JP3120952U - 取付用固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】締付具を締付することで締付と同時に緩み防止を図れる取付用固定具を提供する。
【解決手段】折板屋根の屋根板1の連結部4を抱持する筺体状の抱持部7に締付具8を備える。前記抱持部7は前記連結部4の上方に配置される上面部9と、該上面部9の幅方向一側に配置される一側側面部10と、該一側側面部10の下部から内側横向きに突設して前記連結部4の一側に当接可能な底面部11と、前記上面部9の幅方向他側に配置される他側側面部12を備える。前記他側側面部12に雌螺子孔を前記連結部4と対向するように設けると共に、該雌螺子孔に前記締付具8に設けた雄螺子部14を螺合して該雄螺子部14の先端が前記連結部4の他側に当接可能とする。前記雄螺子部14の表面に接着剤がマイクロカプセル化された接着剤層17を設ける。
【選択図】図1

Description

本考案は、折板屋根の馳締連結部上に、水上側箇所を被覆する役目をなす棟包み材や、止面戸の手前に配置されるようなエプロン面板の上部などの上部設置部材を固定するための取付用固定具に関する。
従来、この種の取付用固定具は、折板屋根の馳締連結部を抱持する筺体状の抱持部に締付具を備え、前記抱持部は前記馳締連結部の上方に配置される上面部と、該上面部の幅方向一側に配置される一側側面部と、該一側側面部の下部から内側横向きに突設して前記馳締連結部の一側に当接可能な底面部と、前記上面部の幅方向他側に配置される他側側面部を備えており、前記他側側面部に雌螺子孔を前記馳締連結部と対向するように設けると共に、該雌螺子孔に前記締付具に設けた雄螺子部を螺合して該雄螺子部の先端が前記馳締連結部に当接するようになっていた。そして、従来の雄螺子部の先端は次第に先細となって先鋭に形成されていた。
したがって、馳締連結部を抱持するように抱持部を配置し、底面部の内向きの先端を馳締連結部の一側に当接させた後、締付具を回動することで雌螺子孔に雄螺子部を螺合して、該雄螺子部の先端を馳締連結部の他側に当接させて抱持部を固定する。次に棟包み材を抱持部に載置させ、そして上方から固着具を棟包み材を介して上面部に固着することで、棟包み材を固定できるようになっている(例えば、特許文献1)。
特開2001−248269号公報
前記取付用固定具においては、抱持部を馳締連結部に固定状態に維持する作用力は雄螺子部の先端が馳締連結部を押圧する押圧力に起因する。そして、雌螺子孔に対する雄螺子部の螺合が弛むと、前記押圧力が低下し、この結果棟包み材の固定が弱まってしまうという問題があった。
このような緩みを解決する手段としては、締付具を締付した後に該締付具に接着剤を利用して塗布して接着する方法や或いは締付具を締付した後に該締付具に例えば割りピンを打ち込んで固定する方法などが考えられる。
しかしながら、このような方法では締付具を締付した後にさらに手数をかけることになるので作業が煩雑化するおそれがある。
解決しようとする問題点は、折板屋根の馳締連結部を抱持する筺体状の抱持部に締付具を備えた取付用固定具において、締付具を締付することで締付と同時に緩み防止を図れる取付用固定具を提供する点である。
請求項1の考案は、折板屋根の屋根板の連結部を抱持する筺体状の抱持部に締付具を備え、前記抱持部は前記連結部の上方に配置される上面部と、該上面部の幅方向一側に配置される一側側面部と、該一側側面部の下部から内側横向きに突設して前記連結部の一側に当接可能な底面部と、前記上面部の幅方向他側に配置される他側側面部を備えており、前記他側側面部に雌螺子孔を前記連結部と対向するように設けると共に、該雌螺子孔に前記締付具に設けた雄螺子部を螺合して該雄螺子部の先端が前記連結部の他側に当接可能な取付用固定具において、前記雄螺子部の表面に接着剤がマイクロカプセル化された接着剤層を設けることを特徴とする取付用固定具である。
請求項2の考案は、前記締付具の前記先端を前記連結部と対向する平坦面に形成することを特徴とする請求項1記載の取付用固定具である。
請求項3の考案においては、前記連結部は、隣接する屋根板の対向する連結用屈曲部が馳締されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の取付用固定具である。
請求項4の考案においては、前記接着剤層は前記雄螺子部の前記先端から、前記連結部と前記雌螺子孔との長さに対応した長さ位置よりも基端側に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の取付用固定具である。
請求項5の考案においては、前記接着剤層は前記雄螺子部を前記雌螺子孔に螺合する摩擦により接着することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の取付用固定具である。
請求項1の考案によれば、雌螺子孔に雄螺子部を螺合させる際、雄螺子部の表面に設けられている接着剤層も雌螺子孔に入り込み、この結果接着剤層にあるマイクロカプセルが破壊して接着剤がにじみ出て、接着剤が雌螺子孔と雄螺子部との介在して両者を固着でき、風等による振動などによって螺子が緩むことを螺子を締めるだけで確実に防止することができる。
請求項2の考案によれば、先端における連結部への押圧面積が広くなるように確保される。
請求項3の考案によれば、馳締タイプの連結部に取付用固定具を装着することができる。
請求項4の考案によれば、前記雄螺子部が前記雌螺子孔に螺合し始めるときに接着剤層が雌螺子孔に配置されることになる。
請求項5の考案によれば、前記雄螺子部を前記雌螺子孔に螺合する摩擦によりマイクロカプセルの接着剤を化学反応させることができる。
本考案における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、実用新案登録請求の範囲に記載された本考案の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本考案の必須要件であるとは限らない。
図1〜図3は実施例1を示しており、凹凸が幅方向に向かって連続する折板屋根を構成する屋根板1は、幅方向両側より傾斜状の立上り側部2,3が形成されている。そして、一方の立上り側部2の上端と他方の立上り側部3の上端とが、隣接する屋根板1,1の対向する連結用屈曲部1A,1Bが馳締連結、すなわち締めて結合されて馳締タイプの連結部4が構成される。そして、屋根板1上に、該屋根板1の水上側箇所を被覆する役目をなす上部設置部材である棟包み材5が取付用固定具6を介して取り付けられる。
前記取付用固定具6は、金属製であって屋根板1の連結部4を抱持する筺体状の抱持部7に六角ボルトである締付具8を備えており、抱持部7は連結部4の上方に配置される上面部9と、該上面部9の幅方向一側に配置される一側側面部10と、該一側側面部10の下部から内側横向きに突設して連結部4の一側に当接可能な底面部11と、上面部9の幅方向他側に配置される他側側面部12を備えている。他側側面部12には雌螺子孔13を連結部4と対向するように設けると共に、該雌螺子孔13に締付具8に設けた雄螺子部14を螺合して該雄螺子部14の先端面16が連結部4の他側、すなわち連結用屈曲部1B側に当接するようになっている。尚、締付具8は基端にある角柱状の頭部15を供え雄螺子部14の先端面16は、雄螺子部14の軸断面(軸線方向と垂直な断面積)と同じ断面積を有するように平坦面が形成されている。
さらに、前記雄螺子部14の表面には接着剤層17が設けられている。この接着剤層17は、接着剤がマイクロカプセル化されたものである。そして、図2で示したように取付用固定具6を連結部4に装着したときの連結部4、すなわち連結用屈曲部1Bから雌螺子孔13までの長さをLとしたとき、接着剤層17は雄螺子部14の先端(先端面16)から前記長さLの箇所から該雄螺子部14の基端側、すなわち頭部15側にかけて設けられている。使用前における締付具8では、接着剤層17の配置は、図2における符号Mで示すように雌螺子孔13の位置から頭部15側までの間としている。尚、接着剤層17は前記符号Mの範囲或いはほぼその範囲のものも含む。したがって、雄螺子部14を締めて先端面16が連結部4に当たり始めると雌螺子孔13に螺合する雄螺子部14との摩擦により、マイクロカプセル化されて分離された接着剤が化学反応を起こし接着効果が生まれるというものであり、この接着剤層17は塗布や吹き付けによって薄く設けたものである。
次に前記構成についてその作用を説明する。連結部4を抱持するように抱持部7を配置し、底面部11の内向きの先端を連結部4の一側、すなわち連結用屈曲部1Aに当接させた後、頭部15を回動操作して締付具8を回動することで雌螺子孔13に雄螺子部14を螺合させ、該雄螺子部14の先端面16を連結部4の他側、すなわち連結用屈曲部1Bに緊張状態で当接させて抱持部7を固定する。次に上部設置部材である棟包み材5を抱持部7に載置させ、そして上方からビスなどの先鋭な雄螺子を有する固着具18を棟包み材5を介して上面部9に固着することで、棟包み材5を固定できる。
そして、前記頭部15を回動操作して締付具8を回動することで雌螺子孔13に雄螺子部14を螺合させる際、先端面16が連結部4に当たり始めると雄螺子部14の表面に設けられている固着剤層17が雌螺子孔13に入り込もうとする。このとき雌螺子孔13に螺合する雄螺子部14との摩擦により、マイクロカプセル化されて分離された接着剤においてマイクロカプセルが破壊して接着剤がにじみ出て、接着剤が雌螺子孔13と雄螺子部14との介在して両者を固着して、緩み止めを行うことができる。この結果、風で発生する振動やその他の振動から螺子の緩みを防ぐことができる。さらに、この状態では平坦面によって形成されている先端面16が連結部4の他側に当接することで、先端面16における押圧面積が広くなるように確保されている。
以上のように、前記実施例では折板屋根の屋根板1の連結部4を抱持する筺体状の抱持部7に締付具8を備え、前記抱持部7は前記連結部4の上方に配置される上面部9と、該上面部9の幅方向一側に配置される一側側面部10と、該一側側面部10の下部から内側横向きに突設して前記連結部4の一側、すなわち連結用屈曲部1Aと当接可能な底面部11と、前記上面部9の幅方向他側に配置される他側側面部12を備えており、前記他側側面部12に雌螺子孔13を前記連結部4と対向するように設けると共に、該雌螺子孔13に前記締付具8に設けた雄螺子部14を螺合して該雄螺子部14の先端面16が前記連結部4の他側、すなわち連結用屈曲部1Bに当接可能な取付用固定具6において、前記雄螺子部14の表面に接着剤がマイクロカプセル化された接着剤層17を設けることにより、締付具8を回動することで雌螺子孔13に雄螺子部14を螺合させることで、締付具8を回動するだけで、締付のみならず、接着剤による固着をも行うことができ、作業効率を向上することができる。
また、前記締付具8の前記先端面16を前記連結部4と対向する平坦面に形成することで、先端面16における押圧面積が広くなるように確保され、締付強度を向上することができる。
しかも、前記連結部4は、隣接する屋根板1の対向する連結用屈曲部1A,1Bが馳締されてなる馳締タイプとしたので、取付用固定具6を容易に装着することができる。
また、前記接着剤層17は前記雄螺子部14の前記先端(先端面16)から、前記連結部4と前記雌螺子孔13との長さLに対応した長さ位置よりも基端側(頭部15側)に設けられることによって、先端面16が連結部4に当たり始めたときに接着を確実に行うことができる。
さらに、前記雄螺子部14を前記雌螺子孔13に螺合する摩擦により接着剤層17におけるマイクロカプセルの接着剤を化学反応させることができる。
以上のように本考案にかかる取付用固定具は、各種の用途に適用できる。例えば上部設置部材として止面戸の手前に配置されるようなエプロン面板の上部などでもよい。
本考案の実施例1を示す一部を拡大断面した斜視図である。 本考案の実施例1を示す正面図である。 本考案の実施例1を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 屋根板
1A 1B 連結用屈曲部
4 連結部
7 抱持部
8 締付具
9 上面部
10 一側側面部
11 底面部
12 他側側面部
13 雌螺子孔
14 雄螺子部
16 先端面
17固着剤層
L 長さ

Claims (5)

  1. 折板屋根の屋根板の連結部を抱持する筺体状の抱持部に締付具を備え、前記抱持部は前記連結部の上方に配置される上面部と、該上面部の幅方向一側に配置される一側側面部と、該一側側面部の下部から内側横向きに突設して前記連結部の一側に当接可能な底面部と、前記上面部の幅方向他側に配置される他側側面部を備えており、前記他側側面部に雌螺子孔を前記連結部と対向するように設けると共に、該雌螺子孔に前記締付具に設けた雄螺子部を螺合して該雄螺子部の先端が前記連結部の他側に当接可能な取付用固定具において、前記雄螺子部の表面に接着剤がマイクロカプセル化された接着剤層を設けることを特徴とする取付用固定具。
  2. 前記締付具の前記先端を前記連結部と対向する平坦面に形成することを特徴とする請求項1記載の取付用固定具。
  3. 前記連結部は、隣接する屋根板の対向する連結用屈曲部が馳締されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の取付用固定具。
  4. 前記接着剤層は前記雄螺子部の前記先端から、前記連結部と前記雌螺子孔との長さに対応した長さ位置よりも基端側に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の取付用固定具。
  5. 前記接着剤層は前記雄螺子部を前記雌螺子孔に螺合する摩擦により接着することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の取付用固定具。

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