JP3123044U - 搬送用モータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】省スペース化、薄形化、低騒音化、さらには、外部と協調して動作できるなどの高機能化を図ったベルトコンベア装置等の搬送用モータ装置を提供する。
【解決手段】搬送用の駆動ローラ1内に速度制御又は位置決め制御が可能な駆動モータを配置し、減速ギヤを用いずにロータ2と駆動ローラ1とを直接結合する。駆動ローラ1内に、駆動モータの回転を制御する制御回路基板7を内臓させる。ロータ2にはエンコーダディスク12を直結し、制御回路基板7上にはエンコーダセンサ13を備えて、その検出信号から速度情報と位置情報を生成し、超低速な速度制御又は高分解能な位置決め制御を行う。制御回路基板7には速度情報と位置情報及び駆動モータの制御指令情報を外部と通信する通信機能手段を備えて、外部との協調動作を可能とする。
【選択図】図1

Description

本考案は、ベルトコンベア装置やローラコンベア装置等の搬送用モータ装置に関し、詳しくは、省スペース化、薄形化、低騒音化、及び高機能化を図った搬送用モータ装置に関する。
ベルトコンベア装置は、駆動ローラにコンベアベルトを巻き回し、駆動ローラをモータ装置と減速機により減速回転させてコンベアベルトを移送することにより、コンベアベルト上に載せた物を搬送する装置である。このようなベルトコンベア装置に関する技術としては、下記の特許文献2,3に記載されたものがある。これらの技術では、上記した減速機の収納ケースを駆動ローラと一体化して省スペース化を図っている。
一方、ローラコンベア装置は、間隔をあけて駆動ローラを配置し、その間に空転ローラを配置し、駆動ローラをモータ装置と減速機により減速回転させることにより、ローラ上に載せた箱などのように底面の平らな物を搬送する装置である。このようなローラコンベア装置に関する技術としては、下記の特許文献1に記載されたものがある。この技術では、上記したモータ装置と減速機とを駆動ローラ内に収納して、組み立てやメンテナンスを容易にしている。
特開平6−227630号公報 特開平8−81035号公報 特開平8−81036号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3の技術では、モータ装置と駆動ローラとは減速ギヤで結合されているため、小形化は達成されていない。また、特許文献1の技術では、回転軸方向にモータ装置と減速機を並べているので、回転軸方向に薄形化して小幅なコンベア装置に対応することができない。また、装置自身が、外部装置と連携したり協調したりして動作することが困難であった。さらに、両方の技術とも減速機を用いているので、騒音が大きいという問題があった。
本考案は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その課題は、省スペース化、薄形化、低騒音化、さらには、外部と協調して動作できるなどの高機能化を図った搬送用モータ装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、本考案による請求項1の搬送用モータ装置の構成は、搬送用の駆動ローラ内に速度制御及び位置決め制御の一方又は双方が可能な駆動モータを配置し、前記駆動モータのロータと前記駆動ローラとを直接結合する構造としたことを特徴とする。
また、本考案による請求項2の構成では、請求項1記載の搬送用モータ装置において、前記駆動ローラ内に、前記駆動モータの速度制御及び位置決め制御の一方又は双方を行う制御回路基板を内蔵することを特徴とする。
また、本考案による請求項3の構成では、請求項2記載の搬送用モータ装置において、前記ロータにエンコーダディスクを直結し、前記制御回路基板上で前記エンコーダディスクから速度情報と位置情報のいずれか一方又は双方を検出する検出手段を備えることを特徴とする。
また、本考案による請求項4の構成では、請求項2記載の搬送用モータ装置において、前記制御回路基板上に前記駆動モータの回転制御に用いるロータ位置センサの検出信号を共用して速度情報と位置情報のいずれか一方又は双方を算出する算出手段を備えることを特徴とする。
また、本考案による請求項5の構成では、請求項3又は4記載の搬送用モータ装置において、前記制御回路基板が速度情報と位置情報のいずれか一方又は双方及び駆動モータの制御指令情報を外部と通信する通信手段を備えることを特徴とする。
本考案の請求項1の構成によれば、減速機を用いずに駆動モータの低速制御又は位置決め制御を行って、ローラを駆動モータで直接回転させているので、省スペース化、薄形化、及び低騒音化ができるという効果が得られる。
本考案の請求項2の構成によれば、駆動モータの制御回路基板を内蔵したので、外部に制御回路が不要になり、簡素化できるという効果が得られる。
本考案の請求項3の構成によれば、超低速の速度制御や高分解能な位置決め制御ができるという効果が得られる。
本考案の請求項4の構成によれば、高分解能が必要でない場合に簡易に速度制御や位置決め制御ができるという効果が得られる。
本考案の請求項5の構成によれば、外部からの指令により外部と連携したり協調したりして速度制御や位置決め制御を行うことが可能になるという効果が得られる。
本考案は、省スペース化、薄形化、及び低騒音化を図った搬送用モータ装置を提供するという主たる課題を、減速ギヤを介さずに、ローラ内に収納した駆動モータにローラを直接結合することで実現した。
以下、図面を参照して、本考案の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に行う。
図1は、本考案の第1の実施例である搬送用モータ装置の機械的な構成を示す断面図である。本実施例では、ベルトコンベア装置への適用例について述べる。
本実施例の搬送用モータ装置は、コンベアベルトを巻き回すためのローラ1の内部に駆動モータを一体的に収納し、この駆動モータに減速ギヤを介さずにローラ1を直接結合して成る。この構造を実現するため、駆動モータには、速度制御及び位置決め制御の一方又は双方が可能なモータとしてサーボモータやブラシレスモータ等の電子制御モータを使用する。駆動モータは、ロータ2とステータ3から成る。ロータ2は、ボールベアリング等の軸受4,5により固定軸6に対して回転可能に取り付けられ、ローラ1に一体的に直接結合される。一方、ステータ3は、ステータ固定板7に取り付けられ、このステータ固定板7が、固定軸6に固定される。ステータ固定板7には、本装置を図略のベルトコンベア装置に取り付けるために、複数の取付タップ8が設けられる。
ステータ3には、複数相、例えば3相に駆動コイル9が巻かれる。このステータ3の内面に対向するロータ2の周面には、その回転方向にN極とS極が交互に着磁されたロータマグネットが設けられる。このような駆動モータの回転及びその速度や位置決めを制御するための制御回路基板10が、駆動モータとステータ固定板7の間に設けられ、ステータ固定板7に固定される。この駆動モータの回転を制御のために必要なロータマグネットの位置を検出するロータ位置センサ11は、ロータマグネットに近接する制御回路基板10上の位置に設けられる。このロータ位置センサ11としては磁気センサ、ホール素子等が用いられる。また、エンコーダディスク12が制御回路基板7に対向するロータ2の端面側に直結されていて、対応する制御回路基板10の近接位置にエンコーダセンサ13が設けられる。このエンコーダセンサ13としては光電センサ等が用いられる。制御回路基板10は外部との通信機能を有し、外部との通信ケーブルを接続するためのI/Oコネクタ14を備える。
図2は、制御回路基板に搭載される駆動モータの制御回路の電気的な構成を示すブロック図である。この制御回路は、一例として、制御部21、インバータ部22、ロータ位置検出部23、及び速度・位置情報生成部24から構成される。制御部21は、マイクロコンピュータ及びそのプログラムとデータ等を格納するメモリ等からなり、速度指令機能手段21a、位置決め指令機能手段21b、モータ制御機能手段21c、PWM制御機能手段21d、及び通信機能手段21eを有する。これらの機能手段は、プログラムによって実現されるが、一部又は全部をハードウェアによって構成してもよい。
インバータ部22は、各相毎にトランジスタ等のスイッチング素子が2個直列に電源の間に接続され、そのスイッチング素子間の各直列の接続点が、例えば、スター結線されたステータ3の3相の駆動コイル9u、9v、9wのそれぞれに接続される。このインバータ部22を構成する各スイッチング素子は、制御部21のPWM制御機能手段21dによりオン/オフ制御される。この例では、PWM駆動を行う構成としているが、既存技術のPAM駆動やサイン波駆動を行う構成にしても良い。
ロータ位置検出部23は、ロータ位置センサ11からの磁極の変化のタイミング信号をロータ位置検出信号として、PWM制御機能手段21dに入力する。PWM制御機能手段21dは、このロータ位置検出信号から回転磁界の転極のタイミングを制御する。速度・位置情報生成部24は、エンコーダセンサ13からの検出信号を整形して、高分解能なロータの回転位置情報、即ちローラの回転位置情報として位置決め指令機能手段21bへ入力する。一方、速度・位置情報生成部24は、回転位置情報の下位ビットの時間間隔を計数することにより高精度の回転速度情報を生成し、速度指令機能手段21aへ入力する。これらの回転速度情報及び回転位置情報は、通信機能手段21eを介してI/Oコネクタ14から外部へ出力される。外部とのインタフェースとしては、RS−232−CやUSB等が好適である。なお、回転速度情報の生成は、制御部21においてプログラムにより実現しても良い。
速度指令機能手段21aは、I/Oコネクタ14から通信機能手段21eを介して外部から速度制御指令を受けると、この速度制御指令と速度・位置情報生成部24からの回転速度情報とを比較し、速度誤差信号をモータ制御機能手段21cに渡す。モータ制御機能手段21cは、速度誤差信号を現速度信号の大きさに加減し、PWM制御機能手段21dへ渡す。PWM制御機能手段21dは、ロータマグネット位置検出部23からのロータマグネット位置検出信号を元に駆動コイル9各相の転極のタイミングを決定して、速度信号の大きさをパルス幅変調し、決定したタイミングで転極しながら、インバータ部22を構成するスイッチング素子のオン/オフを制御する。これにより、ステータ3の各相の駆動コイル9u、9v、9wに3相の各相電流が流れて回転磁界が発生してロータ2が回転し、同時にローラ1が回転する。なお、始動時や停止時、負荷変動時のように誤差信号が大きくなる場合には、速度信号を徐々に変化させて回転速度の急変を避けるようにしても良い。
位置決め指令機能手段21bが、I/Oコネクタ14から通信機能手段21eを介して外部から位置決め制御指令を受けると、この位置決め制御指令と速度・位置情報生成部24からの回転位置情報とを比較し、位置誤差信号をモータ制御機能手段21cに渡す。モータ制御機能手段21cは、位置誤差信号がゼロになるまで速度指令機能手段21aからの速度制御指令に基づいた速度誤差信号により速度制御を行い、位置誤差信号がゼロになると速度制御を中止して停止制御を行う。このとき、位置誤差信号がゼロに近づくにつれて減速すれば、ローラ停止時の衝撃を少なくすることができる。外部において、ローラの回転速度がゼロになったことは、I/Oコネクタ14からの回転速度情報で判るので、ロボット等によりコンベアベルトに搬送物を載せるなどの協調動作が可能になる。例えば、この搬送物を載せる動作の完了を受けて、外部からI/Oコネクタ14を介して位置決め制御指令を入力すれば、図3に示すように、コンベアベルト31上に正確な等間隔Lで搬送物32を流すという協調動作が可能となる。
本実施例では、高分解能なエンコーダを内蔵し、サーボモータを使用して、速度制御や位置決め制御を行うことにより、ギヤ等の減速機を使用することなく、ローラの超低速回転制御又は高分解能な位置決め制御を行うことができる。例えば、図4に示すように、ローラ1の半径Rが5cmのとき、コンベアベルト31の移動速度V=1cm/secを得る場合のローラ1の回転速度Nは、60V/2πR[rpm]≒2[rpm]となる。本実施例の上記の構成によれば、このような2[rpm]の超低速回転が容易に実現できる。しかし、従来のベルトコンベア装置に用いられている通常のモータの回転速度は、1500[rpm]以上の高速で回転するため、2[rpm]でローラ1を回転させるには、1500/2=750程度の減速ギヤを使用する必要がある。
図5は、本考案の第2の実施例であるモータ装置の電気的な構成を示すブロック図である。本実施例では、高分解能な位置決め制御や超低速の速度制御を必要としない場合の例について述べる。
本実施例において、実施例1と同様に構成されている構成要素には実施例1と同符号を付してその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。本実施例が実施例1と異なる点は、ローラ1の回転速度情報及び回転位置情報をロータ位置センサ11の検出信号であるロータ位置検出部23からのロータ位置検出信号から作成することである。従って、実施例1におけるエンコーダディスク12とエンコーダセンサ13は不要となる。また、実施例1の速度・位置情報生成部24に代えて、制御部21に速度・位置情報算出機能手段21fを設ける。
本実施例のロータ位置検出部23は、ロータ位置検出信号をロータ位置センサ11からの磁極の変化のタイミング信号としてPWM制御機能手段21dに入力すると共に、速度・位置情報算出機能手段21fにも入力する。速度・位置情報算出機能手段21fは、ロータ位置検出信号の時間間隔を計数してローラの回転速度を算出すると共に、ローラが1回転する間のロータ位置検出信号をカウントしてローラの回転位置情報を算出する。このようにして算出された回転速度情報は速度指令機能手段21aへ、回転位置情報は位置決め指令機能手段21bへそれぞれ送出されると共に、通信機能手段21eを介してI/Oコネクタ14から外部へ出力される。なお、速度・位置情報算出機能手段21fは、ハードウェアで構成しても良い。これらの回転速度情報及び回転位置情報を用いて、実施例1と同様に速度制御又は位置決め制御を行うことができる。
本実施例による制御例として、3相10極のサーボモータを使用した例について述べる。この例では、ロータマグネットの極数は3相×10極、即ち30極となる。従って、ローラの1回転当たりのロータ位置検出信号数は30個となる。即ち、ギヤ等の減速機を使用することなく簡易に、360°/30=12°の分解能で位置決め制御が可能になる。又は、簡易に数10rpmでの回転速度制御が可能である。
以上、本考案の実施例を図面により詳しく述べてきたが、具体的な構成は本実施例に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本考案に含まれる。例えば、上述の実施例では、通信機能を内蔵するものであったが、通信機能を省いて固定もしくは可変の速度制御指令や位置決め制御指令を与えるようにしても良い。
本考案による搬送用モータ装置は、ベルトコンベア装置やローラコンベア装置等以外の搬送装置にも広く利用可能である。
本考案の実施例1である搬送用モータ装置の機械的な構成を示す回転軸方向の断面図である。 同搬送用モータ装置の電気的な構成を示すブロック図である。 同搬送用モータ装置の制御例を説明するための図(その1)である。 同搬送用モータ装置の制御例を説明するための図(その2)である。 本考案の実施例2である搬送用モータ装置の電気的な構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…ローラ
2…ロータ
3…ステータ
4、5…軸受
6…固定軸
7…ステータ固定板
9…駆動コイル
10…制御回路基板
11…ロータ位置センサ
12…エンコーダディスク
13…エンコーダセンサ
14…I/Oコネクタ
21…制御部
21a…速度指令機能手段
21b…位置決め指令機能手段
21c…モータ制御機能手段
21d…PWM制御機能手段
21e…通信機能手段
21f…速度・位置情報算出機能手段
22…インバータ部
23…ロータ位置検出部
24…速度・位置情報生成部

Claims (5)

  1. 搬送用の駆動ローラ内に速度制御が可能な駆動モータを配置し、前記駆動モータのロータと前記駆動ローラとを直接結合する構造としたことを特徴とする搬送用モータ装置。
  2. 前記駆動ローラ内に、前記駆動ローラの回転を制御する制御回路基板を内蔵することを特徴とする請求項1記載の搬送用モータ装置。
  3. 前記ロータにエンコーダディスクを直結し、前記制御回路基板上で前記エンコーダディスクから速度情報と位置情報のいずれか一方又は双方を検出する検出手段を備えることを特徴とする請求項2記載の搬送用モータ装置。
  4. 前記制御回路基板上に前記駆動モータの回転制御に用いるロータ位置センサの検出信号を共用して速度情報と位置情報のいずれか一方又は双方を算出する算出手段を備えることを特徴とする請求項2記載の搬送用モータ装置。
  5. 前記制御回路基板が速度情報と位置情報のいずれか一方又は双方及び駆動モータの制御指令情報を外部と通信する通信手段を備えることを特徴とする請求項3又は4記載の搬送用モータ装置。
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