JPH08284659A - サイアミーズシリンダの冷却装置 - Google Patents

サイアミーズシリンダの冷却装置

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JPH08284659A
JPH08284659A JP8213895A JP8213895A JPH08284659A JP H08284659 A JPH08284659 A JP H08284659A JP 8213895 A JP8213895 A JP 8213895A JP 8213895 A JP8213895 A JP 8213895A JP H08284659 A JPH08284659 A JP H08284659A
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cooling water
cylinder
cooling
water passage
vertical
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Application number
JP8213895A
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English (en)
Inventor
Masahiro Akeda
正寛 明田
Kazutoshi Okamoto
一利 岡本
Yasuichi Kamata
保一 鎌田
Akira Hayatani
章 早谷
Nobuhiro Yamamoto
信裕 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/02Cylinders; Cylinder heads  having cooling means
    • F02F1/10Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling
    • F02F1/108Siamese-type cylinders, i.e. cylinders cast together

Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続肉壁部のヘッド寄り部を強力に冷却し得
るサイアミーズシリンダの冷却装置を提供し、多気筒エ
ンジンの相対的小型軽量化とエンジンの大出力化を図
る。 【構成】 サイアミーズシリンダ2の連続肉壁部4に鋳
込まれる水路形成部材10は、連続肉壁部4を冷却する
断面視縦長の縦長冷却水通路12を有する。この縦長冷
却水通路12の両端部の冷却水出入口13a・13bを
左右のシリンダジャケット8・8に向けて突出させ、冷
却水出入口13a・13bの上下方向の間口は、縦長冷
却水通路12の上下方向の幅よりも小さく、冷却水出入
口13a・13bの前後方向の間口は、冷却水通路12
の前後方向の幅よりも大きく設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多気筒エンジンのサイ
アミーズシリンダの冷却装置に関し、当該シリンダの連
続肉壁部のヘッド寄り部を強力に冷却し、多気筒エンジ
ンの相対的小型軽量化と出力アップを図る事ができるも
のを提供する。
【0002】
【従来の技術】近年、多気筒エンジンを小型・軽量化す
る必要からシリンダボアの間隔を狭くし、あるいは排気
量を多くしてエンジンの大出力化を図る必要から、シリ
ンダボア径を大きくしてシリンダの連続肉壁部を可能な
限り薄くしたサイアミーズシリンダが採用されるように
なった。この種の従来技術としては、例えば、本出願人
が提案した実開平3−37249号公報に開示されたも
の(以下、従来例1という)、実開平1−93345号
公報に開示されたもの(以下、従来例2という)、ある
いは、実開昭62−173534号公報に開示されたも
の(以下、従来例3という)が知られている。
【0003】図8は従来例1を示し、同図(A)はサイア
ミーズシリンダの連続肉壁部の縦断面図、同図(B)は上
記サイアミーズシリンダを形成したシリンダブロックの
部分平面図である。この従来例1は、シリンダブロック
1に複数のシリンダ3を前後に並設し、隣接するシリン
ダ3・3を連続肉壁部4で連続させてサイアミーズシリ
ンダ2を構成し、このサイアミーズシリンダ2を囲むよ
うにシリンダジャケット8を形成し、上記連続肉壁部4
のヘッド寄り部4aの左右両側部に一対のシリンダヘッ
ド締結用ボス部5・5を連続させて形成するとともに、
上記連続肉壁部4に水路形成部材10を鋳込んである。
【0004】上記水路形成部材10は、図8(A)(B)に
示すように、上記連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを冷
却する上向き凸状で断面視縦長の冷却水通路12を備
え、当該冷却水通路12の両端部の冷却水出入口13a
・3bは左右のシリンダジャケット8・8に向けて突設
されている。この出入口13a・13bは上記シリンダ
ヘッド締結用ボス部5・5の下側に開口されており、上
記冷却水通路12を介して一方のシリンダジャケット8
から他方のシリンダジャケット8ヘ冷却水を流通させる
ように構成されている。
【0005】図7は従来例2を示し、同図(A)はサイア
ミーズシリンダの連続肉壁部の縦断面図、同図(B)は同
図(A)中のB−B線矢視横断平面図、同図(C)は連続肉
壁部4のヘッド寄り部4aに鋳込まれる水路形成部材の
縦断面図である。図7(A)(B)(C)に示すように、この
水路形成部材10も連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを
冷却する縦長の冷却水通路12を有している。左右一対
のシリンダジャケット8・8は、上記連続肉壁部4のヘ
ッド寄り部4aにせまっており、当該ヘッド寄り部4a
の左右に位置するシリンダヘッド締結用ボス部5・5
は、左右のシリンダジャケット8・8の外側に位置して
いる。なお、符号14は補強壁である。
【0006】図6は従来例3を示し、同図(A)はサイア
ミーズシリンダの連続肉壁部の縦断面図、同図(B)は同
図(A)中のB−B線矢視横断平面図、同図(C)は水路形
成部材の縦断面図である。図6(A)(B)(C)に示すよう
に、この水路形成部材10も連続肉壁部4のヘッド寄り
部4aを冷却する縦長の冷却水通路12を有している
が、冷却水通路12の出入口13a・13bを形成する
冷却水案内板13は、サイアミーズシリンダ2の外壁2
aに沿って拡開している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来例1(図8)は、水
路形成部材10の冷却水通路12の冷却水入口13a及
び冷却水出口13bの間口が小さいため、冷却水を十分
に冷却水通路12内に流通させることができない。その
ため、冷却水通路12内の頂部に過熱による水蒸気が発
生し易い。また、この水蒸気を即座に排出することがで
きないため、連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを強力に
冷却することができないおそれがある。
【0008】従来例2(図7)は、シリンダジャケット8
・8内に突設されている冷却水出入口13a・13bの
上下方向の間口が、当該冷却水通路12の上下方向の幅
と同じ幅で大きく設定されているため、シリンダジャケ
ット8・8内を前後方向へ流れる冷却水の流路抵抗が大
きくなる。例えば、前方から後向へ流れる冷却水は、下
流になるほど流れにくくなり、複数のシリンダ同士間の
前後方向での温度落差が大きくなる。つまり、冷却水の
下流に位置するシリンダでは、燃焼性能が低下すること
となる。
【0009】そこで図5は、従来例2(図7)の上記難点
を改良する意図でなされた先発明例である。この先発明
例は、水路形成部材10が複数の円筒で形成されている
点で、従来例2よりも戦後方向の流路抵抗が小さくなる
が、冷却水通路が縦長でないため、連続肉壁部4を薄く
することができない。また、放熱能力も低く、ヘッド寄
り部4aを強力に冷却することができないという難点が
ある。
【0010】従来例3(図6)は、冷却水通路12の両
端部の冷却水案内板13がサイアミーズシリンダ2の外
壁2aに沿って拡開し、冷却水はその外壁2aに沿って
円滑に流れるので、従来例2のような弊害は無い。しか
し、冷却水はサイアミーズシリンダ2の外壁2aに近い
ほど暖かいので、加熱された冷却水が当該冷却水案内板
13に案内されて冷却水通路12内を流通することとな
り、連続肉壁部4を強力に冷却することができない。
【0011】つまり、従来例1〜従来例3及び先発明例
は、いずれも燃焼室に近いヘッド寄り部4aを強力に冷
却できず放熱能力が低いため、空気利用率の向上を図る
ことができず、ひいてはエンジンの出力アップを図るこ
とができない。即ち、ピストンリングはシリンダ壁を介
して冷却されるが、上記ヘッド寄り部4aの放熱能力が
低いと、ピストンリングの焼き付き等を防止する観点よ
り、特にトップリングをピストン頂面から一定距離だけ
離間して装着せざるを得ない。このことはピストン頂部
の外周に燃焼に寄与しないリング状のデッドスペースが
生じることを意味する。このため空気利用率の向上を図
ることができず、ひいてはエンジンの出力アップを図る
ことができないことにもなる。
【0012】特に近年では、エンジンの小型軽量化を促
進し、エンジンの大出力化を図ることが要請されている
が、従来例1〜従来例3及び先発明例は前記難点を有す
るため、これらの要請に十分に応えることができない。
本発明は上記難点を解消するためになされたもので、上
記連続肉壁部のヘッド寄り部をさらに強力に冷却してト
ップリングをより上方に位置させることにより空気利用
率の向上を図るとともに、多気筒エンジンの一層の小型
軽量化とエンジンの出力向上を図ることを技術的課題と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の基本構成は、以
下のように構成される。シリンダブロック1に複数のシ
リンダ3を前後に並設し、隣接するシリンダ3・3を連
続肉壁部4で連続させてサイアミーズシリンダ2を構成
するとともに、このサイアミーズシリンダ2を囲むよう
にシリンダジャケット8を形成し、上記連続肉壁部4に
水路形成部材10を鋳込む。この水路形成部材10は、
連続肉壁部4を冷却する断面視縦長の縦長冷却水通路1
2を有し、当該縦長冷却水通路12の両端部の冷却水出
入口13a・13bを左右のシリンダジャケット8・8
に向けて突出して構成する。
【0014】本発明は、以下の特徴構成を備える。即
ち、請求項1に記載の発明では、上記水路形成部材10
の冷却水出入口13a・13bの上下方向の間口を上記
縦長冷却水通路12の上下方向の幅よりも小さく設定す
るとともに、前後方向の間口を上記縦長冷却水通路12
の前後方向の幅よりも大きく設定する。
【0015】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載のサイアミーズシリンダの冷却装置において、上記縦
長冷却水通路12を、上記冷却水出入口13a・13b
に対して上下に出張る形に形成する。請求項3に記載の
発明では、請求項1又は請求項2に記載のサイアミーズ
シリンダの冷却装置において、上記冷却水出入口13a
・13bの開口面積を、上記縦長冷却水通路12の断面
積よりも大きく設定する。
【0016】
【発明の作用】 請求項1の発明では、冷却水出入口13a・13b
の上下方向の間口を縦長冷却水通路12の上下方向の幅
よりも小さく設定するとともに、前後方向の間口を縦長
冷却水通路12の前後方向の幅よりも大きく設定したこ
とことから、冷却水出入口13a・13bでの通路断面
積に対する通路抵抗は、従来例1や従来例2に比較して
格段に小さくなる。これにより、縦長冷却水通路12の
断面積が同一でも、単位時間内に流通する冷却水量が多
くなり、冷却性能が向上する。
【0017】 また、請求項1の発明では、冷却水出
入口13a・13bの上下方向の間口を縦長冷却水通路
12の上下方向の幅よりも小さく設定したことことか
ら、シリンダジャケット8・8内を前後方向へ流れる冷
却水の流路抵抗が小さくなる。従って、流路抵抗が小さ
くなった分だけ冷却水は円滑に流れ、複数のシリンダ同
士間の前後方向での温度落差が小さくなる。つまり、冷
却水の下流に位置するシリンダでの、燃焼性能の低下を
防止することができる。
【0018】 請求項2の発明では、縦長冷却水通路
12を、冷却水出入口13a・13bに対して上下に出
張る形に形成したので、従来例1に比較して熱交換効率
が高くなり、冷却性能が向上する。 また、請求項3の発明では、冷却水出入口13a・
13bの開口面積を、縦長冷却水通路12の断面積より
も大きく設定したので、縦長冷却水通路12の断面積が
同一でも、単位時間内に流通する冷却水量が多くなり、
冷却性能が向上する。
【0019】
【発明の効果】上記のように、連続肉壁部4のヘッド寄
り部4aを強力に冷却することができるので、下記のよ
うにエンジンの出力向上と一層の小型化を図ることがで
きる。 連続肉壁部のヘッド寄り部を介してピストンリング
を強力に冷却できるので、トップリングをピストン頂面
に可及的に近づけ、ピストン頂部外周の燃焼に寄与しな
いリング状のデッドスペースを極力小さくして空気利用
率の向上を図ることができる。また、これに伴って燃料
の未燃部分及び潤滑油の炭化によるトップリングの膠着
を解消することができる。
【0020】 トップリングをピストン頂面に可及的
に近づけることに伴って、ピストンピンの位置をピスト
ン頂面に可及的に近づけ、その分だけクランク軸の振り
回しの寸法を長くすることができ、コンロッドやエンジ
ンの体格(高さ)を変えないで、ピストンストローク、
ひいては排気量アップを図ることができる。つまり、多
気筒エンジンの相対的小型化とエンジンの大出力化を図
ることができる。 逆にピストンストロークを変えない場合には、ピス
トンピンの位置をピストン頂面に近づけた分だけコンロ
ッドを長く設定できるので、ピストン側圧力を低減で
き、結果として摩擦損失の低減が図れる。 また、当該ヘッド寄り部を強力に冷却できるので、
シリンダボアの直径を大きくすることにより排気量アッ
プ、ひいては出力アップを図ることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却
装置を具備する縦型多気筒エンジンの要部を示し、同図
(A)は連続肉壁部の要部縦断面図、同図(B)はそのシリ
ンダブロックの部分平面図である。図2は本発明に係る
サイアミーズシリンダの冷却装置を具備する縦型多気筒
エンジンの要部の縦断面図である。さらに、図3は本発
明の第1の実施例に係る水路形成部材を示し、同図(A)
はその水路形成部材の斜視図、同図(B)はその水路形成
部材のB−B線矢視縦断面図である。また、図4は第2
の実施例に係る水路形成部材を示す図3相当図である。
【0022】この縦型多気筒エンジンEは、図2に示す
ように、クランクケースを一体に形成したシリンダブロ
ック1の上にシリンダヘッド20をヘッドボルト6で固
定し、シリンダブロック1に形成したシリンダジャケッ
ト8とシリンダヘッド20に形成したヘッドジャケット
22とを、連続肉壁部4以外の部分に形成した多数のジ
ャケット連通孔24で連通し、シリンダブロック1を冷
却した冷却水でシリンダヘッド20を冷却するように構
成されている。
【0023】本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却
装置は、従来例1と同様の基本構成を備えている。即
ち、図1及び図2に示すように、シリンダブロック1に
複数のシリンダ3を前後に並設し、隣接するシリンダ3
・3を連続肉壁部4で連続させてサイアミーズシリンダ
2を構成する。そして上記サイアミーズシリンダ2を囲
むようにシリンダジャケット8を形成し、上記連続肉壁
部4のヘッド寄り部4aの左右両側部に一対のシリンダ
ヘッド締結用ボス部5・5を連続させて形成するととも
に、上記連続肉壁部4に複数(実施例では2個)の水路
形成部材10・10を上下に配列して鋳込んである。
【0024】以下、本実施例装置の特徴構成について説
明する。第1の実施例に係る水路形成部材10は、図3
に示すように、円筒鋼管をプレス成型して構成されてい
る。即ち、この水路形成部材10は、円筒鋼管の中央部
に連続肉壁部4を冷却する断面視縦長の縦長冷却水通路
12を有し、当該縦長冷却水通路12の両端部の冷却水
出入口13a・13bを左右のシリンダジャケット8・
8に向けて突出して構成する。縦長冷却水通路12とそ
の両端部の冷却水出入口13a・13bとは連通部12
a・12bを介して相互に滑らかに連通している。
【0025】上記冷却水出入口13a・13bの上下方
向の間口は、縦長冷却水通路12の上下方向の幅よりも
小さく、前後方向の間口は縦長冷却水通路12の前後方
向の幅よりも大きく設定されている。このように構成す
ることにより、冷却水出入口13a・13bでの通路断
面積に対する通路抵抗は、従来例1や従来例2に比較し
て格段に小さくなる。従って、縦長冷却水通路12の断
面積が従来例1や従来例2のものと同一でも、単位時間
内に流通する冷却水量が多くなり、冷却性能が格段に向
上する。
【0026】また、冷却水出入口13a・13bの上下
方向の間口は、縦長冷却水通路12の上下方向の幅より
も小さく設定されているので、シリンダジャケット8・
8内を前後方向へ流れる冷却水の流路抵抗が小さくな
る。従って、流路抵抗が小さくなった分だけ冷却水は円
滑に流れ、複数のシリンダ同士間の前後方向での温度落
差が小さくなる。つまり、冷却水の下流に位置するシリ
ンダでの、燃焼性能の低下を防止することができる。さ
らに、上記縦長冷却水通路12は、冷却水出入口13a
・13bに対して上下に出張る形に形成されている。こ
れにより従来例1に比較して熱交換効率が高くなり、冷
却性能が向上する。
【0027】第2の実施例に係る水路形成部材10は、
図4に示すように、型取りした一方の平板に縦長冷却水
通路12とその両端部の冷却水出入口13a・13bと
を一体にプレス成型した他方の板金をシーム溶接して構
成する。この水路形成部材10も第1の実施例と同様
に、中央部に連続肉壁部4を冷却する縦長冷却水通路1
2を有し、冷却水出入口13a・13bの上下方向の間
口は、縦長冷却水通路12の上下方向の幅よりも小さ
く、前後方向の間口は縦長冷却水通路12の前後方向の
幅よりも大きく設定されている。また、冷却水出入口1
3a・13bの開口面積は縦長冷却水通路12の断面積
よりも大きく設定されている。これにより縦長冷却水通
路12の断面積が従来例1や従来例2のものと同一で
も、単位時間内に流通する冷却水量が多くなり、冷却性
能が向上する。
【0028】他方の板金の縦長冷却水通路12を形成し
た部分には、一定の間隔で左右に配列した複数(この実
施例では2個)の接当部14が内側に向けて突設されて
いる。これらの接当部14は、縦長冷却水通路12の奥
行きを規定するとともに、シリンダボアの加工時やエン
ジン運転時に連続肉壁部4に作用する加圧力に対して強
力に対抗するという利点がある。これにより連続肉壁部
4の肉厚を一層薄くすることが可能になり、ひいてはエ
ンジンの一層の小型化を図ることができる。
【0029】上記のように、冷却水通路12の出入口の
間口をに大きくして、冷却水の出入口13a・13bよ
り多量の冷却水を流入・流出させ、十分に冷却水通路1
2内に流通させることで、冷却水通路12内の頂部に過
熱による水蒸気が発生するのを未然に防止し、連続肉壁
部4のヘッド寄り部4aを強力に冷却する。これにより
エンジンの排気量アップ、ひいては出力アップを図るこ
とができる。
【0030】即ち、ヘッド寄り部4aを強力に冷却する
ことで、連続肉壁部4のヘッド寄り部4aを介してピス
トンリングを強力に冷却できるので、トップリングをピ
ストン頂面に可及的に近づけ、ピストン頂部外周の燃焼
に寄与しないリング状のデッドスペースを極力小さくし
て空気利用率の向上を図ることができる。また、これに
伴って燃料の未燃部分の炭化によるトップリングの膠着
を解消することができる。
【0031】しかも、トップリングをピストン頂面に可
及的に近づけることに伴って、ピストンピンの位置をピ
ストン頂面に可及的に近づけ、その分だけクランク軸の
振り回しの寸法を長くすることができ、コンロッドやエ
ンジンの体格を変えないで相対的小型化を図り、ピスト
ンストロークを大きくして、排気量アップを図ることが
できる。また、当該ヘッド寄り部4aを強力に冷却でき
るので、シリンダボアの直径を大きくすることにより排
気量アップを図ることもできる。さらに、ターボチャー
ジャを搭載した多気筒エンジン等においても本発明を適
用することにより、相対的小型化とエンジンの大出力化
を図ることができる。
【0032】上記実施例では、加工の容易性から円筒鋼
管をプレス成型して水路形成部材を構成したものや、平
板とプレス成型した板金とをシーム溶接して構成したも
のについて例示したが、当該水路形成部材は精密鋳造等
により構成したものでも差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置
を具備する縦型多気筒エンジンの要部を示し、同図
(A)は連続肉壁部の縦断面図、同図(B)はそのシリ
ンダブロックの部分平面図である。
【図2】本発明に係るサイアミーズシリンダの冷却装置
を具備する縦型多気筒エンジンの要部の縦断面図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施例に係る水路形成部材を示
し、同図(A)は当該水路形成部材の斜視図、同図
(B)は同図(A)中のB−B線矢視縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る水路形成部材を示
し、同図(A)は当該水路形成部材の斜視図、同図
(B)は同図(A)中のB−B線矢視縦断面図である。
【図5】先発明例を示すサイアミーズシリンダの要部の
縦断面図である。
【図6】従来例3を示し、同図(A)はサイアミーズシ
リンダの要部の縦断面図、同図(B)は同図(A)中の
B−B線矢視横断平面図、同図(C)は水路形成部材の
縦断面図である。
【図7】従来例2を示し、同図(A)はサイアミーズシ
リンダの要部の縦断面図、同図(B)は同図(A)中の
B−B線矢視横断平面図、同図(C)は水路形成部材の
縦断面図である。
【図8】従来例1を示し、同図(A)はサイアミーズシ
リンダの要部の縦断面図、同図(B)は上記サイアミー
ズシリンダを形成したシリンダブロックの部分平面図で
ある。
【符号の説明】
1…シリンダブロック、2…サイアミーズシリンダ、3
…シリンダ、4……連続肉壁部、4a…連続肉壁部のヘ
ッド寄り部、5…シリンダヘッド締結用ボス部、8…シ
リンダジャケット、10…水路形成部材、12…縦長冷
却水通路、13a…冷却水入口、13b…冷却水出口、
E…多気筒エンジン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早谷 章 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 山本 信裕 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロック(1)に複数のシリンダ
    (3)を前後に並設し、隣接するシリンダ(3)(3)を連続
    肉壁部(4)で連続させてサイアミーズシリンダ(2)を構
    成し、このサイアミーズシリンダ(2)を囲むようにシリ
    ンダジャケット(8)を形成し、上記連続肉壁部(4)に水
    路形成部材(10)を鋳込み、 上記水路形成部材(10)は、上記連続肉壁部(4)を冷却
    する断面視縦長の縦長冷却水通路(12)を有して成り、
    当該縦長冷却水通路(12)の両端部の冷却水出入口(1
    3a)(13b)を左右のシリンダジャケット(8)(8)に
    向けて突出して構成したサイアミーズシリンダの冷却装
    置において、 上記冷却水出入口(13a)(13b)の上下方向の間口を
    上記縦長冷却水通路(12)の上下方向の幅よりも小さく
    設定するとともに、前後方向の間口を上記縦長冷却水通
    路(12)の前後方向の幅よりも大きく設定した、ことを
    特徴とするサイアミーズシリンダの冷却装置。
  2. 【請求項2】 上記縦長冷却水通路(12)を、上記冷却
    水出入口(13a)(13b)に対して上下に出張る形に形
    成した請求項1に記載したサイアミーズシリンダの冷却
    装置。
  3. 【請求項3】 上記冷却水出入口(13a)(13b)の開
    口面積を、上記縦長冷却水通路(12)の断面積よりも大
    きく設定した請求項1又は請求項2に記載したサイアミ
    ーズシリンダの冷却装置。
JP8213895A 1995-04-07 1995-04-07 サイアミーズシリンダの冷却装置 Pending JPH08284659A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100537083B1 (ko) * 2001-02-28 2005-12-16 가부시끼 가이샤 구보다 다기통 엔진의 실린더블록 및 그 제조방법
KR100865608B1 (ko) * 2001-09-25 2008-10-27 가부시끼 가이샤 구보다 세로형 다기통 엔진의 수냉장치

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