JP5247411B2 - 回転角度検出装置、回転角度検出方法、および電動パワーステアリング装置 - Google Patents

回転角度検出装置、回転角度検出方法、および電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、永久磁石型回転電機に関するものであり、例えば、車両用の電動パワーステアリング装置に適用されるサーボモータのような永久磁石型回転電機に関する。
近年様々な用途に永久磁石型回転電機が採用されており、要求される性能として、低コギングトルクがある。コギングトルクは、振動の原因となり、例えば、電動パワーステアリング装置に用いられるモータでは、操舵フィーリングを向上するために、コギングトルクを非常に小さくする必要がある。
また、その一方で、モータの小型化や低コスト化の要求に応えるために、エンコーダやレゾルバなどの回転角度検出装置を具備しなくとも、回転角度を検出してモータを駆動する、いわゆる「回転センサレス駆動」の技術が開発されている。例えば、この回転センサレス駆動としては、N極とS極とを区分する極間を中心として回転子の正、逆回転方向にそれぞれ電気角80〜100°の角度区間において、非磁性体層を回転子の外表面においたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、筒状部材を外嵌固定するものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開平9-294391号公報 特開2006-109663号公報
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。
このような永久磁石型回転電機にあっては、N極とS極とを区分する極間を中心として、回転子の正、逆回転方向にそれぞれ電気角80〜100°の角度区間において、非磁性体層を回転子の外表面に置くか、あるいは筒状部材を外嵌固定している。このため、インダクタンスの回転角度による変化が小さいという課題があった。
従来から知られている自己始動形の永久磁石形同期電動機の例においても、導体の配置が適切でないため、インダクタンスの回転角度による変化が得られないため、回転角度の検出には適していないという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電機子電流を測定することにより回転角度の検出を可能にすることを目的とする。
本発明に係る永久磁石型回転電機は、電機子巻線を有する固定子と、回転子鉄心および複数の永久磁石を有する回転子とを備えた永久磁石型回転電機の回転角度検出装置であって、回転子の回転軸に延在し、回転子の周方向に2箇所以上配置された第1導体と、第1導体間を電気的に接続する第2導体とで構成される導通回路を備え、第1導体は、永久磁石の磁極中心を基準として周方向に電気角−45度から+45度の範囲、または磁極中心から電気角90度離れた位置を基準として周方向に電気角−45度から+45度の範囲のいずれか一方の範囲に配置され、導通回路は、周方向に1箇所以上設けられるとともに、前記永久磁石における前記回転子鉄心の径方向の外周面上とは異なる位置に設けられ、電機子巻線に流れる電流を測定することによって回転角度を検出する検出手段をさらに備えるものである。

本発明によれば、導通回路を設け、電機子巻線に高周波電流を注入したときのd軸インピーダンスとq軸のインピーダンスに差異が発生し回転子の回転角度に応じて大きさの異なる誘導電流が導通回路に流れる原理を利用して、電機子電流を測定することにより回転角度の検出が可能となる。
以下、本発明の永久磁石型回転電機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
本実施の形態1では、永久磁石型回転電機の回転子に導体からなる誘導電流回路(導通回路)を設けて、回転子の回転角度の検出を行う場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における永久磁石型回転電機の説明図であり、導体1を回転子20に配置した場合を示している。理解を助けるために、図1においては、永久磁石型回転電機を直線状に描いており、固定子10と回転子20の位置関係について2通り(回転子位置A、B)を示している。
また、図1の上部には、固定子鉄心11と電機子巻線12とを有する固定子10が示されている。さらに、その下には、電機子巻線12に流れる電機子電流によって発生する磁界の空間的な分布が示されている。ここでは、説明を簡単にするために、基本波成分(空間次数が極対数に一致する成分)のみを示している。
また、図1の下部には、固定子10に対する回転子位置として、A、B2つの位置が示されている。隣接する永久磁石22の間に導体1が配置されており、NとSは、永久磁石22の極性を示している。実際には、固定子鉄心11、電機子巻線12、導体1、永久磁石22等は、モータの回転軸方向に延在するが、図1では、簡略化して断面図のみを示している。なお、導体1は、銅やアルミニウムなど導電性の部材で構成される。
回転子位置Aでは、導体1の位置が、電機子電流による磁界がゼロとなる位置に一致している。この位置においては、電機子巻線12からの磁界によって発生する磁束が隣り合う導体1間に鎖交する鎖交磁束数が最大となる。
一方、回転子位置Bでは、導体1の位置が、電機子電流による磁界が最大(あるいは最小)となる位置に一致している。この位置においては、隣り合う導体1間に鎖交する鎖交磁束数が最小となる。
導体1が作る閉回路に交流磁束が鎖交すると、導体1に誘導電流が流れる。鎖交磁束数が大きいほど、誘導電流も大きくなる。すなわち、回転子位置Bでは、導体1にほとんど誘導電流が流れないのに対し、回転子位置Aでは、誘導電流が大きくなる。誘導電流が流れるとモータのインピーダンスが変化するため、回転子位置Aと回転子位置Bではインピーダンスが異なる。この場合、回転子位置Aの方が、インピーダンスが小さくなる。さらに、図1のように永久磁石22の間に導体1を配置していれは、導体1の鎖交磁束数は、電気角180度周期で変化することがわかる。
次に、図2は、本発明の実施の形態1における永久磁石型回転電機の別の説明図であり、導体1を永久磁石22の磁極中心付近に配置した場合を示している。先の図1の場合とは逆に、図2における回転子位置Aでは、導体1の位置が、電機子電流による磁界が最大(あるいは最小)となる位置に一致している。一方、図2における回転子位置Bでは、導体1の位置が、ゼロとなる位置に一致している。
なお、磁極中心とは、各磁極を構成する永久磁石の周方向の中心の角度位置のことを表す。これは、d軸(直軸とも言う)の周方向位置あるいはd軸から電気角180度離れた周方向位置と一致する。例えば、後述する図3、図4では、1つの磁極に対する磁極中心のみを示しているが、磁極中心は、それぞれの磁極に対して定義できる。
図2のような構成においては、先の図1のときとは逆に、回転子位置Aのときには、導体1に鎖交する磁束数が最小となり、回転子位置Bのときには導体1に鎖交する磁束数が最大となる。この結果、回転子位置Aでは導体1にほとんど誘導電流が流れないのに対し、回転子位置Bでは誘導電流が流れることになる。すなわち、回転子位置AよりBの方が、インピーダンスが小さくなる。
さらに、先の図1のときと同様に、図2の構成においても、導体1の鎖交磁束数は、電気角180度周期で変化することがわかる。従って、図1、図2のような構成により、回転子20の位置によってモータのインピーダンスが電気角180度周期で変化するという効果が得られる。
導体1は、どの位置に配置しても、このような効果が得られる訳ではない。回転子20の位置によるインピーダンスの変化の周期が電気角180度となるためには、導体1の配置を工夫する必要がある。図3は、本発明の実施の形態1における導体1の第1の配置例を示す図であり、導体1を磁極中心付近に配置している。また、図4は、本発明の実施の形態1における導体1の第2の配置例を示す図であり、導体1を磁極中心から電気角90度離れた位置付近に配置している。ただし、この図4では、1つの磁極中心から±90度の位置に配置された導体1のみを示し、その他の導体1は省略している。
図3のように、磁極中心から電気角±45度の範囲に導体1が配置されていて、かつ磁極中心から電気角90度離れた位置から電気角±45度の範囲に導体1が配置されていない場合には、導体1の鎖交磁束数は、電気角180度周期で変化する。
また、図4のように、磁極中心から電気角90度離れた位置から電気角±45度の範囲に導体1が配置され、かつ磁極中心から電気角±45度の範囲に導体1が配置されていない場合にも、導体1の鎖交磁束数は、電気角180度周期で変化する。これらのような場合に、回転子20の位置によってモータのインピーダンスが電気角180度周期で変化するという効果が得られる。
しかしながら、磁極中心から電気角±45度の範囲と、磁極中心から電気角90度離れた位置から電気角±45度の範囲との両方に導体1が存在する場合には、回転子20の回転角度による導体1の鎖交磁束の変化の周期は、電気角180度よりも小さくなるか、あるいは、鎖交磁束がほとんど変化しないことになる。このような場合は、上記効果は得られない。
次に、本発明のさらに具体的な構成について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1において、導体1を永久磁石22の周辺に配置した例示図である。理解を助けるために、周方向に配置されている複数の永久磁石22を、横方向に並べて、固定子10側から見た状態を示している。なお、図5では、6極を示しているが、モータの極数は、この限りではない。
また、図5においては、導体1a1、1a2が回転軸に平行な方向に延在する場合について説明したが、本発明は、これに限られるわけではない。図6は、本発明の実施の形態1において、導体を永久磁石の周辺に配置した別の例示図である。例えば、図6のように、導体1a1、1a2にスキューが施された状態で、導体1a1、1a2が回転軸の軸方向に延在しているような場合(すなわち、回転軸と平行でない場合)でも、同様の効果が得られる。以下では、図5の配置に基づいて説明する。
永久磁石22の隣には、モータの回転軸にほぼ平行あるいは平行な方向に延在する導体1a1、導体1a2が配置されている。また、導体1a1、導体1a2を電気的に接続する別の導体部分として、導体1b1、導体1b2が設けられている。このように、図5においては、第1導体である導体1a1、1a2と、第2導体である導体1b1、1b2とにより、導通回路(以下、電気回路と称す)が構成されている。
同じ構成の電気回路が周方向間隔α度(電気角)で配置されている。永久磁石22は、通常、電気角180度の間隔で配置されるので、αは、望ましくは電気角180度がよい。また、インピーダンスの変化が電気角180度周期とするには、電気回路の配置も電気角180度とするのが望ましい。
ただし、導体の配置が磁極中心から電気角±45度の範囲、または磁極中心から電気角90度離れた位置から電気角±45度の範囲のいずれか一方の範囲であれば、αは任意の値をとってよい。さらに、図5では、全ての永久磁石22の周辺に導体を配置した例を示したが、一部の永久磁石22にのみ導体を配置してもよい。
図7は、本発明の実施の形態1において、導体を永久磁石22の周辺に配置した別の例示図である。図7に示すように、6極ある内の3極分に電気回路を配置した場合にも、先の図5と同様に、回転子20の位置によってモータのインピーダンスが変化する効果を得ることができる。
また、図7では、電気回路を配置する間隔が電気角180度となっている場合を例示しているが、間隔が180×n度(nは、1以上の整数)であれば、各電気回路に鎖交する磁束の回転子位置依存性が同じとなるため、同様の効果を得ることができる。
ただし、特定の箇所にのみ、電気回路を設けるのではなく、図5の構成のように、回転子20の全周に渡って等間隔に電気回路を配置することで、回転バランスがよくなる。さらに、特定の箇所にのみ、電気回路を設ける場合と比較して、電機子巻線に高周波電流を注入したときのd軸インピーダンスとq軸のインピーダンスの差異が大きくなり、回転角度の検出精度を向上させることが可能となる。
図8は、本発明の実施の形態1において、全ての磁極に電気回路を設けた場合の回転子20を回転軸方向から見た図であり、8極ある全ての磁極に電気回路を設けた場合を例示している。また、図9は、本発明の実施の形態1において、一部の磁極に電気回路を設けた場合の回転子20を回転軸方向から見た図であり、8極のうち4極に電気回路を設けた場合を例示している。
さらに、図8、図9においては、回転軸にほぼ平行あるいは平行な方向に延在する導体1a1、導体1a2と、これらを電気的に接続する別の導体部分である導体1b1が示されており、導体1b2は、省略している。また、図9においては、電気回路の配置の周方向の間隔は、電気角360度となり、360=180×2(すなわち、n=2)であり、nが1以上の整数の条件を満たす。さらに、機械角90度ごとに4個配置されているので、回転のバランスもよいことは言うまでもない。
これまでの例は、第1導体および第2導体で構成される電気回路が1ターンである場合であった。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。図10は、本発明の実施の形態1において、第1導体および第2導体で構成される電気回路が3ターンである場合の例示図である。このように、電気回路のターン数を2以上とすることで、電気回路に鎖交する磁束の量を増加させるという効果が得られる。これにより、回転子20の位置によるインピーダンスの変化がより多く発生し、これを利用して回転角度の検出を向上させることが可能となる。
図11は、本発明の実施の形態1におけるモータの回転子20の斜視図である。回転子鉄心21の表面に永久磁石22が周方向に等間隔に配置されている。各永久磁石22の周辺には、回転軸に平行に延在する導体1a1、導体1a2(第1導体)があり、それらを電気的に接続する別の導体部分として導体1b1、導体1b2(第2導体)が設けられている。
これまでの例は、回転子20の表面に永久磁石22を配置した、いわゆる表面磁石型のモータであった。一般に、表面磁石型モータは、磁石埋め込み型に比べてコギングトルクやトルクリップルといったトルク脈動を低減するのが容易である。したがって、表面磁石型モータを用いて本発明を構成すれば、「低コギングトルク、低トルクリップル」と「回転角度検出」の両立が可能になるという効果がある。
従来から磁石埋め込み型の突極性を用いた「回転角度検出」については知られているが、磁石埋め込み型は、コギングトルク、トルクリップルといったトルク脈動を低減するのが困難であった。これに対して、本願発明では、突極性のない表面磁石型モータでも、導体に流れる誘導電流によって突極性を発生させて「回転角度検出」が可能となり、「低コギングトルク、低トルクリップル」との両立が可能となる。
ただし、本発明は、埋め込み磁石型にも適用することは可能である。図12は、本発明の実施の形態1において、磁石埋め込み型モータの回転子20を回転軸方向から見た図であり、回転子鉄心21の内部に永久磁石22が埋め込め込まれている。永久磁石22の外径側に回転軸にほぼ平行あるいは平行な方向に延在する導体1a1、導体1a2と、これらを電気的に接続する別の導体部分である導体1b1が示されており、導体1b2は省略している。このように電気回路を構成すれば、導体に流れる誘導電流によって、回転子20の位置に応じたインピーダンスの変化が発生し、これを利用して回転角度検出が可能となる。
先の図12は、全ての磁極に電気回路を設けた場合を例示した。これに対して、図13は、本発明の実施の形態1において、磁石埋め込み型モータの回転子20を回転軸方向から見た別の図であり、8極のうち4極に電気回路を設けた場合を例示している。この場合も、電気回路の配置の周方向の間隔は、電気角360度となり、360=180×2(すなわち、n=2)であり、nが1以上の整数の条件を満たす。さらに、機械角90度ごとに4個配置されているので、回転のバランスもよいことは言うまでもない。
さらに、先の図8〜図13で示した例は、導体1a1と導体1a2の周方向位置の中点が磁極中心に一致している例であった。このように、導体1a1と導体1a2の周方向位置の中点が磁極中心付近あるいは、磁極中心に一致している場合には、回転子20の位置によるインピーダンスの変化が大きくなり、d軸インピーダンスとq軸インピーダンスの差異が大きくなるという効果がある。その結果、回転角度の検出精度を向上させることが可能となる。
なお、d軸インピーダンスZd、およびq軸インピーダンスZqは、それぞれ下式(1)、(2)のように定義できる。
Zd=Ra+jωLd (1)
Zq=Ra+jωLq (2)
ここで、Raは電機子巻線抵抗、Ld、Lqはそれぞれd軸インダクタンス、q軸インダクタンス。ωは電機子に注入する高周波電流の周波数である。注入する高周波電流の周波数は、例えば、数百Hz〜数十kHzであるから、RaはωLdとωLqより十分小さくなる。導体に流れる誘導電流によってLdとLqに差異が発生するため、結果的にd軸インピーダンスとq軸インピーダンスの差異が発生する。
図14は、本発明の実施の形態1において、磁石埋め込み型モータの導体1a1と導体1a2の周方向位置の中点が磁極中心から電気角90度離れた位置にある場合の例示図である。この場合にも、回転子20の位置によるインピーダンスの変化が大きくなり、d軸インピーダンスとq軸インピーダンスの差異が大きくなるという効果がある。したがって、回転角度の検出精度を向上させることが可能となる。
本実施の形態1の構成を有するモータに高周波電流を注入したときに、電機子巻線12に流れる電流をdq変換し、d軸電流を横軸に、q軸電流を縦軸にとると、リサージュ波形を得ることができる。図15は、本発明の実施の形態1において、無負荷のときに高周波電流を注入したときのリサージュ波形を示した図である。
本実施の形態1で示した導体を設けない、従来例の表面磁石型のモータでは、突極性がほとんどなく、回転子20の位置によってインピーダンスがほとんど変化しないので、円のようなリサージュ波形を描く。しかしながら、本実施の形態1のモータでは、導体に誘導電流が流れることを利用して、インピーダンスが回転子20の位置によって変化するため、楕円形状のリサージュを描く。
図15に示した例では、d軸電流が大きい、すなわち、d軸インピーダンスが小さい例を示したが、逆にq軸インピーダンスが小さく構成することもできる。導体1a1、1a2を磁極中心付近に配置すれば、これが実現できる。この場合には、q軸電流が大きい楕円形状のリサージュとなる。
また、図16は、本発明の実施の形態1において、負荷電流が流れている場合のリサージュ波形を示した図である。負荷電流が流れると、鉄心の磁気飽和によりリサージュが傾くことがあるが、このような場合でも、負荷電流と楕円の長軸方向の傾きから、回転子位置を推定することが可能である。従って、電機子電流を測定することにより、回転角度検出が可能となる。
以上のように、実施の形態1によれば、回転子に上述したような構成の導体(導通回路)を設けることにより、電機子巻線に高周波電流を注入したときのd軸インピーダンスとq軸のインピーダンスに差異が発生する。従って、このような現象を利用して、エンコーダやレゾルバなどの回転角度検出装置を設けなくても、電機子電流を測定することにより、回転角度の検出が可能となる。この結果、永久磁石型回転電機の構造を簡素化でき、小型化や低コスト化を実現できる。
なお、本実施の形態1における図では、永久磁石22の保持について省略して示しているが、永久磁石22の保持部材があった場合にも、同様の効果が得られる。例えば、ステンレス製の管状の保持部材が永久磁石22の外周部分に設けられていてもよい。さらに、永久磁石22の材料にかかわらず同様の効果を得ることができる。例えば、フェライト磁石でもよいし、ネオジの焼結磁石のように希土類系の永久磁石でもよい。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、例えば、図5、図7に示したように、それぞれの永久磁石22の周囲に個別の電気回路を配置する場合について説明した。これに対して、本実施の形態2では、永久磁石22の周囲に設けられる導体の全てを電気的に接続した場合について説明する。
図17は、本発明の実施の形態2において、導体を永久磁石22の周辺に配置した例示図であり、全ての導体が電気的に接続されている。理解を助けるために、周方向に配置されている複数の永久磁石22を、横方向に並べて、固定子10側から見た状態を示している。なお、図17では、6極を示しているが、モータの極数は、この限りではない。
また、図17においては、導体1cが回転軸に平行な方向に延在する場合について説明したが、本発明は、これに限られるわけではない。図18は、本発明の実施の形態2において、導体を永久磁石の周辺に配置した別の例示図である。例えば、図18のように、導体1cにスキューが施された状態で、導体1cが回転軸の軸方向に延在しているような場合(すなわち、回転軸と平行でない場合)でも、同様の効果が得られる。以下では、図17の配置に基づいて説明する。
隣り合う永久磁石22の間には、モータの回転軸にほぼ平行あるいは平行な方向に延在する導体1cが配置されている。また、導体1cを電気的に接続する別の導体部分として、導体1d1と導体1d2が設けられており、全ての導体1cを電気的に接続するように構成されている。このように、図17においては、第1導体である導体1cと、第2導体である導体1d1、1d2とにより、導通回路(以下、電気回路と称す)が構成されている。
導体1cが配置される周方向の間隔は、α度(電気角)である。永久磁石22は、通常、電気角180度の間隔で配置されるので、αは、望ましくは電気角180度がよい。また、インピーダンスの変化が電気角180度周期とするには、導体1cの周方向の間隔も電気角180度とするのが望ましい。
ただし、導体の配置が磁極中心から電気角±45度の範囲、または磁極中心から電気角90度離れた位置から電気角±45度の範囲のいずれか一方の範囲であれば、αは任意の値をとってよい。さらに、図17では、全ての永久磁石22の周辺に導体を配置した例を示したが、一部の永久磁石22にのみ配置されていてもよい。
図19は、本発明の実施の形態2において、導体を永久磁石22の周辺に配置した別の例示図である。図19に示すように、6極ある内の3極分に導体1cを合計4個配置した場合にも、先の図17と同様に、回転子20の位置によってモータのインピーダンスが変化する効果を得ることができる。なお、図19では、4個の導体1cは導体1d1と導体1d2によって全てが電気的に接続されており、隣り合った3極分に導体を設けた例を示したが、必ずしも隣り合った磁極に導体を設ける必要はない。
図20は、本発明の実施の形態2において、全ての導体を電気的に接続した場合の回転子20を回転軸方向から見た図である。回転軸に垂直な面で切った断面図であり、8極の永久磁石22が周方向に配置された表面磁石型の回転子20である。導体1cは、8極全ての永久磁石22の間に合計8個設けられている。図20では省略しているが、これら8個の導体1cは、先の図17に示したように、全て別の導体部分(第2導体)によって電気的に接続されている。
このような構成にすることによって、電機子巻線12に高周波電流を注入したときに、インピーダンスが回転子20の位置によって変化するという効果が得られ、この現象を利用して回転子20の位置を検出できる。図21は、本実施の形態2において、回転子20の回転角度とインピーダンスとの関係を示した図である。図21に示すように、横軸を回転子20の回転角度、縦軸をインピーダンスとすれば、電気角180度周期でインピーダンスが変化する。
一方、図22は、本発明の実施の形態2において、全ての導体を電気的に接続した場合の回転子20を回転軸方向から見た別の図である。先の図20においては、8極ある永久磁石22の全ての間に導体1cを設けた場合を示したが、図22は、部分的に(8箇所中6箇所に)導体1cを設けた場合を示している。
図22では省略しているが、これら6個の導体1cは、先の図19に示したように、全て別の導体部分(第2導体)によって電気的に接続されている。このように、全ての永久磁石22間に設けなくても、同様の効果が得られる。
ただし、特定の箇所にのみ、電気回路を設けるのではなく、図17、図20の構成のように、全周に渡って等間隔に電気回路を配置することで、回転バランスがよくなる。さらに、特定の箇所にのみ、電気回路を設ける場合と比較して、電機子巻線に高周波電流を注入したときのd軸インピーダンスとq軸のインピーダンスの差異が大きくなり、回転角度の検出精度を向上させることが可能となる。
図20、図22では、導体1cは回転子鉄心21から径方向外側に飛び出した部分がある。このような構成にしておけば、電機子巻線12の高周波電流による磁束を、より効率よく鎖交させることができるという効果がある。すなわち、インピーダンスの回転子位置依存性が顕著に現れる。導体が回転子鉄心21に埋め込まれていても、インピーダンスの回転子位置依存性を持つという点では同様の効果が得られる。
導体1は、どの位置に配置しても、このような効果が得られる訳ではない。回転子20の位置によるインピーダンスの変化の周期が電気角180度となるためには、導体1の配置を工夫する必要がある。先の実施の形態1でも述べたように、先の図3、図4で示した位置関係に導体1を配置すれば、インピーダンスが回転子20の位置によって変化し、インピーダンスの変化の周期が電気角180度となる。
図23は、本発明の実施の形態2におけるモータの回転子20の斜視図である。回転子鉄心21の表面に永久磁石22が周方向に等間隔に配置されている。永久磁石22の間には、回転軸に平行に延在する導体1cが設けられている。導体1cを全て電気的に接続するための導体1d1が設けられており、図示しないが、反対側に導体1d2が設けられている。導体1d1と導体1d2は、エンドリングであり、これらは、円環状の導体であっても多角形状の導体でもよい。
先の図20と図22は、表面磁石型の例であったが、本発明は、磁石埋め込み型にも適用可能である。図24は、本発明の実施の形態2において、磁石埋め込み型モータの回転子20を回転軸方向から見た図であり、回転子鉄心21の内部に永久磁石22が埋め込まれている。各永久磁石22の間には導体1cが設けられている。この回転子20は、8極であり、導体1cは、8箇所に設けられている。この導体1c全ては、別の導体部分d1とd2(図示しない)によって電気的に接続されている。
一方、図25は、本発明の実施の形態2において、磁石埋め込み型モータの回転子20を回転軸方向から見た別の図であり、磁極中心付近に導体1cを設けた例である。この場合にも、8個設けられた導体1cは、別の導体部分d1とd2(図示しない)によって電気的に接続されている。
これにより、回転子位置によってインピーダンスが変化し、回転角度の検出が可能となる。図24、図25では、全ての磁極間あるいは、磁極中心に導体1cを設けた例を示したが、本発明は、これに限定されない。磁極間の一部あるいは、磁極中心の一部に導体1cを設けた場合にも、回転子20の位置によってモータのインピーダンスが変化するという同様の効果が得られることは言うまでもない。
本実施の形態2の構成を有するモータに高周波電流を注入したときに、電機子巻線12に流れる電流をdq変換し、d軸電流を横軸に、q軸電流を縦軸にとると、リサージュ波形を得ることができる。先の実施の形態1で用いた図15、図16を用いて、本実施の形態2で得られるリサージュ図形について説明する。
図15は、無負荷のときに高周波電流を注入したときのリサージュ波形を示した図である。本実施の形態2で示した導体を設けない、従来例の表面磁石型のモータでは、突極性がほとんどなく、回転子20の位置によってインピーダンスがほとんど変化しないので、円のようなリサージュ波形を描く。しかしながら、本実施の形態2のモータでは、導体に誘導電流が流れることを利用して、インピーダンスが回転子20の位置によって変化するため、楕円形状のリサージュを描く。
図15に示した例では、d軸電流が大きい、すなわち、d軸インピーダンスが小さい例を示したが、逆にq軸インピーダンスが小さく構成することもできる。導体1cを磁極中心付近に配置すれば、これが実現できる。この場合には、q軸電流が大きい楕円形状のリサージュとなる。
また、図16は、負荷電流が流れている場合のリサージュ波形を示した図である。負荷電流が流れると、鉄心の磁気飽和によりリサージュが傾くことがあるが、このような場合でも、負荷電流と楕円の長軸方向の傾きから、回転子位置を推定することが可能である。従って、電機子電流を測定することにより、回転角度検出が可能となる。
以上のように、実施の形態2によれば、永久磁石の周囲に設けられる導体の全てを電気的に接続した構成とした場合にも、先の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。すなわち、電機子巻線に高周波電流を注入したときのd軸インピーダンスとq軸のインピーダンスに差異が発生する現象を利用して、エンコーダやレゾルバなどの回転角度検出装置を設けなくても、電機子電流を測定することにより、回転角度の検出が可能となる。この結果、永久磁石型回転電機の構造を簡素化でき、小型化や低コスト化を実現できる。
なお、本実施の形態2における図では、永久磁石22の保持について省略して示しているが、永久磁石22の保持部材があった場合のも、同様の効果が得られる。例えば、ステンレス製の管状の保持部材が永久磁石22の外周部分に設けられていてもよい。さらに、永久磁石22の材料にかかわらず同様の効果を得ることができる。例えば、フェライト磁石でもよいし、ネオジの焼結磁石のように希土類系の永久磁石でもよい。
実施の形態3.
本実施の形態3では、電機子巻線12が集中巻の場合について説明する。
図26は、本発明の実施の形態3における永久磁石型回転電機の断面図であり、電機子巻線12が集中巻の場合を例示している。固定子10は、固定子鉄心11と電機子巻線12を有し、電機子巻線12は、固定子鉄心11に集中的に巻き回されている。また、回転子20は、永久磁石22と回転子鉄心21を有し、さらに、永久磁石22の間に導体1が配置されている。この図26においては、固定子鉄心11のスロット数が12、モータの極数が10の例を示している。
永久磁石22の間に配置された導体は、回転軸方向にほぼ平行あるいは平行に延在している。また、図示しないが、これら導体を電気的に接続する別の導体部分を有している。このような構成とすることで、導体1に流れる誘導電流によって、回転子20の位置に応じてインピーダンスが変化し、回転角度の推定が可能となる。
また、表面磁石型モータは、磁石埋め込み型に比べてコギングトルクやトルクリップルが小さい一方で、突極性が小さいため、高周波を注入して回転角度検出する方法を適用するのが困難であった。しかしながら、本実施の形態3の構成とすることで「低コギングトルク、低トルクリップル」と「回転角度検出」の両立が可能となる。
以上のように、実施の形態3によれば、電機子巻線を集中巻の構成とした場合に、特に、表面磁石型モータにおいても、「低コギングトルク、低トルクリップル」と「回転角度検出」の両立が可能となる。
なお、本実施の形態3では、10極12スロットの例を示したが、これに限定されるものではない。mを1以上の整数としたときに、例えば、極数とスロット数の比が、以下のような関係にある場合であってもよい。
極数:スロット数=10m:12m
極数:スロット数=14m:12m
極数:スロット数=10m:9m
極数:スロット数=8m:9m
極数:スロット数=2m:3m
極数:スロット数=4m:3m
実施の形態4.
本実施の形態4では、電機子巻線12が分布巻の場合について説明する。
図27は、本発明の実施の形態4における永久磁石型回転電機の断面図であり、電機子巻線12が分布巻の場合を例示している。固定子10は、固定子鉄心11と電機子巻線12を有し、電機子巻線12は、固定子鉄心11の複数のティースを跨って巻き回されている。また、回転子20は、永久磁石22と回転子鉄心21を有し、さらに、永久磁石22の間に導体1が配置されている。この図27においては、固定子鉄心11のスロット数が36、永久磁石22の極数が6の例を示している。
永久磁石22の間に配置された導体は、回転軸方向にほぼ平行あるいは平行に延在している。また、図示しないが、これら導体を電気的に接続する別の導体部分を有している。このような構成とすることで、導体1に流れる誘導電流によって、回転子20の位置に応じてインピーダンスが変化し、回転角度の推定が可能となる。
また、表面磁石型モータは、磁石埋め込み型に比べてコギングトルクやトルクリップルが小さい一方で、突極性が小さいため、高周波を注入して回転角度検出する方法を適用するのが困難であった。しかしながら、本実施の形態4の構成とすることで「低コギングトルク、低トルクリップル」と「回転角度検出」の両立が可能となる。
以上のように、実施の形態4によれば、電機子巻線を分布巻の構成とした場合に、特に、表面磁石型モータにおいても、「低コギングトルク、低トルクリップル」と「回転角度検出」の両立が可能となる。
なお、本実施の形態4では、6極36スロットの例を示したが、これに限定されるものではない。mを1以上の整数としたときに、例えば、極数とスロット数の比が、以下のような関係にある場合であってもよい。
極数:スロット数=m:6m
極数:スロット数=m:3m(例えば、4極12スロット、6極18スロットなど)
極数:スロット数=2m:9m(例えば、4極18スロット、6極27スロットなど)
実施の形態5.
本実施の形態5では、本発明による回転位置検出を電動パワーステアリング装置に適用する具体例について説明する。図28は、本発明の実施の形態5による電動パワーステアリング装置の構成を示す概略図である。ステアリングホイール31に結合してステアリングホイール31の操舵力を受けるコラムシャフト32が設けられている。さらに、コラムシャフト32には、ウォームギヤ33(図28では詳細な記載を省略し、ギヤボックスのみ示している)が接続されており、操舵力は、ウォームギヤ33に伝わる。
ウォームギヤ33は、コントローラ34によって駆動されるモータ35の出力(トルク、回転数)を、回転方向を直角に変えるとともに回転を減速しながら伝達して、操舵力にモータ35のアシストトルクを加えている。操舵力は、ウォームギヤ33に接続されたハンドルジョイント36を伝わり、方向も変えられる。ステアリングギヤ37(図28では詳細な記載を省略し、ギヤボックスのみ示している)は、ハンドルジョイント36の回転を減速し、同時にラック38の直線運動に変換し、所要の変位を得る。このラック38の直線運動により車輪を動かし、車両の方向転換等を可能とする。
このような電動パワーステアリング装置において、モータ35を適切に駆動するには、回転角度を検出する必要がある。そこで、従来のモータは、ホールセンサやレゾルバなどの回転角度検出装置を具備している。しかしながら、ホールセンサやレゾルバがあると、部品点数が増え、コストも増加する。また、モータの体格も回転角度検出装置があるために大きくなってしまう。
しかしながら、上述したような本発明の実施の形態1〜4に示したいずれかのモータ35を電動パワーステアリング装置に組み込むことで、回転角度検出装置がなくても、導体に流れる誘導電流によって発生するインピーダンスの違いを利用して、電機子電流を測定することにより、回転角度検出が可能となる。これにより、部品点数を減らすことができ、コストも低減できる。さらに、モータ35の体格を小さくでき、軽量化できるという効果が得られる。
図29は、本発明の実施の形態5における回転角度検出装置の構成図である。モータ35は、先の実施の形態1〜4に示したいずれかのモータであり、モータ35には、コントローラ34が接続されている。コントローラ34は、さらに電源40に接続されている。電源40は、例えば、バッテリーのような直流電源で構成される。ここで、図29におけるコントローラ34およびモータ35は、図28におけるコントローラ34およびモータ35に相当する。
コントローラ34の詳細な構成は省略するが、図29では、インバータ部34a、電機子電流測定部34b、および回転角度検出部34cを有した構成を例示している。インバータ部34aは、モータ35を駆動するために、モータ35に電流を供給するが、回転角度検出のために、先の実施の形態1で述べたように、数百Hzから数十kHzの高周波の電流も注入する。
電機子電流測定部34bは、電機子電流を測定する機能を有し、例えば、シャント抵抗などで構成される。図29では、3相の電流を測定する構成としているが、2相でもよいし、電源側の1相の電流を測定する構成としてもよい。
電機子電流測定部34bによって測定された電流値は、回転角度検出部34cに入力され、演算処理が行われる。回転角度検出部34cは、例えば、先の図15、16で示した楕円軌道の長軸方向を求めることで、回転角度の推定値θを求める。回転角度検出部34cで推定された回転角度推定値θは、インバータにおけるモータ駆動用の電流を適切に供給するために利用される。
従来の構成であれば、モータを駆動するために、レゾルバやホールセンサなどの回転角度検出装置を別途設ける必要があった。しかしながら、図29の構成によれば、レゾルバやホールセンサがなくても回転角度検出が可能となる。電機子電流測定部34bは、モータ35のトルク制御時に電流値を把握する必要があるため、レゾルバやホールセンサで回転角度を検出する従来の構成においても、設けられている。また、回転角度検出部34cは、従来の構成でも設けられているマイコンやASIC内部で構成することができる。従って、本発明によって、追加される部品はなく、レゾルバやホールセンサを不要とすることができ、従来よりも少ない部品点数にて、回転角度の検出を行うことが可能となる。
先の図28に示すような電動パワーステアリング装置では、モータにて発生するコギングトルクやトルクリップルが、ウォームギヤ33などのギヤとコラムシャフト32を介して、ステアリングホイール31に伝達される。従って、モータが大きなコギングトルクやトルクリップルを発生する場合、滑らかなステアリング感覚を得ることができない。
図28では、コラムアシスト式の電動パワーステアリング装置を示したが、ピニオンアシスト式、ラックアシスト式も、同様にギヤを解してモータのコギングトルクやトルクリップルがステアリングホイールに伝達される。従って、大きなコギングトルクやトルクリップルを発生する場合、コラムアシスト式同様、滑らかなステアリング感覚を得ることができない。
しかしながら、本発明のモータ35では、表面磁石型のモータでもホールセンサやレゾルバなしに、回転角度検出が可能である。表面磁石型は、一般に、突極性の大きい磁石埋め込み型に比べて、コギングトルクやトルクリップルが小さい傾向にある。本発明のモータ35によって、表面磁石型に対しても、ホールセンサやレゾルバなしに、回転角度検出が可能となる。
以上のように、実施の形態5によれば、本発明の永久磁石型回転電機を用いた回転位置検出手段を電動パワーステアリング装置に適用することにより、表面磁石型に対しても、部品点数低減、コスト低減、モータサイズ低減・軽量化という効果に加えて、「低コギングトルクと低トルクリップル」の効果を得ることができる。
本発明の実施の形態1における永久磁石型回転電機の説明図である。 本発明の実施の形態1における永久磁石型回転電機の別の説明図である。 本発明の実施の形態1における導体の第1の配置例を示す図である。 本発明の実施の形態1における導体の第2の配置例を示す図である。 本発明の実施の形態1において、導体を永久磁石の周辺に配置した例示図である。 本発明の実施の形態1において、導体を永久磁石の周辺に配置した別の例示図である。 本発明の実施の形態1において、導体を永久磁石の周辺に配置した別の例示図である。 本発明の実施の形態1において、全ての磁極に電気回路を設けた場合の回転子を回転軸方向から見た図である。 本発明の実施の形態1において、一部の磁極に電気回路を設けた場合の回転子を回転軸方向から見た図である。 本発明の実施の形態1において、導体で構成される電気回路が3ターンである場合の例示図である。 本発明の実施の形態1におけるモータの回転子の斜視図である。 本発明の実施の形態1において、磁石埋め込み型モータの回転子を回転軸方向から見た図である。 本発明の実施の形態1において、磁石埋め込み型モータの回転子を回転軸方向から見た別の図である。 本発明の実施の形態1において、磁石埋め込み型モータの第1導体の周方向位置の中点が磁極中心から電気角90度離れた位置にある場合の例示図である。 本発明の実施の形態1において、無負荷のときに高周波電流を注入したときのリサージュ波形を示した図である。 本発明の実施の形態1において、負荷電流が流れている場合のリサージュ波形を示した図である。 本発明の実施の形態2において、導体を永久磁石の周辺に配置した例示図である。 本発明の実施の形態2において、導体を永久磁石の周辺に配置した別の例示図である。 本発明の実施の形態2において、導体を永久磁石の周辺に配置した別の例示図である。 本発明の実施の形態2において、全ての導体を電気的に接続した場合の回転子を回転軸方向から見た図である。 本実施の形態2において、回転子の回転角度とインピーダンスとの関係を示した図である。 本発明の実施の形態2において、全ての導体を電気的に接続した場合の回転子を回転軸方向から見た別の図である。 本発明の実施の形態2におけるモータの回転子の斜視図である。 本発明の実施の形態2において、磁石埋め込み型モータの回転子を回転軸方向から見た図である。 本発明の実施の形態2において、磁石埋め込み型モータの回転子を回転軸方向から見た別の図である。 本発明の実施の形態3における永久磁石型回転電機の断面図である。 本発明の実施の形態4における永久磁石型回転電機の断面図である。 本発明の実施の形態5による電動パワーステアリング装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態5における回転角度検出装置の構成図である。
符号の説明
1 導体、1a1、1a2、1c 導体(第1導体)、1b1、1b2、1d1、1d2 導体(第2導体)、10 固定子、11 固定子鉄心、12 電機子巻線、20 回転子、21 回転子鉄心、22 永久磁石、31 ステアリングホイール、32 コラムシャフト、33 ウォームギヤ、34 コントローラ、34a インバータ部、34b 電機子電流測定部、34c 回転角度検出部、35 モータ、36 ハンドルジョイント、37 ステアリングギヤ、38 ラック、40 電源。

Claims (13)

  1. 電機子巻線を有する固定子と、回転子鉄心および複数の永久磁石を有する回転子とを備えた永久磁石型回転電機の回転角度検出装置であって、
    前記回転子の軸方向に延在し、前記回転子の周方向に2箇所以上配置された第1導体と、前記第1導体間を電気的に接続する第2導体とで構成される導通回路を備え、
    前記第1導体は、前記永久磁石の磁極中心を基準として前記周方向に電気角−45度から+45度の範囲、または前記磁極中心から電気角90度離れた位置を基準として前記周方向に電気角−45度から+45度の範囲のいずれか一方の範囲に配置され、
    前記導通回路は、前記周方向に1箇所以上設けられるとともに前記永久磁石における前記回転子鉄心の径方向の外周面上とは異なる位置に設けられ、
    前記電機子巻線に流れる電流を測定することによって回転角度を検出する検出手段をさらに備える
    ことを特徴とする回転角度検出装置。
  2. 請求項1に記載の回転角度検出装置において、
    前記導通回路は、2箇所以上に配置される際の周方向間隔が、電気角で180×n度(ただし、nは1以上の整数)であることを特徴とする回転角度検出装置。
  3. 請求項1に記載の回転角度検出装置において、
    前記導通回路の周方向の中心が前記永久磁石の磁極中心と略一致するように配置されることを特徴とする回転角度検出装置。
  4. 請求項1に記載の回転角度検出装置において、
    前記導通回路の周方向の中心が前記永久磁石の磁極中心から電気角90度離れた位置と略一致するように配置されることを特徴とする回転角度検出装置。
  5. 請求項1に記載の回転角度検出装置において、
    前記導通回路は、前記周方向に等間隔に配置され、かつ前記導通回路の数が回転電機の極数に一致することを特徴とする回転角度検出装置。
  6. 請求項1に記載の回転角度検出装置において、
    前記第2導体は、前記回転子の軸方向の両端部に配置され、前記第1導体の全てを電気的に接続することを特徴とする回転角度検出装置。
  7. 請求項6に記載の回転角度検出装置において、
    前記導通回路は、前記第1導体の周方向位置が前記永久磁石の磁極中心と略一致するように配置されることを特徴とする回転角度検出装置。
  8. 請求項6に記載の回転角度検出装置において、
    前記導通回路は、前記第1導体の周方向位置が前記永久磁石の磁極中心から電気角90度離れた位置と略一致するように配置されることを特徴とする回転角度検出装置。
  9. 請求項6に記載の回転角度検出装置において、
    前記導通回路は、前記第1導体が周方向に電気角180度の間隔でM箇所(ただし、Mは回転電機の極数)に配置され、前記第2導体がエンドリングとして前記第1導体を電気的に接続するように配置されることを特徴とする回転角度検出装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、
    前記永久磁石は、前記回転子の表面に配置されることを特徴とする回転角度検出装置。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、
    前記永久磁石は、前記回転子鉄心に埋設して配置されることを特徴とする回転角度検出装置。
  12. 電機子巻線を有する固定子と、回転子鉄心および複数の永久磁石を有する回転子とを備えた永久磁石型回転電機の回転角度検出方法であって、
    前記回転子の軸方向に延在し、前記回転子の周方向に2箇所以上配置された第1導体と、前記第1導体間を電気的に接続する第2導体とで構成される導通回路を備え、
    前記第1導体は、前記永久磁石の磁極中心を基準として前記周方向に電気角−45度から+45度の範囲、または前記磁極中心から電気角90度離れた位置を基準として前記周方向に電気角−45度から+45度の範囲のいずれか一方の範囲に配置され、
    前記導通回路は、前記周方向に1箇所以上設けられ、
    前記電機子巻線に流れる電流を測定し,測定した電流値を演算処理することによって回転子の回転角度を検出する
    ことを特徴とする回転角度検出方法。
  13. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の回転角度検出装置を有する永久磁石型回転電機とギヤを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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