JP3120055B2 - 定着ローラ及びその製造方法 - Google Patents

定着ローラ及びその製造方法

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JP3120055B2
JP3120055B2 JP09197975A JP19797597A JP3120055B2 JP 3120055 B2 JP3120055 B2 JP 3120055B2 JP 09197975 A JP09197975 A JP 09197975A JP 19797597 A JP19797597 A JP 19797597A JP 3120055 B2 JP3120055 B2 JP 3120055B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子複写機やレー
ザビームプリンター(以下L B P と略称する)などのロ
ーラ定着装置に使用される加圧ローラや加熱ローラなど
の定着ローラに関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、加圧ローラを使用するローラ定着装
置を有する電子複写機やL B P などの小型化が進み、こ
れらに使用される加熱ローラや加圧ローラなどの定着ロ
ーラの外径が1 0 〜2 5 mm程度となるとともに、弾性体
層の厚みが5 mm以下、場合によっては0 . 2 〜2 mm程度
の薄肉となるローラを使用したローラ定着装置が採用さ
れつつある。
【0003】かかるローラは通常、トナーとの離型性を
保持するために、厚さが0 . 1 5 mm以下、好ましくは0
. 0 2 〜0 . 0 7 mm以下、さらに好ましくは0 . 0 3
〜0 .0 5 mm のフッ素樹脂スリーブをシリコーンゴム
からなる弾性体層に被覆した構成のものが使用されてい
るが、ローラ外径の小型化と弾性体層の薄肉化を両立さ
せるために弾性体層に適用されるゴム硬度の低硬度化が
進み、アスカーC 硬度で1 3 度以下の付加型シリコーン
ゴムからなる組成物が適用されつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アスカーC 硬度が1 3
度以下の超低硬度の付加型シリコーンゴムを使用し、該
シリコーンゴムの外周にフッ素樹脂を被覆したローラを
製造した場合、同じアスカーC 硬度のゴム組成物を使用
しても、製品での硬度がばらつき、そのために安定した
ニップ幅が得られないので、定着がとれないといった不
具合があった。また、上記したような超低硬度の組成物
を使用して、フッ素樹脂スリーブを被覆したローラを製
造した場合、成型後にフッ素樹脂からなる表層にシワが
入りやすいという問題があった。
【0005】
【課題を解決する手段】前記の不具合や問題を解決する
ために、本発明者らは、まずゴム硬度計そのものを見直
しすることから実施した。すなわち、超低硬度の組成物
を使用したローラの製品硬度のばらつきによる定着不良
は、アスカーC 硬度計(高分子計器株式会社製 商品
名)の管理限界を越えることに起因するものであり、超
低硬度の管理にS R I S (日本ゴム協会標準規格)0 1
0 1 「膨張ゴムの物理試験方法」に準拠したアスカーC
硬度を適用することには限界があることを見いだした。
【0006】そこで、本発明者らは、日本ゴム協会誌、
第6 巻 第7 号(1 9 9 6 ) 5 1 6頁にて、上記のよう
な超低硬度のゴム硬度はアスカーC S R 2 硬度計(高分
子計器株式会社製 商品名)にて測定するのがよいこと
を提案している。上記のアスカーC S R 2 硬度計は、後
述するようにスプリング式硬度計のスプリング荷重と測
定子先端に設けられる押針の形状等を考慮することによ
り超低硬度の測定を可能ならしめたものであるが、この
アスカーC S R 2 硬度計での測定をフッ素樹脂被覆ロー
ラの弾性体層に用いられる付加型シリコーンゴムに適用
すると、表層にフッ素樹脂を有するローラの外周からア
スカーC 硬度計で測定した硬度(以下、製品硬度とい
う)と極めて良好に相関し、弾性体層のゴム硬度の管理
幅が明確になるとともに定着不良などの不具合が回避で
きることが分かった。さらには組成物の一次加硫後と二
次加硫後との硬度差の少ない組成物を使用することによ
り、ローラ表層のフッ素樹脂スリーブのシワ発生をなく
すことができることを見い出し、本発明を完成するにい
たったものである。
【0007】 すなわち、本発明に係る定着ローラは、
前記の目的を達成するために、芯金の外周に被覆した弾
性体層の外周に、厚さ0.15mm以下のフッ素樹脂ス
リーブを被覆した定着ローラにおいて、前記弾性体層が
アスカーCSR2硬度にて20〜50度であり、かつ、
その一次加硫(型加硫)後と二次加硫(オープン加硫)
後での硬度差がアスカーCSR2硬度にて5度以内であ
る付加型シリコーンゴムであることをその特徴とするも
のである。
【0008】 また、その製造方法は、芯金の外周に厚
さ0.15mm以下のフッ素樹脂スリーブを装着する工
程と、前記心金とフッ素樹脂スリーブとの間にアスカー
CSR2硬度にて20〜50度であり、その一次加硫
(型加硫)後と二次加硫(オープン加硫)後での硬度差
がアスカーCSR2硬度にて5度以内である付加型シリ
コーンゴムを注入する工程と、前記注入された付加型シ
リコーンゴムを加熱硬化せしめて厚さ0.2〜5mmの
弾性体層を形成する工程とよりなることをその特徴とす
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明について詳細に説明する。
本発明において使用するアスカーC S R 2 硬度計は前記
したように従来のJIS K 6 3 0 1でのJIS A 硬度計やSR
IS 0 1 0 1でのアスカーC 硬度計とスプリング荷重及び
測定子の形状を異にするものであり、これを、更に詳細
に説明すると、まず、スプリングの荷重については、JI
S A 硬度計及びアスカーC 硬度計においてはスプリング
により測定子の先端に加わる荷重が5 5 g のときに目盛
りが0 度で、8 5 5 g のときに目盛りが1 0 0 度になる
ように設計されている。つまり硬度計の目盛り1 度当た
り8 g の荷重設定である。これらの硬度計では適宜の補
助具を用いて測定する場合の荷重は8 5 5 g 以上が必要
なため通常は1 K g で設定されている。
【0010】ところが、低硬度のスポンジゴムローラな
どではアスカーC 硬度計で1 K g の荷重で測定すると荷
重が重過ぎるために硬度計の測定面が試料面に潜り込ん
でしまい、正確な値が得られない場合があった。そのた
めにスポンジローラなどではアスカーC 硬度計を使用
し、あえて荷重を5 0 0 g として測定しているケースが
ある。
【0011】上記の場合においては、アスカーC 硬度で
5 5 度以下ではさほど問題なく測定できるようにみえる
が、硬度計の0 〜1 0 0 度目盛りが使用できない。すな
わち、スプリング荷重の関係で5 6 度付近で頭打ちとな
ってしまうので、この場合には5 5 度を越える硬度は測
定できないことになる。これに対し、前述したアスカー
C S R 2 硬度計では、スプリングにより測定子の先端に
加わる荷重がアスカーC 硬度計の約1 / 2 の4 5 5 g で
目盛りが1 0 0 度になるように設定してある。そして、
0 度の設定は従来通り測定子に加わる荷重が5 5 g のと
きとしてあり、硬度計の目盛り1 度当たり4 g の荷重設
定であるので、補助具の荷重が5 0 0 gであってもアス
カーC S R 2 硬度計では0 〜1 0 0 度目盛りが使用でき
ることになる。したがって、アスカーC S R 2 硬度計で
は補助具の荷重は従来の1 K g の半分の5 0 0 g に設定
した。
【0012】次に、アスカーC S R 2 硬度計の測定子の
形状について説明すると、アスカーC 硬度計の測定子が
直径5 .0 8 mm の半球であるのに対し、アスカーC S R
2 硬度計では、直径1 0 mmの円柱を用いその下面(測定
面)中央に2 .5 4 mm の曲率Rを有する高さ2 .5 4 mm
の押針を突出せしめたものである。このことは、通常ス
プリング式硬度計では同一スプリング荷重でも測定子の
接触面積を広く、すなわち測定子を大きくすることによ
り低硬度が測定できるようになるが、このような硬度計
においては測定子が硬度計の測定面から2 . 5 mm突出す
ることが構成上絶対条件であるため、単純に測定子の直
径を大きくするわけにはいかないためである。
【0013】本発明においてゴム硬度の測定に供される
テストピースは JIS C 2 1 2 3 (電気用シリコーンゴ
ムコンパウンド試験方法)に準拠して作成したが、これ
に限定されるものではない。まず、付加型シリコーンゴ
ムを混合した後、脱泡し、このコンパウンドを室温にて
厚みが6 mmの型に入れ、1 2 0 ℃で1 0 分(この1 0分
とは型が1 2 0 ℃になってからの時間)プレス加硫し
た。テストピースを型から取り出した後、室温まで冷却
し、所定の硬度計で一次加硫後のゴム硬度を測定した。
次に、このテストピースを2 0 0 ℃で4 時間の二次加硫
条件で恒温槽に入れ、取り出した後、室温間で冷却し、
再度所定の硬度計で二次加硫後のゴム硬度を測定し、一
次加硫後と二次加硫後との硬度差を把握した。
【0014】上記におけるゴム硬度測定時のテストピー
スの厚みは6 mm厚のものを2 枚重ねて1 2 mmとした。こ
れは、低硬度のゴムの場合、テストピースの厚みによっ
て測定値が異なり、テストピースの厚みが薄くなればな
るほどゴム硬度は試料台の影響を受け、測定値が高くな
る傾向にあるので、テストピースの厚みを設定する必要
があるためである。低硬度のゴムの場合、テストピース
の厚みが6 mmでは不十分であることは既知であるが、こ
のテストピースの厚みに関してはJIS C 2 1 23 で「厚
さ6 mmの板状」、JIS K 6 2 5 3 (加硫ゴムの硬さ試験
方法)では「6mm以上」としている。そして、JIS C 2 1
2 3 は、電気用シリコーンゴムコンパウンドの規格の
ために、上記したような低硬度のゴムコンパウンドを想
定しておらず、JIS K 6 2 5 3 では、「タイプA デユロ
メータによる硬さが1 0 未満のときは、不正確であり、
記述しない」との記載にあるように、JIS などの国内規
格では低硬度ゴムの硬度測定は特に規定していないのが
現状である。
【0015】したがって、低硬度ゴムの硬度測定にはJI
S K 6 2 5 3 とは別の試験方法が必要と思われるが、現
状では上記したように該当する試験方法は国内規格では
見当たらない。これに対し、国際規格であるISO 1 8 1
8 [低硬度(1 0 〜3 5 IRHD)加硫ゴムの硬さ試験]で
は、「試験片の厚さは1 0 〜1 5 mmを標準とし、必要な
厚さを得るため、平滑で平行な2 枚の試験片を積み重ね
てもよいが、3 枚以上重ねてはならない」と明確に規定
しており、本発明におけるテストピースの硬度の測定に
おいて、上記したように6 mm厚のテストピースを2 枚重
ね(テストピースの厚さ1 2 mm)としたのは前記したIS
O 1 8 1 8 の規定から判断して妥当なものである。
【0016】ゴム硬度測定時の降下速度も測定値のばら
つきの要因であり、早く降下させるとゴム硬度の測定値
が高くなり、ゆっくり降下させると低くなる。そのため
ゴム硬度計の降下速度を定める必要があり、低硬度ゴム
の測定には経験的に5 5 ±10 min/cm(ストローク1 1 m
mに対して1 ±0 . 2 秒)に硬度計の押しつけ速度を設
定すると安定したゴム硬度を測定できることが分かって
いる。
【0017】本発明において、弾性体層のゴム種は白金
触媒及びビニル基を含有したポリオルガノシロキサンと
ケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサ
ンとからなる付加型シリコーンゴムである。この付加型
シリコーンゴムの充填材の配合処方は、加硫障害を生じ
させない限り特に制限されるものではないが、通常はベ
ースのポリオルガノシロキサン1 0 0 重量部に対して補
強充填材及び増量充填材が1 0 〜3 0 0 重量部程度添加
される。
【0018】補強充填材としては湿式シリカや乾式シリ
カ(煙霧状シリカ)が一般的である。ここでいう湿式シ
リカとは、二酸化けい素(SiO2)からなる補強性シリカ
のことで、製造方法としては、けい酸ナトリウムを直接
硫酸で分解する直接法やけい酸ナトリウムを塩類と反応
させてけい酸塩を生成させ、次に硫酸または炭酸ガスで
分解する間接法など種々の方法がある。代表的な湿式シ
リカとしては、NipsilV N 3 (日本シリカ工業株式会社
製 商品名)、カープレックスC S ー5 (シオノギ製薬
株式会社製 商品名)、スターシル S(神島化学工業株
式会社製 商品名)、トクシール U S(株式会社トクヤ
マ製 商品名)、Hisil 2 2 3 (P P G社(米国)製
商品名)、Ultrasil V N 3(Degussa 社(ドイツ)製
商品名)、Vulkasil S(Bayer (ドイツ)社製 商品
名)などが例示され、平均粒径が30 μm以下、好まし
くは5 μm以下のグレードが使用される。
【0019】乾式シリカは、ハロゲン化けい素の熱分解
法やけい砂を加熱還元し、気化したSiO2の空気酸化法、
有機けい素化合物の熱分解法やけい砂を加熱還元し、気
化したSiO2の空気酸化法、有機けい素化合物の熱分解法
などにより製造される二酸化けい素からなる補強性シリ
カで、アエロジル2 0 0 やアエロジル R 9 7 2(日本ア
エロジル株式会社製 商品名)Cab ーO ーSil M S ー5
(Cabot 社(米国)製商品名)などが例示される。
【0020】本発明においては、必要に応じて湿式シリ
カと乾式シリカを適時併用使用してもよい。さらに、シ
リカ表面の活性による二次結合の防止を目的として、湿
潤剤(ウエッター)を添加してもよく、これら湿潤剤と
しては、シリコーンレジン類、アルコキシシラン及びシ
ロキサン類、ヒドロキシシラン及びシロキサン類、シラ
ザン類、有機酸エステル類、多価アルコール類などが例
示される。
【0021】また、増量充填剤は、ゴムの機械特性、す
なわち物理強度、ゴム硬度、圧縮永久歪みなど弾性体層
として機能上欠くべからざる特性を保持するのに必要な
成分であり、補強性充填剤と同様、5 μm以下の粒径が
好ましい。増量充填剤の種類としては、炭酸カルシウ
ム、クリスタライトV X ーS (株式会社龍森製 商品
名)の如き石英粉、ラジオライト F(昭和化学工業株式
会社製 商品名)の如きけい藻土、ノバキュライト(け
い質砂岩)、けい酸ジルコニウム、クレー(けい酸アル
ミニウム)、タルク(含水けい酸マグネシウム)、J A
ー3 0 W (浅田製粉株式会社製 商品名)の如きウォラ
ストナイト(メタけい酸カルシウム)、酸化チタン、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ(酸化アルミニウ
ム)、酸化クロム、ベンガラ(酸化鉄)、硫酸アルミニ
ウム、硫酸バリウム、リトボン、二硫化モリブデン、マ
イカ(雲母粉)、グラファイトなどが例示される。
【0022】また、弾性体層に導電性を付与させるため
に、充填剤として各種の導電性付与剤を使用して体積固
有抵抗を1 0 13Ω・cm以下にしてもよく、これら導電性
付与剤としてアセチレンブラックやケッチェンブラック
の如き導電性カーボンブラック、グラファイト、銀、
銅、ニッケルなどの金属粉、導電性亜鉛華、カーボン繊
維などが例示されるが導電性カーボンブラックが一般的
である。
【0023】本発明においては、酸化セリウムの如き耐
熱剤を添加してもよいが、本発明における加圧ローラ
は、ダイエルラテックスG L S ー2 1 3 (ダイキン工業
株式会社製 商品名)の如きフッ素ゴムとフッ素樹脂の
混合物からなるラテックスをシリコーンゴムローラの外
周にコーティングするタイプではないので、3 0 0 〜32
0 ℃程度の温度で焼成する必要がない。そのため、酸
化セリウムのような耐熱助剤を必ずしも添加する必要は
ない。
【0024】通常、シリコーンゴムからなる加圧ローラ
はベンガラ色に着色して供給されるのことが多く、この
場合には着色剤としてベンガラを使用するのが一般的で
あり、ベンガラの種類としては、SRIS(日本ゴム協会標
準規格)1 1 0 8 に規定されたゴム用ベンガラが適用で
き、加工時のゴム内における配向性に留意する必要があ
る場合には、バイフェロックス1 3 0 M (バイエル社
(ドイツ)製 商品名)の如き平均粒度が0 .3μm以下
の球状のグレードをシリコーンゴムに対して0 .2 〜2
重量%程度添加させればよい。
【0025】本発明の表層に使用されるフッ素樹脂スリ
ーブの材料としては、テフロンP FA 3 5 0 ーJ , 4 5 0
H P ーJ , 4 5 1 H P ーJ (三井・デュポン フロロ
ケミカル株式会社製 商品名)やアフロンP F A Pー6
6 P (旭硝子株式会社製 商品名)の如きテトラフルオ
ロエチレンーパーフルオロイソプロピルビニルエーテル
共重合体(以下PFA と略称する)、HYFLON MFA 6 2 0
(Ausimont S.P.A (イタリア)製 商品名)の如きテ
トラフルオロエチレンーパーフルオロメチルビニルエー
テル共重合体(以下MFA 略称する)、テフロンF E P 1
6 0ーJ (三井・デュポン・フロロケミカル株式会社製
商品名)の如きテトラフルオロエチレンーヘキサフル
オロプロピレン共重合体(以下FEP と略称する)、ネオ
フロンEPASPー1 2 0 (ダイキン工業株式会社製 商品
名)の如きテトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプ
ロピレンーパーフルオロイソプロピルビニルエーテル三
元共重合体(以下EPA と略称する)などが例示される。
これらのフッ素樹脂は通常は単独で使用されるが、必要
に応じてPFA とMFA を適宜ブレンドしたり、あるいはFE
P とEPA とをブレンドしたりしてフッ素樹脂を形成して
もよい。
【0026】本発明の表層に使用されるPFA などのフッ
素樹脂に必要に応じてケッチェンブラックやアセチレン
ブラックなどの導電性カーボンブラックなどの導電性付
与剤を添加して体積固有抵抗が1 013 Ω・cm以下の導電
性フッ素樹脂とし、これを弾性体層に被覆してローラを
形成してもよい。
【0027】本発明におけるフッ素樹脂スリーブと付加
型シリコーンゴムとの接着は、内面処理を施したフッ素
樹脂スリーブの内面にD Y 3 9 ー0 6 7 (東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン株式会社製 商品名)の如きシリ
コーン系プライマーを塗布し、付加型シリコーンゴムか
らなる弾性体層と9 0 〜1 7 0 ℃程度の温度で5 〜12 0
分程度加熱加硫することにより、弾性体層と接着させ
使用に供することができる。
【0028】このとき、フッ素樹脂スリーブの内面処理
方法としては、テトラ H(株式会社潤工社製 商品名)
のようなTHF (テトラヒドロフラン)もしくはエチレン
グリコールジメチルエーテルに金属ナトリウムとナフタ
リンを溶解させた溶液で化学処理する方法、液体アンモ
ニアに金属ナトリウムを溶解させた溶液で化学処理する
方法、リチウムのようなアルカリ金属の水銀アマルガム
により化学処理する方法、電解還元法、コロナ放電処理
法、ヘリウムやアルゴンのような不活性ガスプラズマで
処理する方法、エキシマレーザーにより処理する方法な
どが例示される。
【0029】また、芯金と弾性体層の接着は、例えばプ
ライマーNO.1 0 1 A /B (信越化学工業株式会社製
商品名)の如きシリコーン系のプライマーを使用するこ
とにより対応することができ、このとき芯金は、予めサ
ンドプラスト等で表面を活性化した後、メチレンクロラ
イドなどで脱脂した後、プライマーが塗布され、必要に
応じて1 3 0 ℃で3 0 分程度、焼成することにより行わ
れる。
【0030】ローラの成型方法は、予めフッ素樹脂スリ
ーブを保持した芯金にゴム硬度がアスカーC S R 2 で2
0 〜5 0 度の付加型シリコーンゴムを前記の芯金とフッ
素樹脂スリーブとの間に注入した後、9 0 〜1 7 0 ℃で
5 〜1 2 0 分程度加硫し、脱型した後、1 5 0 〜2 2 0
℃で2 〜2 4 時間程度恒温槽内で二次加硫し、取り出し
た後、必要に応じて仕上げを行う。このとき一次加硫の
方法はプレス加硫でもよいし、熱気加硫でもよい。熱気
加硫の場合は、恒温槽によるバッチ炉でもよいし、コン
ベアー式の連続炉でもよい。二次加硫は、通常恒温槽で
実施され、シワ対策などを目的に1 5 0 ℃で1 時間保持
した後、1 8 0 ℃に槽内温度を上げ、18 0 ℃で4 時間
保持するなど、徐々に温度を上げるステップ加硫を採用
してもよいし、徐々に温度を下げるステップ冷却を実施
してもよい。
【0031】
【実施例】本発明の実施例を説明すると、図1 に示すよ
うに、ローラ1 は、金属芯金2 の外周にシリコーンゴム
からなる弾性体層3 が被覆され、更に、該弾性体層3 の
外周に厚さ0 .1 5 mm 以下のフッ素樹脂スリーブ4 が被
覆されている。そして、前記の弾性体層3 には、付加型
シリコーンゴムとしてX ー3 4 ー1 1 6 5 A /B (信越
化学工業株式会社製 商品名)からなるシリコーンゴム
組成物が使用されている。
【0032】本実施例においては前記した弾性体層3 に
ゴム硬度の異なるX ー3 4 ー1 1 65 A /B からなる実
施例1 〜8 と、ゴム硬度の異なるD X 3 5 ー1 1 1 6 A
/B(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
商品名)からなるローラを比較例1 〜4 として評価を行
った。ゴム硬度の異なる試料は付加型シリコーンゴムの
A /B 組成物比を通常の5 : 5 に対し7 : 3 〜3 : 7 ま
で変化させて作成した。B 液にはケイ素原子結合水素原
子を有するオルガノポリシロキサンが含有しており、B
液を増量することにより、ゴム硬度を硬くすることがで
きる。本実施例によるローラの実機耐久テストに用いた
弾性体層3 のシリコーンゴム材料の物性を表1 に示す。
【0033】
【表1 】
【0034】次に、各試料のシリコーンゴムについて、
外径 1 5 . 8 mm 、シリコーンゴム弾性体層の肉厚 2 m
m 、フッ素樹脂スリーブの肉厚 5 0μm、弾性体層の長
さ22 0 mmの加圧ローラを作成し、ローラ表層のフッ素
樹脂スリーブにシワが入るかどうかを確認した後、製品
硬度(アスカーC )を測定した。結果を表2 に示す。
【0035】
【表2 】
【0036】上記の結果から、一次加硫後と二次加硫後
との硬度の差がアスカーC S R 2 で5 度以内、好ましく
は3 度以内、更に好ましくは硬度差の無い付加型シリコ
ーンゴムではフッ素樹脂スリーブのシワがほとんど発生
せず、逆にアスカーC S R 2で6 度以上の差のある付加
型シリコーンゴムではフッ素樹脂スリーブのシワの発生
が多発することが分かった。
【0037】次に、前記の各実施例1 〜8 の試料の耐久
性を評価するためにL B P による通紙テストを行った。
L B P としては、Personal Laser Writer 3 0 0 (アッ
プルコンピュータ株式会社製 商品名)を用いた。本実
施例の加圧ローラは、3 万枚の耐久終了後も画像形成上
不具合となるような定着ムラ、紙シワ、カール等は発生
せず、良好な耐久性を有していることが分かった。な
お、本実施例では、加圧ローラにて説明したが、ローラ
定着装置における加熱ローラにも適用できることは勿論
である。
【0038】
【発明の効果】 本発明に係る定着ローラは、芯金の外
周に被覆した弾性体層がアスカーCSR2硬度にて20
〜50度であり、かつ、その一次加硫(型加硫)後と二
次加硫(オープン加硫)後での硬度差がアスカーCSR
2硬度にて5度以内である付加型シリコーンゴムとした
ので、弾性体層の薄肉化とともに低硬度化が図られ、更
に、前記したようにシリコーンゴムの一次加硫と二次加
硫との硬度差を小さくしたので、前記の弾性体層の外周
に被覆されたフッ素樹脂スリーブのシワの発生を防ぐこ
とができ、また、定着ムラもなく、しかも耐久性の良好
な定着ローラを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1 は本発明のローラの拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ローラ 2 芯金 3 弾性体層 4 フッ素樹脂スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20 F16C 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯金の外周に被覆した弾性体層の外周
    に、厚さ0.15mm以下のフッ素樹脂スリーブを被覆
    した定着ローラにおいて、前記弾性体層がアスカーCS
    R2硬度にて20〜50度であり、かつ、その一次加硫
    (型加硫)後と二次加硫(オープン加硫)後での硬度差
    がアスカーCSR2硬度にて5度以内である付加型シリ
    コーンゴムであることを特徴とする定着ローラ。
  2. 【請求項2】 芯金の外周に厚さ0.15mm以下のフ
    ッ素樹脂スリーブを装着する工程と、前記心金とフッ素
    樹脂スリーブとの間にアスカーCSR2硬度にて20〜
    50度であり、その一次加硫(型加硫)後と二次加硫
    (オープン加硫)後での硬度差がアスカーCSR2硬度
    にて5度以内である付加型シリコーンゴムを注入する工
    程と、前記注入された付加型シリコーンゴムを加熱硬化
    せしめて厚さ0.2〜5mmの弾性体層を形成する工程
    とよりなることを特徴とする定着ローラの製造方法。
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