JP3120055B2 - 定着ローラ及びその製造方法 - Google Patents
定着ローラ及びその製造方法Info
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Description
ザビームプリンター(以下L B P と略称する)などのロ
ーラ定着装置に使用される加圧ローラや加熱ローラなど
の定着ローラに関するものである。
置を有する電子複写機やL B P などの小型化が進み、こ
れらに使用される加熱ローラや加圧ローラなどの定着ロ
ーラの外径が1 0 〜2 5 mm程度となるとともに、弾性体
層の厚みが5 mm以下、場合によっては0 . 2 〜2 mm程度
の薄肉となるローラを使用したローラ定着装置が採用さ
れつつある。
保持するために、厚さが0 . 1 5 mm以下、好ましくは0
. 0 2 〜0 . 0 7 mm以下、さらに好ましくは0 . 0 3
〜0 .0 5 mm のフッ素樹脂スリーブをシリコーンゴム
からなる弾性体層に被覆した構成のものが使用されてい
るが、ローラ外径の小型化と弾性体層の薄肉化を両立さ
せるために弾性体層に適用されるゴム硬度の低硬度化が
進み、アスカーC 硬度で1 3 度以下の付加型シリコーン
ゴムからなる組成物が適用されつつある。
度以下の超低硬度の付加型シリコーンゴムを使用し、該
シリコーンゴムの外周にフッ素樹脂を被覆したローラを
製造した場合、同じアスカーC 硬度のゴム組成物を使用
しても、製品での硬度がばらつき、そのために安定した
ニップ幅が得られないので、定着がとれないといった不
具合があった。また、上記したような超低硬度の組成物
を使用して、フッ素樹脂スリーブを被覆したローラを製
造した場合、成型後にフッ素樹脂からなる表層にシワが
入りやすいという問題があった。
ために、本発明者らは、まずゴム硬度計そのものを見直
しすることから実施した。すなわち、超低硬度の組成物
を使用したローラの製品硬度のばらつきによる定着不良
は、アスカーC 硬度計(高分子計器株式会社製 商品
名)の管理限界を越えることに起因するものであり、超
低硬度の管理にS R I S (日本ゴム協会標準規格)0 1
0 1 「膨張ゴムの物理試験方法」に準拠したアスカーC
硬度を適用することには限界があることを見いだした。
第6 巻 第7 号(1 9 9 6 ) 5 1 6頁にて、上記のよう
な超低硬度のゴム硬度はアスカーC S R 2 硬度計(高分
子計器株式会社製 商品名)にて測定するのがよいこと
を提案している。上記のアスカーC S R 2 硬度計は、後
述するようにスプリング式硬度計のスプリング荷重と測
定子先端に設けられる押針の形状等を考慮することによ
り超低硬度の測定を可能ならしめたものであるが、この
アスカーC S R 2 硬度計での測定をフッ素樹脂被覆ロー
ラの弾性体層に用いられる付加型シリコーンゴムに適用
すると、表層にフッ素樹脂を有するローラの外周からア
スカーC 硬度計で測定した硬度(以下、製品硬度とい
う)と極めて良好に相関し、弾性体層のゴム硬度の管理
幅が明確になるとともに定着不良などの不具合が回避で
きることが分かった。さらには組成物の一次加硫後と二
次加硫後との硬度差の少ない組成物を使用することによ
り、ローラ表層のフッ素樹脂スリーブのシワ発生をなく
すことができることを見い出し、本発明を完成するにい
たったものである。
前記の目的を達成するために、芯金の外周に被覆した弾
性体層の外周に、厚さ0.15mm以下のフッ素樹脂ス
リーブを被覆した定着ローラにおいて、前記弾性体層が
アスカーCSR2硬度にて20〜50度であり、かつ、
その一次加硫(型加硫)後と二次加硫(オープン加硫)
後での硬度差がアスカーCSR2硬度にて5度以内であ
る付加型シリコーンゴムであることをその特徴とするも
のである。
さ0.15mm以下のフッ素樹脂スリーブを装着する工
程と、前記心金とフッ素樹脂スリーブとの間にアスカー
CSR2硬度にて20〜50度であり、その一次加硫
(型加硫)後と二次加硫(オープン加硫)後での硬度差
がアスカーCSR2硬度にて5度以内である付加型シリ
コーンゴムを注入する工程と、前記注入された付加型シ
リコーンゴムを加熱硬化せしめて厚さ0.2〜5mmの
弾性体層を形成する工程とよりなることをその特徴とす
るものである。
本発明において使用するアスカーC S R 2 硬度計は前記
したように従来のJIS K 6 3 0 1でのJIS A 硬度計やSR
IS 0 1 0 1でのアスカーC 硬度計とスプリング荷重及び
測定子の形状を異にするものであり、これを、更に詳細
に説明すると、まず、スプリングの荷重については、JI
S A 硬度計及びアスカーC 硬度計においてはスプリング
により測定子の先端に加わる荷重が5 5 g のときに目盛
りが0 度で、8 5 5 g のときに目盛りが1 0 0 度になる
ように設計されている。つまり硬度計の目盛り1 度当た
り8 g の荷重設定である。これらの硬度計では適宜の補
助具を用いて測定する場合の荷重は8 5 5 g 以上が必要
なため通常は1 K g で設定されている。
どではアスカーC 硬度計で1 K g の荷重で測定すると荷
重が重過ぎるために硬度計の測定面が試料面に潜り込ん
でしまい、正確な値が得られない場合があった。そのた
めにスポンジローラなどではアスカーC 硬度計を使用
し、あえて荷重を5 0 0 g として測定しているケースが
ある。
5 5 度以下ではさほど問題なく測定できるようにみえる
が、硬度計の0 〜1 0 0 度目盛りが使用できない。すな
わち、スプリング荷重の関係で5 6 度付近で頭打ちとな
ってしまうので、この場合には5 5 度を越える硬度は測
定できないことになる。これに対し、前述したアスカー
C S R 2 硬度計では、スプリングにより測定子の先端に
加わる荷重がアスカーC 硬度計の約1 / 2 の4 5 5 g で
目盛りが1 0 0 度になるように設定してある。そして、
0 度の設定は従来通り測定子に加わる荷重が5 5 g のと
きとしてあり、硬度計の目盛り1 度当たり4 g の荷重設
定であるので、補助具の荷重が5 0 0 gであってもアス
カーC S R 2 硬度計では0 〜1 0 0 度目盛りが使用でき
ることになる。したがって、アスカーC S R 2 硬度計で
は補助具の荷重は従来の1 K g の半分の5 0 0 g に設定
した。
形状について説明すると、アスカーC 硬度計の測定子が
直径5 .0 8 mm の半球であるのに対し、アスカーC S R
2 硬度計では、直径1 0 mmの円柱を用いその下面(測定
面)中央に2 .5 4 mm の曲率Rを有する高さ2 .5 4 mm
の押針を突出せしめたものである。このことは、通常ス
プリング式硬度計では同一スプリング荷重でも測定子の
接触面積を広く、すなわち測定子を大きくすることによ
り低硬度が測定できるようになるが、このような硬度計
においては測定子が硬度計の測定面から2 . 5 mm突出す
ることが構成上絶対条件であるため、単純に測定子の直
径を大きくするわけにはいかないためである。
テストピースは JIS C 2 1 2 3 (電気用シリコーンゴ
ムコンパウンド試験方法)に準拠して作成したが、これ
に限定されるものではない。まず、付加型シリコーンゴ
ムを混合した後、脱泡し、このコンパウンドを室温にて
厚みが6 mmの型に入れ、1 2 0 ℃で1 0 分(この1 0分
とは型が1 2 0 ℃になってからの時間)プレス加硫し
た。テストピースを型から取り出した後、室温まで冷却
し、所定の硬度計で一次加硫後のゴム硬度を測定した。
次に、このテストピースを2 0 0 ℃で4 時間の二次加硫
条件で恒温槽に入れ、取り出した後、室温間で冷却し、
再度所定の硬度計で二次加硫後のゴム硬度を測定し、一
次加硫後と二次加硫後との硬度差を把握した。
スの厚みは6 mm厚のものを2 枚重ねて1 2 mmとした。こ
れは、低硬度のゴムの場合、テストピースの厚みによっ
て測定値が異なり、テストピースの厚みが薄くなればな
るほどゴム硬度は試料台の影響を受け、測定値が高くな
る傾向にあるので、テストピースの厚みを設定する必要
があるためである。低硬度のゴムの場合、テストピース
の厚みが6 mmでは不十分であることは既知であるが、こ
のテストピースの厚みに関してはJIS C 2 1 23 で「厚
さ6 mmの板状」、JIS K 6 2 5 3 (加硫ゴムの硬さ試験
方法)では「6mm以上」としている。そして、JIS C 2 1
2 3 は、電気用シリコーンゴムコンパウンドの規格の
ために、上記したような低硬度のゴムコンパウンドを想
定しておらず、JIS K 6 2 5 3 では、「タイプA デユロ
メータによる硬さが1 0 未満のときは、不正確であり、
記述しない」との記載にあるように、JIS などの国内規
格では低硬度ゴムの硬度測定は特に規定していないのが
現状である。
S K 6 2 5 3 とは別の試験方法が必要と思われるが、現
状では上記したように該当する試験方法は国内規格では
見当たらない。これに対し、国際規格であるISO 1 8 1
8 [低硬度(1 0 〜3 5 IRHD)加硫ゴムの硬さ試験]で
は、「試験片の厚さは1 0 〜1 5 mmを標準とし、必要な
厚さを得るため、平滑で平行な2 枚の試験片を積み重ね
てもよいが、3 枚以上重ねてはならない」と明確に規定
しており、本発明におけるテストピースの硬度の測定に
おいて、上記したように6 mm厚のテストピースを2 枚重
ね(テストピースの厚さ1 2 mm)としたのは前記したIS
O 1 8 1 8 の規定から判断して妥当なものである。
つきの要因であり、早く降下させるとゴム硬度の測定値
が高くなり、ゆっくり降下させると低くなる。そのため
ゴム硬度計の降下速度を定める必要があり、低硬度ゴム
の測定には経験的に5 5 ±10 min/cm(ストローク1 1 m
mに対して1 ±0 . 2 秒)に硬度計の押しつけ速度を設
定すると安定したゴム硬度を測定できることが分かって
いる。
触媒及びビニル基を含有したポリオルガノシロキサンと
ケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサ
ンとからなる付加型シリコーンゴムである。この付加型
シリコーンゴムの充填材の配合処方は、加硫障害を生じ
させない限り特に制限されるものではないが、通常はベ
ースのポリオルガノシロキサン1 0 0 重量部に対して補
強充填材及び増量充填材が1 0 〜3 0 0 重量部程度添加
される。
カ(煙霧状シリカ)が一般的である。ここでいう湿式シ
リカとは、二酸化けい素(SiO2)からなる補強性シリカ
のことで、製造方法としては、けい酸ナトリウムを直接
硫酸で分解する直接法やけい酸ナトリウムを塩類と反応
させてけい酸塩を生成させ、次に硫酸または炭酸ガスで
分解する間接法など種々の方法がある。代表的な湿式シ
リカとしては、NipsilV N 3 (日本シリカ工業株式会社
製 商品名)、カープレックスC S ー5 (シオノギ製薬
株式会社製 商品名)、スターシル S(神島化学工業株
式会社製 商品名)、トクシール U S(株式会社トクヤ
マ製 商品名)、Hisil 2 2 3 (P P G社(米国)製
商品名)、Ultrasil V N 3(Degussa 社(ドイツ)製
商品名)、Vulkasil S(Bayer (ドイツ)社製 商品
名)などが例示され、平均粒径が30 μm以下、好まし
くは5 μm以下のグレードが使用される。
法やけい砂を加熱還元し、気化したSiO2の空気酸化法、
有機けい素化合物の熱分解法やけい砂を加熱還元し、気
化したSiO2の空気酸化法、有機けい素化合物の熱分解法
などにより製造される二酸化けい素からなる補強性シリ
カで、アエロジル2 0 0 やアエロジル R 9 7 2(日本ア
エロジル株式会社製 商品名)Cab ーO ーSil M S ー5
(Cabot 社(米国)製商品名)などが例示される。
カと乾式シリカを適時併用使用してもよい。さらに、シ
リカ表面の活性による二次結合の防止を目的として、湿
潤剤(ウエッター)を添加してもよく、これら湿潤剤と
しては、シリコーンレジン類、アルコキシシラン及びシ
ロキサン類、ヒドロキシシラン及びシロキサン類、シラ
ザン類、有機酸エステル類、多価アルコール類などが例
示される。
なわち物理強度、ゴム硬度、圧縮永久歪みなど弾性体層
として機能上欠くべからざる特性を保持するのに必要な
成分であり、補強性充填剤と同様、5 μm以下の粒径が
好ましい。増量充填剤の種類としては、炭酸カルシウ
ム、クリスタライトV X ーS (株式会社龍森製 商品
名)の如き石英粉、ラジオライト F(昭和化学工業株式
会社製 商品名)の如きけい藻土、ノバキュライト(け
い質砂岩)、けい酸ジルコニウム、クレー(けい酸アル
ミニウム)、タルク(含水けい酸マグネシウム)、J A
ー3 0 W (浅田製粉株式会社製 商品名)の如きウォラ
ストナイト(メタけい酸カルシウム)、酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ(酸化アルミニウ
ム)、酸化クロム、ベンガラ(酸化鉄)、硫酸アルミニ
ウム、硫酸バリウム、リトボン、二硫化モリブデン、マ
イカ(雲母粉)、グラファイトなどが例示される。
に、充填剤として各種の導電性付与剤を使用して体積固
有抵抗を1 0 13Ω・cm以下にしてもよく、これら導電性
付与剤としてアセチレンブラックやケッチェンブラック
の如き導電性カーボンブラック、グラファイト、銀、
銅、ニッケルなどの金属粉、導電性亜鉛華、カーボン繊
維などが例示されるが導電性カーボンブラックが一般的
である。
熱剤を添加してもよいが、本発明における加圧ローラ
は、ダイエルラテックスG L S ー2 1 3 (ダイキン工業
株式会社製 商品名)の如きフッ素ゴムとフッ素樹脂の
混合物からなるラテックスをシリコーンゴムローラの外
周にコーティングするタイプではないので、3 0 0 〜32
0 ℃程度の温度で焼成する必要がない。そのため、酸
化セリウムのような耐熱助剤を必ずしも添加する必要は
ない。
はベンガラ色に着色して供給されるのことが多く、この
場合には着色剤としてベンガラを使用するのが一般的で
あり、ベンガラの種類としては、SRIS(日本ゴム協会標
準規格)1 1 0 8 に規定されたゴム用ベンガラが適用で
き、加工時のゴム内における配向性に留意する必要があ
る場合には、バイフェロックス1 3 0 M (バイエル社
(ドイツ)製 商品名)の如き平均粒度が0 .3μm以下
の球状のグレードをシリコーンゴムに対して0 .2 〜2
重量%程度添加させればよい。
ーブの材料としては、テフロンP FA 3 5 0 ーJ , 4 5 0
H P ーJ , 4 5 1 H P ーJ (三井・デュポン フロロ
ケミカル株式会社製 商品名)やアフロンP F A Pー6
6 P (旭硝子株式会社製 商品名)の如きテトラフルオ
ロエチレンーパーフルオロイソプロピルビニルエーテル
共重合体(以下PFA と略称する)、HYFLON MFA 6 2 0
(Ausimont S.P.A (イタリア)製 商品名)の如きテ
トラフルオロエチレンーパーフルオロメチルビニルエー
テル共重合体(以下MFA 略称する)、テフロンF E P 1
6 0ーJ (三井・デュポン・フロロケミカル株式会社製
商品名)の如きテトラフルオロエチレンーヘキサフル
オロプロピレン共重合体(以下FEP と略称する)、ネオ
フロンEPASPー1 2 0 (ダイキン工業株式会社製 商品
名)の如きテトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプ
ロピレンーパーフルオロイソプロピルビニルエーテル三
元共重合体(以下EPA と略称する)などが例示される。
これらのフッ素樹脂は通常は単独で使用されるが、必要
に応じてPFA とMFA を適宜ブレンドしたり、あるいはFE
P とEPA とをブレンドしたりしてフッ素樹脂を形成して
もよい。
素樹脂に必要に応じてケッチェンブラックやアセチレン
ブラックなどの導電性カーボンブラックなどの導電性付
与剤を添加して体積固有抵抗が1 013 Ω・cm以下の導電
性フッ素樹脂とし、これを弾性体層に被覆してローラを
形成してもよい。
型シリコーンゴムとの接着は、内面処理を施したフッ素
樹脂スリーブの内面にD Y 3 9 ー0 6 7 (東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン株式会社製 商品名)の如きシリ
コーン系プライマーを塗布し、付加型シリコーンゴムか
らなる弾性体層と9 0 〜1 7 0 ℃程度の温度で5 〜12 0
分程度加熱加硫することにより、弾性体層と接着させ
使用に供することができる。
方法としては、テトラ H(株式会社潤工社製 商品名)
のようなTHF (テトラヒドロフラン)もしくはエチレン
グリコールジメチルエーテルに金属ナトリウムとナフタ
リンを溶解させた溶液で化学処理する方法、液体アンモ
ニアに金属ナトリウムを溶解させた溶液で化学処理する
方法、リチウムのようなアルカリ金属の水銀アマルガム
により化学処理する方法、電解還元法、コロナ放電処理
法、ヘリウムやアルゴンのような不活性ガスプラズマで
処理する方法、エキシマレーザーにより処理する方法な
どが例示される。
ライマーNO.1 0 1 A /B (信越化学工業株式会社製
商品名)の如きシリコーン系のプライマーを使用するこ
とにより対応することができ、このとき芯金は、予めサ
ンドプラスト等で表面を活性化した後、メチレンクロラ
イドなどで脱脂した後、プライマーが塗布され、必要に
応じて1 3 0 ℃で3 0 分程度、焼成することにより行わ
れる。
ーブを保持した芯金にゴム硬度がアスカーC S R 2 で2
0 〜5 0 度の付加型シリコーンゴムを前記の芯金とフッ
素樹脂スリーブとの間に注入した後、9 0 〜1 7 0 ℃で
5 〜1 2 0 分程度加硫し、脱型した後、1 5 0 〜2 2 0
℃で2 〜2 4 時間程度恒温槽内で二次加硫し、取り出し
た後、必要に応じて仕上げを行う。このとき一次加硫の
方法はプレス加硫でもよいし、熱気加硫でもよい。熱気
加硫の場合は、恒温槽によるバッチ炉でもよいし、コン
ベアー式の連続炉でもよい。二次加硫は、通常恒温槽で
実施され、シワ対策などを目的に1 5 0 ℃で1 時間保持
した後、1 8 0 ℃に槽内温度を上げ、18 0 ℃で4 時間
保持するなど、徐々に温度を上げるステップ加硫を採用
してもよいし、徐々に温度を下げるステップ冷却を実施
してもよい。
うに、ローラ1 は、金属芯金2 の外周にシリコーンゴム
からなる弾性体層3 が被覆され、更に、該弾性体層3 の
外周に厚さ0 .1 5 mm 以下のフッ素樹脂スリーブ4 が被
覆されている。そして、前記の弾性体層3 には、付加型
シリコーンゴムとしてX ー3 4 ー1 1 6 5 A /B (信越
化学工業株式会社製 商品名)からなるシリコーンゴム
組成物が使用されている。
ゴム硬度の異なるX ー3 4 ー1 1 65 A /B からなる実
施例1 〜8 と、ゴム硬度の異なるD X 3 5 ー1 1 1 6 A
/B(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
商品名)からなるローラを比較例1 〜4 として評価を行
った。ゴム硬度の異なる試料は付加型シリコーンゴムの
A /B 組成物比を通常の5 : 5 に対し7 : 3 〜3 : 7 ま
で変化させて作成した。B 液にはケイ素原子結合水素原
子を有するオルガノポリシロキサンが含有しており、B
液を増量することにより、ゴム硬度を硬くすることがで
きる。本実施例によるローラの実機耐久テストに用いた
弾性体層3 のシリコーンゴム材料の物性を表1 に示す。
外径 1 5 . 8 mm 、シリコーンゴム弾性体層の肉厚 2 m
m 、フッ素樹脂スリーブの肉厚 5 0μm、弾性体層の長
さ22 0 mmの加圧ローラを作成し、ローラ表層のフッ素
樹脂スリーブにシワが入るかどうかを確認した後、製品
硬度(アスカーC )を測定した。結果を表2 に示す。
との硬度の差がアスカーC S R 2 で5 度以内、好ましく
は3 度以内、更に好ましくは硬度差の無い付加型シリコ
ーンゴムではフッ素樹脂スリーブのシワがほとんど発生
せず、逆にアスカーC S R 2で6 度以上の差のある付加
型シリコーンゴムではフッ素樹脂スリーブのシワの発生
が多発することが分かった。
性を評価するためにL B P による通紙テストを行った。
L B P としては、Personal Laser Writer 3 0 0 (アッ
プルコンピュータ株式会社製 商品名)を用いた。本実
施例の加圧ローラは、3 万枚の耐久終了後も画像形成上
不具合となるような定着ムラ、紙シワ、カール等は発生
せず、良好な耐久性を有していることが分かった。な
お、本実施例では、加圧ローラにて説明したが、ローラ
定着装置における加熱ローラにも適用できることは勿論
である。
周に被覆した弾性体層がアスカーCSR2硬度にて20
〜50度であり、かつ、その一次加硫(型加硫)後と二
次加硫(オープン加硫)後での硬度差がアスカーCSR
2硬度にて5度以内である付加型シリコーンゴムとした
ので、弾性体層の薄肉化とともに低硬度化が図られ、更
に、前記したようにシリコーンゴムの一次加硫と二次加
硫との硬度差を小さくしたので、前記の弾性体層の外周
に被覆されたフッ素樹脂スリーブのシワの発生を防ぐこ
とができ、また、定着ムラもなく、しかも耐久性の良好
な定着ローラを得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 芯金の外周に被覆した弾性体層の外周
に、厚さ0.15mm以下のフッ素樹脂スリーブを被覆
した定着ローラにおいて、前記弾性体層がアスカーCS
R2硬度にて20〜50度であり、かつ、その一次加硫
(型加硫)後と二次加硫(オープン加硫)後での硬度差
がアスカーCSR2硬度にて5度以内である付加型シリ
コーンゴムであることを特徴とする定着ローラ。 - 【請求項2】 芯金の外周に厚さ0.15mm以下のフ
ッ素樹脂スリーブを装着する工程と、前記心金とフッ素
樹脂スリーブとの間にアスカーCSR2硬度にて20〜
50度であり、その一次加硫(型加硫)後と二次加硫
(オープン加硫)後での硬度差がアスカーCSR2硬度
にて5度以内である付加型シリコーンゴムを注入する工
程と、前記注入された付加型シリコーンゴムを加熱硬化
せしめて厚さ0.2〜5mmの弾性体層を形成する工程
とよりなることを特徴とする定着ローラの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09197975A JP3120055B2 (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | 定着ローラ及びその製造方法 |
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---|---|---|---|
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JPH1130923A JPH1130923A (ja) | 1999-02-02 |
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---|---|---|---|---|
JP5506838B2 (ja) * | 2012-02-16 | 2014-05-28 | 住友ゴム工業株式会社 | 紙送りローラの製造方法 |
-
1997
- 1997-07-09 JP JP09197975A patent/JP3120055B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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