JP3121531B2 - Ptcセラミック素子の選別及びその製造方法 - Google Patents

Ptcセラミック素子の選別及びその製造方法

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JP3121531B2 JP07243444A JP24344495A JP3121531B2 JP 3121531 B2 JP3121531 B2 JP 3121531B2 JP 07243444 A JP07243444 A JP 07243444A JP 24344495 A JP24344495 A JP 24344495A JP 3121531 B2 JP3121531 B2 JP 3121531B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PTCセラミック
素子に関し、特に所定温度以上に異常昇温しない加熱特
性が揃ったPTCセラミック素子の選別及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チタン酸バリウムを主成分とする
PTCセラミック素子では、その選別は抵抗値により行
われているが、PTCセラミック素子の抵抗値は製造過
程での焼成温度、焼成時間、雰囲気等の影響を受けやす
く、そのため、抵抗値にばらつきを生じ、抵抗値が規格
から外れる場合があった。規格から外れたPTCセラミ
ック素子は、その抵抗値を調整できないために不良品と
なっていた。
【0003】これを解決するために、実開昭63ー10
502号等によりPTCセラミック素子の抵抗値を調整
する方法が提案されている。図10は従来の抵抗値の調
整方法の説明図で、PTCセラミック素子1の一方の面
には間隔を隔てて一対の電極2a、2bが形成されると
共に他方の面には一つの電極2cが形成され、電極2c
をxの幅だけ削除して、電極2cの面積を減少させるこ
とにより抵抗値の調整を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の方法によると、電極面積を減少させるためには、電
極2cを削除する必要があるために削除作業に手間がか
かり、その結果、PTCセラミック素子1が高価なもの
となり、コストを削減するにも限界があった。
【0005】また、PTCセラミック素子の選別を抵抗
値で管理しても、抵抗値測定はせいぜい数V程度で行う
ため、実際に高電圧で使用する場合と特性が大きく違っ
ている場合がある。また、抵抗値がほぼ同じであっても
表面温度が異なる場合もある。
【0006】図9はPTCセラミック素子の抵抗ー温度
特性に及ぼす電圧の影響を示すグラフで、(1)〜
(3)の各電圧で特性に差があり、PTCセラミック素
子にバリスタ特性があり、電圧依存性をもっていること
が分かる。
【0007】このため、低電圧で測定した特性に基づい
て実際の高電圧で使用すると、電圧依存性による特性の
違いから、PTCセラミック素子が所定温度から過剰に
昇温することがあった。よって例えば、床暖房等に用い
た場合、火傷等の事故に至ることがあった。
【0008】そこで、本発明は、加熱能力が十分あり、
所定温度以上に異常昇温しない加熱特性が揃ったPTC
セラミックス素子を正確に選別及び製造する方法を提供
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ある一定の比
較的放射係数が小さな条件下で通電した際、所定の表面
温度に対応する突入電流及び定常電流を上限値とし、そ
の上限値及び下限値を超えない突入電流及び定常電流を
有するPTCセラミック素子を選定することを特徴とす
るPTCセラミック素子の選別及びその製造方法であ
る。
【0010】また、一方の面に間隔を隔てて形成された
一対の電極もしくは相対する一対の電極が形成されたP
TCセラミック素子において、さらに、PTCセラミッ
ク素子の一方の面に間隔を隔てて一対の電極が形成さ
れ、他方の面に一つの電極が形成されたPTCセラミッ
ク素子において、それぞれ突入電流が所定範囲を外れた
ものについては、前記他方の面に形成された電極に切断
溝を設けて突入電流の調整を行い、前記上限値を超えな
い突入電流を有するPTCセラミック素子を選定するこ
とにより所望のPTCセラミック素子を選別及び製造す
ることができる。
【0011】前記切断溝は、他方の面の電極の相隣る二
辺を斜めに横切って三角形が形成されるようにして微調
整することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1、図2及び図3はPTCセラ
ミック素子の斜視図で、図1に示すPTCセラミック素
子1は一方の面に一対の電極2a、2bが間隔を隔てて
形成され、他方の面には一つの電極2cが形成されたも
のである。
【0013】図2に示すPTCセラミック素子1は、一
方の面に一対の電極2a、2bが間隔を隔てて形成され
ているが、他方の面には電極が形成されていないもので
ある。
【0014】図3に示すPTCセラミック素子1は、両
面に電極2を形成したものである。
【0015】図4はPTCセラミック素子1を組み込ん
だパネルヒーターの測定装置の説明図で、放熱板6に電
極2a、2bを形成したPTCセラミック素子1を絶縁
板8を介して貼りつけ、交流200Vを通電して、抵抗
値、突入電流、定常電流、表面温度を測定した。
【0016】図5はPTCセラミック素子の時間ー電流
特性のグラフで、通電後急激に電流値が増加し、突入電
流に相当するピークに達した後、急激に電流値が減り、
やがて定常電流に落ち着く。
【0017】なお、表面温度は、放熱板6に熱電対7を
取付け、断熱材5で押さえ閉塞状態で温度を測定した。
【0018】次に、PTCセラミック素子の突入電流調
整について説明すると、図6は切断溝を形成して突入電
流を調整したPTCセラミック素子の斜視図、図7は切
断溝形成中に後端部が破損したPTCセラミック素子の
斜視図、図8は本発明により切断溝を形成して突入電流
を微調整したPTCセラミック素子の斜視図で、図1に
示すPTCセラミック素子の突入電流を調整するため
に、電極2cに切断溝3を形成する。切断溝3を形成す
る位置xは、PTCセラミック素子毎に調整量と位置x
の関係を予め求めておき、それに基づいて行えばよい。
また、目標値に近い突入電流値のPTCセラミック素子
の電流を微調整する際、図6に示す切断溝の形成方法に
よると、xの幅が非常に小さくなり、そのまま切断溝を
入れると、図7のように素子1の縁が破損し、欠損部4
ができる場合がある。そこで、我々は種々検討した結
果、電極の所定幅xを削除せずとも、所定の位置に溝を
入れるだけで、電流調整が可能であるという知見を得
た。図8に示すように電極の相隣る二辺を斜めに横切っ
て三角形が形成されるようにし、yの幅を変化させるこ
とにより電流調整が可能である。なお、本発明による方
法では単に溝を構成するのみであること、また、yの幅
を大きくとることができることから、PTCセラミック
素子1の破損を招くようなことが少ない。
【0019】また、切断溝は、きわめて微小な電流値調
整を行うため、一方の面に間隔を隔てて形成される一対
の電極直下にあたる他方の面に形成された電極に設ける
ほうが他の部分に切断溝を形成させるよりも電流値の変
化量が小さいので精度良く調整するためには望ましい。
【0020】さらに、ヒータユニット全体の形状を考慮
し、PTCセラミック素子の形状、電極の形態に制約が
ある場合には、図11あるいは図12のように電極層2
に切断溝3を入れ、それぞれ2bと2b′、2、2′の
ように分断することも可能である。また、図1に示すセ
ラミック素子の電極の形態についても、図13に示すよ
うに電極層2に切断溝3を両面に対して入れ、それぞれ
2bと2b′、2と2c′のように分断することも可能
である。
【0021】
【実施例】
実施例1 各種の抵抗値を有するPTCセラミック素子について測
定した結果は表1のとおりである。
【0022】
【表1】 表1において、合否の判定は、表面温度70°C以下を
合格とした。
【0023】また、表面温度が60°Cを下回ると暖房
能力が小さくなりすぎるため、表面温度60°C以上を
合格とした。
【0024】表1から明らかなとおり、突入電流が表面
温度70°Cでの突入電流46mA以下であるNo.8
及びNo.10は、表面温度が70°C以上になること
はないから、選定したPTCセラミック素子の突入電流
が70°Cのそれを超えないかぎり、70°Cを超える
表面温度にならないので、選定に信頼性が持てる。な
お、表1中の抵抗値は1Vの電圧下で測定した値を示し
ているが、従来から行われている抵抗値による選定を行
うと、抵抗値と表面温度との間に正確な相関関係がない
ために、所定温度以上に昇温する場合もあり、抵抗値に
よるPTCセラミック素子の選定は信頼性に欠けること
が分かる。
【0025】一方、No.11及びNo.12は突入電
流が範囲に入っているものの定常電流が13mA未満で
あり、表面温度が60°C以下であり、異常昇温はない
もの、暖房能力がないことが分かる。
【0026】さらに、No.13のように組成のバラツ
キの影響によって、違うキュリー点と思われるものにつ
いては、定常電流が大きくなって、表面温度も79°C
と高くなっている。このようなものは全体から見ると数
量的には少ないが、定常電流から判断して除外される。
【0027】実施例2 図1に示す15mm×25mm×2.5mmのPTCセ
ラミック素子1に200Vを通電したところ、突入電流
は70mAであった。この素子を図6に示すように、x
=7mmのところに切断溝を設け、通電したところ、突
入電流は表面温度70°Cの突入電流46mA以下の4
5mAとなり、表面温度は、68°Cであり、70°C
を超えることはなかった。
【0028】実施例3 実施例2と同様にして、PTCセラミック素子1に20
0Vを通電したところ、突入電流は51mAであった。
この素子を図8に示すようにy=9mmの所に斜めの切
断溝を設け、通電すると突入電流は43mAとなり、表
面温度は、65°Cであり、70°Cを超えることはな
かった。
【0029】
【発明の効果】本発明の効果は、次のとおりである。
【0030】(1) 本発明は、従来の抵抗値に代えて
突入電流を選別の基準とするのでPTCセラミック素子
が正確に選別でき、異常昇温しない加熱特性が揃ったP
TCセラミック素子が得られ、従来の抵抗値で選定した
場合に生じる所定温度以上に異常昇温するPTCセラミ
ック素子がなくなる。
【0031】(2) 本発明は、突入電流の調整が電極
に切断溝を形成するだけであるから、従来の抵抗値調整
のように電極を剥がすのと異なり、手間がかからない。
また、微調整の場合、斜めの切断溝を形成するので、P
TCセラミック素子の端部が欠損することなく簡単にで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PTCセラミック素子の斜視図。
【図2】PTCセラミック素子の斜視図。
【図3】PTCセラミック素子の斜視図。
【図4】PTCセラミック素子を組み込んだパネルヒー
ターの測定装置の説明図。
【図5】PTCセラミック素子の時間ー電流特性のグラ
フ。
【図6】本発明により切断溝を形成して突入電流を調整
した図1記載のPTCセラミック素子の斜視図。
【図7】切断溝形成中に端部が破損したPTCセラミッ
ク素子の斜視図。
【図8】本発明により切断溝を形成して突入電流を微調
整したPTCセラミック素子の斜視図。
【図9】PTCセラミック素子の抵抗ー温度特性に及ぼ
す電圧の影響を示すグラフ。
【図10】従来の抵抗値の調整方法の説明図。
【図11】本発明により切断溝を形成して突入電流を微
調整した図2記載のPTCセラミック素子の斜視図。
【図12】本発明により切断溝を形成して突入電流を微
調整した図3記載のPTCセラミック素子の斜視図。
【図13】本発明により両側に切断溝を形成して突入電
流を微調整した図1記載のPTCセラミック素子の斜視
図。
【符号の説明】
1 PTCセラミック素子、 2、2′、2a、2b、
2b′、2c 電極、3 切断溝、 4 欠損部、 5
断熱材、 6 放熱板、 7熱電対、 8絶縁板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の表面温度に対応する突入電流を設
    定し、前記設定値の範囲を超えない突入電流を有するP
    TCセラミック素子を選定することを特徴とする加熱特
    性がほぼ同一のPTCセラミック素子の選別及びその製
    造方法。
  2. 【請求項2】 所定の定常電流範囲にあるPTCセラミ
    ック素子を選定することを特徴とする請求項1記載のP
    TCセラミック素子の選別方法。
  3. 【請求項3】 一方の面に間隔を隔てて形成された一対
    の電極、もしくは相対する面に一対の電極が形成された
    PTCセラミック素子において、両方もしくはもう一方
    の電極に切断溝を設けて突入電流及び定常電流の調整を
    行い、設定値の範囲にある突入電流及び定常電流を有す
    るPTCセラミック素子を選定することを特徴とする請
    求項1又は2記載のPTCセラミック素子選別及びその
    製造方法。
  4. 【請求項4】 一方の面に間隔を隔てて一対の電極が形
    成され、他方の面に一つの電極が形成されたPTCセラ
    ミック素子において、前記他方の面に形成された電極に
    切断溝を設けて突入電流及び定常電流の調整を行い、設
    定値の範囲を超えない突入電流及び定常電流を有するP
    TCセラミック素子を選定することを特徴とする請求項
    1又は2記載のPTCセラミック素子選別及びその製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記切断溝は一方の面に間隔を隔てて形
    成される一対の電極直下にあたる他方の面に形成された
    電極に設けることを特徴とする請求項1、2又は4記載
    のPTCセラミック素子の選別及びその製造方法。
  6. 【請求項6】 前記切断溝は他方の面の電極の相隣る二
    辺を斜めに横切って三角形が形成されるように設けられ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の
    PTCセラミック素子の選別及びその製造方法。
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CN100568407C (zh) 2004-02-25 2009-12-09 株式会社村田制作所 正温度系数(ptc)元件的分选方法
JP4501458B2 (ja) * 2004-02-25 2010-07-14 株式会社村田製作所 Ptc素子の選別方法
JP2005243827A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Murata Mfg Co Ltd Ptc素子の選別方法

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