JP3120163B2

JP3120163B2 - 導電線内装クリーナーホース

Info

Publication number: JP3120163B2
Application number: JP04217304A
Authority: JP
Inventors: 史朗金尾
Original assignee: 金尾茂樹
Priority date: 1992-07-22
Filing date: 1992-07-22
Publication date: 2000-12-25
Anticipated expiration: 2015-12-25
Also published as: ES2087009B1; ES2087009A2; KR940001855A; KR100270571B1; JPH0638915A; US5416270A; ES2087009R

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気掃除機用の塵埃吸
引用に用いるクリーナーホースであって、より詳しく
は、ホース本体の内部に強度保持用の補強線材と通電用
の導電線とがホース本体の内部に螺旋状に巻回配設され
ているクリーナーホースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種のクリーナーホースは、一般
に知られているように、補強線としての鋼線と通電用の
導電線とを樹脂被覆して一体的に形成した被覆線を一対
２本用いてこれを螺旋状に巻回し、その外周面上にホー
ス本体を被嵌させて接着することによってホースを形成
し、補強線でホース本体の保形をし、導電線で掃除機本
体の電源をＯＮ，ＯＦＦ操作するための手元スイッチに
接続して使用している。また、クリーナーホースのホー
ス本体を２重層に形成し、この２重層間に補強線として
の鋼線と通電用の電線とを一体的に被覆した被覆線を螺
旋状に埋め込んで、この電線を利用して電気的操作を行
うようにしたものも知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来一般に知られているクリーナーホースは、何れの
ものも共通して鋼線と電線とが被覆樹脂で一体的に被覆
されているものであり、かつ、前者の場合は被覆線の上
面全面がホース本体に接着されているものであり、後者
の場合は２重層に形成してあるホース本体の層間に被覆
線が包み込まれた形になってホース本体に接着されてい
るものである。

【０００４】そのため、ホース本体から電線を取り出し
て、手元操作用スイツチや掃除機本体への差し込み用プ
ラグへ接続するに当たって、被覆線とホース本体との分
離に多大な手数を要し、それでいて、鋼線と電線との分
離にも多大な手数を要するものであった。

【０００５】即ち、これらのホースは、何れの場合もホ
ース本体の端部から、電線を取り出すのに必要な長さ部
分だけ内側の部分を、被覆線を残してホース本体だけを
切断し、ホース本体と被覆線とを逐次分離して被覆線を
取り出し、しかる後に、鋼線と電線との被覆樹脂の中間
部分を切断して、鋼線と電線とを分離し、鋼線をホース
本体の前記切断端近くで切断することによって、ようや
く独立した被覆電線を取り出すことができるものであっ
た。

【０００６】したがって、従来のホースにあっては、被
覆電線を取り出すのに、大変な時間と手数を必要とする
という大きな問題点を有しており、また、前記のよう
に、ホース本体の両端において、電線を取り出すために
必要な長さ分だけホース本体を切断しなければならない
ものであったため、この切断長さ分だけ長尺のホースを
予め用意しておかなければならないという経済上の問題
点をも有しているものであった。

【０００７】そこで、本発明は、このような従来のクリ
ーナーホースが有していた種々の問題点を解決すること
を目的とし、強度部材としての補強線材と通電用の導電
線とを被覆する被覆線の構造を特殊なものとして、被覆
付き導電線を補強線材の被覆部分から容易に引き千切り
分離することができるものとし、また、この被覆線とホ
ース本体との接着構造を特殊なものとして、被覆付き導
電線をホース本体から容易に引き離すことができるよう
にしたものであって、ホース本体と手元スイツチ等との
接続連結を極めて容易にかつ短時間に行うことができる
ようにしたクリーナーホースの提供を目的とするもので
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】該目的を達成するための
本発明の構成を、実施例に対応する図面の符号を用いて
説明すると、本発明にいうクリーナーホースは、強度保
持用の補強線材(1)と通電用の導電線(2)とを合成樹脂素
材で間隔をあけて一体的に被覆されている被覆線(A)を
内装形成してあるホースであって、この被覆線(A)の構
造を、補強線材(1)の被覆部(a)と導電線(2)の被覆部(b)
とが引き千切り可能な薄肉の接続部(c)で接続連結され
ている構造とし、かつ、この被覆線(A)とホース本体(3)
との接着連結を、これら両被覆部(a),(b)の内、補強線
材(1)の被覆部(a)のみがホース本体(3)の内面に接着連
結されている構造としたものである。

【０００９】補強線材(1)の被覆部(a)と導電線(2)の被
覆部(b)との薄肉の接続部(c)は、ホース本体(3)の軸線
側に位置しているもの、ホース本体(3)の内面に沿って
位置しているもの、これらの中間に位置しているもの等
何れでもよく、引き千切りによって容易に分離すること
ができる構造としてあればよい。

【００１０】また、被覆線(A)は、横倒れ姿勢、即ち、
ホース本体(3)の長手方向に補強線材(1)と導電線(2)と
が並んでいる姿勢としてホース本体(3)に連結されてい
るのが螺旋巻回が容易である点で好ましいが、立ち姿
勢、即ち、補強線材(1)がホース本体(3)側に位置し導電
線(2)がホース本体(3)の軸線側に位置する姿勢としてホ
ース本体(3)に連結されている構造とすることもでき
る。

【００１１】また、この被覆線(A)は、補強線材(1)１本
と導電線(2)１本とを対として被覆したもののみに限ら
ず、補強線材(1)１本と導電線(2)２本とを対として被覆
したものとしてもよい。

【００１２】

【作用】本発明は、このような構造としたものであるか
ら、即ち、導電線(2)の被覆部(b)を、補強線材(1)の被
覆部(a)から引き千切り易くし、ホース本体(3)とは接着
されていない構造としてあるので、被覆付き導電線(2)
を補強線材(1)の被覆部(a)から引き千切り分離させなが
ら、ホース本体(3)の端部から直ちに引き出すことがで
き、この引き出し操作によってホース本体(3)から外部
に引き出した導電線(2)を、その端部の被覆を所要長さ
剥離するだけの操作で、直ちに手元スイツチ等の所要部
分に接続連結することができる。

【００１３】従って、本発明にいうところのクリーナー
ホースは、ホース全体の長さを必要以上の長さのものと
することなく、当初から所要長さのものとしておくこと
ができ、導電線の取り出し作業が極めて容易にでき、ホ
ース本体の両端に連結する器具に取り付けられた手元ス
イツチや連結プラグ等の電気的接続部への導電線の接続
を短時間に容易に行うことができる。

【００１４】

【実施例】以下本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。図中、図１乃至図４は、本発明の第１実施例
を示す図であって、図１はクリーナーホース(H)の一部
を破断した外観形状を示し、図２は管壁部分の構造を示
す拡大図、図３は図２の一部を更に拡大した説明図、図
４は導電線の取り出し状況を示した図である。

【００１５】該実施例に示した被覆線(A)は、鋼線材を
用いて形成した補強線材(1)と多数の銅細線を束ねた導
電線(2)とをポリ塩化ビニール素材によって、断面形状
が「眼鏡」状となるように、補強線材(1)と導電線(2)と
を円弧状に被覆すると同時に、これらを少しの間隔をあ
けた状態で外側線(d)が略々直線状となるように一側に
偏った位置で薄肉の接続部(c)で接続されて一体的に連
結されている構造としたものである。

【００１６】また、該実施例に示したホース(H)は、該
被覆線(A)を２本一対として、所要間隔をあけて、それ
ぞれの前記接続部(c)を下側にして螺旋状に巻回させ、
それぞれの補強線材(1)の被覆部(a)の上面だけに接着剤
(4)を塗布した後、その外周面上とそれぞれの被覆線
(A),(A')間の間隔部分とを繋ぐように、ホース壁を形成
するポリ塩化ビニール製の帯状素材を巻回させて帯状素
材どうしを接続することによってホース本体(3)を形成
すると同時に、帯状素材と被覆線(A),(A')とを接着剤
(4)によって接着連結したものである。

【００１７】而して、このホース(H)は、前記帯状素材
を部分的に厚肉部とし、その厚肉部分を被覆線(A),(A')
の各間に位置させることによって、被覆線(A),(A')の各
間に被覆線(A),(A')の上面部分よりも厚肉のホース壁を
形成したものとし、これら被覆線(A),(A')の各間に位置
するホース壁の内面と各被覆線(A),(A')の外側線(d)
（下面部分）とが略々同一直線状となるようにしたもの
である。

【００１８】また、図３に示したホース本体(3)は、ホ
ース壁を内層(3a)と外層(3b)とからなる２層壁としたも
ので、符号(5)は内外の層間を示し、同時にこの層間に
ホースの長手方向に沿って介在させた補強糸を示すもの
である。本発明にいうホース(H)は、このようにホース
壁が２層となっているものや、その層間に補強のための
糸のほか、繊維状補強材や網状補強材その他の補強材を
介在させたものとして実施することができる。

【００１９】該実施例におけるホース(H)の大きさを把
握し易くするため、該実施例図における各部分の概略寸
法を説明すると、補強線材(1)の直径１.０mm、同被覆部
(a)の直径２.３５mm、導電線(2)直径０.１８mm×７本、
同被覆部(b)の直径１.４５mm、接続部(c)の厚さ０.４５
mm、補強線材(1)と導電線(2)との中心線間隔２.０mm、
補強線材(1)と補強線材(1)との中心線間隔１０.０mm、
図３におけるホース本体内層(3a)の被覆線(A)を覆う部
分の厚さ０.３５mm、同被覆線(A)と被覆線(A)との間の
部分の厚さ０.７０mm、同外層(3b)の厚さ０.２５mm、ホ
ース本体(3)の内径３７.５mm、外径４４.０mmである。

【００２０】このようにして形成したクリーナーホース
は、図４に示したように、ホース本体(3)の端部から、
導電線(2)を被覆部(b)の付いた状態で、補強線材(1)の
被覆部(a)から引き千切り分離させながら、ホース本体
(3)の外部に直ちに引き出すことができるのである。し
たがって、この引き出し操作によってホース本体(3)か
ら外部に引き出した導電線(2)を、その端部の被覆(d)を
所要長さ剥離するだけの通常の操作だけで、直ちに手元
スイツチ等の所要部分に接続連結することができるので
ある。

【００２１】また、該実施例に示したホースは、ホース
本体(3)における被覆線(A)と被覆線(A)との間の部分を
厚肉壁にしてあるので、このようにしておくと、使用時
における吸引作用によってホースが縮んで短尺となるこ
とがなく、不都合なく使用することができる。また、ホ
ース本体(3)の全体を厚肉壁にしたものに比して、軽量
で使用し易いという利点がある。

【００２２】図５乃至図７に示した実施例は、被覆線
(A)の別実施例についてそれぞれ示したもので、図５の
実施例は、前記第１実施例に示した断面形状をもつ構造
の被覆線(A)を第１実施例の場合とは上下逆にして、薄
肉の接続部(c)を外周面側に配置したもので、ホース本
体(3)との接着は第１実施例の場合と同様に、補強線材
(1)の被覆部(a)の上面のみを接着剤(4)で接着させたも
のである。

【００２３】図６の実施例は、被覆線(A)の薄肉の接続
部(c)を、補強線材(1)の被覆部(a)と導電線(2)の被覆部
(b)との図における上下方向の中間部分に形成したもの
であり、図７の実施例は、被覆線(A)の薄肉の接続部(c)
を、補強線材(1)の被覆部(a)と導電線(2)の被覆部(b)と
の図における上下に形成し、中間部分に空洞部分を形成
したものである。その他は、前記第１実施例と同様であ
る。

【００２４】以上に示した各実施例における被覆線(A)
は、補強線材(1)１本と導電線(2)１本とを対として被覆
した被覆線について示したものであるが、図８に示した
実施例は、補強線材(1)１本と導電線(2)２本とを対とし
て被覆した被覆線(A)の実施例について示したものであ
る。該図８の実施例は、前記第１実施例に示した断面形
状をもつ構造の被覆線(A)において、他のもう１本の導
電線(2)を補強線材(1)を中心として左右対称形に配置し
た形に形成したものである。この場合もホース本体(3)
との接着は第１実施例の場合と同様に、補強線材(1)の
被覆部(a)の上面のみを接着剤(4)で接着させたものであ
る。

【００２５】図９に示した実施例は、補強線材(1)との
導電線(2)とを縦方向に配置した被覆線(A)の実施例につ
いて示したもので、同（イ）図に示したものは、補強線
材(1)がホース本体(3)側に位置し、導電線(2)がホース
本体(3)の軸線側に位置する被覆線(A)の構造を示したも
の、同（ロ）図に示したものは、１本の補強線材(1)の
下方に２本の導電線(2),(2)を左右に配置した構造の被
覆線(A)を示したものである。本発明にいう被覆線(A)
は、このような構造として実施することもできるもので
ある。

【００２６】前記図８の実施例に示した被覆線(A)や該
図９の（ロ）図に示した被覆線(A)のように、補強線材
(1)１本と導電線(2)２本とを対としたものにあっては、
ホース本体(3)に対して１本の被覆線(A)のみを巻回した
ものでも、手元スイツチ等の操作用として使用すること
ができる。また、このような被覆線(A)を２本巻回させ
たホースにあっては、１本を掃除機本体ＯＮ・ＯＦＦ用
の手元スイツチ用に、他の１本を操作筒の先端に設けた
吸引部設置回転体のＯＮ・ＯＦＦ操作用として使用する
ことができる。

【００２７】以上本発明の代表的と思われる実施例につ
いて説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造
のみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構
成要件を備え、かつ、本発明にいう目的を達成し、以下
にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施す
ることができるものである。

【００２８】

【発明の効果】以上の説明から既に明らかなように、本
発明は、被覆線の構造を、補強線材の被覆部と導電線の
被覆部とが引き千切り可能な薄肉の接続部で接続連結し
てある構造とし、かつ、この被覆線とホース本体との接
着連結を、これら両被覆部の内、補強線材の被覆部のみ
をホース本体の内面に接着連結してある構造とすること
によって、導電線の被覆部を、補強線材の被覆部から引
き千切り易くし、ホース本体とは接着されていない構造
としたものであるから、被覆付き導電線を補強線材の被
覆部から引き千切り分離させながら、ホース本体の端部
から直ちに引き出すことができ、この引き出し操作によ
ってホース本体から外部に引き出した導電線を、その端
部の被覆部分を接続に必要な長さ分だけ剥離するだけの
操作で、直ちに手元スイツチ等の所要部分に接続連結す
ることができるという顕著な効果を期待することが出来
るに至ったのである。

【００２９】また、本発明にいうホースは、ホース全体
の長さを、導電線取り出しのための長さ分だけ、必要以
上に長いものとしておく必要がなく、当初から使用に必
要なだけの長さのものとしておくことができ、導電線の
取り出し作業が極めて容易にできて、ホース本体の両端
に連結する器具に取り付けられた手元スイツチや連結プ
ラグ等の電気的接続部への導電線の接続を極めて短時間
に容易に行うことができるので、クリーナー操作部の製
造コストを大幅に低廉化することができるという効果を
も併せて期待することが出来るに至ったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のホースの一部破断部分外観図。

【図２】管壁部分の断面図。

【図３】管壁部分の拡大断面図。

【図４】使用状態を示す斜視図。

【図５乃至図８】それぞれ別実施例を示す管壁部分の拡
大断面図。

【図９】（イ）図は導電線１本の、（ロ）図は導電線２
本の、それぞれ更に別実施例を示した被覆線の拡大断面
図。

【符号の説明】

(1) 補強線材 (2) 導電線 (3) ホース本体 (4) 接着剤 (A) 被覆線 (a) 被覆部 (b) 被覆部 (c) 接続部

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】強度保持用の補強線材と通電用の導電線
とがホース本体の内部に螺旋状に巻回配設されているク
リーナーホースであって、前記補強線材(1)と導電線(2)
とが合成樹脂素材で間隔をあけて一体的に被覆されてい
る被覆線(A)を内装形成してあるホースにおいて、これ
ら補強線材(1)の被覆部(a)と導電線(2)の被覆部(b)とが
引き千切り可能な薄肉の接続部(c)で接続連結されてい
る構造とされ、かつ、これら両被覆部(a),(b)の内、補
強線材(1)の被覆部(a)のみがホース本体(3)の内面に接
着連結されている導電線内装クリーナーホース。