JP2551546Y2 - 圧油供給装置 - Google Patents

圧油供給装置

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JP2551546Y2
JP2551546Y2 JP8952491U JP8952491U JP2551546Y2 JP 2551546 Y2 JP2551546 Y2 JP 2551546Y2 JP 8952491 U JP8952491 U JP 8952491U JP 8952491 U JP8952491 U JP 8952491U JP 2551546 Y2 JP2551546 Y2 JP 2551546Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、1つの油圧ポンプの吐
出圧油を複数のアクチュエータに供給する圧油供給装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭60−11706号公報に示す圧
油供給装置が知られている。すなわち、図1に示すよう
に油圧ポンプ1の吐出導管2に複数の圧力補償弁3,1
3を並列に接続し、各圧力補償弁3,13の出口導管
4,14に方向制御弁5,15をそれぞれ設けこの各方
向制御弁5,15の出力側をアクチュエータ6,16に
それぞれ接続し、前記圧力補償弁3,13をポンプ吐出
圧と方向制御弁出口圧で開き方向に押され、方向制御弁
入口圧と最も高い負荷圧で閉じ方向に押される構造とし
た圧油供給装置である。この圧油供給装置であれば、複
数の方向制御弁3,13を同時操作した時に各アクチュ
エータにポンプ吐出圧油を所定の分配比で供給できる。
【0003】かかる圧油供給装置であるとアクチュエー
タの負荷圧を比較して高い方の負荷圧を圧力補償弁に供
給するためにシャトル弁7が必ず必要であり、しかもこ
のシャトル弁7はアクチュエータの数より1つ少ない数
だけ必要であり、それだけコストが高くなる。また、前
述の図1に示す圧油供給装置であると2つのアクチュエ
ータ6,12をともに作動させ、それらの負荷圧のう
ち、アクチュエータ6側の負荷圧が大きいとする。この
ときは、導管8内の圧力が最高負荷圧としてシャトル弁
7によって導管9に導かれる。次に、負荷圧が変動し
て、アクチュエータ16側の負荷圧の方がアクチュエー
タ6側の負荷圧より大きくなったとする。その際、すな
わちシャトル弁7が切換わる際、シャトル弁7内の吹き
ぬけにより導管18内の圧力がぬけ、他方の導管8内の
圧力が押しこめられる。そのため、シャトル弁7の切換
え時、過渡的にアクチュエータ6は自然降下しアクチュ
エータ6は加速される。そこで、本出願人は先に前述の
課題を解決できるようにした圧油供給装置を出願した。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】かかる圧油供給装置は
図2に示すように、油圧ポンプ20の吐出路21に複数
の方向制御弁22を設け、この各方向制御弁22の入口
側にチェック弁部23と減圧弁部24より成る圧力補償
弁25をそれぞれ設けたものであり、この方向制御弁2
2と圧力補償弁25とを組み合せて圧油供給装置を構成
する場合、実用化段階で方向制御弁22と圧力補償弁2
5を1つの弁ブロック内に組み込むことがコンパクト化
を図る上で必要となるが、方向制御弁22と圧力補償弁
25を1つの弁ブロックに組み込むことが弁ブロック間
のポート連通などによって大変困難である。
【0005】そこで、本考案は前述の課題を解決できる
ようにした圧油供給装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】弁ブロック30にスプー
ル孔31とチェック弁用孔37と減圧弁用孔38を形成
し、前記弁ブロック30にはスプール孔31に開口した
入力ポート44、第1・第2負荷圧検出ポート45,4
6、第1・第2アクチュエータポート34,35、第1
・第2タンクポート47,48をそれぞれ形成し、この
スプール孔31に各ポートを連通・遮断する主スプール
49を嵌挿して方向制御弁55とし、前記弁ブロック3
0の合せ面に第1・第2負荷圧検出ポート45,46を
開口させ、かつ凹部53で連通し、さらに弁ブロック3
0にはチェック弁用孔37に開口したポンプポート39
及びチェック弁用孔37を入力ポート44に連通する油
路56を形成し、そのチェック弁用孔37にポンプポー
ト39と油路56を連通・遮断し、かつ遮断位置でスト
ップされるスプール60を挿入してチェック弁部63と
し、前記弁ブロック30には減圧弁用孔38に開口する
第1・第2ポート42,43を形成し、この減圧弁用孔
38にスプール64を嵌挿して第1圧力室65と第2圧
力室66を形成し、その第1圧力室65を第2負荷圧検
出ポート46に連通し、第2圧力室66を第2ポート4
3に連通し、前記スプール64をばね69で一方向に付
勢して前記チェック弁部63のスプール60を遮断位置
に押しつけ保持して減圧弁部74とし、この減圧弁部7
4と前記チェック弁部63で圧力補償弁75とし、ポン
プポート39、第1ポート42に油圧ポンプ80の吐出
路81を接続し、前記第3ポート43に負荷圧検出路8
2を接続した圧油供給装置。
【0007】
【作 用】弁ブロック30に方向制御弁55と圧力補
償弁75をコンパクトに収納できるし、弁ブロック30
の合せ面に形成した凹部53で第1・第2負荷圧検出ポ
ート45,46を連通できる。
【0008】
【実 施 例】図3に示すように、弁ブロック30は略
直方体形状となり、この弁ブロック30の上部寄りにス
プール孔31が左右側面32,33に開口して形成さ
れ、このスプール孔31に開口した第1・第2アクチュ
エータポート34,35が上面36に開口して形成して
あり、弁ブロック30の下部寄りには左側面32に開口
したチェック弁用孔37と右側面33に開口した減圧弁
用孔38が同心状に形成され、前記チェック弁用孔37
に開口したポンプポート39が前後面40,41に開口
して形成され、前記減圧弁孔38に開口した第1、第2
ポート42,43が前後面40,41に開口して形成し
てあり、複数の弁ブロック30の前後面40,41を突
き合せて連結すると各ポンプポート、第1・第2ポート
39,42,43が連通すようにしてある。図4に示す
ように、前記弁ブロック30にはスプール孔31に開口
した入力ポート44、第1・第2負荷圧検出ポート4
5,46、前記第1・第2アクチュエータポート34,
35、第1、第2タンクポート47,48が形成され、
そのスプール孔31に嵌挿した主スプール49には第1
・第2小径部50,51と連通用溝52が形成してあ
り、前記第1・第2負荷圧検出ポート45,46は図3
に示すように弁ブロック30の前面に開口し、かつ凹部
53で連通し、主スプール49には第2負荷圧検出ポー
ト46と第2タンクポート48を連通・遮断する油路5
4が形成され、スプール49はスプリングで各ポートを
遮断し、油路54で第2負荷圧検出ポート46と第2タ
ンクポート48を連通する中立位置Aに保持され、スプ
ール49を右方に摺動すると第2小径部51で第2アク
チュエータポート35を第2タンクポート48に連通
し、連通用溝52で入力ポート44が第2負荷圧検出ポ
ート46に連通し、第1小径部50で第1アクチュエー
タポート34が第1負荷圧検出ポート45に連通し、か
つ第2負荷圧検出ポート46と第2タンクポート48が
遮断する第1圧油供給位置Bとなり、スプール49を左
方に摺動すると第1小径部50で第1アクチュエータポ
ート34を第1タンクポート47に連通し、連通用溝5
2で入力ポート44が第1負荷圧検出ポート45に連通
し、第2小径部51で第2アクチュエータポート35が
第2負荷圧検出ポート46に連通し、かつ第2負荷圧検
出ポート46と第2タンクポート48が遮断する第2圧
油供給位置Cとなって方向制御弁55を構成している。
前記チェック弁用孔37は油路56で入力ポート44に
開口し、そのチェック弁用孔37には前記ポンプポート
39と入力ポート44を連通遮断する弁60が嵌挿さ
れ、その弁60はプラグ61に設けたストッパ杆62で
図示位置より左方に摺動しないように規制されて遮断位
置に保持されてチェック弁部63を構成している。前記
減圧弁用孔38は第3ポート57と油路58で第2負荷
圧検出ポート46に連通し、この減圧弁用孔38にはス
プール64が嵌挿されて第1圧力室65と第2圧力室6
6を形成し、第1圧力室65は第3ポート57に連通
し、第2圧力室66は第2ポート43に連通し、前記ス
プール64の盲穴67に挿入したフリーピストン68と
盲穴67底部との間にばね69が設けられてフリーピス
トン68はプラグ70に当接し、かつスプール64に一
体的に設けた押杆71が透孔72より突出して前記弁6
0をストッパ杆62に当接しており、前記スプール64
には第1ポート42を盲穴67に連通する細孔73が形
成されて減圧弁部74を構成し、この減圧弁部74と前
記チェック弁部63とで圧力補償弁75を構成してい
る。このようであるから、複数の弁ブロック30を前後
面40,41相互を重ね合せて連結すれば、各弁ブロッ
ク30のポンプポート39、第1・第2ポート39,4
2,43が連通し、かつ凹部53が隣接する弁ブロック
30の後面41で閉塞されて第1・第2負荷圧検出ポー
ト45,46が連通するから、図5に示すように油圧ポ
ンプ80の吐出路81をポンプポート39、第1ポート
42に連通し、第2ポート43に負荷圧検出路82を接
続すれば図5に示すように図2と同様の油圧回路を構成
できる。なお、弁ブロック30を1つとしてスプール孔
31、チェック弁用孔37、減圧弁用孔38を複数形成
し、ポンプポート、第1・第2ポート39,42,43
を各チェック弁用孔37、減圧弁用孔38に亘って形成
しても良い。図6において、83は油圧ポンプ80の吐
出流量を制御する斜板、84はサーボシリンダ、85は
ポンプ調整用方向制御弁である。
【0009】次に作動を図6に基づいて説明する。 方向制御弁55が中立位置Aのとき。 油圧ポンプ80によってタンク86から吸上げられた油
は、吐出路81を通ってチェック弁部63の開く方向の
圧力室aに案内される。この時、減圧弁部74の圧力室
65,66は、ともにタンク86に通じているので、こ
の圧力室65,66の圧力はともにゼロで、よって減圧
弁部74は、弱いばね69によって押され杆体71がチ
ェック弁部63に当接しているだけである。一方、ポン
プ吐出圧は、ポンプ調整用方向制御弁85のばね87に
よって負荷圧検出路82の圧力との差圧がある一定に保
たれる。いま、この差圧を20kg/cm2 とすると負
荷圧検出路82の圧力はゼロなので、ポンプ吐出圧は2
0kg/cm2 まで上昇し、同時にチェック弁部63の
圧力室aにポンプ吐出圧が流入して方向制御弁55の入
口圧(チェック弁部63の出口圧)がポンプ吐出圧と等
しくなるまでストロークし、等しくなれば、弱いばね6
9によってレシートする。減圧弁部74は、ストローク
エンド時のみ、ポンプ吐出路81と圧力室66を連通さ
せる一方、チェック弁部63は、ストロークエンドに達
する前に、ポンプ吐出路81と出口側を連通させるの
で、方向制御弁55が中立位置Aのときは、ポンプ吐出
路81と圧力室66が連通することはなく、圧力室65
の圧力はゼロのままである。
【0010】方向制御弁55のいずれか一方のみ第1
圧油供給位置Bにストロークさせるとき。 いま、左側の方向制御弁55を第1圧油供給位置Bにス
トロークさせ、右側の方向制御弁55は、中立位置Aと
する。方向制御弁55をストロークさせ入力ポート44
と第1アクチュエータポート34を接続させ、同時に、
第2アクチュエータポート35と第2タンクポート48
を接続させる。この時第1アクチュエータポート34と
アクチュエータ88を接続する導管89内の圧力(負荷
圧)がポンプ吐出圧(20kg/cm2 )より大きいと
きはチェック弁部63が圧力室bの圧力でレシートする
ため、アクチュエータ88の自然降下を防止することが
できる。アクチュエータ88の導管89の圧力、すなわ
ち負荷圧が通路58より減圧弁部74の一方の圧力室6
5に導かれる。他方の圧力室66の圧力はゼロであるた
め、減圧弁部74は、チェック弁部63から解離する方
向にストロークエンドまでストロークし、減圧弁部74
の絞りを介して、ポンプ吐出路81と負荷圧検出路82
が連通する。前記導管89内の圧力(負荷圧)がポンプ
吐出圧(=20kg/cm2 )より大きいときは、チェ
ック弁部63が圧力室bの圧力で閉じ、その圧力が、減
圧弁部74の一方の圧力室65に導かれるため、他方の
圧力室66とポンプ吐出路81が連通しても、減圧弁部
74はストロークしたままである。一方、導管89内の
圧力(負荷圧)がポンプ吐出圧(=20Kg/cm2
より小さいときは、その負荷圧が減圧弁部74の一方の
圧力室65に導かれ、減圧弁部74が一方の圧力室65
の圧力でストロークするが、他方の圧力室66の圧力が
一方の圧力室65の圧力(すなわち負荷圧)まで上昇す
ると、弱いばね69によって閉じチェック弁部63に当
接する。いずれの場合でも、減圧弁部74は、一方の圧
力室65内の圧力と他方の圧力室66内の圧力が等しく
なるまで、ポンプ吐出路81と圧力室66を連通させ、
両圧力室65,66内の圧力が等しくなれば弱いばね6
9によって閉じチェック弁部63に当接する。結果とし
て負荷圧検出路82内の圧力は、負荷圧と等しくなり、
ポンプ吐出圧は、ポンプ調整用方向制御弁85によっ
て、ある差圧(ここでは20kg/cm2 )分だけ、負
荷圧検出路82内の圧力より高い圧力に制御される。こ
のポンプ吐出圧は、チェック弁部63を介して、入力ポ
ート44に導かれているので、すなわち、方向制御弁5
5の入口圧と出口圧(=負荷圧)の間には、差圧(=2
0kg/cm2 )が保たれることになる。よって、方向
制御弁55のストロークに伴なう入口側と出口側の間の
絞りの開口面積の変化によってのみ、アクチュエータ8
8へ供給される流量が制御される。方向制御弁55をス
トロークさせる際、アクチュエータ88の導管89ある
いは90と負荷圧導入用の第2油路53が接続され、一
方、第2油路53は、減圧弁部74の一方の圧力室65
と接続されているが、減圧弁部74において負荷圧は、
パイロット圧力(減圧弁部のセット圧力)としてのみ使
われるので、その圧力がぬけることはなく、すなわち、
方向制御弁55をストロークさせた際、負荷圧がぬける
ことによるアクチュエータ88の自然降下はない。
【0011】前記負荷圧検出路82はもう一方の方向制
御弁55に配設されている圧力補償弁75の減圧弁部7
4の他方の圧力室66にも接続されているが、減圧弁部
74の一方の圧力室65は、方向制御弁55の中立位置
Aによってタンク86と接続しているため、負荷圧はゼ
ロで、よって圧力室66内の圧力によって減圧弁部74
は、チェック弁部63を閉じる方向に付勢する。一方、
チェック弁部74を開く方向の圧力室aには、ポンプ吐
出路81よりポンプ吐出圧が導かれるため、全体とし
て、ポンプ吐出圧と負荷圧検出路82内の圧力の差圧分
(=20kg/cm2 )によってチェック弁部63及び
減圧弁部74をチェック弁部63の開く方向にストロー
クさせるが、わずかにストロークし入力ポート44の圧
力がその差圧(=20kg/cm2 )になれば、弱いば
ね69によってレシートし、結果として、ストロークエ
ンドまで減圧弁部74がストロークすることはなく、方
向制御弁55側の油圧制御には、何ら影響することはな
い。
【0012】方向制御弁55のいずれも第1圧油供給
位置Bにストロークさせるとき。 −各アクチュエータ88に必要とされる流量の合計
が油圧ポンプ20の最大吐出流量以下のとき。 いま、方向制御弁55をともに第1圧油供給位置Bにス
トロークさせ、各入力ポート44と各導管89と第1・
第2負荷圧検出ポート45,46をそれぞれ接続させた
とする。一方の減圧弁部74は、圧力室66内の圧力が
一方の圧力室65内の圧力に等しくなるまで、また他方
の減圧弁部74は、圧力室66内の圧力が、一方の圧力
室65内の圧力に等しくなるまで、それぞれストローク
エンドまでストロークしたままである。いま、二つのア
クチュエータ88,88の負荷圧のうち、左側のアクチ
ュエータ88の負荷圧がより大きいとする。仮に、左側
のアクチュエータ88の負荷圧を100(kg/c
2 )、右側のアクチュエータ88の負荷圧を10(k
g/cm2 )とする。負荷圧検出路82は、絞り91を
介してタンク86と接続されているので、方向制御弁ス
トローク前は負荷圧検出路82内の圧力はゼロである。
よって、各減圧弁部74は負荷圧検出用の第1油路53
内の圧力によってともにストロークし、ポンプ吐出圧が
圧力検出導管34内の圧力と連通させる。負荷圧検出路
82内の圧力が低圧側である右側のアクチュエータ88
の導管90内の圧力(10kg/cm2 )まで上昇する
と、まず、右方の圧力補償弁75の減圧弁部74が閉じ
る。左方の圧力補償弁90の減圧弁部74はストローク
したままであり、負荷圧検出路82内の圧力はポンプ吐
出圧(20kg/cm2 )と等しくなるまで上昇する。
このとき高圧側である左側のアクチュエータ88の方向
制御弁55の入力ポート44の圧力は100(kg/c
2 )であり、圧力補償弁75のチェック弁部63は閉
じていて、減圧弁部74とは解離している。一方圧力補
償弁75の減圧弁部74は、二つの圧力室65と66内
の圧力の差(20−10=10kg/cm2 )でチェッ
ク弁部63を閉じる方向に付勢する。一方、チェック弁
部63の開く方向の圧力室a内の圧力(ポンプ吐出圧)
は20(kg/cm2 )であるため、結果として方向制
御弁55の入力ポート44の圧力が10(kg/c
2 )になるまでチェック弁部63が開いた後、弱いば
ね69によってレシートする。ポンプ調整用方向制御弁
85によって、ある差圧(20kg/cm2 )分だけ、
負荷圧検出路82内の圧力(20kg/cm2 )より高
い圧力にポンプ吐出圧が制御される(40kg/c
2 )。このときも高圧側の圧力補償弁75のチェック
弁部63は閉じたままで減圧弁部74はストロークした
ままで負荷圧検出路82内の圧力は40(kg/c
2 )となり、一方、低圧側の圧力補償弁75の減圧弁
部74は、負荷圧検出路82と負荷圧導入用の第1油路
53内の圧力差(=30kg/cm2 )でチェック弁部
63を閉じる方向に付勢し、結果として方向制御弁55
の入力ポート44の圧力は10kg/cm2 のままであ
る。このようにして、負荷圧検出路82内の圧力とポン
プ吐出圧が上昇し続け、やがてポンプ吐出圧が高圧側の
アクチュエータ88の負荷圧(100kg/cm2)と
等しくなると、高圧側の圧力補償弁75の減圧弁部63
の二つの圧力室65と66内の圧力はともに100kg
/cm2 となり、弱いばね69によって、閉じてチェッ
ク弁部63に当接する。このとき低圧側の圧力補償弁7
5の減圧弁部74は負荷圧検出路82と負荷圧導入用の
第1油路53内の圧力差(100−10=90kg/c
2 )でチェック弁部63を閉じる方向に付勢し、結果
として低圧側の方向制御弁55の入力ポート44の圧力
は10kg/cm2 のままである。再び、ポンプ調整用
方向制御弁85によって、ポンプ吐出圧が120(kg
/cm2 )に制御される。このとき高圧側の圧力補償弁
75の減圧弁部63は、弱いばね69によってチェック
弁部63に当接しているだけであり、チェック弁部63
の二つの圧力室aとbの圧力差によって、ここで初めて
チェック弁部63が開き、ポンプ吐出圧(120kg/
cm2 )が方向制御弁55の入力ポート44に導かれ
る。一方、低圧側の圧力補償弁75の減圧弁部74は負
荷圧検出路82と第1・第2負荷圧検出ポート45,4
6内の圧力差(=90kg/cm2 )分でチェック弁部
63を閉じる方向に付勢し続けるが、チェック弁部63
の開く方向の圧力室a内の圧力が120(kg/c
2 )になったので方向制御弁55の入力ポート44の
圧力が30(kg/cm2 )(120−90)となる状
態で、チェック弁部63及び減圧弁部74が圧力バラン
スする。すなわち、チェック弁部63及び減圧弁部74
はわずかにストロークし、チェック弁部63において、
120kg/cm2 から30kg/cm2 になるように
絞っている状態となる。ここで初めて、この油圧制御系
はつり合い、高圧側の方向制御弁55の入力ポート44
の圧力が120kg/cm2 、低圧側の方向制御弁55
の入力ポート44の圧力が30kg/cm2 となり、す
なわち、二つの方向制御弁55,55の入口圧と出口圧
(負荷圧)の差は、ともに20kg/cm2 に保たれる
ことにより、二つの方向制御弁55,55はともに、ス
トローク分だけで、アクチュエータ88,88に供給す
る流量を制御することができるようになる。
【0013】−各アクチュエータ88,88に必要
とされる流量の合計が油圧ポンプ80の最大吐出流量以
上のとき。 いま、アクチュエータ88,88の負荷圧および必要流
量を左側のアクチュエータ88が100kg/cm2
501/min、右側のアクチュエータ88が10kg
/cm2 、501/minとする。油圧ポンプ80の最
大吐出流量が1001/min以上のときは、前述の通
り、方向制御弁55,55の入口圧と出口圧の差が一定
に保たれる(=20kg/cm2 )ため、ストロークに
よって流量制御ができ、501/minずつ流量分配す
ることはできる。次に、油圧ポンプ80の最大吐出量が
701/minになったとする。二つの方向制御弁5
5,55の入口圧は前述の通り120kg/cm2 、3
0kg/cm2 であるので、高圧側の方向制御弁55へ
の流量が501/minから201/minに減る。低
圧側の方向制御弁55への流量は、501/minのま
まである。二つの方向制御弁55,55のストローク
(開口面積)を変えないとすると、高圧側の方向制御弁
55の入口圧と出口圧の差圧が流量が減った分、20k
g/cm2 から下がる。いま、差圧が14kg/c
2 、すなわち、入口圧が、120kg/cm2 から1
14(100+14)kg/cm2 に下がったとする。
この時圧力補償弁75の減圧弁部74の二つの圧力室6
5,66の圧力は、ともに100kg/cm2 のままで
あるから、減圧弁部74は弱いばね69によってチェッ
ク弁部63に当接しているだけであり、チェック弁部6
3の閉じる方向の圧力室b内の圧力が120kg/cm
2 から114kg/cm2 に減少すれば、チェック弁部
63が開いたまま(ストロークエンド)で、チェック弁
部63の開く方向の圧力室a内の圧力、すなわち、ポン
プ吐出圧が120kg/cm2 から114kg/cm2
に減少する。この時(ポンプ吐出流量不足時)にはポン
プ吐出圧は、ポンプ調整用方向制御弁85の制御によら
なくなる。一方、低圧側の圧力補償弁75の減圧弁部7
4の二つの圧力室65と66は、100kg/cm2
10kg/cm2 のままで、その差圧90kg/cm2
でチェック弁部63の閉じる方向に付勢し続ける。一
方、チェック弁部63の開く方向の圧力室a内の圧力、
すなわちポンプ吐出圧が114kg/cm2 に減少した
ので、チェック弁部63の閉じる方向の圧力室b内の圧
力が30kg/cm2から24kg/cm2 に減少した
状態でチェック弁部63及び減圧弁部74が圧力バラン
スする。よって、低圧側の方向制御弁55の入口圧と出
口圧の差圧は20kg/cm2 から14kg/cm
2 (24−10)に減少する。方向制御弁55のこの差
圧の減少により低圧側のアクチュエータ88への供給流
量は501/minから減少し、その分高圧側のアクチ
ュエータ88への供給流量が201/minから増え
る。すなわち、方向制御弁55および55の入口圧と出
口圧の差圧が等しく、かつ、二つのアクチュエータ8
8,88への供給量がともに351/minずつに分配
される状態で、この油圧制御系がつり合う。
【0014】一つの油圧ポンプ80によって負荷され
るアクチュエータが3つ以上のとき。 アクチュエータが3つ以上のときも、方向制御弁と油圧
ポンプの間に、同じチェック弁部63及び減圧弁部74
を備えた圧力補償弁75を配設し、各減圧弁部の閉じる
方向の圧力差を負荷圧検出路82によってすべて連通す
るだけで、アクチュエータが3つ以上のときも前述の作
動原理による作動が実現される。以上の実施例では油圧
ポンプ80を可変容量型としたが、油圧ポンプ80を固
定容量型としても良く、この場合には油圧ポンプ80の
ポンプ吐出路81にアンロード弁を設ければ良い。
【0015】
【考案の効果】方向制御弁55及びチェック弁部63と
減圧弁部74より成る圧力補償弁75を弁ブロック30
にコンパクトに収納して装置全体をコンパクトにできる
し、弁ブロック30の合せ面に形成した凹部53で第1
・第2負荷圧検出ポート45,46を連通できて、その
ための構造が簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の圧油供給装置の回路図である。
【図2】先に出願した圧油供給装置の回路図である。
【図3】本考案の実施例を示す弁ブロックの斜視図であ
る。
【図4】弁ブロックに主スプール、スプールを組み込ん
だ状態の断面図である。
【図5】複数の弁ブロックの接続状態を示す斜視図であ
る。
【図6】図5に示すものの回路図である。
【符号の説明】
30…弁ブロック、31…スプール孔、34…第1アク
チュエータポート、35…第2アクチュエータポート、
37…チェック弁用孔、38…減圧弁用孔、39…ポン
プポート、42…第1ポート、43…第2ポート、44
…入力ポート、45…第1負荷圧検出ポート、46…第
2負荷圧検出ポート、47…第1タンクポート、48…
第2タンクポート、49…主スプール、53…凹部、5
6…油孔、58…油孔、60…スプール、63…チェッ
ク弁部、64…スプール、65…第1圧力室、66…第
2圧力室、69…ばね、74…減圧弁部、75…圧力補
償弁、80…油圧ポンプ、81…ポンプ吐出路、82…
負荷圧検出路。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁ブロック30にスプール孔31とチェ
    ック弁用孔37と減圧弁用孔38を形成し、前記弁ブロ
    ック30にはスプール孔31に開口した入力ポート4
    4、第1・第2負荷圧検出ポート45,46、第1・第
    2アクチュエータポート34,35、第1・第2タンク
    ポート47,48をそれぞれ形成し、このスプール孔3
    1に各ポートを連通・遮断する主スプール49を嵌挿し
    て方向制御弁55とし、前記弁ブロック30の合せ面に
    第1・第2負荷圧検出ポート45,46を開口させ、か
    つ凹部53で連通し、 前記弁ブロック30にはチェック弁用孔37に開口した
    ポンプポート39及びチェック弁用孔37を入力ポート
    44に連通する油路56を形成し、そのチェック弁用孔
    37にポンプポート39と油路56を連通・遮断し、か
    つ遮断位置でストップされるスプール60を挿入してチ
    ェック弁部63とし、 前記弁ブロック30には減圧弁用孔38に開口する第1
    ・第2ポート42,43を形成し、この減圧弁用孔38
    にスプール64を嵌挿して第1圧力室65と第2圧力室
    66を形成し、その第1圧力室65を第2負荷圧検出ポ
    ート46に連通し、第2圧力室66を第2ポート43に
    連通し、前記スプール64をばね69で一方向に付勢し
    て前記チェック弁部63のスプール60を遮断位置に押
    しつけ保持して減圧弁部74とし、この減圧弁部74と
    前記チェック弁部63で圧力補償弁75とし、ポンプポ
    ート39、第1ポート42に油圧ポンプ80の吐出路8
    1を接続し、前記第2ポート43に負荷圧検出路82を
    接続したことを特徴とする圧油供給装置。
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