JP3119315B2 - 圧油供給装置 - Google Patents

圧油供給装置

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JP3119315B2
JP3119315B2 JP04161923A JP16192392A JP3119315B2 JP 3119315 B2 JP3119315 B2 JP 3119315B2 JP 04161923 A JP04161923 A JP 04161923A JP 16192392 A JP16192392 A JP 16192392A JP 3119315 B2 JP3119315 B2 JP 3119315B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1つ又は複数の油圧ポ
ンプの吐出圧油を複数のアクチェエータに供給する圧油
供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭60−11706号公報に示す圧
油供給装置が知られている。すなわち、図1に示すよう
に油圧ポンプ1の吐出導管2に複数の圧力補償弁3,1
3を並列に接続し、各圧力補償弁3,13の出口導管
4,14に方向制御弁5,15をそれぞれ設けこの各方
向制御弁5,15の出力側をアクチュエータ6,16に
それぞれ接続し、前記圧力補償弁3,13をポンプ吐出
圧と方向制御弁出口圧で開き方向に押され、方向制御弁
入口圧と最も高い負荷圧で閉じ方向に押される構造とし
た圧油供給装置である。この圧油供給装置であれば、複
数の方向制御弁3,13を同時操作した時に各アクチュ
エータにポンプ吐出圧油を所定の分配比で供給できる。
【0003】かかる圧油供給装置であるとアクチュエー
タの負荷圧を比較して高い方の負荷圧を圧力補償弁に供
給するためにシャトル弁7が必ず必要であり、しかもこ
のシャトル弁7はアクチュエータの数より1つ少ない数
だけ必要であり、それだけコストが高くなる。また、前
述の図1に示す圧油供給装置であると2つのアクチュエ
ータ6,12をともに作動させ、それらの負荷圧のう
ち、アクチュエータ6側の負荷圧が大きいとする。この
ときは、導管8内の圧力が最高負荷圧としてシャトル弁
7によって導管9に導かれる。次に、負荷圧が変動し
て、アクチュエータ16側の負荷圧の方がアクチュエー
タ6側の負荷圧より大きくなったとする。その際、すな
わちシャトル弁7が切換わる際、シャトル弁7内の吹き
ぬけにより導管18内の圧力がぬけ、他方の導管8内の
圧力が押しこめられる。そのため、シャトル弁7の切換
え時、過渡的にアクチュエータ6は自然降下しアクチュ
エータ6は加速される。そこで、本出願人は先に前述の
課題を解決できるようにした圧油供給装置を出願した。
【0004】かかる圧油供給装置は図2に示すように、
油圧ポンプ20の吐出路21に複数の方向制御弁22を
設け、この各方向制御弁22の入口側にチェック弁部2
3と減圧弁部24より成る圧力補償弁25をそれぞれ設
けたものであり、この方向制御弁22と圧力補償弁25
は図3に示すように構成してある。
【0005】すなわち、図3に示すように、弁ブロック
30は略直方体形状となり、この弁ブロック30の上部
寄りにスプール孔31が左右側面32,33に開口して
形成され、このスプール31に開口した第1・第2アク
チュエータポート34,35が上面36に開口して形成
してあり、弁ブロック30の下部寄りには左側面32に
開口したチェック弁用孔37と右側面33に開口した減
圧弁用孔38が同心状に形成され、前記チェック弁用孔
37に開口した第1ポート39が前後面に開口して形成
され、前記減圧弁用孔38に開口した第2、第3ポート
42,43が前後面に開口して形成してあり、複数の弁
ブロック30の前後面を突き合せて連結すると各第1・
第2・第3ポート39,42,43が連通するようにし
てある。
【0006】前記弁ブロック30にはスプール孔31に
開口したポンプポート44、第1・第2負荷圧検出ポー
ト45,46、前記第1・第2アクチュエータポート3
4,35、第1、第2タンクポート47,48が形成さ
れ、そのスプール孔31に嵌挿した主スプール49には
第1・第2小径部50,51と連通用溝52が形成して
あり、主スプール49には第1・第2負荷圧検出ポート
45,46を常時連通する第1油路53及び第2負荷圧
検出ポート46と第2タンクポート48を連通・遮断す
る第2油路54が形成され、スプール49はスプリング
で各ポートを遮断し、第2油路54で第2負荷圧検出ポ
ート46と第2タンクポート48を連通する中立位置に
保持され、スプール49を右方に摺動すると第2小径部
51で第2アクチュエータポート35を第2タンクポー
ト48に連通し、連通用溝52でポンプポート44が第
2負荷圧検出ポート46に連通し、第1小径部50で第
1アクチュエータポート34が第1負荷圧検出ポート4
5に連通し、かつ第2負荷圧検出ポート46と第2タン
クポート48が遮断する第1圧油供給位置となり、スプ
ール49を左方に摺動すると第1小径部50で第1アク
チュエータポート34を第1タンクポート47に連通
し、連通用溝52でポンプポート44が第1負荷圧検出
ポート45に連通し、第2小径部51で第2アクチュエ
ータポート35が第2負荷圧検出ポート46に連通し、
かつ第2負荷圧検出ポート46と第2タンクポート48
が遮断する第2圧油供給位置となって方向制御弁22を
構成している。
【0007】前記チェック弁用孔37は油路56でポン
プポート44に開口し、そのチェック弁用孔37には前
記第1ポート39とポンプポート44を連通遮断する弁
60が嵌挿され、その弁60はプラグ61に設けたスト
ッパ杆62で図示位置より左方に摺動しないように規制
されて遮断位置に保持されてチェック弁部23を構成し
ている。前記減圧弁用孔38は第4ポート57と油路5
8で第2負荷圧検出ポート46に連通し、この減圧弁用
孔38にはスプール64が嵌挿されて第1圧力室65と
第2圧力室66を形成し、第1圧力室65は第4ポート
57に連通し、第2圧力室66は第3ポート43に連通
し、前記スプール64の盲穴67に挿入したフリーピス
トン68と盲穴67底部との間にばね69が設けられて
フリーピストン68はプラグ70に当接し、かつスプー
ル64に一体的に設けた押杆71が透孔72より突出し
て前記弁60をストッパ杆62に当接しており、前記ス
プール64には第2ポート42を盲穴67に連通する細
孔73が形成されて減圧弁部24を構成し、この減圧弁
部24と前記チェック弁部23とで圧力補償弁25を構
成している。
【0008】そして、図2に示すように油圧ポンプ20
の吐出路21を第1ポート39、第2ポート42に連通
し、第3ポート43に負荷圧検出路82を接続し、第1
・第2アクチュエータポート34,35にアクチュエー
タ88が接続してある。図2において、83は油圧ポン
プ80の吐出流量を制御する斜板、84はサーボシリン
ダ、85はポンプ調整用方向制御弁である。
【0009】次に作動を図2に基づいて説明する。方
向制御弁22が中立位置Aのとき。油圧ポンプ20によ
ってタンク86から吸上げられた油は、吐出路21を通
ってチェック弁部23の開く方向の圧力室aに案内され
る。この時、減圧弁部24の圧力室65,66は、とも
にタンク86に通じているので、この圧力室65,66
の圧力はともにゼロで、よって減圧弁部24は、弱いば
ね69によって押され杆体71がチェック弁部23に当
接しているだけである。一方、ポンプ吐出圧は、ポンプ
調整用方向制御弁85のばね87によって負荷圧検出路
82の圧力との差圧がある一定に保たれる。いま、この
差圧を20kg/cm2 とすると負荷圧検出路82の圧
力はゼロなので、ポンプ吐出圧は20kg/cm2 まで
上昇し、同時にチェック弁部23の圧力室aにポンプ吐
出圧が流入して方向制御弁22の入口圧(チェック弁部
63の出口圧)がポンプ吐出圧と等しくなるまでストロ
ークし、等しくなれば、弱いばね69によってレシート
する。減圧弁部24は、ストロークエンド時のみ、ポン
プ吐出路21と圧力室66を連通させる一方、チェック
弁部23は、ストロークエンドに達する前に、ポンプ吐
出路21と出口側を連通させるので、方向制御弁22が
中立位置Aのときは、ポンプ吐出路21と圧力室66が
連通することはなく、圧力室65の圧力はゼロのままで
ある。
【0010】方向制御弁22のいずれか一方のみ第1
圧油供給位置Bにストロークさせるとき。いま、左側の
方向制御弁22を第1圧油供給位置Bにストロークさ
せ、右側の方向制御弁22は、中立位置Aとする。方向
制御弁22をストロークさせポンプポート44と第1ア
クチュエータポート34を接続させ、同時に、第2アク
チュエータポート35と第2タンクポート48を接続さ
せる。この時第1アクチュエータポート34とアクチュ
エータ88を接続する導管89内の圧力(負荷圧)がポ
ンプ吐出圧(20kg/cm2 )より大きいときはチェ
ック弁部23が圧力室bの圧力でレシートするため、ア
クチュエータ88の自然降下を防止することができる。
アクチュエータ88の導管89の圧力、すなわち負荷圧
が第1油路53、通路58より減圧弁部24の一方の圧
力室65に導かれる。他方の圧力室66の圧力はゼロで
あるため、減圧弁部24は、チェック弁部23から解離
する方向にストロークエンドまでストロークし、減圧弁
部24の絞りを介して、ポンプ吐出路21と負荷圧検出
路82が連通する。前記導管89内の圧力(負荷圧)が
ポンプ吐出圧(=20kg/cm2 )より大きいとき
は、チェック弁部23の圧力室bの圧力で閉じ、その圧
力が、減圧弁部24の一方の圧力室65に導かれるた
め、他方の圧力室66とポンプ吐出路21が連通して
も、減圧弁部24はストロークしたままである。一方、
導管89内の圧力(負荷圧)がポンプ吐出圧(=20k
g/cm2 )より小さいときは、その負荷圧が減圧弁部
24の一方の圧力室65に導かれ、減圧弁部24が一方
の圧力室65の圧力でストロークするが、他方の圧力室
66の圧力が一方の圧力室65の圧力(すなわち負荷
圧)まで上昇すると、弱いばね69によって閉じチェッ
ク弁部23に当接する。いずれの場合でも、減圧弁部2
4は、一方の圧力室65内の圧力と他方の圧力室66内
の圧力が等しくなるまで、ポンプ吐出路21と圧力室6
6を連通させ、両圧力室65,66内の圧力が等しくな
れば弱いばね69によって閉じチェック弁部23に当接
する。結果として負荷圧検出路82内の圧力は、負荷圧
と等しくなり、ポンプ吐出圧は、ポンプ調整用方向制御
弁85によって、ある差圧(ここでは20kg/c
2 )分だけ、負荷圧検出路82内の圧力より高い圧力
に制御される。このポンプ吐出圧は、チェック弁部23
を介して、ポンプポート44に導かれているので、すな
わち、方向制御弁22の入口圧と出口圧(=負荷圧)の
間には、差圧(=20kg/cm2 )が保たれることに
なる。よって、方向制御弁22のストロークに伴なう入
口側と出口側の間の絞りの開口面積の変化によっての
み、アクチュエータ88へ供給される流量が制御され
る。方向制御弁22をストロークさせる際、アクチュエ
ータ88の導管89あるいは90と負荷圧導入用の第2
油路53が接続され、一方、第2油路53は、減圧弁部
24の一方の圧力室65と接続されているが、減圧弁部
24において負荷圧は、パイロット圧力(減圧弁部のセ
ット圧力)としてのみ使われるので、その圧力がぬける
ことはなく、すなわち、方向制御弁22をストロークさ
せた際、負荷圧がぬけることによるアクチュエータ88
の自然降下はない。
【0011】前記負荷圧検出路82はもう一方の方向制
御弁22に配設されている圧力補償弁25の減圧弁部2
4の他方の圧力室66にも接続されているが、減圧弁部
24の一方の圧力室65は、方向制御弁22の中立位置
Aによってタンク86と接続しているため、負荷圧導入
用の第1油路53内の圧力はゼロで、よって圧力室66
内の圧力によって減圧弁部24は、チェック弁部23を
閉じる方向に付勢する。一方、チェック弁部23の開く
方向の圧力室aには、ポンプ吐出路21よりポンプ吐出
圧が導かれるため、全体として、ポンプ吐出圧と負荷圧
検出路82内の圧力の差圧分(=20kg/cm2 )に
よってチェック弁部23及び減圧弁部24をチェック弁
部23の開く方向にストロークさせるが、わずかにスト
ロークしポンプポート44の圧力がその差圧(=20k
g/cm2 )になれば、弱いばね69によってレシート
し、結果として、ストロークエンドまで減圧弁部24が
ストロークすることはなく、方向制御弁22側の油圧制
御には、何ら影響することはない。
【0012】方向制御弁22のいずれも第1圧油供給
位置Bにストロークさせるとき。−各アクチュエー
タ88に必要とされる流量の合計が油圧ポンプ20の最
大吐出流量位置のとき。いま、方向制御弁22をともに
第1圧油供給位置Bにストロークさせ、各ポンプポート
44と各導管89と各負荷圧導用の第1油路53をそれ
ぞれ接続させたとする。一方の減圧弁部24は、圧力室
66内の圧力が一方の圧力室65内の圧力に等しくなる
まで、また他方の減圧弁部24は、圧力室66内の圧力
が、一方の圧力室65内の圧力に等しくなるまで、それ
ぞれストロークエンドまでストロークしたままである。
いま、二つのアクチュエータ88,88の負荷圧のう
ち、左側のアクチュエータ88の負荷圧がより大きいと
する。仮に、左側アクチュエータ88の負荷圧を100
(kg/cm2 )、右側のアクチュエータ88の負荷圧
を10(kg/cm2 )とする。負荷圧検出路82は、
絞り91を介してタンク86と接続されているので、方
向制御弁ストローク前は負荷圧検出路82内の圧力はゼ
ロである。よって、各減圧弁部24は負荷圧検出用の第
1油路53内の圧力によってもストロークし、ポンプ吐
出圧が圧力検出導管34内の圧力と連通させる。負荷圧
検出路82内の圧力が低圧側である右側のアクチュエー
タ88の導管90内の圧力(10kg/cm2 )まで上
昇すると、まず、右方の圧力補償弁25の減圧弁部24
が閉じる。左方の圧力補償弁25の減圧弁部24はスト
ロークしたままであり、負荷圧検出路82内の圧力はポ
ンプ吐出圧(20kg/cm2 )と等しくなるまで上昇
する。このとき高圧側である左側のアクチュエータ88
の方向制御弁22のポンプポート44の圧力は100
(kg/cm2 )であり、圧力補償弁25のチェック弁
部23は閉じていて、減圧弁部24とは解離している。
一方圧力補償弁25の減圧弁部24は、二つの圧力室6
5と66内の圧力の差(20−10=10kg/c
2 )でチェック弁部23を閉じる方向に付勢する。一
方、チェック弁部23の開く方向の圧力室a内の圧力
(ポンプ吐出圧)は20(kg/cm2 )であるため、
結果として方向制御弁22のポンプポート44の圧力が
10(kg/cm2 )になるまでチェック弁部23が開
いた後、弱いばね69によってレシートする。ポンプ調
整用方向制御弁85によって、ある差圧(20kg/c
2 )分だけ、負荷圧検出路82内の圧力(20kg/
cm2 )より高い圧力にポンプ吐出圧が制御される(4
0kg/cm2 )。このときも高圧側の圧力補償弁25
のチェック弁部23は閉じたままで減圧弁部24はスト
ロークしたままで負荷圧検出路82内の圧力は40(k
g/cm2 )となり、一方、低圧側の圧力補償弁25の
減圧弁部24は、負荷圧検出路82と負荷圧導入用の第
1油路53内の圧力差(=30kg/cm2 )でチェッ
ク弁部23を閉じる方向に付勢し、結果として方向制御
弁22のポンプポート44の圧力は10kg/cm2
ままである。このようにして、負荷圧検出路82内の圧
力とポンプ吐出圧が上昇し続け、やがてポンプ吐出圧が
高圧側のアクチュエータ88の負荷圧(100kg/c
2)と等しくなると、高圧側の圧力補償弁25の減圧
弁部24の二つの圧力室65と66内の圧力はともに1
00kg/cm2 となり、弱いばね69によって、閉じ
チェック弁部23に当接する。このとき低圧側の圧力補
償弁25の減圧弁部24は負荷圧検出路82と負荷圧導
入用の第1油路53内の圧力差(100−10=90k
g/cm2 )でチェック弁部23を閉じる方向に付勢
し、結果として低圧側の方向制御弁22のポンプポート
44の圧力は10kg/cm2 のままである。再び、ポ
ンプ調整用方向制御弁85によって、ポンプ吐出圧が1
20(kg/cm2 )に制御される。このとき高圧側の
圧力補償弁25の減圧弁部23は、弱いばね69によっ
てチェック弁部23に当接しているだけであり、チェッ
ク弁部23の二つの圧力室aとbの圧力差によって、こ
こで始めてチェック弁部23が開き、ポンプ吐出圧(1
20kg/cm2 )が方向制御弁22のポンプポート4
4に導かれる。一方、低圧側の圧力補償弁25の減圧弁
部24は負荷圧検出路82と負荷圧導入用の第1油路5
3内の圧力差(=90kg/cm2 )分でチェック弁部
23を閉じる方向に付勢し続けるが、チェック弁部23
の開く方向の圧力室a内の圧力が120(kg/c
2 )になったので方向制御弁22の入口ポート44の
圧力が30(kg/cm2 )(120−90)となる状
態で、チェック弁部23及び減圧弁部24が圧力バラン
スする。すなわち、チェック弁部23及び減圧弁部24
はわずかにストロークし、チェック弁部23において、
120kg/cm2 から30kg/cm2 になるように
絞っている状態となる。ここで初めて、この油圧制御系
はつり合い、高圧側の方向制御弁22のポンプポート4
4の圧力が120kg/cm2 、低圧側の方向制御弁2
2のポンプポート44の圧力が30kg/cm2 とな
り、すなわち、二つの方向制御弁22,22の入口圧と
出口圧(負荷圧)の差は、ともに20kg/cm2 に保
たれることにより、二つの方向制御弁22,22はとも
に、ストローク分だけで、アクチュエータ88,88に
供給する流量を制御することができるようになる。
【0013】−各アクチュエータ88,88に必要
とされる流量は合計が油圧ポンプ20の最大吐出流量以
上のとき。いま、アクチュエータ88,88の負荷圧お
よび必要流量を左側のアクチュエータ88が100kg
/cm2 、501/min、右側のアクチュエータ88
が10kg/cm2 、501/minとする。油圧ポン
プ20の最大吐出流量が1001/min以上のとき
は、前述の通り、方向制御弁22,22の入口圧と出口
圧の差が一定に保たれる(=20kg/cm2 )ため、
ストロークによって流量制御ができ、501/minず
つ流量分配することはできる。次に、油圧ポンプ20の
最大吐出量が701/minになったとする。二つの方
向制御弁22,22の入口圧は前述の通り120kg/
cm2 、30kg/cm2 であるので、高圧側の方向制
御弁22への流量が501/minから201/min
に減る。低圧側の方向制御弁22への流量は、501/
minのままである。二つの方向制御弁22,22のス
トローク(開口面積)を変えないとすると、高圧側の方
向制御弁22の入口圧と出口圧の差圧が流量が減った
分、20kg/cm2 から下がる。いま、差圧が14k
g/cm2 、すなわち、入口圧が、120kg/cm2
から114(100+14)kg/cm2 に下がったと
する。この時圧力補償弁25の減圧弁部24の二つの圧
力室65,66の圧力は、ともに100kg/cm2
ままであるから、減圧弁部24は弱いばね69によって
チェック弁部23に当接しているだけであり、チェック
弁部23の閉じる方向の圧力室b内の圧力が120kg
/cm2 から114kg/cm2 に減少すれば、チェッ
ク弁部23が開いたまま(ストロークエンド)で、チェ
ック弁部23の開く方向の圧力室a内の圧力、すなわ
ち、ポンプ吐出圧が120kg/cm2 から114kg
/cm2 に減少する。この時(ポンプ吐出流量不足時)
にはポンプ吐出圧はポンプ調整用方向制御弁85の制御
によらなくなる。一方、低圧側の圧力補償弁25の減圧
弁部24の二つの圧力室65と66は、100kg/c
2 、10kg/cm2 のままで、その差圧90kg/
cm2 チェック弁部63を閉じる方向に付勢し続け
る。一方、チェック弁部23の開く方向の圧力室a内の
圧力、すなわちポンプ吐出圧が114kg/cm2 に減
少したので、チェック弁部23の閉じる方向の圧力室b
内の圧力が30kg/cm2から24kg/cm2 に減
少した状態でチェック弁部23及び減圧弁部24が圧力
バランスする。よって、低圧側の方向制御弁22の入口
圧と出口圧の差圧は20kg/cm2 から14kg/c
2 (24−10)に減少する。方向制御弁22のこの
差圧の減少により低圧側のアクチュエータ88への供給
流量は501/minから減少し、その分高圧側のアク
チュエータ88への供給流量が201/minから増え
る。すなわち、方向制御弁22および22の入口圧と出
口圧の差圧が等しく、かつ、二つのアクチュエータ8
8,88への供給量がともに351/minずつに分配
される状態で、この油圧制御系がつり合う。
【0014】一つの油圧ポンプ20によって負荷され
るアクチュエータが3つ以上のとき。アクチュエータが
3つ以上のときも、方向制御弁と油圧ポンプの間に、同
じチェック弁部23及び減圧弁部24を備えた圧力補償
弁25を配設し、各減圧弁部の閉じる方向の圧力差を負
荷圧検出路82によってすべて連通するだけで、アクチ
ュエータが3つ以上のときも前述の作動原理による作動
が実現される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】かかる圧油供給装置で
あると方向制御弁22の主スプール49を僅かにストロ
ークしたファインコントロール位置でも負荷の大きさに
関係なく主スプール49のストローク、つまり第1・第
2アクチェエータポート34,35と第1・第2負荷圧
検出ポート47,48の開口面積に比例した流量がアク
チェエータ88に供給されることになり、動きはじめの
アクチェエータ88の加速が急になったアクチェエータ
88が飛び出し的に動きはじめることになる。また、方
向制御弁22の主スプール49を中立位置から圧油供給
位置の途中の位置で停止した時にアクチェエータ88の
負荷が大きくとも開口面積に比例した流量をアクチェエ
ータ88に供給するのでアクチェエータ88の静定性が
悪くなる。
【0016】そこで、本発明は前述の課題を解決できる
ようにした圧油供給装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】主スプール49に、その
主スプール49を中立位置からあるストローク摺動した
範囲内で第1負荷圧検出ポート45と第1アクチェエー
タポート34を連通する連通孔123及び第2負荷圧検
出ポート46を第2アクチュエータポート35に連通す
る開口129を形成し、前記連通孔123に第1アクチ
ェエータポート34から第1負荷圧検出ポート45への
圧油流れを阻止するロードチェック弁124を設けた圧
油供給装置。
【0018】
【作 用】主スプール49を中立位置からあるストロ
ーク摺動した範囲内では第1負荷圧検出ポート45に流
入した油圧ポンプ20の吐出圧油はアクチェエータ88
の負荷圧に見合う圧力に上昇するまでロードチェック弁
124によって第1アクチェエータポート34に流出す
ることが阻止され、その圧油の一部は開口129より第
2アクチェエータポート35を経て第2タンクポート4
8に流出するし、その流出量はアクチェエータ88の負
荷に比例するので、負荷に応じてアクチェエータの動き
はじめがゆっくりとなるし、そのタンクポートに流出す
る流量によって減衰が大きくなるためにアクチェエータ
の静定性が向上する。
【0019】
【実 施 例】本発明の実施例を図4を参照して説明す
る。なお、従来と同一部材は符号を同一とする。主スプ
ール49の左側に径方向の第1孔120と軸孔121と
径方向の第2孔122より成り第1アクチェエータポー
ト34と第1負荷圧検出ポート45を連通・遮断する連
通孔123を形成し、この連通孔123に第1アクチェ
エータポート34から第1負荷圧検出ポート45に圧油
が流れることを阻止するロードチェック弁124を設け
る。このロードチェック弁124は主スプール49の軸
心に形成した盲穴125内に弁126を設け、この弁1
26とプラグ127との間にバネ128を設けて弁12
6を軸孔121に圧接して成る。前記主スプール49の
右側に第2負荷圧検出ポート46と第2アクチェエータ
ポート35を連通・遮断するスリット状の開口129が
形成してある。130は第1・第2負荷圧検出ポート4
5,46を常時連通する連通路である。
【0020】次に作動を説明する。主スプール49が中
立位置の時には連通孔123より第1負荷圧検出ポート
45と第1アクチェエータポート34が連通されない
し、開口129で第2負荷圧検出ポート46と第2アク
チェエータポート35が連通されない。主スプール49
を中立位置よりあるストローク(全ストロークの70
%)右方に摺動した範囲内では主スプール49の中間小
径部131、右側の切欠き132よりポンプポート44
が第2負荷圧検出ポート46に開口する。これとほぼ同
じタイミングで第1孔120が第1負荷圧検出ポート4
5に開口する。これにより、油圧ポンプ20の吐出圧油
は第1ポート39、ポンプポート44、中間小径部13
1、右側の切欠き132、第2負荷圧検出ポート46、
連通路130、第1負荷圧検出ポート45、第1孔12
0でロードチェック弁124の手前まで流入する。アク
チェエータ88が例えばパワーショベルのアームシリン
ダであると第1アクチェエータポート34に保持圧が作
用するが、ロードチェック弁124によって第1負荷圧
検出ポート45に流れることが阻止される。
【0021】これによって油圧ポンプ20の吐出圧油は
行き止まりとなるから、前述と同様にして油圧ポンプ2
0の吐出圧が上昇し、その吐出圧がロードチェック弁1
24に作用する保持圧まで上昇するとロードチェック弁
124が開き、油圧ポンプ20の吐出圧油がロードチェ
ック弁124により第2孔122を通って第1アクチェ
エータポート34よりアクチェエータ88に供給され
る。他方、主スプール49が前述のように右方にあるス
トロークだけ摺動した範囲内では開口129で第2負荷
圧検出ポート46が第2アクチェエータポート35に開
口すると同時に第2アクチュエータポート35が第2小
径部51と切欠き133で第2タンクポート48に開口
する。これによって、油圧ポンプ20の吐出圧油の一部
は第2タンクポート48に流出することになり、その流
出する流量は第1アクチェエータポート34に作用する
負荷圧(アクチェエータ88の保持圧)の大きさに比例
して多くなるので、アクチェエータ88の負荷(保持
圧)が大きい時には第2タンクポート48に流出する流
量が多くなるし、負荷が小さいときには第2タンクポー
ト48に流出する流量が少なくなるために負荷に応じて
アクチェエータ88の動きはじめの加速がゆるやかにな
りとび出し感がなくなるし、第2タンクポート48に流
出する流量によって減衰が大きくなるためアクチェエー
タの静定性が向上する。前記ストリット状の開口129
は右側の切欠き132、第1孔120に比べて開口面積
が非常に小さいので第2タンクポート48に流出する流
量によってアクチェエータ88の速度が遅くなりすぎる
ことはない。
【0022】主スプール49をあるストローク以上(例
えば全ストロークの70%以上)右方に摺動した時には
ストリット状の開口129によって第2負荷圧検出ポー
ト46と第2アクチェエータポート35が連通しなくな
って油圧ポンプ20の吐出圧油が主スプール49の第1
小径部50による第1負荷圧検出ポート45と第1アク
チェエータポート34の開口面積に比例した量だけ供給
されてアクチェエータ88の作動速度は速くなる。この
時、アクチェエータ88はすでに動きはじめているから
第2タンクポート48に油圧ポンプ20の吐出圧油の一
部が流出しなくとも動きはじめの飛び出しには何ら問題
がないし、アクチェエータ88の絶対速度はある程度大
きいために静定性も問題がないし、アクチェエータ88
の保持圧よりも油圧ポンプ20の吐出圧が高いから第1
アクチェエータポート34から第1負荷圧検出ポート4
5に逆流することがなく、前述のように第1アクチェエ
ータポート34と第1負荷圧検出ポート45を第1小径
部50で連通しても問題がなく、前述のように第1アク
チェエータポート34と第1負荷圧検出ポート45の開
口面積を主スプール49の摺動量(ストローク)に見合
う値に確保できる。前記連通孔123が連通終了する時
のストロークと開口により連通終了する時のストローク
は同一でも良いし、異ならせても良い。
【0023】以上の実施例ではロードチェック弁124
を備えた連通孔123を主スプール49の左側に形成し
たが、主スプール49の左右両側に設けても良く、この
ようにすればアクチェエータ88がパワーショベルの旋
回用モータのように第1・第2アクチェエータポート3
4,35に保持圧が作用する場合に対応できる。.
【0024】図4において、減圧弁部24の第3ポート
43と第2圧力室66をスプール64で遮断し、第3ポ
ート43と第2ポート42を連通・遮断するストリット
状の開口100をスプール64に形成し、第2ポート4
2の圧油を第3ポート43より負荷圧検出路82に直接
供給する。第2圧力室66はダンパ用絞り101を介し
て第3ポート43の連通し、フリーピストン68の圧力
室102をダンパ用絞り103で前記開口100に開口
連通する。これにより、スプール64が右方に摺動する
時には第2圧力室60内の圧油がダンパ用絞り101を
通って第3ポート43に流れ、圧力室102の圧油はダ
ンパ用絞り103を通って第2ポート42に流れるので
スプール64が急激に右方に摺動することを防止できる
し、スプール64が左方に摺動する時には前述と反対に
圧油が流れるから左方に急激に摺動することを防止でき
る。
【0025】チェック弁部23については、チェック弁
部23のスプール60に第1ポート39とポンプポート
44を連通・遮断する小径部104を形成してスプール
60を右方に押す圧力室105を第1ポート39と区画
し、スプール60に形成したダンパ用絞り106と連通
孔108で第1ポート39に連通する。これにより、ス
プール66が右方、左方に摺動する時に第1ポート39
と圧力室105との間にダンパ用絞り106を通して圧
油が流れるから、スプール66が急激に左方、右方に摺
動することを防止できる。
【0026】
【発明の効果】ロードチェック弁124を備えた連通孔
123と開口129によって主スプール49が中立位置
からあるストローク摺動した範囲内では油圧ポンプ20
の吐出圧が負荷圧に見合うまでその吐出量の一部がタン
クポートに流出するし、その流出量は負荷に比例するの
で、主スプール49を僅かなストロークだけ摺動した時
にはアクチェエータの動きがゆっくりとなるし、主スプ
ール49をその位置で停止た時にも減衰が大となってア
クチェエータの静定性が向上する。また、主スプール4
9を前記ストローク以上摺動した時には第1負荷圧検出
ポート45と第1アクチェエータポート34の開口面積
に比例した流量をアクチェエータに供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の圧油供給装置の回路図である。
【図2】先に出願した圧油供給装置の回路図である。
【図3】圧力補償弁と方向制御弁の具体例を示す断面図
である。
【図4】本発明の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
20…油圧ポンプ、21…吐出路、22…方向制御弁、
23…チェック弁部、24…減圧弁部、25…圧力補償
弁、30…弁ブロック、31…スプール孔、34…第1
アクチュエータポート、35…第2アクチュエータポー
ト、37…チェック弁用孔、38…減圧弁用孔、39…
第1ポート、42…第2ポート、43…第3ポート、4
4…ポンプポート、45…第1負荷圧検出ポート、46
…第2負荷圧検出ポート、47…第1タンクポート、4
8…第2タンクポート、49…主スプール、53…第1
油路、54…第2油路、56…油孔、58…油孔、60
…スプール、64…スプール、65…第1圧力室、66
…第2圧力室、69…ばね、82…負荷圧検出路、88
…アクチュエータ、123…連通孔、124ロードチェ
ック弁、129…開口。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−41681(JP,A) 特開 平4−351384(JP,A) 特開 平5−332309(JP,A) 特開 平5−332310(JP,A) 実開 平5−30503(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F15B 11/00 - 11/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁ブロック30にスプール孔31とチェ
    ック弁用孔37と減圧弁用孔38を形成し、前記弁ブロ
    ック30にはスプール孔31に開口したポンプポート4
    4、第1・第2負荷圧検出ポート45,46、第1・第
    2アクチュエータポート34,35、第1・第2タンク
    ポート47,48をそれぞれ形成し、このスプール孔3
    1に各ポートを連通・遮断する主スプール49を嵌挿し
    て方向制御弁22とし、 前記弁ブロック30にはチェック弁用孔37に開口した
    第1ポート39及びチェック弁用孔37をポンプポート
    44に連通する油路56を形成し、そのチェック弁用孔
    37に第1ポート39と油路56を連通・遮断し、かつ
    遮断位置でストップされるスプール60を挿入してチェ
    ック弁部23とし、 前記弁ブロック30には減圧弁用孔38に開口する第2
    ・第3ポート42,43を形成し、この減圧弁用孔38
    にスプール64を嵌挿して第1圧力室65と第2圧力室
    66を形成し、その第1圧力室65を第2負荷圧検出ポ
    ート46に連通し、第2圧力室66を第3ポート43に
    連通し、前記スプール64をばね69で一方向に付勢し
    て前記チェック弁部23のスプール60を遮断位置に押
    しつけ保持して減圧弁部24とし、この減圧弁部24と
    前記チェック弁部23で圧力補償弁25とし、前記第1
    ・第2ポート39,42に油圧ポンプ20の吐出路21
    を接続し、前記第3ポート43に負荷圧検出路82を接
    続し、 前記主スプール49に、その主スプール49を中立位置
    から圧油供給装置に向けてあるストロークだけ摺動した
    範囲で第1アクチェエータポート34と第1負荷圧検出
    ポート45を連通する連通孔123及び第2負荷圧検出
    ポート46と第2アクチェエータポート35を連通する
    開口129を形成し、前記主スプール49に、前記ある
    ストローク以上摺動した時に第1アクチェエータポート
    34と第1負荷圧検出ポート45をストロークに比例し
    た開口面積で連通する連通部を形成し、前記連通孔12
    3に第1アクチェエータポート34から第1負荷圧検出
    ポート45への圧油流れを阻止するロードチェック弁1
    24を設けたことを特徴とする圧油供給装置。
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