JP2008141908A - ブラシレスモータおよびそれを備えた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な搭載スペースを確保できない場合であってもモータトルク等についての要求仕様を満たすことができるブラシレスモータを提供する。
【解決手段】ブラシレスモータにおける主ロータ部40は、主ステータ部30の各ティース32aと対向するように環状に並べられた複数の永久磁石からなる磁石部42と、回転軸としてのコラムシャフト102に固定されたロータ磁性体44とからなる。ロータ磁性体44は、上端側においてコラムシャフト102の周囲に環状の中空領域40sを有している。その中空領域40sにレゾルバ用ステータ50が配置され、ロータ磁性体44のうち当該中空領域40sを囲む環状部分60が可変リラクタンス型レゾルバのアウターロータとして機能する。
【選択図】図2

Description

本発明は、同期モータか非同期モータかに拘わらず、ブラシレスモータに関するものであり、更に詳しくは、レゾルバを内用したブラシレスモータおよびそれを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することによりステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。この電動パワーステアリング装置において、電動モータの発生するトルクが減速機を介してステアリング機構に伝達される構成の場合には、その減速機での騒音や、振動、摩擦によりモータトルクの伝達効率が低下することに加えて、その電動モータの慣性モーメントが減速比の2乗に増幅される等の問題がある。このため、ハンドル操作に応じて回転するコラムシャフトに対し同軸上に電動モータの出力軸が配置され、当該電動モータのトルクが減速機を介さずに直接にコラムシャフトに伝達されるように構成された電動パワーステアリング装置も提案されている。
なお、特許第2539629号明細書には、本願発明に関連する技術として、ダイレクトドライブモータを使用した電動パワーステアリング装置であって、上側コラムシャフトにロータの回転位置を検出する回転位置センサを取り付けてその出力信号により、上、下側コラムシャフト間の捩れ量(トルク)を検出し得るように構成された電動パワーステアリング装置が開示されている。
特許第2539629号明細書
上記のように減速機を介さずにコラムシャフト等の被駆動部材に直接に連結された電動モータ、すなわちダイレクトドライブモータを電動パワーステアリング装置等で使用する場合、モータトルク等についての要求仕様を満たそうとすると、モータのサイズが大きなものとなり、搭載スペースを十分に確保することが困難となる。
また、電動パワーステアリング装置の駆動源として従来はブラシ付きモータが多く用いられてきたが、近年は信頼性及び耐久性の向上や慣性の低減等の観点からブラシレスモータの使用が進んでいる。
そこで、本発明の目的は、十分な搭載スペースを確保できない場合であってもモータトルク等についての要求仕様を満たすことができるブラシレスモータを提供することである。また、本発明の他の目的は、大きなスペースを必要とすることなく減速機を介さずにステアリング機構に操舵補助力を与えるブラシレスモータを搭載した電動パワーステアリング装置を提供することである。
第1の発明は、レゾルバを内蔵するブラシレスモータであって、
環状のモータ用ステータと、
前記モータ用ステータの内側において所定の軸部材を中心に回転自在に支持され、当該軸部材における所定部分の周囲に環状の中空領域を有するモータ用ロータと、
前記中空領域内に前記軸部材に対し同心状に配置されたレゾルバ用ステータと、
前記レゾルバ用ステータを囲み、前記モータ用ロータと一体的に回転する環状のレゾルバ用ロータとを備え、
前記レゾルバ用ロータと前記レゾルバ用ステータとは、前記モータ用ロータの回転位置を検出するための可変リラクタンス型レゾルバを構成することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記レゾルバ用ロータは、前記モータ用ロータのヨークの内周側部分を構成することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、
前記モータ用ロータのヨークは、電磁鋼板または軟磁性粉末材料からなることを特徴とする。
第4の発明は、第2の発明において、
前記モータ用ロータは、外周面を形成するように配置された複数の永久磁石を含み、
前記複数の永久磁石は、前記複数の永久磁石の極間が前記レゾルバ用ロータの径方向厚みの最も小さい部分から周方向にずれるように配置されていることを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明において、
前記モータ用ステータは、周方向に所定間隔で設けられた6の倍数のスロットを有し、3相巻線を施されていることを特徴とする。
第6の発明は、電動パワーステアリング装置であって、
第1の発明に係るブラシレスモータを備え、
前記ブラシレスモータは、車両の操舵操作に応じて駆動されることにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与えることを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明において、
前記操舵操作に応じて回転するコラムシャフトを更に備え、
前記モータ用ロータは、前記コラムシャフトと同軸上に配置されて一体的に回転するように前記コラムシャフトに結合されていることを特徴とする。
上記第1の発明では、モータ用ロータの回転位置を検出するためのアウターロータ構成の可変リラクタンス型レゾルバがブラシレスモータに内蔵されており、レゾルバ用ステータは、モータ用ロータにおける中空領域に配置され、レゾルバ用ロータは、レゾルバ用ステータを囲み、モータ用ロータと一体的に回転する環状部材として構成されている。このような構成によれば、例えばブラシレスモータが減速機を介さずに被駆動部材を直接駆動する装置において、要求仕様を満たすべく当該ブラシレスモータを大型化する場合に、その駆動制御のために使用されるレゾルバに必要なスペースを削減することができる。したがって、モータトルク等の要求仕様を満たす従来のブラシレスモータを使用しようとすると十分な搭載スペースを確保できない場合であっても、その要求仕様を満たすブラシレスモータを使用することが可能となる。
上記第2の発明によれば、ブラシレスモータに内蔵される可変リラクタンス型レゾルバのアウターロータは、モータ用ロータのヨークの内周側部分を構成するので、モータの部品とレゾルバの部品とが共用されることになる。これにより、要求仕様を満たすブラシレスモータおよびその駆動制御に使用されるレゾルバをコンパクトに実現することができる。
上記第3の発明によれば、モータ用ロータのヨークは、電磁鋼板または軟磁性粉末材料からなるので、透磁率が高く、内蔵のレゾルバの磁束を容易に通過させ、当該レゾルバを良好に動作させることができる。
上記第4の発明によれば、モータ用ロータの外周面を形成する複数の永久磁石は、それらの極間がレゾルバ用ロータの径方向厚みの最も小さい部分から周方向にずれるように配置されているので、モータ駆動のための磁束による磁気飽和によってモータ用ロータのヨーク部におけるレゾルバの磁束の通過が妨げられることがない。
上記第5の発明によれば、3相のブラシレスモータにおけるモータ用ロータのスロット数が偶数であることから、モータ用ロータとモータ用ステータとの間でのアンバランスな吸引力の発生が抑制される。
上記第6の発明によれば、電動パワーステアリング装置において、モータ搭載のために大きなスペースを確保できない場合であっても、ブラシレスモータの駆動制御のために使用されるレゾルバを当該モータに内蔵することで、使用可能なブラシレスモータを大型化することができる。
上記第7の発明によれば、電動パワーステアリング装置において、大きなスペースを必要とすることなく大型のブラシレスモータの使用が可能となり、モータ用ロータがコラムシャフトと同軸上に配置されて当該ブラシレスモータによりコラムシャフトが直接に駆動されるので、モータに対する要求仕様を満たしつつ、減速機での騒音や、振動、摩擦によるモータトルクの伝達効率の低下を解消することができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
<1.電動パワーステアリング装置の概略構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るブラシレスモータを備えた電動パワーステアリング装置の構成をそれに関連する車両構成と共に示す概略図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵のための操作手段としてのハンドル100に一端が固着されるコラムシャフト102と、そのコラムシャフト102の他端に一端が連結されたインターミディエイトシャフト103と、そのインターミディエイトシャフト103の他端に連結されたラックピニオン機構104と、ハンドル100の操作によってコラムシャフト102に加えられる操舵トルクを検出するためのトルクセンサ3と、当該車両の走行速度を検出する車速センサ4と、ハンドル操作における運転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生するブラシレスモータ6と、車載バッテリ8から電源の供給を受けて、モータ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5とを備えている。
この電動パワーステアリング装置では、モータ6が発生する操舵補助力としてのトルクをコラムシャフト等のステアリング機構に伝達するための減速機は存在せず、モータ6のロータがコラムシャフト102と同軸上に配置されてコラムシャフト102と一体的に回転する。すなわち、モータ6はダイレクトドライブモータである。また、モータ6は、後述のように構成されたブラシレスモータであってロータの回転位置を検出するためのレゾルバを内蔵している。このレゾルバから出力される信号(以下「レゾルバ信号」という)SrはECU5に入力され、ECU5は、トルクセンサ3および車速センサ4からのセンサ信号とレゾルバ信号Srとに基づき、ブラシレスモータ6を駆動するための電圧Vu,Vv,Vwを生成し当該モータ6に印加する。
上記のように構成された電動パワーステアリング装置を搭載した車両において、運転者がハンドル100を操作すると、トルクセンサ3によって検出される操舵トルクと車速センサ4によって検出される車速とモータ6内のレゾルバによって検出されるロータ回転位置とに基づいてECU5によりモータ6が駆動される。これによりモータ6は操舵補助力を発生し、この操舵補助力がコラムシャフト102に加えられることにより、操舵操作における運転者の負荷が軽減される。すなわち、ハンドル操作によって加えられる操舵トルクとモータ6の発生する操舵補助力との和が、出力トルクTbとして、コラムシャフト102およびインターミディエイトシャフト103を介してラックピニオン機構104に与えられる。これによりピニオン軸が回転すると、その回転がラックピニオン機構104によってラック軸の往復運動に変換される。ラック軸の両端はタイロッドおよびナックルアームからなる連結部材106を介して車輪108に連結されており、ラック軸の往復運動に応じて車輪108の向きが変わる。
<2.モータの構成>
次に、図2〜図4を参照して本実施形態に係るブラシレスモータ6の構成について説明する。図2(a)は、このブラシレスモータ6の構成を示す横断面図であり、図2(b)は、このブラシレスモータ6の構成を示す縦断面図であり、図3は、このブラシレスモータ6のうち、主ステータ部30、主ロータ部40、およびレゾルバ用ステータ50からなる主要部の構成を示す平面図であり、図4は、このブラシレスモータ6の主ロータ部40における永久磁石とレゾルバ用ロータ(ロータ磁性体44の環状部分60)との位置関係を説明するための部分拡大平面図である。ただし、図2(a)は、図2(b)のA−A線における断面図であり、図2(a)および図4では、モータ用ステータコア32およびレゾルバ用ステータコア52に施されるべき巻線は省略されている。
本実施形態に係るブラシレスモータ6は、アウターロータ構成の可変リラクタンス型レゾルバを内蔵した12スロット・10極の3相永久磁石同期モータであって、モータ用ステータとしての主ステータ部30と、モータ用ロータおよびレゾルバ用ロータとして機能する主ロータ部40と、レゾルバ用ステータ50とを備えている。主ステータ部30は、当該モータ6の回転軸としてのコラムシャフト102に垂直な上部壁12aおよび底部壁12bと回転軸に平行な周壁12cとからなるハウジング内に固定され、主ロータ部40は、コラムシャフト102に対し同軸上に固定されている。
主ステータ部30は、回転軸としてのコラムシャフト102に対して同心状に配置された環状のモータ用ステータコア32と、u相、v相およびw相からなる3相のモータ巻線34とからなる。モータ用ステータコア32は、珪素鋼板等の電磁鋼板を積層して、又は軟磁性粉末材料を成形して作製され、このモータ用ステータコア32には、当該モータ6の中心方向(回転軸に向かう方向)に突出した複数個(図2の例では12個)のティース32aが周方向に等間隔で形成されている。隣接するティース32a間には巻線が配置されるべきスロット32sが1つずつ設けられており、ティース32aと同数のスロット32sが周方向に並んでいる。そして、各ティース32aにu相、v相およびw相のいずれかの相の巻線34が施されていて(3相の集中巻きが施されていて)、それらのモータ巻線34に3相電圧を印加することによって回転磁界を発生できるようになっている。
主ロータ部40は、主ステータ部30の内周面と対向しかつN極とS極とが交互に現れるように周方向に配置された複数個の永久磁石からなる環状のロータ磁石部42と、そのロータ磁石部42の内周側に固定された略軸対称のロータ磁性体(軟磁性体材料等からなる鉄心)44とからなる。このロータ磁性体44は、モータ用ロータにおけるヨークを構成する。また、図2(b)に示すように、このロータ磁性体44は、回転軸としてのコラムシャフト102の所定部分(本実施形態ではモータの上端側の部分)の周囲に環状の中空領域40sを有している。図2(b)および図3に示すように、ロータ磁性体44のうち中空領域40sおよびその領域40s内に配置されたレゾルバ用ステータ50を囲む環状部分60は、その径方向の厚みが周方向の位置によって異なる構造となっており、その内周面とモータ6の回転軸との距離が主ロータ部40の回転位置によって変化する。これにより、当該環状部分60は、モータ6に内蔵される可変リラクタンス型レゾルバのロータ(アウターロータ)として機能する。
レゾルバ用ステータ50は、中心に貫通孔を有するレゾルバ用ステータコア52と、励磁巻線および検出巻線からなるレゾルバ巻線54とから構成され、主ロータ部40のロータ磁性体44における上記中空領域40s内にコラムシャフト102に対し同心状に配置されている(図2(b)、図3)。レゾルバ用ステータコア52は、珪素鋼板を積層してなる鉄心であって、モータ6のハウジングを構成する上部壁12aに固定されている。電動パワーステアリング装置において、本実施形態に係るモータ6は、その回転軸としてのコラムシャフト102がレゾルバ用ステータ50との間に間隙を空けて上記貫通孔を通過するように配置される。
また、レゾルバ用ステータコア52には、当該モータ6の回転軸から外側方向に突出する複数個(図2の例では10個)のティース52aが周方向に等間隔で形成され、隣接するティース間にはレゾルバ巻線54が配置されるべきスロット52sが1つずつ設けられている。各ティース52aには、励磁巻線が施されると共に、検出巻線としてのSIN巻線およびCOS巻線が施されている。ここで、各ティース52aとロータ磁性体44における環状部分60の内周面との間隔が主ロータ部40の回転角θに応じて変化することから(図3参照)、励磁巻線への励磁電流の供給によって形成され各ティース52aを通る磁気回路の磁気抵抗は、主ロータ部40の回転角θに応じて変化する。これを利用して、主ロータ部40の回転角θに応じて正弦関数状に振幅が変化する電圧がSIN巻線に誘起されると共に、余弦関数状に振幅が変化する電圧がCOS巻線に誘起されるように、各ティース52aに、SIN巻線を構成する巻線およびCOS巻線を構成する巻線が施されている。
ところで、上記のように各ティース52aとロータ磁性体44における環状部分60の内周面との間隔が主ロータ部40の回転角θに応じて変化することから、ロータ磁性体44の環状部分60(レゾルバのロータとして機能する部分)の径方向の厚みも一定ではなく、本実施形態では図3に示すように、その径方向厚みが最小値DRminとなる箇所(以下「最狭箇所」という)が5箇所存在する。一方、このロータ磁性体44はモータ用ロータのヨークを構成するので、モータ6の駆動のために生成される磁束の密度は、このロータ磁性体44のうち、その外周部に配置されるロータ磁石部42における永久磁石の境界部(N極とS極との境界部)Bpの付近で最も高くなる(図4参照)。そこで本実施形態では、レゾルバ巻線54への励磁電流の供給によって発生する磁束(以下「レゾルバ磁束」という)がロータ磁性体44における磁気飽和によって通過しにくくなるのを回避するために、ロータ磁性体44の環状部分60における最狭箇所が永久磁石の境界部Bpと一致しないようにしている。すなわち図4に示すように、主ロータ部40において、永久磁石の極間Bpがロータ磁性体44の環状部分60(レゾルバ用ロータに相当する部分)における最狭箇所から周方向にずれるように、ロータ磁石部42を構成する永久磁石とロータ磁性体44の環状部分60との周方向の位置関係が設定されている。これにより、ロータ磁性体44の環状部分60において、必要となるレゾルバ磁束の通過が確保される。
モータ6の回転軸としてのコラムシャフト102は、ハウジングにおける上部壁12aおよび底部壁12bとの間に設けられたベアリング13によって回転自在に軸支されている。既述のように、ロータ磁石部42およびロータ磁性体44からなる主ロータ部40は、このコラムシャフト13に固定されて一体的に回転する。
<3.電動パワーステアリング装置におけるモータ動作>
上記のように構成されたブラシレスモータ6の動作中においては、レゾルバ巻線54のうち励磁巻線に所定の励磁電流(交流)が供給され、レゾルバ用ステータ50とロータ磁性体44の環状部分60との周方向の位置関係に応じた電圧がレゾルバ巻線54における検出巻線(SIN巻線およびCOS巻線)に誘起され、これれらの誘起電圧はレゾルバ信号Srとしてモータ6から出力される。このブラシレスモータ6を備える電動パワーステアリング装置(図1)では、ECU5が、トルクセンサ3および車速センサ4のセンサ信号から操舵トルクおよび車速を検出すると共に、そのレゾルバ信号Srからモータ6における主ロータ部40の回転位置を検出する。そしてECU5は、検出された操舵トルクおよび車速に基づき、操舵補助力として発生すべきモータトルク(またはそれに対応する目標電流)を算出し、このモータトルクを発生させるための3相電圧Vu,Vv,Vwを、検出された主ロータ部40の回転位置に基づき生成し、モータ6の主ステータ部30のモータ巻線34に印加する。これにより、モータ6の主ステータ部30は回転磁界を発生し、この回転磁界と主ロータ部40の磁石部42との相互作用によってモータトルクを発生する。
<4.効果>
以上のように本実施形態では、モータ用ロータとしての主ロータ部40の回転位置を検出するための可変リラクタンス型レゾルバがブラシレスモータ6に内蔵されており、このレゾルバのステータ50は、主ロータ部40における中空領域40sに配置され、このレゾルバ50のロータは、主ロータ部40のうちモータ用ロータのヨークを構成するロータ磁性体44の一部(環状部分60)として設けられている。このような構成によれば、ブラシレスモータが減速機を介さずにコラムシャフト102を直接駆動する電動パワーステアリング装置において、要求仕様を満たすべく当該ブラシレスモータを大型化する場合に、その駆動制御のために使用されるレゾルバに必要なスペースを削減することができる。したがって本実施形態によれば、モータトルク等の要求仕様を満たす従来のブラシレスモータを使用しようとすると十分な搭載スペースを確保できない場合であっても、その要求仕様を満たすブラシレスモータを使用することが可能となる。そして、本実施形態に係るブラシレスモータを電動パワーステアリング装置において使用する場合において、モータに対する要求仕様を満たしつつ、減速機による騒音や、振動、摩擦によるモータトルクの伝達効率の低下を解消することができ、モータの慣性モーメントの減速機による増幅を回避することもできる。
また、本実施形態によれば、モータ6に内蔵される可変リラクタンス型レゾルバのアウターロータは、モータ用ロータとしての主ロータ部40におけるヨークの内周側部分を構成するので、モータの部品とレゾルバの部品とが共用されることになり、要求仕様を満たすブラシレスモータおよびその駆動制御に使用されるレゾルバをコンパクトに実現することができる。
なお、主ロータ部40のうちモータ用ロータのヨークを構成するロータ磁性体44(環状部分60を含む)は、珪素鋼板等の電磁鋼板を積層して、又は軟磁性粉末材料を成形して作製されているので、透磁率が高く、レゾルバ磁束を容易に通過させる構成となっている。さらに、主ロータ部40において、永久磁石の極間(境界部Bp)がロータ磁性体44の環状部分60における最狭箇所から周方向にずれるように、ロータ磁石部42とロータ磁性体44との位置関係が設定されているので(図3、図4参照)、モータ駆動のための磁束による磁気飽和によってロータ磁性体42(の環状部分60)におけるレゾルバ磁束の通過が妨げられることもない。
<5.変形例>
上記実施形態では、図2に示すように、ブラシレスモータ6に内蔵されるレゾルバのアウターロータがモータ用ロータのヨークの一部となっているが、レゾルバ用のアウターロータとモータ用ロータとが別々に設けられていてもよい。ただし、上述のように、部品の共用化の観点から、上記実施形態の構成が好ましい。
上記実施形態では、ブラシレスモータ6は、3相の永久磁石同期モータとして構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、内蔵のレゾルバによるモータ用ロータ位置の検出結果に基づき、モータ用ステータに施された巻線に駆動電圧が印加されるような構成であれば、本発明を適用することができる。したがって、上記実施形態以外のブラシレスモータ、例えば永久磁石を使用しない同期モータや、同期モータか非同期モータかに拘わらず他のブラシレスモータについても本発明の適用が可能である。
また、主ステータ部30のスロット数および主ロータ部40の磁極数も上記実施形態に限定されない。しかし、主ステータ部(モータ用ロータ)30のスロット32sの個数を奇数にした場合、例えば図5(a)に示すように3個とした場合には、主要な2つの磁気回路MC1,MC2にそれぞれ対応して発生する2つの吸引力F1,F2は釣り合わず、アンバランスな吸引力が発生する。このようにモータのステータとロータとの間にアンバランスな吸引力が働くと、ロータを支持するベアリングの寿命の短縮化を招いたり、ロータの“歳差運動”を誘発したりする。これに対し、主ステータ部30のスロット32sの個数を偶数にした場合、例えば図5(b)に示すように6個とした場合には、主要な2つの磁気回路MC1,MC2にそれぞれ対応して発生する2つの吸引力F1,F2は互いに釣り合い、その結果、アンバランスな吸引力の発生が抑制される。一般に本実施形態のように3相のブラシレスモータが使用されることが多いので、このようなアンバランス吸引力の発生を防止するという観点から、主ステータ部30におけるスロット32sの個数を6の倍数(3の倍数かつ偶数)とするのが好ましい。
なお、上記実施形態では、ブラシレスモータ6のモータ用ロータ(またはモータ出力軸)が電動パワーステアリング装置においてコラムシャフト102に対し同軸上に配置されている。しかし、本発明に係るブラシレスモータは、このようなコラム同軸タイプ以外の電動パワーステアリング用のモータとして使用することも可能であり、また、電動パワーステアリング装置以外の装置において使用することも可能である。そして本発明は、要求仕様を満たすべくブラシレスモータを大型化することが必要な場合に特に有効である。
本発明の一実施形態に係るブラシレスモータを備えた電動パワーステアリング装置の構成をそれに関連する車両構成と共に示す概略図である。 上記実施形態に係るブラシレスモータの構成を示す横断面図(a)および縦断面図(b)である。 上記実施形態に係るブラシレスモータの主要部の構成を示す平面図である。 上記実施形態に係るブラシレスモータの主ロータ部における永久磁石とレゾルバ用ロータ(ロータ磁性体の環状部分)との位置関係を説明するための部分拡大平面図である。 ブラシレスモータにおけるアンバランス吸引力を説明するための模式図である。
符号の説明
3…トルクセンサ、5…電子制御ユニット(ECU)、6…ブラシレスモータ、30…主ステータ部(モータ用ステータ)、32…モータ用ステータコア、34…モータ巻線、40…主ロータ部(モータ用ロータ)、40s…中空領域、42…ロータ磁石部、44…ロータ磁性体、50…レゾルバ用ステータ、52…レゾルバ用ステータコア、54…レゾルバ巻線、60…(ロータ磁性体の)環状部分、102…コラムシャフト(回転軸、軸部材)、Bp…永久磁石の境界部、Sr…レゾルバ信号。

Claims (7)

  1. レゾルバを内蔵するブラシレスモータであって、
    環状のモータ用ステータと、
    前記モータ用ステータの内側において所定の軸部材を中心に回転自在に支持され、当該軸部材における所定部分の周囲に環状の中空領域を有するモータ用ロータと、
    前記中空領域内に前記軸部材に対し同心状に配置されたレゾルバ用ステータと、
    前記レゾルバ用ステータを囲み、前記モータ用ロータと一体的に回転する環状のレゾルバ用ロータと
    を備え、
    前記レゾルバ用ロータと前記レゾルバ用ステータとは、前記モータ用ロータの回転位置を検出するための可変リラクタンス型レゾルバを構成することを特徴とする、ブラシレスモータ。
  2. 前記レゾルバ用ロータは、前記モータ用ロータのヨークの内周側部分を構成することを特徴とする、請求項1に記載のブラシレスモータ。
  3. 前記モータ用ロータのヨークは、電磁鋼板または軟磁性粉末材料からなることを特徴とする、請求項2に記載のブラシレスモータ。
  4. 前記モータ用ロータは、外周面を形成するように配置された複数の永久磁石を含み、
    前記複数の永久磁石は、前記複数の永久磁石の極間が前記レゾルバ用ロータの径方向厚みの最も小さい部分から周方向にずれるように配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のブラシレスモータ。
  5. 前記モータ用ステータは、周方向に所定間隔で設けられた6の倍数のスロットを有し、3相巻線を施されていることを特徴とする、請求項1に記載のブラシレスモータ。
  6. 請求項1に記載のブラシレスモータを備え、
    前記ブラシレスモータは、車両の操舵操作に応じて駆動されることにより当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与えることを特徴とする、電動パワーステアリング装置。
  7. 前記操舵操作に応じて回転するコラムシャフトを更に備え、
    前記モータ用ロータは、前記コラムシャフトと同軸上に配置されて一体的に回転するように前記コラムシャフトに結合されていることを特徴とする、請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
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