JP3124103B2

JP3124103B2 - 尿分析装置

Info

Publication number: JP3124103B2
Application number: JP04073553A
Authority: JP
Inventors: 徹新里
Original assignee: 高井一郎
Priority date: 1992-02-24
Filing date: 1992-02-24
Publication date: 2001-01-15
Anticipated expiration: 2016-01-15
Also published as: JPH05232107A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は、尿に含まれるグルコース、尿
素、タンパク質、ウロビリノーゲン等の各種成分を分析
する尿分析装置に係り、特に在宅医療等において有利に
用いられる、便器取付型の自動分析装置に関する。

【０００２】

【背景技術】従来より、尿中の各種成分を分析すること
によって、糖代謝や腎機能、肝機能、タンパク質異化量
等のデータを得て、診断及び治療の指針とすることが為
されている。そして、近年では、尿分析の簡便化及び自
動化を図り、更には在宅医療への適用を可能にするため
に、尿分析の自動化装置が種々提案されてきている。例
えば、実開昭６３−１１８５６５号公報、実開昭６３−
１１８５６６号公報等に開示される尿データ測定用便所
装置は、便器に採尿部が設けられて、放尿の一部が採取
され得るようになっており、該採尿部に接続された分析
器によって、採取された尿が分析されるようになってい
る。

【０００３】しかしながら、従来の尿分析装置は、何れ
も、尿中の各種成分について、その濃度を測定するもの
であったため、分析結果が信頼度の低いものとなる不具
合を有していた。何故なら、尿の濃縮程度は常に異なる
ことから、ある成分の排泄量が変わらなかったとして
も、被験者の水分摂取量が多い場合には、濃縮程度が低
くなり、尿中の該成分の濃度は低くなるのであり、反対
に水分摂取量が少ない場合には、濃縮程度が高くなり、
尿中の該成分の濃度は高くなるからである。

【０００４】なお、このように、尿中の濃度はデータと
しての価値が低いことから、病院では、一日分の患者の
尿を瓶等に溜めるようにして、尿の総量を測定すると共
に、溜めた尿の濃度を均一化し、その一部を採取して、
各種成分の濃度を測定し、次いで、下式に従って、各種
成分の一日当たりの排泄量を求めるようにしているので
ある。（尿中の成分濃度）×（一日の尿量）＝（当該成分の一
日当たりの排泄量）

【０００５】

【解決課題】本発明は、このような事情を背景として為
されたものであって、その解決課題とするところは、尿
中の各種成分について、その排泄量を求めることができ
る尿分析装置を提供し、以て信頼度の高いデータが、簡
便且つ自動的に得られるようにすることにある。

【０００６】

【解決手段】そして、上記の課題を解決するために、本
発明にあっては、採尿部を有する便器と、該採尿部に接
続され、尿中の各種成分の濃度を検出する濃度センサ
と、前記便器上若しくは前記便器に対する立ち場所に設
置され、放尿による被験者の体重減少量を検出する重量
センサと、前記濃度センサ及び前記重量センサの検出値
に基づいて、尿中の各種成分の排泄量を演算し、出力す
る演算回路とを、含むことを特徴とする尿分析装置を、
その要旨とするものである。

【０００７】また、本発明は、前記演算回路より出力さ
れた尿中の各種成分の排泄量を表示する表示器及び／又
は該排泄量を記録する記録回路を、更に設けたことを特
徴とする尿分析装置をも、その要旨とするものである。

【０００８】

【作用・効果】要するに、このような尿分析装置にあっ
ては、濃度センサによって尿中の各種成分について、そ
の濃度が検出される一方、重量センサによって、被験者
の体重減少量として、尿量が検出され得るのである。そ
して、それら検出値に基づいて、各種成分について、そ
の排泄量が求められるため、尿の濃縮程度に影響を受け
ない、信頼度の高いデータを得ることができる。また、
被験者が自然な排泄行為を行なうだけで、極めて簡便且
つ自動的に尿中の成分が分析され得るため、被験者自身
や看護婦、検査者の負担を軽減することができ、更には
在宅医療への適用も可能となる。

【０００９】さらに、かかる尿分析装置に、表示器や記
録回路を設ける場合には、分析結果の確認や、記録、回
収を簡便に行なうことができるため、在宅医療において
不慣れな者が扱う場合等にも、便宜である。

【００１０】

【実施例】以下に、本発明をより具体的に明らかにする
ために、本発明の一実施例について、図面に基づいて詳
細に説明することとする。

【００１１】先ず、図１には、本発明に従う尿分析装置
の構造が模式的に示されている。そこにおいて、１０は
腰掛け式の便器であり、鉢部１２とトラップ部１４を有
している。また、鉢部１２内面のトラップ部１４に近接
する位置には、採尿部として、小さな凹部１６が形成さ
れており、尿の一部が流入するようになっている。そし
て、該便器１０の外部より、一端が該凹部１６の壁部を
貫通し、他端がトラップ部１４の壁部を貫通するように
して、略Ｌ字形の導管１８が接続されており、更に、該
導管１８の途中には、尿中の各種成分について、その濃
度を検出する濃度センサ２０が取り付けられているので
ある。

【００１２】それによって、凹部１６に流入した尿は、
導管１８を通じて濃度センサ２０に導かれるようになっ
ており、該濃度センサ２０にて、尿中の各種成分、例え
ばグルコース、タンパク質、尿素或いはその他の尿成分
等について、その濃度が検出されるようになっているの
である。また、検出後には、尿は、導管１８を通じてト
ラップ部１４へ排出される。そして、その検出値が、演
算回路２２に入力されるようになっているのである。な
お、濃度センサ２０としては、公知の各種構造のものを
使用することができ、分析対象とする成分の種類やセン
サの取付位置等に応じて、好適なものを選択すれば良
い。

【００１３】一方、便器１０上の便座２４の裏面と、便
器１０に対する立ち場所に設けられた足載せ板２６の裏
面には、それぞれ、重量センサ２８が取り付けられてい
る。そして、便座２４に腰掛けた状態か、足載せ板２６
上に立った状態で、被験者が放尿することによって、放
尿による被験者の体重減少量が検出されるようになって
いるのである。即ち、それにより、体重減少量として尿
量を検出するのであるが、一般に、一回の放尿で１００
〜３００ml、最大で５００〜６００mlの尿が排泄される
ことから、それに相当する体重減少量が検出されること
となる。

【００１４】なお、具体的に、重量センサ２８として
は、公知の各種のものが使用されるが、スケールベッド
（透析治療等において、寝た状態の患者の体重変化を測
定するベッド）等に実際に用いられている圧電センサ等
が好適である。この圧電センサは、結晶の歪みの変化に
よる電気抵抗の変化から重量を測定するものであって、
市販のものでは１０ｇ単位の重量変化が分かるようにな
っているが、より細かい単位で測定し得るようにするこ
とも可能である。そして、その検出ずれを防止するため
に、かかる重量センサ２８は、通常、複数個が適当な間
隔をおいて取り付けられ、その合計で全体重が検出され
るようにすることが望ましい。

【００１５】ところで、本実施例で用いた腰掛け式の便
器１０は大便排泄用にも使用されることから、体重減少
が小便排泄によるものか、或いは大便排泄によるものか
を区別しなければならない。そして、小便排泄時・大便
排泄時の区別は、例えば、前記導管１８に尿通過センサ
を取り付けて、該導管１８への尿の流入の有無を検知し
て、行なうことができる。或いは、小便排泄時の体重減
少は連続的である一方、大便排泄時には階段状に体重が
減少することから、重量センサ２８で検知された体重減
少のパターンに基づいて、これらを区別することもでき
る。

【００１６】ここでは、重量センサ２８の検出値が、一
旦判断回路３０に入力されるようになっており、判断回
路３０が、体重減少のパターンに基づいて、或いは前記
導管１８に取り付けられた尿通過センサからの信号に基
づいて、検出された体重減少量が放尿によるものである
と判断した場合にのみ、検出値が前記演算回路２２へ入
力されるようになっているのである。

【００１７】かくして、演算回路２２では、前記濃度セ
ンサ２０から入力された尿中の各種成分の濃度と、前記
重量センサ２８から被験者の体重減少量として入力され
た尿量とに基づいて、尿中の各種成分について、その排
泄量が演算されるのであり、また、その分析結果が出力
されるようになっている。更に、ここでは、演算回路２
２に、表示器３２及び記録回路３４が接続されているこ
とから、分析結果が表示器３２で数字等で表示されて、
被験者が確認し易いようになっていると共に、放尿毎の
分析結果が記録回路３４にて記録され、各種成分につい
て、一日当たりの総排泄量や経時的な排泄量の変化等を
知ることができるようになっている。なお、それら判断
回路３０、演算回路２２、表示器３２、記録回路３４
は、一体的に制御盤に組み込むことができ、便器１０に
取り付けられる他、便所の壁面等に取り付けられること
となる。

【００１８】従って、このような尿分析装置にあって
は、被験者が自然な排泄行為を行なうだけで、簡便且つ
自動的に尿中の各種成分について、その排泄量が求めら
れるため、尿の濃縮程度に影響を受けない、信頼度の高
いデータを得ることができるのである。また、被験者自
身や看護婦、検査者の負担が軽減され、在宅医療への適
用も可能となる。更に、表示器３２及び記録回路３４が
設けられていることから、分析結果の確認、記録、回収
が簡便であり、在宅医療において不慣れな者が扱う場合
等にも便宜である。

【００１９】以上、本発明の代表的な実施例について詳
述してきたが、本発明が、そのような実施例の記載によ
って、何等の制約をも受けるものでないことは、言うま
でもないところである。また、本発明には、上記の実施
例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加え得るものであることが、理解されるべきである。

【００２０】例えば、上記実施例では、尿分析装置を腰
掛け式の便器１０に適用していたが、採尿部（凹部１
６）の位置や濃度センサの取付位置を考慮することによ
って、その他の各種形状の便器に適用し得ることは言う
までもない。また、小便排泄専用の便器の場合には、判
断回路３０を省略することができる。更に、上記実施例
では、表示器３２と記録回路３４を両方設けていたが、
その中の何れか一方を設けるようにしても良く、更には
両方とも設けずに、演算回路２２で出された分析結果を
オンラインで回収して、集中管理することも可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に従う尿分析装置の一例の構造を模式的
に示す説明図である。

【符号の説明】

１０便器１６凹部（採尿部）１８導管２０濃度センサ２２演算回路２４便座２６足載せ板２８重量センサ３０判断回路３２表示器３４記録回路

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】採尿部を有する便器と、該採尿部に接続
され、尿中の各種成分の濃度を検出する濃度センサと、
前記便器上若しくは前記便器に対する立ち場所に設置さ
れ、放尿による被験者の体重減少量を検出する重量セン
サと、前記濃度センサ及び前記重量センサの検出値に基
づいて、尿中の各種成分の排泄量を演算し、出力する演
算回路とを、含むことを特徴とする尿分析装置。
【請求項２】前記演算回路より出力された尿中の各種
成分の排泄量を表示する表示器及び／又は該排泄量を記
録する記録回路を、更に設けたことを特徴とする請求項
１記載の尿分析装置。