JP3120727B2 - 煙感知器用電圧発生回路 - Google Patents

煙感知器用電圧発生回路

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JP3120727B2 JP08101730A JP10173096A JP3120727B2 JP 3120727 B2 JP3120727 B2 JP 3120727B2 JP 08101730 A JP08101730 A JP 08101730A JP 10173096 A JP10173096 A JP 10173096A JP 3120727 B2 JP3120727 B2 JP 3120727B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電式煙感知器の
温度による特性変化に対処する技術に関するものであ
り、既知の温度特性を有する電圧を発生させて、この電
圧を使って煙感知器のLEDに流れている電流を制御す
る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は一般的な光電式煙感知器の構造を
示す。LED13は駆動回路12により間欠的に駆動さ
れている。駆動回路12は参照回路11によって温度特
性を支配されている。参照回路11の出力は温度に依存
する参照電圧Vrefであり、この参照電圧Vrefが
LED13を駆動するトランジスタを制御するために用
いられている。煙が存在しないときには、LED13か
らの光パルスはフォトダイオード14には到達しない。
一方、煙が存在するときには、LED13からの光パル
スが煙により反射・散乱されて、フォトダイオード14
に入射する。このフォトダイオード14の受光電流を検
出回路15で検出することにより、煙の存在が検出され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の煙感知器のLE
Dを駆動するために用いられる温度に依存する参照電圧
Vrefは、常温(25℃)で精密に制御された値を有
し、且つ温度変化に応じた正確な傾斜を有することが必
要である。このような温度に依存する電圧を発生するた
めに使用されるバンドギャップ発生器の電圧出力(以
下、PTAT電圧又はVptatと呼ぶ)は、残念なが
ら温度依存の関数であって、それ故に、制御に必要な正
確な参照電圧Vrefを発生するために、直接使うこと
ができない。バンドギャップからの出力電圧Vptat
を必要な参照電圧Vrefに変換する手段が必要であ
る。
【0004】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、光電式煙感知
器のLED駆動用の電圧発生回路を改善しようとするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、上記の課題を解決するために、図4に示すように、
光パルスを放射するLED13と、煙により反射された
散乱光を検出する検出回路系とを有する光電式煙感知器
に用いるLED駆動用の電圧発生回路において、図1に
示すように、一対のトランジスタ23,24のゲート及
びソースを共通接続して、第1のトランジスタ23のド
レイン電流に比例するミラー電流を第2のトランジスタ
24のドレイン電流として流すカレントミラー回路と、
第1のトランジスタ23のドレイン電流が流れてグラン
ド電位に対して所定の電圧を両端に発生させる第1の抵
抗器21と、第2のトランジスタ24のドレイン電流が
流れてグランド電位に対して所定の電圧を両端に発生さ
せる第2の抵抗器25と、室温において既知の値と既知
の温度依存性を有するバンドギャップ基準電圧Vpta
tと第1の抵抗器21の両端電圧を比較して、その差電
圧が略ゼロとなるように前記一対のトランジスタ23,
24のゲート電位を制御するオペアンプ22とを備え、
第2の抵抗器25の両端電圧Vrefを用いてLED1
3の電流を制御することを特徴とするものである。
【0006】ここで、バンドギャップの出力電圧Vpt
atは、室温において既知の値であり、そして既知の温
度依存性を有する。室温におけるバンドギャップ基準か
らの出力電圧Vptatは、温度依存の関数であり、そ
れ故、独立して制御できない。この電圧Vptatは、
抵抗器21を流れている電流を制御するために使われ
る。そして、この電流は、カレントミラーを使って他の
抵抗器25に鏡映される。発生された出力電圧Vref
は、カレントミラーの抵抗器21,25の比率とトラン
ジスタ23,24の比率によって制御され、これがバン
ドギャップ発生器の出力Vptatからの変換比率にな
る。
【0007】ところで、必要とされる温度依存の出力電
圧の傾斜が非常に大きい場合には、必要とされる変換比
率が大きくなるから、出力電圧Vrefが大きくなり過
ぎる。この場合、温度に依存しないバンドギャップ基準
の出力Vflatが、疑似的なグランド電位を発生する
ために使われる。
【0008】すなわち、請求項2の発明によれば、図2
に示すように、一対のトランジスタ35,36のゲート
及びソースを共通接続して、第1のトランジスタ35の
ドレイン電流に比例するミラー電流を第2のトランジス
タ36のドレイン電流として流すカレントミラー回路
と、第1のトランジスタ35のドレイン電流が流れてグ
ランド電位に対して所定の電圧を両端に発生させる第1
の抵抗器33と第2の抵抗器32の直列結合と、第2の
トランジスタ36のドレイン電流が流れてグランド電位
に対して所定の電圧を両端に発生させる第3の抵抗器3
7と、室温において既知の値と既知の温度依存性を有す
る第1のバンドギャップ基準電圧Vptatと第1の抵
抗器33と第2の抵抗器32の直列結合の両端電圧を比
較して、その差電圧が略ゼロとなるように前記一対のト
ランジスタ35,36のゲート電位を制御する第1のオ
ペアンプ34と、室温において第1のバンドギャップ基
準電圧Vptatよりも小さい既知の値を有し、温度に
依存しない第2のバンドギャップ基準電圧Vflatと
第2の抵抗器32の両端電圧を比較して、その差電圧が
略ゼロとなるように第2の抵抗器32の両端電圧を制御
する第2のオペアンプ31とを備え、第3の抵抗器37
の両端電圧Vrefを用いてLED13の電流を制御す
ることを特徴とするものである。
【0009】この回路では、温度に依存しない電圧Vf
latは、トランジスタ35のドレイン電流を発生する
ために用いる抵抗器33の両端の電圧降下を低減するた
めに使われる。温度による電圧傾斜が変化しない場合、
使用する温度範囲での電圧降下(Vptat−Vfla
t)は、室温における電圧変化の大部分を占める。それ
故に、カレントミラーを使って抵抗器37に電流を鏡映
させることによって、温度による電圧変化が大きい基準
電圧を発生させることが可能となる。
【0010】また、請求項3の発明によれば、図3に示
すように、一対のトランジスタ42,43のゲート及び
ソースを共通接続して、第1のトランジスタ42のドレ
イン電流に比例するミラー電流を第2のトランジスタ4
3のドレイン電流として流す第1のカレントミラー回路
と、他の一対のトランジスタ46,47のゲート及びソ
ースを共通接続して、第3のトランジスタ46のドレイ
ン電流に比例するミラー電流を第4のトランジスタ47
のドレイン電流として流す第2のカレントミラー回路
と、室温において既知の値と既知の温度依存性を有する
第1のバンドギャップ基準電流Iptatを第1のトラ
ンジスタ42のドレイン電流として流す第1の電流源4
1と、室温において既知の値を有し、温度に依存しない
第2のバンドギャップ基準電流Iflatを第3のトラ
ンジスタ46のドレイン電流として流す第2の電流源4
5と、第1のカレントミラー回路における第2のトラン
ジスタ43のドレイン電流と、第2のカレントミラー回
路における第4のトランジスタ47のドレイン電流の合
計電流が流れてグランド電位に対して所定の電圧を両端
に発生させる抵抗器44とを備え、この抵抗器44の両
端電圧Vrefを用いてLED13の電流を制御するこ
とを特徴とするものである。
【0011】このように、バンドギャップ基準により基
準電圧を発生させて、それを用いて基準電流を発生させ
る代わりに、カレントミラーと電流加算、そして抵抗器
を通して電流を吸収する、という組み合わせを用いるこ
とによって、基準電流を直接に発生させることができ、
必要な温度による電圧傾斜を有する電圧を発生させるこ
とが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1の電圧発生回路の構成を
図1に示す。以下、その回路構成について説明する。抵
抗器21の一端はグランドに接続されており、他端はオ
ペアンプ22の非反転入力とトランジスタ23のドレイ
ンに接続されている。オペアンプ22の反転入力はPT
AT電圧基準に接続されており、出力はトランジスタ2
3と24のゲートに接続されている。トランジスタ23
と24のソースは、正の電源線に接続されている。トラ
ンジスタ24のドレインは、抵抗器25の一端に接続さ
れており、回路の電圧出力Vrefを形成する。抵抗器
25の他端は、グランド電位に接続されている。
【0013】以下、図1の回路の動作について説明す
る。抵抗器21の両端電圧は、オペアンプ22によって
バンドギャップ基準からのPTAT電圧と比較されてい
る。オペアンプ22の出力によりMOSトランジスタ2
3のゲートを駆動し、そのドレイン電流が抵抗器21を
流れる。この手段によって、トランジスタ23のドレイ
ン電流は、バンドギャップ基準のPTAT電圧によって
制御され、そしてそれ故に、PTAT特性を有してい
る。トランジスタ24のゲートとソースは、トランジス
タ23のゲートとソースに接続されているので、トラン
ジスタ23のドレイン電流は、トランジスタ24によっ
て鏡映され、抵抗器25を通して流れる。この回路の出
力電圧Vrefは抵抗器25の両端電圧であり、それ
故、トランジスタ23と24で構成されるカレントミラ
ーを経たバンドギャップ基準の電圧出力によって制御さ
れる。
【0014】請求項2の電圧発生回路の構成を図2に示
す。この回路は大きい温度係数を得るための回路であ
る。以下、その回路構成について説明する。フラットな
温度係数を有するバンドギャップ基準からの出力Vfl
atは、オペアンプ31の非反転入力に接続されてい
る。オペアンプ31の出力は、その反転入力と、抵抗器
32の一端及び抵抗器33の一端に接続されている。抵
抗器32の他端は、グランドに接続されている。抵抗器
33の他端は、オペアンプ34の非反転入力とトランジ
スタ35のドレインに接続されている。オペアンプ34
の反転入力は、PTAT電圧基準に接続されており、出
力はトランジスタ35と36のゲートに接続されてい
る。トランジスタ35と36のソースは、電源線に接続
されている。トランジスタ36のドレインは抵抗器37
の一端に接続されていて、回路の電圧出力Vrefを形
成する。抵抗器37の他端は、グランド電位に接続され
ている。
【0015】以下、図2の回路の動作について説明す
る。この回路では、温度に依存しない電源からの電圧V
flatによって、利得1のバッファ31を駆動する。
利得1のバッファ31の出力電圧は、抵抗器32の両端
の電圧降下となる。抵抗器32と抵抗器33の直列結合
の両端の電圧降下は、オペアンプ34によってPTAT
基準電圧Vptatと比較されており、その出力により
MOSトランジスタ35のゲートを駆動する。そうする
と、トランジスタ35のドレイン電流は抵抗器33の両
端の電圧降下とだけ比例していて、それ故、PTAT電
圧よりも大きい温度依存性を示すことになる。トランジ
スタ35のドレイン電流は、トランジスタ36に鏡映さ
れて、トランジスタ36のドレイン電流は、抵抗器37
を通して流れる。それゆえに、抵抗器37の両端の電圧
降下である出力基準電圧Vrefは、バンドギャップ発
生器によって発生させた元々のPTAT電圧よりも大き
い温度係数を有する。この回路は、必要とされる温度係
数が大きく、室温におけるバンドギャップ基準電圧Vp
tatが大きい場合に適している。
【0016】請求項3の電圧発生回路の構成を図3に示
す。この回路は温度に依存する電流を用いた回路であ
る。以下、その回路構成について説明する。電流シンク
41の出力は、トランジスタ42のドレイン及びトラン
ジスタ42と43のゲートに接続されている。トランジ
スタ42と43のソースは、正の電源線に接続されてい
る。電流シンク45の出力は、トランジスタ46のドレ
イン及びトランジスタ46と47のゲートに接続されて
いる。トランジスタ46と47のソースは、正の電源線
に接続されている。トランジスタ43のドレインは、抵
抗器44とトランジスタ47のドレインに接続されてい
て、回路の電圧出力Vrefを形成する。抵抗器44の
他端は、グランド電位に接続されている。
【0017】この回路は、上述のように、PTAT電圧
を発生させて、これを使ってPTAT電流を発生させる
代わりに、バンドギャップ基準によって直接にPTAT
電流を発生させることができる。この電流Iptat
は、電流シンク41によって、MOSトランジスタ42
と43よりなるカレントミラーに供給される。トランジ
スタ43のドレイン電流は、PTAT電流と係数Aの積
である。トランジスタ43からの電流は、抵抗器44を
介してグランドに流れる。また、フラットな温度係数を
有する電流Iflatもバンドギャップ発生器を使って
発生され、電流シンク45によってトランジスタ46と
47よりなるカレントミラーに供給される。トランジス
タ47のドレイン電流は、温度に依存しない電流Ifl
atと係数Bの積であり、これも抵抗器44を介してグ
ランドに流れる。それゆえに抵抗器44の両端電圧は、
トランジスタ43と47のドレイン電流の合計であっ
て、したがって、温度に依存しない成分と温度に依存す
る成分の両方を有する。カレントミラーの係数AとBを
適切に選択することによって必要な温度係数を生み出す
ことができる。
【0018】
【発明の効果】請求項1の電圧発生回路によれば、室温
において既知の値と既知の温度係数を有する電圧を発生
させ、それを必要な電圧に変換して、光電式煙感知器の
LEDを駆動することにより、温度によるシステムの性
能変化に対処することができる。また、請求項2の構成
によれば、温度係数の大きい参照電圧を発生させること
ができる。さらに、請求項3の構成によれば、所望の温
度係数を有する参照電圧を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の電圧発生回路の回路図である。
【図2】請求項2の電圧発生回路の回路図である。
【図3】請求項3の電圧発生回路の回路図である。
【図4】従来の一般的な光電式煙感知器の概略構成図で
ある。
【符号の説明】
21 抵抗器 22 オペアンプ 23 トランジスタ 24 トランジスタ 25 抵抗器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 17/02 - 17/12 G01N 21/53

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光パルスを放射するLEDと、煙によ
    り反射された散乱光を検出する検出回路系とを有する光
    電式煙感知器に用いるLED駆動用の電圧発生回路にお
    いて、 一対のトランジスタのゲート及びソースを共通接続し
    て、第1のトランジスタのドレイン電流に比例するミラ
    ー電流を第2のトランジスタのドレイン電流として流す
    カレントミラー回路と、 第1のトランジスタのドレイン電流が流れてグランド電
    位に対して所定の電圧を両端に発生させる第1の抵抗器
    と、 第2のトランジスタのドレイン電流が流れてグランド電
    位に対して所定の電圧を両端に発生させる第2の抵抗器
    と、 室温において既知の値と既知の温度依存性を有するバン
    ドギャップ基準電圧と第1の抵抗器の両端電圧を比較し
    て、その差電圧が略ゼロとなるように前記一対のトラン
    ジスタのゲート電位を制御するオペアンプとを備え、 第2の抵抗器の両端電圧を用いてLEDの電流を制御す
    ることを特徴とする煙感知器用電圧発生回路。
  2. 【請求項2】 光パルスを放射するLEDと、煙によ
    り反射された散乱光を検出する検出回路系とを有する光
    電式煙感知器に用いるLED駆動用の電圧発生回路にお
    いて、 一対のトランジスタのゲート及びソースを共通接続し
    て、第1のトランジスタのドレイン電流に比例するミラ
    ー電流を第2のトランジスタのドレイン電流として流す
    カレントミラー回路と、 第1のトランジスタのドレイン電流が流れてグランド電
    位に対して所定の電圧を両端に発生させる第1の抵抗器
    と第2の抵抗器の直列結合と、 第2のトランジスタのドレイン電流が流れてグランド電
    位に対して所定の電圧を両端に発生させる第3の抵抗器
    と、 室温において既知の値と既知の温度依存性を有する第1
    のバンドギャップ基準電圧と第1の抵抗器と第2の抵抗
    器の直列結合の両端電圧を比較して、その差電圧が略ゼ
    ロとなるように前記一対のトランジスタのゲート電位を
    制御する第1のオペアンプと、 室温において第1のバンドギャップ基準電圧よりも小さ
    い既知の値を有し、温度に依存しない第2のバンドギャ
    ップ基準電圧と第2の抵抗器の両端電圧を比較して、そ
    の差電圧が略ゼロとなるように第2の抵抗器の両端電圧
    を制御する第2のオペアンプとを備え、 第3の抵抗器の両端電圧を用いてLEDの電流を制御す
    ることを特徴とする煙感知器用電圧発生回路。
  3. 【請求項3】 光パルスを放射するLEDと、煙によ
    り反射された散乱光を検出する検出回路系とを有する光
    電式煙感知器に用いるLED駆動用の電圧発生回路にお
    いて、 一対のトランジスタのゲート及びソースを共通接続し
    て、第1のトランジスタのドレイン電流に比例するミラ
    ー電流を第2のトランジスタのドレイン電流として流す
    第1のカレントミラー回路と、 他の一対のトランジスタのゲート及びソースを共通接続
    して、第3のトランジスタのドレイン電流に比例するミ
    ラー電流を第4のトランジスタのドレイン電流として流
    す第2のカレントミラー回路と、 室温において既知の値と既知の温度依存性を有する第1
    のバンドギャップ基準電流を第1のトランジスタのドレ
    イン電流として流す第1の電流源と、 室温において既知の値を有し、温度に依存しない第2の
    バンドギャップ基準電流を第3のトランジスタのドレイ
    ン電流として流す第2の電流源と、 第1のカレントミラー回路における第2のトランジスタ
    のドレイン電流と、第2のカレントミラー回路における
    第4のトランジスタのドレイン電流の合計電流が流れて
    グランド電位に対して所定の電圧を両端に発生させる抵
    抗器とを備え、この抵抗器の両端電圧を用いてLEDの
    電流を制御することを特徴とする煙感知器用電圧発生回
    路。
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