Aトランスフェラーゼに対するMAbの調製及
び特徴付け A.MAbの作製 ヒト組織−血液型Aトランスフェラーゼに対する三種
の抗体WKH−1,−2及び−3の製造は、生後3ヶ日のBAL
B/Cマウスの免疫化により達成せしめた。リビ(Ribi)
のアジュバント(1リン酸化脂質A+トレハロースシミ
コール酸)中に乳化せしめたAトランスフェラーゼ(例
に記載の通りに調製)によってマウスを、1回の注射当
り約30μgのトランスフェラーゼにて4回の腹膜腔内注
射(3週間間隔)によって免疫せしめた。最後の免疫の
3日後に脾臓細胞をNS−1ミエローマ細胞と融合させ、
そしてハイブリドーマを少なくとも3回の限界希釈によ
ってクローン化せしめた。ハイブリドーマは粒子濃縮蛍
光イムノアッセイ(particle−concentrated fluoresce
nce immunoassay)(PCFI)、高Aトランスフェラーゼ
活性を有す血液型A細胞の免疫染色(MKN−45)及びト
ランスフェラーゼ活性物質の免疫沈殿によってスクリー
ンした。コントロールは、A又はB活性トランスフェラ
ーゼを伴わずに、種々のA糖脂質を含んだ(Colo205)
(Clausneら、Biochemistry 25:7075−7085,1986に従っ
て調製)。アイソタイプ及びサブクラスは、ヤギ抗−マ
ウス蛍光イソチオシアネート(FITC)−複合化抗体を用
いるPCFI及びウサギ抗−マウス抗体(Boehringer Mannh
eim Biochemicals)を用いるオクタロニー(Ochterlon
y)法により決定した。MAbは何らかの記載がない限り、
組織培養上清液として利用した。抗体はプロテインAセ
ファローズ4Bカラム(pH9.0)において、100mMのクエン
酸緩衝液(pH4.2)により溶出させて精製し、そして20m
Mのトリス緩衝液(pH7.4)に対して透析せしめた。
B.PCFIスクリーニング およそ50μgの精製トランスフェラーゼ(例1に詳細
の通りに調製した)を0.5%(w/v)のフルオリコンカル
ボキシル−ポリスチレン アッセイ粒子(0.86μm、Pa
ndex)1mlと混合せしめ、そして最終濃度1mg/mlとなる
ように固形の1−エチル−3〔3−ジメチル−アミノプ
ロピル〕カルボジイミドを加えることによって共有結合
させた。炭水化物との反応性のコントロールは唾液又は
卵巣嚢胞粘液によって同様に被覆されたビーズ(Dr.Elv
in Kabatから贈与)及びClausenら、Molec.Immun.25:19
9−204,1988により既に詳細の通り、A−活性糖脂質に
より被覆されたビーズを含む。撹拌後、この混合物を室
温で1−2時間インキュベートせしめた。次に微粒子を
遠心し(3,000xg、10分)、リン酸緩衝食塩水(PBS)に
より洗浄し、5%の牛血清アルブミン(BSA)/PBS又は
ヒト血清(1:10希釈)のいづれかによりブロックし、そ
してPBS中の0.25%w/vの最終容量にした。抗原−被覆粒
子を次にBSA−被覆粒子(同様の工程)において1:10に
希釈し、0.225%のBSA粒子及び0.025%のトランスフェ
ラーゼ粒子の最終粒子濃度にした。20μlのBSA−トラ
ンスフェラーゼ又はBSA−被覆粒子を、0.2μmのフィル
ターの付いた96穴エピコンアッセイプレート(Pandex)
に分配せしめた。自動化粒子濃縮蛍光イムノアッセイス
クリーン装置(Pandex)(Jolleyら、J.Immunol.Meth.6
7:21−35,1984に詳細の通り)は、各ウェルの底にある
0.2μmフィルターを介しての真空吸引及び8−チャン
ネルポンプを介しての緩衝液の分配により、以下の連続
工程、即ち、50μlのMAb培養上清物との10分間にわた
るインキュベーション、PBSによる洗浄、25μlのアフ
ィニティー精製ヤギ抗−マウスIg FITC−複合化抗体1:
200、Pandex)との10分間にわたるインキュベーショ
ン、PBSによる洗浄、並びにウェルの底において抗原−
被覆粒子のセンターリング及び濃縮する最終吸引後の48
5mm/535nmでの測定、を可能にした。
C.細胞系及び組織の免疫染色 細胞はアメリカンタイプカルチャーコレクション(AT
CC)の仕様に従った方法で増殖せしめ、ゴム製ポリース
マンにより集め、そして10−穴マイクロスライド(Carb
on Scientific,Peokone IL)上において2時間にわたり
空気乾燥せしめた。スライドを氷冷アセトン中で10分間
「固定化」せしめ、そして乾燥させた。細胞を第1抗体
と37℃で45分間インキュベートし、そして蛍光物質複合
化ウサギ抗−マウス抗体(Dakopatts,Denmark)と37℃
で30分間インキュベートせしめた。同様にヒト口内粘膜
組織、唾液腺及び手術で得られたヒト腸をドライアイス
で予め冷やしたイソペンタン中で瞬間凍結させ、ティッ
シュ−テク(Tissue−Tek:商標)(Miles Scientifi
c)中に包埋化せしめた後にクリオスタットによってっ
切片化せしめ、そして直ちに免疫染色のために処理せし
めた。切片を簡単に空気乾燥させ、そして前記した細胞
系に関するアセトン中での「固定化」及び免疫染色化と
同様に、アセトン中で「固定化」及び免疫染色せしめ
た。但し、第1抗体とは、4時間の代りに4℃で一夜イ
ンキュベートせしめた。
エピーイルミネーションを利用したザイス(Zeiss)
蛍光顕微鏡においてこのスライドを調べた。この顕微鏡
にはFITCに緩衝フィルター及び200Wの水銀灯が付いてい
る。染色のコントロールのためには、第1抗体をPBS又
はMAbであって他の特異性を有すが、試験抗体と同一の
アイソタイプであるものに置き換えた。風乾スライド及
びヌードマウスにおいて腫瘍として増殖した細胞であっ
て固定化、パラフィン包埋化及び切片化せしめたものに
基づき、パラホルムアルアルデヒド又はグルタルアルデ
ヒドにより「固定化」せしめた後に、MAbによる染色も
行った。結腸組織の場合においては、切片はOrntoft
ら、Lab.Invest.58:576−583,1988に詳細の通り、アビ
ジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ複合体により染色し
た。
D.活性Aトランスフェラーゼの免疫沈殿 1mgのアフィニティー単離ヤギ抗−マウスIgG(Boehri
nger Mannheim Biochemicals)をPBS中の1%のフルオ
リコンポリスチレンアッセイ粒子(0.85μm、Pandex)
10mlに加えた。室温で2時間経過後、この懸濁物を10分
間遠心(3,000g)し、PBS中の3%のBSAによりブロック
し、そして1%w/vの最終濃度へと再懸濁せしめた。ヤ
ギ抗−マウス粒子をMAbハイブリドーマ上清液と1:5の比
において混合し、4℃で15分間インキュベートし、そし
て2分間遠心せしめた(3,000×g)。これらのビーズ
を緩衝液A(50mMのトリス緩衝液〔pH7.4〕、100mMのNa
Cl、20mMのMnCl2、1mMのエチレンジアミン四酢酸、0.1
%のトリトンX−100及び3%のBAS)により洗浄し、そ
して1%の濃度へと緩衝液Aの中に再懸濁せしめた。存
在しているAトランスフェラーゼの2倍量を結合でき
る。濃度迄この粒子入を酵素サンプルに加えた(500μ
lの濃縮血漿に対して約100μlの粒子)。4℃で30分
経過後、この粒子を3,000×gで2分間遠心し、そして
この上清液に残っている酵素についてアッセイした。こ
の沈殿粒子を緩衝液Aにより2回洗浄し、50μlの洗浄
緩衝液の中に再懸濁させ、そして酵素活性についてアッ
セイした。利用したトランスフェラーゼは、ヒト血液型
A肺又は血液型A1,A2,BもしくはO血漿のいづれかから
精製あるいは半精製せしめた、30%−50%の硫酸アンモ
ニウム沈殿及びその後のアミコン撹拌セルメンブラン濃
縮器における濃縮によって10倍濃縮せしめたものであ
る。フコシルトランスフェラーゼは、100,000×gで1
時間遠心せしめたColo 205細胞のトリトンCF−54ホモ
ジネートに由来する。
E.MAbによるトランスフェラーゼ活性の阻害 精製抗−AトランスフェラーゼMAb、同一のアイソタ
イプの無関係MAb、商業的入手したIgG1ミエローマ標準
品又は20mMのトリス緩衝液(pH7.4)をトランスフェラ
ーゼ調製物に加え、そして4℃で30分間インキュベート
した。次にこの混合物の酵素活性を反応混合物と37℃に
て10分又は30分間インキュベートすることによって測定
した。
例4 組織−血液型AトランスフェラーゼmRNAに相補性のDNA
のクローン化及び特徴付 A.部分アミノ酸配列データーに従っての合成オリゴデオ
キシヌクレオチドプローブの調製 アクロモバクター エンドリシルペプチダーゼ処理又
は臭化シアン切断に基づいて切り離されたいくつかのペ
プチドのアミノ酸配列(例2に詳細)に基づいて、アプ
ライドバイオシステムDNA合成装置380Bを用いて合成オ
リゴヌクレオチドを作った。
B.RNA及びDNAの調製 全RNAをグアニジン−HCl法(例えばWinterら、J.Cel
l.Biol.101:175−181,1985;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8
2:7575−7579,1985)により調製した。簡潔に述べる
と、細胞ペレットをグアニジン−HCl溶液中でホモジナ
イズし、そして2回エタノール沈殿せしめた。食塩水/S
DS混合物の中に再懸濁させた後、RNAをフェノール及び
シーバグ(Seavag)混合物(クロロホルム/イソアミル
アルコール、24:1)により抽出せしめ、その後エタノー
ル沈殿せしめた。ポリA+画分をオリゴ−dTセルロースカ
ラムクロマトグラフィー(Maniatisら、Molecular Clon
ing:A Laboratory Manual,1982,Cold Springs Harbor L
aboratory,New York)により選別した。ゲノムDNAを、
組織をSDS及びEDTAの存在下においてプロテイナーゼK
により消化せしめ、その後シーバグ混合物による抽出及
びエタノール沈殿(同上)することにより精製せしめ
た。
C.cDNAライブラリー cDNA合成のための全ての試薬及び酵素はプロメがcDNA
合成キットに由来し、そしてその製造者の仕様書に従っ
て利用した。プライマーとしてオリゴdTの代りにランダ
ムヘキサマーを用いるGubler及びHoffmanの方法(Gene
25:263−269,1983)により、cDNAをMKN45ポリA+RNAによ
り合成した。このcDNAをリン酸化EcoR Iリンカーとリゲ
ートせしめ、EcoR Iにより消化させ、そして1%のアガ
ロースゲル上に電気泳動させた。このcDNAをサイズ選別
し(>1.3bkb)、そしてPI法(Volgelstein及びGillesp
ie,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:615,1979)によってゲ
ルから回収し、次いでλgt10ベクターの脱リン酸化EcoR
Iアームにリゲートせしめた。このリゲートDNAをイン
ビトロでストラタジーンギガパックゴールド(Stratage
ne's Giga Pack Gold)パッケージング抽出物によりパ
ッケージ化せしめた。
D.λgt10ライブラリーのスクリーニング 1.PCR存在試験(cDNA)及びPCR同定試験(ファージクロ
ーン候補由来のDNA) プライマーとしてTAq DNAポリメラーゼを用い、2種
の縮重合成オリゴFY−1及びFY−2(図1)を利用して
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Saikiら、Science 230:
1350−1354,1985;Saikiら、Science 239:487−491,198
8)を行った。この試薬及び酵素パーキンスエルマーシ
ータスより購入した。変性(94℃;2分)、アニール化
(50℃;2分)、及びDNA重合(72℃;3分)の35周期を、M
KN45ポリA+RNAに基づいて行った。最後の72℃のインキ
ュベーションは10分間にわたり行った。この生成物を5
%のポリアクリルアミドゲル上で電気泳動させ、そして
ナイロン膜(Amersham)上にエレクトロトランスファー
せしめた。この膜を真空のもとで80℃で加熱し、そして
内配列のために32P−キナーゼ−標識オリゴデオキシヌ
クレオチドプローブ(FY−3)によりプローブせしめ
た。予測される長さのハイブリダイズバンドの存在は陽
性の結果と考えた。
2.スクリーニング PCR存在試験由来の増幅フラグメント(98bp)をゲル
精製し、そしてcDNAライブラリーをスクリーンするため
に利用した。このスクリーニングの後の陽性プラックを
クローン化し、そしてDNAを調製してPCR同定試験によっ
て分析した。
E.ノーザン及びサザンハイブリダイゼーション 50μgのRNA又は5μgのポリA+RNAを変性ホルムア
ルデヒド−アガロースゲルに電気泳動させ、そしてナイ
ロン膜に移した。80μgのゲノムDNAを適切な制限エン
ドヌクレアーゼにより一夜消化し、そして1%のアガロ
ースゲルに載せた。電気泳動後、このゲルを0.5NのNaOH
及び1.5MのNaCl中で変性させ(30分)、0.5Mのトリス−
HCl(pH7.5)、3MのNaCl中で中和させ、そしてこのDNA
を毛管現象によってナイロン膜上に移した(Maniatis
ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,1982,Col
d Spring Harbor Laboratory,New York)。ノーザン及
びサザンフィルターの両方を、FY−59−5インサート由
来の32Pランダムプライム化−標識化(Feinberg及びVog
elstein,Anal,Biochem 132:6,1983;Anal,Biochem.137:2
66,2984)プローブにより、50%のホルムアルデヒド、5
XのSSPE、5Xのデンハーヅ(Denhardt's)及び0.1%のSD
S溶液中で42℃にて2時間予備ハイブリダイズ化せし
め、その後42℃にて一夜ハイブリダイズ化せしめた。こ
れらのフィルターを2XのSSC、0.1%のSDS中において室
温で3回洗浄し、その後1XのSSC、0.1%のSDS中で68℃
にて1時間洗浄した。最後の洗浄は0.1XのSSC、0.1%の
SDS中において68℃で1時間とした。
F.サブクローニング及び制限酵素地図化 ファージクローン由来のDNAをEcoR Iにより消化し、
そしてpT7T3プラスミド(ファルマシア)又はファージ
スクリプトSK(ストラタジーン)の脱リン酸化EcoR Iア
ームとリゲートさせた。XL−1青変病細菌のDNA形質転
換後、このクローンをIPTG及びX−galによる色選別に
よってスクリーンした。制限酵素はBRL又はニューイン
グランドバイオラブから入手した。
G.DNA配列決定 ジデオキシヌクレオチド終結配列決定反応(Sanger
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463−5467,1977)
を、ヘルパーファージによる重感染によって得られるフ
ァージスクリプトクローン又はpT7T3クローンの一本鎖D
NAによって行った。M13ユニバーサルプライマー及び複
数の合成オリゴデオキシヌクレオチドプライマーを用い
た。この配列決定方法は図2において示す。DNA配列決
定は、シーケナーゼ(United States Biochemical Cor
p.)、クレノウ酵素(BRL Kilobase system)及び不明
瞭な領域のためのTaq DNAポリメラーゼ(Promega)を
用いて行った。IBIパステル(Pustell)配列決定分析ソ
フトウェアー(MS−DOSバージョン)を配列分析のため
に用いた。
例5 A及びBトランスフェラーゼcDNA発現構造体の作製 cDA(FY−66−1及びFY−69−3)をpT7T3プラミド
(Pharmacia LKB Biotechnology;Piscataway,NJ)構造
体から切り出した。pT7T3プラスミドにおけるFY−66−
7のコード領域のN−末端部分を含むHind III(ポリリ
ンカー部位における)−Sst IIフラグメントをFY−59−
5のそれと交換し、FY−59−5及び短めの3′非翻訳配
の完全コード領域を有cDNAを作ることによってFY−59−
5/66−7を作製した。これらのcDNAインサートをEcoR I
消化によって切り出し、ゲル精製し、そしてpSG−5ベ
クターの脱リン酸化EcoR I部の中に、いづれかの方向に
おいて挿入せしめた。
Sst II−Ava Iベクターフラグメントを、p59−5/66−
7フラグメントをSst II、Ava I及びBssH IIにより消化
せしめ、そしてVogelstein及びGillespieに従うヨウ素
化カリウム法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:615,1979)
により、1%のアガロース電気泳動せしめたゲルフラグ
メントからDNAを抽出することによって精製した。全て
のSst II−Ava IインサートはSst II及びAva Iによる消
化、並びに前記の方法による抽出によって調整した。キ
メラ体の作製のため、これらのインサートを更に消化せ
しめて2%のアガロースゲルに電気泳動させた。ゲルフ
ラグメントを切り出して混合し、DNAを抽出し、そして
2つのフラグメントのこの混合物を精製Sst II−Ava I
ベクター部分とリゲートさせた。次にこのDNAをE.コリX
L−1青変病コンピテント細菌の形質転換のために用い
た。この形質転換体からDNAを小スケールにおいて精製
し、そして診断制限酵素分解によって分析した。候補の
クローン体を大量スケールにおいて培養してDNAを精製
し、そして置換について分析した(第1、第2及び第3
置換に関するBssH II、Alu I及びBstN I部位)。第4の
置換のため、2種類の対立遺伝子−特異的オリゴヌクレ
オチド(A対立遺伝子に対してはfy−67:CCCGAAAGAACCC
CCCCA、そしてB対立遺伝子に対してはfy−68:CCCGAAGA
ACGCCCCCA)を合成し、そしてプラスミドDNAのドットブ
ロットスクリーングのために用いた。これらキメラSst
II−BamH Iベクターフラグメントをp66−1のそれらに
より交換してイントロンを導入せしめた。この構造体全
てを配列決定により更に確認した。
最終的な構造体は特定のヌクレオチドにおける相違、
即ちそれらのうちいくつかは4ケ所にて推定されるアミ
ノ酸配列における相違(アミノ酸176,235,266及び268)
をもたらすこと、以外は同一の配列を有していた。その
他のヌクレオチド置換は保存的変化(即ち、アミノ酸の
置換をもたらさない)ことにより、全てのキメラ構造体
はその四ケ所の状態に基づいて命名した。構造体の名称
及びそれらのSst II−Ava Iの起源を表4に示す。発現
構造体pAAAAはAトランスフェラーゼの予測されるアミ
ノ酸配列(アルギニン、グリシン、ロイシン、グリシ
ン)をそれらの位置にて有する構造体である。同様にpB
BBBはBトランスフェラーゼの予測されるアミノ酸配列
(グリシン、セリン、メチオニン、アラニン)をその部
位にて有す。Mbo IIの明らかなる部分消化の問題のた
め、三種の構造体(pAABA、pBABA及びpBBBA)を、各Sst
II−Fok Iフラグメントを先に作った構造体(pABBA)
のFok I−Ava Iフラグメントとリゲートさせることによ
って調整した。
例6 DNA導入HeLa細胞におけるA及びBトランスフェラーゼ
の発現 A.DNAトランスフェクション プラスミドDNAを、SDS−アルカリ変性法(Maniatis
ら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spri
ng Harbor Laboratory,New York,1982)、その後のポリ
エチレングリコール吸着(PEG法)(Krieg及びMelton,N
ucleic Acid Res.12:7075,1984)により調整した。この
DNAを培養細胞にとって毒性であるPEG及び残留E.コリタ
ンパク質を除去するために、フェノール−SEAVA混合物
による抽出並びにエタノール沈殿によって更に精製し
た。この方法において調整したDNAはDNA−導入細胞の中
において機能するために十分清浄であることが示されて
いる(Yamamoto及びPerucho,Oncogene Res.:125,198
8)。DNAトランスフェクションはストラタジーンからの
DNAトランスフェクションキットを用いてChen及びOkaya
maによる詳細(Mod.Cell.Biol.1:2745,1987)に従って
行った。簡潔に述べると、HeLa細胞をプレート当り2〜
3×100,000個細胞密度にてDMEMと10%のFCS中において
感染せしめ、そして一夜培養せしめた。DNAを加える8
時間前に培地を交換した。20μgのプラスミドDNAを450
μgの除菌H2Oの中に再懸濁せしめ、そして2.5MのCaCl2
溶液50μgと混合せしめた。500μlの2×のBBS(N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンス
ルホン酸及び緩衝化食塩水)(pH6.95)を加え、そして
室温で20分間放置せしめた。この混合物を培養培地に滴
下せしめた。細胞を3%のCO2を伴って35℃で一夜感染
せしめ、翌日、培地を交換した後に5%CO2を有す37℃
のインキュベーターに移して更に72時間培養せしめ、そ
してトリプシン−EDTA処理によって回収した。トリプシ
ンを10%のFCSの添加されたDMEMにより不活性化せし
め、そしてFCSをPBS食塩水による洗浄によって除去し
た。最後に、この細胞をPBS中の1.5%のパラホルムアル
デヒドにより固定し、そして5%のFCS及び0.05%のNaN
3を含むPBS600μlの中に再懸濁させた。
B.免疫染色 該細胞(200μlの細胞懸濁物)をまず氷の上で1時
間にわたり、100μlの抗A又は抗BネズミMAb混合物
(ortho Diagnostics Inc.,Reritan,NJ)により免疫染
色せしめた。PBSによる洗浄の後、この細胞を氷の上で
1時間にわたり、ウサギ及びヤギFITC複合化抗−マウス
イムノグロブリン(Ig)抗体の混合物(PBS中における1
00希釈物100μl;Sigma Chemcal Co.,St.Louis,MO)によ
り染色せしめた。この細胞をPBSにより洗浄し、そして
前記と同じ緩衝液の中に再懸濁せしめ、そしてEPICSプ
ロフィール装置(Courier;Hialeah,FL)を用いてFACS分
析した。
C.DNA導入HeLa細胞におけるA及びBトランスフェラー
ゼ活性の発現 3通りの独立した実験結果を表5に示す。数値はFACS
分析により測定された陽性細胞のパーセンテージを示
す。A又はB抗原を誘発できるアンチーセンス構造体
(「as」)は存在しなかった。p59−5/66−7 DNAのト
ランスフェクションはある程度のA抗原陽性細胞を示し
たが、しかしp66−1の方がより効率的であった。HeLa
細胞の両対立遺伝子はO型対立遺伝子の間で共通の単一
塩基欠損を有すことが見い出され、従ってこのABO型遺
伝子座でのHeLa細胞の遺伝子型はOO型である。
D.A−BトランスフェラーゼキメラcDNAの導入された細
胞におけるA及びBトランスフェラーゼ活性の発現 3通りの独立したDNAトランスフェクション実験の結
果を表6に示す。数値は前記の抗体によって陽性染色さ
れた細胞集団のパーセンテージを示す。NTは試験しなか
ったことを示す。その数値は実験の間で変化している
が、全体的な結果は類似している。第1の群(pAAAA,pA
AAB,pABAA,pBAAA,pBAAB及びpBBAA)における構造体はA
トランスフェラーゼ活性を有すタンパク質をコードす
る。第2の群(pAABB,pABBB,pBABB及びpBBBB)はBトラ
ンスフェラーゼ活性を有すタンパク質をコードする。第
3の群(pAABA,pABAB,pABBA,pBABA,pBBAB及びpBBBA)に
おける構造体はA並びにBトランスフェラーゼ活性を有
す酵素をコードする。
例7 診断制限酵素消化による遺伝子型決定 A.対立遺伝子特異的制限部位の同定 ゲノムDNAをプロティナーゼK−SDS法(T.Maniatis
ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版、
Cold Spring Harbor Laboratory,NY,1989)により調整
した。cDNAクローンのヌクレオチド配列分析は、AとB
型対立遺伝子cDNAの間の4つの置換のうち3ケ所での対
立遺伝子特異的制限酵素切断部位並びにO型対立遺伝子
cDNAにおける単一塩基欠損(図6a)を同定した。予測さ
れるO型対立遺伝子に関する単一塩基欠損(位置258)
はKpn I部位(O型対立遺伝子)を作り出し、そしてstE
II部位(A/B型対立遺伝子)を排除する。AとB型対立
遺伝子cDNAの間の4つのヌクレオチド置換のうち3つ
は、診断制限酵素によっても決定されうる。位置523で
の置換はBssH II(A型対立遺伝子)を、Nar I(B型対
立遺伝子)に、位置700ではHpa II(A型対立遺伝子)
をAlu I(B型対立遺伝子)に、位置793ではBstN I(A
型対立遺伝子)をNla III(B型対立遺伝子)に変化さ
せる。
B.PCR−増幅DNAの分析 PCR反応は、DNAサーマルサイクラー(Perkin Elmer C
etus,Norwalk,CT)により、TagDNAポリメラーゼを伴い
1μgのDNAによって行った。利用した合成オリゴデオ
キシヌクレオチドは:fy−29,5′−CGTTCTGCTAAAACCAAG;
fy−31,5′−GAAATCGCCCTCGTCCTT;fy43,5′−GGATCCAGG
GGTGCACGGCCGGCGCG;fy−43,TGTTGGAGGTGCGCGCCTACであ
る。プライマーfy−43及びfy−31は(b)における増幅
のため、そしてfy−29及びfy−47は(c)における増幅
のために利用した。反応の周期は35回とした(各周期に
ついては94℃で90秒の変性、50℃で2分間のアニール化
及び72℃で3分間のインキュベーション、並びに5秒間
の伸長である)。このサンプルをフェノール−(クロロ
ホルム:イソアミルアルコール、24:1)により抽出せし
め、そして1mMのトリス(pH7.5)、1mMのEDTA20μl中
に再懸濁させた。次に、5μlのこのDNAを制限酵素に
より消化せしめ、そして12%のPAGEにかけた。このゲル
を臭化エチジウムにより染色し、そして写真撮影した。
前記の2組の1対プライマー(fy−43と−31、及びfy
−47と−29)は、AとB型遺伝子間の重要な塩基置換を
カバーするフラグメント(それぞれ467及び621塩基対)
のPCR増幅を満足せしめる。診断制限酵素に対して感受
性な切断部位は、AとB型対立遺伝子間の第1(図6b)
及び第2(図6c)の相違を検出するための、臭化エチジ
ウムによって染色せしめた12%のポリアクリルアミドゲ
ルにおけるフラグメントの存在により検出される。205
及び262塩基対(bp)のNar Iフラグメントが、SW48(レ
ーン3)及びSW1417(レーン5、図6)由来のDNAから
得られた。203−及び264−bpのフラグメントが試験した
全ての細胞系由来のDNAのBssH IIによる消化後に得られ
たが、しかしSW48(レーン8)及びSW1417(レーン10、
図6b)に関しては467−bpのフラグメントが残り、BssH
II(A型対立遺伝子)及びNar I(B型対立遺伝子)に
関するこれらの細胞のこの位置でのヘテロ接合性を示唆
した。その他の細胞系、MKN450(レーン6)、SW948
(レーン7)及びCOLO205(レーン9)はBssH II(A型
対立遺伝子)に関してホモ接合性であった。同様に図6c
において示されている通り、SW48とSW1417はHap II(A
型対立遺伝子;レーン8と10)及びAlu I(B型対立遺
伝子;レーン3と5)に関してヘテロ接合性があること
が見出された。その他の細胞系はHpa IIに関するこの第
2の部位にてホモ接合性であった。これらの結果はゲノ
ムDNA及びcDNAにおけるこのようなヌクレオチドの相違
の存在を立証せしめた。
C.サザンハイブリダイゼーション サザンハイブリダイゼーションを10μgのDNAによっ
て行った。BstE II又はKpn Iによる消化の後、DNAを1
%のアガロースゲルに電気泳動させ、そしてナイロン膜
(Amersham Corp.,Arlington Heights,IL)上に移し
た。このフィルターを加熱し、そしてFY−59−5インサ
ート由来の〔32P〕ランダムプライム−放射性標識化プ
ローブと、50%のホルムアルデヒド、5×のSSPE、5×
のデンハーツ及び0.1%のSDS溶液中にて42℃(2時間)
で予備ハイブリダイズし、その後42℃で一夜ハイブリダ
イズせしめた。このフィルターを2×のSSC、0.1%のSD
S中で室温にて3回洗浄し、0.1×SSC、0.1%のSDS中で6
8℃(1時間)にて洗浄した。最終的な洗浄は0.1×SS
C、0.1%のSDS中で68℃にて行った。DNAマーカーはphi
−X/Hae III(phi)及びpBR322/Msp iI(pBR)とした。
O型対立遺伝子cDNAにおいて見い出せた単一塩基欠損
を、サザンプロット分析によりゲノムDNAにおいて検出
された(図6d)。5種の細胞系由来のゲノムDNAのBstE
II(レーン1−5)及びKpn I(レーン6〜10)による
制限酵素消化、その後のサザントランスファー及びFY−
59−5インサートプローブとのハイブリダイゼーション
は、ゲノムDNAにおける単一塩基欠損の本発明の発見を
立証した。更に、この欠損に関するホモ接合性が2種の
O型細胞系において検出された。MKN45細胞系(レーン
1と6)はBstE II部位に関してホモ接合性であるか又
は欠損を有さなかった。SW948(レーン2と7)及びCOL
O205(レーン4と9)はKpn I部位に関してホモ接合性
であった。SW1417細胞系(レーン5と10)はヘテロ接合
体であった。
D.血液サンプル由来のゲノムDNAの分析 異なるABO型の血液サンプル(軟膜)由来のゲノムDNA
も分析した。完全に定義されているABO型を有す血液サ
ンプルの軟膜画分由来のDNAを上記のB節及びC節と同
様に分析した。状態は各対立遺伝子に対して特異的な診
断制限酵素切断部位によって表わされている。位置1で
の状態は、BstE II又はKpn I消化の後のサザンプロット
分析による、単一塩基欠損の存在について検定してい
る。位置2及び3での状態は、位置2及び3それぞれに
関するPCR並びに制限酵素消化(Nar I/BssH II及びAlu
I/Hpa II)により検定した。遺伝子型はこのような位置
及び表現型から推定した。表7に示す通り、4種の全て
のO型サンプルは両対立遺伝子において単一の塩基欠損
(位置1にて)を有した。A及びB型のサンプル全ては
少なくとも1つの機能的な対立遺伝子を示し、単一の塩
基欠損を有さなかった。AB型サンプルは2つの機能的な
対立遺伝子を示した。試験した全てのB型及びAB型サン
プルはNar I及びAlu I部位の存在を示した(それぞれ位
置2及び3にて)。
a.線(−)はその位置での非−O型(BstE II−切断
可、Kpn I−切断不可)対立遺伝子を示す。O/−は、Kpn
I切断不可なO型対立遺伝子と非O型対立遺伝子の組合
せを示す。Aは、位置2でのBssH II切断可能対立遺伝
子又は位置3でのHpa II切断可能対立遺伝子を示す。B
は、位置2でのNar I切断可能な対立遺伝子又は位置3
でのAlu I−切断可能な対立遺伝子を示す。A/A及びA/B
は、各位置での対立遺伝子の組合せを示す。
以上により本発明の特定の実施態様を例示の目的で説
明してきたが、種々の改良は本発明の範囲に属するもの
と考えられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12Q 1/68 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/577 B 33/577 C12N 5/00 B (72)発明者 ヤマモト,フミイチロー アメリカ合衆国,ワシントン 98006, ベルビュー,ワンハンドレットシックス ティーンス プレイス サウスイースト 5623 (72)発明者 ホワイト,サイヤー アメリカ合衆国,ワシントン 98103, シアトル,ノース フォーティス 1700 (72)発明者 ハコモリ,センイチロー アメリカ合衆国,ワシントン 98040, マーサー アイランド,エイティス サ ウスイースト 2024 (56)参考文献 The Journal of Bi ological Chemistr y,253(2)(1978),p.377−379 Blood,54(2)(1979),p. 344−350 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq WPI(DIALOG)

Claims (34)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のアミノ酸配列を有する組織−血液型
    Aグリコシルトランスフェラーゼ又は下記アミノ酸配列
    の部分を有し且つ組織−血液型Aグリコシルトランスフ
    ェラーゼ活性を維持しているグリコシルトランスフェラ
    ーゼ: 【表1】 【表2】 をコードするDNA。
  2. 【請求項2】前記グリコシルトランスフェラーゼが、請
    求項1に記載のアミノ酸配列中のアミノ酸54のアラニン
    からアミノ酸353のプロリンまでのアミノ酸配列を含ん
    で成る請求項1に記載のDNA。
  3. 【請求項3】前記グリコシルトランスフェラーゼをコー
    ドするDNAが、請求項1に記載のヌクレオチド配列中の
    ヌクレオチド160からヌクレオチド1059までのヌクレオ
    チドの配列を含んで成る請求項1に記載のDNA分子。
  4. 【請求項4】前記グリコシルトランスフェラーゼが、請
    求項1に記載のアミノ酸配列中のアミノ酸1のメチオニ
    ンからアミノ酸353のプロリンまでのアミノ酸配列を含
    んで成る請求項1に記載のDNA分子。
  5. 【請求項5】前記グリコシルトランスフェラーゼをコー
    ドするDNAが、請求項1に記載のヌクレオチド配列中の
    ヌクレオチド1からヌクレオチド1059までのヌクレオチ
    ドの配列を含んで成る請求項1に記載のDNA分子。
  6. 【請求項6】組織−血液型Aグリコシルトランスフェラ
    ーゼをコードする請求項1に記載のDNAの対立遺伝子変
    異体DNA。
  7. 【請求項7】下記アミノ酸配列: 【表3】 を有する組織−血液型Bグリコシルトランスフェラーゼ
    をコードするDNA。
  8. 【請求項8】組織−血液型Bグリコシルトランスフェラ
    ーゼをコードする請求項7に記載のDNAの対立遺伝子変
    異体DNA。
  9. 【請求項9】組織−血液型O遺伝子の産物を含んで成る
    タンパク質をコードし、且つヌクレオチド位置258に単
    一塩基欠失を有する請求項1に記載のDNAを含んで成るD
    NA。
  10. 【請求項10】組織−血液型O遺伝子の産物をコードす
    る請求項9に記載のDNAの対立遺伝子変異体DNA。
  11. 【請求項11】請求項1,7又は9に記載のcDNA。
  12. 【請求項12】請求項1,7又は9に記載のゲノムDNA。
  13. 【請求項13】組織−血液型ABO状態を検出するための
    方法であって: 患者から単離されたDNAを少なくとも3種のDNAプローブ
    と共にハイブリダイゼーションを可能にする条件下でイ
    ンキュベートし、ここで前記プローブの1つは、組織−
    血液型Aグリコシルトランスフェラーゼをコードする請
    求項1〜6のいずれか1項に記載のDNAに由来するヌク
    レオチド配列又はその一部を含んで成り、前記プローブ
    のもう1つは、組織−血液型Bグリコシルトランスフェ
    ラーゼをコードする請求項7又は8に記載のDNAに由来
    するヌクレオチド配列又はその一部を含んで成り、そし
    て前記プローブのさらにもう1つは、組織−血液型O遺
    伝子の請求項9又は10に記載のDNAに由来するヌクレオ
    チド配列又はその一部を含んで成り;そして 前記DNAプローブと前記DNAとのハイブリダイゼーション
    のパターンの存在又は不在を検出し、そしてそれから組
    織−血液型ABO状態を決定することを含んで成る方法。
  14. 【請求項14】組織−血液型ABO状態を検出するための
    方法であって: 患者から単離されたDNAの第1アリコートを、組織−血
    液型Aグリコシルトランスフェラーゼをコードする請求
    項1〜6のいずれか1項に記載のDNAに由来するヌクレ
    オチド配列又はその一部を含んで成るDNAプローブと共
    にハイブリダイゼーションを可能にする条件下でインキ
    ュベートし; 前記DNAの第2アリコートを、組織−血液型Bグリコシ
    ルトランスフェラーゼをコードする請求項7又は8に記
    載のDNAに由来するヌクレオチド配列又はその一部を含
    んで成るDNAプローブと共にハイブリダイゼーションを
    可能にする条件下でインキュベートし; 前記DNAの第3アリコートを、組織−血液型O遺伝子の
    請求項9又は10に記載のDNAに由来するヌクレオチド配
    列又はその一部を含んで成るDNAプローブと共にハイブ
    リダイゼーションを可能にする条件下でインキュベート
    し;そして ハイブリダイゼーションのパターンの存在又は不在を検
    出し、そしてそれから組織−血液型ABO状態を決定する
    ことを含んで成る方法。
  15. 【請求項15】前記DNAプローブのそれぞれが異なった
    レポーターグループを含む請求項13又は14に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】検出の段階の前、前記DNAを増幅するこ
    とをさらに含んで成る請求項13又は14に記載の方法。
  17. 【請求項17】検出の段階の前、DNAフラグメントを生
    成するために少なくとも1つの制限エンドヌクレアーゼ
    により前記DNAを切断することをさらに含んで成る請求
    項13又は14に記載の方法。
  18. 【請求項18】組織−血液型ABO状態を検出するための
    方法であって: 患者から単離されたDNAを少なくとも1つの制限エンド
    ヌクレアーゼにより切断することにより複数のDNAフラ
    グメントを生成せしめ; 前記DNAフラグメントを大きさにより分離し;そして それぞれ請求項1〜6のいずれか1項、7もしくは8、
    又は9もしくは10に記載のDNAに従い組織−血液型A,B又
    はO状態に対して特異的なDNAフラグメントの存在を検
    出し、そしてそれから、組織−血液型ABO状態を決定す
    る; ことを含んで成る方法。
  19. 【請求項19】組織−血液型Aグリコシルトランスフェ
    ラーゼをコードする請求項1〜6のいずれか1項に記載
    のDNA配列を含んで成るDNA構造体。
  20. 【請求項20】組織−血液型Bグリコシルトランスフェ
    ラーゼをコードする請求項7又は8に記載のDNA配列を
    含んで成るDNA構造体。
  21. 【請求項21】前記DNA配列の少なくとも一部がcDNAク
    ローンに由来する請求項19又は20に記載のDNA構造体。
  22. 【請求項22】前記DNA配列の少なくとも一部がゲノム
    クローンに由来する請求項19又は20に記載のDNA構造
    体。
  23. 【請求項23】組織−血液型Aグリコシルトランスフェ
    ラーゼをコードする請求項1〜6のいずれか1項に記載
    のDNA配列を含んで成る組換えプラスミド。
  24. 【請求項24】組織−血液型Bグリコシルトランスフェ
    ラーゼをコードする請求項7又は8に記載のDNA配列を
    含んで成る組換えプラスミド。
  25. 【請求項25】前記DNA配列がcDNAを含んで成る請求項2
    3又は24に記載の組換えプラスミド。
  26. 【請求項26】前記DNA配列がゲノムDNAを含んで成る請
    求項23又は24に記載の組換えプラスミド。
  27. 【請求項27】組織−血液型Aグリコシルトランスフェ
    ラーゼを発現することができる組換えプラスミドであっ
    て、前記プラスミドがプロモーター、その下流に組織−
    血液型Aグリコシルトランスフェラーゼをコードする請
    求項1〜6のいずれか1項に記載のDNA配列、及びその
    下流にポリアデニル化シグナルを含んで成る組換えプラ
    スミド。
  28. 【請求項28】組織−血液型Aグリコシルトランスフェ
    ラーゼをコードする請求項1〜6のいずれか1項に記載
    のDNA配列を含んで成る組換えプラスミドにより安定し
    てトランスフェクトされた細胞であって、前記グリコシ
    ルトランスフェラーゼを回収できる量で生成することを
    特徴とする細胞。
  29. 【請求項29】組織−血液型Bグリコシルトランスフェ
    ラーゼを発現することができる組換えプラスミドであっ
    て、前記プラスミドがプロモーター、その下流に組織−
    血液型Bグリコシルトランスフェラーゼをコードする請
    求項7又は8に記載のDNA配列、及びその下流にポリア
    デニル化シグナルを含んで成る組換えプラスミド。
  30. 【請求項30】組織−血液型Bグリコシルトランスフェ
    ラーゼをコードする請求項7又は8に記載のDNA配列を
    含んで成る組換えプラスミドにより安定してトランスフ
    ェクトされた細胞であって、前記グリコシルトランスフ
    ェラーゼを回収できる量で生成することを特徴とする細
    胞。
  31. 【請求項31】組織−血液型Aグリコシルトランスフェ
    ラーゼを製造するための方法であって: 組織−血液型Aグリコシルトランスフェラーゼをコード
    する請求項1〜6のいずれか1項に記載のDNA分子、又
    は組織−血液型Aグリコシルトランスフェラーゼをコー
    ドする請求項1〜6のいずれか1項に記載のDNA配列を
    含んで成るDNA構造体を宿主細胞中に導入し; 前記宿主細胞を適切な培地で増殖し;そして 前記宿主細胞により生成される前記DNA構造体によりコ
    ードされるタンパク質生成物を単離する; ことを含んで成る方法。
  32. 【請求項32】組織−血液型Bグリコシルトランスフェ
    ラーゼを製造するための方法であって: 組織−血液型Bグリコシルトランスフェラーゼをコード
    する請求項7又は8に記載のDNA分子、又は組織−血液
    型Bグリコシルトランスフェラーゼをコードする請求項
    7又は8に記載のDNA配列を含んで成るDNA構造体を宿主
    細胞中に導入し; 前記宿主細胞を適切な培地で増殖し;そして 前記宿主細胞により生成される前記DNA構造体によりコ
    ードされるタンパク質生成物を単離する; ことを含んで成る方法。
  33. 【請求項33】前記宿主細胞が哺乳類細胞である請求項
    31又は32に記載の方法。
  34. 【請求項34】前記哺乳類細胞がCOS−1又はHeLaであ
    る請求項31又は32に記載の方法。
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