JP3123930B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランジスタを有
する半導体装置に関し、特にトランジスタの静電破壊防
止に好適な構造を有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を図3及び図4に示す。図3
は、従来の半導体装置を示す等価回路図であり、図4
は、従来の半導体装置を示す要部断面図である。
【0003】従来のゲート・ソース間にP+/N/P+
双方向ツェナーダイオードを接続した半導体装置は図4
に示すように、MOS FET19のドレイン電極1が
接触するP+基板2上のP-エピタキシャル層3の表面層
にNウェル層4が形成され、Nウェル層4上にフィール
ド酸化膜5が形成され、フィールド酸化膜5にP+層と
N層16とからなる双方向ツェナーダイオード18(図
3参照)が存在していた。
【0004】双方向ツェナーダイオード18のP+層1
5は、層間絶縁膜6に設けられたコンタクトホールに接
触する配線により、ゲートアルミ10とソースアルミ1
1に接続されている。7はP+層,8はN+層,9はN
層,12は多結晶シリコン膜である。
【0005】図3は、従来の半導体装置を示す等価回路
図である。図3に示す従来の半導体装置では、ゲート・
ソース間に接続されたP+/N/P+型双方向ツェナーダ
イオード18のツェナー耐圧をMOS FET19の耐
圧よりも低く設定することにより、サージ電圧等が印加
された場合、MOS FET19よりも先にツェナーダ
イオード18がプレイクダウンするため、ツェナーダイ
オード18がクランプ回路の役目をし、MOS FET
19の素子破壊を防止していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3及
び図4に示す従来例において、P+/N/P+型双方向ツ
ェナーダイオードは、ツェナー耐圧波形がソフト波形で
あるため(図5(b)参照)、チップサイズが小さくな
ると、十分な保護回路とならず、素子破壊が引き起こさ
れるという問題があった。その理由は、ツェナーダイオ
ードをP+/N/P+で形成すると、耐圧決定領域(低濃
度領域)がN層で形成されるため、ブレイクダウンが表
面層で生じる。これにより、ブレイクダウンするまでの
リークが大きくなり、動作抵抗が大きくなるためであ
る。
【0007】また従来例においては、ツェナーダイオー
ドのP+層とMOS FETのソース層を同時に形成して
いたため、ツェナー耐圧が高いという問題があった。そ
の理由は、MOS FETのソース形成条件が支配的と
なり、ツェナー耐圧をコントロールすることができない
ためであり、従来例においてツェナー耐圧を下げるに
は、IPRを追加する必要があった。
【0008】本発明の目的は、前記問題点を解消した半
導体装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る半導体装置は、半導体基板上に形成さ
れたPch絶縁ゲート型トランジスタを有する半導体装
置であって、半導体基板中に+ /P/N+ 型双方向ツ
ェナーダイオードを有し、該双方向ツェナーダイオード
は、前記トランジスタのゲート領域とソース領域とを接
続したものである
【0010】また前記Pch絶縁ゲート型トランジスタ
のソース電極にコンタクトする前記Pch絶縁ゲート型
トランジスタのN + と前記N+ /P/N+ 型双方向ツ
ェナーダイオードのN+ は、同時に形成されたもので
ある
【0011】前記N+/P/N+型双方向ツェナーダイオ
ードは、複数段に形成されているものである。
【0012】
【作用】本発明においては、半導体装置のゲート・ソー
ス間にN+/P/N+型双方向ツェナーダイオードを内蔵
したことにより、ツェナー耐圧波形をハード化し、ツェ
ナー部の動作抵抗を低減させ、静電耐量を向上させたこ
とにより、サージ電圧等が半導体装置に印加された場
合、サージ電圧等をクランプすることが可能となり、素
子破壊を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0014】図1において、本発明の実施形態に係る半
導体装置は、Pch絶縁ゲート型トランジスタ(MOS
FET)19のゲート・ソース間に、N+/P/N+型双
方向ツェナーダイオード17を配置したことを特徴とす
るものである。
【0015】次に、本発明の実施形態に係る半導体装置
の製造方法を説明する。図2に示すように、MOS F
ET19のドレイン電極1が接触するP+基板2上のP-
エピタキシャル層3の表面層上に、酸化膜5を8000
〜12000Åの厚さに形成し、リソグラフィー技術を
用いてパターニングする。
【0016】さらに酸化膜5上に多結晶シリコン膜12
を4000〜6000Åの厚さに形成し、リソグラフィ
ー技術を用いてパターニングし、多結晶シリコン膜12
中にN+層13とP層14をリソグラフィー技術を用い
て形成し、その上に層間絶縁膜6を5000〜8000
Åの厚さに形成し、リソグラフィー技術を用いてパター
ニングする。N+層13上にゲートアルミ電極10とソ
ースアルミ電極11が接触しており、N+/P/N+型双
方向ツェナーダイオード17を形成している。
【0017】このように、半導体基板中にN+/P/N+
型双方向ツェナーダイオード17を配置し、このN+
P/N+型双方向ツェナーダイオード17は、Pch絶
縁ゲート型トランジスタとしてのMOS FET19の
ゲート領域とソース領域とを接続している。
【0018】次に、本発明の実施形態の動作について、
図1を参照して詳細に説明する。
【0019】N+/P/N+型双方向ツェナーダイオード
17の耐圧V17がMOSFET19の耐圧より低く設定
することにより、サージ電圧等がMOS FET19に
印加された場合、MOS FET19より先にN+/P/
+型双方向ツェナーダイオード17がブレイクダウン
するため、MOS FET19にサージ電圧等がそのま
ま印加されず、素子破壊を防止することができる。
【0020】またN+/P/N+型双方向ツェナーダイオ
ード17は、ツェナー耐圧波形がハード波形(図5
(b)参照)であるため、動作抵抗が小さく、瞬時にブ
レイクダウンするため、MOS FET19へのサージ
電圧等の影響を小さくでき、より確実に素子破壊を防止
することができる。
【0021】さらに実験結果では、 となり、ツェナー構造をN+/P/N+型にしたことによ
り、ESD耐量はMIL+側で、1400V→3900
Vに、MIL−側で、1200V→3500Vに向上し
た。同時に、動作抵抗についても、130Ω→30Ωに
低減した。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例について図1,図2を参
照して詳細に説明する。
【0023】この実施例における半導体装置の製造に当
たっては、図2に示すように、MOS FET19のド
レイン電極1が接触するP+基板2上のP-エピタキシャ
ル層3の表面層上に、酸化膜5を10000Åの厚さに
形成し、リソグラフィー技術を用いてパターニングす
る。
【0024】さらに、その上に多結晶シリコン膜12を
4700Åの厚さに形成し、リソグラフィー技術を用い
てパターニングし、多結晶シリコン膜12中にN+層1
3とP層14をリソグラフィー技術を用いて形成し、そ
の上に層間絶縁膜(BPSG膜)6を6500Åの厚さ
に形成し、リソグラフィー技術を用いてパターニングす
る。N+層13にゲートアルミ電極10とソースアルミ
電極11が接触しており、N+/P/N+型双方向ツェナ
ーダイオード17を形成している。
【0025】このように、半導体基板中にN+/P/N+
型双方向ツェナーダイオード17を配置し、このN+
P/N+型双方向ツェナーダイオード17は、Pch絶
縁ゲート型トランジスタとしてのMOS FET19の
ゲート領域とソース領域とを接続している。
【0026】次に、本発明の実施例の動作について、図
1の半導体装置の等価回路図で説明する。
【0027】N+/P/N+型双方向ツェナーダイオード
17の耐圧V17がMOS FET19の耐圧より低く設
定することにより、サージ電圧等がMOS FET19
に印加された場合、MOS FET19より先にN+/P
/N+型双方向ツェナーダイオード17がブレイクダウ
ンするため、MOS FET19にサージ電圧等がその
まま印加されず、素子破壊を防止することができる。
【0028】また、N+/P/N+型双方向ツェナーダイ
オード17は、ツェナー耐圧波形がハード波形(図5
(b)参照)であるため、動作抵抗が小さく、瞬時にブ
レイクダウンするため、MOS FET19へのサージ
電圧等の影響を小さくでき、より小さいチップに対して
も、確実に素子破壊を防止することができる。
【0029】(実施形態2)次に、本発明の実施形態2
について、図2を参照して説明する。実施形態2では、
実施形態1の半導体装置を工程数を増やすことなく、製
造する構造としたものである。
【0030】実施形態2に係る半導体装置は、実施形態
1で説明したN+/P/N+型双方向ツェナーダイオード
17の形成過程において、図2に示すように、MOS
FET19のN+層8をコンタクトリンI/Iにより成
形し、同時にN+/P/N+型双方向ツェナーダイオード
17のN+層13を形成することを特徴とするものであ
る。
【0031】これにより、従来例のP+/N/P+型双方
向ツェナーダイオード18と比較して工程数を増やすこ
となく、素子破壊に有利な半導体装置を形成することが
できる。
【0032】また、従来のP+/N/P+型双方向ツェナ
ーダイオード18を用いて、本発明のN+/P/N+型双
方向ツェナーダイオード17と同一の効果を得るために
は、従来のP+/N/P+型双方向ツェナーダイオード1
8のP+層15をMOS FET18のP+層7と別に形
成するため、ツェナーボロンPR工程が必要となり、工
程数が増加してしまう。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、半導体装
置のゲート・ソース間に、N+/P/N+型双方向ツェナ
ーダイオードを内蔵したため、チップサイズが小さいも
のについてもサージ電圧等による素子破壊を防止でき
る。その理由は、ツェナー構造をN+/P/N+型にした
ことにより、ツェナー耐圧波形がハード化でき、動作抵
抗を小さくしたためである。
【0034】また、従来のP+/N/P+型双方向ツェナ
ーダイオードと同じ工程数で素子破壊に有利な半導体装
置を形成することができる。その理由は、MOSFET
のN+層形成と同一工程で、N+/P/N+型双方向ツェ
ナーダイオードのN+層を形成するためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る半導体装置を示す等
価回路図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る半導体装置の製造方
法を説明する図である。
【図3】従来例に係る半導体装置を示す等価回路図であ
る。
【図4】従来例に係る半導体装置の製造方法を説明する
図である。
【図5】(a)は、本発明に係るツェナー構造のツェナ
ー耐圧波形を示す波形図、(b)は、従来例に係るツェ
ナー構造のツェナー耐圧波形を示す波形図である。
【符号の説明】 1 ドレイン電極 2 P+基板 3 P-エピタキシャル層 4,9,16 N層 5 酸化膜 6 層間絶縁膜 7,15 P+層 8,13 N+層 10 ゲートアルミ電極 11 ソースアルミ電極 12 多結晶シリコン膜 14 P層 17 N+/P/N+型双方向ツェナーダイオード 19 MOS FET(Pch絶縁ゲート型トランジス
タ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/866

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成されたPch絶縁ゲ
    ート型トランジスタを有する半導体装置であって、半導
    体基板中に+ /P/N+ 型双方向ツェナーダイオード
    を有し、該双方向ツェナーダイオードは、前記トランジ
    スタのゲート領域とソース領域とを接続したものである
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記Pch絶縁ゲート型トランジスタ
    ソース電極にコンタクトする前記Pch絶縁ゲート型ト
    ランジスタのN + と前記N+ /P/N+ 型双方向ツェ
    ナーダイオードのN+ は、同時に形成されたものであ
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記N+ /P/N+ 型双方向ツェナーダ
    イオードは、複数段に形成されていることを特徴とする
    請求項1あるいは2に記載の半導体装置。
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