JP3120322B2 - サイアミーズシリンダの冷却装置 - Google Patents

サイアミーズシリンダの冷却装置

Info

Publication number
JP3120322B2
JP3120322B2 JP07337606A JP33760695A JP3120322B2 JP 3120322 B2 JP3120322 B2 JP 3120322B2 JP 07337606 A JP07337606 A JP 07337606A JP 33760695 A JP33760695 A JP 33760695A JP 3120322 B2 JP3120322 B2 JP 3120322B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling water
cylinder
head
jacket
forming member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07337606A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08319881A (ja
Inventor
正寛 明田
一利 岡本
保一 鎌田
章 早谷
政次 湯川
理 吉井
和良 森岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP07337606A priority Critical patent/JP3120322B2/ja
Publication of JPH08319881A publication Critical patent/JPH08319881A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3120322B2 publication Critical patent/JP3120322B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/02Cylinders; Cylinder heads  having cooling means
    • F02F1/10Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling
    • F02F1/108Siamese-type cylinders, i.e. cylinders cast together

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多気筒エンジンのサイ
アミーズシリンダの冷却装置に関し、当該シリンダの連
続肉壁部のヘッド寄り部を強力に冷却し、多気筒エンジ
ンの相対的小型軽量化と出力アップを図る事ができるも
のを提供する。
【0002】
【従来の技術】近年、多気筒エンジンを小型・軽量化す
る必要からシリンダボアの間隔を狭くし、あるいは、排
気量を多くしてエンジンの大出力化を図る必要からシリ
ンダボアを大きくしてシリンダの連続肉壁部を可能な限
り薄くしたサイアミーズシリンダが採用されるようにな
った。この種の従来技術としては、例えば、特公昭56
−42744号公報に開示されたもの(以下、従来例1
という)、あるいは、実開昭59−68155号公報に
開示されたもの(以下、従来例2という)が知られてい
る。
【0003】図6は従来例1を示し、図6(A)はサイ
アミーズシリンダの要部の縦断面図、図6(B)は図6
(A)中のB−B線矢視横断平面図、図6(C)はサイ
アミーズシリンダの連続肉壁部のヘッド寄り部に鋳込ま
れる水路形成部材の斜視図である。この従来例1は、シ
リンダブロック1に複数のシリンダ3を前後に並設し、
隣接するシリンダ3・3を連続肉壁部4で連続させてサ
イアミーズシリンダ2を構成し、このサイアミーズシリ
ンダ2を囲むようにシリンダジャケット8を形成し、上
記連続肉壁部4に水路形成部材10を鋳込んである。こ
の水路形成部材10は、図6(A)(B)(C)に示す
ように、その縦断側面視で縦長・偏平な冷却水路15を
備え、上記ヘッド寄り部4aの左右両端部のシリンダジ
ャケット8・8を当該冷却水路15で連通するように構
成されている。
【0004】図6(B)に示すように、上記シリンダジ
ャケット8・8は、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4
aの左右両外側にせまっており、上記冷却水路15の一
側より流入した冷却水は、当該冷却水路15を流通する
ことにより、当該ヘッド寄り部4aを冷却する。なお、
シリンダヘッド(図示せず)を締結する左右一対のボル
ト6・6のボス部5・5は、当該シリンダジャケット8
・8の外側に位置している。ここで、上記水路形成部材
10の左右両端部より突設した突出係止部14a・14
bはシリンダジャケット中子の製作時に当該水路形成部
材10を中子に確実に固定するためのものである。
【0005】図7は従来例2を示し、図7(A)はサイ
アミーズシリンダの要部の縦断面図、図7(B)は図7
(A)中のB−B線矢視横断平面図、図7(C)はサイ
アミーズシリンダの連続肉壁部4のヘッド寄り部4aに
鋳込まれる水路形成部材の斜視図である。この水路形成
部材10は、図7(A)(B)(C)に示すように、連
続肉壁部4の左右のシリンダジャケット8・8を連通す
る冷却水路15と、この冷却水路15の左右両端部に位
置し、当該冷却水路15と連通する左右一対のジャケッ
ト連通路12・12と、各ジャケット連通路12・12
の下側に位置し、各シリンダジャケット8・8に向けて
開口した左右一対の冷却水導入部13・13とを備えて
いる。
【0006】上記冷却水導入部13・13より流入した
冷却水は、上記冷却水路15を流通するとともに、ジャ
ケット連通路12・12を介して上記ヘッド寄り部4a
の上側に位置するヘッドジャケット(図示せず)に流出
し、その間に連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを冷却す
る。なお、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4aの左右
に位置するシリンダヘッド締結用ボス部5・5は、従来
例1と同様に当該シリンダジャケット8・8の外側に位
置している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来例1は、冷却水路
15の左右両端部及び突出係止部14a・14bがシリ
ンダジャケット8・8内に突出しているため、シリンダ
外周面(3a)に沿って流れようとする冷却水の円滑な
流通を阻害し、冷却水が冷却水路15に流入するのを妨
げている。このため、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部
4aを強力に冷却できないという難点がある。しかも、
水路形成部材10の冷却水路15が縦断側面視で縦長・
偏平であることから、冷却水路15の機械的強度が低
く、シリンダボアの孔加工時の歪み耐久性が劣る。さら
に、左右のシリンダヘッド締結用ボス部5・5が、シリ
ンダジャケット8・8の外側に位置しているため、左右
のヘッドボルト6・6の間隔が大きくなり、シリンダ3
を周方向に沿って均一かつ強力に締結することができな
いという難点がある。
【0008】また、従来例2は、各ジャケット連通路1
2を構成する筒体の下部を切り欠いて冷却水導入部13
を形成しているが、当該冷却水導入部13の間口が小さ
いため、多量の冷却水を冷却水路15に円滑に導入する
ことができず、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを
強力に冷却できないという難点がある。しかも、従来例
1と同様に冷却水路15が縦長・偏平であることから、
シリンダボアの孔加工時の歪み耐久性が劣る。さらに、
左右のシリンダヘッド締結用ボス部5・5が、シリンダ
ジャケット8・8の外側に位置しているため、左右のヘ
ッドボルト6・6の間隔が大きくなり、シリンダ3を周
方向に沿って均一かつ強力に締結することができないと
いう難点がある。
【0009】つまり、従来例1及び従来例2は、いずれ
も燃焼室に近いヘッド寄り部4aを強力に冷却できず放
熱能力が低いため、空気利用率の向上を図ることができ
ず、ひいてはエンジンの出力アップを図ることができな
い。即ち、ピストンリングはシリンダ壁を介して冷却さ
れるが、上記ヘッド寄り部4aの放熱能力が低いと、ピ
ストンリングの焼き付き等を防止する観点より、特にト
ップリングをピストン頂面から一定距離だけ離間して装
着せざるを得ない。このことはピストン頂部の外周に燃
焼に寄与しないリング状のデッドスペースが生じること
を意味する。このため空気利用率の向上を図ることがで
きず、ひいてはエンジンの出力アップを図ることができ
ないことになる。しかも、シリンダボアの孔加工時やエ
ンジン運転時の歪み耐久性が劣る。
【0010】また、ディーゼルエンジンでは、圧縮比が
高く、略900Kg/cm2 以上のガスシール圧を必要
とするが、上記従来例1及び従来例2は、いずれもシリ
ンダヘッド締結用ボス部5・5の間隔が大きく、シリン
ダ3を周方向に沿って均一かつ強力に締結することがで
きないため、ディーゼルエンジンには適用した場合に
は、ガスシール圧を十分に高めることができない。特に
近年では、さらに小型軽量化を促進し、エンジンの大出
力化を図ることが要請されているが、従来例1及び従来
例2は上記難点を有するため、これらの要請に十分に応
えることができない。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、上記連続肉壁部のヘッド寄り部をさらに強力に
冷却してトップリングをより上方に位置させることによ
り空気利用率の向上を図り、多気筒エンジンの一層の小
型軽量化とエンジンの出力向上を図るとともに、シリン
ダボアの孔加工時やエンジン運転時の歪み耐久性を高め
ることを技術的課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の基本構成は、以
下のように構成される。サイアミーズシリンダ2の連続
肉壁部4のヘッド寄り部4aに水路形成部材10を鋳込
み、上記連続肉壁部4の左右に位置するシリンダジャケ
ット8・8内の冷却水を上記水路形成部材10を介して
ヘッド寄り部4aの上側に位置するヘッドジャケット2
2に流出させるように構成する。
【0013】請求項1に記載の発明は、以下の特徴構成
を備える。上記基本構成を有するサイアミーズシリンダ
の冷却装置において、水路形成部材10は、左右一対の
ジャケット連通路12・12と、上記ジャケット連通路
12・12の下側に位置し、各シリンダジャケット8・
8に向けて開口する左右一対の冷却水導入部13・13
と、左右のジャケット連通路12・12同士及び左右の
冷却水導入部13・13同士を連通する冷却水路15と
を備え、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4aの左右両
側部に連続させて左右一対のシリンダヘッド締結用ボス
部5・5を形成し、上記冷却水導入部13・13を上記
シリンダヘッド締結用ボス部5・5の下面に近接配置し
てその間口を上下に大きく開口するとともに、左右に突
設した前後一対の冷却水案内板14・14を、それぞれ
シリンダ外周面3a・3aに添わせることにより前後に
拡開させる。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のサイアミーズシリンダの冷却装置において、成型した
2枚の板金を相互に対向して重ね合わせることにより、
上記水路形成部材10を一体に構成し、上記冷却水路1
を上下多段に横設するとともに、これらの冷却水路1
5と交互に上下多段の非空洞部11を横設した、ことを
特徴とする。
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の作用・効果】 請求項1に記載の発明では、
左右一対のシリンダヘッド締結用ボス部5・5をヘッド
寄り部4aの左右両側部に連続させて形成し、左右一対
の冷却水導入部13・13を上記シリンダヘッド締結用
ボス部5・5の下面に近接配置してその間口を上下に大
きく開口するとともに、左右に突設した前後一対の冷却
水案内板14・14をそれぞれシリンダ外周面3a・3
aに添わせることにより前後に拡開させたことから、シ
リンダジャケット8・8内の冷却水は冷却水案内板14
・14で阻害されることなく、シリンダ外周面3aに沿
って円滑に流れ、冷却水の多くは上記シリンダヘッド締
結用ボス部5・5の下面に近接配置され、かつ、シリン
ダジャケット8・8に向けてその間口を上下に大きく開
された冷却水導入部13・13より、冷却水路15及
びジャケット連通路12に多量に流入し、上記ジャケッ
ト連通路12・12を通って連続肉壁部4の上側に位置
するヘッドジャケット22へ抜ける。その間に冷却水の
多くは冷却水路15を流通して上記ヘッド寄り部4aを
強力に冷却する。そしてピストンリングはシリンダ壁を
介してピストンリングを強力に冷却できるので、トップ
リングをピストン頂面に可及的に近づけ、ピストン頂部
外周の燃焼に寄与しないリング状のデッドスペースを極
力小さくして空気利用率の向上を図ることができる。ま
た、これに伴って燃料の未燃部分及び潤滑油の炭化によ
るトップリングの膠着を解消することができる。
【0018】 トップリングをピストン頂面に可及的
に近づけることに伴って、ピストンピンの位置をピスト
ン頂面に可及的に近づけ、その分だけクランク軸の振り
回しの寸法を長くすることができ、コンロッドやエンジ
ンの体格(高さ)を変えないで、ピストンストローク、
ひいては排気量アップを図ることができる。つまり、多
気筒エンジンの相対的小型化とエンジンの大出力化を図
ることができる。 逆にピストンストロークを変えない場合には、ピス
トンピンの位置をピストン頂面に近づけた分だけコンロ
ッドを長く設定できるので、ピストン側圧力を低減で
き、結果として摩擦損失の低減が図れる。 また、当該ヘッド寄り部を強力に冷却できるので、
シリンダボアの直径を大きくすることにより排気量アッ
プ、ひいては出力アップを図ることができる。
【0019】 請求項2に記載の発明では、水路形成
部材10が、成型した2枚の板金を相互に対向して重ね
合わせて一体に構成されており、上下多段の冷却水路1
5と交互に横設された上下多段の非空洞部11とを備え
ることから、冷却水路15の機械的強度が増大し、シリ
ンダボアの孔加工時やエンジン運転時の歪み耐久性が高
まる。
【0020】
【0021】
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明に係るサイアミーズシ
リンダの冷却装置を具備する縦型多気筒エンジンの要部
を示し、同図(A)は部分縦断面図、同図(B)はその
シリンダブロックの部分平面図である。また、図2は本
発明の実施形態に係る水路形成部材を示し、同図(A)
は当該水路形成部材の斜視図、同図(B)は図2(A)
中のB−B線矢視縦断面図、同図(C)は図2(A)中
のC−C線矢視横断平面図である。さらに、図3は本発
明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置を具備する縦
型多気筒エンジンの要部の縦断面図である。
【0023】この縦型多気筒エンジンEは、図3に示す
ように、クランクケースを一体に形成したシリンダブロ
ック1の上にシリンダヘッド20をヘッドボルト6で固
定し、シリンダブロック1に形成したシリンダジャケッ
ト8とシリンダヘッド20に形成したヘッドジャケット
22とを、連続肉壁部4以外の部分に形成した多数のジ
ャケット連通孔24で連通し、シリンダブロック1を冷
却した冷却水でシリンダヘッド20を冷却するように構
成されている。
【0024】本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却
装置は、従来例1及び従来例2と同様の基本構成を備え
ている。即ち、図1及び図3に示すように、シリンダブ
ロック1に複数のシリンダ3を前後に並設し、隣接する
シリンダ3・3を連続肉壁部4で連続させてサイアミー
ズシリンダ2を構成するとともに、上記サイアミーズシ
リンダ2を囲むようにシリンダジャケット8が形成され
ている。上記連続肉壁部4には、後述する水路形成部材
10が鋳込まれている。
【0025】以下、本発明の実施形態の特徴構成につい
て説明する。上記水路形成部材10は、図2に示すよう
に、プレス成型した2枚の板金を相互に対向して重ね合
わせ、接当部をシーム溶接して一体に構成されている。
即ち、この水路形成部材10は、左右一対のジャケット
連通路12・12と、上記ジャケット連通路12・12
の下側に位置し、各シリンダジャケット8・8に向けて
開口する左右一対の冷却水導入部13・13と、左右の
ジャケット連通路12・12及び左右の冷却水導入部1
3・13と連通する冷却水路15とを備え、上記冷却水
導入部13・13は、左右に突設した前後一対の冷却水
案内板14・14を、それぞれシリンダ外周面3aに沿
って前後に拡開させて成り、上記冷却水導入部13・1
3より導入した多量の冷却水を、上記冷却水路15に流
通させるとともに、上記ジャケット連通路12・12を
介して上記ヘッド寄り部4aの上側に位置するヘッドジ
ャケット22に流出させるように構成されている。
【0026】上記のように水路形成部材10は、上下多
段で交互に形成した非空洞部11と冷却水路15とを備
えることから、冷却水路15の機械的強度が増大するの
で、従来例のように冷却水路15を縦断側面視で縦長・
偏平に形成した場合と比較して、シリンダボアの加工時
やエンジン運転時に連続肉壁部4に作用する加圧力に対
して強力に対抗でき、歪み耐久性が高まるという利点が
ある。
【0027】左右一対のシリンダヘッド締結用ボス部5
・5は、上記ヘッド寄り部4aの左右両側部と連続して
形成され、ヘッドボルト6・6の配置間隔を狭めて当該
狭められた分だけシリンダ3を周方向に沿って均一かつ
強力に締結するように構成されている。なお、本発明
左右一対のシリンダヘッド締結用ボス部5・5をヘ
ッド寄り部4aの左右両側部と連続して形成することに
より、シリンダブロック1の上端壁にあけたジャケット
連通孔23と一対のジャケット連通路12・12の孔径
を大きくして多量の冷却水を流通させることができると
いう利点がある。
【0028】上記一対のジャケット連通路12・12は
当該ボス部5・5の内側に位置し、シリンダブロック1
の上端壁及びシリンダヘッド20の下端壁とにあけたジ
ャケット連通孔23と連通している。また、冷却水路1
5の左右の寸法dは、図1(A)(B)に示すように、
上記連続肉壁部4の左右の寸法Dよりも小さく設定され
ている。これにより、上記一対のジャケット連通路12
・12の開口内側間隔dが上記連続肉壁部4の左右の寸
法Dよりも小さく設定される。従って、ジャケット連通
路12・12の開口内側間隔dを狭めた分だけ、左右の
ヘッドボルト6・6の配置間隔を狭めることができ、シ
リンダ3の周囲のヘッドボルト6の個数を多くすること
ができるので、シリンダ3を周方向に沿って一層均一か
つ強力に締結することができる。これにより、ガスシー
ル圧を高めることができる。
【0029】上記冷却水導入部13・13は、図1
(A)に示すように、シリンダヘッド締結用ボス部5・
5の下面に近接配置され、下方の冷却水路15の左右両
端部より前後一対の冷却水案内板14・14を左右に突
設し、これらの冷却水案内板14・14をそれぞれシリ
ンダ外周面3aに添わせることにより前後に拡開て構
成されている。上記構成により、冷却水導入部13・1
3の間口は上下に大きく開口形成され、冷却水の多くは
シリンダジャケット8・8に向けて拡開された冷却水導
入部13・13よ冷却水路1及びジャケット連通路
12に多量に流入し、上記ジャケット連通路12・12
を通って連続肉壁部4の上側に位置するヘッドジャケッ
ト22へ抜ける。その間に多量の冷却水が冷却水路15
及びジャケット連通路12・12を流通し、上記ヘッド
寄り部4aを強力に冷却する。これによりエンジンの排
気量アップ、ひいては出力アップを図ることができる。
【0030】即ち、ヘッド寄り部4aを強力に冷却する
ことで、シリンダ壁を介してピストンリングを強力に冷
却できるので、トップリングをピストン頂面に可及的に
近づけ、ピストン頂部外周の燃焼に寄与しないリング状
のデッドスペースを極力小さくして空気利用率の向上を
図ることができる。また、これに伴って燃料の未燃部分
の炭化によるトップリングの膠着を解消することができ
る。
【0031】しかも、トップリングをピストン頂面に可
及的に近づけることに伴って、ピストンピンの位置をピ
ストン頂面に可及的に近づけ、その分だけクランク軸の
振り回しの寸法を長くすることができ、コンロッドエン
ジンの体格を変えないで相対的小型化を図り、ピストン
ストロークを大きくして、排気量アップを図ることがで
きる。また、当該ヘッド寄り部4aを強力に冷却できる
ので、シリンダボアの直径を大きくすることにより排気
量アップを図ることもできる。さらに、ターボチャージ
ャを搭載した多気筒エンジン等においても本発明を適用
することにより、相対的小型化とエンジンの大出力化を
図ることができる。
【0032】図4は2枚の板金を重ね合わせて構成した
水路形成部材10の冷却水路15の断面形状を例示する
概要図で、それぞれ(A)は矩形、(B)は5角形、
(C)は6角形示し、連続肉壁部4の形状等を考慮し
て適宜形状が選定される。
【0033】図5は水路形成部材10の冷却水路15の
他の配列を例示する概要図である。図5(A)は非空洞
部11と冷却水路15とを上下多段で交互に配列したも
のであるが、連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを強力に
冷却するために、上方の冷却水路15の路幅を下方の冷
却水路15の路幅よりも大きくしてある。図5(B)
は、上下多段で交互に配列した非空洞部11と冷却水路
15とが、共に下向きに円弧状に形成してある。図5
(C)は冷却水路15を略V字状とし、かつ、図5
(A)と同様に上方の冷却水路15の路幅を下方の冷却
水路15の路幅よりも大きくしてある。図5(D)は上
下多段に配列した冷却水路15の中央部を縦向きの冷却
水路15aで連通してある。図5(E)は図5(C)と
同様の冷却水路15の中央部を縦向きの冷却水路15a
で連通してある。図5(F)非空洞部11と冷却水路
15とを上下多段に傾斜させてある
【0034】図5(B)〜図5()の配列によれば、
万一、冷却水路15内で冷却水が沸騰して水蒸気が発生
した場合でも、水蒸気は傾斜した各冷却水路15の上縁
に沿って上方へ移動し、ジャケット連通路12・12を
通ってヘッドジャケット22に逃げるので、冷却性能は
高く維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置
を具備する縦型多気筒エンジンの要部を示し、同図
(A)は部分縦断面図、同図(B)はそのシリンダブロ
ックの部分平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る水路形成部材を示し、
同図(A)は当該水路形成部材の斜視図、同図(B)は
図2(A)中のB−B線矢視縦断面図、同図(C)は図
2(A)中のC−C線矢視横断平面図である。
【図3】本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置
を具備する縦型多気筒エンジンの要部の縦断面図であ
る。
【図4】本発明の水路形成部材の冷却水路の断面形状を
例示する概要図である。
【図5】本発明の水路形成部材の冷却水路の配列を例示
する概要図である。
【図6】従来例1を示し、同図(A)は縦型エンジンの
サイアミーズシリンダの要部の縦断面図、同図(B)は
図6(A)中のB−B線矢視横断平面図、同図(C)は
水路形成部材の斜視図である。
【図7】従来例2を示す図6相当図である。
【符号の説明】
1…シリンダブロック、2…サイアミーズシリンダ、3
…シリンダ、4……連続肉壁部、4a…連続肉壁部のヘ
ッド寄り部、5…シリンダヘッド締結用ボス部、8…シ
リンダジャケット、10…水路形成部材、12…ジャケ
ット連通路、13…冷却水導入部、14…冷却水案内
板、15…冷却水路、22…ヘッドジャケット、d…左
右一対のジャケット連通路の内側開口間隔、D…連続肉
壁部の左右の寸法、E…多気筒エンジン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02F 1/00 F02F 1/00 J 1/10 1/10 B D (72)発明者 早谷 章 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (72)発明者 湯川 政次 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (72)発明者 吉井 理 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (72)発明者 森岡 和良 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 平6−344112(JP,A) 特開 昭63−253156(JP,A) 特開 平6−147002(JP,A) 特開 昭53−147122(JP,A) 特開 昭54−95823(JP,A) 実開 昭60−57758(JP,U) 実開 昭59−107946(JP,U) 実開 昭59−68154(JP,U) 実開 昭54−93605(JP,U) 実開 昭57−117742(JP,U) 実開 昭59−68155(JP,U) 実開 昭61−53539(JP,U) 実開 昭62−173534(JP,U) 実開 平6−76638(JP,U) 実開 昭49−110149(JP,U) 実開 昭63−63551(JP,U) 実開 昭63−24348(JP,U) 実開 昭59−100945(JP,U) 実開 昭59−100946(JP,U) 実開 昭53−99406(JP,U) 実開 昭59−175649(JP,U) 実開 昭54−63810(JP,U) 実開 昭52−113105(JP,U) 実開 昭55−14052(JP,U) 実開 昭63−63555(JP,U) 実開 昭63−63554(JP,U) 特公 昭49−29966(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01P 3/02 F02F 1/00 - 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイアミーズシリンダ(2)の連続肉壁
    部(4)のヘッド寄り部(4a)に水路形成部材(1
    0)を鋳込み、上記連続肉壁部(4)の左右に位置する
    シリンダジャケット(8)(8)内の冷却水を上記水路
    形成部材(10)を介して上記ヘッド寄り部(4a)の
    上側に位置するヘッドジャケット(22)に流出させる
    ように構成したサイアミーズシリンダの冷却装置におい
    て、 上記水路形成部材(10)は、左右一対のジャケット連
    通路(12)(12)と、上記ジャケット連通路(1
    2)(12)の下側に位置し、各シリンダジャケット
    (8)(8)に向けて開口する左右一対の冷却水導入部
    (13)(13)と、左右のジャケット連通路(12)
    (12)同士及び左右の冷却水導入部(13)(13)
    同士を連通する冷却水路(15)とを備えて成り、上記連続肉壁部(4)のヘッド寄り部(4a)の左右両
    側部に連続させて左右一対のシリンダヘッド締結用ボス
    部(5)(5)を形成し、 上記冷却水導入部(13)(13)を上記シリンダヘッ
    ド締結用ボス部(5)(5)の下面に近接配置してその
    間口を上下に大きく開口するとともに、左右に突設した
    前後一対の冷却水案内板(14)(14)を、それぞれ
    シリンダ外周面(3a)(3a)に添わせることにより
    前後に拡開させて構成した、ことを特徴とするサイアミ
    ーズシリンダの冷却装置。
  2. 【請求項2】 成型した2枚の板金を相互に対向して重
    ね合わせることにより、上記水路形成部材(10)を一
    体に構成し、 上記冷却水路(15)を上下多段に横設するとともに、
    これらの冷却水路(15)と交互に上下多段の非空洞部
    (11)を横設した、ことを特徴とする請求項1に記載
    のサイアミーズシリンダの冷却装置。
JP07337606A 1995-03-20 1995-12-26 サイアミーズシリンダの冷却装置 Expired - Fee Related JP3120322B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07337606A JP3120322B2 (ja) 1995-03-20 1995-12-26 サイアミーズシリンダの冷却装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-60818 1995-03-20
JP6081895 1995-03-20
JP07337606A JP3120322B2 (ja) 1995-03-20 1995-12-26 サイアミーズシリンダの冷却装置

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11311907A Division JP2000130253A (ja) 1995-03-20 1999-11-02 サイアミ―ズシリンダの冷却装置
JP31190699A Division JP3344980B2 (ja) 1995-03-20 1999-11-02 サイアミーズシリンダの冷却装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08319881A JPH08319881A (ja) 1996-12-03
JP3120322B2 true JP3120322B2 (ja) 2000-12-25

Family

ID=26401870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07337606A Expired - Fee Related JP3120322B2 (ja) 1995-03-20 1995-12-26 サイアミーズシリンダの冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3120322B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100345547B1 (ko) * 1996-12-21 2002-11-18 기아자동차주식회사 차량용 사이어미즈 엔진( Siamese Engin)실린더블록 워터자켓구조
JP2001164985A (ja) 1999-09-28 2001-06-19 Kubota Corp 多気筒エンジンのシリンダブロック及びその鋳造方法
JP5281345B2 (ja) * 2008-09-17 2013-09-04 トヨタ自動車株式会社 クローズドデッキタイプのシリンダブロック
DE102020133308B3 (de) 2020-12-14 2022-02-24 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Kühlkanalanordnung zum Kühlen eines Zylindergehäuses einer Brennkraftmaschine

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08319881A (ja) 1996-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5062071B2 (ja) 内燃機関のシリンダブロック
KR101477324B1 (ko) 내연 기관용 실린더 크랭크케이스
EP0743442B1 (en) Cylinder cooling apparatus of multi-cylinder engine
JP2006500506A (ja) 内燃機関のための、複数部分より成る冷却形ピストン
JP3120322B2 (ja) サイアミーズシリンダの冷却装置
JP3057421B2 (ja) サイアミーズシリンダの冷却装置
JP2000130253A (ja) サイアミ―ズシリンダの冷却装置
JPH06330808A (ja) 水冷式エンジンのシリンダブロック構造
JP3344980B2 (ja) サイアミーズシリンダの冷却装置
JP3582303B2 (ja) エンジンのシリンダブロック構造
JP3057418B2 (ja) サイアミーズシリンダの冷却装置
JP3656060B2 (ja) サイアミーズシリンダの冷却装置
JP3057414B2 (ja) サイアミーズシリンダの冷却装置
JP7456713B2 (ja) 多気筒内燃機関の本体ブロック
JPH08284659A (ja) サイアミーズシリンダの冷却装置
JP3057419B2 (ja) サイアミーズシリンダの冷却装置
JP3057420B2 (ja) サイアミーズシリンダの冷却装置
JPH06330807A (ja) 水冷式内燃機関のシリンダブロック構造
JPH08284658A (ja) サイアミーズシリンダの冷却装置
JP3620202B2 (ja) エンジンのシリンダブロック構造
JPH05312037A (ja) 内燃機関のシリンダブロック
JP2839826B2 (ja) サイアミーズ型シリンダブロックの構造
JPH029088Y2 (ja)
KR100496057B1 (ko) 다기통실린더의냉각장치
JPS6347631Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081020

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees