JP3123650B2 - ヒトフォン・ヴィレブランド因子のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするcDNA、及び該cDNAを含有する宿主細胞 - Google Patents
ヒトフォン・ヴィレブランド因子のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするcDNA、及び該cDNAを含有する宿主細胞Info
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Description
【発明の詳細な説明】
フォン・ヴィレブランド因子(vWF)は約225kDの分子
量(MW)を有する明らかに1つの糖たんぱく質から構成
されている大きな多量体プラスマたんぱく質である。こ
れらのサブユニットは、ジスルフィド結合によって互い
に連結されている。プラスマ内で、vWFは、2量体から5
0以上のサブユニットよりなる多量体の範囲で、多量体
として環化している。2量体は、恐らくC−末端におい
て、可撓性の“棒状”領域によって結合されている2つ
のサブユニットから成っており、多量化におけるプロト
マーであると考えられている。プロトマーは、大きな、
恐らく末端がNである球状の領域によって連結されて、
多量体を形成する。 vWFは、内皮細胞と巨核球とによって合成される。こ
のたんぱく質は、まず、260kDのグリコシル化前駆体と
して作られ、次いで、炭化水素処理、硫酸塩化、二量
化、多量化及びたんぱく分解開裂を行ない、完成225kD
サブユニットが生成する〔Sporn,L.A.,et al.(1985)
ヒト巨核球におけるvWFたんぱく質の生合成、J.Clin.In
vest.76,1102−1106;Wagner,D.D.,et al.(1984)J.of
Cell Biology 99,2123−2130)。vWFは、内皮細胞内の
ヴァイベル−パラーデ体中に貯えられていることが示さ
れている。これらの小器官が、前駆体たんぱく質の処理
において、役割を演じていることを否定することはでき
ない。 vWFは、止血における臨界的段階に関与する。それ
は、血管損傷後の血小板−血管壁相互作用に含まれ、血
小板栓を形成することになる。vWFには、血小板糖たん
ぱく質I B〔Jenkins,C.S.P.,et al.(1976)J.Clin.Inv
est.69,1212−1222〕、II B/III A〔Fujimoto,T.,et a
l.(1982)〕腺腫ジホスフェートが、フォン・ヴィレブ
ランド因子をヒト血小板に結合させる、Nature 297,154
−156)、コラーゲンタイプI及びIII、並びに、内皮下
層中の末確認の他の成分と特別な相互作用を示すたんぱ
く質領域が認められている。これらの確認は、vWFの特
殊な相互作用を抑制することのできるモノクロナール抗
vWF抗体に関する研究に基づくものである。vWFたんぱく
質の構造−機能関係の深い解析には、全長vWFcDNAが不
可欠であろう。はっきりと定められた変異をこのcDNAに
導入し、その変異cDNAを適当な宿主内で発現させること
によって、vWFたんぱく質内の機能領域の詳細な位置確
認が行なえるであろう。最近、本発明者等は、部分的vW
FcDNA連鎖をクローン形成している〔Lynch,D.C.,et al.
(1985)Cell 41,49−56;Ginshurg,M.,et al.(1985)
J.Biol.Chem.260,3931−3936;Verweij,C.L.,et al.(19
85)Nucleic Acids Research 13,4699−4717,オランダ
特許出願85.00961に基づく;Sadler,J.E.,et al.(198
5)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,6394−6398〕。vWFメッ
センジャーRNAに、約9,000ntに延びる短かい3′未翻訳
領域(136nt)が存在することから、vWF用の前駆体たん
ぱく質が、報告されている260kDよりも可成大きい分子
量を持っているものと推測される〔Wagner,D.D.,et al.
(1984)J.of Cell Biology 99,2123−2130〕。全長vWF
cDNAによって、前駆体の分子量のなぞが解明され、その
処理過程が確認され、そして、基本構造が確立されるで
あろう。 本発明は、全vWFメッセンジャーRNAに及び、全長機能
性vWFcDNAに構成されるcDNAの単離及びヌクレオチド連
鎖に関する。更に、本発明は、上記vWFcDNAを含有する
プラスミド及びファージ、並びに該プラスミド又はファ
ージを含有するバクテリア及び真菌のような微生物、動
物又はヒト細胞に関する。また、上記宿主を培養するこ
とによって調製されたたんぱく質及び得られたたんぱく
質の生物学的活性型のものを含む薬剤組成物も、本発明
の範囲内に含まれる。この点で、このような薬剤組成物
によって、健康な人間の血液サンプルから回収されたvW
Fたんぱく質の投与に課せられる安全性の問題を打開で
きることが強調される。 発明の基礎を形成する研究を達成するために、次の物
質及び方法が用いられた。 物質及び方法 cDNAクローニング 全RNAは、ヒトの臍帯の静脈から誘導され、試験管内
で培養された内皮細胞から精製された〔Verweij,C.L.,e
t al.(1985)Nucleic Acids Research 13,4699−4717,
オランダ特許出願85.00961に基づく〕プライマ支配cDNA
は、本質的にプロトコルに従って合成された〔Gubler,
U.,et al.,(1983)Gene 25,263−269;Toole,J.J.,et a
l.,(1985)Nature 312,342−347〕。cDNA合成は、最終
濃度がそれぞれ20mM及び0.1%になるまで、EDTAとSDSを
加えることにより抑制された。cDNA生成物を、フェノー
ル−クロロホルムで抽出し、次いでエタノールで沈澱さ
せ、セファデックス(Sephadex)G−50でクロマトグラ
フィーにより精製した。ヌクレオチド6901から6921まで
に対して相補性のプライマA(5′CACAGGCCACACGTGGGA
GC3′)で、プライマ支配cDNAを合成する場合は、cDNA
生成物をBgl II(6836及び2141位置)及びKpn I(4748
位置)で消化した。次いで、消化cDNAを、セファローズ
(Sepharose)CL−4Bコラムでクロマトグラフィーによ
りサイズ分別した。約600bPよりも大きいcDNAを含む画
分を、プラスミドpMBL11に結紮し、Bgl IIとKgn Iで消
化した。大腸菌DHI株を使用して、約15,000の個々のコ
ロニーからなるcDNA集団を作り、それを2つのオリゴヌ
クレオチドプローブ(B及びC)でスクリーニングし
た。プローブB(5′GAGGCAGGATTTCCGGTGAC3′)は、
ヌクレオチド4819から4839までに対して相補性であり、
プラスミドpvWF2084の単離に用いられ、2,084bP Bgl II
−pn I vWFcDNAプラグメントを含んでいた。一方、プロ
ーブC(5′CAGGGACACCTTTCCAGGGC3′)は2467から248
7までに対して相補性であり、プラスミドpvWF2600の検
出に用いられ、約2,600bpのKpn I−Bgl II vWFcDNAプラ
グメントを含有していた。 プライマ支配合成のためにプローブCを使用して、得
られたcDNA生成物を2部に分割した。1部をC末端とし
て、前述のようにG末端プラスミドpUC9にアニールした
〔Verweij,C.L.,et al.(1985)Nucleic Acids Researc
h 13,4699−4717、オランダ特許出願85.00961に基づ
く〕。そして、大腸菌DHIを転換するのに使用した。6,0
00の個々のコロニーを、pvWF2600DNAの“ニック翻訳"57
5bP Bgl II−BamH I vWFcDNAで雑種形成した。最も長い
挿入体(約1,800bP,pvWF1800で示される)でプラスミド
を含有する陽性クローンを、更に研究するために選ん
だ。プライマC支配cDNA生成物を、EcoR Iメチラーゼで
処理し、次いで、T4−DNAポリメラーゼとdNTPで処理し
て、末端を平滑化した〔Maniatis,T.,et al.(1982)分
子クローニング研究所マニユアル、コールドスプリング
ハーバー研究所(Cold Spring Harbor Laborator
y)〕。リン酸化したEcoR Iリンカー(ニューイングラ
ンドバイオラブズ、ベバリー、MA)をcDNA生成物の末端
に結紮し、未反応成分を、セファデックス(Sephadex)
G−50クロマトグラフィによって除去した。pvWF1800DN
AのvWFcDNA挿入体の5′末端の下流側約350bPに位置す
るXho I部位を他の選択のために使用した。過剰のEcoR
IとXho Iで消化した後、セファローズ(Sepharose)CL
−4Bでのクロマトグラフィーが、消化したEcoR Iリンカ
ーを除去するのに使用された。最終生成物を、EcoR Iと
Xho Iで消化し、大腸菌DHIを転換するのに使用したプラ
スミドpMBL11DNAに結紮した。約10,000の個々のコロニ
ーの集団を、プラスミドpvWF1800から、“ニック翻訳"3
50bP Xho I−Hind III vWFcDNAフラグメントで雑種形成
した。このフラグメントのHind III部位は、ベクターpU
C9のポリリンカーから誘導されている。最も長い挿入体
(約1,330bP、pvWF1330で示される)を含有する陽性ク
ローンについて、更に研究した。 S1ヌクレアーゼ保護分析: S1ヌクレアーゼ保護実験のために、vWFcDNA(フラグ
メントV、第1図)で構成されている2,390bPセグメン
ト(Xho I−Kpn I)を含有するプラスミドpvWF2600から
の約5,300bPのXho I−EcoR I(プローブV)を使用し
た。プローブIIは、735bP Xba I−Xho I vWFcDNAセグメ
ント(フラグメントII、第1図)を含有するプラスミド
pvWF1330からの4,800bP Xba I−EcoR Iフラグメントで
あった。フラグメントの3′末端には、凹部末端をうめ
るために、DNAポリメラーゼI(大きいフラグメント)
(ニューイングランドバイオラブズ、ベバリー、MA)を
使用して、標識をつけた〔Maniatis,T.,et al.(1982)
分子クローニング研究所マニュアル、コールドスプリン
グハーバー研究所(Cold Spring Harbor Laborator
y)〕。次いで、これらのプローブを、0.7%低溶融アガ
ロースゲル上で電気泳動により単離し、精製した〔Wies
land,L.(1979)Anal.Biochem.48,305−309〕。 3つの他のvWFcDNAフラグメントを二重鎖M13mp18中で
サブクローン形成し、プローブとして使用した。その末
端に、DNAポリメラーゼI(大きいフラグメント)を有
する一般的なM13プライマからの伸長により抗反応性DNA
を均一に標識づけした。サブクローン形成フラグメント
は、プラスミドpvWF1800(フラグメントIII、第1図)
の1,144bP Xho I−Hind IIIフラグメント、プラスミドp
vWF1330(フラグメントI、第1図)の585bP Xba I−Ec
oR Iフラグメント、及びプラスミドpvWF2600(フラグメ
ントIV、第1図)の575bp BamH I−Bgl IIフラグメント
であった。M13プライマで開始されたDNA合成が終った
後、二重鎖DNAを、フラグメントIIIについてはHind III
とPvu IIとで消化し(プローブIIを生成)、フラグメン
トIについてはXba IとEcoR Iとで消化し(プローブI
を形成)、フラグメントIVについてはBamH IとPvu IIと
で消化し(プローブIVを生成)た。プローブII、III、I
V及びVの構造原理は、それらが内皮RNAと相補性のない
ベクターDNAのセグメントを含有しているということで
ある。例えば、プローブIII及びIVは、M13mp18から誘導
された約200bPのものを含有する。これらのプローブ
を、5%ポリアクリルアミド−8M尿素ゲル上で電気泳動
し、主要フラグメントを単離した〔Maxam A.G.,et al.
(1980)Methods Enzymol.65,499−560〕。 S1ヌクレアーゼ保護実験を、本質的に文献記載のよう
にして行った〔Berk,A.J.et al.(1977)Cell 12,721−
732〕。1μgのヒト内皮ポリARNAを、80℃で10分間加
熱した10,000−100,000カウント/分の放射性標識プロ
ーブに加え、次いで、プローブI、II、III及びVにつ
いては60℃で一晩培養し、プローブIVについては57℃で
一晩培養した。200単位/mlのS1ヌクレアーゼ(ベチエス
ダ研究所、ガイサーズブルグ、Md)で、45℃にて20分間
消化した。未消化DNAをエタノールで沈澱させ、ペレッ
トを、0.8%アルカリアガロースゲル又は6%ポリアク
リルアミド系ゲル上で電気泳動させるために、適当な緩
衝液に溶解した〔Maniatis,T.,et al.(1982)分子クロ
ーニング研究所マニュアル、コールドスプリングバーバ
ー研究所(Cold Spring Harbor Laboratory)。始めの
方法は、プローブI及びIIIに用いられ、第2の方法
は、プローブII、IV及びVに適用された。 全長vWFcDNAの組み立て 3′未翻訳領域(8562位置)内で、Hind III部位(22
35位置)からSac I部位へ延びる約6,331bPの連続vWFcDN
Aセグメントを含むプラスミドpSP6330vWFの構成につい
て、次のvWFcDNAを単離した。:pvWF2600DNAからの2,517
bP Hind III−Kpn Iフラグメント(2236位置から4753位
置まで)、pvWF2084DNAからの2,084bP Kpn I−Bgl IIフ
ラグメント(4753位置から6837位置まで)、及びpvWF22
80DNAからの1,730bP Bgl II−Sac Iフラグメント(6837
位置から8567位置まで)。これら3つのvWFcDNAフラグ
メントは、同時に、ベクターpSP64中に結紮され〔Melto
n,D.A.,et al.(1984)Nucl.Acids Research 12,7035−
7056〕、Hind IIIとSac Iとで消化された。得られた転
換体の約半分は、制限酵素分析によって証明されるよう
に、約6,331bPの所望のvWFcDNA挿入体を有するプラスミ
ド(pSP6330vWFで示される)を含有していた。 全長vWFcDNAを含むプラスミドpSP8800vWFを構成する
ために、次のフラグメントを単離した。プラスミドpSP6
330vWFの6,330bP Hind III−EcoR I挿入体(EcoR I部位
は、ベクターに存在するポリリンカーから誘導され
る。)、pvWF1800からの1,044bP Xho I−Hind IIIフラ
グメント(1092位置から2236位置まで)、及びpvWF1330
からの1,327bP EcoR I−Xho Iフラグメント(−236位置
から1092位置まで)。 これら3つのフラグメントの5倍モル過剰を、それぞ
れ、再度、同時に、ベクターpPP65DNAで結紮し、EcoR I
で開裂し、子牛の腸のアルカリホスファターゼ(ボーエ
リンガー、マンハイム、BRD)で処理した。得られたコ
ロニーの約30%には、制限酵素分析及びヌクレオチド連
鎖分析によって証明されるように、約8,795bPの所望の
全長vWFcDNA挿入体を有するプラスミドが含まれてい
た。 試験管内転写及び翻訳 SP6RNAポリメラーゼ(ニューイングランドニュークリ
アー、ドライアイヒ、BRD)による線状のSP6をベースに
したDNAテンプレートの試験管内転写は、0.1mMのUTP、C
TP及びATP、0.05mMのGTP、並びに2mMのm7G(5′)PPP
(5′)G(ファーマシア、アップサラ、スェーデン)
の存在下で行なわれ、末端がキャップされたメッセンジ
ャーRNAを得た〔Melton,D.A.,et al.(1984)Nucl.Acid
s Research 12,7035−7056〕。この5′をキャップした
メッセンジャーRNAの試験管内翻訳は、うさぎの赤血球
溶解産物系(ニューイングランドニュークリアー、ドラ
イアイヒ、BRD)で製造業者の説明書に従って行なわれ
た。 試験管内翻訳生成物の分析は、8%SDS−ポリアクリ
ルアミドゲル上での電気泳動によって行なわれた〔Laem
mli,U.K.(1970)Nature 227,650−655〕。 結果 部分vWFcDNAクローンの構成及び全長vWFcDNAの組み立
て: 以前、本発明者等は、全長ヒトvWFcDNAの部分を含有
するプラスミドの構成について報告した〔Verweij,C.
L.,et al.(1985)Nucleic Acids Research 13,4699−4
717、オランダ特許出願85.00961に基づく;Lynch,D.C.,e
t al.(1985)Cell 41,49−56;Ginsburg,M.,et al.(19
85)J.Biol.Chem.260,3931−3936;Sadler,J.E.,et al.
(1985)Proc.Nucl.Acod.Sci.USA 82,6394−6398〕。本
発明者が、オリゴ(dT)を主としたヒト内皮cDNA集団か
ら得た最も延展されたvWFcDNAは、約2,280bPのもの(pv
WF2280)を含んでいた。ヌクレオチド連鎖分析によっ
て、このcDNA挿入体が、vWFメッセンジャーRNAのポリA
尾部において開始されていることが明らかとなった。全
長vWFcDNAを構成するために、本発明者はpvWF2280の上
流に位置する付加的な重複vWFcDNA連鎖を単離した。こ
の目的のために、2つの生化学選別を用いて、vWFcDNA
含有プラスミドの数を増加させた。第1に、部分ヌクレ
オチド連鎖〔Saddler,J.E.,et al.(1985)Proc.Nucl.A
cad.Sci.USA 82,6394−6398〕から誘導されたオリゴヌ
クレオチドプライマーを、cDNAを合成するために、基質
としてヒト内皮ポリARNAを用いて合成した。第2に、cD
NA生成物を、特定数の部位でvWFcDNAを分割させること
が知られている特殊な制限エンドヌクレアーゼで消化さ
せた〔Ginsburg.M.,et al.(1985)J.Biol.Chem.260,39
31−3936;Sadler,J.E.,et al.(1985)Proc.Nucl.Acad.
Sci.USA 82,6394−6398〕。これらの制限部位は、つづ
いて、全長vWFcDNAを組み立てるのに用いられることが
できる。クローニング戦略は、第1A図にその概略が示さ
れている。隣接vWFcDNA連鎖を含むプラスミドを、pvWF1
330、pvWF1800、pvWF2600、pvWF2084及びpvWF2280で示
した。pvWF1330DNAの5′部分のヌクレオチド連鎖(vWF
メッセンジャーRNAの5′末端に対応する)によって、
3つの読み取り枠のすべてに、無意味なコドンが存在し
ていることが明らかになった。この発見から、本発明者
はpvWF1330DNAが、翻訳開始コドンを越えて延びている
と結論づける。 ヒト内皮RNAでのS1ヌクレアーゼ保護実験は、種々のv
WFcDNA挿入体が、vWFメッセンジャーRNAを十分相補する
ものであることを証明するために行なわれた。プローブ
の構成及び用いられた条件は、“物質と方法”の項で述
べた通りである。結果を第2図に示す。すべての場合に
おいて、保護フラグメントの長さが、種々のプローブの
予想長さと一致している。これらのデータから、本発明
者は、pvWF1330、pvWF1800及びpvWF2600DNAの各vWFcDNA
挿入体が、vWFメッセンジャーRNAに対して完全に相補性
を有していると結論ずける。残りのプラスミドpvWF2084
及びpvWF2280のcDNA挿入体のヌクレオチド連鎖は、公表
された連鎖に対応して、以前に示されている〔Sadler,
J.E.,et al.(1985)Proc.Nucl.Acad.Sci.USA 82,6394
−6398〕。その結果、種々の隣接vWFcDNA連鎖は、vWFメ
ッセンジャーRNAの真のコピーである。 本発明者が作ったvWFcDNA連鎖は、約8,900bPの長さで
ある。この長さは、ヒトの内皮(ポリA)RNAのノーザ
ン(Northern)ブロット分析によって測定したvWFメッ
センジャーRNAの長さと一致する〔Verweij,C.L.,et al.
(1985)Nucleic Acids Research 13,4699−4717,オラ
ンダ特許出願85.00961に基づく〕。全長vWFcDNAの組み
立ての詳細な説明は、“物質と方法”の項に述べられて
いる。組み立てられた全長vWFcDNAの正しい組成は、制
限酵素分析によって確認された。 全長vWFcDNAのヌクレオチド連鎖 vWFcDNAフラグメントのヌクレオチド連鎖分析を、化
学分解法(Maxam,A.M.,et al.,1977)及びジデオキシ連
鎖停止法〔Sanger,F.,et al.(1977)Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 74,5463−5467〕の2方法で、第1A図に概略を示
した模式図に従って行った。第3図に、vWFメッセンジ
ャーRNAの5′末端から延びる約8806残基のヌクレオチ
ド連鎖及び対応する予想アミノ酸連鎖が示されている。
vWFメッセンジャーRNAの3′部分の残りのヌクレオチド
連鎖は、先に報告されている〔Saddler,J.E.,et al.(1
985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,6394−6398;Verweij,
C.L.,et al.(1985)Nucleic Acids Research 13,4699
−4717,オランダ特許出願85.00961に基づく〕。一般
に、我々のvWFcDNAのヌクレオチド連鎖とSadler,J.E.et
al.,(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,6394−6398
のそれとの重複部分には、差異はなかった。しかし、こ
の著者等によって作られた、ファージlambda−HvWF1上
のvWFcDNAの5′末端における最初の12ヌクレオチド(2
217位置及び2229位置に対応)は、3つの個々の重複cDN
A挿入体について確認されている我々の連鎖とは、完全
に相違している。別の不一致も、2309位置で観察され
た。我々の分析によれば、C残基が認められ、一方、Sa
ddler,J.E.,et al.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8
2,6374−6398は、その特定位置において、それぞれプロ
リン及びヒスチジンとなるA残基を報告している。完成
vWFたんぱく質の自動アミノ酸連鎖分析によって、プロ
リン残基が単独に確認されてはいる(Hessel,B.et al.,
(1984)Thrombosis Research 35,637−651)が、この
相違は、vWF遺伝子の多形性によるものであろう。 隣接vWFcDNA連鎖で測定された全長は、vWFメッセンジ
ャーRNAのポリA尾部を除いて、8,814bPである。翻訳開
始部位は、(1位置から4位置まで)で示され、TAGの
ナンセンスコドン(−75位置から−82位置まで)の下流
側の最初の開始コドンであって、8,439ヌクレオチドの
“開放”翻訳読み取り枠がそれに続いているATGコドン
に対応していた〔我々の連鎖データ及びSaddler,J.E.,e
t al.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,6394−6398
の連鎖データから推論〕。この対応は、予測される22N
末端アミノ酸残基が、シグナルペプチドの特徴を示すこ
とが認められることによって、支持される。最大の可能
性をもって、シグナルペプチターゼ用となる開裂部位
は、それぞれ22位置と23位置とにおけるグリシン残基と
アラニン残基との間に位置している〔Von Heijne,(198
3)Eur.J.Biochem.133,17−21〕。提案されている翻訳
開始コドンは、少なくとも230ntの未翻訳領域に付随し
ている。 8,439bPの連続vWFcコーディング連鎖によって、309kD
の計算分子量を有する2,813アミノ酸残基のポリペプチ
ッドの合成をプログラムすることができる。本発明者等
の知る限りでは、これが、今日まで測定された最長のコ
ーディング連鎖を示している。他のたんぱく質と共に、
NIHたんぱく質連鎖データバンク内に入れられている
(部分)均一アミノ酸連鎖を、コンピュータによって研
究したが、他のたんぱく質との大きな同一性は認められ
なかった。更に、完成vWFたんぱく質が、約15%の炭水
化物残基を含有する糖たんぱく質であることが報告され
ている〔Sodetz,J.M.et al.,(1979)J.Biol.Chem.254,
10754−10760〕。炭化水素成分が、前駆vWFの計算分子
量に対して約15重量%となり、前駆vWFの分子量は、約3
50kDとなるであろうと考えられる。 前駆vWFのアミノ酸連鎖の特色 予測されたアミノ酸連鎖(第3図)と完成vWFたんぱ
く質の確認N末端アミノ酸連鎖〔Hessel,B.et al.,(19
84)Thrombosis Research 35,637−651〕との比較によ
って、vWF前駆たんぱく質が、報告されている260kDの糖
たんぱく質〔Wagner,D.D.,et al.(1983)J.Biol.Chem.
258,2065−2067〕よりも可成大きいという我々の先の仮
定〔Verweij,C.L.,et al.(1985)Natleic Acids Resea
rch 13,4699−4717,オランダ特許出願85.00961に基づ
く〕が確かめられた。予測されたアミノ酸連鎖が完成
(225kD)vWFたんぱく質のN端末連鎖と一直線になって
いることは、完成vWFたんぱく質に対してコードを行う
ヌクレオチド連鎖が、2290位置で開始することを示して
いる。この結論は、vWF前駆体たんぱく質が、完成たん
ぱく質よりも大きい763アミノ酸残基であることを意味
する。明らかに、この前駆連鎖(計算分子量81kD)は、
たんぱく質処理によって除去されて、約225kDの分子量
を有する完成vWF糖たんぱく質を生成する。 vW前駆たんぱく質のアミノ酸連鎖を相同マトリックス
比較することによって、約350のアミノ酸残基の長さを
有する4つの領域(D1、D2、D3、D4)が作られているこ
とが明らかとなる。この領域の部分(D′、約96のアミ
ノ酸)は、完成vWFのN末端に存在するように見える。
第4A図は、整列したこれらのくり返し領域を示す。前駆
連鎖の顕著な特徴は、それが、主にD領域(D1,D2)の
複製からなっているということである。このくり返し
は、くり返しの構造的同一性を示すシステイン残基の位
置が著しく保持されていることを示している。興味ある
ことに、前駆連鎖は、698位置から702位置までにおい
て、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸連鎖(“RG
D"連鎖)を有している。上記アミノ酸連鎖を有するテト
ラペプチッドが、同じ連鎖を含有し、細胞結合内に含ま
れているたんぱく質を競合することが示されている〔Pi
erschbacher,M.D.et al.,(1984)Nature 309,30−3
3〕。完成vWFたんぱく質のC末端部内に、別のRGD連鎖
が存在していることが注目されている〔Sadler,J.E.et
al.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA82,6394−6398〕。 vWFメッセンジャーRNAの試験管内翻訳 約300kDの分子量を有するグリコシル化されていない
前駆体たんぱく質に対して、コーディング能力を示すよ
うにするために、全長vWFcDNAを組み立てた。全長vWFcD
NAをプラスミドpSP65内へ挿入した。このプラスミド
は、特にSP6RNAポリメラーゼによって支配されるクロー
ン化DNA連鎖の試験管内“ランオフ”転写を行わせるエ
ス、ティフィムリウム バクテリオファージ(S.Typhim
urium Bacteriophage)SP6プロモータを含有している
〔Melton,D.A.et al.,(1984)Natl.Acids Research 1
2,7035−705〕。このようなメッセンジャーRNA生成物
は、赤血球溶解産物を用いて、有効に翻訳されることが
できる。 まず、連続6,331bPvWFcDNA連鎖を含んでいるプラスミ
ドpSP6330vWF(第1B図)を作った。このプラスミドは、
完成vWFに対するすべてのコーディング連鎖、更に前駆
連鎖のC端末部から、18アミノ酸残基に対してコードを
行う連鎖を含有している。pSP6330vWFDNAから転写され
たRNAによって支配されるたんぱく質合成の開始は、完
成vWFのN末端の下流側8アミノ酸のメチオニンコドン
において生ずる。次いで試験管内合成vWFメッセンジャ
ーRNAの翻訳によって、220kDの計算分子量を有する(グ
リコシル化されていない)ポリペプチッドが生成するで
あろう。その結果、前駆vWFに対する完全なコーディン
グ連鎖を含んでいるpSP8800vWF(第1B図)が構成され
た。このプラスミドは、計算分子量が309,250Dであるた
んぱく質をコード化するであろう。プラスミドpSP6330v
WF及びpSP8800vWFは、それぞれ、EcoR I及びSal Iで直
線化され、試験管内で転写される。種のvWFメッセンジ
ャーRNAの試験管内翻訳の結果を、第5図に示す。pSP63
30vWFDNAによってコード化されたポリペプチッドは、約
200kDの分子量を示す。この分子量と計算分子量(220k
D)との不一致は、恐らく、これらのゲル中の大きなた
んぱく質の分子量測定が、不正確であることによるもの
であろう。pSP8800vWFの完全なコーディング連鎖は、20
0kDよりも実質的に大きい分子量を有するポリペプチッ
ドに翻訳される。この異常に長いポリペプチッドについ
て、より正確に分子量を測定するために、我々は、全長
vWFcDNAの選択部分から誘導した、部分的な重複ポリペ
プチッドを作成した。そのために、pSP8800vWFDNAをBam
H Iで消化し、転写体(長さ2855nt)を翻訳した。この
転写体の3′末端における405ntが、EcoR Iで開裂され
たpSP6330vWFから作られた転写体の5′末端を構成する
ということは注目されるべきである。それ故、上記ポリ
ペプチッドの分子量計算は、共通たんぱく領域を引い
て、約309kDの分子量になるべきである。BamH I消化テ
ンプレートから誘導されたたんぱく質は、約100の測定
分子量を有し、一方、先に示したように、EcoR Iで開裂
されたpSP6330vWFテンプレートは、約200kDの生成物を
生ぜしめる。これらの分子量計算及び共通領域(15kD)
を差し引くことによって、測定分子量は、309,250Dの計
算分子量と一致する285kDとなる。更に、Xho I消化され
たpSP8800vWFDNAから誘導された転写体(1320nt)の翻
訳によって、分子量が39kDのポリペプチッドが明らかと
なる。この結果は、1位置から4位置までにおける翻訳
開始サイドの対応と一致する。 これらのデータから、2,813アミノ酸残基から成る前
駆体vWFたんぱく質の合成をプログラムする8,439bPのコ
ーディング連鎖を持った全長vWFcDNAが構成されている
と結論づけられる。 考察 本発明は、全長vWFcDNAを含有するプラスミドの構成
を規定する。ヌクレオチド連鎖分析〔本特許出願;Verwe
ij,C.L.,et al.(1985)Nucleic Acids Research 13,46
99−4717,オランダ特許出願85.00961に基づく;Sadler,
J.E.et al.,(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,6394
−6398〕によって、ポリA尾部が誘導されたcDNAを除い
て、構成されたvWFcDNAの長さが、8,805bPになることが
明らかになった。この結果は、内皮(ポリA)RNAのノ
ーザーン(Northern)ブロット分析〔Verweij,C.L.,et
al.(1985)Nucleic Acids Research 13,4699−4717,オ
ランダ特許出願85.00961に基づく〕によって測定したvW
FメッセンジャーRNAの長さ(約9,000nt)と一致する。
前駆体vWFたんぱく質についての全体のコーディング連
鎖は、8,439bPであり、分子量が約309kDのグリコシル化
されていないポリペプチッドに対応している。このたん
ぱく質についての翻訳開始部位は、1位置から4位置ま
でにおけるATGコドンに対応させられることができる
(第3図参照)。この対応は、SP6転写系で生じた全長v
WFメッセンジャーRNAでの試験管内翻訳実験の結果と一
致する。グリコシル化たんぱく質は、信号ペプチッドを
除去した後でも、300kDよりも可成大きくなるであろ
う。完成vWFの前駆体糖たんぱく質による分子量は、260
kDを示すということが報告されている〔Wagner,D.D.,et
al.(1983)J.Biol.Chem.258,2065−2067〕。本発明者
等が前駆体たんぱく質に対応させた分子量との不一致
は、大きな(糖)たんぱく質に固有の、SDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動による分子量測定の不正確さに
よるものであろう。 完成vWFをコード化する連鎖は、完成vWFの確認された
N末端アミノ酸連鎖〔Hessel,B.et al.,(1984)Thromb
osis Research 35,637−651〕が、予測アミノ酸連鎖
(第3図)と直線をなすことから推測されるように、翻
訳開始コドンの下流側の2,286bpにおいて開始する。こ
の2.286bpの長さの前駆連鎖が、計算分子量が83KDであ
るポリペプチッドをコード化できることが示された。従
って、前駆vWFたんぱく質をプロテアーゼに処理する
と、2つの異ったポリペプチッドを生成するであろう。
763位置と764位置におけるアルギニン残基とセリン残基
との間の特定の開裂が、内皮細胞のヴァイベル−パラー
デ体内で多分起っているであろう。何故ならば、プロテ
アーゼ禁止剤(pMSF)の存在下では、フォン・ヴィレブ
ランド抗原II(vWAg II)で示される別の糖たんぱく質
を有する完成vWFのこれら小器官内で、複合体が検出さ
れるからである(Montgomery,R.R.及びZimmerman T.S.1
978 J.Clin.Invest.61,1498−1507)。前駆体vWFたんぱ
く質の前駆連鎖が、vWAg IIと同じのようであることを
示すいくつかの議論を進めることができる。 i) グリコシル化されていない前駆連鎖の分子量(83
KD)が、vWAg II糖たんぱく質の分子量98KDと合致す
る。 ii) vWF及びvWAg IIの両者は、培養内皮細胞によって
合成され、1−デスアミノ−8−D−アルギニン バソ
プレシン(DDAVP)での刺激によって、これらのたんぱ
く質が同時に放出されることが示されている(Mc Carro
ll,D.R.et al,1984 Blood 63,532−535)。 iii) 免疫蛍光検査法を使用すると、両たんぱく質が
核周辺領域内及びヴァイベル−パラーデ体内で局在化す
ることが示されている(Mc Carroll,D.R.et al.(198
5),J.Clin.Invest.75,1089−1095)。 iv) vWF及びvWAg IIは、共に血小板中に存在し、血小
板活性化によって共に放出される。 v) vWF及びvWAg IIたんぱく質の量がプラスマ内で直
線内に関連しており、重症フオン・ヴィレブランド病患
者のプラスマと血小板には、両たんぱく質が欠乏してい
る。 vi) 前述の如く、vWFとvWAg IIとの複合体が、セリン
プロテアーゼ禁止剤(PMSF)の存在下では検出される
が、禁止剤が存在しない場合は検出されない。 前駆連鎖の予測アミノ酸連鎖は、顕著な構造を示す。
それは、約350のアミノ酸残基の長さの複製セグメント
から成っている。これ等の2つのセグメントは、37%の
アミノ酸同族を共有している。更に、それらは、同じよ
うに位置するシステイン残基を相当に保持していること
を示しており、これらの直接くり返しの中に、構造的特
徴が保持されていることを示している。前駆連鎖の中の
このくり返しの2つのコピーは、完成vWF中にも存在
し、一方、このくり返しの部分は、完成vWFのN末端に
存在する。内部相同領域についても、Sadler,J.E.et a
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,6394−6398(1985)に
よって報告されており、そのうちの2つは、2つに複製
されていたが、1つは、3つの複製の形で存在した(第
4B図)。これらのくり返し連鎖は、完成vWFたんぱく質
内において、約1070のアミノ酸残基の長さを有してい
る。本発明者が発見したくり返し構造は、Sadler J.E.e
t al.Proc.Natl.Acad.sci.USA 82,6394−6398(1985)
によって報告されているものとは無関係のものである。
これらのデータから、約90%の前駆体vWFたんぱく質
は、くり返し領域で構成されており、前駆体vWF遺伝子
が、少なくとも4つの異なった領域の一連の複製過程か
ら発展していることを示していると結論づけられる。 前駆連鎖は、vWF2量体から成る大きな多量体の形成に
関与しているであろう(Wagner,D.D.及びMarder,V.J.19
84,J.of Cell Bialogy 99,2123−2130;Lynch,D.E.et a
l.(1983),The Journal of Biological Chemistry 25
8,12757−12760)。この点で、たんぱく質のN及びC末
端部に主に存在する結晶において、前駆vWFが非常に富
んでいる(8.1%)ことに注目するのは適切であろう。
前駆連鎖のシステイン含有量は高い(8.6%)。vWFのC
末端におけるジスルフイド結合は、2つのサブユニット
を結合する棒状領域を形成する必要があることが示され
ている(Fowler,W.E.et al.J.Clim.Invest.76,1491−15
00(1985)。多量体は、多分N末端においてジスルフィ
ド架橋によって、これらの2量体を結合し、球状領域を
作ることによって形成されるのであろう。前駆連鎖にお
けるシスティン残基のフリーのスルフヒドリル基は、恐
らく、多量体の形成にとって、欠くことのできないもの
であろう。 前駆連鎖内に“RGD(C)”アミノ酸連鎖が存在する
ことが、このたんぱく質の別の機能について示すことに
なろう。フィブロネクチンやヴィトロネクチンのような
たんぱく質のRGD含有領域が、細胞表面の受容体との相
互作用において、決定的な役割を演ずることが示されて
いる〔Pierschbacher,M.D.及びRuaslahti,E.(1984)Na
ture 309,30−33;Pytela,R.et al.Proc.Nat.Acad.Sci.U
SA 82,5766−5770〕。これらの相互作用は、RGD含有ペ
プチッドによって抑制される。完成vWFの活性化血小板
との相互作用も、RGD含有ペプチッドによって抑制さ
れ、vWFのこの領域が血小板結合に含まれていることを
示唆している(Ginsburg,M.1985 J.Biol.Chem.260,3931
−3936;Haverstick,P.M.et al.1985,Blood)。完成vWF
及び前駆連鎖において、共にRGD連鎖が存在し、それはv
WAg IIについても同等であろうと思われ、更にこれら2
つのたんぱく質の間の注目すべき相同性と構造保存に基
づいて、特定の細胞表面受容体との特定の相互作用にお
いて、前駆連鎖は、完成vWFと同じ機能を持っているも
のと推測される。 図面の説明 第1A及び1B図は、vWF、cDNAの構成、全長vWFcDNAの組
み立て及びヌクレオチド連鎖の測定のための方策 A) vWFメッセンジャーRNAはバーで示される。空白
帯、信号ペプチッドコーディング領域;斜線帯、前駆連
鎖コーディング領域;中実帯、完成vWFコーディング領
域 オリゴヌクレオチド(20量体)A(6901−6921)、B
(4819−4839)及びC(2467−2487)、プライマ支配cD
NA合成用及び/又は雑種形成用プローグとして使用され
たもので、小さいバーで示されている。コロニースクリ
ーニング用プローグとして用いられた575bPBGl II−Bam
H I及び350bPHind III−Xho Iフラグメントは、空白バ
ーで示されている。vWFメッセンジャーRNAの模式標示の
下に、全長vWFcDNAの組み立とヌクレオチド連鎖のため
に用いられた5つの部分隣接vWFcDNAが示されている。S
1ヌクレアーゼ保護実験に使用されたフラグメントI,II,
III,IV,及びVが、それらが誘導されたvWFcDNA挿入体の
上に示されている。矢印は、ヌクレオチド連鎖方策を示
す。マクサムとギルバート(1977)の方法によって連鎖
解析を行う場合は、放射性標式の位置が、矢印端部の短
かい垂直線によって示される。矢印端部のスラッシは、
端部標識が、ベクターDNAによって指定された末端にあ
ったことを意味する。本研究において適切な制限エンド
ヌクレアーゼ部位のみが示されている。B.BamH I;Bg、B
gl II;E.EcoR I;H.Hind III;K.Kpn I;M.Mst I;N.Nar I;
P.Pvu II;S.Sal I;Sc.Sac I;X,Xba I;Xh.Xho I. B) 全長vWFcDNAの組み立て、プラスミドpSP6330vWF
は、Hind III部位(2235位置)からSac I部位(8562位
置)まで、延びており、ベクターpSP64内でサブクロー
ン化されている、6,331bPvWFcDNAA連鎖を含んでいる。
プラスミドpSP8800vWFは、EcoR I部位(パネルA参照)
からSac I部位(8562位置)まで延びており、ベクターp
SP65内でサブクローン化されている全長vWFcDNAを含ん
でいる。全長vWFcDNAの組み立てに使用されるフラグメ
ントの限界を定める制限エンドヌクレアーゼ部位は、ア
ストリックスで示されている。pvWF1330DNAの構成に使
用される全長vWFcDNAの5′端部におけるEcoR I部位
は、EcoR Iリンカーから始まる。SP6RNAポリメラーゼに
よる試験管内“ランオフ”転写のために、プラスミドDN
Aを直線化させるのに用いられた制限酵素用部位は、ド
ットで示されている。プラスミドpSP8800vWF内のSal I
部位及びプラスミドpSP6330vWF内のEcoR I部位は、pSP
型ベクターのポリリンカーに存在する。 第2図は、SIヌクレアーゼ保護分析、内皮ポリA+RN
Aを、vWFcDNA連鎖を含む〔32P〕標識プローブで雑種形
成した。種々のプローグの構成及び用いられた条件は、
“実験方法”の項に述べられている。プローブ中に存在
するvWFcDNAセグメントは、第1図に示されている。パ
ネルAは、0.8%アルカリアガロースゲル中のサンプル
を電気泳動した後の結果を示すものである。パネルB
は、6%ポリアクリルアミド−8M尿素ゲル中で電気泳動
した後の結果を示している。レーン1:1,444bpvWFcDNAフ
ラグメントIII(第1図)を含むプローブIIIでの雑種形
成。レーン2:2,400bpvWFcDNAフラグメントV(第1図)
を含むプローブVでの雑種形成。レーン3:585bpvWFcDNA
フラグメントI(第1図)と同等のプローグ1での雑種
形成。レーン4:565bpvWFcDNAフラグメントIV(第1図)
を含むプローブIVでの雑種形成。レーン5:765bpvWFcDNA
フラグメントII(第1図)を含むプローブIIでの雑種形
成。符号:−,S1ヌクレアーゼ不存在下での雑種形成成
分の培養;+,S1ヌクレアーゼ存在下で雑種形成成分の
培養;C,内皮ポリA+RNAの不存在下での雑種形成した
後、S1ヌクレアーゼと共に、サンプルを培養;M1個の標
準DNA長さのマーカー。 第3A〜3J図は、vWFメッセンジャーRNAの5′末端から
誘導されたvWFcDNAの8806bpのヌクレオチド連鎖。番号
は、推定ATG翻訳開始コドンから出発する。予想アミノ
酸連鎖は、ヌクレオチド連鎖の下に示されており、別個
に番号が付けられていて、推定メチオニン翻訳開始コド
ンから再度出発する。ポテンシャルなN結合グリコシル
化部位にはアンダーラインを施し、トリペプチッド ア
ルギニン−グリセリン−アスパラギン酸は、枠でかこん
である。 第4A及び4B図は、vWF用前駆体内の内部相同性 A) 4つのくり返し領域D1、D2、D3、D4及びD′のア
ミノ酸連鎖の直線性。一字表示が用いられ、アミノ酸
は、第3図に示したように番号がつけられる。4個又は
5個のくり返しの中で同じものは枠でかこんである。 B) 前駆vWF内の内部相同領域の模式表示。3個複製
領域A(A1、A2及びA3)、Sadien et al.(1985)によ
って報告されているような2個複製領域B(B1及びB2)
並びにC(C1及びC2)、4個複製領域D(D1、D2、D3、
及びD4)が示されている。これらのくり返しの数字位置
は次の通りである:A1(1242−1480)、A2(1480−167
3)、A3(1673−1875)、B1(2296−2331)、B2(2375
−2400)、C1(2400−2516)、C2(2544−2663)、D1
(34−387)、D2(387−746)、D3(866−1242)、D4
(1947−2299)及びD′(769−866)。 第5図は、vWFメッセンジャーRNAの試験管内翻訳 “実験方法”の項で述べたように、SP6RNAポリメラー
ゼでの“ランオフ”転写を使って、試験管内でキャップ
されたvWFメッセンジャーRNAを作った。RNA生成物を〔3
5S〕−メチオニンを含有する赤血球溶解産物翻訳系に加
え、ポリペプチッドを90分間合成した。ポリペプチッド
を、8%SDS−ポリアクリルアミドゲル上で分別し、蛍
光間接撮影に付した。M:分子量マーカーたんぱく質、E:
内因的に合成したポリペプチド(RNAを添加せずに)、
レーン1:pSP6330vWFDNAから転写されたvWFメッセンジャ
ーRNAによってコード化され、EcoR Iで消化したポリペ
プチッド、レーン2:pSP8800vWFから転写されたvWFメッ
センジャーRNAによりコード化され、Sal Iで消化したポ
リペプチッド、レーン3:pSP8800vWFDNAから転写されたv
WFメッセンジャーRNAによってコード化され、BamH Iで
消化したポリペプチッド、レーン4:pSP8800vWFDNAから
転写されたvWFメッセンジャーRNAによっでコード化さ
れ、Xho Iで消化したポリペプチッド。 大腸菌DH I株における組換えDNAプラスミドpSP8800vW
Fのサンプルは、オランダ国、バーン(Baarm)の菌培養
中央局(Centraalabureau voor Schimmel cultures)に
CBS番号163.86として、1986年3月26日に寄託した。
量(MW)を有する明らかに1つの糖たんぱく質から構成
されている大きな多量体プラスマたんぱく質である。こ
れらのサブユニットは、ジスルフィド結合によって互い
に連結されている。プラスマ内で、vWFは、2量体から5
0以上のサブユニットよりなる多量体の範囲で、多量体
として環化している。2量体は、恐らくC−末端におい
て、可撓性の“棒状”領域によって結合されている2つ
のサブユニットから成っており、多量化におけるプロト
マーであると考えられている。プロトマーは、大きな、
恐らく末端がNである球状の領域によって連結されて、
多量体を形成する。 vWFは、内皮細胞と巨核球とによって合成される。こ
のたんぱく質は、まず、260kDのグリコシル化前駆体と
して作られ、次いで、炭化水素処理、硫酸塩化、二量
化、多量化及びたんぱく分解開裂を行ない、完成225kD
サブユニットが生成する〔Sporn,L.A.,et al.(1985)
ヒト巨核球におけるvWFたんぱく質の生合成、J.Clin.In
vest.76,1102−1106;Wagner,D.D.,et al.(1984)J.of
Cell Biology 99,2123−2130)。vWFは、内皮細胞内の
ヴァイベル−パラーデ体中に貯えられていることが示さ
れている。これらの小器官が、前駆体たんぱく質の処理
において、役割を演じていることを否定することはでき
ない。 vWFは、止血における臨界的段階に関与する。それ
は、血管損傷後の血小板−血管壁相互作用に含まれ、血
小板栓を形成することになる。vWFには、血小板糖たん
ぱく質I B〔Jenkins,C.S.P.,et al.(1976)J.Clin.Inv
est.69,1212−1222〕、II B/III A〔Fujimoto,T.,et a
l.(1982)〕腺腫ジホスフェートが、フォン・ヴィレブ
ランド因子をヒト血小板に結合させる、Nature 297,154
−156)、コラーゲンタイプI及びIII、並びに、内皮下
層中の末確認の他の成分と特別な相互作用を示すたんぱ
く質領域が認められている。これらの確認は、vWFの特
殊な相互作用を抑制することのできるモノクロナール抗
vWF抗体に関する研究に基づくものである。vWFたんぱく
質の構造−機能関係の深い解析には、全長vWFcDNAが不
可欠であろう。はっきりと定められた変異をこのcDNAに
導入し、その変異cDNAを適当な宿主内で発現させること
によって、vWFたんぱく質内の機能領域の詳細な位置確
認が行なえるであろう。最近、本発明者等は、部分的vW
FcDNA連鎖をクローン形成している〔Lynch,D.C.,et al.
(1985)Cell 41,49−56;Ginshurg,M.,et al.(1985)
J.Biol.Chem.260,3931−3936;Verweij,C.L.,et al.(19
85)Nucleic Acids Research 13,4699−4717,オランダ
特許出願85.00961に基づく;Sadler,J.E.,et al.(198
5)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,6394−6398〕。vWFメッ
センジャーRNAに、約9,000ntに延びる短かい3′未翻訳
領域(136nt)が存在することから、vWF用の前駆体たん
ぱく質が、報告されている260kDよりも可成大きい分子
量を持っているものと推測される〔Wagner,D.D.,et al.
(1984)J.of Cell Biology 99,2123−2130〕。全長vWF
cDNAによって、前駆体の分子量のなぞが解明され、その
処理過程が確認され、そして、基本構造が確立されるで
あろう。 本発明は、全vWFメッセンジャーRNAに及び、全長機能
性vWFcDNAに構成されるcDNAの単離及びヌクレオチド連
鎖に関する。更に、本発明は、上記vWFcDNAを含有する
プラスミド及びファージ、並びに該プラスミド又はファ
ージを含有するバクテリア及び真菌のような微生物、動
物又はヒト細胞に関する。また、上記宿主を培養するこ
とによって調製されたたんぱく質及び得られたたんぱく
質の生物学的活性型のものを含む薬剤組成物も、本発明
の範囲内に含まれる。この点で、このような薬剤組成物
によって、健康な人間の血液サンプルから回収されたvW
Fたんぱく質の投与に課せられる安全性の問題を打開で
きることが強調される。 発明の基礎を形成する研究を達成するために、次の物
質及び方法が用いられた。 物質及び方法 cDNAクローニング 全RNAは、ヒトの臍帯の静脈から誘導され、試験管内
で培養された内皮細胞から精製された〔Verweij,C.L.,e
t al.(1985)Nucleic Acids Research 13,4699−4717,
オランダ特許出願85.00961に基づく〕プライマ支配cDNA
は、本質的にプロトコルに従って合成された〔Gubler,
U.,et al.,(1983)Gene 25,263−269;Toole,J.J.,et a
l.,(1985)Nature 312,342−347〕。cDNA合成は、最終
濃度がそれぞれ20mM及び0.1%になるまで、EDTAとSDSを
加えることにより抑制された。cDNA生成物を、フェノー
ル−クロロホルムで抽出し、次いでエタノールで沈澱さ
せ、セファデックス(Sephadex)G−50でクロマトグラ
フィーにより精製した。ヌクレオチド6901から6921まで
に対して相補性のプライマA(5′CACAGGCCACACGTGGGA
GC3′)で、プライマ支配cDNAを合成する場合は、cDNA
生成物をBgl II(6836及び2141位置)及びKpn I(4748
位置)で消化した。次いで、消化cDNAを、セファローズ
(Sepharose)CL−4Bコラムでクロマトグラフィーによ
りサイズ分別した。約600bPよりも大きいcDNAを含む画
分を、プラスミドpMBL11に結紮し、Bgl IIとKgn Iで消
化した。大腸菌DHI株を使用して、約15,000の個々のコ
ロニーからなるcDNA集団を作り、それを2つのオリゴヌ
クレオチドプローブ(B及びC)でスクリーニングし
た。プローブB(5′GAGGCAGGATTTCCGGTGAC3′)は、
ヌクレオチド4819から4839までに対して相補性であり、
プラスミドpvWF2084の単離に用いられ、2,084bP Bgl II
−pn I vWFcDNAプラグメントを含んでいた。一方、プロ
ーブC(5′CAGGGACACCTTTCCAGGGC3′)は2467から248
7までに対して相補性であり、プラスミドpvWF2600の検
出に用いられ、約2,600bpのKpn I−Bgl II vWFcDNAプラ
グメントを含有していた。 プライマ支配合成のためにプローブCを使用して、得
られたcDNA生成物を2部に分割した。1部をC末端とし
て、前述のようにG末端プラスミドpUC9にアニールした
〔Verweij,C.L.,et al.(1985)Nucleic Acids Researc
h 13,4699−4717、オランダ特許出願85.00961に基づ
く〕。そして、大腸菌DHIを転換するのに使用した。6,0
00の個々のコロニーを、pvWF2600DNAの“ニック翻訳"57
5bP Bgl II−BamH I vWFcDNAで雑種形成した。最も長い
挿入体(約1,800bP,pvWF1800で示される)でプラスミド
を含有する陽性クローンを、更に研究するために選ん
だ。プライマC支配cDNA生成物を、EcoR Iメチラーゼで
処理し、次いで、T4−DNAポリメラーゼとdNTPで処理し
て、末端を平滑化した〔Maniatis,T.,et al.(1982)分
子クローニング研究所マニユアル、コールドスプリング
ハーバー研究所(Cold Spring Harbor Laborator
y)〕。リン酸化したEcoR Iリンカー(ニューイングラ
ンドバイオラブズ、ベバリー、MA)をcDNA生成物の末端
に結紮し、未反応成分を、セファデックス(Sephadex)
G−50クロマトグラフィによって除去した。pvWF1800DN
AのvWFcDNA挿入体の5′末端の下流側約350bPに位置す
るXho I部位を他の選択のために使用した。過剰のEcoR
IとXho Iで消化した後、セファローズ(Sepharose)CL
−4Bでのクロマトグラフィーが、消化したEcoR Iリンカ
ーを除去するのに使用された。最終生成物を、EcoR Iと
Xho Iで消化し、大腸菌DHIを転換するのに使用したプラ
スミドpMBL11DNAに結紮した。約10,000の個々のコロニ
ーの集団を、プラスミドpvWF1800から、“ニック翻訳"3
50bP Xho I−Hind III vWFcDNAフラグメントで雑種形成
した。このフラグメントのHind III部位は、ベクターpU
C9のポリリンカーから誘導されている。最も長い挿入体
(約1,330bP、pvWF1330で示される)を含有する陽性ク
ローンについて、更に研究した。 S1ヌクレアーゼ保護分析: S1ヌクレアーゼ保護実験のために、vWFcDNA(フラグ
メントV、第1図)で構成されている2,390bPセグメン
ト(Xho I−Kpn I)を含有するプラスミドpvWF2600から
の約5,300bPのXho I−EcoR I(プローブV)を使用し
た。プローブIIは、735bP Xba I−Xho I vWFcDNAセグメ
ント(フラグメントII、第1図)を含有するプラスミド
pvWF1330からの4,800bP Xba I−EcoR Iフラグメントで
あった。フラグメントの3′末端には、凹部末端をうめ
るために、DNAポリメラーゼI(大きいフラグメント)
(ニューイングランドバイオラブズ、ベバリー、MA)を
使用して、標識をつけた〔Maniatis,T.,et al.(1982)
分子クローニング研究所マニュアル、コールドスプリン
グハーバー研究所(Cold Spring Harbor Laborator
y)〕。次いで、これらのプローブを、0.7%低溶融アガ
ロースゲル上で電気泳動により単離し、精製した〔Wies
land,L.(1979)Anal.Biochem.48,305−309〕。 3つの他のvWFcDNAフラグメントを二重鎖M13mp18中で
サブクローン形成し、プローブとして使用した。その末
端に、DNAポリメラーゼI(大きいフラグメント)を有
する一般的なM13プライマからの伸長により抗反応性DNA
を均一に標識づけした。サブクローン形成フラグメント
は、プラスミドpvWF1800(フラグメントIII、第1図)
の1,144bP Xho I−Hind IIIフラグメント、プラスミドp
vWF1330(フラグメントI、第1図)の585bP Xba I−Ec
oR Iフラグメント、及びプラスミドpvWF2600(フラグメ
ントIV、第1図)の575bp BamH I−Bgl IIフラグメント
であった。M13プライマで開始されたDNA合成が終った
後、二重鎖DNAを、フラグメントIIIについてはHind III
とPvu IIとで消化し(プローブIIを生成)、フラグメン
トIについてはXba IとEcoR Iとで消化し(プローブI
を形成)、フラグメントIVについてはBamH IとPvu IIと
で消化し(プローブIVを生成)た。プローブII、III、I
V及びVの構造原理は、それらが内皮RNAと相補性のない
ベクターDNAのセグメントを含有しているということで
ある。例えば、プローブIII及びIVは、M13mp18から誘導
された約200bPのものを含有する。これらのプローブ
を、5%ポリアクリルアミド−8M尿素ゲル上で電気泳動
し、主要フラグメントを単離した〔Maxam A.G.,et al.
(1980)Methods Enzymol.65,499−560〕。 S1ヌクレアーゼ保護実験を、本質的に文献記載のよう
にして行った〔Berk,A.J.et al.(1977)Cell 12,721−
732〕。1μgのヒト内皮ポリARNAを、80℃で10分間加
熱した10,000−100,000カウント/分の放射性標識プロ
ーブに加え、次いで、プローブI、II、III及びVにつ
いては60℃で一晩培養し、プローブIVについては57℃で
一晩培養した。200単位/mlのS1ヌクレアーゼ(ベチエス
ダ研究所、ガイサーズブルグ、Md)で、45℃にて20分間
消化した。未消化DNAをエタノールで沈澱させ、ペレッ
トを、0.8%アルカリアガロースゲル又は6%ポリアク
リルアミド系ゲル上で電気泳動させるために、適当な緩
衝液に溶解した〔Maniatis,T.,et al.(1982)分子クロ
ーニング研究所マニュアル、コールドスプリングバーバ
ー研究所(Cold Spring Harbor Laboratory)。始めの
方法は、プローブI及びIIIに用いられ、第2の方法
は、プローブII、IV及びVに適用された。 全長vWFcDNAの組み立て 3′未翻訳領域(8562位置)内で、Hind III部位(22
35位置)からSac I部位へ延びる約6,331bPの連続vWFcDN
Aセグメントを含むプラスミドpSP6330vWFの構成につい
て、次のvWFcDNAを単離した。:pvWF2600DNAからの2,517
bP Hind III−Kpn Iフラグメント(2236位置から4753位
置まで)、pvWF2084DNAからの2,084bP Kpn I−Bgl IIフ
ラグメント(4753位置から6837位置まで)、及びpvWF22
80DNAからの1,730bP Bgl II−Sac Iフラグメント(6837
位置から8567位置まで)。これら3つのvWFcDNAフラグ
メントは、同時に、ベクターpSP64中に結紮され〔Melto
n,D.A.,et al.(1984)Nucl.Acids Research 12,7035−
7056〕、Hind IIIとSac Iとで消化された。得られた転
換体の約半分は、制限酵素分析によって証明されるよう
に、約6,331bPの所望のvWFcDNA挿入体を有するプラスミ
ド(pSP6330vWFで示される)を含有していた。 全長vWFcDNAを含むプラスミドpSP8800vWFを構成する
ために、次のフラグメントを単離した。プラスミドpSP6
330vWFの6,330bP Hind III−EcoR I挿入体(EcoR I部位
は、ベクターに存在するポリリンカーから誘導され
る。)、pvWF1800からの1,044bP Xho I−Hind IIIフラ
グメント(1092位置から2236位置まで)、及びpvWF1330
からの1,327bP EcoR I−Xho Iフラグメント(−236位置
から1092位置まで)。 これら3つのフラグメントの5倍モル過剰を、それぞ
れ、再度、同時に、ベクターpPP65DNAで結紮し、EcoR I
で開裂し、子牛の腸のアルカリホスファターゼ(ボーエ
リンガー、マンハイム、BRD)で処理した。得られたコ
ロニーの約30%には、制限酵素分析及びヌクレオチド連
鎖分析によって証明されるように、約8,795bPの所望の
全長vWFcDNA挿入体を有するプラスミドが含まれてい
た。 試験管内転写及び翻訳 SP6RNAポリメラーゼ(ニューイングランドニュークリ
アー、ドライアイヒ、BRD)による線状のSP6をベースに
したDNAテンプレートの試験管内転写は、0.1mMのUTP、C
TP及びATP、0.05mMのGTP、並びに2mMのm7G(5′)PPP
(5′)G(ファーマシア、アップサラ、スェーデン)
の存在下で行なわれ、末端がキャップされたメッセンジ
ャーRNAを得た〔Melton,D.A.,et al.(1984)Nucl.Acid
s Research 12,7035−7056〕。この5′をキャップした
メッセンジャーRNAの試験管内翻訳は、うさぎの赤血球
溶解産物系(ニューイングランドニュークリアー、ドラ
イアイヒ、BRD)で製造業者の説明書に従って行なわれ
た。 試験管内翻訳生成物の分析は、8%SDS−ポリアクリ
ルアミドゲル上での電気泳動によって行なわれた〔Laem
mli,U.K.(1970)Nature 227,650−655〕。 結果 部分vWFcDNAクローンの構成及び全長vWFcDNAの組み立
て: 以前、本発明者等は、全長ヒトvWFcDNAの部分を含有
するプラスミドの構成について報告した〔Verweij,C.
L.,et al.(1985)Nucleic Acids Research 13,4699−4
717、オランダ特許出願85.00961に基づく;Lynch,D.C.,e
t al.(1985)Cell 41,49−56;Ginsburg,M.,et al.(19
85)J.Biol.Chem.260,3931−3936;Sadler,J.E.,et al.
(1985)Proc.Nucl.Acod.Sci.USA 82,6394−6398〕。本
発明者が、オリゴ(dT)を主としたヒト内皮cDNA集団か
ら得た最も延展されたvWFcDNAは、約2,280bPのもの(pv
WF2280)を含んでいた。ヌクレオチド連鎖分析によっ
て、このcDNA挿入体が、vWFメッセンジャーRNAのポリA
尾部において開始されていることが明らかとなった。全
長vWFcDNAを構成するために、本発明者はpvWF2280の上
流に位置する付加的な重複vWFcDNA連鎖を単離した。こ
の目的のために、2つの生化学選別を用いて、vWFcDNA
含有プラスミドの数を増加させた。第1に、部分ヌクレ
オチド連鎖〔Saddler,J.E.,et al.(1985)Proc.Nucl.A
cad.Sci.USA 82,6394−6398〕から誘導されたオリゴヌ
クレオチドプライマーを、cDNAを合成するために、基質
としてヒト内皮ポリARNAを用いて合成した。第2に、cD
NA生成物を、特定数の部位でvWFcDNAを分割させること
が知られている特殊な制限エンドヌクレアーゼで消化さ
せた〔Ginsburg.M.,et al.(1985)J.Biol.Chem.260,39
31−3936;Sadler,J.E.,et al.(1985)Proc.Nucl.Acad.
Sci.USA 82,6394−6398〕。これらの制限部位は、つづ
いて、全長vWFcDNAを組み立てるのに用いられることが
できる。クローニング戦略は、第1A図にその概略が示さ
れている。隣接vWFcDNA連鎖を含むプラスミドを、pvWF1
330、pvWF1800、pvWF2600、pvWF2084及びpvWF2280で示
した。pvWF1330DNAの5′部分のヌクレオチド連鎖(vWF
メッセンジャーRNAの5′末端に対応する)によって、
3つの読み取り枠のすべてに、無意味なコドンが存在し
ていることが明らかになった。この発見から、本発明者
はpvWF1330DNAが、翻訳開始コドンを越えて延びている
と結論づける。 ヒト内皮RNAでのS1ヌクレアーゼ保護実験は、種々のv
WFcDNA挿入体が、vWFメッセンジャーRNAを十分相補する
ものであることを証明するために行なわれた。プローブ
の構成及び用いられた条件は、“物質と方法”の項で述
べた通りである。結果を第2図に示す。すべての場合に
おいて、保護フラグメントの長さが、種々のプローブの
予想長さと一致している。これらのデータから、本発明
者は、pvWF1330、pvWF1800及びpvWF2600DNAの各vWFcDNA
挿入体が、vWFメッセンジャーRNAに対して完全に相補性
を有していると結論ずける。残りのプラスミドpvWF2084
及びpvWF2280のcDNA挿入体のヌクレオチド連鎖は、公表
された連鎖に対応して、以前に示されている〔Sadler,
J.E.,et al.(1985)Proc.Nucl.Acad.Sci.USA 82,6394
−6398〕。その結果、種々の隣接vWFcDNA連鎖は、vWFメ
ッセンジャーRNAの真のコピーである。 本発明者が作ったvWFcDNA連鎖は、約8,900bPの長さで
ある。この長さは、ヒトの内皮(ポリA)RNAのノーザ
ン(Northern)ブロット分析によって測定したvWFメッ
センジャーRNAの長さと一致する〔Verweij,C.L.,et al.
(1985)Nucleic Acids Research 13,4699−4717,オラ
ンダ特許出願85.00961に基づく〕。全長vWFcDNAの組み
立ての詳細な説明は、“物質と方法”の項に述べられて
いる。組み立てられた全長vWFcDNAの正しい組成は、制
限酵素分析によって確認された。 全長vWFcDNAのヌクレオチド連鎖 vWFcDNAフラグメントのヌクレオチド連鎖分析を、化
学分解法(Maxam,A.M.,et al.,1977)及びジデオキシ連
鎖停止法〔Sanger,F.,et al.(1977)Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 74,5463−5467〕の2方法で、第1A図に概略を示
した模式図に従って行った。第3図に、vWFメッセンジ
ャーRNAの5′末端から延びる約8806残基のヌクレオチ
ド連鎖及び対応する予想アミノ酸連鎖が示されている。
vWFメッセンジャーRNAの3′部分の残りのヌクレオチド
連鎖は、先に報告されている〔Saddler,J.E.,et al.(1
985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,6394−6398;Verweij,
C.L.,et al.(1985)Nucleic Acids Research 13,4699
−4717,オランダ特許出願85.00961に基づく〕。一般
に、我々のvWFcDNAのヌクレオチド連鎖とSadler,J.E.et
al.,(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,6394−6398
のそれとの重複部分には、差異はなかった。しかし、こ
の著者等によって作られた、ファージlambda−HvWF1上
のvWFcDNAの5′末端における最初の12ヌクレオチド(2
217位置及び2229位置に対応)は、3つの個々の重複cDN
A挿入体について確認されている我々の連鎖とは、完全
に相違している。別の不一致も、2309位置で観察され
た。我々の分析によれば、C残基が認められ、一方、Sa
ddler,J.E.,et al.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8
2,6374−6398は、その特定位置において、それぞれプロ
リン及びヒスチジンとなるA残基を報告している。完成
vWFたんぱく質の自動アミノ酸連鎖分析によって、プロ
リン残基が単独に確認されてはいる(Hessel,B.et al.,
(1984)Thrombosis Research 35,637−651)が、この
相違は、vWF遺伝子の多形性によるものであろう。 隣接vWFcDNA連鎖で測定された全長は、vWFメッセンジ
ャーRNAのポリA尾部を除いて、8,814bPである。翻訳開
始部位は、(1位置から4位置まで)で示され、TAGの
ナンセンスコドン(−75位置から−82位置まで)の下流
側の最初の開始コドンであって、8,439ヌクレオチドの
“開放”翻訳読み取り枠がそれに続いているATGコドン
に対応していた〔我々の連鎖データ及びSaddler,J.E.,e
t al.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,6394−6398
の連鎖データから推論〕。この対応は、予測される22N
末端アミノ酸残基が、シグナルペプチドの特徴を示すこ
とが認められることによって、支持される。最大の可能
性をもって、シグナルペプチターゼ用となる開裂部位
は、それぞれ22位置と23位置とにおけるグリシン残基と
アラニン残基との間に位置している〔Von Heijne,(198
3)Eur.J.Biochem.133,17−21〕。提案されている翻訳
開始コドンは、少なくとも230ntの未翻訳領域に付随し
ている。 8,439bPの連続vWFcコーディング連鎖によって、309kD
の計算分子量を有する2,813アミノ酸残基のポリペプチ
ッドの合成をプログラムすることができる。本発明者等
の知る限りでは、これが、今日まで測定された最長のコ
ーディング連鎖を示している。他のたんぱく質と共に、
NIHたんぱく質連鎖データバンク内に入れられている
(部分)均一アミノ酸連鎖を、コンピュータによって研
究したが、他のたんぱく質との大きな同一性は認められ
なかった。更に、完成vWFたんぱく質が、約15%の炭水
化物残基を含有する糖たんぱく質であることが報告され
ている〔Sodetz,J.M.et al.,(1979)J.Biol.Chem.254,
10754−10760〕。炭化水素成分が、前駆vWFの計算分子
量に対して約15重量%となり、前駆vWFの分子量は、約3
50kDとなるであろうと考えられる。 前駆vWFのアミノ酸連鎖の特色 予測されたアミノ酸連鎖(第3図)と完成vWFたんぱ
く質の確認N末端アミノ酸連鎖〔Hessel,B.et al.,(19
84)Thrombosis Research 35,637−651〕との比較によ
って、vWF前駆たんぱく質が、報告されている260kDの糖
たんぱく質〔Wagner,D.D.,et al.(1983)J.Biol.Chem.
258,2065−2067〕よりも可成大きいという我々の先の仮
定〔Verweij,C.L.,et al.(1985)Natleic Acids Resea
rch 13,4699−4717,オランダ特許出願85.00961に基づ
く〕が確かめられた。予測されたアミノ酸連鎖が完成
(225kD)vWFたんぱく質のN端末連鎖と一直線になって
いることは、完成vWFたんぱく質に対してコードを行う
ヌクレオチド連鎖が、2290位置で開始することを示して
いる。この結論は、vWF前駆体たんぱく質が、完成たん
ぱく質よりも大きい763アミノ酸残基であることを意味
する。明らかに、この前駆連鎖(計算分子量81kD)は、
たんぱく質処理によって除去されて、約225kDの分子量
を有する完成vWF糖たんぱく質を生成する。 vW前駆たんぱく質のアミノ酸連鎖を相同マトリックス
比較することによって、約350のアミノ酸残基の長さを
有する4つの領域(D1、D2、D3、D4)が作られているこ
とが明らかとなる。この領域の部分(D′、約96のアミ
ノ酸)は、完成vWFのN末端に存在するように見える。
第4A図は、整列したこれらのくり返し領域を示す。前駆
連鎖の顕著な特徴は、それが、主にD領域(D1,D2)の
複製からなっているということである。このくり返し
は、くり返しの構造的同一性を示すシステイン残基の位
置が著しく保持されていることを示している。興味ある
ことに、前駆連鎖は、698位置から702位置までにおい
て、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸連鎖(“RG
D"連鎖)を有している。上記アミノ酸連鎖を有するテト
ラペプチッドが、同じ連鎖を含有し、細胞結合内に含ま
れているたんぱく質を競合することが示されている〔Pi
erschbacher,M.D.et al.,(1984)Nature 309,30−3
3〕。完成vWFたんぱく質のC末端部内に、別のRGD連鎖
が存在していることが注目されている〔Sadler,J.E.et
al.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA82,6394−6398〕。 vWFメッセンジャーRNAの試験管内翻訳 約300kDの分子量を有するグリコシル化されていない
前駆体たんぱく質に対して、コーディング能力を示すよ
うにするために、全長vWFcDNAを組み立てた。全長vWFcD
NAをプラスミドpSP65内へ挿入した。このプラスミド
は、特にSP6RNAポリメラーゼによって支配されるクロー
ン化DNA連鎖の試験管内“ランオフ”転写を行わせるエ
ス、ティフィムリウム バクテリオファージ(S.Typhim
urium Bacteriophage)SP6プロモータを含有している
〔Melton,D.A.et al.,(1984)Natl.Acids Research 1
2,7035−705〕。このようなメッセンジャーRNA生成物
は、赤血球溶解産物を用いて、有効に翻訳されることが
できる。 まず、連続6,331bPvWFcDNA連鎖を含んでいるプラスミ
ドpSP6330vWF(第1B図)を作った。このプラスミドは、
完成vWFに対するすべてのコーディング連鎖、更に前駆
連鎖のC端末部から、18アミノ酸残基に対してコードを
行う連鎖を含有している。pSP6330vWFDNAから転写され
たRNAによって支配されるたんぱく質合成の開始は、完
成vWFのN末端の下流側8アミノ酸のメチオニンコドン
において生ずる。次いで試験管内合成vWFメッセンジャ
ーRNAの翻訳によって、220kDの計算分子量を有する(グ
リコシル化されていない)ポリペプチッドが生成するで
あろう。その結果、前駆vWFに対する完全なコーディン
グ連鎖を含んでいるpSP8800vWF(第1B図)が構成され
た。このプラスミドは、計算分子量が309,250Dであるた
んぱく質をコード化するであろう。プラスミドpSP6330v
WF及びpSP8800vWFは、それぞれ、EcoR I及びSal Iで直
線化され、試験管内で転写される。種のvWFメッセンジ
ャーRNAの試験管内翻訳の結果を、第5図に示す。pSP63
30vWFDNAによってコード化されたポリペプチッドは、約
200kDの分子量を示す。この分子量と計算分子量(220k
D)との不一致は、恐らく、これらのゲル中の大きなた
んぱく質の分子量測定が、不正確であることによるもの
であろう。pSP8800vWFの完全なコーディング連鎖は、20
0kDよりも実質的に大きい分子量を有するポリペプチッ
ドに翻訳される。この異常に長いポリペプチッドについ
て、より正確に分子量を測定するために、我々は、全長
vWFcDNAの選択部分から誘導した、部分的な重複ポリペ
プチッドを作成した。そのために、pSP8800vWFDNAをBam
H Iで消化し、転写体(長さ2855nt)を翻訳した。この
転写体の3′末端における405ntが、EcoR Iで開裂され
たpSP6330vWFから作られた転写体の5′末端を構成する
ということは注目されるべきである。それ故、上記ポリ
ペプチッドの分子量計算は、共通たんぱく領域を引い
て、約309kDの分子量になるべきである。BamH I消化テ
ンプレートから誘導されたたんぱく質は、約100の測定
分子量を有し、一方、先に示したように、EcoR Iで開裂
されたpSP6330vWFテンプレートは、約200kDの生成物を
生ぜしめる。これらの分子量計算及び共通領域(15kD)
を差し引くことによって、測定分子量は、309,250Dの計
算分子量と一致する285kDとなる。更に、Xho I消化され
たpSP8800vWFDNAから誘導された転写体(1320nt)の翻
訳によって、分子量が39kDのポリペプチッドが明らかと
なる。この結果は、1位置から4位置までにおける翻訳
開始サイドの対応と一致する。 これらのデータから、2,813アミノ酸残基から成る前
駆体vWFたんぱく質の合成をプログラムする8,439bPのコ
ーディング連鎖を持った全長vWFcDNAが構成されている
と結論づけられる。 考察 本発明は、全長vWFcDNAを含有するプラスミドの構成
を規定する。ヌクレオチド連鎖分析〔本特許出願;Verwe
ij,C.L.,et al.(1985)Nucleic Acids Research 13,46
99−4717,オランダ特許出願85.00961に基づく;Sadler,
J.E.et al.,(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,6394
−6398〕によって、ポリA尾部が誘導されたcDNAを除い
て、構成されたvWFcDNAの長さが、8,805bPになることが
明らかになった。この結果は、内皮(ポリA)RNAのノ
ーザーン(Northern)ブロット分析〔Verweij,C.L.,et
al.(1985)Nucleic Acids Research 13,4699−4717,オ
ランダ特許出願85.00961に基づく〕によって測定したvW
FメッセンジャーRNAの長さ(約9,000nt)と一致する。
前駆体vWFたんぱく質についての全体のコーディング連
鎖は、8,439bPであり、分子量が約309kDのグリコシル化
されていないポリペプチッドに対応している。このたん
ぱく質についての翻訳開始部位は、1位置から4位置ま
でにおけるATGコドンに対応させられることができる
(第3図参照)。この対応は、SP6転写系で生じた全長v
WFメッセンジャーRNAでの試験管内翻訳実験の結果と一
致する。グリコシル化たんぱく質は、信号ペプチッドを
除去した後でも、300kDよりも可成大きくなるであろ
う。完成vWFの前駆体糖たんぱく質による分子量は、260
kDを示すということが報告されている〔Wagner,D.D.,et
al.(1983)J.Biol.Chem.258,2065−2067〕。本発明者
等が前駆体たんぱく質に対応させた分子量との不一致
は、大きな(糖)たんぱく質に固有の、SDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動による分子量測定の不正確さに
よるものであろう。 完成vWFをコード化する連鎖は、完成vWFの確認された
N末端アミノ酸連鎖〔Hessel,B.et al.,(1984)Thromb
osis Research 35,637−651〕が、予測アミノ酸連鎖
(第3図)と直線をなすことから推測されるように、翻
訳開始コドンの下流側の2,286bpにおいて開始する。こ
の2.286bpの長さの前駆連鎖が、計算分子量が83KDであ
るポリペプチッドをコード化できることが示された。従
って、前駆vWFたんぱく質をプロテアーゼに処理する
と、2つの異ったポリペプチッドを生成するであろう。
763位置と764位置におけるアルギニン残基とセリン残基
との間の特定の開裂が、内皮細胞のヴァイベル−パラー
デ体内で多分起っているであろう。何故ならば、プロテ
アーゼ禁止剤(pMSF)の存在下では、フォン・ヴィレブ
ランド抗原II(vWAg II)で示される別の糖たんぱく質
を有する完成vWFのこれら小器官内で、複合体が検出さ
れるからである(Montgomery,R.R.及びZimmerman T.S.1
978 J.Clin.Invest.61,1498−1507)。前駆体vWFたんぱ
く質の前駆連鎖が、vWAg IIと同じのようであることを
示すいくつかの議論を進めることができる。 i) グリコシル化されていない前駆連鎖の分子量(83
KD)が、vWAg II糖たんぱく質の分子量98KDと合致す
る。 ii) vWF及びvWAg IIの両者は、培養内皮細胞によって
合成され、1−デスアミノ−8−D−アルギニン バソ
プレシン(DDAVP)での刺激によって、これらのたんぱ
く質が同時に放出されることが示されている(Mc Carro
ll,D.R.et al,1984 Blood 63,532−535)。 iii) 免疫蛍光検査法を使用すると、両たんぱく質が
核周辺領域内及びヴァイベル−パラーデ体内で局在化す
ることが示されている(Mc Carroll,D.R.et al.(198
5),J.Clin.Invest.75,1089−1095)。 iv) vWF及びvWAg IIは、共に血小板中に存在し、血小
板活性化によって共に放出される。 v) vWF及びvWAg IIたんぱく質の量がプラスマ内で直
線内に関連しており、重症フオン・ヴィレブランド病患
者のプラスマと血小板には、両たんぱく質が欠乏してい
る。 vi) 前述の如く、vWFとvWAg IIとの複合体が、セリン
プロテアーゼ禁止剤(PMSF)の存在下では検出される
が、禁止剤が存在しない場合は検出されない。 前駆連鎖の予測アミノ酸連鎖は、顕著な構造を示す。
それは、約350のアミノ酸残基の長さの複製セグメント
から成っている。これ等の2つのセグメントは、37%の
アミノ酸同族を共有している。更に、それらは、同じよ
うに位置するシステイン残基を相当に保持していること
を示しており、これらの直接くり返しの中に、構造的特
徴が保持されていることを示している。前駆連鎖の中の
このくり返しの2つのコピーは、完成vWF中にも存在
し、一方、このくり返しの部分は、完成vWFのN末端に
存在する。内部相同領域についても、Sadler,J.E.et a
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,6394−6398(1985)に
よって報告されており、そのうちの2つは、2つに複製
されていたが、1つは、3つの複製の形で存在した(第
4B図)。これらのくり返し連鎖は、完成vWFたんぱく質
内において、約1070のアミノ酸残基の長さを有してい
る。本発明者が発見したくり返し構造は、Sadler J.E.e
t al.Proc.Natl.Acad.sci.USA 82,6394−6398(1985)
によって報告されているものとは無関係のものである。
これらのデータから、約90%の前駆体vWFたんぱく質
は、くり返し領域で構成されており、前駆体vWF遺伝子
が、少なくとも4つの異なった領域の一連の複製過程か
ら発展していることを示していると結論づけられる。 前駆連鎖は、vWF2量体から成る大きな多量体の形成に
関与しているであろう(Wagner,D.D.及びMarder,V.J.19
84,J.of Cell Bialogy 99,2123−2130;Lynch,D.E.et a
l.(1983),The Journal of Biological Chemistry 25
8,12757−12760)。この点で、たんぱく質のN及びC末
端部に主に存在する結晶において、前駆vWFが非常に富
んでいる(8.1%)ことに注目するのは適切であろう。
前駆連鎖のシステイン含有量は高い(8.6%)。vWFのC
末端におけるジスルフイド結合は、2つのサブユニット
を結合する棒状領域を形成する必要があることが示され
ている(Fowler,W.E.et al.J.Clim.Invest.76,1491−15
00(1985)。多量体は、多分N末端においてジスルフィ
ド架橋によって、これらの2量体を結合し、球状領域を
作ることによって形成されるのであろう。前駆連鎖にお
けるシスティン残基のフリーのスルフヒドリル基は、恐
らく、多量体の形成にとって、欠くことのできないもの
であろう。 前駆連鎖内に“RGD(C)”アミノ酸連鎖が存在する
ことが、このたんぱく質の別の機能について示すことに
なろう。フィブロネクチンやヴィトロネクチンのような
たんぱく質のRGD含有領域が、細胞表面の受容体との相
互作用において、決定的な役割を演ずることが示されて
いる〔Pierschbacher,M.D.及びRuaslahti,E.(1984)Na
ture 309,30−33;Pytela,R.et al.Proc.Nat.Acad.Sci.U
SA 82,5766−5770〕。これらの相互作用は、RGD含有ペ
プチッドによって抑制される。完成vWFの活性化血小板
との相互作用も、RGD含有ペプチッドによって抑制さ
れ、vWFのこの領域が血小板結合に含まれていることを
示唆している(Ginsburg,M.1985 J.Biol.Chem.260,3931
−3936;Haverstick,P.M.et al.1985,Blood)。完成vWF
及び前駆連鎖において、共にRGD連鎖が存在し、それはv
WAg IIについても同等であろうと思われ、更にこれら2
つのたんぱく質の間の注目すべき相同性と構造保存に基
づいて、特定の細胞表面受容体との特定の相互作用にお
いて、前駆連鎖は、完成vWFと同じ機能を持っているも
のと推測される。 図面の説明 第1A及び1B図は、vWF、cDNAの構成、全長vWFcDNAの組
み立て及びヌクレオチド連鎖の測定のための方策 A) vWFメッセンジャーRNAはバーで示される。空白
帯、信号ペプチッドコーディング領域;斜線帯、前駆連
鎖コーディング領域;中実帯、完成vWFコーディング領
域 オリゴヌクレオチド(20量体)A(6901−6921)、B
(4819−4839)及びC(2467−2487)、プライマ支配cD
NA合成用及び/又は雑種形成用プローグとして使用され
たもので、小さいバーで示されている。コロニースクリ
ーニング用プローグとして用いられた575bPBGl II−Bam
H I及び350bPHind III−Xho Iフラグメントは、空白バ
ーで示されている。vWFメッセンジャーRNAの模式標示の
下に、全長vWFcDNAの組み立とヌクレオチド連鎖のため
に用いられた5つの部分隣接vWFcDNAが示されている。S
1ヌクレアーゼ保護実験に使用されたフラグメントI,II,
III,IV,及びVが、それらが誘導されたvWFcDNA挿入体の
上に示されている。矢印は、ヌクレオチド連鎖方策を示
す。マクサムとギルバート(1977)の方法によって連鎖
解析を行う場合は、放射性標式の位置が、矢印端部の短
かい垂直線によって示される。矢印端部のスラッシは、
端部標識が、ベクターDNAによって指定された末端にあ
ったことを意味する。本研究において適切な制限エンド
ヌクレアーゼ部位のみが示されている。B.BamH I;Bg、B
gl II;E.EcoR I;H.Hind III;K.Kpn I;M.Mst I;N.Nar I;
P.Pvu II;S.Sal I;Sc.Sac I;X,Xba I;Xh.Xho I. B) 全長vWFcDNAの組み立て、プラスミドpSP6330vWF
は、Hind III部位(2235位置)からSac I部位(8562位
置)まで、延びており、ベクターpSP64内でサブクロー
ン化されている、6,331bPvWFcDNAA連鎖を含んでいる。
プラスミドpSP8800vWFは、EcoR I部位(パネルA参照)
からSac I部位(8562位置)まで延びており、ベクターp
SP65内でサブクローン化されている全長vWFcDNAを含ん
でいる。全長vWFcDNAの組み立てに使用されるフラグメ
ントの限界を定める制限エンドヌクレアーゼ部位は、ア
ストリックスで示されている。pvWF1330DNAの構成に使
用される全長vWFcDNAの5′端部におけるEcoR I部位
は、EcoR Iリンカーから始まる。SP6RNAポリメラーゼに
よる試験管内“ランオフ”転写のために、プラスミドDN
Aを直線化させるのに用いられた制限酵素用部位は、ド
ットで示されている。プラスミドpSP8800vWF内のSal I
部位及びプラスミドpSP6330vWF内のEcoR I部位は、pSP
型ベクターのポリリンカーに存在する。 第2図は、SIヌクレアーゼ保護分析、内皮ポリA+RN
Aを、vWFcDNA連鎖を含む〔32P〕標識プローブで雑種形
成した。種々のプローグの構成及び用いられた条件は、
“実験方法”の項に述べられている。プローブ中に存在
するvWFcDNAセグメントは、第1図に示されている。パ
ネルAは、0.8%アルカリアガロースゲル中のサンプル
を電気泳動した後の結果を示すものである。パネルB
は、6%ポリアクリルアミド−8M尿素ゲル中で電気泳動
した後の結果を示している。レーン1:1,444bpvWFcDNAフ
ラグメントIII(第1図)を含むプローブIIIでの雑種形
成。レーン2:2,400bpvWFcDNAフラグメントV(第1図)
を含むプローブVでの雑種形成。レーン3:585bpvWFcDNA
フラグメントI(第1図)と同等のプローグ1での雑種
形成。レーン4:565bpvWFcDNAフラグメントIV(第1図)
を含むプローブIVでの雑種形成。レーン5:765bpvWFcDNA
フラグメントII(第1図)を含むプローブIIでの雑種形
成。符号:−,S1ヌクレアーゼ不存在下での雑種形成成
分の培養;+,S1ヌクレアーゼ存在下で雑種形成成分の
培養;C,内皮ポリA+RNAの不存在下での雑種形成した
後、S1ヌクレアーゼと共に、サンプルを培養;M1個の標
準DNA長さのマーカー。 第3A〜3J図は、vWFメッセンジャーRNAの5′末端から
誘導されたvWFcDNAの8806bpのヌクレオチド連鎖。番号
は、推定ATG翻訳開始コドンから出発する。予想アミノ
酸連鎖は、ヌクレオチド連鎖の下に示されており、別個
に番号が付けられていて、推定メチオニン翻訳開始コド
ンから再度出発する。ポテンシャルなN結合グリコシル
化部位にはアンダーラインを施し、トリペプチッド ア
ルギニン−グリセリン−アスパラギン酸は、枠でかこん
である。 第4A及び4B図は、vWF用前駆体内の内部相同性 A) 4つのくり返し領域D1、D2、D3、D4及びD′のア
ミノ酸連鎖の直線性。一字表示が用いられ、アミノ酸
は、第3図に示したように番号がつけられる。4個又は
5個のくり返しの中で同じものは枠でかこんである。 B) 前駆vWF内の内部相同領域の模式表示。3個複製
領域A(A1、A2及びA3)、Sadien et al.(1985)によ
って報告されているような2個複製領域B(B1及びB2)
並びにC(C1及びC2)、4個複製領域D(D1、D2、D3、
及びD4)が示されている。これらのくり返しの数字位置
は次の通りである:A1(1242−1480)、A2(1480−167
3)、A3(1673−1875)、B1(2296−2331)、B2(2375
−2400)、C1(2400−2516)、C2(2544−2663)、D1
(34−387)、D2(387−746)、D3(866−1242)、D4
(1947−2299)及びD′(769−866)。 第5図は、vWFメッセンジャーRNAの試験管内翻訳 “実験方法”の項で述べたように、SP6RNAポリメラー
ゼでの“ランオフ”転写を使って、試験管内でキャップ
されたvWFメッセンジャーRNAを作った。RNA生成物を〔3
5S〕−メチオニンを含有する赤血球溶解産物翻訳系に加
え、ポリペプチッドを90分間合成した。ポリペプチッド
を、8%SDS−ポリアクリルアミドゲル上で分別し、蛍
光間接撮影に付した。M:分子量マーカーたんぱく質、E:
内因的に合成したポリペプチド(RNAを添加せずに)、
レーン1:pSP6330vWFDNAから転写されたvWFメッセンジャ
ーRNAによってコード化され、EcoR Iで消化したポリペ
プチッド、レーン2:pSP8800vWFから転写されたvWFメッ
センジャーRNAによりコード化され、Sal Iで消化したポ
リペプチッド、レーン3:pSP8800vWFDNAから転写されたv
WFメッセンジャーRNAによってコード化され、BamH Iで
消化したポリペプチッド、レーン4:pSP8800vWFDNAから
転写されたvWFメッセンジャーRNAによっでコード化さ
れ、Xho Iで消化したポリペプチッド。 大腸菌DH I株における組換えDNAプラスミドpSP8800vW
Fのサンプルは、オランダ国、バーン(Baarm)の菌培養
中央局(Centraalabureau voor Schimmel cultures)に
CBS番号163.86として、1986年3月26日に寄託した。
【図面の簡単な説明】
第1A及び1B図は、vWF、cDNAの構成、全長vWFcDNAの組み
立て及びヌクレオチド連鎖の測定の仕方を示す説明図、
第2図は、SIヌクレアーゼ保護分析、内皮ポリA+RNA
を、vWFcDNA連鎖を含む〔32P〕標識プローブで雑種形成
の状況を示す説明図、第3A〜3J図は、vWFメッセンジャ
ーRNAの5′末端から誘導されたvWFcDNAの8806bpのヌク
レオチド連鎖を示す説明図、第4A及び4B図はvWF用前駆
体内の内部相同性の説明図、第5図は、vWFメッセンジ
ャーRNAの試験管内翻訳の説明図である。
立て及びヌクレオチド連鎖の測定の仕方を示す説明図、
第2図は、SIヌクレアーゼ保護分析、内皮ポリA+RNA
を、vWFcDNA連鎖を含む〔32P〕標識プローブで雑種形成
の状況を示す説明図、第3A〜3J図は、vWFメッセンジャ
ーRNAの5′末端から誘導されたvWFcDNAの8806bpのヌク
レオチド連鎖を示す説明図、第4A及び4B図はvWF用前駆
体内の内部相同性の説明図、第5図は、vWFメッセンジ
ャーRNAの試験管内翻訳の説明図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 フルヴェー コロネリウス ランバルツ
オランダ王国、1391 ジ − エヌ オ
プコーダ,スタチオンツストラーツ 20
番地
(72)発明者 ディアハルダ ポール ヨハン
オランダ王国、1111 ズィーエクス デ
ィマン,ロード クラウスラン 1005番
地
(72)発明者 ハーツ マルガレータ ヘンドリカ ル
イサ
オランダ王国、1061 ジーダブリュ ア
ムステルダム,ドゥ スハープヘルダス
トラード 34の▲III▼番地
(56)参考文献 Cell,Vol.41,No.1
(1985.5)p.49−56
Science,Vol.228(1985.
6)p.1401−1406
Nucleic Acids Res
earch,Vol.13,No.13
(1985.7)p.4699−4717
Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,Vol.82(1985.10)P
6394−6398
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ヒトフォン・ヴィレブランド因子のアミノ酸配列を
含むポリペプチドをコードするcDNAであって、該cDNAが
全長ヒトフォン・ヴィレブランド因子前駆体蛋白質の完
全なコード配列に相当する、下記のヌクレオチド229〜8
670で表されるcDNA。 2.組換え発現ベクター中に含まれている特許請求の範
囲第1項記載のcDNA。 3.オランダ国、バーン(Baarn)の菌培養中央局(Cen
traalbureau voor Schimmelcultures)に、C.B.S.番号1
63.86として寄託された組換えプラスミドpSP880vWFに含
有されている特許請求の範囲第2項記載のcDNA。 4.ヒトフォン・ヴィレブランド因子のアミノ酸配列を
含むポリペプチドをコードするcDNAであって、該cDNAが
全長ヒトフォン・ヴィレブランド因子前駆体蛋白質の完
全なコード配列に相当する、下記のヌクレオチド229〜8
670で表されるcDNAを含有する宿主細胞。 5.宿主細胞が微生物であることを特徴とする、特許請
求の範囲第4項記載の宿主細胞。
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2000
- 2000-05-18 JP JP2000145965A patent/JP2000342290A/ja active Pending
Non-Patent Citations (4)
Title |
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