JP3121293B2 - 圧力スイング吸着方式による混合ガス分離方法 - Google Patents

圧力スイング吸着方式による混合ガス分離方法

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JP3121293B2
JP3121293B2 JP09222683A JP22268397A JP3121293B2 JP 3121293 B2 JP3121293 B2 JP 3121293B2 JP 09222683 A JP09222683 A JP 09222683A JP 22268397 A JP22268397 A JP 22268397A JP 3121293 B2 JP3121293 B2 JP 3121293B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力スイング吸着
方式(PSA方式)による混合ガス分離方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、空気等の混合ガスから窒素,
酸素等の製品ガスを分離する方法として種々の方法が用
いられているが、最近では、装置の設計の容易さや設備
費の安価なことから、PSA法による分離方法が広く用
いられている。このような分離方法としては、図〜図
に示すような、原料空気から酸素ガスと窒素ガスと
を分離する方法がある。この方法は、原空ブロワ41
と、一対の吸着槽42,43とレシーバータンク44と
真空ポンプ45を用い、まず第1工程(図参照)で
は、原空ブロワ41により圧縮した原料空気を入口端か
ら左吸着槽42に供給し、この左吸着槽42の吸着剤に
より圧縮空気中の窒素を主に吸着したのち、吸着剤で吸
着されない酸素を製品酸素ガス(純度93%程度)とし
て出口端から抜き出し、レシーバータンク44に供給す
る(吸着分離工程)。一方、右吸着槽43においては、
その内部を真空ポンプ45により減圧排気し、この右吸
着槽43の吸着剤に吸着されている窒素等を脱着させる
(減圧再生工程)。ついで第2工程(図8参照)では、
左吸着槽42において、上記の吸着分離工程を継続す
る。一方、右吸着槽43においては、上記の減圧再生工
程の最終段階で、右吸着槽43内の負圧を利用してレシ
ーバータンク44内の製品酸素ガスの一部を出口端から
右吸着槽43に供給する(パージ工程)。つぎに第3工
程(図参照)では、左吸着槽42において、上記の吸
着分離工程を終了し、内部を真空ポンプ45により減圧
排気する。一方、右吸着槽43においては、上記の減圧
再生工程の終了後に、レシーバータンク44内の製品酸
素ガスの一部を出口端から右吸着槽43に供給しなが
ら、原空ブロワ41により取り入れた原料空気を入口端
から右吸着槽43に供給する(復圧工程)。そののち第
4工程(図10参照)では、左吸着槽42において、上
記の減圧再生工程を継続する。一方、右吸着槽43にお
いては、上記の復圧工程の終了後に、原空ブロワ41に
より原料空気を入口端から右吸着槽43に供給し、その
出口端から製品酸素ガスを抜き出す。この第4工程は、
上記の第1工程に相当する工程であり、両吸着槽42,
43の作用が入れ替わったものである。そして、第4工
程以降も、第2および第3工程と同様の工程(第2およ
び第3工程において、両吸着槽42,43の作用が入れ
替わった工程)を行う。このようにして第1〜第3の工
程を繰り返し行い、原料空気から酸素ガスと窒素ガスと
を分離する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
分離方法では、気温,湿度等の周囲環境や吸着剤の劣化
等により、製品酸素ガスの濃度低下がたびたび起こると
いう問題があり、また、能力を超えて製品ガスを取り出
すと製品酸素ガスの濃度が低下するという問題もある。
しかも、原理的およびコスト的に製品酸素ガスの濃度が
他の分離方法に比べて低く、93%程度が限界であると
いう問題もある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、製品ガスの濃度維持、濃度向上、製造能力の向
上およびコストダウンを図ることのできる圧力スイング
吸着方式による混合ガス分離方法の提供をその目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、吸着手段を用い、圧力スイング吸着方式
により混合ガスから製品ガスを分離発生させる混合ガス
分離方法であって、吸着手段に、発生ガスと同種類でか
つ発生ガスより高濃度のガスを外部より供給することに
より最終製品ガスの濃度を調整するようにした圧力スイ
ング吸着方式による混合ガス分離方法を第1の要旨と
し、特定ガスを選択的に吸着する吸着剤を入れた吸着槽
を用い、吸着槽において吸着分離工程と減圧再生工程と
復圧工程を行う圧力スイング吸着方式による混合ガス分
離方法であって、上記吸着槽において上記復圧工程およ
び減圧再生工程の少なくとも一方を行う際に、上記吸着
槽で発生する発生ガスと同種類でかつ発生ガスより高濃
度のガスを外部から上記吸着槽に供給することにより最
終製品ガスの濃度を調整するようにした圧力スイング吸
着方式による混合ガス分離方法を第2の要旨とする。
【0006】すなわち、本発明の第1の圧力スイング吸
着方式による混合ガス分離方法は、(1つまたは複数
の)吸着手段を用いて分離発生させる発生ガスとは別
に、この発生ガスと同種類でかつ発生ガスより高濃度の
ガスを用意しておき、この高濃度ガスを、上記吸着手
供給するようにしている。このため、上記高濃度ガス
により吸着手段の吸着分離能力を向上させて上記発生ガ
スの濃度または発生量を高めることができる。したがっ
て、気温,湿度等の周囲環境や吸着剤の劣化等により上
記発生ガスが濃度低下を引き起こした場合にも、上記高
濃度ガスにより上記発生ガスの濃度を引き上げて、製品
ガスの濃度を高濃度に維持することができる。また、通
常の場合(上記劣化等が発生していない場合)には、製
品ガスの濃度を向上させること、または、濃度を維持し
て製品ガスの供給能力を向上させることができる。この
ため、本発明の第1の方法を用いる装置の能力を低く設
計することもでき、トータルコストの削減を図ることが
できる。
【0007】また、本発明の第2の方法では、吸着手段
として、特定ガスを選択的に吸着する吸着剤を入れた
(1つまたは複数の)吸着槽を用いている。また、上記
吸着槽を用いて分離発生させる発生ガスとは別に、この
発生ガスと同種類でかつ発生ガスより高濃度のガスを用
意している。そして、上記吸着槽において行なわれる吸
着分離工程と減圧再生工程と復圧工程等のうち、復圧工
程および減圧再生工程の少なくとも一方を行う際に、上
記高濃度ガスを上記吸着槽に供給するようにしている。
したがって、吸着槽で分離発生させる発生ガスの濃度に
応じて、上記高濃度ガスを吸着槽に供給することによ
り、吸着槽内の吸着剤の能力を高めて、上記発生ガスの
濃度を上げたり発生量を向上させることができる。した
がって、気温,湿度等の周囲環境や吸着剤の劣化等によ
り発生ガスの濃度低下を引き起こした場合にも、製品ガ
スの濃度を高濃度に維持することができる。また、通常
の場合(上記劣化等が発生していない場合)には、製品
ガスの濃度を高くしたり、または濃度を維持したまま吸
着槽で発生する発生ガスの量を増加させて製造能力を向
上させたりすることができる。このため、本発明の第2
の方法を用いる装置の能力を低く設計することもでき、
トータルコストの削減を図ることができる。なお、本発
明の第1の方法は、吸着槽を用いた混合ガス分離方法だ
けでなく、膜分離装置にも応用可能である。また、本発
明において、「減圧再生工程および復圧工程」とは、両
工程において同時に行われるパージ工程や回収工程、お
よび両工程間で単独に行われる回収工程をも含むもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を図
面にもとづいて詳しく説明する。
【0009】図1は本発明の混合ガス分離方法に用いる
混合ガス分離装置を示している。図において、1は原空
ブロワであり、外部から原料空気(大気空気)を取り入
れて圧縮したのち原料空気供給パイプ11に送り込む。
3,4は同様の構造に作製された左右一対の吸着槽であ
る。両吸着槽3,4には、その内部に、窒素吸着用の吸
着剤6(ゼオライト)が充填されている。7はレシーバ
ータンク(製品酸素ガス貯蔵槽)であり、両吸着槽3,
4で発生した製品酸素ガスを貯留する。8は真空ポンプ
であり、両吸着槽3,4の内部を減圧排気する。9は製
品酸素ガスを昇圧する昇圧機である。10は高濃度液体
酸素(濃度99%)を外部から導入して収容する高濃度
液体酸素貯槽(以下、貯槽という)である。
【0010】12は原料空気供給パイプ11と左吸着槽
3の(入口端3aから延びる)入口パイプ3cとを連結
する自動開閉弁12a付き第1導入パイプであり、13
は原料空気供給パイプ11と右吸着槽4の(入口端4a
から延びる)入口パイプ4cとを連結する自動開閉弁1
3a付き第2導入パイプである。14は左吸着槽3の入
口パイプ3cと真空ポンプ8の入口パイプ8aとを連結
する自動開閉弁14a付き第1排気パイプであり、15
は右吸着槽4の入口パイプ4cと真空ポンプ8の入口パ
イプ8aとを連結する自動開閉弁15a付き第2排気パ
イプである。図において、22は原空ブロワ1の上流側
部分と下流側部分とを連結する自動開閉弁22a付き戻
しパイプである。
【0011】16は左吸着槽3の(出口端3bから延び
る)出口パイプ3dとレシーバータンク7の入口パイプ
7aとを連結する自動開閉弁16a付き第1導出パイプ
であり、17は右吸着槽4の(出口端4bから延びる)
出口パイプ4dとレシーバータンク7の入口パイプ7a
とを連結する自動開閉弁17a付き第2導出パイプであ
る。18は左吸着槽3の出口パイプ3dと右吸着槽4の
出口パイプ4dとを連結する自動開閉弁18a,手動流
量調整弁18b付き第1連結パイプであり、19は左吸
着槽3の出口パイプ3dと右吸着槽4の出口パイプ4d
とを連結する自動開閉弁19a,手動流量調整弁19b
付き第2連結パイプである。20はレシーバータンク7
の入口パイプ7aに設けた自動開閉弁であり、この自動
開閉弁20の上流側部分と下流側部分が手動流量調整弁
21a付きバイパス用パイプ21で連結されている。こ
のバイパス用パイプ21の手動流量調整弁21aの流量
設定は自動開閉弁20の流量設定より少量に設定されて
いる。23はレシーバータンク7内の製品酸素ガスを需
要部に供給する製品酸素ガス供給パイプであり、途中に
製品酸素ガスを昇圧する昇圧機9が設けられている。
【0012】26は貯槽10から延びる取出パイプであ
り、貯槽10から取り出した高濃度液体酸素を蒸発器2
6aで気化して高濃度酸素ガス(濃度99%)にしたの
ち減圧弁26bで減圧して取出口27に送る作用をす
る。28は取出口27から延びるバックアップ用パイプ
であり、製品酸素ガス供給パイプ23内の圧力が需要圧
力未満に降下すると、自動開閉弁28aが開き取出口2
7から高濃度酸素ガスを製品酸素ガスとして製品酸素ガ
ス供給パイプ23に供給する作用をする。これにより、
製品酸素ガスの供給が途絶えることがないようになって
いる。なお、このようなバックアップ用パイプ28は、
装置の異常時および能力不足時に利用されるものであ
り、製品酸素ガスの濃度を調整する機能はない。30は
取出口27から延びる高濃度酸素ガス供給パイプであ
り、自動流量調節弁30aにより製品酸素ガスの濃度に
応じて高濃度酸素ガスを流量調節し供給する作用をす
る。31は上記高濃度酸素ガス供給パイプ30と左吸着
槽3の出口パイプ3dとを連結する自動開閉弁31a付
き第1ガス送給パイプであり、32は上記高濃度酸素ガ
ス供給パイプ30と右吸着槽4の出口パイプ4dとを連
結する自動開閉弁32a付き第2ガス送給パイプであ
る。
【0013】上記の混合ガス分離装置を用い、つぎのよ
うにして原料空気から酸素ガスと窒素ガスとを分離する
ことができる。すなわち、第1工程(図2参照)では、
自動開閉弁12a,15a,16a,20を開弁し、自
動開閉弁13a,14a,17a,18a,19a,2
2a,31a,32aを閉弁する。その状態で、原空ブ
ロワ1により取り入れた原料空気を圧縮して原料空気供
給パイプ11に送り出し、第1導入パイプ12,入口パ
イプ3cを経て入口端3aから左吸着槽3に供給する。
この左吸着槽3においては、吸着剤6で原料空気中の窒
素を主に吸着したのち、吸着されない酸素を製品酸素ガ
ス(純度93%程度)として出口端3bから抜き出す
(吸着分離工程)。そして、この出口端3bから抜き出
した製品酸素ガスを出口パイプ3d,第1導出パイプ1
6,入口パイプ7aを経てレシーバータンク7に供給す
る。一方、右吸着槽4においては、その内部を入口パイ
プ4c,第2排気パイプ15,入口パイプ8aを介して
真空ポンプ8により減圧排気し、吸着剤6に吸着されて
いる窒素等を脱着させる(減圧再生工程)。
【0014】第2工程(図3参照)では、左吸着槽3に
おいて、上記の吸着分離工程を継続する。一方、右吸着
槽4においては、上記の減圧再生工程の最終段階で自動
開閉弁19aを開弁し、出口パイプ3dを通る製品酸素
ガスの一部を第2連結パイプ19,出口パイプ4dを経
由して出口端4bから右吸着槽4に供給する。また、自
動開閉弁32aを開弁し、貯槽10内の高濃度液体酸素
を蒸発器26aで高濃度酸素ガスにし取出口27,高濃
度酸素ガス供給パイプ30,第2ガス送給パイプ32,
出口パイプ4dを経由して出口端4bから右吸着槽4に
供給する。これら製品酸素ガスおよび高濃度酸素ガスの
供給により、吸着剤6からの窒素の脱着が促進され、吸
着剤6の再生度が向上する(パージ工程)。このパージ
工程において、高濃度酸素ガスを吸着槽3,4に供給す
ることにより、吸着剤6の再生度を高める効果がある。
【0015】第3工程(図4参照)では、左吸着槽3に
おいて、自動開閉弁14a,22aを開弁し、自動開閉
弁12a,16aを閉弁し、左吸着槽3に対する原空ブ
ロワ1からの原料空気の供給を停止して上記の吸着分離
工程を終了するとともに、左吸着槽3の内部を入口パイ
プ3c,第1排気パイプ14,入口パイプ8aを介して
真空ポンプ8により減圧排気する。一方、右吸着槽4に
おいては、自動開閉弁18aを開弁し、自動開閉弁15
a,19aを閉弁し、右吸着槽4の負圧(真空圧)を利
用し、左吸着槽3の塔頂に残留している比較的酸素濃度
が高いガス(酸素濃度:21〜93%程度)を(上記の
減圧再生工程が終了している)右吸着槽4に回収すると
ともに、貯槽10から高濃度酸素ガスの供給を継続す
る。また、自動開閉弁17aを開弁し、自動開閉弁20
を閉弁し、右吸着槽4の負圧(真空圧)を利用し、レシ
ーバータンク7内の製品酸素ガスを入口パイプ7a,バ
イパス用パイプ21,第2導出パイプ17,出口パイプ
4dを経由して出口端4bから右吸着槽4に供給する
(回収工程)。この回収工程は、右吸着槽4の復圧目的
でも行われるものであり、復圧工程の初期段階とも言え
る。
【0016】第4工程(図5参照)では、左吸着槽3に
おいて、上記の減圧排気工程を継続する。一方、右吸着
槽4においては、自動開閉弁19aを閉弁し、左吸着槽
3から右吸着槽4への残留ガスの回収を終了する。この
時点で、右吸着槽4の内部はまだ負圧の状態にあり、こ
れを大気圧付近にまで復圧するために、レシーバータン
ク7内の製品酸素ガスおよび貯槽10からの高濃度酸素
ガスの供給を継続する。また、自動開閉弁13aを開弁
し、自動開閉弁22aを閉弁し、原空ブロワ1により取
り入れた原料空気を原料空気取入パイプ11,第2導入
パイプ13,入口パイプ4cを経由して入口端4aから
右吸着槽4に供給する(復圧工程)。
【0017】これら回収工程および復圧工程において、
高濃度酸素ガスを吸着槽3,4に供給することは、減圧
再生工程およびパージ工程において再生された吸着剤6
の吸着分離能力をより有効に利用し、つぎの吸着分離工
程において、より高濃度の、またはより多くの製品酸素
ガスを発生させる効果がある。
【0018】第5工程(図6参照)では、左吸着槽3に
おいて、上記の減圧排気工程を継続する。一方、右吸着
槽4においては、復圧工程が終了すると、自動開閉弁2
0を開弁し、自動開閉弁32aを閉弁する。すなわち、
全体としては、自動開閉弁13a,14a,17a,2
0を開弁し、自動開閉弁12a,15a,16a,18
a,19a,22a,31a,32aを閉弁する。その
状態で、原空ブロワ1から送りだした原料空気を原料空
気取入パイプ11,第2導入パイプ13を経て入口端4
aから右吸着槽4に供給し、出口端4bから製品酸素ガ
スを抜き出す。この第5工程は、上記の第1工程に相当
する工程であり、両吸着槽3,4の作用が入れ替わった
ものである。そして、第5工程以降も、第2〜第4工程
と同様の工程(第2〜第4工程において、両吸着槽3,
4の作用が入れ替わった工程)を行う。ただし、高濃度
酸素ガスを左吸着槽3に供給する通路として、第1ガス
送給パイプ31を利用する。このようにして第1〜第4
の工程を繰り返し行い、原料空気から酸素ガスと窒素ガ
スとを分離する。
【0019】上記のように、この実施の形態では、2槽
の吸着槽3,4を用い、PSA方式により、製品酸素ガ
スを安定して分離発生することができる。しかも、減圧
再生工程中のパージ工程,回収工程および復圧工程にお
いて、これを行う吸着槽3,4に貯槽10から高濃度酸
素ガスを供給しているため、吸着分離工程で発生する製
品酸素ガスの濃度を高濃度にすることができ、または、
発生量を増加することができる。したがって、気温,湿
度等の周囲環境や吸着剤の劣化等が発生しても、製品酸
素ガスの濃度が低下しない。さらに、上記の劣化等が起
こらない通常時には、製品酸素ガスの濃度を向上させる
ことができる。または、濃度を維持しながら、得られる
製品酸素ガスの製造量を増加することができる。このた
め、この混合ガス分離装置の能力を低く設計することが
でき、トータルコストを削減することができる。さら
に、従来、バックアップ時にしか利用しなかった貯槽1
0を常時有効利用することもできる。
【0020】なお、本発明が対象とする混合ガスの分離
としては、例えば、空気からの酸素および窒素ガスの分
離、または工業用ガス製造中の混合ガスからの特定有効
ガス(例えば水素,一酸化炭素,ハイドロカーボン類等
のあらゆる有効ガス)の濃縮,回収あるいは有毒ガスを
含んだガスの浄化,膜分離等を挙げることができる。ま
た、本発明で用いる吸着剤としては、ゼオライト,シリ
カゲル,活性アルミナ,活性炭等の粒状物が挙げられ、
単独でもしくは併せて用いられる。例えば、窒素の吸着
剤としてはゼオライト,酸素の吸着剤としてはカーボ
ン,炭酸ガスに対してはゼオライト等が用いられる。ま
た、除湿用としてはシリカゲル,活性アルミナ等が好適
に用いられ、空気中のハイドロカーボンの吸着に対して
は活性炭等が用いられる。また、上記実施の形態では、
混合ガス分離装置として2槽の吸着槽3,4を用いてい
るが、これに限定するものではなく、各種の圧力スイン
グ吸着方式による混合ガス分離装置(例えば、1槽以上
の吸着槽を用いたものでもよい)が用いられる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1の方法によ
れば、複数の吸着手段を用いて分離発生させる発生ガス
とは別に、この発生ガスと同種類でかつ発生ガスより高
濃度のガスを用意しておき、この高濃度ガスを、上記吸
着手段に供給するようにしている。このため、上記高濃
度ガスにより吸着手段の吸着分離能力を向上させて上記
発生ガスの濃度または発生量を高めることができる。し
たがって、気温,湿度等の周囲環境や吸着剤の劣化等に
より上記発生ガスが濃度低下を引き起こした場合にも、
上記高濃度ガスにより上記発生ガスの濃度を引き上げ
て、製品ガスの濃度を高濃度に維持することができる。
また、通常の場合(上記劣化等が発生していない場合)
には、製品ガスの濃度を向上させることができる。また
は、濃度を安定に維持して供給能力を向上させることが
できる。このため、本発明の第1の方法を用いる装置の
能力を低く設計することができ、トータルコストの削減
を図ることができる。また、本発明の第2の方法によっ
ても、第1の方法と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる混合ガス分離装置の構成図であ
る。
【図2】上記混合ガス分離装置の作用を示す説明図であ
る。
【図3】上記混合ガス分離装置の作用を示す説明図であ
る。
【図4】上記混合ガス分離装置の作用を示す説明図であ
る。
【図5】上記混合ガス分離装置の作用を示す説明図であ
る。
【図6】上記混合ガス分離装置の作用を示す説明図であ
る。
【図7】従来例の作用を示す説明図である。
【図8】従来例の作用を示す説明図である。
【図9】従来例の作用を示す説明図である。
【図10】従来例の作用を示す説明図である。
【符号の説明】
3,4 吸着槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 浩巳 大阪府堺市築港新町2丁6番地40 大同 ほくさん株式会社 堺工場内 (72)発明者 濱木 幸浩 大阪府堺市築港新町2丁6番地40 大同 ほくさん株式会社 堺工場内 (72)発明者 嶋本 武治 大阪府堺市築港新町2丁6番地40 大同 ほくさん株式会社 堺工場内 (72)発明者 安田 貴彦 大阪府堺市築港新町2丁6番地40 大同 ほくさん株式会社 堺工場内 (56)参考文献 特開 平4−247211(JP,A) 特開 昭64−72908(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着手段を用い、圧力スイング吸着方式
    により混合ガスから製品ガスを分離発生させる混合ガス
    分離方法であって、吸着手段に、発生ガスと同種類でか
    つ発生ガスより高濃度のガスを外部より供給することに
    より最終製品ガスの濃度を調整するようにしたことを特
    徴とする圧力スイング吸着方式による混合ガス分離方
    法。
  2. 【請求項2】 特定ガスを選択的に吸着する吸着剤を入
    れた吸着槽を用い、吸着槽において吸着分離工程と減圧
    再生工程と復圧工程を行う圧力スイング吸着方式による
    混合ガス分離方法であって、上記吸着槽において上記復
    圧工程および減圧再生工程の少なくとも一方を行う際
    に、上記吸着槽で発生する発生ガスと同種類でかつ発生
    ガスより高濃度のガスを外部から上記吸着槽に供給する
    ことにより最終製品ガスの濃度を調整するようにしたこ
    とを特徴とする圧力スイング吸着方式による混合ガス分
    離方法。
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