JPH0515367A - 酵素及びその遺伝子 - Google Patents

酵素及びその遺伝子

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JPH0515367A
JPH0515367A JP3262516A JP26251691A JPH0515367A JP H0515367 A JPH0515367 A JP H0515367A JP 3262516 A JP3262516 A JP 3262516A JP 26251691 A JP26251691 A JP 26251691A JP H0515367 A JPH0515367 A JP H0515367A
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dna
choline kinase
leu
gene
rat
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JP3262516A
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English (en)
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Tsutomu Uchida
勉 内田
Satoru Yamashita
哲 山下
Akira Awaya
昭 粟屋
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラットコリンキナーゼ(CK)の各種分野で
の利用を可能とするためのCK遺伝子のクローニング、
該遺伝子を用いた遺伝子組換え技術によるCKの大腸菌
等での生産及び生産されたCKの各種疾患の診断、治療
ための利用についての技術を提供する。 【構成】 ラット肝臓からcDNAライブラリーを調製
し、抗CK抗体を用いた第1のスクリーニング過程及び
活性誘導による第2のスクリーニング過程を通してCK
をコードする遺伝子を単離した。更に、得られたCK遺
伝子をベクターに組み込んで大腸菌で発現させ、各種用
途に用いた。また、数種のCKアイソザイムが確認さ
れ、それらの遺伝子もクローニングして大腸菌で発現さ
せた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コリンキナーゼ(EC2.
7.1.32、以下CKと略記する)及びCKの遺伝子に関す
るものである。より詳しくは、ラット、ヒト等の動物及
び植物のCK、これらCKの分離、精製方法、CKに対
する抗体の調製方法、CK遺伝子、CK遺伝子のクロー
ニング方法、CK遺伝子の各種宿主での発現方法、及び
遺伝子工学的に発現されたCKの利用方法に関する。更
に、本発明は神経、循環器、消化器、代謝系、癌等の各
種疾患の診断及び治療に有効な方法、及び動物性、植物
性の生体リン脂質類の生産に有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】コリンの生体内で必要な量の一部は、生
体内で作られるが、そのほとんどは食物から必須に摂取
されており、腸管から吸収されたコリンは門脈を経由し
て肝臓に達し、ここで回収される。生体内におけるコリ
ンの代表的な代謝経路は次式に示されるようなホスファ
チジルコリンの合成経路である。
【0003】
【化1】 ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、ホスファチジルセリンなどはリン脂質とよばれ、生
体膜の主要成分をなす重要な物質である。上述のように
CKは、ホスファチジルコリンの生合成の第1番目の調
節酵素である。このように、肝臓で回収されたコリン
は、分解されるか、肝細胞リン脂質及び血中リポタンパ
ク質中のホスファチジルコリンに変換される。
【0004】生体中のCKの活性は、細胞増殖因子やホ
ルモン(インスリン、エストロジェン等)による刺激に
応じて、あるいは生体の発生から分化、成長における時
期によって増強あるいは変化し、また、栄養失調時(ラ
ットなどの必須脂肪酸欠乏時)、腎臓の代償性肥大時
(2つある腎臓のうち1つを摘出すると、腎臓は生体か
らの負荷をこなすため肥大する)などの種々の状況にお
いても増強あるいは変化することが知られている。神経
系組織では、その細胞が神経系として特別な機能を果す
ために、その生体膜系が非常に発達しており、神経系組
織の増殖、分化に対応してCK活性は増大するなど、C
Kはホスファチジルコリン合成、ひいては神経系細胞の
機能維持のために重要な役割を担っている。また、神経
軸索が損傷するとCK活性が増大することが知られてい
るが、その意味は未だ不明である。更に、神経系細胞に
コリンを加えると、細胞内に取り込まれた後、神経伝達
物質のアセチルコリンの合成には使われず、ホスホリル
コリンになってしまう。このことから、CKが、基質と
してのコリンをコリン:アセチル転移酵素と競合するこ
とによって、アセチルコリン生合成を調節する機能を有
している可能性も考えられる。実際、神経疾患、痴呆等
の治療の目的に脳でのアセチルコリン合成を高めよう
と、血中にコリンを注射するという療法が試みられてい
るが、血中のコリン濃度が一時期高くなるもののすみや
かに代謝されてしまい、所期の効果が得られていないの
が現状である。
【0005】一方、ニワトリでは卵の黄味に肝臓で生合
成されたホスファチジルコリンが多量に蓄積されてい
る。ニワトリの肝臓でのホスファチジルコリンの合成
は、ホルモンとしてのエストロジェンが肝臓に作用し、
CK活性を高めることによって行われ、合成されたホス
ファチジルコリンは血中に移行して、リポタンパク質成
分となって卵に取り込まれる。また、植物では、大豆に
おいてCKの存在が報告されており、大豆レシチン(ホ
スファチジルコリン)は食用等、広範な用途が開発され
ている。更に、酵母のCKについても多くの研究がなさ
れており、そのアミノ酸の一次配列、遺伝子の塩基配列
が分析され、報告されている(参考文献1)。
【0006】他方、CKは、基質としてコリンのみなら
ず、エタノールアミンもリン酸化する。リン酸化された
ホスホエタノールアミンは、CDP−エタノールアミン
を経由してホスファチジルエタノールアミンに代謝され
る。ホスファチジルエタノールアミンもホスファチジル
コリンとともに生体膜リン脂質の主要成分であり、この
点からもCK活性の調節は生体にとって極めて重要であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
にCKがコリン及びコリン関連物質の代謝や生体内リン
脂質代謝における鍵として重要な酵素であるにも拘ら
ず、組織湿重量における含有割合が10万分の1〜10
0万分の1と生体内含量が非常に少なく、従来の分離、
精製方法では充分な純度のCKの必要量を得ることが困
難であり、CKの役割、機能の解明等に関する研究が立
ち遅れていた。
【0008】本発明者らは、CKの生物学、基礎医学領
域での知見を増やし、研究を発展させ、CKの神経、循
環器、消化器、代謝系、癌等の各種疾患の診断、治療へ
の応用を実現させるために、あるいは、CKの、卵黄、
大豆等のリン脂質の食品への応用やリポソームなどの製
造のような油脂化学産業への応用をはかるために、充分
な量のCKを確保するための技術を確立することが急務
であると考えた。そこで、CKの高純度の分離、精製技
術を開発し、CK遺伝子のクローニングを行い、取得し
た遺伝子を動物細胞、植物細胞、微生物等で発現させる
手段を開発するために、ラット脳のCKを精製し、その
特性について報告した(参考文献2)。また、本発明者
らは、ヒトHeLa細胞において、EGF、インスリ
ン、IGF−1、PMAなどの細胞増殖因子がCKを特
異的に活性化することを見い出し、CK活性の調節機構
を明らかとすることは、リン脂質生合成、生体膜合成、
細胞増殖などの生命現象の解明に有用であると考えた。
【0009】そこで本発明者らは、更に、ラット肝のC
Kを高度に精製すべく鋭意検討した結果、高純度のラッ
ト肝のCKを得ることのできる方法を確立するに至り、
得られた高純度ラット肝CKを用いて調製した抗体を利
用してCK遺伝子のクローニングに成功し、本発明を完
成した。
【0010】本発明の目的は、CKの新たな知見を得る
ために必要な高純度のラットCKを分画する技術及びC
K遺伝子のクローニングに必要な技術を提供することに
ある。本発明の他の目的は、ラットCKのアミノ酸配
列、ラットCK遺伝子のDNA塩基配列を明らかとし、
これらと酵母CK等におけるアミノ酸配列及びDNA塩
基配列との相同性を比較検討し、例えば、ラット脳、ヒ
ト脳神経や肝臓、腎臓等の各種臓器、またニワトリ、ウ
ズラ等の肝臓、卵黄の、更には大豆等の、レシチン含量
の多い食品として有用な動植物などにおけるCK遺伝子
を検出、取得できる方法を提供することにある。本発明
の他の目的は、ラットCK遺伝子を各種細胞、微生物等
で発現させて、CKを量的に生産する方法、及びCKに
対する抗体を調製する方法を提供することにある。本発
明の他の目的は、ラット、ヒト等のCKに対する抗体を
用いたCKの測定方法、CKの各組織・細胞内の分布の
検出方法、そして神経疾患、肝疾患、癌ほか各種疾患の
診断、治療のため、及びヒトCK、ヒトCK遺伝子、抗
ヒトCK抗体等を用いた神経疾患、肝疾患、癌ほか各種
疾患の診断、治療のために必要な技術を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のラットCK遺伝
子は、例えば、ラットから分離精製したラットCKに対
する抗体を調製し、得られた抗体を用いて、ラットmR
NAから調製したcDNAをスクリーニングする方法に
よりラットCK遺伝子をクローニングすることによって
得ることができる。
【0012】ラットCKをラットから分離するには、ラ
ットの肝臓、腎臓、脳神経等の各種臓器や組織をすばや
くカミソリ刃等によって細く切り、庶糖、EDTA、メ
ルカプトエタノール、種々のプロテアーゼ阻害剤等を含
む緩衝液に懸濁し、テフロン−ガラスホモジェナイザー
等で4℃以下でホモジェナイズする。次いで、遠心分離
して得られた上清を更に超遠心分離してCK酵素抽出液
を採取する。この抽出液に食塩等の塩を加え、種々のカ
ラムクロマトグラフィーを行うことにより、CK活性画
分を採取する。分画された画分のCK活性の測定には、
放射性同位元素標識コリンを用いるアイソトープ法や分
光分析を用いる方法等各種の方法を利用することができ
る。CK活性画分を分画するためのカラムクロマトグラ
フィーには、Q−セファロースカラムなどを利用するこ
とができる。カラムを通して集められたCK活性を有す
る画分から塩析や透析を用いて粗精製品を得た後、これ
を更にAF−ブルートヨパールカラムをにかけると、カ
ラムに吸着しない画分と、吸着する画分とに分画するこ
とができる。前者をCK−P、後者をCK−Rとする。
ここまでの精製操作によって得られた精製品の比活性
を、超遠心時に得られた上清の比活性に比べて6〜10
倍高めることができる。
【0013】さらに、粗CKの精製度を高めるために、
1,6-ジアミノヘキサン−アガロースカラム、モノメチル
アミン(MMA)−アガロースカラムなどを用いたアフ
ィニティークロマトグラフィーを行うことが有用であ
る。
【0014】ラットのCKは、クロマトグラフィーでの
挙動及び分子量の違いから、上記のように2種類のアイ
ソザイム(CK−P、CK−R)に分離され、上述の精
製方法によって、CK−P及びCK−Rのそれぞれが1
5000〜50000倍と高度に精製された均一な標品
として得ることができる。これらCKの均質性の確認、
分子量の測定は、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動、Superose-12 カラムで
のゲル濾過、庶糖密度勾配超遠心分析などの方法によっ
て行うことができる。なお、分子量の測定にあたって
は、対照としての分子量マーカーを共存させて測定を行
うと良い。また、上記の測定に加えて、CK−P及びC
K−Rのそれぞれの基質特異性、活性化物質の検討を行
うことにより、これらがアイソザイムであることを確認
できる。
【0015】精製したCKを、フロイントのアジュバン
ドなどとともにウサギ、ヤギ、マウス、モルモット、ハ
ムスターなどに免疫し、ポリクローナル抗体やモノクロ
ーナル抗体を調製できる。このようにして得たCK−P
に対する抗体(抗CK−P抗体)及びCK−Rに対する
抗体(抗CK−R抗体)を用いて、Huynh らの方法(参
考文献3)を利用して、ラットmRNAより調製したc
DNAからCK遺伝子のクローニングが可能となる。例
えば、ラット肝臓からChirgwinらの方法(参考文献4)
にしたがって全RNAを調製する。なお、poly(A)+RN
Aは、Avivらの方法(参考文献5)にしたがってオリゴ
(dT)セルロースカラムを2回通して精製することができ
る。
【0016】次に、オリゴ(dT)をプライマーとしてcD
NAを、Gublerらの方法(参考文献6)に従って合成す
る。このcDNAの合成には、ファルマシア社、ベセス
ダリサーチ社、ベーリンガー・マンハイム社、アマシャ
ム社等から市販されているcDNA合成キットが利用で
きる。得られたcDNAのうち約500塩基対以上のも
のを分別してからλgt11cDNAライブラリーを作
製し、先に挙げたHuynh らの方法を用いて、抗CK−P
抗体または抗CK−R抗体によってスクリーニングする
ことによって、ラットCK遺伝子全部またはその一部を
含むcDNA断片を有するクローンを選別し、必要に応
じて該cDNA断片を他のベクターなどに再度クローニ
ングしてラットCK遺伝子(またはその一部)を単離す
ることができる。
【0017】なお、この操作におけるクローンの選別に
おいては、抗CK−P抗体及び抗CK−R抗体の両方に
対してポジティブなクローンを選別することが好まし
い。すなわち、抗体を使用したcDNAクローンのスク
リーニングにおいては、通常、抗体を含む血清が利用さ
れるが、この血清には自然抗体が混入しているばかりで
なく、抗体調製用として用いた抗原タンパク質中に含ま
れる少量の不純物に対する抗体も混入しているために、
目的のクローン以外のクローンもポジティブなクローン
として検出される場合が多い。そのような場合には、選
別したポジティブクローン中のcDNAの塩基配列の分
析や融合タンパク質を発現させてその活性を測定する方
法などによって、選別したクローンが目的としたクロー
ンであるかどうかを確認する必要がある。
【0018】そこで、アイソザイムであるCK−P及び
CK−Rのそれぞれに対する抗CK−P抗体及び抗CK
−R抗体の両方に共通な部分に対してポジティブなクロ
ーンを選別することによって、CK遺伝子に共通な部分
でのダブルチェックを行うことで、少なくともCK活性
に関与する部分をコードする部分を含むcDNAクロー
ンを、スクリーニングすることが容易になり、より効率
良くクローンを選別することが可能となる。
【0019】また、上記の操作において選別されたクロ
ーンがCK遺伝子の一部を含むcDNA断片を有する場
合には、該cDNA断片をプローブとして再度クローン
のスクリーニングを行って、完全なラットCK遺伝子を
有するクローンを選別することができる。なお、該プロ
ーブとしては該cDNA断片の有するDNA塩基配列を
その機能を損なうことなく変換したものも利用できる。
【0020】選別されたクローン中にラットCK遺伝子
の全てが含まれているかどうかは、得られたcDNAク
ローンのDNA塩基配列やそれに対応するアミノ酸配列
を、酵母などのCK遺伝子のDNA塩基配列やそれに対
応するアミノ酸配列と比較することで確認できる。すな
わち、本発明者らの検討によれば、CKのアミノ酸配列
は、分類学上及び進化の上で非常にかけ離れているラッ
トと酵母のCKにおいて、アミノ酸配列が非常に似てお
り良く保存された複数の領域が存在し、これらの領域が
ヒトや他の動植物においても同様に保存されている可能
性が高いとの結論を得た。従って、得られたcDNAの
塩基配列やそれに対応するアミノ酸配列を他のCKのも
のと比較することで得られるクローンがCK遺伝子全体
を含むかどうか推定できる。更に、選別されたクローン
を用いて合成される融合タンパク質が示す酵素活性によ
りコリンリン酸が生産されるかどうかを薄層クロマトグ
ラフィーなどによって測定することで、選別されたクロ
ーンがCK遺伝子のCK活性に関与する部位をコードす
る部分を含むかどうか確認できる。
【0021】上述のように、CKは、ラットと酵母にお
いてアミノ酸配列が非常に似ており良く保存された複数
の領域を有し、これらの領域がヒトや他の動植物におい
ても同様に保存されている可能性が高いことから、ラッ
トCK遺伝子のDNA塩基配列から選択した種々のCK
遺伝子に相同性の高いDNA塩基配列を選択して、それ
をポリメラーゼ チェイン リアクション(PCR)用
のプライマーとして、あるいはハイブリダイゼーション
を利用したスクリーニング用のプローブとして用いるこ
とによって、ヒトあるいは各種動植物のCK遺伝子の単
離を行うことができる。特に、未知のCK遺伝子の単離
に有用である。
【0022】PCR用のプライマーとして用いる場合
は、上述のようにして得たラットCK遺伝子のDNA塩
基配列から選定されたDNA塩基配列を有する二種のオ
リゴヌクレオチドを調製し、これらのオリゴヌクレオチ
ドをプライマーとして、生体由来のDNAのPCRを行
い、増幅されたCK遺伝子を含むDNA断片を単離する
ことによって、単離されたCK遺伝子を得ることができ
る。また、上記の二種のオリゴヌクレオチドをプライマ
ーとして、生体由来のDNAのPCRを行い、CK遺伝
子の一部を有するDNA断片を増幅させ、該増幅された
DNA断片をプローブとして、生体由来のDNAからC
K遺伝子を含むDNA断片を選択し、単離することによ
って、単離されたCK遺伝子を得ることができる。な
お、この方法の場合、PCRにかけるDNAを供給する
生体と、CK遺伝子供給用の生体とは同一(同種)であ
っても異なるものであっても良い。更に、上述のように
して得たラットCK遺伝子のDNA塩基配列から選定さ
れたDNA塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを直接
プローブとして用いて、生体由来のDNAからCK遺伝
子を含むDNA断片を選択し、単離することによって、
単離されたCK遺伝子を得ることができる。なお、以上
の各方法で用いるプライマーやプローブは、その機能を
損なわない範囲内でその塩基配列を変更したものであっ
ても良い。
【0023】以上の方法によって、ヒトや他の動植物の
CK遺伝子のクローニングが可能となる。例えば、後述
の実施例において得られたクローンLi279、Li3
36の各cDNAの共通部分を位置合わせした際のLi
279中のcDNAの5’末端からLi336中のcD
NAの3’末端までのcDNAの全長は図1〜4に示す
ように2540の塩基長(配列番号:1)を有し、CK
をコードする領域は1305bpで、アミノ酸残基43
5(配列番号:2)のタンパク質に対応するものであ
り、このアミノ酸配列の酵母CKのアミノ酸配列との比
較において、4つの相同性の高い領域(各種のアンダー
ラインを付した領域)が存在することが明かとされた。
【0024】従って、上述した理由から、図7、8に示
す*の多く並んだ領域は、ヒト、サル、ニワトリをはじ
め、各種動物、大豆等の各種植物、細菌、酵母等の各種
微生物のCK遺伝子をクローニングする際のPCR用プ
ライマー、あるいはハイブリダイゼーションを用いたス
クリーニング用のプローブとして有用である。
【0025】一方、このようにして単離されたCK遺伝
子を適当なベクターに組み込んで得た組換えDNAを適
当な宿主に導入して得た組換え体(組換え菌体、組換え
細胞、トランスジェニック動物等)に、CKを発現させ
ることによって、量的に充分なCKの生産が可能とな
る。該ベクターとしては、発現のために必要なプロモー
ター、SD配列、ターミネーター、発現を制御したり誘
導したりするための配列、あるいは宿主中での複製オリ
ジン、各種マーカー等を必要に応じて有するものが利用
できる。なお、これらのプロモーター等のベクターの構
成要素としては、用いる宿主に応じて公知のものを適宜
選択して用いる。該宿主としては、大腸菌等の細菌、酵
母などの微生物、動物細胞及び植物細胞等が利用でき
る。また、ウイルスゲノム中にCK遺伝子を組み込ん
で、それを宿主に導入してCK遺伝子を発現させること
もでき、例えばバキュロウイルスゲノムを用いること
で、カイコなどの昆虫でのCK遺伝子の発現を行わせ、
CKの大量生産が可能となる。
【0026】こうして生産されたCKは、ポリクローナ
ル抗体、モノクローナル抗体作製用の抗原として利用で
きる。また、各種担体に結合させて、CK結合アフィニ
ティクロマトグラフィーを行うことができ、コリン様物
質、CKに対する抗体等の分離、精製に用いることがで
きる。更に、CKを担持したバイオリアクターは大量の
コリン類のリン酸化を可能とし、リン脂質類の大量合成
に必要な技術の開発を促進することができる。
【0027】
【実施例】以下の各実施例におけるCK活性の検出は以
下のアイソトープ法または分光分学的手法のいずれかに
よって行った。 a.アイソトープ法 100mMグリシン−NaOH溶液(pH9)中に、1
0mMATP、2mM[Me−14C]コリンクロリド
(1100dpm/nmol,New England Nuclear),
150mMKCl、12mMMgCl2 及び試料(酵素
蛋白質量が非常に低い時はウシ血清マルブミンを0.5
mg/mlの濃度で補った)を含有させて全量を100
μlとした反応液を調製し、反応温度30℃、反応時間
5分で反応を行った。反応は、テトラフェニルボロンの
ブチロニトリル溶液(30mg/ml)の250μlを
加えることで停止した。反応停止後、反応液を激しく混
合し、下層を取り、この下層に上記と同様の濃度のテト
ラフェニルボロンのブチロニトリル溶液(250μl)
を添加して混合した後、下層を分取し、この操作をさら
にもう一度繰り返し、下層からブチロニトリル溶液によ
ってコリンを除いた。下層に残った[14C]コリンリン
酸を液体シンチレーション計測により測定し、CK活性
を算出した。
【0028】b.分光学的手法 CK反応で生ずるADPをホスホエノールピルビン酸を
もう一つの基質としたピルビン酸キナーゼ反応に共役さ
せ、更に、このピルビン酸キナーぜ反応で生じたピルビ
ン酸をNADHをもう一つの基質とする乳酸脱水素酵素
と共役させる反応におけるCKのATPの消費にともな
うNAD+ の化学量論的な増加を、NADHからNAD
+ への変換を分光学的に測定してCK活性を測定した。
すなわち、100mMグリシン−NaOH溶液(pH
9.0)に、10mMATP、2mMコリンクロリド、
12mMMgCl2 、150mMKCl、1mMホスホ
エノールピルビン酸、0.4mMNADH,0.5ml
/mlウシ血清アルブミン、7ユニットビルビン酸キナ
ーゼ、32ユニット乳酸脱水素酵素及び試料を含有させ
て全量を1mlとした反応液を調製し、30℃で340
nmの吸光度の減少を測定した。
【0029】実施例1 (1)アフィニティークロマトグラフィーカラムの調製 1,6-ジアミノヘキサンをアガロース(セファロース4
B、ファルマシア社製)に臭化シアンで結合させてアフ
ィニティークロマトグラフィーカラムを調製した。な
お、このカラムの調製に際して以下の点について特に考
慮した。 イ)臭化シアンのアセトニトリル液を使用する一般的に
使われている固型臭化シアンでゲルを活性化する方法は
不可である。 ロ)臭化シアンの濃度を厳密にする。 まず、よく蒸留水で洗ったセファロース4Bを吸引して
ケーキ状にした。その4gを5mlの2MNa2 CO3
に懸濁し、75〜100μlの臭化シアンのアセトニト
リル溶液(1g/ml)と20℃2分間反応させた。
【0030】反応は、ガラスフィルターを使ってゲルと
反応液を分離した後、ゲルを100mlの蒸留水(0
℃)、つづいて100mlの0.1MのNaHCO3
(pH9.0、0℃)で洗って停止させた。この活性化
したゲルを10mlの1M1,6−ジアミノヘキサン液
(pH9.0)に懸濁し、25℃で12〜16時間ゆる
やかに反応させた。それから、蒸留水と緩衝液A[20
mMトリス(pH7.5) 、5mMEDTA、5mM2−メル
カプトエタノール、0.2mMフェニルメチルスルホニ
ルフルオライド]でよく洗ってから所定の大きさのカラ
ムに充填して、アフィニティークロマトグラフィーカラ
ムを得た。 (1−A)アフィニティークロマトグラフィー用モノメ
チルアミン(MMA)−アガロースの調製 1,4−ブタンジオールジグルシジルエーテルのカップ
リングは、SundbergらのJ. Chromatogr. 90 (1974);87-
98の一部を変更して行なった。50mlセファロース6
B(ファルマシア社製)を蒸留水でよく洗い、25ml
の1,4−ブタンジオールジグルシジルエーテルと50
mlの0.6M NaOH(2mg/mlでNaBH4
を含む)からなる溶液に懸濁し、25℃16時間反応さ
せた。ゲルを蒸留水でよく洗い、2.5%モノメチルア
ミン溶液に懸濁し、43℃16時間反応させ、MMA−
アガロースを調製した。これを蒸留水でよく洗い、カラ
ムに詰め、緩衝液で平衡化して、アフィニティーカラム
とした。以下の(2)項で述べるが、CKの精製の過程
でAF−ブルートヨパールカラムを素通りする活性(C
K−P)とカラムに保持される活性(CK−R)とに分
離する。1,6−ジアミノヘキサン−アガロースはCK
−PとCK−Rの両方の精製に使用することができる。
一方、MMA−アガロースはCK−Rの精製にのみ使用
することができる。 (2)CKの精製 ラット肝あるいは脳10〜50gを生体から取り出した
らすばやくカミソリ刃で細かくし、テフロン−ガラスホ
モジェナイザーで240mMスクロース、20mMトリ
ス(pH7.5)、5mMEDTA、5mM2−メルカ
プトエタノール、下記のプロテアーゼインヒビターを含
む溶液中でホモジェナイズした。 プロテアーゼインヒビターの組成;フェニルメチルスル
ホニルフルオライド(PMSF、1mM)、benzamidin
e HCl(10mM)、leupeptin (10μg/l)及
びantipain(10μg/l)を含む。
【0031】これを遠心分離(12,000×g、15分)
し、得られた上清を更に超遠心分離(100,000×g、1時
間)して、酵素抽出液を採取した。この抽出液にNaC
l(最終濃度75mM)を加え、Q-Sepharose カラム(
ファルマシア社製、カラムサイズ1.6×21.5c
m)にかけた。カラムは平衡化用の緩衝液[20mMト
リス(pH7.5)、1mMEDTA、5mM2−メル
カプトエタノール、0.2mMフェニルメチルスルホニ
ルフルオライド、100mMNaCl]で平衡化してお
いた。
【0032】酵素抽出液をかけた後、平衡化用緩衝液1
50mlでカラムを洗った。CKは緩衝液Aを用いた1
00〜500mMNaClの直線濃度勾配(合計400
ml)をかけることで溶出させた。流速は常に150m
l/時間とした。CK活性を示す溶出画分を集めて一緒
にして合計約100mlの溶出液を得、この硫安分画を
行った。25〜50%飽和硫安濃度で沈殿する画分を集
め、緩衝液A対して透析した。透析液を、緩衝液Aで平
衡化したAF−ブルートヨパール650MLカラム(ト
ーソー社製、1×11.5cm)にかけた。カラムを緩
衝液A(50ml)で洗浄し、カラムから流出した洗液
にCK活性が検出されたので、この洗液に含まれたカラ
ムに吸着しないCKをCK−Pとした。次に、カラムに
緩衝液Aを用いた0〜1MNaClの直線濃度勾配(全
量100ml、流速60ml/時間)をかけたところ、
CK活性を示す画分を得た。これらのCK活性のある画
分を集め、緩衝液Aに対して透析し、カラムに吸着して
溶出されたCK(CK−R)を含む溶液を得た。
【0033】以下、CK−Pを含む溶液及びCK−Rを
含む溶液のそれぞれを個々に用いて、同様の操作によっ
てアフィニティークロマトグラフィーでこれらを更に精
製した。すなわち、CK活性を示す画分を、緩衝液Aで
平衡化した上記(1)項で作製した1,6−ジアミノヘ
キサン−アガロースカラム(1×7.5cm)にかけ
た。次に、カラムを次の溶液で順次洗った。 a.5ml緩衝液A b.緩衝液Aを用いた0〜500mMNaCl直線濃度
勾配(全量40ml) c.200mlの500mMNaClを含む緩衝液A d.20mlの100mMNaClを含む緩衝液A 以上の洗浄が終了したところで、最後に100mMNa
Clと200mMコリンクロリドを含む緩衝液Aでカラ
ムからCKを溶出(流速20ml/時間)した。なお、
カラムからの溶出した活性は、分光学的方法によって調
べた。
【0034】(3)分析 上記(2)項のアフィニティークロマトグラフィーによ
って精製されたCK−P及びCK−Rについて以下の分
析を行った。 a.SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動 Laemmli, U.K. 1970 Nature 227, 680-685に従って、上
記(2)項のアフィニティークロマトグラフィーで得ら
れた各CK活性を示す画分をそれぞれSDSポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動にかけた。なお、10%分離ゲル
におけるアクリルアミドとN,N’−メチレンビスアク
リルアミドの比率は37:1で、0.1%SDSを含む
ものを使用した。電気泳動で展開されたタンパク質は銀
染色法で染色して検出した。SDSで変性した精製CK
の分子量は、分子量マーカーとしてウシ血清アルブミン
(分子量66、000)、ニワトリ卵白アルブミン(分子量4
5、000)、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲ
ナーゼ(分子量36,000)、カーボニックアンヒドラーゼ
(分子量29,000)、トリプシノーゲン(分子量24,000)
を用いたカリブレーション直線から求めた。
【0035】このカリブレーション直線により、CK−
P(単一バンド)の変性状態での推定分子量は約44,
000と算定された。CK−Rは推定分子量44,00
0〜52,000のところに数本のバンドとして検出さ
れた。なお、別途行った免疫学的研究においてこれら数
本のバンドがすべてCKであることが推定された。ま
た、これらの分子量の推定値は、電気泳動法の条件、蛋
白質分子量マーカーの種類等によって異なる値が算定さ
れ得る。
【0036】b.ゲル濾過カラムによる分析 精製CK−PをHPLC分析に付した。分析条件は以下
のとおりである。 カラム:Superose12HR10/30(ファルマシア社
製) 溶出緩衝液:100mMNaClを含む緩衝液A 流速:0.5ml/分 分子量マーカーとしてブルーデキストラン(分子量 2,0
00,000)、ウマアポフェリチン(分子量 443,000)、サ
ツマイモβ−アミラーゼ(分子量 200,000)、酵母アル
コールデヒドロゲナーゼ(分子量 150,000)、ウシ血清
アルブミン(分子量66、000)、ニワトリ卵白アルブミン
(分子量45、000)、チトクロムC(分子量12,400)(い
ずれもシグマ社製)を用いて、カリブレーション直線を
作製し、未変性状態のCK−Pの分子量を約90,00
0、ストークス半径4.2nmと算定した。なお、これ
らの値は、用いるカラム充填剤、タンパク質分子量マー
カーの種類、分析条件等によって異なった値が算定され
得る。 c.超遠心分析 直線的庶糖密度勾配(5−20%)は100mMNaC
lを含む緩衝液Aをベースに作製した。精製CK−Pと
タンパク質マーカー、乳酸脱水素酵素、3−ホスホグリ
セリン酸キナーゼ、チトクロムCを一緒にスクロースグ
ラジェントにのせ、172,000×g、7時間4℃で
日立RPS50−2ローターを用いて分析を行った。そ
の結果、沈降係数s20、wが4.8sと算出された。
なおこの値は、用いる分析条件や蛋白質マーカーの種類
等によって異なった値が算定され得る。
【0037】(4)抗血清の作製 前記(2)項で得たCK画分を集めた溶液の所定量をと
り、これに等容のフロイントの完全アジュバントをよく
混合してエマルジョンにして、CK−Pを含む免疫用溶
液及びCK−Rを含む免疫用溶液をそれぞれ調製した。
これらを別個に、日本白色種の家兎一匹当たり50μg
CKとなるように四肢のfootpadに免疫した。4週目か
ら2週間おきに同量のCKを皮内に免疫した。なお、2
回目の免疫からはフロイントの不完全アジュバントを用
いた。最終的に、4〜6回の免疫を行い、抗体価の上昇
した時点で全身麻酔下に全採血し、抗血清を調製した。
【0038】なお、この免疫時における抗体価の測定
は、以下の方法により行った。すなわち、前記(2)項
で得たCK−PあるいはCK−Rを、96穴のマイクロ
タイタープレートに吸着させ、その後ウシ血清でプレー
トのCK不吸着部分をブロックした。次に、採血した血
液から調製した抗血清を段階的に希釈し、プレート上の
CKとそれぞれ反応させ、プレートを洗浄した後、これ
にパーオシダーゼを結合させたヤギ抗ウサギIgG抗体
を反応させた。再びプレートを洗浄した後、基質として
過酸化水素とo−フェニレンジアミンを用いて発色反応
を行い、抗体価を測定した。
【0039】(5)抗体によるCKの阻害 CK−PとCK−Rの免疫学的な性質及び抗体の性質を
調べる目的で、抗体によるCK−PとCK−Rの阻害を
調べた。なお、抗CK−P血清及び抗CK−R血清は前
記(4)項で調製したものを、CK−P及びCK−Rは
前記(2)項で調製したものをそれぞれ用いた。
【0040】まず、抗CK−P血清のCK−Pに対する
抗体価と、抗CK−R血清のCK−Rに対する抗体価と
が等しくなるように調製した抗CK−P血清溶液と抗C
K−R血清溶液とを用意し、更にこれらの溶液の段階的
希釈した。得られた希釈液のそれぞれをCK−P及びC
K−Rの溶液(これらの溶液のCK活性は等しくなるよ
うに調整した)のそれぞれと1時間反応させた後、スタ
フィロコッカス アウレウスの菌体懸濁液(和光社製)
と更に1時間反応させた。遠心により菌体を沈殿させ、
CK−抗体複合体を除き、上清に残ったCK活性を測定
した。
【0041】図9(A)及び(B)に示しように、抗C
K−P抗体はCK−Rと、抗CK−R抗体はCK−Pと
も反応した。このことは、CK−PとCK−Rとに共通
な抗原決定基があることを示す。なお、図9に示す活性
は抗体と反応しないで上清に残ったCK活性を示すの
で、活性0は、全CKが抗体と結合して遠心により除去
されたことを示す。つまり、本発明のCKcDNAを使
って大腸菌、酵母、培養細胞に発現させたCKcDNA
から推定されるCKのアミノ酸配列を解析することによ
ってCK−PとCK−Rとに共通に反応する抗体を製造
することができることを示す。すなわち、CKのアミノ
酸配列の特定の部分のN末端側から第1番目から所定の
残基数(例えば6〜10残基)の第1のオリゴペプチ
ド、第2番目から第1のオリゴペプチドと同じ残基数の
第2のオリゴペプチド、第3番目から第1のオリゴペプ
チドと同じ残基数のオリゴペプチドと、順次1アミノ酸
ずつずらしたアミノ酸を頭とする所定の残基数のオリゴ
ペプチドをすべて合成し、それぞれをイムノプレートや
ニトロセルロースに固定し、抗体を反応させることによ
って、どのオリゴペプチド部分が抗体と反応したかを調
べることによって、エピトープ部分がどこにあるかを、
また検出されたエピトープ部分でCK−PとCK−Rに
共通のアミノ酸配列を有する部分を抗原として用いるこ
とで、CK−PとCK−Rとに共通に反応する抗体を製
造することができる。さらに、エピトープ部分のオリゴ
ぺプチドをアガロースのような担体に結合させ、これに
対する抗体を精製することができる。
【0042】更に、βガラクトシダーゼ遺伝子、グルタ
チオン−S−トランスフェラーゼ(GST)遺伝子、マ
ルトース結合蛋白質遺伝子等に、CKのcDNAから種
々の部分を切り出して、それぞれを個々に融合し、発現
された各種融合タンパク質の抗体との反応性を上記と同
様の方法によって調べることによって、cDNAのどの
部分がエピトープ部分がどこにあるかを、また検出され
たエピトープ部分をコードしているかを検出でき、ま
た、またCK−PとCK−Rに共通のDNA塩基配列を
有するエピトープをコードする部分を発現させて、それ
を抗原として用いることで、CK−PとCK−Rとに共
通に反応する抗体を製造することができる。グルタチオ
ン−S−トランスフェラーゼとの融合蛋白質の作製には
ファルマシア社製プラスミドpGEX−2TやpGEX
−3Xが利用でき、マルトース結合蛋白質との融合蛋白
質の作製にはNEB社製プラスミドpMAL−cが利用
できる。更に、これらのプラスミドを用いて構築したプ
ラスミドを大腸菌に導入し、発現させた融合蛋白質はそ
れらのN末端側蛋白質に対するアフィニティークロマト
グラフィーで容易に精製されうる。
【0043】また、図9(A)及び(B)の結果から、
CK−Pは抗CK−P抗体と、CK−Rは抗CK−R抗
体とより強く反応したことから、CK−P、CK−Rそ
れぞれに特異的な抗原決定基が存在することが示され
た。従って、CKcDNAを解析することによってCK
−P、CK−Rのそれぞれに特異的に反応する抗体を製
作することができることが判明した。なお、別途行った
試験によれば、これらの抗血清はHeLa細胞のCKと
も反応した。このことは、ラットCKがヒトCKと似て
いおり、ラットcDNAを使用してヒトCKのcDNA
更にはヒトCK遺伝子のクローニングが可能であること
を示す。また、ラットCKに対する抗血清、モノクロー
ナル抗体によってヒトCKを調べることができること
は、基礎臨床研究にばかりでなく診断等の応用にも用い
ることを示す。
【0044】CK−Rは数本のバンドに精製されたが、
これをニトロセルロース膜にブロットして抗CK−P抗
体と反応させるとすべてのバンドが反応した。このこと
はすべてのバンドにCK−Pと共通な抗原が存在し、こ
れらのバンドがすべてCKであることを示すものであ
る。
【0045】(6)基質特異性の測定 上記(2)項で得たCK−R及びCK−Pについての基
質特異性を調べた。その結果、ATPがリン酸基の供与
体として最も優れていた。また、CK−RのATPに対
する特定のATP濃度でのKmは1.0mMであり、コ
リン類似体がCKの基質になるか調べた結果、コリンに
対して最も低い(親和性が高い)ことが明らかとなっ
た。また、コリン類似体もリン酸化することが明らかと
なった。また、CK−Pでも同様の結果を得た。このこ
とは、本発明によって得られたラットcDNAと大腸
菌、酵母、培養細胞に発現させ、精製したCKを用いて
コリン類似体を容易にリン酸化することができることを
示している。これらリン酸化コリン性物質(ラジオアイ
ソトープラベルされた物質も含む)は他の分野にも応用
され得る。
【0046】(7)CKの活性化物質 上記(2)項で得たCK−R及びCK−PCKともに種
々のアミンによって活性化された。
【0047】実施例2 (1)λgt11発現ベクターライブラリーの調製 全RNAはメスのラット肝臓からChirgwinらの方法(参
考文献4)に従って、グアニジンイソチオシアナート−
セシウムクロリドを使った方法で調製した。poly
(A)+ RNAはAviv & Lederの方法(参考文献5)に
従ってOligo(dT)セルロースカラムを2回通し
て精製した。Oligo(dT)をプライマーとしてc
DNAとファルマシア社製のcDNA合成キット等を利
用してGubler & Hoffmanらの方法(参考文献6)に従っ
て合成した。約500塩基対以上のcDNAを分別して
λgt11アーム(ベセスダ社製)にライゲージョンし
た。0.1μgcDNAと1.25μgλgt11アー
ムからラムダファージパッケージング抽出液(ギガパッ
クゴールドII−ストラタジーン社製)を使用して2.
4×106 個のリコンビナントファージのライブラリー
を作製した。
【0048】(2)スクリーニング 以下に述べる3段階のスクリーニングを踏んで目的のC
KcDNAを得た。(2−1)第一段階:抗体によるス
クリーニング Huynh らの方法に従って作製したλgt11ライブラリ
ーを抗CK−Pと抗CK−R血清の混合液でまずスクリ
ーニングした。抗体と反応したクローンは、二次抗体と
してヤギ抗ウサギIgG抗体とパーオキジダーゼ抗パー
オキシダーゼ複合体を反応させ、基質としてH22
ジアミノベンチジンを用いて検出した。反応したクロー
ンとすべて単−クローンにした後、今度は抗CK−P血
清と抗CK−R血清を別個に反応させ、両方の抗体に反
応するものだけを選び出した。
【0049】ここで用いた2種類のアイソザイムに対す
る互いに交叉反応を示す2種類の抗血清を使用する方法
によって、より効率良い抗体によるcDNAクローニン
グが可能となった。 (2−2)第二段階:活性誘導によるスクリーニング 上記の2種類の抗血清に反応し、タンパク質を発現する
ファージを大腸菌(Y1090株)に感染させ、イソプ
ロピルβ−D−チオガラクトシドで融合蛋白質を誘導し
た。大腸菌を超音波処理(50watt,30秒)して
破砕し、ライゼートを調製した。これを14,000×
g1時間4℃で遠心し、上清を得た。この上清のCK活
性を反応液中[100mMグリシン−NaOH(pH9.
0 )、10mMATP,12mMMgCl2 、0.18
mM[14C]コリンクロリド]で30℃、1時間反応さ
せて調べた。反応は100μlの1mMEDTAを含む
10mMトリス(pH7.5)、及び250μlのブチロニト
リル(30mg/mlでテトラフェニルボロンを含む)
をよく混合して停止させた。水層の[14C]コリンリン
酸を液体シンチレーション計測により測定した。
【0050】上述の第一段階及び第二段階を通して、1
個のクローンλLi37を得た。このクローンが産生す
る融合タンパク質が示す酵素活性の結果、反応産物がコ
リンリン酸であることは、薄層クロマトグラフィー(シ
リカゲル60(メルク社製)、展開溶媒95%エタノー
ル:2%アンモニウム)を行うことによって確認され
た。このクローンに含まれるcDNAの塩基配列を調べ
た結果、酵母CKの塩基配列に高いホモロジーを示すこ
とがわかった。
【0051】(2−3)第三段階:Li37cDNAを
使用したクローニング 酵母CKの塩基配列との比較からLi37cDNAはC
Kの全長のポリペブチドをコードしていないことがわか
った。そこで、Li37cDNA中のlacZ遺伝子側Ec
o47III−BalIのフラグメンを[α−32P]d
CTPでラベルして、これとハイブリダイスするクロー
ンをスクリーニングした。その結果、クローンLi27
9及びLi336を得ることができた。
【0052】(2)DNAシークエンス 得られたcDNA中には2個のEcoRI部位があり、
EcoRIでは一本の連続したcDNAとして切り出せ
ないので、Li336についてはSacIとKpnIと
でクローンを消化し、cDNAの両端にλDNAを有す
る形でcDNA断片を得た。これをpTTQ19(アマ
シャム社製)のSacI−KpnI部位にサブクローニ
ングし、組換えプラスミドpTTQ19(Li336)
を得た。この組換えプラスミドを有する大腸菌UM−
2、通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に、ブ
ダペスト条約に基づいて寄託されている(寄託番号:F
ERMBP−3090、寄託日:平成2年9月7日)。
【0053】また、Li279についてはNdeIとK
pnIとでクローンを消化して、cDNAの両端にλD
NAを有する形でcDNA断片を得た後、これをpUC
19(宝酒造社製)のNdeI−KpnI部位にサブク
ローニングし、組換えプラスミドpUC19(Li27
9)を得た。この組換えプラスミドを有する大腸菌UM
−1、通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に、
ブダペスト条約に基づいて寄託されている(寄託番号:
FERM BP−3089、寄託日:平成2年9月7
日)。
【0054】得られた各サブクローンを用いて制限酵素
地図を作製し、さらに各cDNAフラグメントをM13
mp10とM13mp11プラスミドにラゲィションし
てジデオキシタクレオチド法によって全cDNA塩基配
列を決定した。その結果、以下のことが判明した。CK
cDNA−Li279(1725塩基長)はLi336
より上流側に37塩基分だけはみ出した部分を有する
が、poly(A)+ 鎖を有していない。Li336
(2503塩基長)はpoly(A)+ 鎖をもつ。両方
を共通部分で位置合わせすると図1〜4に示す2540
塩基長の塩基配列(配列番号1)となる。
【0055】両方とも同一のタンパク質をコードする領
域をもち、この長さは1305塩基対で図1〜4及び図
5、6に示すアミノ酸残基数435(配列番号:2)の
タンパク質をコードしている。なお、クローンLi3
7、Li279、Li336の関係を図10に示す。な
お、黒枠はCKをコードする領域を示すが、クローンL
i37においてはCKをコードする領域はその一部が欠
失している。 (3)ホモロジーについて ラットCKと酵母CKならびに他の蛋白質とのホモロジ
ー比較は、酵素の活性部位を推定するうえで重要であ
る。図7、8は、上記(2)項で得たラットCK遺伝子
のDNA塩基配列に対応するアミノ酸配列と、酵母CK
(参考文献1)及びと酵母コリントランスポートタンパ
ク質とのアミノ酸配列レベルでホモロジーの高い部分を
示してある。なお、星(*)印は同一のアミノ酸残基の
ある部分を、点(・)は類似のアミノ酸残基のある部分
を示す。また、図7(A)は図1〜6で直線のアンダー
ラインで示した部分を含む領域の比較図、図7(B)は
波線のアンダーラインで示した部分を含む領域の比較
図、図8(A)は点線のアンダーラインで示した部分を
含む領域の比較図、図8(B)及び(C)は二重線のア
ンダーラインで示した部分を含む領域の比較図であり、
aの列は酵母CKの、bの列はラットCKの、cの列は
酵母コリントランスポートタンパク質のアミノ酸配列の
比較された部分的な領域を示す。また、左端の数字は、
各列の最初のアミノ酸の各CKのアミノ酸配列のN末端
からの位置を示す。
【0056】また、酵母CKとラットCKのアミノ酸配
列レベルでの相同性の分析をドットマトリックス アナ
リシスにより行ったところ、図11に示す結果を得た。
この図においては対角線上に点が並ぶんだ部分の相同性
が高いことを示すが、ラットCKにおいて大きな欠失が
あるためにギャップがみられる。
【0057】なお、種々のアミノ酸配列との比較から図
5、6に示すアミノ酸残基278〜333付近はヌクレ
オチド結合領域を示すもので、広くホスホトランスフェ
ラーゼや蛋白質キナーゼに見い出されるものであること
がわかった。
【0058】図7、8に示すように、分類学上あるいは
進化上非常にかけ離れた酵母とラットのCKにおいて、
非常に良く似た配列領域が保存されていることは、これ
らの配列がCK活性に重要な配列であることを示してい
る。従って、これらの部分を変異させることでより強い
活性を有するCKを合成できる可能性がある。また、ヒ
トCKにおいても、これらの領域あるいはその類似領域
が保存されていることは容易に推定でき、従って、例え
ば*の多い部分の配列あるいはその誘導配列をPCR用
のプライマーとして、あるいはプローブとして用いるこ
とで、ヒトCK遺伝子をクローニングすることができ
る。さらに、これらの領域あるいはその類似領域はヒト
の以外の各種動植物においても保存されていることが推
定でき、*の多い部分の配列あるいはその誘導配列を用
いてヒトと同様にこれら各種動植物からのCK遺伝子の
クローニングを行うことができる。
【0059】実施例3 ラットCKを大腸菌で発現させるために、ベクタープラ
スミドとして、大腸菌での高発現をイソプロピル−β−
D−チオガラクトシドでの誘導で可能とするPtrc
(trp/lac)融合プロモーター、大腸菌リボゾー
ム結合サイト、該大腸菌リボゾーム結合サイトから良好
な位置にあるポリペプチドの最初のATG、この部位近
くにあるマルチクローニングサイト及び転写終結配列
(ターミネーター)を有するpKK233−2(ファル
マシア社製)を用いて以下の操作によって組換えプラス
ミドを構築した。なお、この構築過程の概要を図12に
示す。
【0060】まず、pKK233−2をHindIII で
消化して得られたDNA断片をクレノウフラグメントで
処理して両末端を平滑化した。次に、実施例2の(3)
項で得た組換えプラスミドpUC19(Li279)を
AatIIで消化し、得られた大小2つのDNA断片から
電気泳動法によって小DNA断片を分離回収した。次
に、この小DNA断片をクレノウ酵素で処理して両末端
を平滑化し、これと先に得たpKK233−2からのD
NA断片とをリガーゼで結合させて環状プラスミドを得
た。これを大腸菌JM105にトランスフェクション
し、右方向への矢印で示すコーディング方向の正しいプ
ラスミドpAを選択した。なお、この選択は、環状プラ
スミドを導入して形質転換された大腸菌からプラスミド
を分離し、その制限酵素地図を作製してプラスミドの構
造を確認することで行った。
【0061】次に、このプラスミドpAをNcoIで消
化してから、クレノウフラグメントで処理して両末端を
平滑化し、さらに、NheIで消化して(NcoI)−
NheIDNAベクター側の長い断片を得た。なお、
(NcoI)のように括弧内に制限酵素名を表示した場
合は括弧内の制限酵素で処理した後に他の酵素で平滑化
したことを示す。
【0062】これとは別に、プラスミドpUC19(L
i279)をAatIIで消化して得た断片をEcoRI
で消化し、得られた3つのDNA断片からコーディング
領域の最初ATGを含む断片を分取し、これをNlaI
IIで消化して、さらにクレノウフラグメントで処理し
て両末端を平滑化し、(NlaIII)−NheI断片
を得た。この(NlaIII)−NheI断片とさきに
調整したプラスミドpAから調製した(NcoI)−N
heIDNA断片とをリガーゼで結合させて環状プラス
ミドpKIYOを得た。これを大腸菌JM105にトラ
ンスフェクションし、形質転換体を得た。この形質転換
体は、イソプロピル−β−D−チオガラクトシドでの誘
導で大量のCKを発現した。
【0063】実施例4 a.大腸菌でのCKの発現と精製 プラスミドpKIYOで形質転換した大腸菌JM105
を50μg/mlアンピシリンを含むLB培地10ml
で終夜培養した。この培養液を翌朝500mlの50μ
g/mlのアンピシリンを含むLB培地に移し、2時間
培養をした時点でイソプロピル−β−D−チオガラクシ
ド(最終濃度3mM)を加え、さらに2〜3時間培養を
続けた。この培養液を遠心分離機にかけて大腸菌を集め
た。なお、培養は37℃で行なった。集めた大腸菌を、
20mMトリス塩酸(pH7.5)、2mM EDT
A、2mM PMSF、10mM benzamidineHC
l、20μg/ml antipain、20μg/ml chym
ostatin 、20μg/ml E−64 、20μg/m
l leupeptin 、20μg/ml pepstatin A の組
成の緩衝液で氷冷下超音波破砕した。
【0064】菌体破砕液を遠心分離(20000rp
m、20分間)し、上清を得た。これを20mMトリス
塩酸(pH7.5)、1mM EDTA、0.2mM
PMSF、2mM benzamidine HCl、1μg/ml
antipain、1μg/ml chymostatin 、1μg/m
l E−64 、1μg/ml leupeptin 、1μg/
ml pepstatin A の組成の緩衝液Bで平衡化してお
いたDE52(ワットマン社製 、2mlゲル)のカラ
ムを通した。ゲルを10mlの200mM塩化ナトリウ
ムを含む緩衝液Aで洗浄した。この洗液を素通りした液
と合せた。このカラムを通過させた液の塩化ナトリウム
濃度を100mM以下にし、75mM塩化ナトリウムを
含む緩衝液Bで平衡化しておいたQ−セファロース F
ast Flow カラム(0.9×12cm)に流速
60ml/hでかけた。100mM塩化ナトリウムを含
む緩衝液B20mlでカラムを洗い、塩化ナトリウム1
00mMから500mMの濃度勾配(100ml)でC
Kを溶出した。活性は2つに分離した。塩化ナトリウム
濃度がより低いときに溶出される活性を集めた。なお、
塩化ナトリウムより高い時に溶出される活性は、CKが
かなりプロテオリシスを受けたものである。従って、C
K活性をより高収率で回収するためには種々のプロテア
ーゼ阻害剤を試みる必要がある。
【0065】集めたCK活性をMMA−アフィニティー
カラム(ゲル6ml)にかける。MMA−アフィニティ
ーカラムは100mM塩化ナトリウムを含む緩衝液Bで
平衡化しておく。流速20ml/hでカラムを30ml
の200mM塩化ナトリウムを含む緩衝液B、100m
M塩化ナトリウムを含む緩衝液Bで洗った。続いて、1
00mM塩化ナトリウムと100mM choline
Clを含む緩衝液BでCKを溶出した。活性は前述の
分光学的手法によって検出した。なお、大腸菌に発現し
たCKをAF−ブルートヨパールカラムにかけたとこ
ろ、CKはこのカラムに保持されて塩化ナトリウムで溶
出されたことから、このCKはCK−Rであることが判
明した。 b.MMA−アガロースの有効性 表1はCKを発現させた大腸菌からのCKの精製を示
す。表2にラットの精巣からのCK−Rの精製を示し
た。精製方法は肝臓からの精製と同じ方法で行なった。
ただし、緩衝液はBを使用した。このアフィニティーク
ロマトグラフィー用ゲルを使用することで容易に高度な
精製が達成された。
【0066】
【表1】 F:Q−セファロ−スでは活性が2つに分離する。塩
濃度が低いほうで溶出された活性を示す。
【0067】
【表2】 P:AFブルートヨパールカラムを素通りする活性CK
−P。 R:AFブルートヨパールカラムに保持される活性CK
−R。 (P):CK−Pを1,6-ジアミノヘキサンアガロースで
精製した場合の値。 (R):CK−RをMMA−アガロースで精製した場合
の値。 実施例5 (グルタチンオン−S−トランスフェラーゼとの融合蛋
白質の作製)先に述べたようにグルタチンオン−S−ト
ランスフェラーゼ(GST)にCKの全部あるいは一部
のペプチド鎖が結合した融合蛋白質は、CKの活性部位
の検索、CKのエピトープの検索、融合蛋白質をアガロ
ースのようなゲルに結合したアフィニティークロマトグ
ラフィー担体を作製してのCKのエピトープに対する抗
体の精製、融合蛋白質を免疫することによってCK部分
に対する抗体の作製等に利用することができる。
【0068】本実施例ではGSTとの融合蛋白質を作製
するためにプラスミドとしてpGEX−2TとpGEX
−3X(ファルマシア社製)を用いた。これらのプラス
ミドを用いてGSTのC末端部分にあるマルチクローニ
ング部位にDNAを挿入し、全部あるいは部分的CKを
コードするGST−CK融合遺伝子を作製した。
【0069】GSTとCKの融合部分は正しい読み枠に
なっていなければならない。プラスミドのマルチクロー
ニング部位のBamHI部位にDNA断片を挿入する場
合は、プラスミドpGEX−2TとpGEX−3XをB
amHIで消化後、クレノウフラグメント、あるいはM
ung Bean nucleaseで処理して平滑末
端にすると、種々の読み枠に対応してDNA断片を正し
い読み枠で接続することができる。 a.GSTとCKの融合蛋白質を大腸菌で発現させるた
めのプラスミドの作製i)pGCK1−435の作製 pUC19(Li279)をEcoRI消化し、CKの
開始コドンを含むフラグメントを調製した。これをTa
qIで消化、クレノウフラグメント処理、NheI消化
し、アガロース電気泳動により(TaqI)−NheI
DNAフラグメントを得た。pUC19(Li27
9)をAatII消化し、クレノウフラグメント処理し
た。アガロース電気泳動により、小さいほうのフラグメ
ントを精製した。このフラグメントをEcoRI消化し
て、クレノウフラグメント処理しておいたpGEX−2
Tとライゲーションした。GST側がCKのN末端にな
っているプラスミドを選択した。このプラスミドはSm
aIとNheIで消化し、アガロース電気泳動し、ベク
ター側の長いDNA断片を得た。これと先に調製してお
いた(TaqI)−NheI断片をライゲーションし
て、pGCK1−435を得た。 ii)pGCK26−435の作製 pUC19(Li279)をEco47III消化し、
アガロース電気泳動し、小さいほうのDNAフラグメン
トを得た。これを、先にBamHI消化及びクレノウフ
ラグメント処理しておいたpGEX−3Xとライゲーシ
ョンした。GST側がCKのN末端になっているプラス
ミドpGCK26−435を選択した。 iii )pGCK74−435、pGCK103−43
5、pGCK141−435、pGCK191−43
5、pGCK212−435、pGCK263−43
5、pGCK298−435、pGCK388−435
の作製 pUC19(Li279)をAatII消化、クレノウ
フラグメント処理し、アガロース電気泳動した小さいD
NA断片を精製した。これを先にXbaI消化し、クレ
ノウフラグメント処理しておいたpUC19とライゲー
ションした。CKのN末端がSalI側部位にあるプラ
スミドを選択した(pUC19(XK)AASB)。p
GCK74−435、pGCK103−435、pGC
K141−435 、pGCK191−435、pGC
K212−435、pGCK263−435、pGCK
298−435、pGCK388−435を作製するた
め、NheI、NruI、Bsp1286I、Nae
I、BalI、XhoI、EcoRI、HincIIを
それぞれ用いた。前述の制限酵素でpUC19(XK)
AASBを消化し、平滑末端を生じないものはクレノウ
フラグメント処理し、ついでKpnI消化した。アガロ
ース電気泳動により目的のCKのペプチドをコードする
DNA断片を精製した。
【0070】pUC19をBamHIとEcoRI消化
して得られたDNA断片を先にBamHIとEcoRI
で消化しておいたpGEX−2TとpGEX−3Xにラ
イゲーションした。これらをそれぞれpGEX−2T
S、pGEX−3XSとした。pGEX−2TS、pG
EX−3XSをBamHI消化し、クレノウフラグメン
トあるいはMung bean nuclease処理
し、ついでKpnI消化した。先に、調製しておいたC
KのcDNA断片をアミノ酸コドンのフレームが正しく
なるようにベクター側DNAを選択してライゲーション
し、目的のプラスミドを得た。 iv)pGCK93−298、pGCK93−210、p
GCK212−298の作製 pUC19(Li279)をEcoRI消化し、ついで
クレノウフラグメント処理し、アガロース電気泳動でc
DNAの真中の部分のDNA断片を精製した(E−E断
片、pGCK93−298用)。このE−E断片をBa
lI消化し、2つの得られたDNA断片をアガロース電
気泳動して精製した(E−B断片、pGCK93−21
0用;B−E断片、pGCK211−298用)。これ
らをBamHI消化し、mung bean nucl
ease処理しておいたpGEX−2Tとライゲーショ
ンし、GST側にCKの末端がきているプラスミドを選
択した。 v)pGCK1−25、pGCK1−74、pGCK1
−102、pGCK1−189、pGCK1−262、
pGCK1−408、pGCK1−432の作製 先に調製したpGCK1−435をEco47III、
NheI、NruI、NaeI、XhoI、BglI
I、HindIIIで消化し、平滑末端を生じない場合
はクレノウフラグメント処理した。アガロース電気泳動
してベクター側の長いDNA断片を精製した。これらに
ユニバーサルトランスレーションターミネーター(ファ
ルマシア社製)をライゲーションして終始コドンを導入
したプラスミドを調製した。
【0071】目的のCKのペプチドをコードしているD
NA断片が正しく接続されていることは、制限酵素地図
の作製と塩基配列の決定によった。
【0072】なお、以上の各クローンからの融合蛋白質
の有するCVの部分を模式的に図14に示した。 b.大腸菌での発現 それぞれのプラスミドで大腸菌JM105株を形質転換
した。形質転換菌を50μg/mlのアンピシリンを含
むLB培地で終夜培養し、培養液の50倍量の50μg
/mlのアンピシリンを含むLB培地に移し、2時間培
養したところで、1mMイソプロピル−β−D−チオガ
ラクトシドを加え、更に2〜3時間培養を続け、遠心に
よって集菌した。培養は、37℃出行なった。菌体全て
を2−メルカプトエタノールとラウリル硫酸ナトリウム
(SDS)とで可溶化し、SDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動して蛋白質をナイロン膜あるいはニトロセ
ルロース膜に転写して融合蛋白質を抗体によって検出し
た。結果として、プラスミドを導入した菌すべてで融合
蛋白質が検出された。また、プロテオリシスを受けてい
た。一例として、pGCK1−435を導入した大腸菌
から、上述のごとく大腸菌に融合蛋白質(GSTCK1
−435)を合成させた。集めた菌を超音波処理し、2
0000rpm、20分間遠心し、細胞上清を集めた。
これをグルタチオン−セファロース4B(ファルマシア
社製)にかけた。溶出はマニュアルに従った。すなわ
ち、ゲルをPSBで洗い、5mMのグルタチオンを含む
トリス緩衝液で融合蛋白質を溶出した。SDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動及びウエスタンブロッティン
グを行ない、蛋白質の検出と抗体を用いた融合蛋白質の
検出を行なった。目的の融合蛋白質の分子量に相当する
蛋白質が検出された。しかし、プロテオリシスを受けて
いる蛋白質も検出されたため、融合蛋白質の目的によっ
ては更に高速クロマトグラフィーなどによって精製する
と良い。
【0073】実施例6 (CKアイソザイムcDNAのスクリーニング)動物で
は多くの例でアイソザイムあるいはアイソフォームの存
在が知られている。アイソザイム、アイソフォームはそ
れが発現している細胞の機能や生理状態に対応している
と考えられているので、アイソザイムやアイソフォーム
のcDNAをスクリーニングしてこれを得ることは、そ
れぞれのアイソザイム、アイソフォームについて、大腸
菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞出の発現系の開発、それ
ぞれのアイソザイム、アイソフォームに対する特異的な
DNAあるいはRNAプローブの調製、特異的な抗体の
作製などを通して、脳神経、循環器、消化器、生殖器、
代謝系、癌等の各種疾患の診断及び治療に有効な方法を
提供すると考えられる。
【0074】スクリーニングに用いたDNA断片は、図
1〜4の配列のなかのヌクレオチド番号535付近のE
coRI部位からヌクレオチド番号1149付近のEc
oRI部位までのものを使用した。DAN断片の32Pで
のラベリングとスクリーニング法は、実施例2の(2ー
3)と同様にして行なった。結果として、Li279、
Li336とは異なり更に互いに相違するクローンLi
327とLi332を得た。これらのラムダDNAから
Li336と同じようにSacIとKpnIでランダム
DNAを含む形でcDNAを切り出し、pTTQ19の
SacI、KpnI部位にサブクローニングした。この
クローンLi327からのサブクローニングによってプ
ラスミドpTLi327を得た。これで形質転換した大
腸菌をUM3とした。
【0075】クローンLi332の場合も同様にサブク
ローニングしてプラスミドpTLi332を得た。これ
で形質転換した大腸菌をUM4とした。
【0076】なお、これらの形質転換体UM3、UM4
は、通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に寄託
されている。 UM3:寄託番号:FERM P−12492、寄託
日:平成3年9月9日 UM4:寄託番号:FERM P−12493、寄託
日:平成3年9月9日 図15はこれらの制限酵素地図を比較したものである。
3’側はLi327、Li332ともに、Li336と
同じ制限酵素地図を示すが、5’側は異なっていた。す
なわち、Li327、 Li332とも、Li279、3
36とは別個のアイソザイムをコードすると考えられ
る。
【0077】これらクローンを大腸菌で発現するための
プラスミドを構築し、各CKアイソザイムを発現させ
た。この発現させたCK蛋白質を精製し、抗体の作製に
も用いた。作製された抗体を用いて、CKの免疫測定系
を設定できる。また、抗体を用いて免疫組織化学的検討
も行なえる。また、実施例3におけるpUC19(Li
279)を用いた操作と同様にして、pTLi327と
pTLi332からCKcDNAを大腸菌発現ベクター
pKK233−2に移してそれぞれ発現プラスミドpK
IYOII、pKIYOIII を作製した。これらで大腸菌
JM105を形質転換し、実施例3と同様にして、イソ
プロピル−β−D−チオガラクトシドでCKを誘導し、
精製した。
【0078】実施例7 (抗CK抗体の精製)大腸菌に発現させて精製したCK
をCNBrで活性化したアガロース(ファルマシア社
製)にマニュアルに従ってカップリングした。このゲル
を使って実施例1及び6で得た抗血清から抗CK抗体を
4℃で精製した。なお、用いる抗血清としては、実施例
1の(4)のウサギ抗血清のほか、マウス、マムスタ
ー、モルモット、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ウシなどにCK
タンパク質を常法により免疫し、それより得られた抗血
清がある。
【0079】実験例1 実施例1の(4)、実施例6及び実施例7で得た抗CK
抗体を用い、ベクタスティンABC法(Vectast
ain ABC method、アビジン−ビオチン化
ワサビペルオキシダーゼコンプレックス法、フナコシ社
販売)により各種癌組織・細胞および正常組織・細胞の
免疫組織化学的検索を行なった。すると、肺癌、胃癌、
大腸癌、肝細胞癌、子宮頸部癌、膀胱移行上皮癌、腎細
胞癌、絨毛上皮癌、胎児性癌等の上皮性悪性腫瘍および
悪性繊維性組織腫、神経多形膠芽腫等の非上皮性肉腫な
どがよく染色された。リンフォーマおよびある種の肉腫
は染色されなかった。一方、正常組織細胞はうすくしか
染色されず、抗体の希釈度を高めれば、癌特異的な診断
も可能となる。また、本法によりレトロウイルスでトラ
ンスフォームしたリンパ球細胞ではCKが極めてよく発
現していること、一方、非トランスフォーム細胞ではC
Kが発現していないことがわかり、癌化とCKの発現量
の増大とは密接な関連があることがわかった。
【0080】実施例8 (1)転移ベクターpVLCK−1 バキュロウイルスによるラットCKの生産のために、転
移ベクターとしてpVL1392を、相同組換え用とし
Spodoptera frugiperda SF9 細胞と野生株ウイルスD
NA(AcNPV DNA)を含むインビトロジェン社
のマックスバック−バキュロウイルス発現システムを利
用した。バキュロウイルスへの導入のための転移ベクタ
ーpVLCK1は、図13に示す過程によって、転移ベ
クターpVL1392内にラットCK遺伝子を導入して
構築した。
【0081】まず、pVL1392をPstIで消化
し、クレノウフラグメントで処理して両末端を平滑化
し、次にBamHIで消化し、ベクター側の(Pst
I)−BamHIDNA断片を得た。次に、実施例2の
(3)項で得た組換えプラスミドpUC19(Li27
9)をAatIIで消化し、得られた大小2つのDNA断
片から電気泳動法によって小DNA断片を分離、回収し
た。この小DNA断片を、クレノウフラグメントで処理
して両末端を平滑化し、これを、pUC19をXbaI
で消化した後、クレノウフラグメントで処理して両末端
を平滑化して得たDNA断片とリガーゼを用いて結合し
た。これを大腸菌JM105にトランスフェクション
し、矢印で示すコーディング方向の正しいプラスミドp
Bを選択した。なお、この選択は、環状プラスミドを導
入して形質転換された大腸菌からプラスミドを分離し、
その制限酵素地図を作製してプラスミドの構造を確認す
ることで行った。更に、プラスミドpBをSalIで消
化した後、クレノウフラグメントで処理して両末端を平
滑化し、次いでNheIで消化し、ベクター側の(Sa
lI)−NheIDNA断片を得た。
【0082】一方、プラスミドpUC19(Li27
9)のAatIIでの消化物から電気泳動法によって分離
した小DNA断片をEcoRIで消化して、得られた3
つのDNA断片からコーディング領域の最初のATGを
含む断片を電気泳動法によって分離、回収し、これをT
aqIで消化してから、クレノウフラグメントで処理し
て両末端を平滑化し、次いでNheIで消化して(Ta
qI)−NheIDNA断片を得た。この(TaqI)
−NheIDNA断片と先にプラスミドpBから調製し
た(SalI)−NheIDNA断片とをリガーゼを用
いて結合してプラスミドpCを得た。これを大腸菌JM
105にトランスフェクションし、矢印で示すコーディ
ング方向の正しいプラスミドpCを選択した。なお、こ
の選択は、環状プラスミドを導入して形質転換された大
腸菌からプラスミドを分離し、その制限酵素地図を作製
してプラスミドの構造を確認することで行った。
【0083】このプラスミドpCをSphIで消化後、
クレノウフラグメントで処理して両末端を平滑化し、更
にBamHIで消化し、得られたCKをコードする断片
を先にpVL1392から得た(PstI)−BamH
IDNA断片とリガーゼを用いて連結し、転移ベクター
pVLCK1を得た。 (2)組換え体ウイルスの分離 昆虫細胞(Spodoptera frugiperda SF9 細胞)に、上記
(1)項で得た転移ベクターpVLCK1と野生株ウイ
ルスDNA(AcNPV DNA)とを導入し、相同組
換えによって組換え体ウイルスを作らせた。導入から4
〜5日後に培養液から組換え体ウイルスをプラーク法に
より分離した。その際、ラットCK遺伝子が組み込まれ
たウイルスの検出は、ウイルスが感染した細胞からDN
Aを抽出し、ドットブロット法−ハイブリダイゼーショ
ン法によって行った。
【0084】また、組換え体ウイルスを有する昆虫細胞
がラットCKを生産しているかどうかは、細胞抽出液の
CK活性を測定すること、あるいは細胞抽出液をドット
ブロットし、実施例1の(4)項でえた抗CK−P血清
あるいは抗CK−R血清との反応性を試験することで確
認できる。
【0085】この結果、ラットCKを生産している昆虫
細胞からラットCK遺伝子が組み込まれた組換え体バキ
ュロウイルスAcNPV1392PRCK1を得た。
【0086】転移ベクターをかえたりラットCK遺伝子
の挿入部位を種々変化させることで、生産性のより高い
組換え体ウイルスを作製することもできる。
【0087】なお、上述の実施例3及び4における制限
酵素での処理、リガーゼによるDNA断片の結合、大腸
菌へのプラスミドの導入、各段階における形質転換体の
選択などの各操作は、公知の方法を用いて行うことがで
きる。 参考文献リスト 1.Hosaka, K. et al. 1989. J. Biol. Chem., 264,
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Acta, 1043, 281. 3.Huynh, T. V. et al. 1985. In DNA Cloning : A P
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78. IRL Press, Oxford. 4.Chirgwin, J. J. et al. 1979. Biochemistry, 18,
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【0088】
【発明の効果】本発明によれば、CKの新たな知見を得
るために必要な高純度のラットCKを分画する技術及び
CK遺伝子のクローニングに必要な技術を提供すること
ができる。また、本発明によれば、例えば、ラット脳、
ヒト脳神経や肝臓等の各種臓器、ニワトリ、ウズラ等の
肝臓、卵黄、さらには大豆等のレシチン含量の多い食品
として有用な動植物などにおけるCK遺伝子を検出、取
得できる方法を提供することができる。
【0089】さらに、本発明によれば、ラットCK遺伝
子を各種細胞、微生物等で発現させて、CKを量的に生
産する方法、及びCKに対する抗体を調製する方法を提
供することができる。また、本発明によれば、ラット、
ヒト等のCKに対する抗体を用いたCKの測定方法、C
Kの各組織・細胞内の分布の検出方法、そして脳神経疾
患、肝疾患、癌ほか各種疾患の診断、治療のため、及び
ヒトCK、ヒトCK遺伝子、抗ヒトCK抗体等を用いた
脳神経疾患、肝疾患、癌ほか各種疾患の診断、治療のた
めに必要な技術を提供することができる。
【0090】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:2540 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to RNA 起源:ラット肝臓 配列の特徴 特徴を表わす記号:mat peptide 存在位置:259..1563 特徴を決定した方法:E その他の情報:ラットコリンキナーゼをコードする遺伝
子 配列 CCGCGGCCCA CTACAGCAGT CGCCCGCCGT CAGCCTCCCG CGCTCGTCTC TCGTCACTGC 60 TGCTCGGCGT CCATTGCTGC CTCTCCCCGC AGTCGCCGAC GTCGCTTCCC CGCGCGCTCC 120 CACAACCGCC GCCCCGCCGG TCAGTGAAGC CGGTGAGCCA TTCCCCGCGC CGGCCCCCAG 180 AGGCGGGCAT CCAGCCGGAC CCCGAGTGTG GCCCTCTCCT GCTGTGGCCG TCCGCGCCTT 240 CTCGACCGCT TATCCAGC ATG AAA ACC AAG TTC TGC ACC GGG GGC GAG GCC 291 Met Lys Thr Lys Phe Cys Thr Gly Gly Glu Ala GAG CCG TCC CCG CTT GGG CTG CTG CTG AGC TGC GGT GGC AGC GCT GCC 339 Glu Pro Ser Pro Leu Gly Leu Leu Leu Ser Cys Gly Gly Ser Ala Ala CCG ACG CCC GGC GTA GGG CAG CAG CGC GAT GCC GCA GGC GAG CTG GAG 387 Pro Thr Pro Gly Val Gly Gln Gln Arg Asp Ala Ala Gly Glu Leu Glu TCC AAG CAG CTT GGT GGC CGG TCC CAA CCT CTC GCG CTG CCG CCG CCA 435 Ser Lys Gln Leu Gly Gly Arg Ser Gln Pro Leu Ala Leu Pro Pro Pro CCA CCG CCG CCC CTG CCG CTG CCC CCG CCG CCA TCA CCG CCG CTA GCG 483 Pro Pro Pro Pro Leu Pro Leu Pro Pro Pro Pro Ser Pro Pro Leu Ala GAC GAA CAA CCC GCG CCC CGG ACG CGG CGC AGG GCC TAC CTG TGG TGC 531 Asp Glu Gln Pro Glu Pro Arg Thr Arg Arg Arg Ala Tyr Leu Trp Cys AAG GAA TTC CTG CCC GGA GCC TGG AGG GGC CTT CGC GAG GAC CAG TTC 579 Lys Glu Phe Leu Pro Gly Ala Trp Arg Gly Leu Arg Glu Asp Gln Phe CAC ATC AGT GTC ATC AGG GGT GGT CTC AGA AAC ATG CTG TTC CAG TGT 627 His Ile Ser Val Ile Arg Gly Gly Leu Ser Asn Met Leu Phe Gln Cys TCC TTG CCA GAC TCC ATA GCC AGT GTT GGT GAT GAA CCT CGG AAA GTG 675 Ser Leu Pro Asp Ser Ile Ala Ser Val Gly Asp Glu Pro Arg Lys Val CTC TTG CGA CTG TAT GGG GCA ATC TTA AAG ATG GGG GCT GAA GCA ATG 723 Leu Leu Arg Leu Tyr Gly Ala Ile Leu Lys Met Gly Ala Glu Ala Met GTT CTG GAG AGT GTT ATG TTT GCC ATT CTT GCA GAG AGG TCA CTT GGG 771 Val Leu Glu Ser Val Met Phe Ala Ile Leu Ala Glu Arg Ser Leu Gly CCA AAA CTC TAT GGC ATC TTT CCG CAA GGC CGA CTG GAG CAG TTT ATC 819 Pro Lys Leu Tyr Gly Ile Phe Pro Gln Gly Arg Leu Glu Gln Phe Ile CCG AGC CGG CGA TTG GAC ACT GAA GAA TTA TGT TTA CCA GAT ATT TCT 867 Pro Ser Arg Arg Leu Asp Thr Glu Glu Leu Cys Leu Pro Asp Ile Ser GCA GAA ATA GCT GAA AAA ATG GCC ACA TTT CAT GGT ATG AAA ATG CCA 915 Ala Glu Ile Ala Glu Lys Met Ala Thr Phe His Gly Met Lys Met Pro TTC AAT AAG GAA CCA AAA TGG CTT TTT GGA ACA ATG GAA AAA TAC CTG 963 Phe Asn Lys Glu Pro Lys Trp Leu Phe Gly Thr Met Glu Lys Tyr Leu AAT CAA GTA CTA AGA CTT AAA TTC AGC AGG GAG GCC AGA GTT CAA CAA 1011 Asn Gln Val Leu Arg Leu Lys Phe Ser Arg Glu Ala Arg Val Gln Gln CTG CAC AAG TTC CTC TCT TAC AAT CTG CCT CTC GAG CTT GAG AAC CTG 1059 Leu His Lys Phe Leu Ser Tyr Asn Leu Pro Leu Glu Leu Glu Asn Leu AGG TCA TTG CTG CAG TAT ACT AGA TCC CCA GTT GTG TTT TGT CAT AAT 1107 Arg Ser Leu Leu Gln Tyr Thr Arg Ser Pro Val Val Phe Cys His Asn GAC TGT CAA GAA GGT AAT ATC TTA TTG TTG GAA GGC CAA GAG AAT TCT 1155 Asp Cys Gln Glu Gly Asn Ile Leu Leu Leu Glu Gly Gln Glu Asn Ser GAA AAG CAG AAG TTG ATG CTC ATT GAC TTT GAA TAC AGC AGT TAC AAT 1203 Glu Lys Gln Lys Leu Met Leu Ile Asp Phe Glu Tyr Ser Ser Tyr Asn TAC AGG GGA TTT GAC ATT GGA AAT CAT TTC TGT GAA TGG ATG TAT GAT 1251 Tyr Arg Gly Phe Asp Ile Gly Asn His Phe Cys Glu Trp Met Tyr Asp TAT ACC TAT GAA AAG TAT CCT TTC TTC AGA GCA AAC ATT CAG AAG TAT 1299 Tyr Thr Tyr Glu Lys Tyr Pro Phe Phe Arg Ala Asn Ile Gln Lys Tyr CCT ACC CGA AAA CAA CAG CTC CAT TTT ATT TCA AGT TAC TTG ACT ACA 1347 Pro Thr Arg Lys Gln Gln Leu His Phe Ile Ser Ser Tyr Leu Thr Thr TTC CAA AAT GAT TTT GAA AGC CTC AGC AGT GAA GAG CAG TCT GCT ACA 1395 Phe Gln Asn Asp Phe Glu Ser Leu Ser Ser Glu Glu Gln Ser Ala Thr AAA GAA GAC ATG TTG CTT GAA GTC AAC AGA TTT GCC CTT GCC TCT CAT 1443 Lys Glu Asp Met Leu Leu Glu Val Asn Arg Phe Ala Leu Ala Ser His TTC CTC TGG GGA CTT TGG TCC ATT GTA CAG GCC AAG ATC TCA TCC ATT 1491 Phe Leu Trp Gly Leu Trp Ser Ile Val Gln Ala Lys Ile Ser Ser Ile GAA TTT GGG TAC ATG GAA TAT GCC CAA GCC AGG TTC GAT GCC TAC TTT 1439 Glu Phe Gly Tyr Met Glu Tyr Ala Gln Ala Arg Phe Asp Ala Tyr Phe GAC CAG AAG AGG AAG CTT GGT GTG TGA ATGGATGGCT CCACTCTTCA 1586 Asp Gln Lys Arg Lys Leu Gly Val * CCACTGGACT GCAGGAGGTG GCTGCACCAG GCCCTCAGTG GAGCGCTGCT GTGACCACTG 1646 CCCTGGGCAG AAGGCCTGGA CGTCTCACTA CTGAGCACCG ATGTGTATGA TACTACAGAC 1706 TATATTAAAG TGGAGTAACA TTTCTTTCAT CTTTGTTTAC ACTCTCACTA GGACTCTGAA 1766 CCATGATTGG AAGCAGAAAT ATAGTGTGAT AGTGCAATAG CTCAGACCCC GCCTAAGCGG 1826 GAGGCCTTTC AGCTACATGG CTACAGCTTC AGCCACTTAG GCCCCAGCCA GACAGAGCAG 1886 TGCTGTGTGG GTACTGAGTG CTGACTTAGG ATATTAATGT GCTGCAACAC GTTCATGACC 1946 AGGCTTTGAA GGTGACAGTC TGACAATGTG TTGGAGACAC TCTGAAGGGC AAGTGAACAG 2006 ACATACTGTG AAATGGCTCG ACAGGAGGAG CCTGAATTGT GGGGTCTGTG GAGGCAGCCA 2066 GCTGTTTCTG TACAGGGTAC ACTTGACTAT GGGTATGCAT CTGCAGGCAG TAGCTGCAGC 2126 CCTCCTGTGC CTGTGTACAC ATGACTACAG GGGCCAGTGT CACTGACTGG CCATAACTGC 2186 AGTGTCTCCT AACTGGGTGT GCTTTATGCT TCAGCTTCCC GGGGAGGAGC AGTGGAGCCA 2246 GCTTCCTCAC CCCTTCTTGC CTTCTCTCTG CCTGACCTGG AACTTGGGCT TTCGCCCATT 2306 GCCCTCTGAA GCTGCTTCCC ATCTGATGTC ACTGGGAGAC AGCAGCTGTA TGTGTGGGGT 2366 ATTGGGGTGC AGGTAGATTA GAGCTGTGAA ATCCATGTAC ATTAATACCC AATGGGATAA 2426 ACCTAGAATT TTTTTTTTTT TACTCTGAAC TCTGAATTGT TTTGTGCACA TATTTCTGCT 2486 ACCACCGAAA CTGTATTATA CAGATAAATA AACAACTTGA AACTTAAAAA AAAA 2540 配列番号:2 配列の長さ:435 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:コリンキナーゼ活性を有する。 配列 Met Lys Thr Lys Phe Cys Thr Gly Gly Glu Ala Glu Pro Ser Pro Leu 1 5 10 15 Gly Leu Leu Leu Ser Cys Gly Gly Ser Ala Ala Pro Thr Pro Gly Val 20 25 30 Gly Gln Gln Arg Asp Ala Ala Gly Glu Leu Glu Ser Lys Gln Leu Gly 35 40 45 Gly Arg Ser Gln Pro Leu Ala Leu Pro Pro Pro Pro Pro Pro Pro Leu 50 55 60 Pro Leu Pro Pro Pro Pro Ser Pro Pro Leu Ala Asp Glu Gln Pro Glu 65 70 75 80 Pro Arg Thr Arg Arg Arg Ala Tyr Leu Trp Cys Lys Glu Phe Leu Pro 85 90 95 Gly Ala Trp Arg Gly Leu Arg Glu Asp Gln Phe His Ile Ser Val Ile 100 105 110 Arg Gly Gly Leu Ser Asn Met Leu Phe Gln Cys Ser Leu Pro Asp Ser 115 120 125 Ile Ala Ser Val Gly Asp Glu Pro Arg Lys Val Leu Leu Arg Leu Tyr 130 135 140 Gly Ala Ile Leu Lys Met Gly Ala Glu Ala Met Val Leu Glu Ser Val 145 150 155 160 Met Phe Ala Ile Leu Ala Glu Arg Ser Leu Gly Pro Lys Leu Tyr Gly 165 170 175 Ile Phe Pro Gln Gly Arg Leu Glu Gln Phe Ile Pro Ser Arg Arg Leu 180 185 190 Asp Thr Glu Glu Leu Cys Leu Pro Asp Ile Ser Ala Glu Ile Ala Glu 195 200 205 Lys Met Ala Thr Phe His Gly Met Lys Met Pro Phe Asn Lys Glu Pro 210 215 220 Lys Trp Leu Phe Gly Thr Met Glu Lys Tyr Leu Asn Gln Val Leu Arg 225 230 235 240 Leu Lys Phe Ser Arg Glu Ala Arg Val Gln Gln Leu His Lys Phe Leu 245 250 255 Ser Tyr Asn Leu Pro Leu Glu Leu Glu Asn Leu Arg Ser Leu Leu Gln 260 265 270 Tyr Thr Arg Ser Pro Val Val Phe Cys His Asn Asp Cys Gln Glu Gly 275 280 285 Asn Ile Leu Leu Leu Glu Gly Gln Glu Asn Ser Glu Lys Gln Lys Leu 290 295 300 Met Leu Ile Asp Phe Glu Tyr Ser Ser Tyr Asn Tyr Arg Gly Phe Asp 305 310 315 320 Ile Gly Asn His Phe Cys Glu Trp Met Tyr Asp Tyr Thr Tyr Glu Lys 325 330 335 Tyr Pro Phe Phe Arg Ala Asn Ile Gln Lys Tyr Pro Thr Arg Lys Gln 340 345 350 Gln Leu His Phe Ile Ser Ser Tyr Leu Thr Thr Phe Gln Asn Asp Phe 355 360 365 Glu Ser Leu Ser Ser Glu Glu Gln Ser Ala Thr Lys Glu Asp Met Leu 370 375 380 Leu Glu Val Asn Arg Phe Ala Leu Ala Ser His Phe Leu Trp Gly Leu 385 390 395 400 Trp Ser Ile Val Gln Ala Lys Ile Ser Ser Ile Glu Phe Gly Tyr Met 405 410 415 Glu Tyr Ala Gln Ala Arg Phe Asp Ala Tyr Phe Asp Gln Lys Arg Lys 420 425 430 Leu Gly Val * 435
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明においてクローニングされたCK遺伝子
を含むcDNA断片のDNA塩基配列(配列番号:1)
の一部(5’末端側部分)を示す図である。
【図2】本発明においてクローニングされたCK遺伝子
を含むcDNA断片のDNA塩基配列(配列番号:1)
の一部(中間部分)を示す図である。
【図3】本発明においてクローニングされたCK遺伝子
を含むcDNA断片のDNA塩基配列(配列番号:1)
の一部(中間部分)を示す図である。
【図4】本発明においてクローニングされたCK遺伝子
を含むcDNA断片のDNA塩基配列(配列番号:1)
の一部(3’末端側部分)を示す図である。
【図5】図1〜4に示したCKをコードする領域に対応
するアミノ酸配列の前半部分(N末端側)のみを取り出
した図である。
【図6】図1〜4に示したCKをコードする領域に対応
するアミノ酸配列の後半部分(C末端側)のみを取り出
した図である。なお、図1〜6において、直線、波線、
点線、二重線のアンダーラインを引いた領域は酵母CK
と相同性の高い領域を示す。
【図7】(A)及び(B)は、図1〜6に示した酵母C
Kと相同性の高い領域の具体的なアミノ酸の比較図であ
る。(A)は直線アンダーライン領域における比較図、
(B)は波線アンダーライン領域における比較図であ
る。
【図8】(A)〜(C)は、図1〜6に示した酵母CK
と相同性の高い領域の具体的なアミノ酸の比較図であ
る。(A)は点線アンダーライン領域における比較図、
(B)及び(C)は二重線アンダーライン領域における
比較図である。なお、以上の図7、8においてa列は酵
母のCKの、b列はラットのCKに、c列は酵母トラン
スポートタンパク質の比較領域を示し、また、「*」は
同一のアミノ酸の存在を、「・」は類似のアミノ酸の存
在を示す。更に、図7、8においてのアミノ酸配列にお
けるアルファベットは以下のアミノ酸を示す。 A:Ala C:Cys D:Asp E:Glu F:Phe G:Gly H:His I:Ile K:Lys L:Leu M:Met N:Asn P:Pro Q:Gln R:Arg S:Ser T:Thr V:Val W:Trp Y:Tyr
【図9】(A)は抗CK−P血清によるCK−P及びC
K−Rの阻害活性を示すグラフ、(B)は抗CK−R血
清によるCK−P及びCK−Rの阻害活性を示すグラフ
である。
【図10】クローンLi37、Li279、Li399
の比較図である。
【図11】ラットCKと酵母CKのドット マトリック
ス アナリシスの結果を示すグラフである。
【図12】組換えプラスミドpKIYOの構築過程を示
す図である。
【図13】プラスミドpVLCK1の構築過程を示す図
である。なお、図12、13において、制限酵素名が括
弧内に示されている末端は、括弧内の制限酵素で切断さ
れた後にクレノウフラグメントによって平滑化された末
端を示し、黒枠はラットCKをコードする領域を示し、
矢印は該領域でコードされるCKのN末端からC末端へ
の方向を示す。
【図14】各種GST−CK融合蛋白質におけるGST
に融合させたCK部分の位置を示す図である。なお、横
軸はCK全アミノ酸配列におけるアミノ酸番号を示す。
【図15】コリンキナーゼアイソザイムのcDNAの制
限酵素地図の比較図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/573 A 9015−2J // A61B 10/00 T 7831−4C A61K 39/00 H 8413−4C D 8413−4C 39/395 P 8413−4C G01N 33/574 Z 9015−2J 33/577 B 9015−2J (C12N 1/21 C12R 1:19)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1図に示すアミノ酸配列を有すること
    を特徴とするラットコリンキナーゼ。
  2. 【請求項2】 ラットコリンキナーゼをコードすること
    を特徴とするDNA塩基配列。
  3. 【請求項3】 ラットコリンキナーゼのエピトープをコ
    ードすることを特徴とするDNA塩基配列。
  4. 【請求項4】 請求項1または2のいずれかに記載のD
    NA塩基配列の全部もしくは一部を有することを特徴と
    する単離DNA断片。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の単離DNA断片をベク
    ターに組み込んでなることを特徴とする組換えDNA。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の単離DNA断片をベク
    ターに組み込んでなる組換えDNAで宿主を形質転換し
    て得られることを特徴とする形質転換体。
  7. 【請求項7】 コリンキナーゼをコードするDNA塩基
    配列から選定されたDNA塩基配列を有する二種のオリ
    ゴヌクレオチドを調製する過程と、これらのオリゴヌク
    レオチドをプライマーとして、生体由来のDNAのポリ
    メラーゼ チェイン リアクションを行い、コリンキナ
    ーゼ遺伝子を含むDNA断片を増幅する過程と、増幅さ
    れたDNA断片を単離する過程とを含むことを特徴とす
    るコリンキナーゼ遺伝子の単離方法。
  8. 【請求項8】 コリンキナーゼをコードするDNA塩基
    配列から選定されたDNA塩基配列を有する二種のオリ
    ゴヌクレオチドを調製する過程と、これらのオリゴヌク
    レオチドをプライマーとして、生体由来のDNAのポリ
    メラーゼ チェイン リアクションを行い、コリンキナ
    ーゼ遺伝子の一部を有するDNA断片を増幅する過程
    と、該増幅されたDNA断片をプローブとして、生体由
    来のDNAからコリンキナーゼ遺伝子を含むDNA断片
    を選択し、単離する過程とを有することを特徴とするコ
    リンキナーゼ遺伝子の単離方法。
  9. 【請求項9】 コリンキナーゼをコードするDNA塩基
    配列から選定されたDNA塩基配列を有するオリゴヌク
    レオチドを調製する過程と、該オリゴヌクレオチドをプ
    ローブとして、生体由来のDNAからコリンキナーゼ遺
    伝子を含むDNA断片を選択し、単離する過程とを有す
    ることを特徴とするコリンキナーゼ遺伝子の単離方法。
  10. 【請求項10】 動物のコリンキナーゼに対する抗体を
    含む癌診断薬。
  11. 【請求項11】 MMA−アガロースによるアフィニテ
    ィークロマトグラフィーを行う過程を有することを特徴
    とするラットコリンキナーゼの精製方法。
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